JP4722002B2 - Pwmインバータ制御装置及びpwmインバータ制御方法並びに冷凍空調装置 - Google Patents

Pwmインバータ制御装置及びpwmインバータ制御方法並びに冷凍空調装置 Download PDF

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Description

本発明は、冷凍空調装置用電動機等の駆動に利用されるインバータに関してのPWMインバータ制御装置及びインバータ制御方法並びにこれらを利用した冷凍空調装置に関するものである。
従来、冷凍空調装置の電動機駆動等に用いられる3相電圧形PWMインバータのスイッチング素子のアーム短絡を防止するため、スイッチング素子のターンオフ時間も包含した短絡防止時間(デッドタイム)が挿入される。この短絡防止時間に起因するインバータのPWM電圧指令と出力電圧との間の誤差電圧を補償するためには、該PWM電圧指令に加算される方形波状の補償電圧の極性を、該インバータの出力電流が零クロス点を通過する時点に同期して変更する方法が一般的に行われている。しかしながら、従来のデッドタイム補償方法によると、該インバータの出力電流のゼロクロス点でステップ状に補償電圧の極性を変更しているため、該零クロス点近傍での出力電流のリプルが増大し、このリプルに起因する回転むらが大きくなるという問題があった。この問題を解決するため、例えば特許文献1では、比較器を用いてインバータ出力電流を各相毎に基準値と比較して出力電流の零クロス点近傍での比較結果の大きさに応じた時間幅のパルス電圧を発生させ、補償量演算部によりPWM周波数とデッドタイムと直流電源の電圧に基づいてデッドタイム補償量(補償量振幅)を演算させ、比較器出力と補償量演算部の出力を乗算器により乗じ、乗算器の出力を積分器により積分して台形状の波形の補償量信号を生成し、この補償量信号をPWM電圧指令演算器からの指令値に加算し、PWSパルス演算器でこの加算結果をPWM演算後デッドタイムを付加してインバータ主回路に駆動信号を出力するデッドタイム補償方法が開示されている。この構成により、上記インバータ出力電流が零クロス点を通過するのに伴って行われる補償電圧の極性変更を、上記出力電流の零クロス点以前の変更開始時点より、所定の勾配で行うことが可能となり、上記零クロス点での出力電流のリプル増大の問題が解消される。
特許第3738883号(図1,図2,段落0011〜0017)
しかしながら、特許文献1で示される従来のデッドタイム補償装置は、以上のように構成されているので、台形波形のデッドタイム補償電圧に高調波が残り、特定次数調波が騒音として問題となることがあった。
また、低騒音駆動が要求される場合にはPWM周波数付近の騒音レベルが高く、特にPWM周波数を可聴領域に設定せざるを得ない場合については使用上の制約が大きかった。
また出力電流の大きさにより零クロス近辺の補償電圧の勾配が変化するので、特定次数調波の比率が変わり、騒音が問題となるモータ駆動に関しては運転領域が限定されていた。 また、比較器を利用するため、外来ノイズに対しての耐力が弱かった。
また、補償電圧の算出に積分器を含むため、オーバーフロー等の問題があり、簡易なシステムでの実現が難しいという問題があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、新たな装置を付加せず、またPWM周波数に依らずに低騒音化が行え、運転周波数や駆動対象モータに対する適用制約が少なく、デッドタイム補償電圧を簡易な方法で生成し、電流リプルが少なく、高効率な運転を実現できるインバータ制御インバータ制御装置及びインバータ制御方法ならびに冷凍空調装置を得ることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る3相電圧型PWMインバータ制御装置は、直流電源とスイッチング手段とを有する電圧形PWMインバータの、前記直流電源の電圧を検出する直流電圧検出手段と、前記電圧形PWMインバータの各相の出力電流を検出する電流検出手段と、前記直流電圧検出手段の出力と前記電流検出手段の出力に基づいて前記スイッチング手段のアーム短絡防止用のデッドタイムに起因する、前記電圧形PWMインバータの電圧指令と出力電圧との間の誤差電圧を補償するための補償量を生成するデッドタイム補償部と、周波数指令と前記直流電圧検出手段の出力と前記電流検出手段の出力に基づいて電圧指令を算出する電圧指令演算手段と、この電圧指令演算手段の出力と前記デッドタイム補償部の出力とに基づいてPWM信号を作成するPWM信号作成手段と、このPWM信号作成手段によって得られたPWM信号を発生するPWM信号発生手段と、を備え、前記デッドタイム補償部は、前記電流検出手段の出力に基づいて相電圧と相電流の位相差を算出する位相差検出手段と、前記スイッチング手段のキャリア周波数と前記直流電圧検出手段の出力と予め定めたデッドタイムとに基づいてデッドタイム誤差電圧の特定次数成分を算出する補償量特定次数成分算出手段と、前記位相差検出手段の出力と前記補償量特定次数成分算出手段の出力に基づいて前記補償量を生成する補償量演算手段とを備え、前記補償量演算手段は、前記補償量特定次数成分算出手段が算出したデッドタイム誤差電圧の時間積分値とデッドタイム誤差電圧の少なくとも1つ以上の特定次数成分の時間積分値の和が等しくなるように使用するデッドタイム誤差電圧の各次数成分の振幅を設定することを特徴とする。
