JP4718669B2 - 車載用エンジンシステム及び車載用エンジンシステムの制御装置 - Google Patents

車載用エンジンシステム及び車載用エンジンシステムの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4718669B2
JP4718669B2 JP2000245930A JP2000245930A JP4718669B2 JP 4718669 B2 JP4718669 B2 JP 4718669B2 JP 2000245930 A JP2000245930 A JP 2000245930A JP 2000245930 A JP2000245930 A JP 2000245930A JP 4718669 B2 JP4718669 B2 JP 4718669B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
heat
internal combustion
temperature
heat storage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000245930A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002059729A (ja
Inventor
鈴木  誠
克彦 蟻澤
正和 田畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2000245930A priority Critical patent/JP4718669B2/ja
Priority to US09/907,596 priority patent/US6532911B2/en
Priority to CA002353676A priority patent/CA2353676C/en
Priority to EP08164353A priority patent/EP2025539A3/en
Priority to EP01118027A priority patent/EP1176040B1/en
Priority to DE60142872T priority patent/DE60142872D1/de
Priority to CNB011371803A priority patent/CN1153895C/zh
Priority to CNB2004100384012A priority patent/CN100494649C/zh
Publication of JP2002059729A publication Critical patent/JP2002059729A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4718669B2 publication Critical patent/JP4718669B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一時的に熱を蓄え、その熱を内燃機関の冷却系に供給する機能を備えた蓄熱装置や、そうした蓄熱装置を含め、熱供給システムが被熱供給体へ熱供給を行う場合の作動制御に適用して好適な制御構造の具現に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等の車両に搭載される内燃機関にとって、燃焼室周辺の温度が所定温に達していない状態(冷間状態)での機関運転は、燃焼室に供給される燃料が十分に霧化されないこと等の不具合を生じさせ、排気特性(エミッション)や燃費性能を悪化させてしまうため好ましくない。
【0003】
しかし実際のところ、一時的な機関停止後における再始動時のような場合は例外として、機関運転を開始する際には毎回のように、機関始動時から暖機完了時までの期間は冷間状態で機関運転を行わざるをえない。
【0004】
こうした問題に対し、内燃機関が運転中に発する熱を、所定の蓄熱装置に蓄えておき、冷間状態にある機関に放出する機能を有する蓄熱装置が知られている。
