JP4728262B2 - サドル構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、斜張橋やエクストラドーズド橋などの主塔に設けられるサドル構造体に関する。特に、本発明は、サドル構造体を構成する部材のうち、内管の厚さを薄くすることができるサドル構造体に関する。
幹線道路や鉄道線路に設けられる橋梁として、斜張橋やエクストラドーズド橋が知られている。これら斜張橋やエクストラドーズド橋は、主桁に垂直に配置された主塔から斜めに延びる複数のケーブルにより主桁を支持するように構成されている。
上記のような斜張橋やエクストラドーズド橋の主塔において、サドル構造体を用いることが提案されている。サドル構造体は、主桁に両端部が固定されるケーブルの中間部を主塔部分で保持するように構成したものである。このようなサドル構造体としては、例えば、特許文献1や特許文献2に記載のものが挙げられる。
図12は、特許文献1に記載されたサドル構造体と同様の構成を有するサドル構造体の概略構成図である。サドル構造体100は、コンクリートで構成される主塔200内に埋設される外管120と、この外管120の内部に配置される内管110とを主たる構成要素とする。外管120内における内管110の位置は、内管スペーサ150により固定される。内管110の内部には緊張された複数のストランド130が挿通され、このストランド130がグラウト140により内管110と一体となっている。ここで、このサドル構造体は、複数のストランドを一組として一本のケーブルと考えて設計される。さらに、内管110の両端部における外周面にはリングナット180がネジ嵌合されており、このリングナット180は、主塔200に固定される支圧板181に当て止めされている。このような構成を有することにより、主桁が振動したりすることでケーブルに導入される張力差は、ケーブルからグラウト140、内管110、リングナット180、支圧板181を介して主塔200に伝達される。
上述したサドル構造体100の構成部材のうち、内管110は緩やかな曲率を有する曲管部111と、この曲管部111の両端に形成される直管部112とからなる(図12(B)を参照)。曲管部111は、一方のケーブル固定点から他方のケーブル固定点に伸びるケーブル(複数のストランドを一組としたもの)を主塔200部分で偏向する。一方、直管部112は、曲管部111の端部から真直ぐに延びるように形成され、曲管部111の端部から主桁のケーブル固定点へとケーブルを案内する。
また、このサドル構造体100の内管直管部112では、ケーブルスペーサ190により各ストランド130が所定の間隔を空けて保持されている。各ストランド130間の間隔を空けることで止水構造195を形成し易くなる。止水構造195は、内管110内からのグラウト140の漏れを防止している。
一方、図13は、特許文献2に記載されたサドル構造体と同様の構成を有するサドル構造体の概略構成図である。このサドル構造体101では、複数のストランド231を被覆材235内に収納して一本のケーブルにまとめた、いわゆるマルチケーブル230を使用しており、ケーブルスペーサを必要としない。そのため、マルチケーブル230を使用することにより、図12のサドル構造体とは、出口部分の構造が変化する。ここで、出口部分以外のサドル構造体の基本的な構造は図12のものと同じであるため、図12を参照して説明した部材と同一のものについては同一の符号を付し、説明を省略する。
図13(B)は、マルチケーブルを使用したサドル構造体の出口部分の拡大図である。このサドル構造体101では、直管部112の端部にスライドパイプ210がネジ嵌合され、さらに、スライドパイプ210の端部にゴムブーツ220が装着されている。ゴムブーツ220は、スライドパイプ210の端部とマルチケーブル230との隙間を封止し、内管110内からのグラウト140の漏出を防止している。
ここで、上述した特許文献1、2のサドル構造における内管の直管部は、内管から伸びるケーブルを主桁のケーブル固定点に案内することができるように曲管部の両端部に形成されていることはすでに述べたが、この直管部の軸線が主桁のケーブル固定点を貫くように配置されていない場合もある。主塔からケーブル固定点に斜めに延びるケーブルは、自重により垂れ下がるため、直管部の端部からケーブル固定点までの間で一直線に伸びるのではなく、懸垂線を描く。このため、直管部の軸線がケーブル固定点を貫くように直管部を配置していると、条件によっては、直管部の端部でケーブルが角折れしたり、ケーブルが直管部を下方に押圧して直管部に作用する荷重レベルが大きくなることが考えられる。このような問題を解決するために、従来のサドル構造体では、ケーブルの垂れ下がり量(ケーブルサグ)を考慮して、直管部の出口部分で直管部から突出している部分のケーブルの軸線と内管直管部の軸線とが一致するように曲管部の曲率を調節していた。
特開2003-55911号公報 特開平11-280021号公報
しかし、上述のようにケーブルサグを考慮してサドル構造体を設計しても、サドル構造体の各部材における加工誤差や、施工時の施工誤差などにより、内管直管部の出口部分におけるケーブルの軸線と内管直管部の軸線とがずれて、ケーブルが角折れしてしまう虞がある。
