JP4726039B2 - バルブ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブ構造の改良に関する。
従来、この種バルブ構造にあっては、緩衝器のピストン部等に具現化され、ピストン部に設けたポートの出口端に各ポートに連通する窓と言われる凹部を形成し、この凹部の外周側に形成の弁座に積層リーフバルブを離着座させてポートを開閉するものが知られている。
そして、具体的には、このバルブ構造にあっては、図8に示すように、弁座に離着座する第1のリーフバルブ51と、この第1のリーフバルブ51に積層される第1のリーフバルブ51と略同径の第2のリーフバルブ52との間にリング53と、リング53の位置決めに使用されるリング53より薄肉の環状部材54を介装し、さらに、第2のリーフバルブ52に積層される第3のリーフバルブ55との間に極小径のスペーサ56を介装させ、第2のリーフバルブ52のみに初期撓みを与えてリング53で第1のリーフバルブ51を弁座57の真上から附勢するようにしたものがある(たとえば、特許文献1参照)。
この図8に示したバルブ構造にあっては、第2のリーフバルブ52があらかじめ撓んでいる分、第1のリーフバルブ51が弁座から離座するクラッキング圧(開弁圧)を高く設定するとともに第1のリーフバルブ51の撓み量を小さくすることができ、特に緩衝器のピストン速度が中高速となる領域では、図4中線Bに示すように、高い減衰力を発生することができる。
しかし、その反面、図8に示したバルブ構造では、ピストン速度が低速となる領域にあっては、微視的には、第2リーフバルブ52から荷重を受けた状態で第1のリーフバルブ51がリング53の内周側端部近傍を支点として撓んで開弁するので発生減衰力が高くなり、この低速領域での車両における乗り心地が悪化してしまう弊害がある。
そこで、図9に示した他のバルブ構造では、上記不具合を改善するために、上記したバルブ構造に改変を加えてあり、この他のバルブ構造にあっては、スペーサ56を介装させる位置を第1のリーフバルブ51と第2のリーフバルブ52との間にしたものがある。
この他のバルブ構造では、図4中線Cに示すように、ピストン速度が低速領域にある時には、スペーサ56で初期撓みが与えられた第2のリーフバルブ52が第1のリーフバルブ51に荷重を与える事がないようになっており、上記低速領域においては第1のリーフバルブ51のみが撓むことにより低い減衰力を発生でき、他方、ピストン速度が中高速となる時には、第1のリーフバルブ51が大きく撓んで第2のリーフバルブ52に当接するようにしてあることから、中高速域においては、図8に示したバルブ構造と同様に高い減衰力を発生できるようにしてある(たとえば、特許文献2参照)。
さらに、また別のバルブ構造にあっては、図10に示すように、第1のリーフバルブ51に積層される第1のリーフバルブ51と同径の第2のリーフバルブ60には、複数の切欠部61,62,63が形成され、上記第2のリーフバルブ60と第2のリーフバルブ60に積層される第3のリーフバルブ64との間に、図8のバルブ構造と同様のリング53と環状部材54とが介装されているものもある。
この図10のバルブ構造にあっては、図4中線Dに示すように、低速領域において、第1のリーフバルブ51の切欠部61,62,63に対向する部位が、切欠部61,62,63の径方向長さが長い順に離座するようになっており、リニアな特性の減衰力を発生できるが、第1のリーフバルブ51の撓み箇所が凹状の切欠部61,62,63の縁部で囲まれており撓み辛らく、低速領域の減衰力は高めとなってしまうことになる。
なお、中高速領域においては、第2のリーフバルブ60を介して第1のリーフバルブ51が荷重を与えられているので、高い減衰力を発生することができるようになっている(たとえば、特許文献3参照)。
実開平4−97133号公報(2頁,図1) 特開2004−324817号公報(段落番号0031〜0033,図3(A)) 特開2002−181110号公報(段落番号0029〜0032,図2〜図4)
