JP4722400B2 - ガイドレールの支持装置、ガイドレール装置、駆動装置および測定機 - Google Patents
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Description
図8に、測定機の一例として三次元測定機1を示す。
三次元測定機1は、被測定物Wに当接して被測定物表面を検出する測定子2と、被測定物Wが載置されるテーブル面31を有する定盤3と、定盤3に立設されて測定子2を三次元的に移動させる駆動機構(駆動装置)4と、駆動機構4の駆動量を検出する駆動センサ(不図示)と、を備えて構成されている。
ビーム支持体42は、その下端がガイドレール41に跨乗しており、移動方向がガイドレール41により真直に案内される。
なお、駆動機構4は、ビーム支持体42、コラム44およびスピンドル45を移動させるための駆動手段として例えばモータ等を有し、この駆動手段は図示しない駆動制御部によって駆動制御される。
例えば、Ym軸センサは、Ym軸方向に測長方向を有しガイドレール41に設けられたスケール部材と、ビーム支持体42の下端に設けられスケール部材に対する変位量を検出する検出部と、を備える。
このとき、ビーム支持体42は、ガイドレール41によって真直に案内されるので、駆動は円滑であり速度も速い。また、ガイドレール41によってスケール部材の真直性が保たれるので、Ym軸センサによってビーム支持体42の駆動量が正確に検出される。そして、Ym軸センサによる検出値は、コラム44およびスピンドル45の駆動量とともに解析され、被測定物Wの形状が正確に測定される。
例えば、テーブル面31に被測定物Wを載置した場合、図9(A)に示されるように、被測定物Wの荷重によって定盤3の中央部が凹んで湾曲するおそれがある。すると、ガイドレール41も同様に湾曲されてしまう。
あるいは、定盤3の一辺と他辺とが異なる温度であった場合には、この温度差によって一辺と他辺とで変形量(線膨張量)に差が生じる。すると、例えば図9(B)に示されるように、両辺における変形量の差によって定盤3に歪みが生じ、その結果、定盤3の一辺と他辺とに設けられたガイドレール41が湾曲される。
また、ガイドレール41の湾曲によって、二つのビーム支持体42の間の距離が変化され、それに伴ってビーム43が変形されるとともに、コラム44の位置も変化される。その結果、測定子2の位置に誤差が生じるので、測定精度が劣化されるという問題がある。さらに、ガイドレール41の湾曲により、駆動機構4に有害な負荷が増大され、駆動機構4の駆動性能が劣化される。例えば、ガイドレール41の湾曲によって、ガイドレール41とビーム支持体42との間の摺動抵抗が変化するので、駆動手段の負荷が変動する。その結果、制御特性が変化し、不要な有害振動が増大する。また、駆動機構4に有害な負荷が増大すると、摺動部位が激しく磨耗される。すると、製品寿命の劣化や保守費用の増大などの経済的損失が生じる。
また、ガイドレール41の湾曲とともにスケール部材も湾曲されることとなるので、駆動センサの検出精度が悪化するという問題が生じる。測定子座標の検出精度が悪化すると、測定誤差に繋がることはもちろん、測定子2の位置決め誤差も生じることとなる。
ガイドレール41の変形によって生じるこれらの問題により、駆動機構4の駆動性能(軌道精度、駆動速度、位置決め精度)を向上させることには困難があり、また、駆動センサの検出精度を向上させることに困難があった。
前記支承手段は、前記ガイドレールに当接して前記ガイドレールを支承する支承板と、
前記ベース体に固定された固定板と、前記固定板に対して前記支承板を揺動可能に繋ぐ支承継手手段と、を備え、
前記接合手段は、前記ベース体に固定された固定部と、前記ガイドレールに接合される接合部と、前記固定部と前記接合部との間に設けられ前記固定部に対して前記接合部を前記ガイドレールの長手方向へ移動不可かつ前記ガイドレールの長手方向に直交する面内で揺動可能に連結する接合継手手段と、を備えることを特徴とする。
例えば、周囲環境の温度変化や作業者から発せられる熱によって基台およびガイドレールに熱変形が生じることがある。この場合、両者の線膨張係数が異なるので、基台とガイドレールとで異なる伸縮を生じることがある。また、基台に載置される物体の重量によって基台が変形されたり、ガイドレール上をスライド移動する可動部材によってガイドレールが変形されたりすることがある。しかし、このように基台やガイドレールが変形される場合でも、支承手段によって一方の変形が他方に伝達されず、例えば、基台に変形が生じる場合でも基台の変形がガイドレールに伝達されないのでガイドレールの形状が維持される。ガイドレールがもともと真直に形成されている場合には、ガイドレールの真直性が維持され、可動部材の案内方向が真直に維持される。
