JP5394990B2 - 切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法 - Google Patents

切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法 Download PDF

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Description

本発明は、トンネルの切羽前方地山のひずみ変化を捉えるために、外周面にひずみセンサが取り付けられたひずみ計測パイプを切羽前方地山に埋設設置するための切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法に関する。
例えば山岳トンネル工法において、トンネルの掘削に伴う切羽前方地山の挙動を把握して、好ましくは地山のひずみ変化を捉えることができれば、トンネルの施工管理や安全管理の上で有益な情報となる。従来より、機械や構造物等のひずみ測定には、例えば電気抵抗式のひずみゲージが電気式ひずみセンサとして一般に用いられているが(例えば、特許文献1参照)、電気式ひずみセンサでは、電磁界の影響下では使用に適さず、またトンネルの掘削に伴う切羽前方地山のひずみを計測するために用いる場合には、掘削用の重機等による電気ノイズ発生源の影響を受けやすくなると共に、多点計測する際には配線用のケーブルが太くなって取り扱いが不便である。
これに対して、近年、光ファイバを利用した光ファイバ式ひずみセンサも提案され、実用に供されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。光ファイバによるひずみセンサによれば、一本の光ファイバに複数のひずみセンサを設けることができるので、多点計測を容易に行うことが可能になると共に、電磁界や電気ノイズの影響を受けることがなく、且つ光ファイバを防護材で覆った通線コードが切断されても、光ファイバを融着接続することで、切断前と測定値の変動のないひずみ計測が可能になる。
また、光ファイバによるひずみセンサは、種々の方式によるものが開発されており、それぞれ測定原理、センサ構造、精度、測定時間などが異なっているが、例えばファイバブラッググレーティング方式(FGB方式)によるひずみセンサ(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。は、光ファイバにパルス光を入射し、その反射光を解析することにより、光ファイバに生じているひずみ変化を、電気式ひずみセンサと同等の測定精度で測定するものである。
特開2001−201411号公報 特開2008−185498号公報 特開2010−54366号公報
一方、ひずみセンサとして、例えばFGB方式によるひずみセンサ(FGBセンサ)をトンネルの切羽前方地山の内部に設置して、切羽前方地山のひずみを計測するには、好ましくは塩化ビニルパイプからなるひずみ計測パイプの外周面にFGBセンサを備える光ファイバを固着した状態で、このひずみ計測パイプを切羽前方地山に穿孔形成された計測孔に配置すると共に、ひずみ計測パイプの外周面と計測孔の内周面との間の隙間に裏込材を注入充填して固化させることにより、ひずみ計測パイプ及び光ファイバのFGBセンサが、切羽前方地山と一体となって挙動するようにすることが検討されているが、種々の実験により、光ファイバによるFGBセンサをひずみ計測パイプと共に切羽前方地山に埋設設置する作業には、種々の技術的課題があることが判明している。
すなわち、例えば光ファイバ及びFGBセンサを取り付けたひずみ計測パイプを計測孔に配置した後に、ひずみ計測パイプの外側の計測孔の内周面との間の隙間に裏込材を注入する際に、ひずみ計測パイプが中空のパイプ部材であることから、裏込材の充填圧力によって、中空のひずみ計測パイプが押し潰されて変形したり、ひずみ計測パイプの内部に裏込材が侵入して固化することにより、FGBセンサによるひずみの計測が困難になる場合がある。また、計測孔に裏込材が注入されることで、中空のひずみ計測パイプが浮力によって当初の配置位置から移動しやすくなり、ひずみ計測パイプに予期しないひずみが生じて、精度の良い切羽前方地山のひずみ計測を行うことができなくなる場合がある。
