以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の斜視図である。
<全体の構成>
図1に示すスロットマシン100は本体101と本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な扉体である前面扉102とを備える。本体101の中央内部には、図示していないが、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール、中リール、右リール)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリールはステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
本実施形態において、各絵柄は、図示していない帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リールが構成されている。リール上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リールを回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リールは複数種類の絵柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリールの背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリールの近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン上に表示されるようにリールを停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ラインは5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではない。
告知ランプ114は、例えば、内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ123は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー135は、リールの回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リールが回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリールを個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リールに対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口142から排出するためのボタンである。ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口142は、メダルを払出すための払出口である。
音孔143はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。なお、サイドランプ144は、複数の部材を組み合わせてなるので、以下サイドランプユニット800という。
<前面扉の構成>
図2は、本体に蝶番を介して開閉可能に蝶着される扉体である前面扉102の斜視図である。この前面扉102は、スロットマシン100の主要な構成部品を備えており、例えば、上方から順に、上部ランプ611等を含む上部演出ユニット610、リールパネル押えアッセンブリ620(以下、リールパネル押えアッシー620ということがある)、中央部ユニットとして装飾パネル710等を含む操作部アッシー700(以下、操作部ベース700または胴パネル700ということがある)、メダル払出口パネル630、受皿ユニット640、及び左右のサイドランプユニット800など、種々の部品を備えている。
そして、前記した絵柄表示窓113や、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、リールパネルランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、貯留枚数表示器125、内部上方表示器126、払出枚数表示器127は、リールパネル押えアッシー620に設けてある。
図3は、部品の一つである後述する胴パネル700を、前面扉102を構成する後述のフロントパネル900に対して僅かに前方へ移動させた状態を示す前面扉102の斜視図である。このように、本実施形態においては、胴パネル700を所定の移動量で前方へ移動させることができ、この移動した状態を保持できるように構成してある。なお、胴パネル700の移動及び保持のための構成は後述する。
図4は、部品の一つとして、フロントパネル900に対して着脱可能に構成したサイドランプユニット800を外した状態を示す前面扉102の斜視図である。なお、この図4においても、胴パネル700を所定の移動量で前方に移動させ、この移動した状態を保持している。