ところで、緩衝器を含むサスペンション装置は、車両の操縦安定性、乗り心地に影響する重要な装置であり、特に、中でも緩衝器の発生減衰力は、車両における乗り心地を大きく左右することが知られている。
そして、年々車両における乗り心地への要求が高まっており、特には、緩衝器の伸縮速度、すなわち、ピストン速度が低速領域における乗り心地の向上が望まれ、これを実現するため、上記した図9に示したバルブ構造にあっても低速領域においては、なるべく低い減衰力を発生させるようにしている。
したがって、従来バルブ構造のように低速領域において低い減衰力を発生すれば、車両における乗り心地は向上するのではあるが、車両が旋回する状況においては、この低い減衰力が災いして、車体が旋回方向とは反対に傾くロールと呼ばれる現象が発生しやすくなり、運転者はこのロールによって不安感を抱き易くなり、車両の操作感という観点からは、低速領域にあってもある程度高い減衰力を発生させる方がよい場合がある。
逆に、上記操作感を優先させると、図8および図10のバルブ構造のように、今度は、減衰力が高くなるので、路面の凹凸等による振動が車両の車体等のバネ上部材に伝達されやすくなり、これにより、バネ上部材が小刻みに振動することとなり、特に、緩衝器の圧縮側の減衰力が高い場合には、運転者や搭乗者にゴツゴツ感(ハーシュネス)、伸長側の減衰力が高い場合には、ヒョコヒョコ感(ビジー感)といった不快感を感じさせることになり、車両における乗り心地を悪化させてしまうことになる。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ピストン速度が低速領域にあっても車両における乗り心地と操作感とを両立させることが可能な緩衝器のバルブ構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明におけるバルブ構造は、ポートが形成される円板状のバルブボディに積層されポートの出口端に形成の弁座に離着座しポートを開閉するリーフバルブとリーフバルブに積層される副リーフバルブとを備えた緩衝器のバルブ構造において、リーフバルブと副リーフバルブとの間に介装されてリーフバルブの弁座に対向する面の背面に当接して外形がリーフバルブと異形状となる幅狭の環帯状体を備え、当該環帯状体で副リーフバルブに初期撓みを与えてリーフバルブをバルブボディ側へ向けて附勢するとともに、当該環帯状体で副リーフバルブの初期撓みによる附勢力が弁座の真上から作用しない部位をリーフバルブに一つ以上設けたことを特徴とするバルブ構造。
本発明のバルブ構造によれば、該バルブ構造が発生する減衰力は、上記リーフバルブの切欠部に対向する部位には副リーフバルブの荷重が弁座の真上から作用せず、また、上記リーフバルブの切欠部に対向する部位は、切欠部の縁を支点として捲られるように撓むことから、凹状の切欠部の縁部で囲まれた部位が撓み辛らくなるといったことがないので、従来バルブ構造のように高い減衰力とならず、また、従来バルブ構造ように一枚のリーフバルブが内周側から撓むのではなく、リーフバルブは、環帯状体で背面が支持され切欠部の縁を支点として撓む結果となるから撓み剛性が高くなり従来バルブ構造程低い減衰力とならず、その中間領域の減衰力を発生させることができるのである。
さらに、この中間領域の減衰力を発生させることができることから、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が高くなりすぎずに、車両の運転者等にハーシュネスやビジー感といった不快感を感じさせずにすむことになり、また、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が低くなりすぎないので、車両旋回時にロールが大きくなってしまい搭乗者に不安感を抱かせるといった操作感を悪化させるようなことがなくなる。
したがって、このバルブ構造にあっては、従来バルブ構造では達成できなかったピストン速度が低速領域にあるときの車両における乗り心地と操作感の向上の両立が可能となるのである。
