JP4726364B2 - 単純ヘルプスウイルス抗体の測定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単純ヘルプスウイルス(herpes simplex virus, 以下「HSV」という)感染の診断のためのHSV抗体の測定方法に関する。より詳しくは、本発明は1型単純ヘルペスウイルス(HSV type 1, 以下「HSV-1」という)感染および2型単純ヘルペスウイルス(HSV type 2, 以下「HSV-2」という)感染を区別して診断できる改良された方法、並びにこの方法に利用するペプチドおよび試薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
HSVには1型(HSV-1)と2型(HSV-2)が存在する。そのうちで、HSV-2は性器ヘルペスの起因ウイルスとして知られている。近年、HSV-1に起因する性感染症(STD)の増加も報告されており、両者ウイルス感染の型判定方法の開発が望まれるに至っている。
【0003】
HSV感染は、被検者の有する抗HSV抗体の検出により診断することが可能である。しかるに、HSV-1およびHSV-2の各構成蛋白質は、それらのアミノ酸配列にホモロジーが高く、約80%以上が保持されているため、いずれのウイルス抽出蛋白を抗原として用いても、抗HSV-1特異抗体および抗HSV-2特異抗体を区別して検出することはできない。
【0004】
最近、上記構成蛋白質の一つであるグリコプロテインG(gpG)を抗原として用いて、抗HSV-1抗体および抗HSV-2抗体を区別して検出する試薬が開発された。しかしながら、このgpGにも共通するアミノ酸配列が存在し、そのため、該試薬はその特異性、感度などの面でなお充分とはいえない。
【0005】
また、数種のHSV-2特異的モノクローナル抗体を用いて、ランダムペプチドディスプレイライブラリーを用いたバイオパニング法によって、該抗体に反応するペプチドをクローニングし、エピトープ(抗原決定基または抗原決定部位)を推定し、このエピトープがHSV-2のgpG(gpG2)の525-587番目のアミノ酸配列に存在することを示唆した文献報告がなされている(A. Grabowska, et al., Jaurnal of General Virology, 80, pp.1789-1798 (1999))。該報告には、gpG2の551-570番目のアミノ酸配列に相当する合成ペプチドを用いてELISA系を構築し、ウエスタンブロットによって確認された抗HSV-2抗体陽性血清と陰性血清とを、このELISA系にて測定した結果、感度77%、特異度98%であった旨記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、抗HSV特異的抗体結合性ペプチド、特に、HSV-1患者血清およびHSV-2患者血清のそれぞれと特異的に反応する抗HSV-1特異抗体結合性ペプチドおよび抗HSV-2特異抗体結合性ペプチドを提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、高感度且つ高特異度で、HSV-1特異抗体及びHSV-2特異抗体を区別して検出する方法(HSV-1感染とHSV-2感染とを区別して診断する方法)を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の要旨の本発明によって達成される。
【0009】
即ち、本発明は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するペプチド、または該アミノ酸配列において1もしくは複数個のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加により改変されたアミノ酸配列を有するペプチドであって抗HSV-1抗体と特異反応性を有するペプチドを提供する。
【0010】
また、本発明は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するペプチド、または該アミノ酸配列において1もしくは複数個のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加により改変されたアミノ酸配列を有するペプチドであって抗HSV-2抗体と特異反応性を有するペプチドを提供する。
【0011】
更に、本発明は、上記ペプチドのそれぞれを有効成分とするHSV感染の診断用試薬組成物、特に、当該ペプチドが多抗原性ペプチド形態であるHSV感染の診断用試薬組成物、および両診断用試薬組成物を含むHSV-1感染とHSV-2感染とを区別して診断するための試薬組成物を提供する。
【0012】
加えて、本発明は、検体におけるHSV-1感染とHSV-2感染とを区別して診断するための方法であって、前記両ペプチド(抗HSV-1抗体と特異反応性を有するペプチドおよび抗HSV-2抗体と特異反応性を有するペプチド)を検体に接触させて該検体中の抗HSV-1抗体と抗HSV-2抗体の有無を検出する工程を含む方法を提供する。
【0013】
本明細書におけるアミノ酸、ペプチド、塩基配列、核酸などの略号による表示は、IUPAC、IUBの規定、「塩基配列またはアミノ酸配列を含む明細書等の作成のためのガイドライン」(特許庁編)および当該分野における慣用記号に従うものとする。
【0014】
また、HSV-1およびHSV-2のgpGのDNAおよびアミノ酸配列は公知であり、本明細書におけるアミノ酸配列番号はこの公知配列に従うものとする(McGeoch, et al., J. Mol. Biol., (1985), 181: 1-13; McGeoch, et al., J. Gen. Virol., (1987), 68: 19-38を参照)。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明ペプチドは、HSV-1感染患者の抗HSV-1抗体またはHSV-2患者の抗HSV-2抗体のいずれかとのみ反応し、他とは反応しないことを特徴とする。従って、これらのペプチドの利用によれば、検体中の抗HSV-1抗体および抗HSV-2抗体をそれぞれ特異的に検出することができ、かくして検体がHSV-1に感染しているか否かとHSV-2に感染しているか否かとを区別して診断することができる。本発明は、このようなHSV-1感染および/またはHSV-2感染の診断方法、特に、単純で、極めて正確で、しかも効率的な該診断方法を提供する。
【0016】
(1) 本発明ペプチド
以下、抗HSV-1抗体と特異反応性を有する本発明ペプチド(以下、「HSV-1ペプチド」ともいう)および抗HSV-2抗体と特異反応性を有する本発明ペプチド(以下、「HSV-2ペプチド」ともいう)について説明する。
【0017】
本発明HSV-1ペプチドは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するペプチド、または該アミノ酸配列において1もしくは複数個のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加により改変されたアミノ酸配列を有するペプチドであって抗HSV-1抗体に特異的な結合性を有することにより特徴付けられる。