また、本発明に係る3相電圧型PWMインバータ制御方法は、直流電圧と、この直流電圧から電圧形PWMインバータによって得られた交流出力電流とに基づいて前記電圧形PWMインバータのスイッチング手段のアーム短絡防止用のデッドタイムに起因する、前記電圧形PWMインバータの電圧指令と出力電圧との間の誤差電圧を補償するための補償量を生成するデッドタイム補償ステップと、周波数指令と前記直流電圧と前記交流出力電流に基づいて電圧指令を算出する電圧指令演算ステップと、この電圧指令演算ステップによって得られた電圧指令と前記デッドタイム補償ステップによって得られた補償量とに基づいてPWM信号を作成するPWM信号作成ステップと、このPWM信号作成ステップにより作成されたPWM信号を発生するPWM信号発生ステップと、を備え、前記デッドタイム補償ステップは、前記直流電圧と、前記電圧形PWMインバータの出力電流とに基づいて相電圧と相電流の位相差を算出する位相差算出ステップと、前記スイッチング手段のキャリア周波数と前記直流電圧と予め定められたデッドタイムとに基づいてデッドタイム誤差電圧の特定次数成分を算出する補償量特定次数成分算出ステップと、前記位相差算出ステップの出力と前記補償量特定次数成分算出ステップの出力に基づいて前記補償量を生成する補償量演算ステップとを備え、前記補償量演算ステップにおいて、前記補償量特定次数成分算出ステップで算出したデッドタイム誤差電圧の時間積分値とデッドタイム誤差電圧の少なくとも1つ以上の特定次数成分の時間積分値の和が等しくなるように使用するデッドタイム誤差電圧の各次数成分の振幅を設定することを特徴とする。
本発明によれば、新たな装置を付加せず、またPWM周波数に依らずに低騒音化が行え、運転周波数や駆動対象モータに対する適用制約が少なく、デッドタイム補償電圧を簡易な方法で生成し、電流リプルが少なく、高効率な運転を実現できるインバータ制御装置及びインバータ制御方法ならびに冷凍空調装置を得ることができる。
以下、本発明の具体的な実施の形態を説明する。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1にかかるPWMインバータの制御方法・装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかるPWMインバータの制御装置を示す図である。以下、本文では、パルスエンコーダ等の回転子位置を検出するセンサを用いる場合、回転子の電気角周波数とインバータの回転周波数はほぼ一致するので、回転子の電気角周波数と同一周波数でインバータが回転する座標系を回転座標系(dq座標系)と定義する。また、パルスエンコーダ等の回転子位置を検出するセンサを用いない場合は、インバータ制御部100でdq軸座標を正確に捉えることができず、実際には回転座標系(dq座標系)と位相差Δθだけずれてインバータが回転している。このような場合を想定して、インバータの出力電圧と同一周波数で回転する座標系を一般座標系(γδ座標系)と称し、回転座標系とは区別して扱うこととする。また本文におけるd軸及びq軸は、以下の意を示すものとする。すなわち、電動機6の回転子上でN極側をd軸とし、回転方向に90度進んだ位相をq軸とする。
図1に示す装置は、電流検出手段3a〜3bと、直流電圧検出手段90と、電流検出手段によって得られる相電流値と直流電圧検出手段によって得られる直流電圧値を用いて演算を行いPWM信号を発生するインバータ制御部100と、PWM信号によりスイッチング素子4a〜4fのON・OFFを行い電動機6を駆動するインバータ主回路2で構成される。
電流検出手段3a〜3bは、相電流値を検出する検出素子・回路、及びその出力をCPU等に取り込み電流換算できるA/D変換器、増幅器等で構成される。少なくとも1つの検出素子を用いて相電流を検出する。図1では、カレントトランスを用いる例を示している。カレントトランスは3個用いて制御を行っても良いが、3相平衡インバータの特徴等を利用し、一般には2個のカレントトランスを用いてモータ制御を行う場合が多く、図1でもカレントトランスを2個使用する例を示している。また、各相の下側スイッチング素子4d〜4fと直流電源負側の間に挿入された抵抗に発生する両端電圧を検出して、下側スイッチング素子に電流が流れるタイミングに合わせて検出を行い、電流換算することで相電流検出を行っても良い。この場合も、抵抗を3個用いて制御を行っても良いが、少なくとも1素子以上の検出素子を用いてモータ制御を行う。また、直流母線の経路に挿入された抵抗の両端電圧を検出することにより、スイッチング素子のスイッチングパターンと流れる相電流が一意に決まっている関係を利用して、相電流検出を行っても良い。
直流電圧検出手段90は、直流電圧値を検出する検出素子・回路、及びその出力をCPU等に取り込み電圧換算できるA/D変換器、増幅器等で構成される。
インバータ主回路2は、スイッチング素子4a〜4f及びダイオード5a〜5fで構成される。
また、インバータ制御部100は、直流電圧値を求める直流電圧検出手段90と、電流検出手段3a〜3bで得られた電流値を用い必要に応じて3相平衡条件(3相電流の総和は0となる)より残りの相電流値を算出することで3相電流値を求める相電流検出手段10と、3相の相電流値を固定子座標系(αβ座標系)上の2軸成分に変換する3相2相変換手段20と、3相2相変換手段の出力であるα軸電流Iα、β軸電流Iβを回転座標系上または一般座標系上の2軸成分に変換する回転座標変換手段30と、回転座標変換手段で得られた回転座標系上の2軸成分であるd軸電流Id・q軸電流Iqまたは一般座標系上の2軸成分であるγ軸電流Iγ、δ軸電流Iδと前記α軸電流Iα、β軸電流Iβと前記相電流値Iu〜Iwと前記直流電圧値Vdcからデッドタイム補償量を演算するデッドタイム補償量演算部70と、d軸電流Id・q軸電流Iqまたはγ軸電流Iγ・δ軸電流Iδと周波数指令ωe*と直流電圧値Vdcから速度制御を含む各種ベクトル制御を行い回転座標系上または一般座標系上における2軸の電圧指令を演算する電圧指令演算手段40と、固定子座標系(αβ座標系)上における2軸の電圧指令(Vα*、Vβ*)を演算する回転座標逆変換手段50と、各相電圧指令Vu*〜Vw*を演算する2相3相変換手段60と、各相電圧指令にデッドタイム補償量を加算する加算器74a〜74cと、デッドタイム補償量を加算された各相電圧指令よりPWM信号を作成するPWM信号作成手段80と、得られたPWM信号を発生するPWM信号発生手段81で構成される。