本発明は、このような技術的課題を鑑みてなされたものであり、ひずみセンサが取り付けられたひずみ計測パイプを、変形させたり内部に裏込材を侵入させたりすることなく、裏込材を介して切羽前方地山の計測孔に安定した状態で埋設設置させて、切羽前方地山のひずみ計測を精度良く容易に行なわせることのできる切羽前方地山における計測パイプの設置方法を提供することを目的とする。
本発明は、トンネルの切羽前方地山のひずみ変化を捉えるために、外周面にひずみセンサが取り付けられたひずみ計測パイプを前記切羽前方地山に穿孔形成された計測孔に設置するためのひずみ計測パイプの設置方法であって、前記ひずみ計測パイプの内部に充填流体を充填した状態で前記ひずみ計測パイプの略全体を前記計測孔に配置し、しかる後に、前記ひずみ計測パイプの外周面と前記計測孔の内周面との間の隙間に裏込材を注入充填して固化させることにより、前記ひずみ計測パイプを前記切羽前方地山に一体として埋設設置する切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法は、前記ひずみ計測パイプを前記計測孔に配設してから充填流体を注入して、前記ひずみ計測パイプの内部に充填流体を充填した状態で前記ひずみ計測パイプの略全体を前記計測孔に配置することが好ましい。
また、本発明の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法は、前記ひずみ計測パイプの先端にエア抜き用のチェックバルブ(逆止弁)を取り付けて、内部の空気を排除しつつ前記ひずみ計測パイプに充填流体を注入することが好ましい。
さらに、本発明の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法は、前記ひずみ計測パイプに予め充填流体を注入してから前記計測孔に配設して、前記ひずみ計測パイプの内部に充填流体を充填した状態で前記ひずみ計測パイプの略全体を前記計測孔に配置することが好ましい。
さらにまた、本発明の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法は、前記充填流体が水であることが好ましい。
また、本発明の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法は、前記裏込材は、固化後に前記切羽前方地山と同等の強度を有する裏込材であることが好ましい。
さらに、本発明の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法は、前記ひずみ計測パイプが配置された前記計測孔の口元部をコーキングし、コーキング部を貫通して設けた裏込材注入ホースを介して裏込材を注入することにより、前記ひずみ計測パイプの外周面と前記計測孔の内周面との間の隙間に裏込材を充填することが好ましい。
さらにまた、本発明の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法は、前記コーキング部を貫通して前記計測孔の先端部分まで配設された裏込材リターンホースの口元部側端部から、注入した裏込材が漏れ出ることで、裏込材が充填されたことを確認することが好ましい。
また、本発明の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法は、前記ひずみ計測パイプの外周面に取り付けられたひずみセンサが、光ファイバに設けられたファイバブラッググレーティングセンサ(FGBセンサ)であることが好ましい。
本発明の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法によれば、ひずみセンサが取り付けられたひずみ計測パイプを、変形させたり内部に裏込材を侵入させたりすることなく、裏込材を介して切羽前方地山の計測孔に安定した状態で埋設設置させて、切羽前方地山のひずみ計測を精度良く容易に行なわせることができる。