【0018】
また、本発明HSV-2ペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するペプチド、または該アミノ酸配列において1もしくは複数個のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加により改変されたアミノ酸配列を有するペプチドであって抗HSV-1抗体に特異的な結合性を有することにより特徴付けられる。
【0019】
ここで、抗体なる語は当該分野における通常の用語として使用される。従って、抗HSV-1抗体および抗HSV-2抗体は、それぞれHSV-1を認識する抗体(またはHSV-1と結合する抗体)およびHSV-2を認識する抗体(またはHSV-2と結合する抗体)と定義される。これらの抗体は、好ましくは、HSV-1感染患者に誘起された抗体(抗HSV-1抗体)およびHSV-2感染患者に誘起された抗体(抗HSV-2抗体)である。
【0020】
配列番号1に示されるアミノ酸配列は、HSV-1のgpG(gpG1)の69-83番目のアミノ酸配列であり、このアミノ酸配列からなるペプチドは、抗HSV-1抗体に特異的な結合性を有しており、本発明HSV-1ペプチドの好適な具体例である。
【0021】
また、配列番号2に示されるアミノ酸配列は、HSV-2のgpG(gpG2)の558-566番目のアミノ酸配列であり、このアミノ酸配列からなるペプチドは、抗HSV-2抗体に特異的な結合性を有しており、本発明HSV-2ペプチドの好適な具体例である。
【0022】
本発明ペプチドには、上記各アミノ酸配列を有するそれぞれのペプチドの他に、これら各アミノ酸配列中の一部のアミノ酸またはアミノ酸配列が改変されたアミノ酸配列を有するもの、即ち各アミノ酸配列において1もしくは複数個のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加されたアミノ酸配列を有するものが包含される。
【0023】
ここで、アミノ酸配列の改変の程度および位置、即ちアミノ酸の置換、欠失もしくは付加の程度およびそれらの位置は、改変されたアミノ酸配列のペプチド(もしくは蛋白質)が、改変前のアミノ酸配列を有するペプチドと同様の性質を有する同効物である限りにおいて、即ち抗HSV-1抗体または抗HSV-2抗体に特異的な結合性を保持するものである限りにおいて、特に制限されない。
【0024】
上記同効物であること、即ち抗HSV-1抗体または抗HSV-2抗体に特異的な結合性を保持するものであることの確認は、本発明ペプチドと抗HSV-1抗体または抗HSV-2抗体との反応性乃至交差反応性を常法に従って試験することにより行い得る。この試験の一具体例は、後記実施例に詳述する。
【0025】
尚、アミノ酸の付加により改変がなされる場合、本発明HSV-1ペプチドは、これが抗HSV-1抗体に特異的な結合性を保持し、抗HSV-2抗体との望ましくない交差反応性を避ける上で、HSV-1のgpGの68-85番目のアミノ酸配列、特に好ましくはその69-83番目のアミノ酸配列、に連続して続く当該gpGのアミノ酸乃至アミノ酸配列の付加は除くことが重要である。
【0026】
また、本発明HSV-2ペプチドの場合は、これが抗HSV-2抗体に特異的な結合性を保持し、抗HSV-1抗体との望ましくない交差反応性を避ける上で、HSV-2のgpGの558-566番目のアミノ酸配列に連続して続く当該gpGのアミノ酸乃至アミノ酸配列の付加は除くことが重要である。
【0027】
本発明ペプチドは、その抗原性などを考慮すると、少なくとも5アミノ酸配列の長さからなるのが好ましい。
【0028】
本発明ペプチドは、また、所望により、その抗原性を高めた形態、例えば多抗原性ペプチド(MAP: multiple antigen peptide)形態とすることができる。
【0029】
(2) 本発明ペプチドの製造
本発明HSV結合性ペプチドは、そのアミノ酸配列に従って、一般的な化学合成法により製造することができる。該方法には、通常の液相法および固相法によるペプチド合成法が包含される。
【0030】
このペプチド合成法は、より詳しくは、本発明で提供するアミノ酸配列情報に基づいて、各アミノ酸を1個ずつ逐次結合させ鎖を延長させていくステップワイズエロゲーション法と、アミノ酸数個からなるフラグメントを予め合成し、次いで各フラグメントをカップリング反応させるフラグメント・コンデンセーション法とを包含する。本発明ペプチドの合成は、そのいずれによることもできる。
【0031】
ペプチド合成に採用される縮合法も、公知の各種方法に従うことができる。その具体例としては、例えばアジド法、混合酸無水物法、DCC法、活性エステル法、酸化還元法、DPPA(ジフェニルホスホリルアジド)法、DCC+添加物(添加物:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、N-ヒドロキシサクシンアミド、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-カルボキシイミドなど)、ウッドワード法などを例示できる。これら各方法に利用できる溶媒もこの種ペプチド縮合反応に使用されることがよく知られている一般的なものから適宜選択することができる。その例としては、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサホスホロアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチルなどおよびこれらの混合溶媒などを挙げることができる。
【0032】
上記ペプチド合成反応に際して、反応に関与しないアミノ酸及至ペプチドにおけるカルボキシル基は、一般にはエステル化により、例えばメチルエステル、エチルエステル、第三級ブチルエステルなどの低級アルキルエステル、例えばベンジルエステル、p-メトキシベンジルエステル、p-ニトロベンジルエステルなどのアラルキルエステルなどとして保護することができる。また、側鎖に官能基を有するアミノ酸、例えばTyrの水酸基は、アセチル基、ベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基、第三級ブチル基などで保護されてもよい。必ずしもかかる保護を行う必要はない。更に、例えばArgのグアニジノ基は、ニトロ基、トシル基、2-メトキシベンゼンスルホニル基、メチレン-2-スルホニル基、ベンジルオキシカルボニル基、イソボルニルオキシカルボニル基、アダマンチルオキシカルボニル基などの適当な保護基により保護することができる。
【0033】
上記保護基を有するアミノ酸、ペプチドおよび最終的に得られる本発明ペプチドにおけるこれら保護基の脱保護反応もまた、慣用される方法、例えば接触還元法、液体アンモニア/ナトリウム、フッ化水素、臭化水素、塩化水素、トリフルオロ酢酸、酢酸、蟻酸、メタンスルホン酸などを用いる方法などに従って実施することができる。
【0034】
前記方法に従い得られる本発明ペプチドは、通常の方法に従って、例えばイオン交換樹脂、分配クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、向流分配法などのペプチド化学の分野で汎用されている方法に従って、適宜その精製を行うことができる。