【0005】
例えば特開平6−185359号公報に記載された内燃機関の蓄熱装置は、当該機関の放熱によって熱せられた冷却水の一部を機関停止後にも保温状態で貯留しておき、次回の機関始動時に冷却系(当該機関の冷却通路)に解放することで機関を早期に暖めるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報には、例えば機関への熱供給後の状態に対してどのように機関を始動すべきかが開示されておらず、十分な暖機状態で機関始動を行うことができないおそれがあった。すなわち、当該機関への熱供給後の状態との関連で、当該機関の作動状態を適切に制御できないおそれがあった。なお、こうした問題は、蓄熱装置を備えた内燃機関に限らず、好適な作動状態を確保するのにある程度の暖機、言い換えれば熱供給が必要とされる他の被熱供給体にもかねがね共通したものとなっている。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、被熱供給体へ熱供給を行う熱供給システムを被熱供給体の作動状態に応じて制御することにより、当該被熱供給体の作動状態を適切に制御することのできる被熱供給体の熱供給システムの制御装置を提供することを目的とする。また、このような被熱供給体に適用して好適な内燃機関を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明は、熱を蓄える蓄熱装置と、内燃機関と、蓄熱装置及び内燃機関との間で熱媒体を循環させるための循環系と、循環系内の熱媒体を循環させることにより、蓄熱装置に蓄えられた熱を内燃機関へ供給する熱供給手段と、熱供給手段を制御することにより蓄熱装置に蓄えられた熱を2回に分けて内燃機関に供給する制御手段であって、内燃機関の始動操作に先立って運転者が必然的に行う特定の操作が行われたときに、蓄熱装置に蓄えられた熱を内燃機関へ供給させるための,熱供給手段に対する1回目の制御を行い、内燃機関の始動操作が行われたときに、蓄熱装置に蓄えられた熱を内燃機関へ供給させるための,熱供給手段に対する2回目の制御を行う制御手段とを備えることを要旨とする。
【0009】
ここで、熱媒体には、気体や液体のような流体の他、光や電流のように潜在的に熱(エネルギー)包含するが実質的には実体を有しない媒体も含まれる。また、このような熱媒体を循環させる循環系は、例えば内燃機関の冷却通路のように、流体の循環通路であってもよいし、電流が流れる電路であってもよい。また、輻射熱が伝達される空間であってもよい。
【0010】
また、熱供給が2回行われるとは、単位時間当たりに供給される熱量に増減(変動)が断続的若しくは連続的に繰り返される態様を意味する。すなわち、相対的に大きな熱量と小さな熱量とが交互に供給される態様と、所定量の熱が供給された後、一旦熱供給が停止され、再度所定量の熱が供給されるといった態様との何れをも意味する。
【0011】
同構成によれば、熱供給手段の断続的な動作態様に基づいて熱供給が実施されることとなる。このため、蓄熱装置の蓄える熱量を継続的に排出(消費)する場合に比べ、蓄熱装置に蓄えられた有限量の熱をより長期間に亘って活用することができるようになる。すなわち、例えば当該機関の始動タイミングが何らかの原因で延期されるなど、始動タイミングが安定しない場合であれ、当該機関の始動前に蓄熱装置に蓄えられた熱量を消費してしまうことを防止すること、すなわち一旦上昇した当該機関の温度が再下降してしまうことを実質的に抑制することができるようになる。
【0012】
従って、当該機関を任意のタイミングで始動させる場合であれ、当該機関の始動時には熱供給が確実に完了した状態になる。
【0015】