以下、本発明のバルブ構造を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。図2は、一実施の形態のバルブ構造が具現化したピストンの一部拡大平面図である。図3は、一実施の形態のバルブ構造における環帯状体および副リーフバルブの平面図である。図4は、一実施の形態におけるバルブ構造の減衰力特性を示す図である。図5は、一実施の形態の変形例におけるバルブ構造が具現化されたピストン部の縦断面図である。図6は、他の実施の形態のバルブ構造における環帯状体および副リーフバルブの平面図である。図7は、他実施の形態の変形例のバルブ構造における環帯状体および副リーフバルブの平面図である。
本発明のバルブ構造は、図1に示すように、緩衝器のピストン部に具現化されており、複数のポート1と、複数のポート1の出口端に連通される環状窓2の外周側に突設された環状の弁座3を備えたバルブボディたる円板状のピストン4と、上記ポート1の下流端を開閉するリーフバルブ10と、リーフバルブ10の弁座3に対向する面の背面を支持する環帯状体12と、副リーフバルブ11と、副リーフバルブ11に積層される積層リーフバルブ14とを備えて構成されている。
他方、このバルブ構造が具現化される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ30と、シリンダ30の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド31と、ピストンロッド31の端部に設けたピストン4と、シリンダ30内にピストン4で区画した上室R1と下室R2と、シリンダ30の下端を封止する封止部材(図示せず)とを備えて構成されている。
ピストン4は、図1および図2に示すように、環状のディスク部5と、ディスク部5の外周側から延設されシリンダ30の内周に摺接する摺接部6とを備え、ディスク部5は、上室R1と下室R2とを連通し同一円周上に配置されて設けられる複数の伸側ポートとなるポート1と、ポート1と同一円周に互い違いに形成される複数の圧側のポート7と、ディスク部5の図中下端に形成され各ポート1の出口端に連通される環状窓2と、環状窓2の外周側に突設されるリーフバルブ10が着座する環状の弁座3とを備えている。
そして、弁座3は、図2に示すところでは、上述のように環状に形成されているが、圧側ポートと伸側のポートが同一円周内に互い違いに配置されるようなバルブディスクにあっては、各ポートの1つづつを取り囲むような弁座としてもよい。
また、リーフバルブ10は、環状であって板状、すなわち、環板状の弁体として形成され、ピストンロッド31に内周側が固定され、自由端となる外周側を弁座3に当接させてピストン4の図中下方に積層されている。
このリーフバルブ10の図中下方には、環板状の副リーフバルブ11がやはり内周側がピストンロッド31に固定されて積層され、さらに、副リーフバルブ11の図中下方には複数枚のリーフバルブを重ねて構成した環状板部材たる積層リーフバルブ14が積層されている。
また、上記したリーフバルブ10と副リーフバルブ11との間には、リーフバルブ10の背面に当接し外形がリーフバルブ10と異形状となる幅狭の環帯状体12が介装されており、この環帯状体12は、副リーフバルブ11に接着等されて副リーフバルブ11に一体的に保持されている。
したがって、環帯状体12がリーフバルブ10および副リーフバルブ11に対して位置ずれを生じることはなく、また、上記環帯状体12の存在により、副リーフバルブ11は、リーフバルブ10に対し若干の隙間を介して対向していることになり、副リーフバルブ11は、これにより初期撓みが与えられている。
そして、この環帯状体12は、詳しくは、図3に示すように、円環状の本体12aと、本体12aの外周端部の相対向する2箇所に設けた切欠部12bとを備えて構成され、全体として環帯状体12の形状は丁度円環の外周端の2箇所をまっすぐ切り落としたような形状となっており、切欠部12bは、直線的な縁を備えている。
さらに、積層リーフバルブ14は、図示したところでは、4つのリーフバルブからなり、副リーフバルブ11に当接するリーフバルブ15は、副リーフバルブ11より小径に設定されるとともに、リーフバルブ15の下方に積層される2つのリーフバルブ16,16は、リーフバルブ15より小径に設定され、さらに、リーフバルブ16より小径なリーフバルブ17が上記リーフバルブ16の下方に積層されている。