図5は、胴パネル700を、前面扉102を構成するフロントパネル900から取り外した状態を示す前面扉102の斜視図である。このように、胴パネル700は、他の部品の着脱状態の影響を受けることなく着脱が可能なように構成してある。なお、胴パネル700には、遊技者が操作する操作部としてのベットボタン130乃至132、スタートレバー135、ストップボタン137乃至139等が配設され、これの電気部品には種々のハーネス(図示せず)が夫々接続されているので、これら多数のハーネスを外さない限り、胴パネル700をフロントパネル900から完全に取り外すことはできない。
一方、前面扉102を構成するフロントパネル900には、胴パネル700のハーネスを通したり、複数のストップボタン137乃至139に対応するように挿通用開口部911が開設してある。また、ストップボタン137乃至139などの操作部を操作したときに、この操作力がフロントパネル900に加わってひび割れが生じないように、逃げとしての緩衝用開口部912が適宜設けてある。なお、フロントパネル900の詳細については、後述する。
図6は、前面扉102の分解斜視図である。即ち、前面扉102は、フロントパネル900に対して、上部ランプ611を含む上部演出ユニット610、リールパネル押えアッシー620、胴パネル700、メダル払出口パネル630、受皿ユニット640、及び左右のサイドランプユニット800を、着脱可能に取り付けることにより構成してある。なお、図3〜図6に示す前面扉102においては、メダル投入口141を構成するメダル投入口ユニットが取り外されており、図示を省略している。また、受皿ユニット640には、灰皿200が併設してある。
メダル払出口パネル630は、胴パネル700の下方に位置し、受皿ユニット640の後方開口部を塞ぐように配置され、フロントパネル900の前面の一部を覆う部品であり、交換可能に取り付けられている。また、このメダル払出口パネル630は、メダル払出口142及び音孔143が開設された金属製の板状部品である。このため、メダル払出口142から払い出されたメダルが、このメダル払出口パネル630に衝接或いは擦れても、メダル払出口パネル630に傷が付く虞れが少なく、万が一、傷が付いても容易に交換することができる。従って、常に、傷のない状態で遊技を行なうことができ、遊技者に好印象を与えることができる。
図7は、前面扉102を背面側から見た斜視図である。即ち、前面扉102を構成する合成樹脂製のフロントパネル900の背面側には、金属製の上部補強フレーム921、中央補強フレーム922、下部補強フレーム923、及び左右の側部補強フレーム924が、取り付けられている。なお、背面側から見て左側の側部補強フレーム924−Lには、施錠装置930が設けられている。
図8は、フロントパネル900を別の角度から見た背面側の斜視図である。このフロントパネル900は、合成樹脂により一体成形されており、上半部分には、上部演出ユニット610及びリールパネル押えアッシー620を取り付けるために、一つの大きく開口する窓状の開口部925が形成してあり、下半部分には、必要な受部や補強リブ、或いは取付孔等が適宜形成してある。また、開口部925の枠部分にも、受部、補強リブ、取付孔等が適宜設けてある。そして、このフロントパネル900には種々の部品が取り付けられると共に、前面にはカバー部材などが取り付けられる。このため、フロントパネル900は、前面が露出することがないので、メッキ処理等、外観上の装飾対策が必要なく、リサイクル性に優れる。また、部品やカバー部材等の交換により、いろいろな機種に対応することができる。さらに、開口部925が一つに開口しているので、機種に応じて、上部演出ユニット610を取り付ける領域を広くし、リールパネル押えアッシー620を取り付ける領域を狭くしたり、取付領域を適宜調整して、フロントパネル900を共通部材として利用可能である。
図9は、胴パネル700、即ち操作部ベース700の説明図である。図9(a)は、装飾用のタイトルパネル、遊技者の操作を受け付ける操作部としてのベットボタン130乃至132、スタートレバー135、ストップボタン137乃至139等、この胴パネル700に取り付けられる部品を全て取り外した状態の操作部ベース700の斜視図、図9(b)は操作部ベース700の右側面図、図9(c)は操作部ベース700を背面側から見た斜視図、図9(d)は(c)におけるA部の拡大図である。
この操作部ベース700は、遊技者が操作して電子的にコインを投入するためのベットボタン130乃至132、遊技者が操作してリールの回転を停止させるためのストップボタン137乃至139、実際にコインを投入するためのコイン投入口を備えるコイン投入口ユニット、バックライトと共に装飾用に設けられるタイトルパネル等が、取り付けられる部品であって、合成樹脂により一体成型されている。なお、タイトルパネルにはスロットマシン100の機種名や、遊技中に登場するキャラクタ等が表示され、必要に応じて交換可能に構成してある。また、このタイトルパネル及びバックライト等を一括して装飾パネル710或いは電飾パネルということがある。