また、第2の発明は、熱を蓄える蓄熱装置と、内燃機関と、蓄熱装置及び内燃機関との間で熱媒体を循環させるための循環系と、循環系内の熱媒体を循環させることにより、蓄熱装置に蓄えられた熱を内燃機関に供給する熱供給手段とを備えた車載用エンジンシステムの制御装置であって、熱供給手段を制御することにより蓄熱装置に蓄えられた熱を2回に分けて内燃機関に供給する制御手段であって、内燃機関の始動操作に先立って運転者が必然的に行う特定の操作が行われたときに、蓄熱装置に蓄えられた熱を内燃機関へ供給させるための,熱供給手段に対する1回目の制御を行い、内燃機関の始動操作が行われたときに、蓄熱装置に蓄えられた熱を内燃機関へ供給させるための,熱供給手段に対する2回目の制御を行う制御手段を備えることを要旨とする。
【0016】
同構成によれば、例えば熱供給手段の断続的な動作態様に基づいて内燃機関への熱供給が実施されることとなる。このため、蓄熱装置に蓄えられた熱量を継続的に排出(消費)する場合に比べ、蓄熱装置が蓄えられた熱が有限量であっても、長期間に亘りこれを活用することができるようになる。
【0017】
よって、内燃機関を任意のタイミングで始動させる場合であれ、その始動時には熱供給が確実に完了した状態になる。
【0018】
従って、内燃機関の始動時にかかる熱供給に関し、最適な作動状態を確保するために求められる所望の熱供給時期や熱供給量が確実に適用されるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる蓄熱装置を有する内燃機関を車載用エンジンシステムに適用した一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、本実施の形態にかかる車載用エンジンシステム(内燃機関)が搭載される車両の一部を示す略図である。
【0027】
車載用エンジンシステム(以下、エンジンシステムという)100を駆動系として搭載する車両1は、その運転にクラッチ操作を要しないいわゆるオートマチックトランスミッション方式の乗用車である。同図1に示すように、車両1室内の一部を占める運転席1aには、運転座席2を中心としてその周辺に、乗降用ドア(運転席側ドア)3、シートベルト(図示略)を脱着するインナーバックル4、エンジンシステム100に備えられたエンジン本体(図示略)の始動等を行うためのキーシリンダ5、同エンジン本体の機関出力を調整するためのアクセルペダル6、車両1を制動するためのブレーキペダル7、トランスミッション(図示略)の機能を切り換えるためのシフトレバー8、道路情報等を画像情報を画面上に映し出す他タッチ操作による入力操作も可能なディスプレイ装置9、運転者の音声を検知するマイク9a等が設けられている。運転席1aに設けられた上記各種部材2〜9及び9a等は、それぞれが直接、或いは当該部材の動作を検出する機器類(センサ類)を介し、電子制御装置(ECU)30と電気的に接続されている。
【0028】
図2には、ECU30を中心としたエンジンシステム100の電気的構成の概略を示す。
【0029】
同図2に示すように、ECU30の外部入力回路36には、キーシリンダ5、着座センサ2a、ドア開閉センサ3a、ドアロックセンサ3b、シートベルトセンサ4a、ブレーキセンサ7a、シフトポジションセンサ8a、マイク(音響センサ)9a及び水温センサ25等、車両1の各部や運転者に関する情報を電気信号として出力する各種機器が電気的に接続されている。
【0030】
キーシリンダ5は、同キーシリンダ5に挿入されたイグニションキー5Aの操作に応じ、エンジン10の始動に関連する各部材の動作態様を切り換えるいわゆるイグニションスイッチとしての機能を有する。すなわち、ディスプレイ装置9をはじめとし、ルームランプ(図示略)、オーディオ(図示略)、或いは表示ランプ類といった周辺機器の主電源や、ECU30にとってエンジン10の運転制御を実施する機能を作動させるためのメインリレーの「オン(ON)」、「オフ(OFF)」を行う他、ECU30を通じエンジン10の始動にかかるスタータ26、イグナイタ19、燃料噴射弁18等への指令信号を出力する。
【0031】