【0035】
また、本発明ペプチドは、該ペプチドをコードするDNA配列を利用した遺伝子工学的手法に従っても製造することができる。
【0036】
この遺伝子工学的手法は、常法に従うことができる。例えば、DNAの合成、該DNAの発現ベクターの製造、該ベクターの宿主細胞における発現方法などは、いずれも一般的な遺伝子工学的手法に従うかまたはこれらに準じて実施することができる(Molecular Cloning 2nd. Ed., Cold Spring Harbor Lab. Press (1989); 続生化学実験講座「遺伝子研究法I、II、III」、日本生化学会編(1986)など参照)。
【0037】
例えば、本発明ペプチドをコードするDNAは、本発明ペプチドのアミノ酸配列情報に基づいて、常法に従い調製することができる(例えば、Science, 224, 1431 (1984); Biochem. Biophys. Res. Comm., 130, 692 (1985); Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 80, 5990 (1983) など参照)。
【0038】
より具体的には、DNAの合成は、ホスホルアミダイト法、トリエステル法などの化学合成法に従うことができる。また、例えば市販されている自動オリゴヌクレオチド合成装置を利用して実施することもできる。二本鎖断片は、化学合成した一本鎖生成物に、化学合成した相補鎖を適当な条件下でアニーリングさせるかまたは適当なプライマー配列と共にDNAポリメラーゼを用いて相補鎖を付加することによって得ることができる。
【0039】
上記で合成されるDNAは、所望により、そのコードするアミノ酸配列の改変を行うこともできる。この改変アミノ酸配列のためのDNAの改変は、例えばオリゴヌクレオチドを用いた部位特異的変異導入法(Zoller, M., et al., Nucl. Acids Res., 10, 6487-6500 (1982))、カセット変異誘発法(Well, J., et al., Gene, 34, 315-323 (1985))などの公知方法によって実施することができる。
【0040】
上記DNAを利用した所望ペプチドの製造および発現は、この分野で周知慣用の技術に従うことができる(例えば、Science, 224, 1431 (1984); Biochem. Biophys. Res. Comm., 130, 692 (1985); Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 80, 5990 (1983)など参照)。
【0041】
また、本発明ペプチドを融合ペプチド乃至融合蛋白として製造、発現するに際しては、例えば大野らの方法「タンパク実験プロトコール1機能解析編、細胞工学別冊、実験プロトコールシリーズ、1997年、秀潤社」などを参考にすることができる。
【0042】
所望のペプチドは、その物理的性質、化学的性質などを利用した各種の分離操作(例えば、「生化学データーブックII」、1175-1259 頁、第1版第1刷、1980年6月23日株式会社東京化学同人発行;Biochemistry, 25 (25), 8274-8277 (1986); Eur. J. Biochem., 163, 313-321 (1987)など参照)により分離、精製することができる。該分離、精製操作としては、具体的には、例えば、通常の再構成処理、蛋白沈澱剤による処理(塩析法)、遠心分離、浸透圧ショック法、超音波破砕、限外濾過、分子篩クロマトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの各種液体クロマトグラフィー、透析法、これらの組合せなどを例示することができる。
【0043】
本発明ペプチドは、所望により、免疫原性を高めた形態、例えばMAP形態とすることができる。このMAP形態は、基本分子に複数の本発明ペプチドが提示された形態として特徴付けられる。
【0044】
MAP形態である本発明ペプチドは、例えば、基本分子或いは骨格としてのデンドリマーの利用により容易に製造することができる。
【0045】
デンドリマーは、一般に樹枝状形状から星形の立体配置を有する球状乃至その他の構造の分子として知られている。該分子はまた複数個の機能基を有する枝(繰返し単位)により特徴付けられる(例えば、特表昭60-500295号公報;特開昭63-99233号公報;特開平3-263431号公報;米国特許第4507466号明細書;同第4568737号明細書;Polymer Journal, 17, p.117 (1985); Angewandte Chem. Int. Engl., 29, 138-175 (1990); Macromolecures, 25, p.3247 (1992)など参照)。
【0046】
MAP形態である本発明ペプチドのひとつの具体例としては、例えば、窒素原子を開始核部分とし、該核部分に結合する-CH2CH2CONHCH2CH2-構造からなる繰返し単位(枝)を有するデンドリマーの各枝の最外側末端に本発明ペプチドの複数個を結合させたものを挙げることができる。他の具体例としては、例えば、Lys、Arg、Glu、Aspなどのアミノ酸のいずれかを開始核部分とし、該核部分に直接結合する繰返し単位として同様の各アミノ酸を利用し、各枝末端に同様に複数の本発明ペプチドを結合させたものを挙げることができる。
【0047】
上記窒素原子を開始核部分とするデンドリマーは、常法に従い製造できる。またその構造物(融合乃至連結前の本発明ペプチドを結合させるべきデンドリマー原料)は、市販品としても入手できる(Polysciences, Inc., 400 Vally Road, Warrington, PA, 18976 U.S.A.)。他方のアミノ酸を開始核部分とするデンドリマーは、例えば前記したペプチドの化学合成法に従い製造することができる。また、例えばFmoc8-Lys4-Lys2-Lys-βAla-Alko樹脂(渡辺化学工業社製)などとして市販のデンドリマー原料を利用して製造することもできる。
【0048】
より具体的には、上記デンドリマー原料は、次の如くして製造することができる。即ち、固相ペプチド合成用の樹脂に、スぺーサーを介してまたは介さずに、2つのアミノ基を同一のまたは同一でない保護基で保護したα,ω-ジアミノ酸を縮合反応させ、ついで保護基を除去し、更に同様の保護α,ω-ジアミノ酸の縮合反応および脱保護基反応を繰返す。
【0049】
ここで固相ペプチド合成用の樹脂としては、通常のペプチド合成に汎用されているものをいずれも使用することができる。その例としては、例えばポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリスチレンポリエチレングリコール樹脂などの末端にクロロメチル基、4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ基、4-((α-2',4'-ジメトキシフェニル)-9-フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル)フェノキシ基などを有するものを挙げることができる。スぺーサーとしては、1個または複数個のアミノ酸を挙げることができる。また、α,ω-ジアミノ酸としては、リジン、オルニチン、1,4-ジアミノ酪酸、1,3-ジアミノプロピオン酸などを挙げることができる。