またデッドタイム補償量演算部70では、直流電圧値Vdcよりデッドタイム誤差電圧の特定次数成分を算出しデッドタイム補償量振幅を算出する補償量特定次数成分算出手段71と、相電流値または固定子座標系(αβ座標系)上における相電流の2軸成分または回転座標系上または一般座標系上における相電流の2軸成分から相電圧の零位相(以下、電圧零位相と称することがある)と相電流の零位相(以下、電流零位相と称することがある)の位相差を検出する位相差検出手段72と、デッドタイム補償量振幅と、電圧零位相と電流零位相の位相差とからデッドタイム補償量を演算する補償量演算手段73から構成される。ここで、電流零位相とは、電流が零のときの電圧指令の位相である。
次に、動作について、図を用いながら説明する。
図2(a)は、PWM信号を作成するPWM信号作成手段80にて得られる3相のうち任意の1相をx相として、x相の電圧指令を示している。また、x相に本電圧を印加した時に流れる相電流の様子も併せて示している。ここで、デッドタイムによる誤差電圧は、図2(b)のような方形波で表現できる。直流電圧検出手段90より得られた直流電圧Vdcと、インバータのキャリア周波数fcと、デッドタイムTdより、上記誤差電圧の振幅は数1で求められる。
Figure 0004722002
しかしながら、デッドタイム補償に図2(b)の方形波、あるいは台形波を用いると、可聴領域内のキャリア周波数(約20〜20k[Hz]程度)を用いるインバータ制御においては、騒音が問題になる場合がある。そこで、補償パターンに従来の方形波や台形波を用いず、デッドタイム誤差電圧の特定次数成分(特に低次成分)をデッドタイム補償電圧として用いる方法を考案した。
特定次数成分の抽出には、例えばフーリエ級数展開を用いる。フーリエ級数を用いたデッドタイム補償量の演算は、デッドタイム補償量演算部70で行う。以下、図3のような方形波に関して、直流電圧Vdcからデッドタイム補償量特定次数算出手段71において、フーリエ級数展開によりデッドタイム誤差電圧(方形波)の特定次数成分を算出する方法について、以下述べる。方形波周期をTとした場合の、0からT/2区間の上記方形波に関する関数式を数2に示す。Tはインバータの電気角速度により決まる任意の値である。またtは任意時間を示す。
Figure 0004722002
ここで、フーリエ級数は数3で表せる。ただし、nは基本波の第n次調波の次数を示す(nは正の整数)。また、tは任意時間、ωは回転電気角速度(=2π/T)を示す(Tは上述の方形波周期を示す)。
Figure 0004722002
数2は偶関数であるのでan=0であることは明らかである。また、数2は対称波であり、半周期積分した値を2倍すれば良く、数4を求めれば良い。
Figure 0004722002
b0、bnは数5、数6のように求められる。
Figure 0004722002
Figure 0004722002
以上より、数2のような偶関数をフーリエ級数展開した結果、数7を得る。
Figure 0004722002
なお、ここではデッドタイム補償電圧を偶関数として求めたが、奇関数として求めても良い。
数7は、図3より明らかなようにy軸に対しての対称波であるから、奇数次調波のみを含んでいる。PWMインバータの仕様、モータデバイスによって、3次以上の奇数次調波に起因する騒音が問題になる場合には、数7における1次成分のみを用いれば良い。
また相電流Iu〜Iwから位相差検出手段72において、各相毎に電圧零位相と電流零位相の位相差αx(x=U,V,W)を検出する。具体的には、相電流の極性の切替わりタイミングにより、各電圧零位相と各電流零位相の位相差αx(x=U,V,W)を求める。即ち、電流の零クロスの極性が−から+に変化する点と、このときの電圧指令の現在位相より電圧零位相との位相差αxを求める。なお、電流の零クロスの極性は+から−に変化する点を利用しても良い。図2(a)では、x相電圧指令を基準として、x相電流の零クロスの極性が+から−に替わる点と電圧指令の位相差よりαxを求める例を示している。また、αu、αv、αwを等しいとみなして、1相の電圧指令の位相と電流位相の位相差情報より、各相のデッドタイム補償電圧を求めても良い。また、ノイズ等が問題になる場合には、相電流値の時間積分により、各相の電圧指令と相電流の位相差αxを求めても良い。位相差αxは、上記のようにして相電流から直接求めることができるが、固定子座標系(αβ座標系)の2軸電流情報より求めることもできる。次に、固定子座標系の2軸電流情報より、各相の電圧指令と相電流の位相差を検出する方法を以下に述べる。各相の相電流値をIu、Iv、Iwとおき、数8のように表す。ここで、θは電圧指令の位相、Iaは各相の電流振幅(簡単化のため、同一とする)、αxは各相の電圧指令の位相と相電流位相の位相差とする。
Figure 0004722002
また、3相2相変換を行った後の固定子座標系(αβ座標系)上の2軸成分をα軸電流Iα、β軸電流Iβとおくと、Iα、Iβは数9で表す。ただしインバータの回転方向は反時計回りを想定しているが、時計回りの場合も同様の方法で行える。