本発明の設置方法によって設置されるひずみ計測パイプを用いてひずみが計測されるトンネルの切羽前方地山を説明する、(a)は略示横断面図、(b)は略示縦断面図である。 本発明の設置方法によって設置されるひずみ計測パイプの構成を説明する、(a)は先端部分の略示斜視図、(b)は全体の略示斜視図である。 (a),(b)は、本発明の好ましい第1実施形態に係る切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法を説明する略示断面図である。 (a),(b)は、本発明の好ましい第2実施形態に係る切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法を説明する略示断面図である。
本発明の好ましい第1実施形態に係る切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法は、例えば図1に示すような山岳トンネル工法において、切羽面30よりも掘削方向X前方の切羽前方地山31が、例えば切羽面30でのトンネルの掘削作業の影響でひずみ変形するのを事前に把握して、トンネル工事の施工管理や安全管理を適切に行えるようにすることを目的として、外周面にひずみセンサ11が取り付けられたひずみ計測パイプ10(図3(a),(b)参照)を、切羽前方地山31に穿孔形成された計測孔12に、切羽前方地山31と一体として挙動させて切羽前方地山31のひずみ変形を精度良く計測可能となるように、安定した状態で埋設設置させるための設置方法として採用されたものである。
ここで、図1に示す山岳トンネル工法は、例えば岩盤等の比較的硬い地盤に例えば5〜10m程度の内径の断面形状を有するトンネル32を掘削形成するものであり、本第1実施形態では、例えば上半部分の地盤を先行して掘削した後に、これに後続して下半部分の地盤を掘削してゆく工法を採用している。また本第1実施形態では、上半部分の地盤を先行して掘削して行く際に、例えば上半掘削部分の切羽面30から、トンネル断面の中央部分の切羽前方地山31に向けて、切羽面30での掘削作業の影響が切羽前方地山31に及ぶ可能性のある深さとして、例えば10〜20m程度(トンネルの内径の2倍程度)の深さでひずみ計測パイプ10を切羽前方地山31に設置して、当該切羽前方地山31のひずみ変形を計測するようになっている。
なお、本第1実施形態では、切羽面30でのトンネルの掘削作業は、例えば1.0〜1.5m程度のピッチ毎に行われるようになっており、設置されたひずみ計測パイプ10を切削しつつピッチ毎に繰り返し掘削作業が行われて、切羽前方地山31に設置されたひずみ計測パイプ10が例えば2〜3m程度しか地中に残置されなくなった段階で、別のひずみ計測パイプ10を、切羽面30から切羽前方地山31に向けて、例えば10〜20m程度の深さで新たに設置することで、引き続いて切羽前方地山31のひずみ変形を計測できるようになっている。
そして、本第1実施形態の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプ10の設置方法は、図2(a),(b)に示すように、トンネルの切羽前方地山31のひずみ変化を捉えるために、外周面にひずみセンサ11が取り付けられたひずみ計測パイプ10(図3参照)を、切羽前方地山31に穿孔形成された計測孔12に設置するための設置方法であって、ひずみ計測パイプ10の内部に充填流体として好ましくは水13を充填した状態でひずみ計測パイプ10の略全体を計測孔12に配置し、しかる後に、ひずみ計測パイプ10の外周面と計測孔12の内周面との間の隙間に裏込材14を注入充填して固化させることにより、ひずみ計測パイプ10を切羽前方地山31に一体として埋設設置するようになっている。
本第1実施形態では、ひずみ計測パイプ10は、図3(a),(b)に示すように、例えば直径が40〜50mm程度の中空円筒形状の塩化ビニル製のパイプ部材からなり、例えば12m程度の長さを有している。このひずみ計測パイプ10には、ひずみセンサ11として好ましくはFGBセンサを複数備える光ファイバ15が、例えばゴム系接着剤等によって被覆防護されたケーブル状態で、光ファイバセンサケーブル部17としてひずみ計測パイプ10の外周面を軸方向に延設して、切羽面30側の基端部から先端部に向けて略全長に亘って取り付けられている。また、光ファイバ15は、ひずみ計測パイプ10の先端部において、通線穴19を介してひずみ計測パイプ10の内側に延設するようになっており、この内側に延設した部分が、先端部から切羽側の基端部に向けて折り返されて通信ケーブル部18を構成している。この折り返された通信ケーブル部18は、ひずみ計測パイプ10の基端部の開口の後方まで延設可能な長さを有していて、当該基端部の後方で、例えばコネクタ20を介して伝送ケーブル21に接続され、さらにFGBアナライザ22に接続されるようになっている(図3(b)参照)。