【0050】
保護基の例は、前記本発明ペプチドの製造の項に示したとおりである。該保護基の除去反応も、本発明ペプチドの製造の項に示した方法に従うことができる。枝の数は、繰返し単位の縮合と保護基の除去とをn回繰り返すことにより2nとなる。この枝数は、好ましくは2から16の範囲を挙げることができる。
【0051】
得られるデンドリマー原料の各枝末端の機能基(アミノ基、カルボキシル基または水酸基)に、本発明ペプチドを結合させることにより、所望のMAPを収得できる。この結合反応は、前記したペプチド合成法に従うことができる。
【0052】
MAP形態の本発明ペプチドは、常法に従い、適当なマトリックス、例えばセファクリールS-300(ファルマシア社製)などの樹脂を用いたクロマトグラフィー操作などにより精製することができる。
【0053】
上記MAPにおいて、各枝末端に結合させるHSV-1ペプチドまたはHSV-2ペプチドは、同一のものである必要はなく本発明HSV-1ペプチドに属する任意の組合せ、或いは本発明HSV-2ペプチドに属する任意の組合せであることができる。
【0054】
(3) HSV 感染の診断
本発明HSV-1ペプチドは、抗HSV-1抗体と特異的に結合する抗原として機能し、また、本発明HSV-2ペプチドは、抗HSV-2抗体と特異的に結合する抗原として機能する。従って、本発明ペプチドの利用によれば、HSV感染によって生じる抗HSV-1抗体および抗HSV-2抗体を選択的に(区別して)検出することができる。
【0055】
本発明はこのようなHSV抗体の検出工程を含むHSV感染の診断方法を提供する。
【0056】
本発明診断方法は、HSV感染が疑われる被験者から、血液(血清、血漿)、尿、汗、唾液、***、髄液などの各種体液、好ましくは血清を採取し、これを検体として、本発明ペプチドを該検体と接触させて、検体中の抗HSV-1抗体および/または抗HSV-2抗体の有無を検出する工程を含むことを必須とする。
【0057】
抗体の検出方法は、本発明ペプチドを測定系の抗原として使用する限りにおいて特に制限されることはない。抗体検出方法として慣用の各種方法を広く採用することができる。
【0058】
具体的には、競合法、直接反応法、固相化サンドイッチ型アッセイ法などのイムノアッセイ手法を含む標準的な電気泳動技術および免疫診断技術を採用することができる。このようなイムノアッセイ手法には、例えば、ウエスタンブロット、凝集テスト、ELISAなどの酵素標識および酵素媒介イムノアッセイ法、ビオチン/アビジン型アッセイ法、ラジオイムノアッセイ法、免疫電気泳動法、免疫沈降法などが含まれる。
【0059】
例えば、ヒト血清を被検試料とする固相化サンドイッチ法を例にすると、目的抗体は、以下の方法で測定することができる。即ち、まず測定対象抗原である本発明ペプチドを固相化しておき、これに被検試料としての血清検体を加える。その結果、固相化ペプチドと試料中の抗体との間で抗原抗体反応が起こり、検体中に存在する目的抗体は固相化ペプチドに結合する。次に結合した目的抗体を、抗ヒトIgG抗体などの通常のヒト抗体検出試薬を用いて検出することにより、被検試料中に存在する目的抗体を検出、測定することができる。
【0060】
これら測定手法における各種手段の選択やそれらの改変などはいずれも当業者のよく知るところであり、本発明においてはそれら各手法のいずれをも採用することができる〔「臨床検査法提要」、金原出版、1995年など参照〕。
【0061】
上記抗体検出方法において、固相法を採用する場合、測定系の抗原、ヒト抗体検出試薬などは、常法に従って固相に固定化して用い得る。この固相としては、不溶性、不活性担体であれば特に制限されず、通常使用されるものが広く用いられる。例えば、ガラス、セルロース粉末、セファデックス、セファロース、ポリスチレン、濾紙、カルボキシメチルセルロース、イオン交換樹脂、デキストラン、プラスチックフィルム、プラスチックチューブ、ナイロン、ガラスビーズ、絹、ポリアミン−メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体、アミノ酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体などの種々の素材からなるスティック、ビーズ、マイクロプレート、試験管などが広く用いられる。
【0062】
抗原などの固定化方法についても特に制限はなく、物理的結合および化学的結合のいずれをも使用した方法を適宜採用できる。例えば、共有結合法としてジアゾ法、ペプチド法(酸アミド誘導体、カルボキシクロライド樹脂法、カルボジイミド樹脂法、無水マレイン酸誘導体法、イソシアナート誘導体法、臭化シアン活性化多糖体法、セルロースカルボナート誘導体法、縮合試薬を使用する方法など)、アルキル化法、架橋試薬による担体結合法(架橋試薬としてグルタールアルデヒド、ヘキサメチレンイソシアナートなどを用いる)、Ugi反応による担体結合法などの化学的反応:或いはイオン交換樹脂のような担体を用いるイオン結合法:ガラスビーズなどの多孔性ガラスを担体として用いる物理的吸着法などが好ましいものとして例示できる。
【0063】
抗原の担体への固定化に当たっては、また常法に従って、まず抗原をより良好な結合特性を有する形態とすることができる。該形態とした抗原としては、例えばMAP形態とした本発明ペプチド、キャリヤー結合形態とした本発明ペプチドなどが好ましいものとして例示できる。
【0064】
上記キャリヤー結合形態のペプチドの製造に用いられる適当なキャリヤーとしては、例えば血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン、免疫グロブリン分子、チログロブリン、卵白アルブミンなどの各種の蛋白質が挙げられる。他のキャリヤーには、多糖体、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマーなどが含まれる。このようなキャリヤーおよびこれらと抗原との結合方法も当業者に周知である。
【0065】
各測定系における標識剤としても、特に制限はされず、従来公知のものまたは将来使用され得るもののいずれも用いることができる。具体的には、例えば3H、14Cなどの放射性同位元素;アルカリホスファターゼ、パーオキシダーゼ(POX)などの酵素;フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(RITC)などの蛍光物質;および1N-(2,2,6,6-テトラメチル-1-オキシル-4-ピペリジル)-5N-(アスパルテート)-2,4-ジニトロベンゼン(TOPA);染料ゾル;金属ゾル;ラテックス粒子などが例示される。これらを標識剤として使用する免疫測定法は、それぞれラジオイムノアッセイ、エンザイムイムノアッセイ、フルオロイムノアッセイ、スピンイムノアッセイ、フロースルーアッセイおよびイムノクロマトアッセイと称される。本発明においては、簡便性、安全性、感度などの観点から、好ましくは酵素を標識剤として用いるエンザイムイムノアッセイが採用される。
