JP4721609B2 - シールド画像作成方法およびそれによる画像保有体 - Google Patents

シールド画像作成方法およびそれによる画像保有体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールド画像作成方法およびそれによる画像保有体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近のコンピュータによる情報の拡大は驚異的なものがあり、近年はビル全体が情報の発信、受信の集合体として構成されている、いわゆるインテリジェントビルなども多く建設されている。また、電子機器類の市場拡大も目覚ましく、特にパソコンや携帯電話などは、その至便性の点から普及の速度も著しいものがある。
しかしながら、一方これら電子機器類による不具合も増加してきている。
【0003】
特に、電子機器類から発せられる電磁波による各種の不具合は、電子機器類同士の誤動作発生などのトラブルの他に、人体への影響は深刻な問題を提起している。一方、外部からの光線による窓ガラス面や電子画像表示装置のディスプレー画面などによる反射(いわゆる写り込み)は、直接視覚に対する負荷となり、色々な視覚障害の原因となっている。勿論、従来でも、これに対する対策がなされていないわけではない、即ち、AGコート(Antiglare Coat)やARコート(Anti−Reflection Coat)を塗布することにより、この反射光をある程度防止することができるが、ディスプレーとしての画像情報機能は十分満足し得ない。
【0004】
また、インテリジェント ビルなどの窓や仕切に使用する部材(窓ガラス、仕切板、壁紙など)は、電磁波による障害を避けるためにシールド材として金属ネット入りの部材などを使用している。しかし金属ネット入りの部材はそれ自体高価であるばかりか、ネットの大きさにも制限があり、必ずしも十分なシールド効果がえられているとは言えない。
【0005】
これらに対する対策として、本出願人の出願になる特願2001−183066号、2001−149291号がある。これらの技術は、従来のシールドに対し極めて効果的ではあるが、より高いシールド効果を期待するためには、必ずしも十分とは言えない。このためには、導電性をより高めるための対策が望まれている。
【0006】
また一方、従来ICや電気制御玩具などの電気回路配線は、基本的に平板状の基板にプリント配線されており、色々な表面に対してプリント配線されている例はない。曲面に対するプリント配線が容易にできれば、プリント配線の自由度が増し、可成りの至便性を得ることができる。
【0007】
また、昨今のIC基板はその集積度が極めて高くなり、従って、その配線の線幅も極めて小さなものとなっている。また、従来IC用の電気回路配線は、基本的にはメッキ法を用いて製作されており、これは昨今の環境問題から、メッキ排水に対する規制がより厳しくなり、このメッキ法を他の手段によるものへ転換することが図られている。その対策の1つとして導電性粉体を充填した印刷インキによる印刷法が注目されてきている。しかしながら、導電性粉体を充填した印刷インキは、十分な導電性を確保するための充填量と、極端な線幅に対する良好な印刷精度を得るための充填量とが相反しており、この両者を十分に確保する印刷インキは未だ実現されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述のごとく、パソコンや携帯電話などの電子画像表示装置としてのディスプレー画面は、前記のごとく写り込みや漏れ電磁波に対して色々の手段がとられてきてはいるが、これらの手段では必ずしも十分とは言えない。従って、より効果的なしかも安価なシールド方法乃至はシールド部材が強く求められている。
【0009】
また、前述のごとく、イテリジェント ビルなどに使用される窓ガラス、仕切板、壁紙などのシールド部材は、通常、基本的に金属線(主として、銅線)を埋め込むことによるシールド効果を期待している。しかし、この金属線埋め込みの部材は、価格の面、効果の点から必ずしも市場の要求を十分に満足していない。