また、キーシリンダ5は、イグニションキー5Aと併せて周知の盗難防止装置を構成する。すなわち、イグニションキー5Aは特定コードの記録された通信チップ5Bを内蔵している。イグニションキー5Aがキーシリンダ5に挿入されると、キーシリンダ5は通信チップ5Bに記録された特定コードを読み取りECU30に伝達する。ECU30は、予め自身の記憶しておいた登録コードを、キーシリンダ5から伝達された上記特定コードと照合し、両者が一致した場合にのみエンジン10の始動を許可する。すなわち、正規のコードが記録された通信チップを内蔵したイグニションキー5Aによらなければ、エンジン10を始動することができない。なお、ECU30による上記特定コードと登録コードとの照合を、盗難防止装置の解除動作という。
【0032】
ドア開閉センサ3a及びドアロックセンサ3bは運転席側ドア3(図1を参照)に取付られている。ドア開閉センサ3aは運転席側ドア3の開閉状態を識別し、この識別に応じた信号を出力する。また、ドアロックセンサ3bは運転席側ドア3がロックされているか否かを識別し、この識別に応じた信号を出力する。運転座席2(図1を参照)に内蔵された着座センサ2aは運転者の着座の有無を識別し、この識別に応じた信号を出力する。インナーバックル4に取り付けられたシートベルトセンサ4aは、シートベルト(図示略)のインナーバックル4への着脱状態を識別し、この識別に応じた信号を出力する。ブレーキペダル7に取り付けられたブレーキセンサ7aは、ブレーキペダル7の踏み込み量に応じた信号を出力する。シフトレバー8に取り付けられたシフトポジションセンサ8aは、運転者の選択したシフトレバー8の位置(シフトポジション)に応じた信号を出力する。
【0033】
他方、ECU30の外部出力回路37には、燃料噴射弁18、イグナイタ19、電動式ウォータポンプ(電動ポンプ)EP、電動式送風ファン(電動ファン)22a,23a、スタータ26等、車両1(エンジンシステム100)の運転状態を制御する部材の他、車両1の室内(例えばディスプレイ装置9の近傍)に取り付けられる点灯ランプ(プレヒートランプ)28やスピーカ29等が電気的に接続されている。
【0034】
なお、上述したように、道路情報等を画像情報を画面上に映し出す(出力する)他、タッチ操作による入力操作も可能なディスプレイ装置9は、外部入力回路36及び外部出力回路37のいずれにも電気的に接続されている。
【0035】
ECU30は、その内部に中央処理装置(CPU)31、読み出し専用メモリ(ROM)32、ランダムアクセスメモリ(RAM)33、バックアップRAM34、及びタイマーカウンタ35等を備え、これら各部と外部入力回路36および外部出力回路37とをバス38により接続することによって論理演算回路を構成する。ここで、ROM32は、燃料噴射量、点火タイミング、冷却系内での冷却水の挙動等、エンジンシステム100に備えられるエンジンの運転状態等を制御するための各種プログラムを予め記憶する。RAM33はCPU32による演算の結果等を一時記憶する。バックアップRAM34は、エンジンの運転停止後においてもデータを記憶する不揮発性のメモリである。タイマーカウンタ35は計時動作を行う。外部入力回路36は、バッファ、波形回路、ハードフィルタ、及びA/D変換器等を含む。外部出力回路は、駆動回路等を含む。
【0036】
このように構成されたECU30は、外部入力回路36を介して取り込まれる上記各種センサ2a,3a,3b,4a,7a,8a,9a、キーシリンダ5、或いはディスプレイ装置9等からの信号に基づき、エンジンの始動、燃料噴射、点火、或いは冷却水の挙動にかかるエンジンシステム100の各種制御を実行する。
【0037】
図3には、本実施の形態にかかるエンジンシステム100の概略構成を示す。
【0038】
同図3に示すように、エンジンシステム100は、大きくはエンジン本体(エンジン)10、冷却系(循環系)20、及び電子制御装置(ECU)30から構成される。
【0039】
エンジン10の外郭は、シリンダブロック10aを下段、シリンダヘッド10bを上段とし、両部材10a,10bが互いに閉じ合わされたかたちで形成される。エンジン10の内部には4つの燃焼室(図示略)と、各燃焼室と外部とを連通させる吸排気ポート(図示略)とが形成されている。エンジン10は、吸気ポートを通じて供給される混合気(外気と燃料との混合ガス)を爆発・燃焼させることにより、その出力軸(図示略)に回転駆動力を得る。