第1部品となる操作部ベース700は、詳しくは後述するが、係止手段を備えており、この係止手段を、第2部品となるフロントパネル900に設けた第1部品用係止部に係止させることができる。即ち、操作部ベース700をフロントパネル900の第1部品取付位置に取付可能であり、またフロントパネル900から操作部ベース700を所定量引き出した仮取付位置に保持できるように構成してある。
図10は、フロントパネル900に設けた第1部品用係止部940、及び操作部ベース700に設けた係止手段720の説明図であって、図10(a)はフロントパネル900の要部の背面側斜視図、図10(b)は操作部ベース700を所定の位置に押し込んだ状態、言い換えると、胴パネル700がフロントパネル900の第1部品取付位置に装着された状態におけるA部の拡大図、図10(c)は操作部ベース700が引き出されて仮取付位置に保持されている状態におけるA部の拡大図である。
操作部ベース700が備える係止手段720は、操作部ベース700の背面側から延出する係止腕部721であり、この係止腕部721には係止爪部722が設けてある。具体的には、図9(c)及び図9(d)に示すように、操作部ベース700の背面側に、左右一対に設けた係止腕部721の先端には、楔形に係止爪部722が形成されている。一方、フロントパネル900の背面側には、前記係止爪部722の配置に対応して、第1部品用係止部940として係止段部941を備える係止延出片942が、フロントパネル900に開設した挿通窓部943の縁に沿って設けてある。
この第1部品用係止部940には、前記した係止腕部721の係止爪部722が係止可能な、第1の係止段部941−1と第2の係止段部941−2とが形成してあり、この第1の係止段部941と第2の係止段部941との間の距離が、操作部ベース700の取付位置と仮取付位置との間の移動量となる。言い換えると、操作部ベース700は、第1の係止段部941−1と第2の係止段部941−2との間を移動可能であって、第1の係止段部941−1に係止爪部722が係止する位置が、第1部品取付位置となり、第2の係止段部941に係止爪部722が係止する位置が、仮取付位置となり、この仮取付位置に操作部ベース700を保持しておくことができる。
図11は、第2部品としてのサイドランプユニット800の説明図である。即ち、図11(a)は、スロットマシン100に向って右側に位置する右サイドランプ800Rの左側面図、図11(b)は同上の正面図、図11(c)は同上の右側面図、図11(d)は(b)におけるA−A線断面図、図11(e)は(d)における先端部分の拡大図である。
図12は、サイドランプユニット800と操作部ベース700との関係を示す、サイドランプユニット800及び操作部ベース700の右側面図である。サイドランプユニット800は、図示の実施例においては、発光体を配置した発光基部810に、透明カバー部820を装着することにより構成されている。透明カバー部820は、例えば、透光性を有するクリア(透明)部材とし、内部に配設したLEDなどの発光体が点灯・点滅する状態を透視可能すると、遊技者に対するインパクトが大きく、装飾効果が極めて高くなる。また、発光基部810の内部および外部にメッキ処理を施して、光沢を与えておくと、透明カバー部820のクリア部材との対比及び相乗効果により、更に装飾効果を高めることができる。
このとき、サイドランプユニット800の高さを大きく採る程、言い換えると、サイドランプユニット800をフロントパネル900の固定部から手前側へ大きく突出させた形状とすると、外観上このサイドランプユニット800が際立ち、装飾効果を更に増大させることが可能である。
しかしながら、サイドランプユニット800は、通常、基端部分がフロントパネル900に対して固定されているので、高さが高くなる程、即ち突出量が多くなる程、横方向に振れ易くなってしまう。言い換えると、サイドランプユニット800は、長手方向となる鉛直方向については安定するが、幅方向となる水平方向については不安定になってしまう。そこで、この実施例においては、後述するように、サイドランプユニット800の横方向への移動を防止するようになっている。
図13は、前面扉102を構成するフロントパネル900に設ける補強フレームの接続部分の説明図である。即ち、図7に示すフロントパネル900を構成する樹脂製の本体フレーム910には、金属製の中央補強フレーム922がネジ950によって固定される。そして、この中央補強フレーム922には、上部演出ユニット610がネジ950によって一部を重ねて固定されると共に、リールパネル押えアッシー620がネジ950によって一部を重ねて固定されている。従って、上部演出ユニット610及びリールパネル押えアッシー620も、補強部材として機能する。
また、中央補強フレーム922が固定される位置は、機種によって変更可能である。即ち、機種に応じて、演出表示装置等を取り付ける領域を広くし、リールが臨むリールパネル押えアッシー620を取り付ける領域を狭くしたりして、フロントパネル900を共通部材として利用可能である。