また、ケーブルの軸線と内管直管部の軸線とが一致していても、例えば、橋梁上を列車や車両が通過したりすることでケーブルが振動し、ケーブルが直管部を押圧して直管部に曲げ応力が作用する場合があった。そもそも、直管部には、ケーブルを緊張したときに、ケーブルが直管部の軸方向に対して直角に直管部を押圧する力(法線分力)が作用しており(図12(B)、13(B)の矢印の方向を参照)、ケーブルが振動していないときにも直管部に強い曲げ応力が作用している。法線分力は、図12(C)、図13(C)に示すように内管の中間部でストランドが内管の下方に偏り、内管曲管部の中間部と内管直管部とでケーブルの曲率が変化するために生じる応力であり、この法線分力などによる曲げ応力に耐え得るように、直管部を含む内管の厚さを厚くする必要があった。
さらに、近年、阪神・淡路大震災の教訓からレベル2地震動に相当する張力がケーブルに作用した場合でも、この張力に耐え得る橋梁が求められており、内管の厚さをさらに厚くする必要があった。このように内管の厚さを厚くした場合、部材単価が上昇して、工事費用が高くなってしまう。なお、レベル2地震動の定義は、2000年3月の土木学会 地震工学委員会 レベル2地震動研究小委員会の活動成果報告書による。
一方、内管直管部の端部をラッパ状に形成して、この端部におけるケーブルの角折れを防止するとともに、端部にかかる曲げ応力を低減することが提案されている。しかし、内管直管部のラッパ状端部は、切削加工により形成することは困難であるため、一般に塑性加工で形成されるが、このような塑性加工は、工程が煩雑でコストが高くなる。しかも、直管部の端部をラッパ状にしても、直管部に法線分力が作用することに変わりないので、結局、直管部の厚さを厚くしなければならなかった。
その他、内管曲管部の中間部と内管直管部とでケーブルの曲率が変化することにより、特に、特許文献1のサドル構造体ではケーブルスペーサ190の端部の位置(特に、図12(B)のaの位置)、特許文献2のサドル構造体では被覆材235の端部の位置(特に、図13(B)のbの位置)におけるストランドの角折れのためにケーブルに作用する付加応力が大きくなる可能性があった。
そこで、本発明の主目的は、サドル構造体の出口部において、内管の直管部に過大な曲げ応力が作用することのない構造を有するサドル構造体を提供することにある。
本発明者らは、法線分力の作用の仕方に着目し、法線分力を減少させる構成を種々検討した結果、内管の直管部の角度を調節することで、法線分力を大幅に減少させることができるとの知見を得た。この知見に基づいて本発明を規定する。
本発明サドル構造体は、緊張された状態で橋梁の主桁に両端部を固定される複数の独立したストランドが挿通される内管と、橋梁の主塔部分に埋設されて内管の外周を覆う外管と、内管の端部で複数の独立したストランドを互いに離間させるケーブルスペーサとを有する。サドル構造体の内管は、曲管部と、曲管部の両端部に形成され外管の端部から突出する直管部とからなる。そして、前記複数のストランドを一組として一本のケーブルと考えたとき、水平線と前記直管部の軸線とのなす角を、水平線と、直管部から主桁に伸びるケーブルのサグを考慮したときの仮想直管部の軸線とのなす角よりも大きくしたことを特徴とする。
上記構成となすことにより、内管の内部に複数の独立したストランドを配置するサドル構造体において、法線分力を大幅に減少させることができる。また、ケーブルスペーサの端部において、特に内管の上部に位置するストランドの曲げ角を緩やかにすることができる。
複数の独立したストランドを用いた本発明のサドル構造体では、内管曲管部の曲率を変化させることにより、水平線に対する直管部の角度を変化させる。しかし、従来のサドル構造体(図12(B)を参照)と、本発明サドル構造体(後述する実施例2のサドル構造体を示す図2)とを比較したとき、直管部の角度を除き、両者に外観上の変化はない。しかし、図2に示す内管10の内部において、ケーブルスペーサ90の曲管部11側の端部(図12(B)のaの箇所に相当)におけるストランド31の曲げ角を小さくすることができる。また、この部分でのストランド31の曲げ角を小さくできることから、内管直管部12に作用する法線分力を小さくできる。そのため、直管部12の厚さを従来のサドル構造体よりも薄くすることができる。
このサドル構造では、前記曲管部の曲げ半径が2.5m以上である場合、前記直管部の軸線とケーブルサグを考慮したときの直管部の軸線との角度差が3°以下であることが好ましい。前記角度差が、3°を超えると、従来とは反対の方向にケーブルが角折れしてしまう可能性がある。この角度差は、部材の機械特性や寸法により3°を超えない範囲で適宜選択すれば良い。例えば、住友電工スチールワイヤー(株)製の12Sケーブルを使用する場合、最小曲げ半径2.5m以上なら、角度差は0.5°、27Sケーブルを使用する場合、最小曲げ半径3.5m以上なら、角度差を1.0°とすれば良い。ここで、12Sケーブルとは、内管の内部に配置する12本のストランドを一組として一本のケーブルと考えたものである。また、27Sケーブルも同様に27本のストランドを一組として一本のケーブルと考えたものである。