【0010】
また、従来ICや電気制御玩具などの電気回路は、その製作上の点から、殆んどが平板状の基板に構成されており、スペースが限定され、複雑な形状内に配設しようとしても、自ずから可成りの制約を受けていた。従って、スペースを考慮された色々な形状の表面へのプリント配線が可能となれば、この設計の自由度は大幅に改善される。このため、この色々な形状の表面へのプリント配線技術が強く望まれていた。また、メッキ法に替わるIC用の回路配線手段の要求が極めて強くなっている。
本発明は、これらに鑑み、電磁波に対するシールドおよび/または反射光の防止のための技術、並びに色々な形状の表面へのプリント配線、およびメッキ法に替わるプリント配線の技術を、安価に、且つ効果的手段により提供するところにその目的がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のシールド画像作成方法は次の構成よりなる。
1)予め粘度を調質された印刷用インキまたは磁性インキに添加剤として有機酸またはその誘導体を添加量0.1〜2wt%含む、接着媒体により、連続的に形成された二等辺三角形、正三角形、等辺四角形、正方形、等辺六角形または正六角形のいずれか1より選ばれたものであり、且つ、画像の色相が、マンセル色相環の5GY〜5R(Bを含む側)の範囲においては明度6以下、彩度9以下、5BG〜5PB(Bを含む側)の範囲においては明度8以下、彩度10以下の範囲であり、且つ線幅tが2〜30μmであり、明度3以下での領域においては内接円直径dと線幅tとの比Aが10〜30である画像を被画像面または該面に貼付するフィルムシート状部材に作画印刷する工程と、
画像として構成された接着媒体に、平均粒度が0.05μm以上、μm以下である、導電性粉体乃至磁性粉体、または該導電性粉体乃至磁性粉体を含む粉体を均一に接着させる工程と、
前記粉体面を加圧手段により前記接着または転写された導電性粉体乃至磁性粉体、または該導電性粉体乃至磁性粉体を含む粉体による線分の見掛けの厚さhoを圧縮比50〜80%圧縮する加圧処理し、粉体間の接触率を増加させる工程と、
前記接着媒体を乾燥して導電性粉体乃至磁性粉体、または該導電性粉体乃至磁性粉体を含む粉体を、被画像面または該面に貼付するフィルムシート状部材に定着せしめる工程よりなるものである。
【0014】
2)上記1)において、前記導電性粉体を、Cu、Ti、Fe、Co、Ni、Mg、Au、Ag、Pd、C、またはそれらの各合金のうちの少なくとも1種を含むものとしたものである。
【0015】
3)上記1)または2)において、前記導電性粉体乃至磁性粉体がアモルファス粉体である。
さらに、4)上記1)において、前記平均粒度を、前記画像における線分の線幅tの10〜50%としたものである。
【0017】
また、本発明の画像保有体は次の構成を有す。
5)上記1乃至4)のいずれかのシールド画像作成方法にて作成され、且つ、前記被画像面を紙または/および布としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1における工程順を示す流れ図である。
OP1において被印刷体である被画像表面または、表面に貼付すべきフィルムシート部材に接着媒体として印刷インキ、例えばUV型印刷インキ(粘度約200P)を用い、通常の印刷法、即ちパッド印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法または凸版印刷法などにより印刷画像を印刷する。この場合、本出願人の出願になる特許第2961153号による曲面印刷方法を利用するのが高精度印刷を得るのに有利である。また、印刷媒体として塗料または接着ボンドを使用することもできる。
【0019】
前記印刷画像は、連続的に形成された二等辺三角形、正三角形、等辺四角形、正方形、等辺六角形または正六角形のいずれか1より選ばれたものとすることにより、視野に歪みの生じない透過可視であって、且つ電磁波および反射光に対するシールド効果を得ることができる。特に、印刷画像として、等辺四角形のうち小交角60°の菱形画像はモアレ干渉縞が生じ難く好ましい。