また、本第1実施形態では、ひずみ計測パイプ10の外周面に沿って配置される光ファイバ15の光ファイバセンサケーブル部17には、当該光ファイバ15に特殊加工が施されることにより、例えば1cm程度の軸方向領域に形成された複数の回析格子によるFGBセンサ11が、例えば1m程度のピッチで複数箇所に設けられている。このFGBセンサ11によるひずみ計測では、公知の技術と同様に、光ファイバ15にパルス光を入射して、各FGBセンサ11で反射する反射光の波長の変化をFGBアナライザ22によって解析することで、光ファイバ15の光ファイバセンサケーブル部17において各FGBセンサ11の部分に生じたひずみ変化を検出し、これによってひずみ計測パイプ10が埋設設置された部分の切羽前方地山31のひずみ変形を計測することができるようになっている。
さらに、本第1実施形態では、光ファイバ15の光ファイバセンサケーブル部17は、例えば接着剤を介してひずみ計測パイプ10の外周面に強固に貼り付け固定されるようになっており、また変位伝達塩ビ棒23や、半割状の変位伝達塩ビリブ24を適宜取り付けることによって、光ファイバセンサケーブル部17の固定状態が補強されるようになっている。一方、ひずみ計測パイプ10の内側に延設した光ファイバ15の通信ケーブル部18は、ひずみ計測パイプ10の両端部を除く中間部分では、これの内側面に光ファイバセンサケーブル部17を固着する作業が困難であることから、通線穴19を介して内側に延設して折り返された後に、ひずみ計測パイプ10の切羽面30側の基端部までフリーな状態で延設して配設されるようになっている。
さらにまた、本第1実施形態では、光ファイバ15の光ファイバセンサケーブル部17には、ひずみ計測パイプ10の先端部分に配置されて、温度補正用FGBセンサ25が設けられている。またひずみ計測パイプ10の先端には、エア抜き用のチェックバルブ(逆止弁)26を備えるキャップ部材27が嵌着されることで、ひずみ計測パイプ10の先端開口は、内部の空気や水を排出可能な状態で封止されるようになっている。さらに、計測パイプ10の先端部に設けられた通線穴19には、光ファイバ15を挿通させた状態で、コーキング処理が施される。
なお、本第1実施形態では、光ファイバセンサケーブル部17と通信ケーブル部18とからなる光ファイバ15は、ひずみ計測パイプ10に一対取り付けられている。これらの光ファイバ15は、ひずみ計測パイプ10の外周面の周方向に180度の角度間隔をおいた直径方向に対向する位置に、光ファイバセンサケーブル部17を各々配置した状態で、ひずみ計測パイプ10に取り付けられることで、ひずみ計測パイプ10の曲げひずみと軸ひずみとを分離して計測することができるようになっている。
そして、本第1実施形態のひずみ計測パイプの設置方法は、上述のような構成を有するひずみ計測パイプ10を、切羽前方地山31に穿孔形成された計測孔12に設置するための設置方法であって、図2(a),(b)に示すように、ひずみ計測パイプ10を計測孔12に配設してから充填流体として水を注入して、ひずみ計測パイプ10の内部に水を充填した状態でひずみ計測パイプ10の略全体を計測孔12に配置し、しかる後に、ひずみ計測パイプ10の外周面と計測孔12の内周面との間の隙間に裏込材14を注入充填して固化させることにより、ひずみ計測パイプ10を切羽前方地山31に一体として埋設設置する。
すなわち、本第1実施形態では、光ファイバ15等が配置された中空のひずみ計測パイプ10を、例えばトンネル32の上半掘削部分の底盤部33に設置した挿入装置(図示せず。)に支持させて、切羽前方地山31に穿孔形成された計測孔12に、ひずみ計測パイプ10の略全体が計測孔12に配置されるように挿入する。ここで、計測孔12は、ひずみ計測パイプ10の外径よりも大きな内径で、ひずみ計測パイプ10の挿入作業に先立って、公知の穿孔装置を用いて穿孔形成されたものであり、好ましく穿孔時の切削ズリの排除が容易なように、先端側に向けて若干上り勾配となるように設けられている。また、ひずみ計測パイプ10は、これの外周面に沿って裏込材注入ホース37が添設された状態で、計測孔12に挿入配置される。