【0066】
酵素標識のための酵素標識物質としては、例えば、上記に加えて、マイクロパーオキシダーゼ、キモトリプシノーゲン、プロカルボキシペプチダーゼ、グリセロアルデヒド-3-リン酸脱水酵素、アミラーゼ、ホスホリラーゼ、D-ナーゼ、P-ナーゼなどを例示することができる。なお、これらの標識物質による標識方法は、自体公知の方法に従って行うことができる(「単クローン抗体」岩崎辰夫 他著、講談社サイエンティフィク、1984;「酵素免疫測定法」第2版、石川栄治 他著、医学書院、1982年など参照)。
【0067】
酵素活性の測定は、使用する酵素の種類に応じて公知の方法に従って実施できる。例えば、標識酵素としてパーオキシダーゼを用いる場合は、基質としてABTSJ[2,2'-アジノービ(3'-エチルベンツチアゾリンスルホン酸)]を用い、またアルカリホスファターゼを用いる場合は基質としてp-ニトロフェニルホスフェートを用いて、これら基質中で酵素をインキュベートし、各基質の分解を分光光度計などを用いて測定する方法などが挙げられる(「酵素免疫測定法」第2版、石川栄治 他著、医学書院、1982年など参考)。
【0068】
酵素標識の代わりに、放射性同位元素、蛍光物質などの標識を用いる場合も、それぞれ公知の方法に従って標識体の測定を行うことができる。
【0069】
前記各測定系に使用される溶媒としては、反応に悪影響を与えないものであればよい。一般的によく使用される溶媒の具体例としては、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液、酢酸緩衝液などのpHが約5-9程度の緩衝液が例示される。
【0070】
免疫反応(結合)条件も特に制限はなく、一般にこの種の測定法で用いられる通常の条件が採用される。一般には、約45℃以下、好ましくは約4-40℃程度の温度条件下に、数十分-数時間を要して反応を行うことができる。
【0071】
かくして、被験者検体中の抗HSV-1抗体および抗HSV-2抗体の検出を行い得る。抗HSV-1抗体の検出(存在)は、被験者がHSV-1に感染していることを指示し、抗HSV-2抗体の検出(存在)は、被験者がHSV-2に感染していることを指示し、抗HSV-1抗体および抗HSV-2抗体の両者の検出(存在)は、被験者がHSV-1およびHSV-2の両者に感染(重複感染)していることを指示する。
【0072】
本発明HSV感染の診断の実施に際しては、上記抗体検出または診断のための試薬組成物(乃至試薬キット)を利用することが簡便であり、本発明はこのようなHSVの診断に利用できる試薬組成物をも提供する。
【0073】
本発明試薬組成物は、抗HSV-1抗体に特有の抗原試薬である本発明HSV-1ペプチドの少なくとも1種を有効成分として含むことを特徴とするHSV-1感染の診断用試薬組成物である。
【0074】
また、本発明試薬組成物は、抗HSV-2抗体に特有の抗原試薬である本発明HSV-2ペプチドの少なくとも1種を有効成分として含むことを特徴とするHSV-2感染の診断用試薬組成物である。
【0075】
更に、本発明試薬組成物は、上記したHSV-1感染の診断用試薬組成物と、HSV-2感染の診断用試薬組成物との両者を含むHSV感染の診断用試薬組成物である。
【0076】
これら本発明試薬組成物は、当該有効成分に加えて、固相、標識剤、標識剤に応じた基質(検出試薬)の中から任意に選択される少なくとも1種を組合わせたもののセットであってもよい。
【0077】
なお、セット中に固相を含む場合、該固相には予め測定系に応じた任意成分が固定化されていてもよい。またセット中に標識剤を含む場合も、同様に任意成分が当該標識剤で予めコンジュゲートされていてもよい。当該標識剤としては前述したような放射性同位元素、酵素、蛍光物質などの種々の化合物、好ましくは酵素が挙げられる。
【0078】
さらに本発明試薬組成物には、測定の実施の便益のために適当な各種の希釈液、標準抗体、緩衝液、洗浄液、基質溶解液、反応停止液などが含まれていてもよい。
【0079】
【実施例】
以下、本発明を更に詳しく説明するため、まず、従来のHSV培養抗原、HSV-1(gpG1)リコンビナント蛋白抗原およびHSV-2(gpG2)リコンビナント蛋白抗原を用いた抗体の検出法について説明し、次いで本発明ペプチドおよびこれらを利用した抗体検出法の実施例を挙げる。
【0080】
検体
血清検体(慈恵医科大学皮膚科教室)は、臨床的診断により、HSV-1感染と診断されたヘルペス患者血清29例、HSV-2感染と診断されたヘルペス患者血清42例、HSV-1とHSV-2の重複感染と診断されたヘルペス患者血清3例および健常者血清96例である。
【0081】
抗体の検出
これらの血清検体の抗HSV抗体(IgG)は、HSV培養抗原を用いる従来法に従って、ヘルペスIgG-EIAキット(デンカ生研)を用いて検出された。
【0082】
上記で血清中抗HSV抗体(IgG)が陽性であると認められたHSV患者検体および健常者検体の全例について、HSV-1グリコプロテインG(gpG1)リコンビナント蛋白抗原を用いる1型特異抗体(IgG)の検出およびHSV-2グリコプロテインG(gpG2)リコンビナント蛋白抗原を用いる2型特異抗体(IgG)の検出を、それぞれ市販キット(Primier Type specific HSV-1 or HSV-2 IgG ELISA Test; Meridian Diagnostics, Inc.)を用いて行った。
【0083】
得られた結果を図1-図3に示す。
【0084】
図1は、HSV培養抗原を用いた従来法に従う抗HSV抗体の検出結果を示すグラフであり、図2は、gpG1リコンビナント蛋白抗原を用いた場合の抗体の検出結果を示すグラフであり、図3は、gpG2リコンビナント蛋白抗原を用いた場合の抗体の検出結果を示すグラフである。
【0085】
各図中、横軸はHSV感染患者または健常者を示し、図1の縦軸は吸光度(OD450-650nm)を示し、図2および図3の縦軸は、それぞれ相対ELISA値(Rerative ELISA Volue: 検体のOD値をコントロール血清のOD値で割った値)を示す。
【0086】
これらの図に示される結果より、血清中抗HSV抗体(IgG)の陽性率は、HSV-1感染患者血清で86% (25/29)であり、HSV-2感染患者血清で90% (38/42)であり、両者の重複感染患者血清で100% (3/3)および健常者血清で57% (55/96)であることが明らかとなった。
【0087】
1型特異抗体(IgG)は、HSV-1感染患者血清に高率に反応性を示したが、数例の抗HSV抗体陰性健常者血清に対しても反応性が確認された(図2参照)。また、2型特異抗体(IgG)は、HSV-2感染患者血清に高率に反応性を示したが、2例の抗HSV抗体陽性健常者血清に対しても反応性が確認された(図3参照)。
【0088】
【実施例1】
(1) HSV-2 ペプチド
ファージベクターpTV119N(宝酒造)を基本として、M13系ファージのp8蛋白質ディスプレイ方式により、ランダムペプチド(9アミノ酸からなる)のライブラリーを作成した。得られたライブラリーを、大腸菌JM109株にエレクトロポーレーション法により形質転換して、ランダムペプチドディスプレイファージライブラリーを作成した。