そして、上記積層リーフバルブ14もまた、ピストンロッド31に内周側が固定され、その外周端は自由端とされ、副リーフバルブ11同様、環帯状体12により初期撓みが与えられているので、副リーフバルブ11および積層リーフバルブ14全体が上記環帯状体12を介してリーフバルブ10に附勢力を作用させている
したがって、リーフバルブ10には、ピストン4方向に初期荷重が作用していることとなるが、図3に示すように、環帯状体12には切欠部12bが形成されているので、リーフバルブ10の切欠部12bに対向する部位には、上記初期荷重が弁座3の真上から作用することはない。
なお、上記附勢力に応じて各リーフバルブ15,16,17の径や材質、厚さを変更することができる。
また、積層リーフバルブ14の構成としては、上記のものに限られず、当接部材としての小径リーフバルブ11に所定の附勢力を作用させるような構成であればよく、積層リーフバルブ14以外にも、たとえば、コイルスプリングでリーフバルブ10に附勢力を作用させてもよい。
また、ピストン4の図1中上方には、上記したリーフバルブ10、環帯状体12、副リーフバルブ11および積層リーフバルブ14を上下逆に配置して積層させてあり、このピストン4の上方に配置されるリーフバルブ10は、圧側のポート7の出口端を連通する環状窓8の外周側に突設した弁座9に当接させてある。
そして、ピストンロッド31の縮径部32には、図1中上から順にバルブストッパ35、間座36、積層リーフバルブ14、副リーフバルブ11、環帯状体12、リーフバルブ10、ピストン4、リーフバルブ10、環帯状体12、副リーフバルブ11、積層リーフバルブ14、間座36およびバルブストッパ35が装着され、ピストンロッド31の図中下端となる先端に設けた螺子部33に螺着されるピストンナット37で上記各部材がピストンロッド31に固定されている。
以上のようにバルブ構造は構成され、以下その作用効果について説明する。
緩衝器が伸長する時、作動油は、上室R1から下室R2へポート1を通過して移動するが、ピストン速度が低速領域にある時、リーフバルブ10が弁座3から離座するクラッキング圧に達すると、副リーフバルブ11および積層リーフバルブ14の初期撓みに相当する荷重が小径リーフバルブ11を介して作用しているので、リーフバルブ10は、環帯状体12で何等支持されていない部位、つまり、切欠部12bに対向する部位のみが撓んで弁座3から離座する。
すなわち、図1仮想線で示すように、リーフバルブ10は、環帯状体12の切欠部12bの縁を支点として撓む結果となり、切欠部12bに対向する部位のみが弁座3から離座することとなる。
すると、作動油は、リーフバルブ10の切欠部12bに対向する部位と弁座3との間に形成される僅かな隙間を通過して、上室R1から下室R2に移動することになる。
このとき、該バルブ構造が発生する減衰力の特性は、オリフィス特性のように二乗特性ではなく、ピストン速度に比例するリニアな特性となる。
そして、該バルブ構造が発生する減衰力は、上記リーフバルブ10の切欠部12bに対向する部位には副リーフバルブ11および積層リーフバルブ14の荷重が弁座3の真上から作用せず、また、上記リーフバルブ10の切欠部12bに対向する部位は、切欠部12bの直線的な縁を支点として捲られるように撓むことから、凹状の切欠部の縁部で囲まれた部位が撓み辛らくなるといったことがないので、図8や図10の従来バルブ構造のように高い減衰力とならず、また、図9のバルブ構造ように一枚のリーフバルブが内周側から撓むのではなく、リーフバルブ10は、環帯状体12で背面が支持され切欠部12bの縁を支点として撓む結果となるから撓み剛性が高くなり図9のバルブ構造程低い減衰力とならず、図4中線Aに示すように、中間領域の減衰力を発生させることができるのである。
