JP4718868B2 - 熱硬化性樹脂の分解方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱硬化性樹脂、特に熱硬化性樹脂を含むプラスチック廃棄物から有価物を回収するための熱硬化性樹脂の分解方法に関するものである。
従来、プラスチックの廃棄物はその殆どが埋立処分あるいは焼却処理されており、資源として有効活用されていない。また、埋立処分では埋立用地の確保の困難性や埋立後の地盤の不安定化という問題があり、焼却処分では炉の損傷、有害ガスや悪臭の発生、CO排出といった問題がある。このため、容器包装廃棄物法が平成7年に制定され、プラスチックの回収再利用が義務付けられるようになった。さらに、各種リサイクル法の施行に伴ってプラスチックを含む製品の回収リサイクルの流れは加速する傾向にある。
これらの状況に合わせて、近年、プラスチックの廃棄物を再資源化することが試みられており、その一つとして、超臨界水を反応媒体とする反応により、プラスチック廃棄物を分解油化し、有用な油状物を回収する方法が提案されている。また、各種構造材料に使用されている繊維強化プラスチックについては、超臨界水又は亜臨界水を用いてプラスチック成分を分解し、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維を回収し、再利用する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
これらの方法では、プラスチックは分解により低分子化した油状成分となり、これを主に液体燃料として再利用するようにしたものである。また、高温水蒸気による加水分解反応を利用した分解方法も提案されており、この方法で熱可塑性プラスチック及び熱硬化性プラスチックの有機高分子成分を一応、分解することができる。
しかし、上記の各方法では、プラスチックをランダムに分解するため、分解生成物が多種成分からなる油状物質となり、一定品質の分解生成物を得ることが困難であった。このため、ゼオライトに代表される触媒を用いて油質の改質を行うことなどの後処理が必要となってコスト高になり、また、改質した生成油においても灯油や軽油などの石油製品そのものにすることは困難であるので、実用化には至っていない。そして、石油資源の枯渇、二酸化炭素による地球温暖化といった地球環境全体の問題に鑑みると、プラスチックの分解及び再利用の抜本的な対策が必要であるというのが現状である。
特開平8−85736号公報 特開2004−155964号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、熱硬化性樹脂を再度同様な熱硬化性樹脂の原料として再利用できるように分解することができ、しかも高い収率を得ることができる熱硬化性樹脂の分解方法を提供することを目的とするものである。
本発明の熱硬化性樹脂の分解方法は、不飽和ポリエステル部とその架橋部とからなる熱硬化性樹脂に難水溶性のアルカリと水溶性のアルカリとを共存させ、亜臨界水分解により熱硬化性樹脂をモノマーとオリゴマーとに分解するにあたって、前記熱硬化性樹脂が炭酸カルシウムを含有するものであり、かつ前記難水溶性のアルカリとして炭酸カルシウムを用い、さらに前記水溶性のアルカリとして水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、リン酸三カリウムから選ばれる少なくとも一つを用いることを特徴とするものである。
本発明にあっては、熱硬化性樹脂をその熱分解温度未満の温度で亜臨界状態の亜臨界水で処理することによって、熱硬化性樹脂をランダムに分解する率を少なくし、多価アルコール及び有機酸のモノマー又はオリゴマーと、架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する酸の化合物とに分解することができ、分解生成物が多種成分からなる油状物質となるのを防止して一定品質の分解生成物を得ることができる。さらに、難水溶性のアルカリと水溶性のアルカリとを共存させることで、高い収率で多価アルコールと有機酸のモノマー又はオリゴマーを得ることができるものである。
また、炭酸カルシウムを用いることにより、熱硬化性樹脂の加水分解が促進されて処理時間を短縮することができ、しかも、高い収率で多価アルコールと有機酸のモノマー又はオリゴマーを得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明において、分解の対象となる熱硬化性樹脂は、多価アルコール及び有機酸を含む原料より製造された熱硬化性樹脂であり、このような熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げることができる。
さらに、本発明において分解の対象となる熱硬化性樹脂を詳述すると、不飽和ポリエステル部とその架橋部からなる熱硬化性樹脂である。ここで「不飽和ポリエステル部」とは多価アルコールと有機酸である不飽和多塩基酸に由来する部分であり、多価アルコールと不飽和多塩基酸が重縮合して生成される不飽和アルキド樹脂の部分である。また「架橋部」とは上記不飽和アルキド樹脂を架橋する架橋剤に由来する部分である。従って、「不飽和ポリエステル部とその架橋部からなる熱硬化性樹脂」とは、多価アルコールと不飽和多塩基酸からなる不飽和アルキド樹脂が架橋剤により架橋された網状熱硬化性樹脂(網状不飽和ポリエステル樹脂)である。