【0020】
前記の印刷画像における線分の線幅tは2〜100μm、線厚みhは0.5〜50μm程度が好ましい。線幅tが2μm以下では印刷技術的に難があり、実質精度の良い印刷は得られない。また100μm以上では、全体が暗視野となり思わしくない。
また、前記線分の線厚hは、前記線幅tと接着媒体としての印刷インキの粘度により、概ね或る値範囲に入ってくるが、実質的には0.5〜50μm程度が好ましい。線厚hが0.5μm以下であると、後述の粉体との接着性が十分でなく粉体の良好な支持という点で好ましくない。また、50μm以上では、逆に接着される粉体の層が必要以上に厚くなり思わしくない。
【0021】
OP2の工程は、前記印刷面が半乾き状態において、導電性粉体乃至磁性粉体、または該導電性粉体乃至磁性粉体を含む粉体を加圧吹きつけ法等により噴霧し、前記印刷画像面に付着せしめる工程である。導電性粉体乃至磁性粉体の付着量は、粉体の数層が画像面に構成される程度が好ましい。
OP3は、本発明の最も特徴とすべき工程であって、前記付着された導電性粉体乃至磁性粉体の粒子間の加圧処理により接触率を増加させるための工程であって、付着面をローラまたはパッド等を用いて加圧処理する。なお、この際ローラーまたはパッドに微細な高周波振動を与えても良い。
【0022】
OP4は、導電性粉末を被画像表面または表面に貼付すべきフィルム状シート面に固着する工程であり、自然乾燥または紫外線照射によるUV乾燥などにより印刷インキ面を乾燥固定する。
OP5では、乾燥を完了した表面を、水、エアー、ブラッシング等による洗浄し、同面を所要の画像面のみを残す清浄な面として仕上げる。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態1に使用する画像の1実施例であり、図において1は連続に形成された正六角形模様の画像、2は画像により囲まれた非画像面、3は前記画像に内接する内接円を示し、d1はその直径である。この1実施例における画像は印刷用インキにて印刷され、この場合の線幅は約20μm、内接円の直径は約100μmである。線の色相は、マンセル色相環5GY〜5R(Bを含む側)の範囲においては、明度6以下、彩度9以下、また、5BG〜5PB(Bを含む側)の範囲においては、明度8以下、彩度10以下の範囲であり、非印刷部の透過性および反射光防止効果の点から好ましいものである。
【0024】
図3は、本発明の実施の形態1の線分としての印刷に使用される、印刷インキの色相範囲をマンセル色相環で示した図である。色相範囲は、マンセル色相環5GY〜5R(Bを含む側)の範囲においては、明度6以下、彩度9以下、また5BG〜5PB(Bを含む側)の範囲においては、明度8以下、彩度10以下であり、インキの性状はUV乾燥型などの印刷用インキである。
【0025】
さらに、追加確認試験の結果により、色相範囲がマンセル色相環の明度が3以下の黒色に近い、または暗色の領域においては、殆どの色相において線幅tは2〜30μm、内接円直径dと線幅tとの比Aは10〜30程度でないと概ね暗視野となり透過可視が困難になることが確認された。但し、内接円直径dは700μm以下であることが望ましく、これ以上では写り込みおよび透過磁界強度に対するシールド効果が十分でなくなる。
【0026】
また、本発明で使用される導電性粉体は、良好な導電性を有するものであれば如何なるものも使用可能であるが、特にCu、Ti、Fe、Co、Ni、Mg、Au、Ag、Pd、Cより選択された粉体が望ましく、特に、取り扱い、効果の点からC粉体、より良い導電性の点からはAg粉体、後処理として該画像面に無電解メッキを求められるような場合にはPd粉体が好ましい。また、平均粒度は0.05〜10μm程度が好ましい。これは0.05μm以下ではその作業性が極めて悪くなり、また10μm以上では粒子間接触が思わしくない。
【0027】