図14は、本発明における部品の取り付け、取り外しに関する基本的な操作を示す概略説明図である。即ち、ベースとなる基本部品に対して、第1部品と第2部品とを着脱可能に取り付けてある。そこで、先ず、第2部品を取り外す場合について説明する。基本部品としてのフロントパネル900に対して、第1部品としての胴パネル700(操作部ベース700)と、第2部品としてのサイドランプユニット800と、が取り付けられている。
基本部品であるフロントパネル900には、凹陥状の装着部901が設けてあり、この装着部901に第2部品であるサイドランプユニット800が入り込んで取り付けられている。図示しないが、サイドランプユニット800の装着部901に当接する部位は、フロントパネル900にネジにより固定されており、このネジを取り外した場合であっても、サイドランプユニット800が、サイドランプユニット800の幅方向、図14においては紙面の上下方向への移動が阻止されるように、凹陥状の装着部901に嵌まり込んでいる。
また、第1部品である胴パネル700は、第1部品取付位置にあり、フロントパネル900に設けた第1部品用係止部940である第1の係止段部941−1に、胴パネル700に設けた係止爪部722が係止している。このため、第1部品である胴パネル700は、前方へ移動することができないと共に、胴パネル700に設けた係止片受部730と、サイドランプユニット800に設けた係止片部830とが係止するので、第2部品も容易に取り外すことはできない。即ち、胴パネル700が、サイドランプユニット800の取り外し移動を困難にし、胴パネル700がサイドランプユニット800の取外規制部品として機能している。
そこで、第2の部品であるサイドランプユニット800を取り外す場合には、先ず、第1部品である胴パネル700を、所定量だけ前方へ引き出す。即ち、胴パネル700を図14において左側へ移動させ、仮取付位置まで移動させるのである。このとき、第1の係止段部941−1と係止爪部722との係止を一旦解除して移動させる。そして、仮取付位置に胴パネル700が到達すると、胴パネル700に設けた係止爪部722が、フロントパネル900の第2の係止段部941−2に係止し、胴パネル700を仮取付位置に保持させることができる。
胴パネル700が、仮取付位置に保持された状態では、胴パネル700とサイドランプユニット800との係合が外れる。言い換えると、胴パネル700に設けた係止片受部730と、サイドランプユニット800に設けた係止片部830との係止が外れて、サイドランプユニット800が移動自在になる。従って、この胴パネル700が仮取付位置に保持される状態になれば、サイドランプユニット800を、フロントパネル900から容易に取り外すことができる。
一方、第2部品を基本部品に取り付けるには、この第2部品を所定の位置に置き、第1部品を第1部品取付位置に移動させて、係止片部830を係止片受部730に係止させれば、第2部品を基本部品に対して取り付けることができる。具体的には、図14(c)に示すように、胴パネル700の係止爪部722とフロントパネル900の第2の係止段部941−2とが係止する仮取付位置に、胴パネル700を位置させる。次に、図14(c)に矢印で示す方向とは逆に、サイドランプユニット800を内側に向けて移動させて、図14(b)に示すように、フロントパネル900に凹陥状に形成した装着部901に、サイドランプユニット800を挿入して、所定の位置に装着させる。なお、図示していないが、サイドランプユニット800の装着部901に当接する部位は、フロントパネル900にネジにより固定してある。この状態では、未だ、胴パネル700の係止片受部730とサイドランプユニット800の係止片部830とが係止していない。このため、この状態のサイドランプユニット800は、手前側が左右に揺れ動いてしまうような不安定な状態でフロントパネル900に付いている。
そこで、図14(b)に示す矢印とは反対方向に、即ち紙面において右側に、胴パネル700を移動させる。すると、胴パネル700の係止爪部722とフロントパネル900の第1の係止段部941−1とが係止する第1部品取付位置に移動する。この第1部品取付位置では、サイドランプユニット800が胴パネル700に当接するため、サイドランプユニット800を取り外して移動させることができなくなる。また、胴パネル700に設けた係止片受部730と、サイドランプユニット800に設けた係止片部830とが係止するので、サイドランプユニット800の手前側が左右に揺れ動くことを阻止することができる。
一方、第1部品は、第2部品の影響を受けることなく、単独で着脱可能である。即ち、取付位置にあり係止爪部722が第1の係止段部941−1に係止している第1部品である胴パネル700を一旦引き出すと、係止爪部722が第2の係止段部941−2に係止して仮取付位置に保持される、しかしながら、この係止を解けば、第1部品は自由になる。そこで、第1部品を更に引き出せば、第1部品を、基本部品から完全に取り外すことができる。
次に、実際のスロットマシン100に当て嵌めると、第1部品は胴パネル700(操作部ベース700)に相当し、第2部品はサイドランプユニット800に相当し、基本部品にはフロントパネル900(前面扉102)が相当する。