また、本発明の別のサドル構造体は、緊張された状態で橋梁の主桁に両端部を固定されるマルチケーブルが挿通される内管と、橋梁の主塔部分に埋設され内管の外周を覆う外管とを備える。サドル構造体の内管は、曲管部と、曲管部の両端部に形成され、外管から突出する直管部とからなる。そして、内管の端部に形成される直管部の開口端部において、水平線と直管部の軸線とのなす角を、水平線とマルチケーブルの軸線とのなす角よりも大きくしたことを特徴とする
上記構成となすことにより、マルチケーブルを使用したサドル構造体において、法線分力を大幅に減少させることができる。ここで、マルチケーブルとは、被覆材の内部に複数のストランドを配置して一本にまとめたケーブルである。
マルチケーブルを用いた本発明の別のサドル構造体では、水平線に対する直管部の角度を変化させることにより、直管部の角度が変化することはもちろん、出口部分の構造に外観上の変化が認められる。具体的な外観上の変化として、後述する実施例1のサドル構造体のように(図1を参照)、マルチケーブルがスライドパイプのほぼ中間部を通る。従って、両開口部が、ほぼ同芯状のゴムブーツをスライドパイプの端部に装着することになる。一方、内管の内部における変化として、直管部の出口側端部では、マルチケーブルが直管部から浮いた状態になり、直管部と接触しなくなる。このように、本発明のサドル構造体では、従来のサドル構造体と比較して、直管部における法線分力が作用する点をリングナット側に移動させることができるので、直管部における曲げモーメントを減少させ、直管部に作用する法線分力を抑制できる。さらに、ストランドが露出し始める部分(図13(B)のbの箇所に相当)で、ケーブルの曲げ角を緩やかにすることができる。
このサドル構造では、前記曲管部の曲げ半径が2.5m以上である場合、前記直管部の軸線とマルチケーブルの軸線との角度差が3°以下であることが好ましい。前記角度差が、3°を超えると、従来とは反対の方向にケーブルが角折れしてしまう可能性がある。直管部の軸線とマルチケーブルの軸線との角度差は、部材の機械特性や寸法により適宜選択すれば良い。例えば、住友電工スチールワイヤー製のマルチエポキシケーブルを使用する場合、上記角度差を以下の値にすることが挙げられる。
ケーブルの種類 最小曲げ半径 角度差
12Sケーブル 2.5m以上 0.5°
19Sケーブル 3.0m以上 1.0°
27Sケーブル 3.5m以上 1.5°
37Sケーブル 4.0m以上 2.0°
ここで、12Sケーブルとは、被覆材の内部に12本のストランドが配置されたマルチケーブルである。他のマルチケーブルにおいても、Sの前の数字が、マルチケーブル内に配置されるストランドの本数を表す。
以上、説明したサドル構造を設計するにあたり、水平線に対する内管直管部の角度を大きくするには、内管曲管部の曲率を小さくすれば良いが、ただ単に内管の曲管部の曲率を小さくするだけでは上述したサドル出口部における法線分力を緩和できない虞がある。例えば、内管曲管部の曲率を小さくしたときに内管曲管部の中央位置が当初の位置から上下すると、ケーブルの線形が当初の線形から変わってしまう虞がある。この場合、サドル構造の各部に作用する応力の状態が変化して、法線分力を緩和できない虞がある。本発明者らは、このような問題点を解消するために、以下に示す2点を考慮した設計思想を考えた。
[1] ケーブルサグを考慮して設計された内管曲管部の中央下部点を固定した状態で曲管部の曲率を小さくする。
[2] 内管内にケーブルを挿通したときに、内管直管部で所定の間隔を空けて均等に配置されているストランドが、内管曲管部の中央で曲管部の下部に偏ることにより、ケーブル全体が下方に移動する量を考慮する。
上述した設計思想に基づいて、マルチケーブルを用いたサドル構造体の具体的な設計方法を説明する。
まず、図3(A)に示すケーブルサグを考慮した場合を考える。初めに内管の両端部における直管部12の軸線を主塔の中心方向に延長して交点(内管仮想交点X1)を求める。同時に、直管部の開口端部におけるケーブルの軸線を主塔の中心方向に延長して交点(ケーブル仮想交点Y1)を求める。ケーブルは、緊張力やケーブルの自重により、図の下方に引っ張られるので、内管の中心ではなく、内管の下部に沿って内管に接触するような位置にある。従って、ケーブルの軸線を延長した線は、直管部の軸線を延長した線の下方にずれる。ここで、内管は、ケーブルサグを考慮して設計されているので、前述の両軸線は平行になる。このとき、水平線と、直管部の軸線(および、ケーブルの軸線)を延長した線とのなす角をα、内管の中心に位置する内管の下部点をAとする。
次に、ケーブルの位置を動かさずに、曲管部11の曲率を小さくする。即ち、図3(B)における内管の中心に位置する内管の下部点Bを図3(A)の点Aと一致させた状態で曲管部11の曲率を小さくする。曲管部11の曲率を小さくすることで、図3(B)の直管部12が、図3(A)の直管部に比較して、若干、下を向いた状態になり、内管の両端部における直管部12の軸線を主塔の中心方向に延長した交点(内管仮想交点X2)は、X1よりも上方に位置する。従って、水平線と、直管部12の軸線を延長した線とのなす角βは、αよりも大きくなる。ここで、曲管部11の中央下部点を固定せずに、曲管部11の曲率を小さくした場合、曲管部11内のケーブルの曲げ半径が小さくなるだけで法線分力はほとんど変わらない。