計測孔12にひずみ計測パイプ10を挿入配置したら、これの中空内部に充填流体として好ましくは水13を注入充填する。かかる水13の注入作業は、例えば図2(a)に示すように、設置したひずみ計測パイプ10の切羽面30側の基端部に、送水ホース28が接続された送水キャップ29を装着した後に、圧力計34で注水圧力を管理しながらバルブ35を開くことで、容易に行うことができる。すなわち、チェックバルブ26を介して内部の空気を排除しつつ、ひずみ計測パイプ10に水13が注入される。ひずみ計測パイプ10の内部に水が充填されて、チェックバルブ26から水13が排出され始めた段階では、ひずみ計測パイプ10の内部の圧力が急激に増大するので、この圧力の増大を圧力計34で読み取ることで、水13が充填されたことを確認した後に、バルブ35を閉塞して注入作業を終了する。
なお、上述の注水作業においては、光ファイバ15の通信ケーブル部18のひずみ計測パイプ10の基端部からはみ出した部分は、例えばまとめた状態で基端部の開口からひずみ計測パイプ10の内部に収容し、基端部の開口の付近に仮止めしておくことで、送水キャップ29の装着に支障がないようにしておくことができる。
ひずみ計測パイプ10に水13を注入充填したら、引き続いて、ひずみ計測パイプ10の外周面と計測孔12の内周面との間の隙間に裏込材14を注入充填する。かかる裏込材14の充填作業は、例えば図2(b)に示すように、ひずみ計測パイプ10の基端部が配設された計測孔12の口元部をコーキング材によってコーキングし、このコーキング部36を貫通して設けられた、上述のひずみ計測パイプ10に添設された裏込材注入ホース37を介して裏込材14を注入充填することで、容易に行うことができる。すなわち、裏込材注入ホース37の切羽面30側の端部を注入ホース38に接続した後に、圧力計39で注入圧力を管理しながら裏込材バルブ40を開くことにより、裏込材14の充填作業が行われる。裏込材14が充分に充填されて、例えばコーキング部36に設けられた空気抜きパイプ41から裏込材14が流出するのを確認したら、裏込材バルブ39を閉塞して充填作業を終了する。
ここで、裏込材14としては、固化後に切羽前方地山31と同等の強度を有する裏込材を用いることが好ましい。このような裏込材14を用いることで、切羽前方地山31の挙動をさらに正確に反映させた状態でひずみ計測パイプ10に伝達することが可能になる。これによって切羽前方地山31のひずみ変形をさらに精度良く計測することが可能になる。本第1実施形態では、裏込材14として、好ましくは表1に示すような配合のグラウト材である、商品名「デンカ速硬性コロイダルスーパー」(電気化学工業(株)製)を用いることができる。
Figure 0005394990
ひずみ計測パイプ10の外周面と計測孔12の内周面との間の隙間に充填した裏込材14が固化したら、送水ホース28及び送水キャップ29や裏込材注入ホース37を取り外すと共に、ひずみ計測パイプ10の内部に充填されていた水13を排出させた後に、ひずみ計測パイプ10や裏込材注入ホース37を切削しつつ、切羽前方地山31のひずみ変形を計測しながら切羽面14の掘削作業が行われる。
かかる切羽面14の掘削作業は、例えば1.0〜1.5m程度のピッチ毎に行われると共に、各ピッチの掘削作業が終了したら、ひずみ計測パイプ10の内部の基端部側の部分に収容されていた光ファイバ15の通信ケーブル部18を引き出して、コネクタ20及び伝送ケーブル21を介してFGBアナライザ22(図3(b)参照)に接続することで、切羽前方地山31のひずみ変形を計測する。ひずみ変形の計測が終了したら、通信ケーブル部18をFGBアナライザ22から取り外して、ひずみ計測パイプ10の内部の例えば1〜2mの深さまで押し込んで通信ケーブル部18を収容した後に、次のピッチの掘削作業が行われる。これによって、光ファイバ15の通信ケーブル部18を切断することなく掘削作業を行うことが可能になる。