ここで、変形が生じる側としては、基台およびガイドレールの一方のみである場合はもちろん、変形が基台およびガイドレールの両方に生じる場合であってもよい。変形が基台およびガイドレールの両方に生じた場合であっても、相互の変形がそれぞれ支承手段で許容されて、基台およびガイドレールのそれぞれは相手方から影響を受けずにそれぞれの形状を維持することができる。
基台に形状の変化等が生じた場合にはベース体の姿勢も変化されるが、支承手段による揺動によってベース体の変化は相殺されるので、ガイドレールは当初の状態で維持される。
すると、ガイドレールによって案内される可動部材は、正規の軌道に沿って案内され、また、可動部材の制御特性が劣化されることもないので、不要な有害振動が発生することもない。ガイドレールにスケール部材が設けられる場合でもスケール部材の形状が維持されるので、スケール部材による検出精度が向上され、ひいては可動部材の位置決め精度も向上される。
また、ガイドレールは、真直に形成されていてもよく、当初から湾曲した形状に形成されていてもよい。本発明によれば、ガイドレールのもともとの形状に関わらず、基台の変形などによる作用を受けずにガイドレールの形状が保たれる。例えば、ガイドレールがもともと真直に形成されていれば、ガイドレールの真直性が保たれる。
基台としては、例えば、測定機や加工機械の定盤などが例として挙げられるが、ガイドレールが付設される基台であればよい。
このように、支承継手手段によって支承板がスライド移動可能であれば、ベース体の移動を支承板の変位によって相殺できるので、ガイドレールに無理な力を作用させることがない。従って、ガイドレールの当初の形状を保った状態でガイドレールを支持することができる。
また、支承継手手段の揺動軸が円柱体であるので、応力に対する耐久性に優れ、例えば、支承手段でガイドレールの荷重を十分に支えることができ、支承している間に無駄に揺れ動くことがない。
このような構成によれば、固定板に対して第2連結板が回動可能となる。すなわち、支承板が固定板に対して回動可能となる。すると、ベース体に回転系の変形(あるいは変位)が加えられた場合でも、支承板の回動によってベース体の変形(あるいは変位)が相殺されて、無理な力が作用しない状態でガイドレールが支承される。
このような構成によれば、ボール体によって支承板が揺動支持される。さらに、固定板のV溝に沿ってボール体がスライド移動可能であり、また、支承板のV溝に沿って支承板がスライド移動可能である。よって、支承板は全方位的に揺動可能に支持され、また、スライド移動可能である。従って、ベース体に生じる総ての変化が相殺され、ガイドレールに無理な力が作用しない状態でガイドレールは支持される。
支承板はボール体によって揺動支持されるので揺動時の抵抗が小さく、ガイドレールに無理な力がほとんど作用しない状態でガイドレールは支承される。
例えば、基台が線膨張などによって伸縮する場合には、基台に係着された支持装置の間隔などが変化する。このとき、ガイドレールは前部支持装置にのみ固定されているので、他の支持装置とは互いの相対位置をある程度変えられる。従って、基台とガイドレールとの間で線膨張量などが異なる場合でも、ガイドレールは基台の線膨張量に影響されずに独立に伸縮できる。その結果、ガイドレールに余計な力が作用せず、ガイドレールの形状が維持された状態で支持される。
さらに、前記予圧力調整手段としては、前記接合部を貫通して一端が前記揺動連結板に当接し他端が前記接合部の側面から突き出した状態に設けられた調整ねじを有する構成が例として挙げられる。
このような構成において、予圧力調整手段により接合継手手段を固定することができる。つまり、ガイドレールのアラインメント調整をしたあと、接合部の揺動を固定してしまえば、ガイドレールのアラインメント調整をした状態で固定することができる。
このような構成によれば、例えば、熱分布の不均一に起因して基台に曲がり変形が生じたり基台あるいはガイドレールが伸縮したりする場合でも、支承手段によりガイドレールの形状が維持される。
例えば、基台とガイドレールとの線膨張係数の違いで伸縮に差が生じる場合でも、支承手段によりガイドレールが基台に対して進退されるので、線膨張の違いの差を逃がすことができる。あるいは、基台とガイドレールとで一方に傾きが生じた場合でも支承手段によりガイドレールが基台に対して揺動され、傾き分が相殺されることで他方に傾きが伝達されないようにできる。