次に、図3(B)の内管にマルチケーブルを配置した状態を考える(図4(C)を参照)。このとき、ケーブル30は、その両端部を図示しない主桁のケーブル固定点で、中間部を点Bにより位置決めされており、また、ケーブル30が緊張されていることとケーブル30自身の剛性のために、微少な曲管部11の曲率の変化によってケーブルサグが変化することはない。即ち、直管部12の開口端部におけるケーブル30の軸線は、図3(A)に示したものと同一であり、ケーブルの角度はαである。
最後に、実際のサドル構造体のように、内管内のマルチケーブル30の被覆材30cを剥いで、ストランド30sが露出した状態を考える(図4(D)を参照)。具体的には、内管の中心部におけるストランド30sが内管の中間部で内管の下部に偏ることを考慮して、ケーブル30全体を図の下方に平行移動させる。この平行移動により、ケーブル仮想交点は、Y1からY2に移動する。このとき、被覆材30cは、被覆材30cの主塔中間側の端部においてのみ直管部12と接触することになる。そして、スライドパイプ95のケーブル固定点側の端部において、マルチケーブル30をスライドパイプ95のほぼ中間を通るようにすることができる。
上記設計思想は、複数の独立したストランドをケーブルスペーサにより離間させる構造を有するサドル構造体にも適用することができる。ケーブルスペーサを用いる場合も、マルチケーブルを用いる場合と同様に、内管曲管部の下部点Aを固定した状態で曲管部の曲率を小さくするとともに、内管曲管部におけるケーブルの偏りを考慮すれば良い。
本発明サドル構造体によれば、従来のサドル構造体と比較して内管直管部に作用する法線分力を大幅に低減することができる。従って、直管部を含めた内管の厚さを薄くすることができる。また、レベル2の地震動に相当する張力差がケーブルに作用した場合でも、法線分力が大幅に低減されるので、結果的にサドル構造体自体の耐久性が向上する。
<実施例1>
ここでは、本発明サドル構造体を斜張橋やエクストラドーズド橋などの橋梁の主塔に適用した場合を例として説明を行なう。これらの橋梁は、地面にほぼ平行に延びる主桁と、主桁にほぼ垂直に延びる主塔と、主塔から主桁に伸びる斜ケーブル(ケーブル)により構成される。本実施例に使用するケーブルは、複数のストランドを被覆材で一本にまとめた、いわゆるマルチケーブルである。本実施例では、まず初めにサドル構造体の全体構成を、次いで、各構成部材を説明する。
(全体構成の概要)
図1(A)は、マルチケーブルを用いたサドル構造体の出口部分の部分拡大図である。サドル構造体1は、橋梁の主塔に埋設した外管20と、外管20の内部に配置された内管10とを主たる構成要素とし、内管10の内部に挿通したマルチケーブル30で橋梁の主桁を吊り下げるように構成したものである。
サドル構造体1の外管20は、その両端部が主塔の対向する側壁に開口するようにコンクリート製の主塔に埋設される。外管20の外周には、外管20の長手方向に沿って主塔を補強する補強筋70が配置される。また、主塔の側壁のうち、外管20の開口端部近傍には支圧板81が配置されている。
内管10は、外管20の内部に配置され、その両端部が外管20から突出するように主塔の対向する側壁に開口している。また、内管10は、内管スペーサにより外管20の内部に固定される。このとき、内管10と外管20との間には隙間が形成され、この隙間にグラウト排出ホース63が挿入されている。さらに、内管10の端部に形成される直管部12の外周面にはリングナット80がネジ嵌合されており、このリングナット80は圧力調節板85を介して上述した支圧板81を押圧している。
マルチケーブル30は、内管10内に挿通され、両端部が図示しない主桁に固定されている。マルチケーブル30と内管10との間にはグラウト40が充填され、マルチケーブル30と内管10とがグラウト40を介して一体となっている。また、内管端部(内管直管部12)において、マルチケーブル30と内管10との隙間からグラウト40が漏れないように、直管部12の端部にスライドパイプ95がネジ嵌合され、さらにスライドパイプ95の端部にゴムブーツ96が装着されている。
以下、各構成部材を説明する。
(ケーブル)
マルチケーブル30は、複数のストランド30sを被覆材の内部に収納して一本にまとめたものである。本実施例では、エポキシ被覆した37本のストランド30sをポリエチレン被覆材(被覆材30c)内に配置して一本にまとめたマルチケーブル30を使用した。このマルチケーブル30を用いてサドル構造体1を構築するときは、ケーブル30とグラウト40との付着力を高めるためポリエチレン被覆材30cの一部を剥いだ状態にする。具体的には、マルチケーブル30のうち、両端部を除き、内管10に挿通したときに内管10の内部に位置する部分のポリエチレン被覆材30cを剥いでストランド30sが露出した状態にする。
(外管)