そして、上述の構成を有する本第1実施形態のひずみ計測パイプ10の設置方法によれば、ひずみセンサ11が取り付けられたひずみ計測パイプ10を、変形させたり内部に裏込材14を侵入させたりすることなく、裏込材14を介して切羽前方地山31の計測孔12に安定した状態で埋設設置させて、切羽前方地山31のひずみ計測を精度良く容易に行なわせることが可能になる。
すなわち、本第1実施形態によれば、ひずみ計測パイプ10の内部に水13を充填した状態でひずみ計測パイプ10を計測孔12に配置し、しかる後に、ひずみ計測パイプ10の外周面と計測孔12の内周面との間の隙間に裏込材14を注入充填して固化させることで、ひずみ計測パイプ10を切羽前方地山31に一体として埋設設置するので、裏込材14を注入充填する際に、裏込材14の充填圧力によって、ひずみ計測パイプ10が押し潰されて変形したり、ひずみ計測パイプ10の内部に裏込材が侵入して固化するのを効果的に回避することが可能になる。また、ひずみ計測パイプ10の内部に水13が充填されているので、ひずみ計測パイプ10に負荷される裏込材14による浮力が抑制されることで、ひずみ計測パイプが不安定な状態となって精度の良いひずみ計測ができなくなるのを効果的に回避することが可能になる。
図4(a),(b)は、本発明の好ましい第2実施形態に係る切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法を説明するものである。本第2実施形態によれば、ひずみ計測パイプ10に予め充填流体として水13を注入充填してから計測孔12に配設することで、ひずみ計測パイプ10の内部に充填流体13を充填した状態でひずみ計測パイプ10の略全体を計測孔12に配置し、しかる後に、ひずみ計測パイプ10の外周面と計測孔12の内周面との間の隙間に裏込材14を注入充填して固化させることにより、ひずみ計測パイプ10を切羽前方地山31に一体として埋設設置するようになっている。
すなわち、本第2実施形態では、例えばトンネル32の上半掘削部分の底盤部33での作業として、ひずみ計測パイプ10の切羽面30側の基端部に、送水ホース28が接続された送水キャップ29を装着して、圧力計34で注水圧力を管理しながらバルブ35を開くことで、ひずみ計測パイプ10の内部に予め水13を注入充填する。しかる後に、図4(a)に示すように、例えばトンネル32の上半掘削部分の底盤部33に設置した挿入装置(図示せず。)に支持させて、切羽前方地山31に穿孔形成された計測孔12に、水13が充填されたひずみ計測パイプ10の略全体が計測孔12に配置されるように挿入する。
また、本第2実施形態では、ひずみ計測パイプ10は、これの外周面に沿って添設された裏込材注入ホース37と共に、裏込材リターンホース42を伴った状態で、計測孔12に設置される。これによって裏込材リターンホース42は、図4(b)にも示すように、コーキング部36を貫通して計測孔12の先端部分まで配設されることになる。
水13が充填されたひずみ計測パイプ10を計測孔12に配置したら、図4(b)に示すように、ひずみ計測パイプ10の外周面と計測孔12の内周面との間の隙間に裏込材14を注入充填する。かかる裏込材14の充填作業は、上記第1実施形態と同様に、計測孔12の口元部をコーキング材によってコーキングし、ひずみ計測パイプ10に添設された裏込材注入ホース37を介して裏込材14を注入充填することで、容易に行うことができる。また、裏込材14が充分に充填されて、例えば計測孔12の先端部分まで配設された裏込材リターンホース42の口元部側端部(切羽面30側端部)から、注入した裏込材14が漏れ出るのを確認したら、裏込材バルブ39を閉塞して充填作業を終了する。
本第2実施形態のひずみ計測パイプの設置方法によっても、ひずみ計測パイプ10の内部に水13を充填した状態でひずみ計測パイプ10を計測孔12に配置し、しかる後に、ひずみ計測パイプ10の外周面と計測孔12の内周面との間の隙間に裏込材14を注入充填するので、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏される。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、ひずみ計測パイプの外周面に取り付けられるひずみセンサは、光ファイバに設けられたFGBセンサである必要は必ずしもなく、FGBセンサ以外のその他の光ファイバに設けられるセンサであっても良い。また、ひずみ計測パイプの外周面に取り付けられるひずみセンサは、光ファイバに設けられるものである必要は必ずしもなく、電気式ひずみセンサであっても良い。さらに、ひずみ計測パイプの中空内部に注入される充填流体は水以外の流体であっても良く、裏込材の比重に近づくように比重を調整した流体とすることもできる。