【0089】
前記検体(健常者血清、HSV-1感染患者血清およびHSV-2感染患者血清)を利用した血清バイオパニングにより、複数のHSV-2感染患者血清に反応性を示し、HSV-1感染患者血清および健常者血清には反応性を示さないファージクローンとして「HSV-2c5」および「HSV-2g60.3」と命名した2つのクローンを選択した。
【0090】
(2) ファージ ELISA
抗M13ファージp8蛋白質抗体(ファルマシア社製)1μg/mlを固相化した96ウェルマイクロタイタープレートを用いた。該プレートに、90μlのファージELISA緩衝液(0.5%BSA、10%正常ヤギ血清および0.05%Tween20を含むリン酸緩衝液)と10μlのペプチドディスプレイファージ培養液(以下の通り調製したもの)とを添加し、37℃で1時間反応させた(一次反応)後、未反応ファージを4回洗浄して除去した。
<ペプチドディスプレイファージ培養液の調製>
アンピシリンを含むLuria-Bertani培地50μlにて、単一コロニーを37℃で8時間培養後、これにヘルパーファージM13K07液(1012cfu)50μlを添加して感染させ、次いで液体培地(アンピシリン、カナマイシンおよびIPTGを含むLuria-Bertani培地)400μlを加えて37℃で一晩培養することにより、ペプチドディスプレイファージ培養液を調製した。
【0091】
次いで、一次反応終了後のプレートの各ウェルにファージELISA緩衝液で101倍希釈した血清検体100μlを添加し、37℃で1時間反応させた(二次反応)後、未反応抗体を4回洗浄して除去した。
【0092】
更に、各ウェルにファージELISA緩衝液にて40000倍希釈した酵素標識抗ヒトIgG(Fc領域特異的)抗体100μlを添加し、37℃で1時間反応させた(三次反応)後、未反応抗体を4回洗浄して除去した。
【0093】
最終的に、TMB溶液100μlを各ウェルに添加して室温で10分間放置することにより発色反応を行わせ、次に、1N硫酸溶液100μlを添加して発色反応を停止させ、その後、各ウェルの吸光度(OD450-650nm)を測定した。
【0094】
前記(1)で選択した両クローンを用いて得られた上記ELISA反応性(ファージELISA)結果を図4に示す。
【0095】
図4中、上段は、HSV-2c5クローンを用いた結果であり、下段はHSV-2g60.3クローンを用いた結果である。各図において、横軸は各患者または健常者を示し、縦軸はOD値(NET OD)を示す。
【0096】
図4に示す結果から、両ファージクローンは、各患者血清および健常者血清に対して同様の反応性を示すことが明らかである。
【0097】
以下、これらの2つのクローンがHSV-2感染患者特異的抗体に反応することを確認するために行われたHSV-1およびHSV-2の培養抗原を利用した反応阻害試験につき詳述する。
【0098】
(3) 反応阻害試験
前記(2)に示すファージELISAの二次反応液中に、HSV-1またはHSV-2の培養抗原を添加して同様にして各クローンと抗体との反応性を測定した。
【0099】
その結果は、図5に示すとおりである。
【0100】
図5-Aは、HSV-2c5を用いた場合の結果であり、図5-Bは、HSV-2g60.3を用いた場合の結果である。各図中、横軸は反応阻害抗原濃度(ng/mL)を示し、縦軸はB/B0 (%)を示す。また、各図中、(1)は大腸菌培養抗原を添加した場合の結果であり、(2)はHSV-1培養抗原を添加した場合の結果であり、また(3)はHSV-2培養抗原を添加した場合の結果である。
【0101】
図5に示す結果より、両クローンともHSV-2の培養抗原を添加した場合のみに反応性が阻害されることが明らかである。
【0102】
この結果は、HSV-2c5およびHSV-2g60.3が、HSV-2特異的抗原を模倣したペプチドであることを示している。
【0103】
(4) ペプチド配列の決定
ファージクローンHSV-2c5およびHSV-2g60.3がディスプレイしているペプチドを解析するために、両クローンのDNA配列を決定し、ペプチド配列を決定した。
【0104】
その結果、HSV-2c5がディスプレイしているペプチドの配列は、配列番号3に示すものであり、HSV-2g60.3がディスプレイしているペプチドの配列は、配列番号4に示すものであることが確認された。これらのアミノ酸配列を対比すると9アミノ酸中の7アミノ酸が一致していた。両クローンの反応性は、前述したように同等であることより、これら各クローンは、HSV-2の同じ領域を模倣していると考えられた。
【0105】
両クローンの模倣領域を決定する目的で、クローン間で保持されている配列を中心に相同性解析を行った。
【0106】
その結果、gpG2の558-563番の6アミノ酸配列(配列番号5)に相同性が確認された。両クローンのC末端側3アミノ酸は、gpG2の上記6アミノ酸配列の下流に相同性を示さなかったが、この9アミノ酸配列(gpG2の558-566番目、配列番号2に示す配列)が、両クローン間で保持された配列であり、且つ患者抗体との結合に重要な配列であると考えて、これを中心的エピトープと推定した。
【0107】
(5) MAP 形態の本発明ペプチドの製造
配列番号2に示すアミノ酸配列の本発明ペプチド(以下「2gpG58-66」という)および比較のため従来技術に記載されているペプチド(配列番号6に示すアミノ酸配列、以下このペプチドを「2gpG51-70」という)を以下のとおり合成した。
【0108】
即ち、全自動ペプチド合成機(ACT357, アドバンストケムテック社製)を使用し、同社のプログラムに従い、Fmoc/NMP、HOBt法[Fmoc: 9-フルオレニルメトキシカルボニル基、NMP: N-メチルピロリドン、HOBt: 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール]によるペプチドの固相合成を実施した。
【0109】
アミノ酸配列情報に従って、C端アミノ酸に相当するFmoc-アミノ酸-Alko樹脂0.25mmolに、C端より2番目以降の各アミノ酸に相当するFmoc-アミノ酸を順次合成プログラムに従い縮合反応させて鎖伸長を行った。
【0110】
各反応終了後、プログラムに従って、N端Fmoc基の脱保護反応を行った。
【0111】
得られた各ペプチド-樹脂をポリプロピレン製のミニカラム(アシスト社製)に回収し、メタノール洗浄後、真空で乾燥し、以下の操作に付してペプチドを樹脂から切り出し、側鎖の脱保護反応を行った。
【0112】
即ち、各樹脂に試薬K(Reagent K: 82.5%TFA, 5%フェノール, 5%H2O, 5%チオアニソール(thioanisole)および2.5%エタンジチオール(ethane di-thiol))2mlを加え、ミニカラム中で60分間反応させた。
【0113】
次いで、反応液を冷ジエチルエーテル8ml中に滴下して反応を停止させ、ペプチドを沈殿させた。ミニカラムをTFA2mlにて洗浄し、冷ジエチルエーテル5mlを追加し、遠心し、沈殿をジエチルエーテル10mlで4回洗浄後、約5mlの50%アセトニトリルでペプチドを可溶化し、凍結乾燥した。更に可溶化と凍結乾燥操作を2回繰り返して、所望の粗凍結乾燥品を得た。
【0114】