外管20は、所定の強度を有し、コンクリートとの付着性能が良いものであれば特に限定されない。本例ではポリエチレン製の曲管を使用した。外管20の曲率は、後述する内管10の曲管部の曲率にほぼ一致する。
(内管)
内管10は、緩やかな曲率半径を有する曲管部11と、この曲管部11の両端部に形成される直管部12からなる。直管部12と曲管部11は、連続した一つの部材でも良いし、別部材として溶接などにより接合しても良い。また、内管10の材質は、所定の強度を有し、グラウト40との付着性能が良いものであれば特に限定されない。本例では、鋼製の曲管と直管とを溶接して内管を作製した。
内管の曲管部11は、その内部に配置されるケーブル30が折れ曲がって、ケーブル30に過度の側圧が局所的に作用する事のないように、曲管部11の全長に亘って一定の曲率を有する。また、曲管部11の曲率は、ケーブル30が許容最小曲げ半径以下に屈曲されてサドル構造体1の安全性を損なわないように決定する。そして、本発明サドル構造体1では、曲管部11の曲率を、上記最小曲げ半径を考慮しつつ、すでに説明した設計思想に基づいて決定した。
内管10の直管部12は、曲管部11の両端部から真直ぐに形成される。従って、直管部12の水平線に対する角度は、曲管部11の曲率により決定される。本例では、内管10の長さや曲率、ケーブル30の強度や最小曲げ半径などを考慮して、水平線に対する直管部12の軸線の傾きが、直管部12の端部における水平線に対するマルチケーブル30の軸線の傾きよりも1.5°大きくなるようにした。
(グラウトおよびグラウト注入口、グラウト排出ホース)
グラウト40は、内管10の内部に充填されて硬化することにより、内管10とケーブル40とを一体にするためのものである。グラウト40は、市販のものを使用すれば良い。また、内管10の内部にグラウト40を充填するためのグラウト注入口62およびグラウト排出ホース63は、それぞれ、スライドパイプ95および内管10の曲管部11に連通されている。内管10内へのグラウト40の充填は、注入口62からグラウトを注入し、排出ホース63から排出された時点で終了とする。
(スライドパイプおよびゴムブーツ)
内管直管部12の両端部に設けたスライドパイプ95およびゴムブーツ96は、グラウト40が硬化するまでグラウト40を内管10内に保持して、内管10の外側に漏れることを防止するものである。スライドパイプ95は所定の強度を有していれば良く、ここでは鋼製の管を使用した。スライドパイプ95は、内管10の直管部12の端部にネジ嵌合され、このネジ嵌合部からもグラウト40が漏れないようにしている。
一方、ゴムブーツ96は公知のものを使用すれば良い。ゴムブーツ96は、細径部と太径部とからなり、太径部はスライドパイプ95の端部を覆うようにし、細径部はマルチケーブル30の被覆材30cを覆うようにする。装着前のゴムブーツ96の太径部の内径は、スライドパイプ95の外径よりも小さく、細径部の内径は、被覆材30cの外径よりも小さい。従って、スライドパイプ95の端部におけるスライドパイプ95とマルチケーブル30との隙間を、このゴムブーツ96により封止することができ、内管10の両端部からグラウト40が漏れることを防止することができる。
(リングナット、支圧板)
リングナット80は、内管直管部12の外周にネジ嵌合されて、主塔の側壁を押圧する部材である。また、支圧板81は、主塔の側壁に表面が露出するように埋設されて、リングナット80からの押圧力を受圧する板状の部材である。
(圧力調節板)
圧力調節板85は、上記リングナット80を直管部12にネジ嵌合したときに、リングナット80と支圧板81との間に形成される隙間を埋めるための部材である。圧力調節板85の中心には、内管直管部12を挿通できる貫通孔が設けられている。本例では、2枚のテーパープレート85pを重ね合わせて圧力調節板85とした(図5を参照)。テーパープレート85pは、一方の面は平らで、他方の面は傾斜面となっている鋼製の薄板である。即ち、テーパープレート85pを側方から見たときに、一方の端部が厚く、他方の端部が薄いテーパー状である。本例では、2枚のテーパープレート85pの傾斜面を対向するように重ね合わせ、円板を回転させることにより厚さを変更できるようにした(図5の(B)を参照)。例えば、図5(B)の右側のプレート85pを180°回転させれば、上端部が厚く、下端部が薄い圧力調節板とすることができる。テーパープレート85pの表面はテフロン(登録商標)加工などを施し、傾斜面が滑りやすいようにした。
テーパープレート85pの周縁部には、ネジ(例えば、六角穴付止めネジ)を取り付けることができるネジ穴85sが形成されている。このネジ穴にネジを取り付けることで、このネジをテーパープレート85pの径方向外方に突出させることができる。テーパープレート85pの径方向外方に突出するネジを操作することにより、リングナット80と支圧板81とに挟まれたテーパープレート85pを容易に回転させることができる。また、ネジ穴85sの位置を確認することにより、2枚のテーパープレートの相対的な回転度合いを容易に確認することができる。
(補強筋)