そこで、例えば、図4や、図8〜図12等に戻って具体的に説明する。操作部ベース700には、係止手段720が設けてある。この係止手段720は、操作部ベース700の背面側から延出する係止腕部721の先端に係止爪部722を備えている。また、この操作部ベース700の側板部分には、サイドランプユニット800に設けた係止片部830に対応する係止片受部730が形成されている。即ち、操作部ベース700には、係止片受部730として、上部サイドランプカバー係止凹部731及び下部サイドランプカバー係止凹部732が、形成されている(図12参照)。
一方、サイドランプユニット800は、フロントパネル900の上端縁から下端縁まで延設されるように、かつ最も高い位置が胴パネル700の最も高い位置より高くなるように形成されている。そして、サイドランプユニット800が胴パネル700と接する側の壁面部分には、前記した操作部ベース700の上部サイドランプカバー係止凹部731及び下部サイドランプカバー係止凹部732に対応して、上部サイドランプカバー係止凸部831及び下部サイドランプカバー係止凸部832が形成されている。そして、これらの上部サイドランプカバー係止凸部831及び下部サイドランプカバー係止凸部832は、第2部品における係止片部830となる。
前記した各係止凹部731,732及び各係止凸部831,832は、互いに係止可能なように形成してある。言い換えると、各係止凹部731,732と各係止凸部831,832とを互いに係止させると、サイドランプユニット800を、所定の位置に取り付けることができる。また、この実施例では、上部サイドランプカバー係止凸部831がサイドランプユニット800の手前側へ高く突出した部分に設けてあるので、サイドランプユニット800の横方向への移動を防止することができる。
また、サイドランプユニット800が所定の位置に取り付けられた通常の状態では、操作部ベース700が第1部品取付位置にあるため、操作部ベース700の係止爪部722がフロントパネル900の第1の係止段部941−1に係止している。このため、サイドランプユニット800を、取り外そうとしても、前記した各係止凹部731,732及び各係止凸部831,832が互いに係止していることと相俟って、サイドランプユニット800を取り外すことはできない。
そこで、サイドランプユニット800を取り外すには、先ず、操作部ベース700を所定の位置へ移動させる。即ち、操作部ベース700を所定量手前へ引き出すと、係止腕部721の係止爪部722がフロントパネル900に設けた外側の第2の係止段部941−2に係止する。この係止爪部722と第2の係止段部941−2とが係止した状態では、操作部ベース700から手を離しても、この位置を保持することができる。そして、この操作部ベース700が保持された状態を、操作部ベース700が仮取付位置にあるという。
操作部ベース700がこの仮取付位置に来ると、前記した操作部ベース700の各係止凹部731,732と、フロントパネル900の各係止凸部831,832との係止が解除される。従って、操作部ベース700が仮取付位置にある状態では、サイドランプユニット800を取り外すことができるようになる。
更に、詳しく述べれば、操作部ベース700と、サイドランプユニット800と、フロントパネル900とが、組み立てられている状態では、操作部ベース700に設けた係止腕部721の係止爪部722が、フロントパネル900に設けた係止段部941に係止している(図10(a)及び(b)の状態)。即ち、フロントパネル900の係止延出片942の先端部に形成した第1係止段部941−1に、操作部ベース700の係止爪部722が係止する。そして、この操作部ベース700が第1部品取付位置にある通常の状態では、例えば図14(a)に示したのと同様に、サイドランプユニット800に設けた上部サイドランプカバー係止凸部831及び下部サイドランプカバー係止凸部832と、操作部ベース700に設けた上部サイドランプカバー係止凹部731及び下部サイドランプカバー係止凹部732とが係止しているため、サイドランプユニット800を側方に外すことができない。
次に、操作部ベース700を前方に所定量引き出す。なお、このとき、操作部ベース700の係止腕部721を若干撓ませることにより、一旦、係止爪部722と第1係止段部941−1との係止を外してから引き出す。すると、操作部ベース700側の係止爪部722が、フロントパネル900側の係止延出片942の付根、言い換えると、挿通窓部943の縁に形成した第2係止段部941−2に係止する(図10(c)の状態)。この状態では、操作部ベース700を所定量引き出された位置、即ち仮取付位置に保持しておくことができる。この操作部ベース700が仮取付位置に保持された状態では、ハーネス類に負荷がかからないようになっている。
そして、この操作部ベース700を引き出した状態では、サイドランプユニット800を、側方に外すことができる。即ち、図14(b)に示したのと同様に、サイドランプユニット800の上部サイドランプカバー係止凸部831及び下部サイドランプカバー係止凸部832と、操作部ベース700の上部サイドランプカバー係止凹部731及び下部サイドランプカバー係止凹部732と、の係止が外れているので、サイドランプユニット800を側方に引き出せば、簡単にサイドランプユニット800を取り外すことができる。したがって、サイドランプユニット800を、遊技店においても容易に交換することができる。なお、操作部ベース700を引き出す所定量は、サイドランプユニット800を取り外すことができる量に設定してあるばかりではなく、操作部ベース700を引き出した際に、ハーネス類に負荷がかからない程度に設定してある。