Figure 0004722002
簡単化のため、3相平衡状態が保たれているとしαu、αv、αwをαxとおき、数8を数9に代入すると、各相の電圧指令と相電流の位相差αxを数10のように導出することができる。
Figure 0004722002
すなわち、図2(a)における各相電圧指令と相電流の位相差αxを固定子座標系(αβ座標系)の2軸成分より算出することができ、電圧位相を基準としてインバータ制御を行う場合でも、各相の電圧指令と相電流の位相差αxが算出でき、デッドタイム補償が簡易かつ正確に行える。また、相電流が0[A]近辺では検出される電流極性が正方向に振れたり負方向に振れたりして不安定であるため、検出電流値が所定値以下の区間(以下、本区間を禁止帯と称する)でデッドタイム補償を行わない等の特殊な処理を行う必要なく、高精度なデッドタイム補償が実現できる。
さらに、実環境におけるノイズが大きい場合等には、数10の入出力においてフィルタを用いても良い。
また、同様に各相の電圧指令と相電流の位相差αxは回転座標系(dq座標系)上の電流情報から直接求めることができる。簡単化のため、U相方向とα軸の方向を回転角の0[deg]とし、3相2相変換手段20の出力であるα軸・β軸電流に対して回転座標変換手段30にて回転座標変換を行う。すなわち、数11のような回転行列を乗じる。
Figure 0004722002
簡単化のため、3相平衡状態が保たれているとし、各相の電圧指令の位相と電流位相の位相差αu、αv、αwをαxとおき、U相方向を基準位相(0[deg])とおいて固定子座標系(αβ座標系)の場合と同様に数11を展開すると、αxを数12のように導出することができる。数11では回転方向を反時計回りに取っているが、場合によっては時計回りに展開しても、同様の方法でαxを算出できる。
Figure 0004722002
すなわち、図2(a)における各相電圧指令と相電流の位相差αxを回転座標系上の2軸電流成分より算出することができ、電圧位相を基準としてインバータ制御を行う場合でも、各相の電圧指令と相電流の位相差αxが得られることが分かる。よって、相電流の極性に依らず、各相の電圧指令と相電流の位相差αxを求めることができ、デッドタイム補償が簡易かつ正確に行える。また、電流レベルが零付近であっても、禁止帯設定等の特殊な処理を行う必要なく、高精度なデッドタイム補償が実現できる。またモータ駆動の際、電流リプルが低減でき、高効率化が実現できる。さらに、実環境におけるノイズが大きい場合等には、数12の入出力においてフィルタを用いても良い。
一般座標系で扱う場合であっても、回転座標系との位相差分Δθを考慮することで、同様にαxを求めることができる。すなわち数11におけるθをθ+Δθとおき、d軸電流・q軸電流に相当するγ軸電流・δ軸電流より数13のようにαxを求めることができる。
Figure 0004722002
このようにして得られた各相電圧指令と相電流の位相差αxとデッドタイム補償量特定次数成分算出手段71において得られた特定次数成分より、デッドタイム補償量ΔVx(x=U,V,W)を演算することで、相電流の極性に依らず、各相の電圧指令と相電流の位相差αxを求めることができ、デッドタイム補償が簡易かつ正確に行える。また、電流レベルが零付近であっても、禁止帯設定等特殊な処理を行う必要なく、高精度なデッドタイム補償が実現できる。さらに、実環境におけるノイズが大きい場合等には、数13の入出力においてフィルタを用いても良い。このようにして、位相差検出手段72において、相電流Iu〜Iwまたは固定子座標系(αβ座標系)上のα軸電流Iα・β軸電流Iβ、または回転子座標系のd軸電流Id・q軸電流Iq、または一般座標系のγ軸電流Iγ・δ軸電流Iδのいずれかを用いることで、αxを精度良く求めることができる。
上述のようにして得られた方形波のフーリエ級数展開結果f(t)、及び各相の電圧指令の位相と電流位相の位相差αxよりデッドタイム補償量演算手段73において、デッドタイム補償量ΔVx(x=U,V,W)を演算する。数14に各相のデッドタイム補償量を示す。ただし、数14はU相電圧位相を基準とし、回転子回転方向を反時計周りとした場合の例である。なお、時計周りでも同様な考え方で求められる。
Figure 0004722002
また、一例としてデッドタイム補償電圧の1次成分を数15で表す。
Figure 0004722002
図4に、図3に対応する数15のデッドタイム補償電圧の1次成分波形例を示す。数14・数15で求まる各相補償成分ΔVu〜ΔVwを、加算器74a〜74cにて数16に示すように補償前の各相電圧指令Vu*〜Vw*に加算することでVu**〜Vw**を得る。
Figure 0004722002
補償後の各相電圧指令Vu**〜Vw**に基づき、PWM信号作成手段80にてスイッチング素子の1キャリア中の通電時間Tup〜Twnが得られる。その後、PWM信号発生手段81により、スイッチング素子4a〜4fに対しマイコンやCPU等から駆動信号Up〜Wnが発せられ、電動機1が駆動可能となる。このようにしてデッドタイム分を補償したインバータ制御が実現でき、相電流ゼロクロス付近でのリプル低減が可能となり、新たな装置を付加することなく、またゼロクロス付近に禁止帯を設けることによる補償性能の劣化なく、精度良くデッドタイム補償が行える、低騒音化・高効率化なモータ駆動が実現できる。