また、平均粒度0.5μm以下の粉体を使用する場合は、特に粉体を印刷画像面に効率的に付着せしめるため、印刷インキとしては磁性イオンを含む磁性インキを使用し、電流注入や光照射などにより画像線分に磁化を発生させ、粉体の吸着を効果的にさせることが好ましい。
【0028】
また、本発明における磁性粉体は、良好な磁気シールド効果を期待するためには、比較的透磁率μの高い材料を使用することが望ましい。透磁率μの高い材料として、純鉄、Si、Al、Fe2 4 系、Al・Si系などを使用することが好ましい。
【0029】
図4は、本発明の実施の形態1の曲面にプリント配線された実施例2を示す参考図であり、5はボビン、6はプリント配線である。
本実施例2は、モジュール型ロボットキット用のボビン(外径30mm、内径29.7mm、長さ110mm)の外径面にプリント配線をしたものである。導電性粉末材料はAg(平均粒径3μm)であり、平均線幅は約30μmである。加圧処理は4フッ化エチレン樹脂製ローラーでマニアルにより行った。
該プリント配線による回路は、所定の制御を実効するのに十分なものであることを確認した。
【0030】
図5は、実施例3に用いた等辺四角形(菱形)の画像面を示す図である。
実施例3として、携帯電話器(シャープ(株)J−SH05型、消費電力8VA、出力DC5.6/500mA、最大出力0.8W)のディスプレー画面に貼付するフィルムシート部材(ポリプロピレン厚さ0.1mm)に対して、オフセット印刷法により連続する等辺四角形(小交角60゜菱形)をオフセットインキを用いて印刷した。線幅は、約20μm、内接円の直径は約100μmおよび500μmとした。この印刷面に平均粒径0.2μmのNi粉末を散布し、乾燥前にパッドによる加圧処置をした。その後24時間の自然乾燥を行った。
加圧による効果は明らかであり、加圧により電気抵抗値は約10分の1に減少した。また、最終の線の色相は、マンセル色相環5PB5/5程度である。これによる写り込みによる反射光防止効果は内接円の直径約100μmおよび500μmのいずれの場合にも認められた。また、ディスプレ画面からの電磁波に対するシールド効果は、絶対値はばらついているが、アベレージとしてその効果がいずれの場合にも確認された。
【0031】
実施例4として、上記携帯電話器に用いた凸版用インキに0.1、1、2および5wt%の有機酸(アジピン酸)を加えものにより、前記と同じ工程により連続する実施例3と同様の等辺四角形(小交角60゜菱形)画像を印刷した。それに、Ni粉末を散布、加圧処理を行い、その後24時間の自然乾燥を行った。線分の電気抵抗値は有機酸の添加量と共に減少し、2wt%では添加しない場合の約40%となった。これは、有機酸により粒子表面の活性化が改善され、粒子間の接触が好ましい方向になったためと思われる。ただ、添加量が5wt%になると作業上に思わしくなかった。添加量は0.1〜2wt%程度が好ましい。
【0032】
また、本発明の実施例5として、標準的な市販の壁紙の裏面に、UV型印刷インキ(有機酸1wt%添加)を用いて、線幅約20μm、内接円の直径約100μmおよび500μmの連続した等辺四角形(菱形)の画像をオフセット印刷した。直ちに、Ti粉末(平均粒径約2μm)を画像面に自然散布し、更に4フッ化エチレン樹脂製ローラーによる加圧処理後UV乾燥し、Ti粉末を定着した。
【0033】
これを同じ紙の裏面に線径0.1mm、10メッシュの銅線ネットを、2液性エポキシ樹脂接着剤を用いて接着したサンプル品と比較した。本実施例は価格的に約30%であるにも拘わらず、シールド性能は内接円の直径約100μmおよび500μmのいずれの場合も略同一であった。屈撓性は本実施例では原紙に比較して殆ど差がないが、サンプル品では大幅に劣化した。
【0034】
上述のごとく、本発明におけるシールド画像保有体は、ガラス、合成樹脂で構成されたディスプレー画面、ガラスや合成樹脂で構成された窓ガラス、仕切板、紙および/布で構成された壁紙や仕切部材、およびICや電気制御玩具の構成部材などである。
【0035】