図15は、他の実施例を示す前面扉102の概略斜視図である。この実施例においては、複数の諸部品が取り外し可能になっている。例えば、この図15(a)に示す実施例においては、上部演出ユニット610を第1部品に設定して移動可能とすることで、第2部品としてのサイドランプユニット800を取り外し可能に構成してある。
また、図15(b)に示す実施例においては、受皿ユニット640を第1部品に設定して移動可能に構成している。この実施例によっても、第2部品であるサイドランプユニット800が取り外し可能になる。
更に、図15(c)においては、操作部ベース700を移動可能に構成している。即ち、操作部ベース700を移動させて仮取付位置に保持することにより、当該操作部ベース700のメンテナンス作業等を容易に行なうことが可能なる。例えば、完全に取り外してしまった操作部ベース700が、通行の邪魔になったり、取り外した操作部ベース700が散逸してしまったり、破損する虞れがない。
図16は、サイドランプユニット800を移動可能な第1部品に設定した実施例を示すものである。即ち、この実施例においては、第1部品であるサイドランプユニット800を、手前に引き出して仮取付位置に保持した状態で、第2部品に設定した上部演出ユニット610、操作部ベース700、受皿ユニット640を各々取り外すことができるように構成してある。
このように、第1部品が第1部品取付位置にあるときには、取り外しができずに、第1部品が仮取付位置にあるときには、取り外しができるように構成する第2部品は、一つに限ることがなく、複数の部品をこの第2部品に設定することができる。
更に、移動可能になった第2部品が、続く部品に対しては第1部品として機能するように構成することも可能である。即ち、複数の部品が次々に連係して、取り外しが可能になるように構成してもよい。このように構成すれば、予め定められた手順に従って各部品を操作しなければならないので、不正行為の防止などに効果的である。
図17に示す実施例では、フロントパネル900に、所謂ダルマ型の挿通口960を開設し、この挿通口960に、胴パネル700(操作部ベース700)に突設した、係止棒740を挿通するように構成してある。
係止棒740は、例えば図17(b)に示すように、2つの係止リング741が取り付けてあり、この係止リング741が、前記した挿通口960の縁に係止可能である。即ち、胴パネル700が通常の位置に装着された状態、即ち第1部品取付位置にある状態では、胴パネル700に近い側の第1係止リング741−1が、下側に位置する小径挿通口960−1の縁に係止している。
次に、図17(c)に示すように、胴パネル700を若干持ち上げて(矢印A方向に移動)、小径挿通口960−1の上側に連通している大径挿通口960−2内を通して第1係止リング741−1を引き出す(矢印B方向に移動)。次いで、図17(d)に示すように、胴パネル700から遠い側の第2係止リング741−2が、小径挿通口960−1の縁に係止するように、胴パネル700を下降させる(矢印C方向に移動)。すると、図示されていないが、胴パネル700を若干引き出した状態で保持することができる。そして、この胴パネル700が保持される位置が仮取付位置である。
この実施例においても、第1部品である胴パネル700が仮取付位置にあるときに、第2部品であるサイドランプユニット800を着脱することが可能になる。従って、この実施例によっても、部品の取り付け、取り外しが容易になる。
図18は、他の実施例による部品の取り付け、取り外しに関する基本的な操作を示す概略説明図である。そして、この実施例においては、第1部品の移動方向を、遊技台の後方へ向けて移動するように設定している。即ち、第2部品としてのサイドランプユニット800を着脱可能にする際に、第1部品としてのフロントパネル900を後方に移動させるようにしたものである。具体的には、第1部品であるフロントパネル900は、第1部品取付位置にあり、フロントパネル900に設けた第1部品用係止部940である係止爪部944が、胴パネル700に係止手段720として設けた第1の係止段部723−1に係止している(図18(a))。また、この実施例においては、フロントパネル900を後側へ所定量移動させ、この位置を前記した係止爪部944と係止手段720である第2の係止段部723−2とが係止することによって保持して、仮取付位置としている(図18(b))。この仮取付位置においては、サイドランプユニット800の係止片部830と、フロントパネル900の係止片受部931との係止が外れているので、サイドランプユニット800を容易に着脱可能である(図18(c))。なお、図14に示した実施例と同じ機能を備える部材には、同一符号を付して説明を省略する。