必要に応じて、デッドタイム誤差電圧の時間積分値と1次成分のデッドタイム補償電圧の時間積分値が等しくなるように、1次成分のデッドタイム補償電圧振幅を調整して補償を行っても良い。図2(c)に、1次成分のみを用いた際のデッドタイム補償電圧の様子を示す。今、図2(b)のデッドタイム誤差電圧に相当するデッドタイム補償電圧と、図2(c)のデッドタイム補償電圧を時間積分値で比較する。図2(b)のデッドタイム誤差電圧に相当するデッドタイム補償電圧の正極性側半周期の時間積分値S1は数2を時間積分することで πfcTdVdc/ω と求められる。
また、図2(c)のデッドタイム補償電圧の正極性側半周期の時間積分値S2も数15を時間積分することで、 8fcTdVdc/πω となる。
よって図2(c)のフーリエ級数展開による1次成分のみの補償では、図2(b)の方形波でデッドタイム補償を行う場合を基準とするとS2/S1=8/π2(約81[%])の補償が行える。そこで、補償量演算手段73は、図2(b)と図2(c)の時間積分値が一致するように、図2(c)の1次成分振幅を π2/8 倍して振幅を設定することで、時間積分値の誤差が少なく、特定次数調波による騒音への影響を軽減し、同時に起動性向上、制御性改善・高効率化が行える。また、補償量演算手段73は、前記補償量特定次数成分算出手段71が算出したデッドタイム誤差電圧の時間積分値とデッドタイム誤差電圧の少なくとも1つ以上の特定次数成分の時間積分値の和が等しくなるようにデッドタイム補償電圧を作成することで、デッドタイム補償電圧の含有高調波に起因する騒音を低減することができる。
また、モータデバイス、アプリケーションによっては、騒音が発生する高調波の次数が定まっており、且つ可能な限りデッドタイムの影響による電流リップルを低減したい場合がある。この場合、1次以外のデッドタイム補償成分は約19%であるので、騒音が問題となる次数を除いた残りの次数を組み合わせてデッドタイム補償を行えばよい。数14に関して、次数成分を組み合わせて補償を行うことで、低騒音かつ高効率なデッドタイム補償が行える。
また、3n次成分は実際のデッドタイム補償に寄与しない。数17に、3次の場合のデッドタイム補償電圧を示す。
Figure 0004722002
ここでA=−4・fc・Td・Vdc、x=θ−αxとおき、数17に数18のような3相2相変換を施すと、数19のα・β軸電圧成分が得られる。
Figure 0004722002
Figure 0004722002
次に、数20または数21に示す回転座標変換を施すと、数22のd・q軸電圧成分が得られ、結果両成分とも0となる。
Figure 0004722002
Figure 0004722002
Figure 0004722002
3次の倍数も同様に導出でき、デッドタイム補償に寄与しないことが分かる。以上より、補償量演算手段73は、デッドタイム誤差電圧の特定次数成分のうち、3n次成分以外の少なくとも1つの奇数次成分を求めてデッドタイム補償を行うことで、計算負荷を軽減させたデッドタイム補償が行える。また、補償量演算手段73は、必要に応じて、デッドタイム誤差電圧の特定次数成分のうち、運転周波数または負荷トルクの大きさまたは出力電圧の大きさまたは母線電圧に対する出力電圧の割合(以後、変調率と称す)に応じて、少なくとも1つ以上のデッドタイム誤差電圧の特定次数成分のうちから、使用する少なくとも1つ以上の次数成分を選択してデッドタイム補償を行うことで、モータデバイス特有の騒音等に対しても低騒音に駆動できる。
図5は、本発明の実施の形態1に係る制御部100のデッドタイム補償の動作を示すフローチャートである。次に、制御部100の動作を図5を参照しながら説明する。
制御部100は、まず、各相の電流値を相電流検出手段10を用いて取得する。また、制御部100は、直流電圧検出手段90を用いて直流電源1の直流電圧を取得する。さらに、外部より周波数指令値を取得する。また、回転子センサがある場合には回転子の位置を検出する。(ステップ501)。次に、制御部100は、取得した相電流と直流電圧と周波数指令値と回転子位置とから相電流の位相と相電圧との位相差αxを演算する(ステップ502)。次に、制御部100は、取得した直流電圧と予め設定されているデッドタイムと周波数とから補償量特定次数成分を算出する(ステップ503)。次に、制御部100は、ステップ502で得られた相電流と相電圧の位相差αxと、ステップ503で得られた補償量特定次数成分を用いてデッドタイム補償量を算出する(ステップ504)。ただし、ステップ504のデッドタイム補償量算出に関して、デッドタイム誤差電圧と補償するデッドタイム補償電圧特定次数成分の時間積分値が一致するようにデッドタイム補償電圧特定次数成分の振幅を調整しても良い。次に、制御部100は、このデッドタイム補償量を周波数指令に基づいて算出した指令電圧に加え、この加算値に基づいてPWM信号を作成する(ステップ505)。次に、制御部100は、PWM信号をインバータ主回路2に出力する(ステップ506)。
以上のように、実施の形態1によれば、3相電圧型PWMインバータ制御方法及び装置は、相電流または相電流の固定子座標系(αβ座標系)上の2軸成分または相電流の回転座標系上の2軸成分または相電流の一般座標系上の2軸成分と直流電圧とデッドタイムとキャリア周波数からデッドタイム誤差電圧の特定次数成分を求めてデッドタイム補償を行うので、新たな装置を付加することなく、相電流のゼロクロス付近においても検出時のハンチング無く、またゼロクロス付近に禁止帯を設けることによる補償性能の劣化なく、精度良くデッドタイム補償が行える。またPWM周波数に依らずに低騒音化が行え、運転周波数や駆動対象モータに対する適用制約が少なく、デッドタイム補償電圧を簡易な方法で生成し、電流リプルが少なく、高効率な運転を実現できるインバータ制御方法・装置を得ることができる。
実施の形態2.