10 ひずみ計測パイプ
11 ひずみセンサ
12 計測孔
13 水(充填流体)
14 裏込材
15 光ファイバ
17 光ファイバセンサケーブル部
18 通信ケーブル部
19 通線穴
22 FGBアナライザ
26 チェックバルブ
28 送水ホース
30 切羽面
31 切羽前方地山
32 トンネル
36 コーキング部
37 裏込材注入ホース
42 裏込材リターンホース
X 掘削方向

Claims (9)

  1. トンネルの切羽前方地山のひずみ変化を捉えるために、外周面にひずみセンサが取り付けられたひずみ計測パイプを前記切羽前方地山に穿孔形成された計測孔に設置するためのひずみ計測パイプの設置方法であって、
    前記ひずみ計測パイプの内部に充填流体を充填した状態で前記ひずみ計測パイプの略全体を前記計測孔に配置し、しかる後に、前記ひずみ計測パイプの外周面と前記計測孔の内周面との間の隙間に裏込材を注入充填して固化させることにより、前記ひずみ計測パイプを前記切羽前方地山に一体として埋設設置する切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法。
  2. 前記ひずみ計測パイプを前記計測孔に配設してから充填流体を注入して、前記ひずみ計測パイプの内部に充填流体を充填した状態で前記ひずみ計測パイプの略全体を前記計測孔に配置する請求項1記載の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法。
  3. 前記ひずみ計測パイプの先端にエア抜き用のチェックバルブを取り付けて、内部の空気を排除しつつ前記ひずみ計測パイプに充填流体を注入する請求項2記載の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法。
  4. 前記ひずみ計測パイプに予め充填流体を注入してから前記計測孔に配設して、前記ひずみ計測パイプの内部に充填流体を充填した状態で前記ひずみ計測パイプの略全体を前記計測孔に配置する請求項1記載の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法。
  5. 前記充填流体が水である請求項1〜4のいずれかに記載の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法。
  6. 前記裏込材は、固化後に前記切羽前方地山と同等の強度を有する裏込材である請求項1〜5のいずれかに記載の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法。
  7. 前記ひずみ計測パイプが配置された前記計測孔の口元部をコーキングし、コーキング部を貫通して設けた裏込材注入ホースを介して裏込材を注入することにより、前記ひずみ計測パイプの外周面と前記計測孔の内周面との間の隙間に裏込材を充填する請求項1〜6のいずれかに記載の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法。
  8. 前記コーキング部を貫通して前記計測孔の先端部分まで配設された裏込材リターンホースの口元部側端部から、注入した裏込材が漏れ出ることで、裏込材が充填されたことを確認する請求項7記載の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法。
  9. 前記ひずみ計測パイプの外周面に取り付けられたひずみセンサが、光ファイバに設けられたファイバブラッググレーティングセンサ(FGBセンサ)である請求項1〜8のいずれかに記載の切羽前方地山におけるひずみ計測パイプの設置方法。
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