補強筋70は、主塔の強度を増強させるために使用する部材である。補強筋70は、市販のものを使用した。本例のサドル構造体1では、外管20の全長を取り囲むように補強筋70を配置した。
(サドル構造体の形成方法)
上記のようなサドル構造体1を形成するには、工場で外管20の内部に内管10を配置して、工事現場で内管10の両端部が主塔の対向する側壁に開口するようにする。次に、内管10内にマルチケーブル30を挿通して、このケーブル30の両端部を図示しない主桁の固定点に固定する。さらに、内管10の端部にスライドパイプ95をネジ嵌合するとともに、スライドパイプ95の端部にゴムブーツ96を装着して内管10を封止する。次いで、ケーブル30を緊張した後、スライドパイプ95のグラウト注入口62および内管10に連通したグラウト排出ホース63を用いて内管10内にグラウト40を注入し、ケーブル30と内管10とが一体となるようにする。そして、内管10の直管部12の外周面にリングナット80を螺合して、このリングナット80を圧力調節板85を介して支圧板81に当て止めする。
<試験例1>
次に、実施例1のサドル構造体を用いて試験構造体を作製し、実施例1のサドル構造体の健全性を評価するための試験を実施した。本試験例では、サドル構造体における内管の直管部の角度を変化させたとき、直管部に生じる歪および変位の変化を測定した。さらに、内管直管部の端部におけるケーブルの浮き上がり量を測定した。
図6に、この試験に使用する試験構造体を示す。試験構造体は、コンクリート製の模擬主塔3にサドル構造体1を埋設し、このサドル構造体1の両端部から延びるケーブル30をジャッキ86により緊張できる構造とした。ジャッキ86は、ラムチェアー87を介して模擬主塔3に当て止めし、ケーブル30を所定の荷重で緊張できるようにした。
また、本試験では、外管および内管の曲率をケーブルサグを考慮したときの曲率としたサドル構造体1を模擬主塔3に埋設して試験構造体を作製した。そして、サドル構造体1の圧力調節板と模擬主塔3の支圧板との間に傾斜を有するベースプレートを配置した。このベースプレートの傾斜を変化させることで、直管部の軸線と水平線とのなす角を変化させた。
試験を実施するにあたって、サドル構造体の出口部分においてゴムブーツとスライドパイプを取り外し、サドル構造体における内管の直管部に歪計および変位計を設置した。変位計は、法線分力が作用したときに、もっとも変位量が大きいと考えられる直管部の端部(図1のaの位置)に設けた。一方、歪計は、曲げモーメントの集中する箇所であるリングナット近傍(図1のbの位置)に設けた。そして、直管部の開口端部における直管部の軸線とケーブルの軸線との角度差を変化させたときの直管部の歪値と撓み量(変位量)を測定した。また、上記変化させた角度差の各々について、ケーブルに導入する張力を0.1Pu〜0.6Pu(Puは、JIS規格で決められた引張張力)の間で変化させたときの直管部の歪値および撓み量を合わせて測定した。その結果を図7、図8に示す。また、所定の緊張力(0.6Pu)を導入したときの直管部の端部(図1のcの位置)におけるケーブルの浮き上がりを測定した結果を図9に示す。
図7は、直管部の角度、および、ケーブルに導入する緊張力を変化させたときの直管部の撓み量(変位量)を示すグラフである。横軸は直管部とケーブルとの角度差、縦軸は直管部の撓み量を示す。サグを考慮したときの直管部の角度は、ケーブルの角度に等しいので、サグを考慮したときの直管部とケーブルとの角度差は0°である。また、サグを考慮しなかったときの直管部とケーブルとの角度差は-0.2°、直管部の角度を、サグを考慮したときの直管部の角度よりもさらに水平線に対して大きくしたときの直管部とケーブルとの角度差は、0.5°、1.0°、1.5°である。なお、後述する図8、図9のグラフにおける角度差の定義は、図7と同様である。
図7から明らかなように、直管部とケーブルとの角度差が、0.5°、1.0°、1.5°のとき、上記角度差が0°、-0.2°のときと比較して、直管部の端部における撓み量が大幅に減少した。また、上記角度差が、0.5°、1.0°、1.5°の場合、ケーブルに導入する張力が増加しても、撓み量の増加幅が小さかった。特に、角度差が1.0°、1.5°のとき、ケーブルに導入する張力を増加しても、撓み量がほとんど変化しなかった。
一方、図8は、直管部の角度およびケーブルに導入する緊張力を変化させたときの直管部の歪値を示すグラフである。横軸は直管部とケーブルとの角度差、縦軸は直管部の歪値を示す。また、図8の破線は、実施例1の規模を有する従来のサドル構造体において使用されていた直管部の降伏歪値(1044μ)を示す。この直管部は鋼製で、その厚さは15mmである。
図8に示すように、直管部とケーブルとの角度差が大きくなるほど歪値が減少した。また、上記角度差が大きいほど、ケーブルに導入する張力を増加させても歪値の増加幅が小さかった。従って、実施例の角度差(0.5°、1.0°、1.5°)を有するサドル構造体では、直管部の厚みを従来よりもさらに薄くすることも可能であると考えられる。ここで、従来のサドル構造体(0°もしくは−0.2°)では、0.6Puを超える張力、例えば、レベル2の地震動に相当する張力がケーブルに作用した場合、直管部に作用する応力が、実施例の角度差(0.5°、1.0°、1.5°)を有するサドル構造体よりも大きくなると想定される。