【0040】
冷却系20は、エンジン10内において各燃焼室や吸排気ポートの外周を取り巻くように形成されている循環通路(ウォータジャケット)Aと、エンジン10と蓄熱容器21との間で冷却水を循環させる循環通路Bと、エンジン10とラジエータ22との間で冷却水を循環させる循環通路Cと、エンジン10と暖房用ヒータコア23との間で冷却水を循環させる循環通路Dとから構成されている。
【0041】
また、循環通路Aの一部は、各循環通路B,C,Dの一部として共有される。さらに循環通路Aは、シリンダブロック10a内に形成された循環通路A1と、シリンダヘッド10b内に形成された通路A2と、循環通路A1及び通路A2間を連絡するバイパス通路A3とに概ね分別することができる。
【0042】
すなわち、冷却系20は冷却水の循環通路を複数組み合わせて構築された複合システムであって、この冷却系20内を循環する冷却水は、熱媒体としてエンジン10との間で熱交換を行うことにより同エンジン10各部の冷却、或いは昇温を行う。なお、蓄熱容器21と循環通路Bとは、本実施の形態にかかる熱供給システムを構成する。
【0043】
冷却系20を構成する上記各循環通路A,B,C及びDには、冷却水の挙動や温度を制御、或いは検出する各種部材が設けられている。
【0044】
電動式ウォータポンプ(電動ポンプ)EPは、ECU30からの指令信号に基いて作動し、循環通路B内の冷却水を矢指方向に流動させる。
【0045】
電動ポンプEPの下流には蓄熱容器21が設けられている。蓄熱容器21は、所定量の冷却水を外部から断熱した状態で貯留する機能を有する。すなわち、同図3中の概略的な内部構造に示されるように、蓄熱容器21は、ハウジング21aと、同ハウジング21a内に収納された冷却水収容部21bとを備えた二重構造を有する。ハウジング21a及び冷却水収容部21bの間隙はほぼ真空状態に保たれ、冷却水収容部21bの内部空間と外部とを断熱状態に保つ。冷却水収容部21b内には、循環通路B(ポンプ側通路B1)から送られてくる冷却水を同容器21b内に導入するための導入管21cと、同容器21b内の冷却水を循環通路B(エンジン側通路B2)に排出するための排出管21dとが設けられている。排出管21dを通じてエンジン側通路B2に排出される冷却水は、エンジン10のシリンダヘッド10bに導入され、同シリンダヘッド10b内において各気筒の吸気ポート近傍に形成された経路を優先的に流れる。
【0046】
なお、ポンプ側通路B1及びエンジン側通路B2の通路途中に各々設けられた逆止弁21e,21fが、ポンプ側通路B1から蓄熱容器21を介してエンジン側通路B2に向かう冷却水の流れのみを許容し、逆流を規制する。
【0047】
機械式ウォータポンプ(機械式ポンプ)MPは、エンジン10の出力軸から伝達される駆動力を用い、エンジン10の運転中、外部通路P1よりシリンダブロック10a内へ冷却水を引き込む。エンジン10の運転に伴い機械式ポンプMPが作動すると、循環通路C及び循環通路D内の冷却水に各々矢指方向に向かう流れが生じるよう促される。
【0048】
循環通路Cに設けられたラジエータ22は、加熱した冷却水の熱を外部に放熱する。電動ファン22aは、ECU30の指令信号に基づいて駆動し、ラジエータ22による冷却水の放熱作用を高める。また、循環通路Cの通路途中であって、ラジエータ22の下流にはサーモスタット24が設けられている。サーモスタット24は温度の高さに感応して開閉する周知の制御弁であり、同サーモスタット24近傍における循環通路C内の冷却水の温度が所定温度(例えば80℃)を上回ると開弁して冷却水の流れを許容し、当該所定温度(80℃)を下回ると閉弁して冷却水の流れを規制する。
【0049】
すなわち、エンジン10の運転時(機械式ポンプMPの作動時)、冷却水の温度が80℃を上回ると循環通路C内の冷却水の流れが許容され、ラジエータ22の作用によって冷却水(エンジン10)の強制冷却が行われる。なお、エンジン10にとって、その温度(冷却系20内の冷却水温とほぼ同等)が80℃を上回っているか、概ね80℃近傍にある状態を温間状態といい、80℃を下回っている状態を冷間状態ということにする。