この粗乾燥品をオクタデシルカラム(直径20×250mm、YMC社製)を用いた逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分画して、所望のペプチドを単離した。
【0115】
尚、上記において用いた樹脂およびアミノ酸誘導体は、いずれも渡辺化学工業社製のものである。
【0116】
かくして単離された各ペプチドは、アミノ酸配列分析およびマススペクトロメトリーによる分子量測定により同定した。
【0117】
上記で得られた本発明ペプチドおよび比較ペプチドを利用して、多抗原性ペプチド(MAP)を、Fmoc-MAP-Alko樹脂(渡辺化学工業社製)を用いて合成した。
【0118】
Fmoc-MAP-Alko樹脂(Fmoc8-Lys4-Lys2-Lys-βAla-Alko樹脂)と原料ペプチドとの反応は、上記固相合成法と同様にして実施した。
【0119】
得られたMAPの構造は、以下の通りである。
【0120】
(2gpG58-66)8-Lys4-Lys2-Lys-βAla
(2gpG51-70)8-Lys4-Lys2-Lys-βAla
(6) MAP 抗原 ELISA
96ウェルマイクロタイタープレートの各ウェルにリン酸緩衝液で1μg/mlに調製したMAP溶液100μlを分注し、4℃で一晩反応させて固相化した。
【0121】
得られた固相化プレートは、その各ウェルからMAP溶液を除去した後、300μlの1%BSAを含むリン酸緩衝液中でブロッキングした。
【0122】
各ウェルに、一次反応緩衝液にて101倍希釈した血清検体100μlを添加し、37℃で1時間反応させた(一次反応)後、未反応抗体を4回洗浄して除去した。
【0123】
次いで、各ウェルに二次反応緩衝液にて5000倍希釈した酵素標識抗ヒトIgG(Fc領域特異的)抗体100μlを添加し、37℃で1時間反応させた(二次反応)後、未反応抗体を4回洗浄して除去した。
【0124】
最終的に、TMB溶液100μlを各ウェルに添加して室温で10分間放置することにより発色反応を行わせ、次に、1N硫酸溶液100μlを添加して発色反応を停止させ、その後、各ウェルの吸光度(OD450-650nm)を測定した。
【0125】
ヘルペスIgG-EIAキットを用いた試験により抗HSV抗体陰性と判定された検体41例について、上記MAP抗原ELISAを実施した。
【0126】
得られた結果を図1と同様にして図6に示す。尚、測定結果の平均OD値+0.4をカットオフ(Cut-off)値とする。
【0127】
図6に示される結果より、2gpG58-66(図6-A)および2gpG51-70(図6-B)を利用した両MAP抗原は、いずれもHSV-2感染患者血清に高率に反応性を示すことが判った。
【0128】
しかしながら、図6-Bに示されるとおり、2gpG51-70のMAP抗原は、HSV-2感染患者以外の血清検体6例にも反応性を示した。この反応性を示した6例は、HSV-1感染患者血清において2例(図6-Bに#1, #2として示す)、HSV抗体陽性健常者において3例(図6-Bに#3, #4,#5として示す)およびHSV抗体陰性健常者において1例(図6-Bに#6として示す)であった。
【0129】
図6-Bの#1で示したHSV-1感染患者血清は、2gpG58-66のMAP抗原においても反応性を示した(図6-Aの#1参照)。また、図6-Bの#5で示したHSV抗体陽性健常者血清は、2gpG58-66のMAP抗原(図6-Aの#5参照)および前述したgpG2リコンビナント蛋白質抗原にも反応性を示した。
【0130】
(7) 反応阻害試験
上記6例の反応性を、HSV-2培養抗原を用いた以下の反応阻害試験により確認した。
【0131】
即ち、各希釈血清検体に25μgのHSV-2培養抗原を加えた混合液を37℃で1時間反応させた後、反応液を2gpG51-70のMAP抗原プレートまたは2gpG58-66のMAP抗原プレートに添加し、上記(6)のMAP抗原ELISA法に従い測定を行った。
【0132】
その結果を下記表1に示す。
【0133】
【表1】
Figure 0004726364
【0134】
表1に示す通り、2gpG51-70のMAP抗原と2gpG58-66のMAP抗原に反応性を示したHSV-1感染患者血清#1、および2gpG51-70のMAP抗原と2gpG58-66のMAP抗原とgpG2リコンビナント蛋白質抗原とに反応性を示したHSV抗原陽性健常者血清#5においては、両抗原プレート共に反応性の阻害が確認された。従って、この血清検体#1および#5は、抗HSV-2抗体を有していると考えられる。
【0135】
しかしながら、その他の4検体においては、反応性の阻害はみられなかった。従って、2gpG51-70のMAP抗原で陽性とされたこれらの4検体が示した反応性は、抗HSV-2抗体との反応ではなくて非特異的反応であることが確認された。
【0136】
また、血清中抗HSV抗体が陽性であった各検体における上記ELISAの結果を下記表2に示す。
【0137】
【表2】
Figure 0004726364
【0138】
表2において、「リコンビナント」は、前記gpG2リコンビナント蛋白質抗原を用いた市販キットによる測定結果である。
【0139】
なお、上記(7)の反応阻害試験により抗HSV-2抗体の存在が証明された2例(#1および#5)は、表2の解析では除外している。
【0140】
表2に示す結果より次のことが判る。
【0141】
即ち、比較とする2gpG51-70のMAP抗原における陽性率は、HSV-2感染患者血清で82%(31/38)、重複感染患者血清で67%(2/3)、HSV-1感染患者血清で4%(2/55)、抗HSV抗体陽性健常者血清で4%(2/54)、また、抗HSV抗体陰性健常者血清において2%(1/41)である。
【0142】
一方、本発明にかかる2gpG58-66のMAP抗原における陽性率は、HSV-2感染患者血清で74%(28/38)、重複感染患者血清で33%(1/3)であった。更に、本発明MAP抗原を利用したMAP抗原ELISAでは、HSV-1感染患者血清、抗HSV抗体陽性健常者血清および抗HSV抗体陰性健常者血清においては、1例の陽性例も検出されなかった。
【0143】
以上の結果より、2gpG51-70のMAP抗原は、陽性率は高いものの数%の非特異的反応性を含むものであり、擬陽性反応を全く示さない本発明の2gpG58-66のMAP抗原の優れた有用性が確認された。
【0144】
【実施例2】
(1) HSV-1ペプチド
実施例1において見出されたgpG2の558-563番のアミノ酸配列(配列番号5)情報を基に、これに対応するHSV-1グリコプロティンG(gpG1)の配列およびその近傍配列を選択し、それらのHSV-1ペプチドとしての利用可能性を解析した。
【0145】
解析したgpG1の領域は、その68-85番目の領域(アミノ酸配列を配列番号7に示す、以下「1gpG68-85」という)、およびその下流に位置する92-108番目の領域、113-132番目の領域(以下「1gpG113-132」という)、126-145番目の領域並びに146-165番目の領域の5領域である。
【0146】
上記各領域に相当するペプチドを、実施例1に従いMAPとして合成し、実施例1-(6)と同様にしてMAP抗原ELISAにより、それらの検体に対する反応性を試験した。