このような構成によれば、引付手段によってガイドレールがベース体に向けて引かれ、引き付けられたガイドレールが支承手段で支承される。ガイドレールは、引付手段で引かれることにより支承手段から浮き上がることがなく支承されて、その位置が決定される。すると、例えば、ガイドレール上を可動部材が摺動する場合でもガイドレールの位置が固定されるので、可動部材は正確に案内される。
ここで、引付手段は、ばね、ゴム等の弾性体の付勢力を利用する構成であってもよく、あるいは、磁石の引力で引き付ける構成でもよい。
本発明において、前記ベース体は、このベース体が前記基台に固定された状態において水平状態となり前記ガイドレールを下から支える台座部、および、前記台座部の一端辺から連続して立ち上がって設けられ前記基台に固定される背板部を有し、前記支承手段は、前記台座部に設けられ前記ガイドレールを下支えする台座側支承手段と、前記背板部側において前記ガイドレールを支承する背板側支承手段と、を備えることが好ましい。
このような構成によれば、台座側支承手段と背板側支承手段とによって、ガイドレールの底面および側面の二面が支承される。底面のみならず側面も支承されるので、ガイドレールは姿勢を一定に保った状態で支持される。
本発明の駆動装置は、前記ガイドレールの支持装置と、このガイドレールの支持装置で支持されるガイドレールと、前記ガイドレールに沿って移動可能に設けられた可動部材と、を備える。
本発明の測定機は、被測定物を載置する前記基台としての定盤と、前記ガイドレールの支持装置と、このガイドレールの支持装置で支持されるガイドレールと、前記ガイドレールに沿って移動可能に設けられた可動部材と、前記可動部材によって移動されるとともに前記被測定物の表面を検出する検出子と、前記ガイドレールに対する前記可動部材の相対移動量を検出する移動量検出器と、前記検出子による前記被測定物表面の検出、および、前記移動量検出器による検出値に基づいて前記被測定物の形状を解析する解析部と、を備える。
また、ガイドレールに移動量検出器のスケール部材が設けられていた場合でも、ガイドレールと同様にスケール部材が変形されないので、スケール部材による検出精度を向上させることができる。従って、高精度に被測定物形状を測定できる測定機とすることができる。
基台(定盤)の変形がガイドレールに影響しないので、基台が被測定物等の荷重によってわずかに変形されてもかまわないと考えられ、基台の剛性を高める必要もなくなることから、基台の厚みを薄くすることもできる。
本発明のガイドレール装置に係る一実施形態の全体斜視図を図1に示す。図1中では、ガイドレール装置100が定盤(基台)3の両側面に取り付けられている。
定盤3は、背景技術で説明したのと略同様であり、略平坦に形成されたテーブル面31を有する。定盤3の両側面には、フランジ状に張り出し形成されたフランジ台部32が設けられている。
ガイドレール200は、長手方向が真直に形成された直方体形状である。図1中では図示しないが、図8または図9において説明した通り、ガイドレール200上にはビーム支持体42のようなスライド部材(可動部材)がスライド移動可能に設けられる。そして、ガイドレール200によってスライド部材の移動方向が真直に案内される。
前部支持装置400は、定盤3の側部に係着されるとともにガイドレール200を下支えするように担持するベース体410と、ガイドレール200に接合されてガイドレール200とベース体410とを接合する接合手段420と、一端がベース体410に固定され他端がガイドレール200に接続されてガイドレール200をベース体410に引き付ける引付ばね430と、引付ばね430で引き付けられたガイドレール200を支承する支承手段440と、を備えている。
背板部412において、台座部411側に向いている表面とは反対側の面となる背面側には、定盤3のフランジ台部32に引っ掛かるフック部413が設けられている。フック部413は、背板部412の背面側上端部から連続的に突設形成されている。
フック部413がフランジ台部32に掛止されると、ベース体410が定盤3の側面に係着された状態となる。この時、背板部412はテーブル面31に対して略垂直に配置され、台座部411はテーブル面31に略平行に配置される。このとき、台座部411の底面は、定盤3の底面と面一になるか、あるいは、定盤3の底面よりもわずかに高い位置にある。
接合手段420は、台座部411の上面の略中央部分に取り付け固定された略立方体形状のブロックである固定ブロック(固定部)421と、固定ブロック421に対して揺動可能に設けられガイドレール200に接合される接合ブロック(接合部)422と、固定ブロック421と接合ブロック422との間に設けられ固定ブロック421に対して接合ブロック422を揺動可能に連結する継手手段(接合継手手段)423と、を備える。