本発明の実施例6として、前記実施例2におけるモジュール型ロボットキット用のボビン(外径30mm、内径29.7mm、長さ110mm)の外径面にプリント配線を、導電性粉末Ag(粒度約0.05〜0.3μm)、平均線幅約30μmとし、実施例2と比較した。加圧処理条件は実施例2と同様とし4フッ化エチレン樹脂製ローラーにより行った。
実施例2に比較して作業性はかなり悪く、特に、加圧処理後の非画像部における余剰粉体の除去に難が生じた。粒度の限界は上記程度と思われる。しかしながら、プリント配線としての回路抵抗は15%以上の改善が認められた。
【0036】
また、印刷インキとしては磁性イオンを含む磁性インキを使用し、電流注入により磁化を発生させることにより、散布粉体の吸着に改善効果が認められた。
【0037】
[実施の形態2]
本実施の形態2においては、図1におけるOP1の画像作画工程において、透明フィルムシート部材への画像印刷を帯電ドラム方式により印刷した。粉体としてAg粉(平均粒度5μm)をトナーとして使用し、画像は図2の画像に準じ、線幅は約20μm、内接円の直径は約100μmである。定着は加圧および熱により行った。写り込みおよび透過磁界強度に対するシールド効果は、ほぼ実施例1と同等の効果が得られた。
【0038】
[実施の形態3]
図6は、本実施の形態3の加圧処理の状態を示す断面参考図であり、図6a)は導電性粉体を接着または転写した状態の断面参考図、図6b)はローラなどの加圧手段により加圧処理後の状態を示す断面参考図である。
図において、10はベース基板、20は導電性粉体、30は接着媒体、dは導電性粉体の平均粒径、h0 は加圧処理前の線分の見掛け厚さ、hは加圧処理後の線分の見掛け厚さである。
図7は、本実施の形態3の加圧処理後の線分の平面参考図であり、10はベース基板、20は導電性粉体、30は接着媒体、dは導電性粉体の平均粒径、tは接着媒体による配線の線幅である。
【0039】
従来、導電性粒体を充填して構成された充填インキでは、良好導通は約充填量80%vol以上でないと得られない。しかし充填インキを使用したスクリーン法、グラビア法などによる印刷可能な線幅限界は約40〜50μmであり、これより細い線幅は期待できない。本発明はこの線幅限界を5〜10μmとして、且つ十分な導電性が得られるものとして発明されたものである。
【0040】
本実施の形態3においては、線幅を固定し、導電性粒体(Ag粉体)の平均粒度との線幅tとの関係、それを加圧処理することによる導通の改善について試験した。
ベース基板:セラミックス板(Al2 3 )100mm×100mm×1mm
接着媒体:印刷用UVインキ
導電性粉体:Ag粉体
平均粒度 :2、5、10、20μm
印刷パターン:線幅10μm、線厚5μm、線長さ10mmの線分を線間距離0.5mm、平行配線数20本で印刷。
加圧処理:印刷パターン上に試料Ag粉体を散布し、散布後見掛け厚さ約100μmの粉体層を4フッ化エチレン樹脂製ローラにて加圧し、加圧後の見掛け厚さが約80μm、50μm 20μm(圧縮比各20%、50%、80%)に成るよう圧縮した。なお、加圧処理なし(圧縮比0%)試料を参考資料として用意した。
定着処理:加圧処理後24時間の自然乾燥により定着処理し余剰粉体をブロアにて除去した。
前記印刷パターンの両サイドを0.1mm幅、厚さ10μmのCuラインで連結結合し、両サイド間における導通比較試験を行った。
【0041】
図8は導通比較試験結果を示す図である。
図において、×は導通なし(電気抵抗∞)、△は導通極めて悪い、□は導通悪い、○は導通良好の状態を示す。
比較試験の結果、加圧処理のない状態ではいずれも導通0であり、また平均粒度20μmでは、殆んど導通を認められない。平均粒度2μm、5μmのものは加圧処理圧縮比50%以上では良好な導通を示しているが、圧縮比20%では導通は十分ではない。平均粒度10μmのものでは加圧処理しても十分な導通を期待することはできない。この結果より、導通を期待するためには、導電性粉体は印刷線分の線幅の50%以下の平均粒度を有するものであることが必要であり、且つ、加圧処理により散布厚み(見掛け厚み)の半分以下に圧縮することが必要であることがわかった。