さらに、この中間領域の減衰力を発生させることができることから、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が高くなりすぎずに、車両の運転者等にビジー感といった不快感を感じさせずにすむことになり、また、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が低くなりすぎないので、車両旋回時にロールが大きくなってしまい搭乗者に不安感を抱かせるといった操作感を悪化させるようなことがなくなる。
したがって、このバルブ構造にあっては、従来バルブ構造では達成できなかったピストン速度が低速領域にあるときの車両における乗り心地と操作感の向上の両立が可能となるのである。
なお、上記したところでは、環帯状体12に2つの切欠部12bを設けているが、発生すべき減衰力に応じて切欠部を1つのみとしてもよく、また、複数箇所に設けた切欠部を設けてもよい。
この場合、切欠部を多く設けると減衰力を低めに誘導し、他方、切欠部を少なく設けると減衰力を高めに誘導することができる。
そして、また、切欠部の面積を大きくすればするほど減衰力を低めに誘導し、他方、切欠部の面積を小さくすればするほど減衰力を高めに誘導することができる。
したがって、環帯状体12の形状を異ならしめることによって、容易に減衰力特性および発生減衰力を調整することが可能であり、切欠部の数および面積の無数な組み合せによって、減衰力を微細に制御することも可能である。
さらに、環帯状体とピストンロッドとの間に充分な間隔がある場合であって窓が環状に形成される場合には、環帯状体が周方向へ回転する位置ずれの考慮が必要なくセンタリングのみを実現すればよいから、環帯状体とピストンロッドとの隙間に符合する板を挿入し、かつ、ピストンロッド側に固定しておくことにより、環帯状体の位置ずれを防止するとしてもよい。
そして、ピストン速度が中高速領域となると、リーフバルブ10が副リーフバルブ11および積層リーフバルブ14と一緒に撓んで弁座3から完全に離座してリーフバルブ10がポート1を全開することになる。
したがって、ピストン速度が中高速領域となる場合には、従来バルブ構造と同様に、高い減衰力が発生されることになり、ピストン速度が中高速領域となるときにおける車両の乗り心地を向上することができる。
なお、リーフバルブ10が完全に離座するピストン速度については、副リーフバルブ11および積層リーフバルブ14がリーフバルブ10を附勢している附勢力によって調整可能であって、バルブ構造にて発生される減衰力が最適となるように任意に決定されればよい。
さらに、上述したところでは、リーフバルブ10は内周側が固定され、外周側が自由端とされる、いわゆる外開きのバルブとして構成されているが、外周側を固定して内周端を自由端とする、いわゆる内開きのバルブとして構成されてもよい。
この場合には、図5に示す一実施の形態の変形例におけるバルブ構造のように、リーフバルブ20は無論のこととして、副リーフバルブ21および積層リーフバルブ24もまた外周側を固定し内周側を自由端とし、リーフバルブ20と副リーフバルブ21と間に内周側に切欠部22aを備えた環帯状体22を介装し、バルブボディ27に形成のポート26の出口端に設けた弁座25に着座させればよい。
なお、この場合には、ピストン速度が低速領域にあっては、リーフバルブ20の内周端が、環帯状体22の内周側に形成した切欠部22aを支点として撓むこととなるが、この場合にも、上記した一実施の形態と同様に、中間領域の減衰力を発生させることができ、従来バルブ構造では達成できなかったピストン速度が低速領域にあるときの車両における乗り心地と操作感の向上の両立が可能となるのである。
他方、緩衝器が収縮する時にあっては、圧側のポート7の出口端にも、リーフバルブ10、環帯状体12、副リーフバルブ11および積層リーフバルブ14が設けてあるので、作動油の移動が下室R2から上室R1となるだけで、やはり、この場合にも、ピストン速度が低速領域にある場合には、中間領域となる減衰力を発生させることができる。