図9は、内管直管部の端部におけるケーブルの浮き上がり量を示すグラフである。横軸は、直管部とケーブルとの角度差を、縦軸は、直管部の端部における直管部下部からのケーブルの浮き上がり量を示す。なお、図中の点線は、直管部の出口側端部においてケーブルが直管部の中心にあるときのケーブルの浮き上がり量(19mm)を示す。図に示すように、直管部とケーブルとの角度差が0°または-0.2°のとき、ケーブルは全く浮き上がらず、ケーブルと直管部とが直管部の全長に亘って接触した状態であった。このようにケーブルが全く浮き上がらなかったことが、角度差が0°または-0.2°のときに直管部の歪と撓みが高かった原因の一つであると推察できる(図7、図8参照)。
これら試験例1の結果から、マルチケーブルを用いたサドル構造体は、直管部の端部においてケーブルが直管部と接触することがないので、直管部に作用する曲げモーメントを減少させることができ、直管部の撓みも少ない。また、ケーブルに導入する緊張力を増加させても、直管部に生じる歪がほとんど変化しないので、直管部を含めた内管の厚さを従来のものより薄くすることができる。具体的には、10mmの厚さを有する鋼製の直管部を使用することも可能である。
<実施例2>
実施例2では、実施例1と異なり、マルチケーブルではなく、複数の独立したストランドを用いたサドル構造体を作製した。複数の独立したストランドを使用することにより、実施例1のサドル構造体とは出口部の構造が変化する。ここでは、実施例1と同一の部材については同一の符号を付して説明を省略し、実施例1との相違点についてのみ説明する。
図2は、複数の独立したストランドを一組として一本のケーブルと考えるサドル構造体の出口部を示す図である。本例のサドル構造体2は、複数の独立したストランド31を使用しているため、このサドル構造体2では、複数のストランド31を、直管部12の端部に固定されるケーブルスペーサ90の貫通孔に挿通させてから、内管10内に挿通した。内管10は、内管スペーサ50により外管20の内部に固定される。ケーブルスペーサ90の貫通孔は複数設けられており、各貫通孔にはストランド31が一本ずつ挿通される。また、貫通孔は、所定の間隔を空けて配置されているので、ケーブルスペーサ90に挿通されるストランド31は、内管直管部12の端部で、所定の間隔を空けて配置される。また、ケーブルスペーサ90の端部に止水構造91を設けて、内管10内からグラウト40が漏れないようにした。これらケーブルスペーサ90と止水構造91は、従来のものを使用すれば良い。本例では、特許文献1に記載されているものと同じものを使用した。なお、グラウト40は、内管直管部12に連通されるグラウト注入ホースから注入し、グラウト排出ホース63から排出させた。
<試験例2>
この試験例では、実施例2に示したサドル構造体の直管部における歪を測定することで、実施例2のサドル構造体の健全性を評価する。本試験は、試験例1で使用した試験構造体のサドル構造体の部分を実施例2のサドル構造体に置換した試験構造体により実施した。従って、試験構造体の説明は省略する。
本試験例では、図2のa〜cの箇所に歪計を設置して、サドル構造体における内管の直管部の角度を変化させたとき、直管部に生じる歪値の変化を測定した。ここで、aは直管部のリングナット近傍、bはリングナットの外側(主桁側)でリングナットに接する位置、cはリングナットの内側(主塔側)でリングナットに接する位置に設けた。測定の結果を図10、図11に示す。
図10は、直管部の角度およびケーブルに導入する緊張力を変化させたときの直管部の歪値(図中aの位置での歪値)を示すグラフである。横軸は、試験に用いた直管部の軸線と、サグを考慮したときの仮想の直管部の軸線との角度差を示す。縦軸は直管部の歪値を示す。ここで、直管部の角度を、サグを考慮した場合より水平線に対して大きくしたときをプラス、小さくしたときをマイナスとする。また、図10の破線は、厚さが15mmの鋼製の内管の降伏歪値(1044μ)を示す。
図10から明らかなように、従来のサドル構造体(0°、-0.2°)と比較して、実施例2のサドル構造体(0.5°、1.0°、1.5°)では、直管部の歪値が非常に小さかった。また、ケーブルに導入する張力を増加させても歪値の変動が小さかった。
図11は、特に、リングナットに隣接する部分において従来のサドル構造体(-0.2°)と実施例2のサドル構造体(1.5°)の歪値を比較したグラフである。縦軸は、測定点(図中b,c)における直管部の歪値を示す。また、グラフの左囲みは従来のサドル構造体の値、右囲みは実施例2のサドル構造体の値を示す。
図11から明らかなように、実施例2のサドル構造体は、従来のサドル構造体と比較して、リングナットの内外に作用する歪が非常に小さく、内管の降伏歪値を大幅に下回っていた。
上記試験例2の結果から、複数のストランドをケーブルスペーサにより内管直管部の端部に保持するサドル構造体においても、内管直管部に作用する曲げ応力を低減することができることがわかった。例えば、10mmの厚さを有する鋼製の直管部を使用することも可能である。