【0042】
なお、本実施の形態3においては、粉体材料はAg、線分条件としての線幅、線厚、印刷インキを固定しており、これらが変わる実施の態様においては、結果としての好ましい条件が多少異なるであろうことは留意すべきであろう。
本発明は、前記実施の態様に示された条件のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を満たすものであれば、如何なるものでももよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、1)予め粘度を調質された印刷用インキまたは磁性インキに添加剤として、有機酸またはその誘導体を添加量0.1〜2wt%含む、接着媒体により、連続的に形成された二等辺三角形、正三角形、等辺四角形、正方形、等辺六角形または正六角形のいずれか1より選ばれたものであり、且つ、画像の色相が、マンセル色相環の5GY〜5R(Bを含む側)の範囲においては明度6以下、彩度9以下、5BG〜5PB(Bを含む側)の範囲においては明度8以下、彩度10以下の範囲であり、且つ線幅tが2〜30μmであり、明度3以下での領域においては内接円直径dと線幅tとの比Aが10〜30である画像を被画像面または該面に貼付するフィルムシート状部材に作画印刷する工程と、
画像として構成された接着媒体に、平均粒度が0.05μm以上、5μm以下である、導電性粉体乃至磁性粉体、または該導電性粉体乃至磁性粉体を含む粉体を均一に接着させる工程と、
前記粉体面を加圧手段により前記接着または転写された導電性粉体乃至磁性粉体、または該導電性粉体乃至磁性粉体を含む粉体による線分の見掛けの厚さhoを圧縮比50〜80%圧縮する加圧処理し、粉体間の接触率を増加させる工程と、
前記接着媒体を乾燥して導電性粉体乃至磁性粉体、または該導電性粉体乃至磁性粉体を含む粉体を、被画像面または該面に貼付するフィルムシート状部材に定着せしめる工程よりなるシールド画像作成方法により、ディスプレー画面やインテリジェント ビルなどの窓ガラス、仕切などにおける反射光、写り込みの防止、電磁波の遮断効果や、色々な形状の表面への画像作成を期待することができる。
【0044】
2)さらに、前記粉体面を加圧手段により前記接着または転写された導電性粉体乃至磁性粉体、または該導電性粉体乃至磁性粉体を含む粉体による線分の見掛けの厚さhoを圧縮比50〜80%圧縮する加圧処理することにより、安価で、且つ確実にディスプレー画面やインテリジェント ビルなどの窓ガラス、仕切などにおける反射光、写り込みの防止、電磁波の遮断効果や、色々な形状の表面へのより良い画像作成を期待することができる。
【0045】
さらに、3)上記1)乃至2)において、前記導電性粉体を、Cu、Ti、Fe、Co、Ni、Mg、Au、Ag、Pd、C、またはそれらの各合金のうちの少なくとも1種を含むものとしたことにより、より確実に電磁波の遮断効果を期待することができる。
【0046】
本発明のシールド画像作成方法は、
4)上記1)乃至3)において、前記導電性粉体乃至磁性粉体がアモルファス粉体として、さらに、5)上記1)乃至4)において、前記平均粒度を0.05μm以上、5μm以下、前記線分の線幅tを2〜30μmとすることにより、より確実に電磁波の遮断効果、色々な形状の表面への繊細な画像作成を期待することができる。
【0047】
6)上記1)乃至5)のいずれかのシールド画像作成方法にて画像作成され、且つ、前記線分による画像を連続的に形成された二等辺三角形、正三角形、等辺四角形、正方形、等辺六角形または正六角形のいずれか1より選ばれたことにより、且つ、画像の色相が、マンセル色相環の5GY〜5R(Bを含む側)の範囲においては明度6以下、彩度9以下、5BG〜5PB(Bを含む側)の範囲においては明度8以下、彩度10以下の範囲としたことにより、且つ線幅tが2〜30μmであり、明度3以下での領域においては内接円直径dと線幅tとの比Aが10〜30としたことにより、多種多様のディスプレー画面や、インテリジェント ビルなどの窓ガラス、仕切、壁紙などにおいて、安価で且つ確実に、電磁波の遮断効果や、光線の写り込み防止効果を期待することができる。