上記の多価アルコールとしてはエチレングリコールやプロピレングリコール、ジエチレングリコールやジプロピレングリコールなどのグリコール類を例示することができるが、これに限定されるものではない。また、上記の不飽和多塩基酸としては無水マレイン酸やマレイン酸、フマル酸、フタル酸などの脂肪族不飽和二塩基酸を例示することができるが、これに限定されるものではない。さらに、上記の架橋剤としてはスチレンやメタクリル酸メチルなどの重合性ビニルモノマーを例示することができるが、これに限定されるものではない。尚、上記不飽和アルキド樹脂を生成するにあたって有機酸として無水フタル酸などの飽和多塩基酸を不飽和多塩基酸と併用しても良い。
そして、本発明では上記のような不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂(主として熱硬化性のプラスチック廃棄物)に水を加え、温度及び圧力を上昇させて水を臨界点(臨界温度374.4℃、臨界圧力22.1MPa)以下の亜臨界状態にして熱硬化性樹脂を分解処理することにより、不飽和ポリエステル部からその由来のモノマー(多価アルコールと不飽和多塩基酸)を回収すると共に、架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する部分から架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する酸の化合物を回収するものである。すなわち、「架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する酸の化合物」とは架橋剤と不飽和ポリエステル部の不飽和多塩基酸との化合物(反応物)である。
ここで、熱硬化性樹脂と水との配合割合は特に制限されるものではないが、熱硬化性樹脂100質量部に対して水の添加量を500〜1200質量部の範囲にするのが好ましい。また、分解反応の温度(亜臨界水の温度)は、熱硬化性樹脂が加水分解されるが、熱分解する温度未満であり、且つ架橋部及び不飽和ポリエステル部が熱分解する温度未満であることが好ましく、180〜270℃の範囲に設定するのが好ましい。分解反応時の温度が180℃未満であると、分解処理に多大な時間がかかり、処理コストが高くなる恐れがあり、また、分解反応時の温度が270℃を超えると、熱分解の影響が大きくなり、不飽和ポリエステル部とその架橋部が分解されて、架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する酸の化合物を回収することが困難になる恐れがある。
また、分解反応の時間は、反応温度などの条件によって異なり、熱分解の影響が生じない温度以下では1〜4時間程度が好ましいが、この反応時間は短い方が処理コストが少なくなるので、より好ましい。さらに、分解反応(亜臨界水での処理時)の圧力については、特に限定されるものではないが、2〜15MPa程度の範囲が好ましい。
一般に、亜臨界水によるプラスチックの分解処理は、熱分解反応及び加水分解反応によって起こるものであり、多価アルコール及び有機酸を含む原料により製造された熱硬化性樹脂においても同様であるが、亜臨界水を接触させて処理する場合には、加水分解反応が支配的となり、選択的に加水分解反応が起こって、多価アルコール及び有機酸(塩)のモノマーあるいはこれらが複数個結合したオリゴマーに分解されるものである。従って、本発明においても、上記のような熱硬化性樹脂を亜臨界水に接触させて処理することにより、多価アルコールと不飽和多塩基酸及び架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する酸の化合物とに分解することができ、このように熱硬化性樹脂を分解して得られたモノマー又はオリゴマーを回収してプラスチックの製造原料として再利用することができるものである。
ここで、熱硬化性樹脂に難水溶性のアルカリあるいは水溶性のアルカリを添加するなどして共存させた状態で亜臨界水に接触させることで、上記アルカリを共存させない場合に比べて加水分解反応が促進されて反応時間を短縮することができ、これによって熱硬化性樹脂を分解して得られたモノマー又はオリゴマーを回収し、これを熱硬化性樹脂の製造原料として再利用することができるものである。さらに、熱硬化性樹脂に難水溶性のアルカリと水溶性のアルカリとを共存させた状態で亜臨界水に接触させることで、上記加水分解反応の反応時間をより短縮することができ、反応時間が短時間であっても高い収率で多価アルコールと有機酸のモノマー又はオリゴマーを得ることができるものである。
このように難水溶性のアルカリと水溶性のアルカリを用いることにより、熱硬化性樹脂の加水分解反応が両アルカリで促進されて処理時間を短くすることができ、処理コストを少なくすることができるものであり、しかも、超臨界状態に近い高温域においては、熱硬化性樹脂を亜臨界水で処理することにより生成される多価アルコールが、熱硬化性樹脂を亜臨界水で処理することにより生成される有機酸の酸触媒効果により二次分解される恐れがあるが、有機酸をアルカリで中和することができ、多価アルコールが有機酸の酸触媒効果により二次分解されるのを抑制することができるものである。
本発明にあっては、難水溶性のアルカリとして炭酸カルシウムを用いることができるが、これらに限定されるものではない。しかし、難水溶性のアルカリとして炭酸カルシウムを用いると、熱硬化性樹脂を亜臨界水で加水分解した後では、炭酸カルシウムを充填材として含有している熱硬化性樹脂を分解する場合、難水溶性のアルカリとして添加した炭酸カルシウムとの分離が不要となり、熱硬化性樹脂を分解して得られたモノマー又はオリゴマーや炭酸カルシウムが再利用しやすくなるものである。