接合ブロック422は、ガイドレール200の長手方向には移動不可で、かつ、ガイドレールの長手方向に直交する面内で揺動可能な状態に設けられる。例えば、台座部411においてガイドレール200の長手方向に直交する方向に長めに形成された孔部に接合ブロック422は嵌入されている。
接合ブロック422は、上面から突起したピンを有し、このピンがガイドレール200に挿嵌されることで接合ブロック422とガイドレール200とが接合される。
揺動連結板426は、ボール体425を挟んで固定ブロック421と反対側に配置されている。揺動連結板426は、固定ブロック421に対向する面にV溝427を有しており、このV溝427は固定ブロック421のV溝424に対してボール体425を隔てて略90°の角度をなす。そして、揺動連結板426のV溝427と固定ブロック421のV溝424とが立体交差する位置でボール体425は挟持されている。
調整ねじ428は、接合ブロック422の側面から突き出した状態に接合ブロック422に螺合されているところ、接合ブロック422の側面から突き出した他端にナット429が螺合されている。調整ねじ428の一端は、ピボット受けで揺動連結板426に当接している。すなわち、揺動連結板426においてV溝427とは反対面には円錐状の凹部が凹設され、調整ねじ428の一端の頭部に埋め込まれたボール体(鋼球)が揺動連結板426の前記凹部にピボット受けされている。
台座側支承手段450は、ガイドレール200の長手方向に直交する方向において固定ブロック421を間にして二つ設けられている。
台座側支承手段450は、図5に示されるように、上面がガイドレール200に当接する平坦面に形成された支承板451と、台座部411上に固定され上面に円錐凹部452Aが凹設された固定板452と、固定板452に対して支承板451を揺動可能に繋ぐ継手手段(支承継手手段)453と、を備える。
ここで、上側円柱体454は、その軸方向が水平面内でガイドレール200の長手方向に直交する向きで配設されている。下側円柱体456は、その軸方向が水平面内でガイドレール200の長手方向に平行な向きで配設されている。すなわち、上側円柱体454と下側円柱体456とは上側連結板455を隔てて90°の角度をなし、上側円柱体454の支持により支承板451が揺動する方向と、下側円柱体456の支持により上側円柱体454が揺動する方向とは90°の角度をなす。
なお、上側円柱体454は、支承板451の下面に刻設されたV溝451Aと、上側連結板455の上面に刻設されたV溝455Aとにて挟持され、下側円柱体456は、上側連結板455の下面に刻設されたV溝455Bと、下側連結板457の上面に刻設されたV溝457Aとにて挟持されることで、それぞれの位置が保持される。
また、支承板451は、上側円柱体454の軸方向に沿ってスライド移動可能であり、上側連結板455は下側円柱体456の軸方向に沿ってスライド移動可能である。
背板側支承手段460は、図3に示されるように、一面がガイドレール200に当接する平坦面に形成された支承板461と、背板部412に固定された固定板462と、固定板462に対して支承板461を揺動可能に連結する継手手段463と、を備える。
継手手段463は、支承板461と固定板462とに挟持されるボール体463によって構成されている。ここで、支承板461にはV溝461Aが刻設され、固定板462にはV溝462Bが刻設されており、支承板461のV溝461Aと固定板462のV溝462Bとは、ボール体463を隔てて90°の角度をなす。そして、V溝461AとV溝462Bとが立体交差する位置でボール体463が挟まれている。また、支承板461と固定板462との間にはリテーナ464が配設されて、リテーナ464によってボール体463が支承板461と固定板462との間に保持される。
また、支承板461は、V溝461Aの軸方向へスライド移動可能であり、ボール体463はV溝462Bの軸方向へスライド移動可能である。
後部支持装置500は、図6に示されるように、ベース体510と、引付ばね520と、支承手段530と、を備える。
ベース体510は、台座部511と背板部512とを備えているところ、これらは、前部支持装置400のベース体410に同様である。
引付ばね520は、台座部511に2本設けられ、背板部512に2本設けられている。引付ばね520は、台座部511において、ガイドレール200の長手方向で支承手段530を間にして二つ設けられている。また、引付ばね520は、背板部512において、ガイドレール200の長手方向に沿って所定間隔だけ離間して2本設けられている。
台座側支承手段540は、上面がガイドレール200に当接する平坦面に形成された支承板541と、台座部511に固定され上面に断面半円形の半円凹部542Aを有する固定体542と、固定体542に対して支承板541を揺動可能に繋ぐ継手手段543と、を備えている。