【0050】
循環通路Dに設けられた暖房用ヒータコア23は、エンジン10内で加熱された冷却水の熱を利用し、必要に応じて車両室内(図示略)の暖房を行う。ECU30の指令信号に基づいて駆動される電動ファン23aは、暖房用ヒータコア23を通過する冷却水の放熱を促すとともに、冷却水の放熱により発生した暖気を空気通路(図示略)を介して車両室内に送り込む。
【0051】
各循環通路B,C,Dを循環する冷却水にとって、エンジン10から外部に向かう共通の流路途中に設けられた水温センサ25は、同流路内の冷却水の温度(冷却水温)THWに応じた検出信号をECU30に出力する。
【0052】
次に、エンジン10内に形成された各燃焼室周辺の構造について、冷却水の通路を中心に詳しく説明する。
【0053】
図4は、エンジン10の内部構造の一部として、燃焼室周辺の断面構造を部分的に拡大して示す略図(側面図)である。
【0054】
同図4に示すように、燃焼室11は、シリンダブロック10aとシリンダヘッド10bとの境界に位置し、気筒12内をエンジン10の出力軸の回転と連動して上下動するピストン13の頭上に形成される。燃焼室11内の空間は、吸気バルブ14及び排気バルブ15を介してそれぞれ吸気ポート16及び排気ポート17と連通しており、機関運転時には、吸気ポート16を通じた混合気の導入や、排気ポート17を通じた排ガスの排出が行われる。吸気ポート16に取り付けられた燃料噴射弁18は、ECU30からの指令信号に基づき燃料を噴射供給する。燃料噴射弁18によって噴射供給された燃料は、吸気ポート16内で霧化し、新気とともに混合気を形成しつつ燃焼室11内に取り込まれる。そして、これもECU30の指令信号に基づいて駆動するイグナイタ19が、適宜のタイミングで点火プラグ19aに通電を行うことで、燃焼室11内に取り込まれた混合気が燃焼に供される。
【0055】
シリンダブロック10a内には、気筒12の外周を取り巻くように冷却水通路(図3において示した循環通路A1の一部に相当する)Pcが形成されている。また、シリンダヘッド10b内において吸気ポート16及び排気ポート17の近傍には、各々吸気ポート側冷却水通路Pa(図3において示した循環通路A2の一部に相当する)及び排気ポート側冷却水通路Pb(同じく、図3において示した循環通路A2に相当する)が形成されている。そして、これら各冷却水通路Pa,Pb,Pc(循環通路A1,A2)を含め、冷却系20内を循環する冷却水の挙動は、基本的には機械式ポンプMP、電動ポンプEP、及びサーモスタット24の動作によって制御されることは前述した通りである。
【0056】
次に、本実施の形態にかかるエンジンシステム100が、ECU30の指令信号等を通じて実行する冷却水の挙動に関する冷却系制御について、その概要を説明する。なお、このエンジンシステム100による冷却系制御は、その実行タイミングや実行条件の相違から、「機関始動後冷間時の制御」、「始動後温間時の制御」、及び「機関始動前の制御(プレヒート制御)」に大別される。
【0057】
図5は、エンジンシステム100(図3を参照)の冷却系20を循環する冷却水の流れがエンジン10の運転状態や温度分布に応じて変化する様を説明すべく同エンジンシステム100を概略的に示す模式図である。なお、同図中において、冷却水の流れが生じている通路(通路途中に設けられた各種部材も含む)は実線で示し、冷却水の流れがほとんど、或いは全く生じていない通路(通路途中に設けられた各種部材も含む)は一点鎖線で示す。
【0058】
先ず、図5(a)及び図5(b)は、いずれもエンジン10が運転状態にあり、電動ポンプEPは停止状態にあるときのエンジンシステム100を示す。ただし、図5(a)は、冷却系20内においてサーモスタット24近傍の冷却水温が80℃以下にある状態のものを示し、図5(b)は、同じく冷却系20内においてサーモスタット24近傍の冷却水温が80℃を上回っている状態のものを示す。