図1では、2相3相変換手段60で得られる各相電圧指令値Vu*〜Vw*に対して、デッドタイム補償成分ΔVu〜ΔVwを加算器74a〜74cを介して各相に加算した後、PWM信号作成手段80によりPWM信号を作成し、PWM信号発生手段81でPWM信号を発生する例を示した。
デッドタイム補償量の演算は、固定子座標系(αβ座標系)から行っても良い。
本実施の形態2では、このデッドタイム補償量の演算を固定子座標系(αβ座標系)から行う場合について説明する。
図6は、本発明の実施の形態2にかかるPWMインバータの制御装置を示す図である。
図6は、図1と比較してデッドタイム補償を行う箇所が異なる
以下、本発明の実施の形態2にかかるインバータのデッドタイム補償方法・装置について実施の形態1と異なる点について図面を参照しながら説明する。
図6では、固定子座標系(αβ座標系)上の電圧指令の2軸成分に対して補償電圧成分を加算することでデッドタイム補償を行う。すなわち図6は、回転座標逆変換手段50で得られたα軸電圧指令Vα*とβ軸電圧指令Vβ*に対して、補償量演算手段71で算出したα軸電圧指令補償成分ΔVα*とβ軸電圧指令補償成分ΔVβ*を加算器76a〜76bを介してαβ軸の各成分に加算することでデッドタイム補償を行う。デッドタイム補償後のαβ軸の各電圧成分Vα**及びVβ**は数23で表せる。
Figure 0004722002
以下、動作について説明する。数7をベースに、数14のようにして得られた各相のデッドタイム補償量を補償量演算手段73において数18の3相2相変換を施し、固定子座標系(αβ座標系)上の2軸成分に変換する。
次に、回転座標逆変換50で得られるα軸電圧指令Vα*、β軸電圧指令Vβ*に対して、加算器76a〜76bを通して補償量各成分を加算し、Vα*'(=Vα*+ΔVα)、Vβ*'(=Vβ*+ΔVβ)を得る。Vα*'、Vβ*'を2相3相変換手段に用い、各相電圧指令Vu*〜Vw*を演算する。以後の動作は実施の形態1と同様である。
以上により、固定子座標系(αβ座標系)上でもデッドタイム補償を行うことができる。なお、数15では1次成分の例を示しているが、数14に示す特定次数成分についても同様の考え方で行える。
実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果に加え、加算器の数は実施の形態1よりも1つ少なくて済む。
実施の形態3.
デッドタイム補償量の演算は、回転座標系(dq座標系)から行っても良い。
本実施の形態3では、このデッドタイム補償量の演算を回転座標系(dq座標系)から行う場合について説明する。
図7は、本発明の実施の形態3にかかるPWMインバータの制御装置を示す図である。
図7は、図1と比較してデッドタイム補償を行う箇所が異なる。
以下、本発明の実施の形態3にかかるインバータのデッドタイム補償方法・装置について実施の形態1と異なる点について図面を参照しながら説明する。
図7では、回転座標系又は一般座標系上の電圧指令の2軸成分に対して補償電圧成分を加算することでデッドタイム補償を行う。すなわち図7は、電圧指令演算手段40で得られたd軸電圧指令Vd*(またはγ軸電圧指令Vγ*)とq軸電圧指令Vq*(またはδ軸電圧指令Vδ*)に対して、補償量演算部70で算出したd軸電圧指令補償成分ΔVd*(またはγ軸電圧指令補償成分ΔVγ*)とq軸電圧指令補償成分ΔVq*(またはδ軸電圧指令補償成分ΔVδ*)を加算器75a〜75bを介してd軸電圧・q軸電圧(またはγ軸電圧・δ軸電圧)の各成分に加算することでデッドタイム補償を行う。デッドタイム補償後のdq軸(γδ軸)の各電圧成分Vd**(Vγ**)及びVq**(Vδ**)は数24・数25で表せる。
Figure 0004722002
Figure 0004722002
以下、動作について説明する。数7をベースに、数14のようにして得られた各相のデッドタイム補償量を補償量演算手段73において数18の3相2相変換を施し、固定子座標系(αβ座標系)上の2軸成分に変換する。
次に、数18によって得られたα軸電圧指令Vα*、β軸電圧指令Vβ*に数20の回転座標変換を施し、補償量成分を回転子座標系上の2軸成分に変換する。電圧指令演算手段40で得られたd軸電圧指令Vd*、q軸電圧指令Vq*に対して、加算器75a〜75bを介して補償量の各成分を数24のように加算することで、回転座標系上でもデッドタイム補償を行うことができる。
また、デッドタイム補償量の演算は、一般座標系(γδ座標系)から行っても良い。実際の回転子位置に対して、Δθだけ位相差を持ってインバータが回転しているような位置センサレス制御の場合に関しても、数21のように回転子位置に対する制御位置のずれΔθ分を考慮し、同様な手法で行える。電圧指令演算手段40で得られたγ軸電圧指令Vγ*、δ軸電圧指令Vδ*に対して、加算器75a〜75bを介して補償量の各成分を数25のように加算することで、一般座標系上でもデッドタイム補償を行うことができる。また、Δθを考慮することで、加減速時にも高精度にデッドタイム補償を行える。また、アプリケーションや運転状態によっては、Δθを無視して行っても良い。
実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果に加え、加算器は実施の形態1よりも1つ少なくて済む。
実施の形態4.