この実施例によれば、胴パネル700が、サイドランプユニット800の着脱時に、前側に突出しないので、作業の邪魔になったり、ぶつかって破損する恐れがない。また、遊技台においては、構造上、前面扉102を開かないと、作業できないので、不正遊技に対する安全性が高い。そして、この実施例に示すように、第1部品の移動方向は、どのように設定してもよい。
図19は、他の実施例を示す前面扉102の概略説明図である。この図19(a)に示す実施例においては、胴パネル700、受皿ユニット640等、複数部品の取り外しが可能になるように構成してある。即ち、この実施例においては、胴パネル700ばかりではなく、受皿ユニット640等、他の部品も取り外し可能に構成してある。
また、図19(b)に示す実施例においては、一旦取り外した胴パネル700を、所定の位置に支持させておくように、支持棒970を設けている。この支持棒970は、通常は内部に収納されており、必要なときに、引き出して使用するように構成してある。
このように構成しておけば、取り外した部品を、置き忘れたり、バラバラになってしまうことがない。また、必要な装置或いは部品を、支持棒970に引っ掛けて一組にしておけば、組立工程などにおいて、効率的である。
図20は、更に他の実施例を示す前面扉102の概略説明図である。この実施例においては、第1部品に設定した胴パネル700が上方へスライド移動するように構成してある。即ち、図20(a)に矢印で示すように、胴パネル700を上向きに移動させている。また、図20(b)に示すように、胴パネル700とフロントパネル900とが、リンク部材750によって連結されており、胴パネル700とフロントパネル900とが分離することなく、胴パネル700をスライドさせることができるように構成してある。更に、胴パネル700がスライド移動すると、サイドランプユニット800と胴パネル700との係止が外れるように構成してある。なお、第1部品である胴パネル700が上方へスライド移動して、仮取付位置にあるとき、第2部品であるサイドランプユニット800が着脱可能になる。そして、第1部品自体は、着脱できずに、第2部品の取外規制部品としてのみ機能している。
このように、第2部品を着脱可能とするために、第1部品を取り外すことなく移動させるようにしてもよい。また、移動方向は、どのような方向に設定してもよい。
図21では、胴パネル700を構成する一部品を移動させることにより、サイドランプユニット800の着脱を可能に構成している。即ち、胴パネル700とフロントパネル900との係止を維持したまま、胴パネル700の一部を構成するキー部材760をスライドさせることにより、このキー部材760とサイドランプユニット800との係止を解除して、サイドランプユニット800を着脱可能に構成している。即ち、キー部材760に係止片受部730を形成して、サイドランプユニット800の係止片部830が係止可能なように構成してある。なお、図14に示した実施例と同じ機能を備える部材には、同一符号を付して説明を省略する。
このように、サイドランプユニット800を着脱する際に、胴パネル700の全体を移動させるのではなく、胴パネル700の一部を移動させてサイドランプユニット800と胴パネル700との係止を解除するように構成しても、胴パネル700が取付位置と仮取付位置とに移動可能であるということができ、胴パネル700が取外規制部品として充分に機能する。
この実施例によれば、大きな部品全体を移動させる必要がないので、簡単な構成及び操作によって、対象となる部品を着脱可能に構成することができる。この実施例においても、移動方向は、どのように設定してもよい。
上記した各実施例においては。遊技台の一例として遊技媒体にメダルを用いるスロットマシンについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技媒体として遊技球(例えば、パチンコ玉)を用いるスロットマシン(いわゆるパロット)やパチンコ機などにも適用可能である。
例えば、本発明が適用されるパチンコ機としては、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備え、始動入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機が一例として挙げられる。
このようなパチンコ機では、遊技球が始動入賞口に入球すると、抽選を行い、この抽選結果が大当りであるか否かを判定する。そして、この抽選で大当たりに当選すると、可変表示装置により、特定の図柄による組合せ(大当たり図柄;例えば、777など)が表示され、大当たり状態に移行する。大当たり状態では、大入賞口が、例えば、所定の時間または所定の回数、開放され続けるので、遊技球は入球しやすい状態となり、遊技者にとって有利な状態が実現されるようになっている。また、特定の図柄による組合せ(大当たり図柄)が、確率変動を伴う大当たり図柄(確変図柄)である場合には、次に大当たりとなる確率が高くなり、遊技者にとってさらに有利な状態が実現される。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。