【0048】
7)上記1)乃至6)のいずれか1項に記載のシールド画像作成方法にて画像作成され、且つ、前記被画像面が紙または/および布とすることにより、環境に優しく、公害発生の少ない、安価で、且つ、色々な形状の表面への画像作成を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例における工程順を示す流れ図である。
【図2】 本発明の1実施例である正六角形の線分として印刷した印刷面を示す図である。
【図3】 本発明に線分としての印刷に使用される、印刷インキの色相範囲をマンセル色相環で示した図である。
【図4】 本発明の他の実施例における斜視参考図である。
【図5】 本発明の実施例3における等辺四角形(60゜菱形)の線分として印刷した印刷面を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態3における加圧処理の状態を示す断面参考図である。
【図7】 本発明の実施の形態3の加圧処理後の線分の平面参考図である。
【図8】 導通比較試験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 印刷された正六角形線分、2 線分に囲まれた正六角形面、3 正六角形の内接円、5 モジュル型ロボットキット用のボビン、6 プリント配線参考図、d1 正六角形の内接円直径、d3 等辺四角形(60゜菱形)の内接円直径、10 ベース基板、20 導電性粉体、30 接着媒体、d 導電性粉体の平均粒径、h0 加圧処理前の線分の見掛け厚さ、h 加圧処理後の線分の見掛け厚さ、t 接着媒体による配線の線幅。

Claims (5)

  1. 予め粘度を調質された印刷用インキまたは磁性インキに添加剤として有機酸またはその誘導体を添加量0.1〜2wt%含む、接着媒体により、連続的に形成された二等辺三角形、正三角形、等辺四角形、正方形、等辺六角形または正六角形のいずれか1より選ばれたものであり、且つ、画像の色相が、マンセル色相環の5GY〜5R(Bを含む側)の範囲においては明度6以下、彩度9以下、5BG〜5PB(Bを含む側)の範囲においては明度8以下、彩度10以下の範囲であり、且つ線幅tが2〜30μmであり、明度3以下での領域においては内接円直径dと線幅tとの比Aが10〜30である画像を被画像面または該面に貼付するフィルムシート状部材に作画印刷する工程と、
    画像として構成された接着媒体に、平均粒度が0.05μm以上、μm以下である、導電性粉体乃至磁性粉体、または該導電性粉体乃至磁性粉体を含む粉体を均一に接着させる工程と、
    前記粉体面を加圧手段により前記接着または転写された導電性粉体乃至磁性粉体、または該導電性粉体乃至磁性粉体を含む粉体による線分の見掛けの厚さhoを圧縮比50〜80%圧縮する加圧処理し、粉体間の接触率を増加させる工程と、
    前記接着媒体を乾燥して導電性粉体乃至磁性粉体、または該導電性粉体乃至磁性粉体を含む粉体を、被画像面または該面に貼付するフィルムシート状部材に定着せしめる工程よりなるシールド画像作成方法。
  2. 前記導電性粉体が、少なくとも、Cu、Ti、Fe、Co、Ni、Mg、Au、Ag、Pd、C、またはそれらの各合金のうちの少なくとも1種を含むものであることを特徴とする請求項に記載のシールド画像作成方法。
  3. 前記導電性粉体乃至磁性粉体がアモルファス粉体であることを特徴とする請求項1または2に記載のシールド画像作成方法。
  4. 前記平均粒度が前記画像における線分の線幅tの10〜50%であることを特徴とする請求項に記載のシールド画像作成方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシールド画像作成方法にて作成され、且つ前記被画像面が紙または/および布であることを特徴とする画像保有体。
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