デッドタイム補償量の演算は、電圧指令から行っても良い。
本実施の形態4では、このデッドタイム補償量の演算を電圧指令から行う場合について説明する。
図8は、本発明の実施の形態4にかかるPWMインバータの制御装置を示す図である。
図8は、図1と比較してデッドタイム補償を行う箇所が異なる。
以下、本発明の実施の形態4にかかるインバータのデッドタイム補償方法・装置について実施の形態1と異なる点について図面を参照しながら説明する。
図8では、デッドタイム補償成分を考慮して電圧指令V**を作成する。デッドタイム補償前の電圧指令V*は数26のように表せる。
Figure 0004722002
以下、動作について説明する。
図8は、電圧指令演算手段40において、d軸電流Id(またはγ軸電流Iγ)、q軸電流Iq(またはδ軸電流Iδ)と周波数指令ωe*と直流電圧値Vdcの情報から各種ベクトル制御を行うことで得られたdq軸又はγδ軸のいずれかの電圧成分より数26を計算して得られる電圧指令V*に対し、補償量演算部70が数27を用いて算出した電圧指令補償成分ΔV*を用いて電圧指令値V**を作成する。デッドタイム補償後の電圧指令値V**は数28で表せる。上記ように補償された各電圧成分又は電圧指令を用いてPWMを作成し出力する。
Figure 0004722002
Figure 0004722002
インバータ制御で良く用いられる空間ベクトル変調等のPWM方式では、数26で得られた電圧指令V*に基づいてPWM信号を作成するので、電圧指令V*に対して補償量を加算する方が制御アルゴリズム上都合が良い場合がある。よって、 本実施の形態4によれば、回転座標系上又は一般座標系上で得られた2軸補償量成分を数27のような電圧指令の補償量成分ΔV*として算出し、数28で指令電圧を計算することで、より柔軟に各種変調方式に対応することができる。
また、本実施の形態4によれば、 実施の形態1と同様の効果に加え、加算器は不要である。
本発明の実施の形態1にかかるPWMインバータの制御装置を示す図である。 本発明の実施の形態1〜2による任意の相電圧指令と相電流の位相差の位置関係、デッドタイムによる誤差電圧の例およびフーリエ級数展開により求めた誤差電圧の1次成分を補償する補償電圧パターンの例を示す図である。 本発明の実施の形態1〜2によるフーリエ級数展開を行う周期関数(デッドタイム誤差電圧)の例を示す図である。 本発明の実施の形態1〜2によるデッドタイム補償電圧のU相電圧成分の例を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかるPWMインバータの制御部の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2にかかるPWMインバータの制御装置を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかるPWMインバータの制御装置を示す図である。 本発明の実施の形態4にかかるPWMインバータの制御装置を示す図である。
符号の説明
1 直流電源、2 インバータ主回路、3a〜3c 電流検出手段、4a〜4f スイッチング素子、5a〜5f ダイオード、6 電動機、10 相電流検出手段、20 3相2相変換手段、30 回転座標変換手段、40 電圧指令演算手段、50 回転座標逆変換手段、60 2相3相変換手段、70 デッドタイム補償部、71 補償量特定次数成分算出手段、72 位相差検出手段、73 補償量演算手段、74a〜74c 加算器、75a〜75b 加算器、76a〜76b 加算器、80 PWM信号作成手段、81 PWM信号発生手段、90 直流電圧検出手段、100 インバータ制御部、113〜115 加算器、116 PWMパルス演算器、117 電圧指令演算器、121・131・141 比較器、122・132・142 補償量演算器、123・133・143 乗算器、124・134・144 積分器、151 周波数設定器。

Claims (15)

  1. 直流電源とスイッチング手段とを有する電圧形PWMインバータの、前記直流電源の電圧を検出する直流電圧検出手段と、
    前記電圧形PWMインバータの各相の出力電流を検出する電流検出手段と、
    前記直流電圧検出手段の出力と前記電流検出手段の出力に基づいて前記スイッチング手段のアーム短絡防止用のデッドタイムに起因する、前記電圧形PWMインバータの電圧指令と出力電圧との間の誤差電圧を補償するための補償量を生成するデッドタイム補償部と、
    周波数指令と前記直流電圧検出手段の出力と前記電流検出手段の出力に基づいて電圧指令を算出する電圧指令演算手段と、
    この電圧指令演算手段の出力と前記デッドタイム補償部の出力とに基づいてPWM信号を作成するPWM信号作成手段と、
    このPWM信号作成手段によって得られたPWM信号を発生するPWM信号発生手段と、を備え、
    前記デッドタイム補償部は、前記電流検出手段の出力に基づいて相電圧と相電流の位相差を算出する位相差検出手段と、
    前記スイッチング手段のキャリア周波数と前記直流電圧検出手段の出力と予め定めたデッドタイムとに基づいてデッドタイム誤差電圧の特定次数成分を算出する補償量特定次数成分算出手段と、
    前記位相差検出手段の出力と前記補償量特定次数成分算出手段の出力に基づいて前記補償量を生成する補償量演算手段とを備え
    前記補償量演算手段は、前記補償量特定次数成分算出手段が算出したデッドタイム誤差電圧の時間積分値とデッドタイム誤差電圧の少なくとも1つ以上の特定次数成分の時間積分値の和が等しくなるように使用するデッドタイム誤差電圧の各次数成分の振幅を設定することを特徴とするPWMインバータ制御装置。
  2. 前記電流検出手段が検出した相電流を固定子座標系(αβ座標系)上の2軸成分に変換する3相2相変換手段を備え、