【0059】
図5(a)及び図5(b)に示すように、電動ポンプEPが停止状態にあるとき、シリンダヘッド10b内において循環通路A、循環通路C、若しくは循環通路Dの一部をなす循環通路A2を除けば、循環通路Bに沿った冷却水の流れはほぼ停止することとなる。
【0060】
またこのとき、冷却系20内におけるサーモスタット24近傍の冷却水温が80℃以下であれば、同サーモスタット(制御弁)24が閉弁し、同制御弁24からラジエータ22へ向かう冷却水の流れを規制する。従って、エンジンシステム100内において、循環通路A及び循環通路D内の冷却水のみが機械式ポンプMPの作用により流動することとなる(図5(a))。
【0061】
一方、冷却系20内におけるサーモスタット24近傍の冷却水温が80℃を上回っている場合、同サーモスタット(制御弁)24が開弁し、同制御弁24からラジエータ22へ向かう冷却水の流れが許容される。従って、エンジンシステム100内において、循環通路A,C,D内の冷却水が機械式ポンプMPの作用により流動することとなる(図5(b))。
【0062】
なお、本実施の形態にあってエンジン10が機関運転を行っている最中、冷却系20は、基本的には図5(a)若しくは図5(b)に示す状態を保持することとなる。また、各図に示す冷却系20の状態は、「機関始動後冷間時の制御」(図5(a))若しくは「始動後温間時の制御」(図5(b))によって具現化されることとなる。
【0063】
また、図5(c)は、エンジン10が停止状態にあり、電動ポンプEPが作動状態にあるときのエンジンシステム100を示す。
【0064】
同図5(c)に示すように、電動ポンプEPが作動すると、循環通路Bに沿って冷却水が流動する。このとき、エンジン10が停止状態にあることから同エンジン10の出力軸と連動する機械式ポンプMPも停止しており、循環通路A1、バイパス通路A3、循環通路C、および循環通路D内には冷却水の流れがほとんど生じない。ちなみに、同図5(c)に示す冷却系20の状態はエンジン10が機関始動を行う直前のものに相当し、上記「プレヒート制御」によって具現化されることとなる。
【0065】
次に、上記「プレヒート制御」の内容及び実行手順について、より詳細に説明する。
【0066】
図6(a),(b),(c)は、先の図2〜図5に示したエンジンシステム100について、エンジン10の機関始動時における電動ポンプEPの作動態様を実験的に変更した結果として、シリンダヘッド10bの温度推移が異なるものとなる様を同一時間軸上に示すタイムチャートである。
【0067】
先ず図6(a)において、横軸(時間軸)上に示す時刻t1は、エンジン10の機関始動時刻にあたる。破線にて示す温度推移のパターン(以下、推移パターンという)αは当該機関始動に際して電動ポンプEPを作動しない場合の温度推移を示し、一点鎖線にて示す推移パターンβは当該機関始動と同時に電動ポンプEPの作動を開始した場合の温度推移を示す。また、実線にて示す推移パターンγは当該機関始動より所定時間(本実施の形態では5〜10秒)前に電動ポンプEPの作動を開始した場合の温度推移を示す。なお各推移パターンα,β,γにおいて、エンジン10は、前回の機関運転の終了(機関停止)直前、温間状態にあったものと想定する。
【0068】
同図6(a)に示すように、推移パターンαでは、機関始動後(時刻t1以後)、機関運転に伴うエンジン10自身の発熱作用でシリンダヘッド10bの温度は徐々に上昇する。外気温等の環境条件にもよるが、時刻t1から十数秒〜数十秒程度が経過した後時刻t3において、シリンダヘッド10bの温度(冷却水温とほぼ同等)が80℃に達すると、当該温度近傍でサーモスタット24が開閉弁を繰り返すことにより、冷却水温(シリンダヘッド10bの温度)はほぼ定温(80℃)に保持される。
【0069】