したがって、この場合にも、この中間領域の減衰力を発生させることができることから、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が高くなりすぎずに、車両の運転者等にハーシュネスといった不快感を感じさせずにすむことになり、また、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が低くなりすぎないので、車両旋回時にロールが大きくなってしまい搭乗者に不安感を抱かせるといった操作感を悪化させるようなことがなくなる。
つまり、このバルブ構造にあっては、伸圧両側どちらでも、で従来では達成できなかったピストン速度が低速領域にあるときの車両における乗り心地と操作感の向上の両立が可能となるのである。
また、伸圧両側で最適となる減衰力を発生できることから、車両旋回時には、適度にロールを抑制することができ、車両の運転者は、不安を感じることなく、また、内輪側の車輪の接地性が向上されるので、この点でも操作感が向上されるのである。
つづいて、他の実施の形態におけるバルブ構造について説明する。なお、上記一実施の形態におけるバルブ構造と同様の部材については、同様の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略する。
したがって、この他の実施の形態におけるバルブ構造が上記した一実施の形態のバルブ構造と異なる部分についてのみ説明する。
この他の実施の形態におけるバルブ構造が、一実施の形態におけるバルブ構造と異なる点は、環帯状体28の形状である。
図6に示すように、この他の実施の形態のバルブ構造における環帯状体28の形状は、三角形状とされている。
したがって、この他の実施の形態におけるバルブ構造にあっては、ピストン速度が低速領域にある場合、リーフバルブ10の環帯状体28に対向しない部位が環帯状体28の各辺を支点として撓むことになる。
そして、この場合も、他の実施の形態におけるバルブ構造が発生する減衰力は、上記リーフバルブ10の環帯状体28に対向しない部位には副リーフバルブ11および積層リーフバルブ14の荷重が弁座3の真上から作用せず、また、上記リーフバルブ10の環帯状体28に対向しない部位は、環帯状体28の直線的な各辺を支点として捲られるように撓むことから、凹状の切欠部の縁部で囲まれた部位が撓み辛らくなるといったことがないので、図8や図10の従来バルブ構造のように高い減衰力とならず、また、図9のバルブ構造ように一枚のリーフバルブが内周側から撓むのではなく、リーフバルブ10は、環帯状体28で背面が支持され環帯状体28の各辺を支点として撓む結果となるから撓み剛性が高くなり図9のバルブ構造程低い減衰力とならず、図4中線Aに示すように、中間領域の減衰力を発生させることができるのである。
さらに、この中間領域の減衰力を発生させることができることから、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が高くなりすぎずに、車両の運転者等にハーシュネスやビジー感といった不快感を感じさせずにすむことになり、また、ピストン速度が低速時にあっても減衰力が低くなりすぎないので、車両旋回時にロールが大きくなってしまい搭乗者に不安感を抱かせるといった操作感を悪化させるようなことがなくなる。
したがって、このバルブ構造にあっては、従来バルブ構造では達成できなかったピストン速度が低速領域にあるときの車両における乗り心地と操作感の向上の両立が可能となるのである。
そして、この他の実施の形態におけるバルブ構造の場合には、環帯状体の形状を3辺以上有する多角形にすることにより、減衰力および減衰力の特性を調整することができる。
なお、環帯状体28とピストンロッド31との間に充分な間隔がある場合には、環帯状体とピストンロッドとの隙間に符合する板を挿入し、かつ、ピストンロッド側に固定しておくことにより、環帯状体の位置ずれを防止するとしてもよく、この場合には、窓が環状か否かに関らず、環帯状体が多角形上であるので周方向へ回転する位置ずれの考慮が必要なくセンタリングのみを実現すれば足りる。
さらに、図7に示した他の実施の形態の変形例におけるバルブ構造のように、上記環帯状体28の頂部のリーフバルブ10に対向する面に凸部29を設ける場合には、リーフバルブ10に作用させる初期荷重を部分的に増加させることができ、この場合には、リーフバルブ10の各部の撓み度合いに変化を持たせることができるので、より細かな発生減衰力の調整が可能となる。