    前記位相差検出手段は、前記3相2相変換手段の出力と前記直流電圧検出手段の出力に基づいて相電圧と相電流の位相差を算出することを特徴とする請求項1記載のPWMインバータ制御装置。
  3. 前記電流検出手段が検出した相電流を回転子の電気角周波数と同一周波数で回転する座標系上における相電流の2軸成分に変換する回転座標変換手段を備え、
    前記位相差検出手段は、前記回転座標変換手段の出力と前記直流電圧検出手段の出力に基づいて相電圧と相電流の位相差を算出することを特徴とする請求項1記載のPWMインバータ制御装置。
  4. 前記電流検出手段が検出した相電流をインバータの出力電圧と同一周波数で回転する座標系上における相電流の2軸成分に変換する回転座標変換手段を備え、
    前記位相差検出手段は、前記回転座標変換手段の出力と前記直流電圧検出手段の出力に基づいて相電圧と相電流の位相差を算出することを特徴とする請求項1記載のPWMインバータ制御装置。
  5. 前記補償量演算手段は、前記補償量特定次数成分算出手段が算出したデッドタイム誤差電圧の少なくとも1つ以上の特定次数成分を用いてデッドタイム補償電圧を作成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のPWMインバータ制御装置。
  6. 前記補償量演算手段は、前記補償量特定次数成分算出手段が算出したデッドタイム誤差電圧の特定次数成分のうち、3n(nは正の整数)次成分以外の少なくとも1つの奇数次成分を求めてデッドタイム補償を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のPWMインバータ制御装置。
  7. 前記補償量演算手段は、前記補償量特定次数成分算出手段が算出したデッドタイム誤差電圧の特定次数成分のうち、運転周波数または負荷トルクの大きさまたは出力電圧の大きさまたは変調率に応じて、少なくとも1つ以上のデッドタイム誤差電圧の特定次数成分のうちから、使用する少なくとも1つ以上の次数成分を選択してデッドタイム補償を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のPWMインバータ制御装置。
  8. 前記電圧指令演算手段からの各相電圧指令に対して前記補償量演算手段のデッドタイム補償量の各相成分を加算する加算手段を備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のPWMインバータ制御装置。
  9. 前記デッドタイム補償部は、インバータの出力電圧と同一周波数で回転する座標系上の2軸電圧指令に対してデッドタイム補償量の各軸成分を加算することを特徴とする請求項4に記載のPWMインバータ制御装置。
  10. 前記請求項1〜のいずれかに記載のPWMインバータ制御装置を備えたことを特徴とする冷凍空調装置。
  11. 直流電圧と、この直流電圧から電圧形PWMインバータによって得られた交流出力電流とに基づいて前記電圧形PWMインバータのスイッチング手段のアーム短絡防止用のデッドタイムに起因する、前記電圧形PWMインバータの電圧指令と出力電圧との間の誤差電圧を補償するための補償量を生成するデッドタイム補償ステップと、
    周波数指令と前記直流電圧と前記交流出力電流に基づいて電圧指令を算出する電圧指令演算ステップと、
    この電圧指令演算ステップによって得られた電圧指令と前記デッドタイム補償ステップによって得られた補償量とに基づいてPWM信号を作成するPWM信号作成ステップと、
    このPWM信号作成ステップにより作成されたPWM信号を発生するPWM信号発生ステップと、
    を備え、
    前記デッドタイム補償ステップは、前記直流電圧と、前記電圧形PWMインバータの出力電流とに基づいて相電圧と相電流の位相差を算出する位相差算出ステップと、
    前記スイッチング手段のキャリア周波数と前記直流電圧と予め定められたデッドタイムとに基づいてデッドタイム誤差電圧の特定次数成分を算出する補償量特定次数成分算出ステップと、
    前記位相差算出ステップの出力と前記補償量特定次数成分算出ステップの出力に基づいて前記補償量を生成する補償量演算ステップとを備え
    前記補償量演算ステップにおいて、前記補償量特定次数成分算出ステップで算出したデッドタイム誤差電圧の時間積分値とデッドタイム誤差電圧の少なくとも1つ以上の特定次数成分の時間積分値の和が等しくなるように使用するデッドタイム誤差電圧の各次数成分の振幅を設定することを特徴とするPWMインバータ制御方法。
  12. 前記位相差検出ステップにおいて、相電流を固定子座標系(αβ座標系)上の2軸成分と前記直流電圧に基づいて相電圧と相電流の位相差を算出することを特徴とする請求項11記載のPWMインバータ制御方法。
  13. 前記位相差検出ステップにおいて、相電流を回転子の電気角周波数と同一周波数で回転する座標系上における相電流の2軸成分と前記直流電圧に基づいて相電圧と相電流の位相差を算出することを特徴とする請求項11記載のPWMインバータ制御方法。
  14. 前記位相差検出ステップにおいて、相電流をインバータの出力電圧と同一周波数で回転する座標系上における相電流の2軸成分と前記直流電圧に基づいて相電圧と相電流の位相差を算出することを特徴とする請求項11記載のPWMインバータ制御方法。
  15. 前記補償量演算ステップにおいて前記デッドタイム誤差電圧の少なくとも1つ以上の特定次数成分を用いてデッドタイム補償電圧を作成することを特徴とする請求項1114のいずれかに記載のPWMインバータ制御方法。
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