また、本発明にあっては水溶性のアルカリとして水酸化カリウムや水酸化ナトリウムやリン酸三カリウムなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
ここで、難水溶性のアルカリ及び水溶性のアルカリのそれぞれの配合量(各アルカリの配合量)は、特に限定されるものではないが、熱硬化性樹脂100質量部に対して20〜100質量部の範囲であることが好ましい。難水溶性のアルカリ及び水溶性のアルカリのそれぞれの配合量が熱硬化性樹脂100質量部に対して20質量部未満であると、アルカリによる上記効果を得にくくなる恐れがあり、難水溶性のアルカリ及び水溶性のアルカリのそれぞれの配合量が熱硬化性樹脂100質量部に対して100質量部を超えても上記効果の向上が小さいため、コスト面などからこの上限にするのが好ましい。
また、本発明では、分解の対象となる熱硬化性樹脂が炭酸カルシウムを含むものであってもよい。この場合、炭酸カルシウムの含有量は熱硬化性樹脂100質量部に対して50〜200質量部のものを用いるのが好ましい。
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例)
試験用の熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステル樹脂)を作製した。この熱硬化性樹脂は、多価アルコールであるグリコール類のプロピレングリコール50wt%と、不飽和有機酸である無水マレイン酸50wt%を配合してワニスを合成し、架橋剤としてスチレンをワニスとほぼ当量配合して硬化させることにより作製した。
次に、上記の熱硬化性樹脂の硬化物1.5gと純水16.5g、炭酸カルシウム1.5g、リン酸三カリウム1.15g(1規定量)とを取り、これらを反応管に仕込んだ後、反応管内をアルゴンガスで置換封入した。
次に、図1に示すように、熱硬化性樹脂の硬化物と純水と炭酸カルシウムとリン酸三カリウムとを仕込んだ反応管1を230℃の恒温槽2に浸漬し、反応管1内の純水を亜臨界状態にして4時間浸漬したまま放置し、熱硬化性樹脂の硬化物の分解処理を4時間行なった。この後、反応管1を恒温槽2から取り出して冷却槽3に浸漬し、反応管1を急冷して室温にまで戻した。
上記分解処理後の反応管1の内容物は、水可溶成分と未反応樹脂残渣と炭酸カルシウムであり、この内容物を濾過することにより固形分を分離して反応管1から回収した。また、水可溶成分と未反応樹脂残渣を分析し、水可溶成分からガスクロマトグラフィー(GC)分析によりグリコールモノマー成分を定量してグリコール生成率を算出し、イオン交換クロマトグラフィー(IC)分析により有機酸モノマー成分を定量して有機酸回収率を算出した。また、未反応樹脂残渣から分解率を算出したところ、表1のような結果を得た。尚、グリコール生成率は、(グリコール生成率=グリコールモノマー成分の定量結果/硬化物のグリコールモノマー成分の推定含有量×100)として算出した。また、有機酸生成率は、(有機酸生成率=有機酸モノマー成分の定量結果/硬化物の有機酸モノマー成分の推定含有量×100)として算出した。また、樹脂分解率は、(樹脂分解率=(硬化物の樹脂量−未反応樹脂残渣)/硬化物の樹脂量×100)として算出した。
(比較例1)
実施例においてリン酸三カリウムを使用しなかった以外は、実施例と同様にして分解処理を行なうと共に、グリコール生成率、有機酸生成率、樹脂分解率を算出した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例において炭酸カルシウムを使用しなかった以外は、実施例と同様にして分解処理を行なうと共に、グリコール生成率、有機酸生成率、樹脂分解率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0004718868
上記実施例及び比較例で回収されるグリコール類、有機酸類モノマーは、それぞれプロピレングリコール、フマル酸であった。また、難水溶性のアルカリである炭酸カルシウムと水溶性のアルカリであるリン酸三カリウムとを併用して共存させた実施例では、比較例1、2に比べて、樹脂分解率、グリコール生成率、有機酸生成率のすべてにおいて向上していることが判る。特に、樹脂分解率では実施例は比較例1、2に比べて2倍以上向上し、また、有機酸生成率では一方のアルカリしか配合しなかった比較例1、2では5wt%未満であったが、両方のアルカリを共存させた実施例では約20wt%にまで向上した。
以上のように、不飽和ポリエステル部とその架橋部とからなる熱硬化性樹脂に難水溶性のアルカリと水溶性のアルカリとを共存させ、亜臨界水分解を接触させて処理することにより、表1に見られるようにグリコール類及び有機酸類の生成率が向上し、高い収率を得ることができることが確認された。
実施例及び比較例における工程を示す概略図である。

Claims (1)

  1. 不飽和ポリエステル部とその架橋部とからなる熱硬化性樹脂に難水溶性のアルカリと水溶性のアルカリとを共存させ、亜臨界水分解により熱硬化性樹脂をモノマーとオリゴマーとに分解するにあたって、前記熱硬化性樹脂が炭酸カルシウムを含有するものであり、かつ前記難水溶性のアルカリとして炭酸カルシウムを用い、さらに前記水溶性のアルカリとして水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、リン酸三カリウムから選ばれる少なくとも一つを用いることを特徴とする熱硬化性樹脂の分解方法。
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