なお、上記凸部29は、具体的には、厚みを持った板を環帯状体28に接着等して形成することができるが、上記以外の方法によって形成されてもよい。
またさらに、上記した各実施の形態では、本発明のバルブ構造が緩衝器のピストン部に具現化された場合について説明したが、ベースバルブ部に具現化されても良いことは無論である。
そしてさらに、環帯状体を副リーフバルブ11に保持させるのではなく、リーフバルブ10側に保持させてもよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態におけるバルブ構造が具現化された緩衝器のピストン部の縦断面図である。 一実施の形態のバルブ構造が具現化したピストンの一部拡大平面図である。 一実施の形態のバルブ構造における環帯状体および副リーフバルブの平面図である。 一実施の形態におけるバルブ構造の減衰力特性を示す図である。 一実施の形態の変形例におけるバルブ構造が具現化されたピストン部の縦断面図である。 他の実施の形態のバルブ構造における環帯状体および副リーフバルブの平面図である。 他実施の形態の変形例のバルブ構造における環帯状体および副リーフバルブの平面図である。 従来のバルブ構造を示す図である。 従来の他のバルブ構造を示す図である。 従来の別のバルブ構造を示す図である。
符号の説明
1,7,26 ポート
2,8,25 環状窓
3,9 弁座
4 バルブボディたるピストン
5 ディスク部
6 摺接部
10,20 リーフバルブ
11,21 副リーフバルブ
12,22,28 環帯状体
12a 本体
12b,22a 切欠部
14,24 積層リーフバルブ
15,16,17 リーフバルブ
27 バルブボディ
29 凸部
30 シリンダ
31 ピストンロッド
32 縮径部
33 螺子部
35 バルブストッパ
36 間座
37 ピストンナット
R1 上室
R2 下室

Claims (6)

  1. ポートが形成される円板状のバルブボディに積層されポートの出口端に形成の弁座に離着座しポートを開閉するリーフバルブとリーフバルブに積層される副リーフバルブとを備えた緩衝器のバルブ構造において、リーフバルブと副リーフバルブとの間に介装されてリーフバルブの弁座に対向する面の背面に当接して外形がリーフバルブと異形状となる幅狭の環帯状体を備え、当該環帯状体で副リーフバルブに初期撓みを与えてリーフバルブをバルブボディ側へ向けて附勢するとともに、当該環帯状体で副リーフバルブの初期撓みによる附勢力が弁座の真上から作用しない部位をリーフバルブに一つ以上設けたことを特徴とするバルブ構造。
  2. 環帯状体は、外径がリーフバルブの外径と同径に設定されるとともに内径がリーフバルブの内径より大径に設定される円環状の本体と、本体の外周端部の一部あるいは複数箇所に設けた切欠部を備え、リーフバルブの切欠部に対向する部位には副リーフバルブの初期撓みによる附勢力を弁座の真上から作用させないことを特徴とする請求項1に記載のバルブ構造。
  3. 環帯状体は、内径がリーフバルブの内径と同径に設定されるとともに外径がリーフバルブの外径より小径に設定される円環状の本体と、本体の内周端部の一部あるいは複数箇所に設けた切欠部を備え、リーフバルブの切欠部に対向する部位には副リーフバルブの初期撓みによる附勢力を弁座の真上から作用させないことを特徴とする請求項1に記載のバルブ構造。
  4. 環帯状体は、多角形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載のバルブ構造。
  5. 環帯状体は、少なくとも1つ以上の頂部のリーフバルブに対向する面に凸部を備えていることを特徴とする請求項4に記載のバルブ構造。
  6. 環帯状体は、リーフバルブもしくは副リーフバルブに一体的に保持されることを特徴とする請求項1から5に記載のバルブ構造。
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