支承板541は、ガイドレール200の長手方向に直交する方向に長さを有する板状体である。
固定体542の半円凹部542Aは、ガイドレール200の長手方向に直交する断面において、中央部が深くて両端に向けて次第に高くなる半月形状である。
揺動体544は、下面に円弧を有し固定体542の半円凹部542Aに嵌合するかまぼこ形状であり、ガイドレール200の長手方向に平行方向を揺動軸として揺動する。
円柱体545は、軸方向をガイドレール200の長手方向に直交する方向に向けて配設され、支承板541と揺動体544とにて挟持されている。
支承板541は、円柱体545による揺動支持によってガイドレール200の長手方向に垂直方向を揺動軸として揺動する。すなわち、揺動体544の揺動軸と支承板541の揺動軸とは、立体的に90°に交差する。
まず、前部支持装置400と、後部支持装置500を定盤3の側面にセットする。このとき、フック部413をフランジ台部32に引っ掛けてベース体410、510を定盤3に固定する。この際、所定の固定手段でベース体410、510を定盤3に固定するが、固定手段としては例えばねじ止めなどが挙げられる。
例えば、台座側支承手段450において、支承板451は立体的に直交交差する円柱体454、456を揺動軸として揺動し、さらに、ピボット軸受(452A、457B)を中心軸として回転する。さらに、支承板451は、各円柱体454、456の軸方向に沿ってスライドする。
また、台座側支承手段540において、支承板541は、半円凹部542Aのカーブに沿って揺動するとともに、円柱体545を揺動軸として揺動する。
背板側支承手段460、550において、支承板461、551は、ボール体464、554を揺動支点として揺動するとともに、V溝461A、462A、551A、552Aに沿ってスライド移動する。
すると、定盤3の変形に伴ってベース体410、510の位置や向きが変わっても、このような変化は支承板451、541、461、551の揺動によって相殺されてベース体410の向きの変化はガイドレール200に伝えられず、ガイドレール200は真直性を保って支持される。
また、ガイドレール200と定盤3とは互いに拘束されずに伸縮するが、ガイドレール200の一端は前部支持装置400に接合されているので、一端側では定盤3とガイドレール200との相対位置が変化しない。すると、例えば、ガイドレール200にスケール部材が貼設されている場合であっても定盤3に対する原点位置がずれることがない。
(1)ガイドレール200は、支承手段440、530により支承されているので、定盤3に生じる変化は支承手段440、530の揺動によって相殺される。すると、ガイドレール200には定盤3の変形が影響せず、その結果、ガイドレール200の真直性が保たれる。
変形例の基本的な構成は上記実施形態と同様であるが、変形例は、支承手段の構成に特徴を有する。
変形例における支承手段の構成を図7に示す。図7において、支承手段600は、一面がガイドレール200に当接する平坦面に形成された支承板610と、ベース体(410、510)に固定される固定板620と、固定板620に対して支承板610を揺動可能に連結する継手手段630と、を備えている。
支承板610および連結板631はそれぞれの対向面にV溝を有し、すなわち、支承板610はV溝611を有し、連結板631はV溝631Aを有する。そして、ボール体632は、支承板610のV溝611と連結板631のV溝631Aとに嵌合された状態で両側から挟持されている。
また、固定板620および連結板631はそれぞれの対向面にV溝を有し、すなわち、固定板620はV溝621を有し、連結板631はV溝631Bを有する。そして、ボール体633は、固定板620のV溝621と、連結板631のV溝631Bとに嵌合されて両側から挟持されている。
ここで、連結板631の上下面にそれぞれ刻設されたV溝631A、631Bは、互いに90°で立体交差する向きに形成されている。
また、支承板610は、ボール体632に対してV溝611に沿ってスライド移動可能であり、連結板631は、ボール体633に対してV溝631Bに沿ってスライド可能である。すなわち、支承板は、固定板に対して前後左右にスライド移動可能である。
また、支承板610は、ボール体632を支点に回動可能であり、連結板631は、ボール体633を支点に回動可能である。
また、継手手段630による支承板610の揺動はボール体632、633による揺動支持によるので、揺動時の抵抗が小さい。その結果、ベース体(410、510)に生じた変化が支承板610の揺動によって十分に相殺され、ガイドレール200に無理な力が掛かることがなく真直性が維持される。