本発明は、斜張橋やエクストラドーズド橋などに好適に利用することができる。特に、レベル2地震動に相当する地震にも耐え得る橋梁に利用することができる。
複数の独立したストランドを用いた本発明サドル構造体の出口部分を示す概略構成図である。 マルチケーブルを用いた本発明サドル構造体の出口部分を示す概略構成図である。 本発明サドル構造体の設計理論の説明図であって、(A)はケーブルサグを考慮したサドル構造体を、(B)は(A)の曲管部の曲率を変えたサドル構造体を示す。 本発明サドル構造体の設計理論の説明図であって、(C)は図3の(B)のサドル構造体にマルチケーブルを配置したサドル構造体を、(D)はマルチケーブルの被覆を一部剥いだ状態のサドル構造体を示す。 テーパープレートを示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図を示す。 試験例1および試験例2の試験構造体を示す図である。 試験例1の結果を示す図であり、内管直管部における撓み量を示すグラフである。 試験例1の結果を示す図であり、内管直管部における歪値を示すグラフである。 試験例1の結果を示す図であり、内管直管部の端部におけるケーブルの浮き上がり量を示すグラフである。 試験例2の結果を示す図であり、内管直管部における歪値を示すグラフである。 試験例2の結果を示す図であり、内管直管部、特に、リングナット近傍における歪値を示すグラフである。 複数の独立したストランドを用いた従来のサドル構造体の概略構成図であって、(A)は全体構造を、(B)は出口部分を、(C)はA-A’断面を示す。 マルチケーブルを用いた従来のサドル構造体の概略構成図であって、(A)は全体構造を、(B)は出口部分を、(C)はB-B’断面を示す。
符号の説明
1,2 サドル構造体 3 模擬主塔
10 内管 11 曲管部 12 直管部 20 外管
30 マルチケーブル 30s ストランド 30c 被覆材 31 ストランド
40 グラウト 50 内管スペーサ
61 グラウト注入ホース 62 グラウト注入口 63グラウト排出ホース
70 補強筋 80 リングナット 81 支圧板 85 圧力調節板
85p テーパープレート 85s ネジ穴
86 ジャッキ 87 ラムチェアー
90 ケーブルスペーサ 91 止水構造 95 スライドパイプ 96 ゴムブーツ
100,101 サドル構造体 200 主塔
110 内管 111 曲管部 112 直管部 120 外管
130 ストランド 140 グラウト 150 内管スペーサ 160 グラウトホース
170 補強筋 180 リングナット 181 支圧板
190 ケーブルスペーサ 195 止水構造
210 スライドパイプ 220 ゴムブーツ
230 マルチケーブル 231 ストランド 235 被覆材

Claims (5)

  1. 緊張された状態で橋梁の主桁に両端部を固定される複数の独立したストランドが挿通される内管と、橋梁の主塔部分に埋設されて内管の外周を覆う外管と、内管の端部で複数の独立したストランドを互いに離間させるケーブルスペーサとを有するサドル構造体であって、
    前記内管は、曲管部と、曲管部の両端部に形成され、前記外管の端部から突出する直管部とからなり、
    前記複数のストランドを一組として一本のケーブルと考え、そのケーブルのケーブルサグを考慮して設計される仮想直管部であって、その仮想直管部の出口近傍における仮想のケーブルの軸線に平行な軸線を持つように設計される仮想直管部を規定したとき、
    前記仮想直管部の軸線と水平線とのなす角をα、
    前記直管部の軸線と水平線とのなす角をβとすると、
    β>αであることを特徴とするサドル構造体。
  2. 前記曲管部の曲げ半径が2.5m以上である場合、β−α≦3°であることを特徴とする請求項1に記載のサドル構造体。
  3. 緊張された状態で橋梁の主桁に両端部を固定されるマルチケーブルが挿通される内管と、橋梁の主塔部分に埋設されて内管の外周を覆う外管とを備えるサドル構造体であって、
    前記内管は、曲管部と、曲管部の両端部に形成され、前記外管から突出する直管部とからなり、
    内管の端部に形成される前記直管部の開口端部において、水平線と直管部の軸線とのなす角を、水平線とマルチケーブルの軸線とのなす角よりも大きくしたことを特徴とするサドル構造体。
  4. 前記曲管部の曲げ半径が2.5m以上である場合、前記直管部の軸線とマルチケーブルの軸線との角度差が3°以下であることを特徴とする請求項3に記載のサドル構造体。
  5. 外管の端部近傍で主塔の側壁に固定される支圧板と、内管の外周にネジ嵌合されるリングナットと、支圧板とリングナットとの間に介在される圧力調節板とを備え、
    前記圧力調節板により支圧板とリングナットとの間に隙間が生じないようにしてリングナットの押圧力を支圧板に均等に伝達するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のサドル構造体。
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