【0147】
上記ELISAによる測定の結果、1gpG68-85のMAP抗原および1gpG113-132のMAP抗原は、HSV-1感染患者血清と抗HSV抗体陽性健常者血清に高率に反応性を示した。他の3種のMAP抗原においては、特異的な反応性は確認されなかった。
【0148】
上記で最も優れた反応性を示した1gpG68-85領域の配列をN末端側およびC末端側より1アミノ酸ずつ短くした25種類のペプチドについて、同様にしてMAPを合成し、これらの各MAPを阻害物質として用いて、実施例1-(7)に準じて反応阻害試験を行い、その中心的エピトープを決定した。反応阻害試験は、一次反応緩衝液にて101倍希釈した血清検体と10μg(10μl)の上記各MAPを37℃で1時間反応させた後、1gpG68-85のMAP抗原固相化プレートに添加し、37℃で1時間反応させることにより実施した。
【0149】
抗原抗体複合体の検出は、実施例1-(7)と同様にした。
【0150】
血清検体としては、1gpG68-85のMAP抗原にて反応性を示した32例の健常者血清を用いた。
【0151】
得られた結果を下記表3に示す。表3において上欄は反応阻害物質として用いたMAP抗原のアミノ酸配列(一文字にて表示)を示しており、下欄は血清検体との反応性(B/B0 %)を下記基準により示している。
Figure 0004726364
【0152】
【表3】
Figure 0004726364
【0153】
上記表3に示す結果から次のことが明らかである。
【0154】
即ち、N末端側削除ペプチドのMAPを反応阻害抗原として用いた場合、1gpG68-85のMAP抗原(表3中、阻害剤No. 0)に対する血清検体の反応性は、2番目のヒスチジン(H)を削除することにより32例中3例において、3番目のトレオニン(T)を削除することにより32例中19例において、それぞれ70%(B/B0)以上の回復を示した。従って、N末端側は、2番目のH迄が必要であると判断された。
【0155】
一方、C末端側削除ペプチドのMAPを反応阻害抗原として用いた場合、1gpG68-85のMAP抗原に対する血清検体の反応性は、4番目のグルタミン酸(E)を削除することにより32例中1例において、50%(B/B0)以上の回復を示した。また、5番目のEを削除することにより32例中8例において、反応性が50%(B/B0)以上回復し且つ32例中7例において反応性が70%(B/B0)以上回復した。従って、C末端側は、4番目のE迄が必要であると決定した。
【0156】
以上より、1gpG68-85領域の最短エピトープは、その69-83番目の15アミノ酸(以下「1gpG69-83」という)と決定した。
【0157】
1gpG69-83の反応性を確認するため、1gpG69-83のMAPを前記と同様にして合成し、このMAP抗原を用いて実施例1-(6)と同様にしてMAP抗原ELISAによる測定を行った。
【0158】
得られた結果を、表2に準じて下記表4に示す。
【0159】
【表4】
Figure 0004726364
【0160】
表4に示される結果より、1gpG69-83のMAP抗原は、1gpG68-85のMAP抗原と同等の反応性を示した。その陽性率は、HSV-1感染患者血清で92%(23/25)、重複感染患者血清で100%(3/3)、抗HSV抗体陽性健常者血清で89%(49/55)および抗HSV抗体陰性健常者血清で0%であった。この陽性率は前記gpG1リコンビナント蛋白質抗原を用いた場合のそれよりも優れていた。
【0161】
以上のことより、本発明のHSV-1ペプチドおよびHSV-2ペプチドを用いることによって、抗HSV-1抗体および抗HSV-2抗体の特異的な検出系が確立され、これらは臨床上有用であると考えられる。
【0162】
【発明の効果】
本発明によれば、HSV-1感染患者およびHSV-2感染患者にそれぞれ特有の抗体を特異的に認識するペプチドが提供される。これらのペプチドはHSV感染の診断試薬として、特にHSV-1感染およびHSV-2感染を区別して診断できる試薬として有用である。これらのペプチドおよび診断試薬を利用すれば、HSV-1感染およびHSV-2感染の有無を、それぞれ区別して精度よく診断することができる。
【0163】
【配列表】
Figure 0004726364
Figure 0004726364
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【図面の簡単な説明】
【図1】検体中の抗HSV抗体(IgG)を、HSV培養抗原を用いるヘルペスIgG-EIAキットにより測定した結果を示す図である。
【図2】検体中の抗HSV-1抗体(IgG)を、gpG1リコンビナント蛋白質抗原を用いてELISA法により測定した結果を示す図である。
【図3】検体中の抗HSV-2抗体(IgG)を、gpG2リコンビナント蛋白質抗原を用いてELISA法により測定した結果を示す図である。
【図4】実施例1の(1)で選択したファージクローンHSV-2c5およびHSV-2g60.3のそれぞれと検体中の抗HSV抗体との反応性をELISA法により測定した結果を示す図である。
【図5】実施例1の(3)に従い、HSV-1の培養抗原またはHSV-2の培養抗原を用いた反応阻害試験の結果を示す図である。
【図6】実施例1の(6)に従うMAP抗原ELISAによる測定結果を示す図である。

Claims (7)

  1. 配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチド、または該アミノ酸配列において1〜3個のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加により改変されたアミノ酸配列からなるペプチドであって1型単純ヘルペスウイルス抗体と特異反応性を有するペプチド。
  2. 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるペプチド、または該アミノ酸配列において1個のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加により改変されたアミノ酸配列からなるペプチドであって2型単純ヘルペスウイルス抗体と特異反応性を有するペプチド。
  3. 請求項1に記載のペプチドを有効成分とする単純ヘルペスウイルス感染の診断用試薬組成物。
  4. 請求項2に記載のペプチドを有効成分とする単純ヘルペスウイルス感染の診断用試薬組成物。
  5. ペプチドが多抗原性ペプチド形態である請求項3または4に記載の診断用試薬組成物。
  6. 請求項3に記載の試薬組成物と請求項4に記載の試薬組成物とを含む、1型単純ヘルペスウイルス感染と2型単純ヘルペスウイルス感染とを区別して診断するための診断用試薬組成物。
  7. 検体における1型単純ヘルペスウイルス感染と2型単純ヘルペスウイルス感染とを区別して診断するための方法であって、請求項1に記載のペプチドと請求項2に記載のペプチドとを検体に接触させて該検体中の1型単純ヘルペスウイルス抗体と2型単純ヘルペスウイルス抗体の有無を検出する工程を含む方法。
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