ガイドレール200が真直である場合を例にして説明したが、ガイドレール200はもともと曲がっていてもよい。本発明によれば、ガイドレール200が真直でも湾曲していても、もともとの形状を歪ませないで支持できる。
なお、上記実施形態のように、ガイドレール200の底面は、前部支持装置400に二つ設けられた台座側支承手段450、450と、後部支持装置500の台座側支承手段540と、による3点で支承されれば十分であるが、3つ以上で支承してもよい。
Claims (7)
- 可動部材を案内するガイドレールを基台に対して略定位置に保ちつつ支持する支持装置であって、
前記ガイドレールの一端側を支持する前部支持装置と、前記ガイドレールの他の部分を支持する後部支持装置と、を備え、
前記前部支持装置は、前記基台に固定されるとともに前記ガイドレールを担持するベース体と、前記基台および前記ガイドレールの少なくともいずれか一方に変形が生じた際に、変形が生じた側の変形を他の側に伝えることなく許容するように前記ガイドレールを支承する支承手段と、前記ガイドレールと前記ベース体とを前記ガイドレールの長手方向へ移動不可に接合する接合手段と、を備え、
前記後部支持装置は、前記基台に固定されるとともに前記ガイドレールを担持するベース体と、前記基台および前記ガイドレールの少なくともいずれか一方に変形が生じた際に、変形が生じた側の変形を他の側に伝えることなく許容するように前記ガイドレールを支承する支承手段と、を備え、
前記支承手段は、前記ガイドレールに当接して前記ガイドレールを支承する支承板と、前記ベース体に固定された固定板と、前記固定板に対して前記支承板を揺動可能に繋ぐ支承継手手段と、を備え、
前記接合手段は、前記ベース体に固定された固定部と、前記ガイドレールに接合される接合部と、前記固定部と前記接合部との間に設けられ前記固定部に対して前記接合部を前記ガイドレールの長手方向へ移動不可かつ前記ガイドレールの長手方向に直交する面内で揺動可能に連結する接合継手手段と、を備える
ことを特徴とするガイドレールの支持装置。 - 請求項1に記載のガイドレールの支持装置において、
前記支承手段は、前記ガイドレールを前記基台に対して揺動可能および進退可能に支承する
ことを特徴とするガイドレールの支持装置。 - 請求項1または請求項2に記載のガイドレールの支持装置において、
前記ベース体と前記ガイドレールとの間に介装されて前記ガイドレールを前記ベース体に向けて引き付ける引付手段と、を備える
ことを特徴とするガイドレールの支持装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のガイドレールの支持装置において、
前記ベース体は、このベース体が前記基台に固定された状態において水平状態となり前記ガイドレールを下から支える台座部、および、前記台座部の一端辺から連続して立ち上がって設けられ前記基台に固定される背板部を有し、
前記支承手段は、前記台座部に設けられ前記ガイドレールを下支えする台座側支承手段と、前記背板部側において前記ガイドレールを支承する背板側支承手段と、を備える
ことを特徴とするガイドレールの支持装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のガイドレールの支持装置と、
このガイドレールの支持装置で支持されるガイドレールと、を備えたガイドレール装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のガイドレールの支持装置と、
このガイドレールの支持装置で支持されるガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って移動可能に設けられた可動部材と、を備えた駆動装置。 - 被測定物を載置する前記基台としての定盤と、
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のガイドレールの支持装置と、
このガイドレールの支持装置で支持されるガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って移動可能に設けられた可動部材と、
前記可動部材によって移動されるとともに前記被測定物の表面を検出する検出子と、
前記ガイドレールに対する前記可動部材の相対移動量を検出する移動量検出器と、
前記検出子による前記被測定物表面の検出、および、前記移動量検出器による検出値に基づいて前記被測定物の形状を解析する解析部と、を備えた測定機。
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