推移パターンβでは、エンジン10の機関始動と同時に、概ね80℃以上の温度状態で蓄熱容器21内に貯留されている冷却水(熱水)がシリンダヘッド10b内に供給されることとなる。この場合、エンジン10の機関始動時刻t1から10秒程度が経過した時刻t2において、シリンダヘッド10bの温度(冷却水温とほぼ同等)が80℃に達し、その後冷却水温(シリンダヘッド10bの温度)がほぼ定温(80℃)に保持されるようになる。
【0070】
推移パターンγでは、エンジン10の機関始動に先立って、蓄熱容器21内の熱水がシリンダヘッド10b内に供給されることとなる。ここで、シリンダヘッド10bの温度は、電動ポンプEPの作動開始から5〜10秒程度で蓄熱容器21内の冷却水温と同等の温度(60〜80℃)に達することが、発明者らによって確認されている。推移パターンγにおいては、時刻t0における電動ポンプEPの作動開始後、10秒が経過した後(時刻t1)にエンジン10の機関始動を行うように設定を行った。この結果、シリンダヘッド10bの温度が確実に80℃まで達した後、エンジン10が機関始動を行うこととなった。ちなみに、エンジン10の機関運転に伴い、冷却系20内における循環通路B以外の通路空間から、(循環通路B内の冷却水温よりも)低温の冷却水がシリンダヘッド10bに流れ込む。このため、時刻t1以後、シリンダヘッド10bの温度は一時的にはわずかに降下することとなるが、蓄熱容器21からの継続的な熱水供給と機関運転に伴うエンジン10自身の発熱作用との協働によって再度上昇し、周知のサーモスタッドによる作用で80℃近傍に留まる。
【0071】
本実施の形態にかかるエンジンシステム100において、燃料噴射弁18によりエンジン10に噴射供給される燃料は、吸気ポート16内で霧化し、新気とともに混合気を形成しつつ燃焼室11内に取り込まれて燃焼に供されることは図4において説明した通りである。このため、噴射供給された燃料が吸気ポート16内で速やかに霧化されること、この霧化された状態を好適に保持するといった観点から、エンジン10、とくにシリンダヘッド10b内に形成された吸気ポート16内壁の温度が所定の温度(60℃、好ましくは80℃程度)を上回っているのが好ましい。吸気ポート16内壁の温度が低くくなると同内壁に燃料が付着しやすくなり、燃料を効率良く霧化(気化)することや、霧化(気化)された燃料をその状態に保持することが難しくなるためである。こうした燃料の気化に関する不利は、燃焼効率や空燃比の最適化を困難にし、排気特性や燃費を低下させてしまうのである。
【0072】
エンジン10が冷間状態にあるとき、外部からの熱供給を何ら行わずに機関運転を継続すると、シリンダヘッド10b(吸気ポート16)の温度が十分高くなるのに比較的長時間(時刻t1〜t3)を要することは、推移パターンαが示す通りである。また、推移パターンβが示すように、機関始動と同時、あるいはその直後に蓄熱容器21から熱水供給を行うことで機関始動後の暖機完了タイミングを極力早めたとしても、暖機中(時刻t1〜t2)における排気特性や燃費の低下は免れない。
【0073】
そこで、時刻t1におけるエンジン10の始動に先立ち、その数秒前(たとえば5〜10秒前)の時刻t0において蓄熱容器21からシリンダヘッド10bへの熱水供給を開始すれば、推移パターンγが示すようにエンジン10の始動時までに暖機を完了する(エンジン10を冷間状態から温間状態に移行させる)ことができるようになる。
【0074】
ところで、図6(b)において温度推移δとして示すように、時刻t0に開始した蓄熱容器21からシリンダヘッド10bへの熱水供給を、エンジン10を始動させることなく継続した場合、時刻t1以後、シリンダヘッド10bの温度は80℃(蓄熱容器に蓄えられた熱水の温度)程度まで上昇した後、徐々に下降することになる。このとき、エンジン10が好適な始動を行う上で望まれるシリンダヘッド10bの温度の下限値が温度Lであるとすると、時刻t1’以後はシリンダヘッド10bの温度が温度(下限値)Lを下回ることとなる。言い換えると、プレヒートによるエンジン10の暖機の効果は低減することになる。
【0075】
そこで、蓄熱容器21に蓄えられた熱水のうち一部をシリンダヘッド10bに供給したところで一旦供給を停止し、所定期間を経た後再開すれば、シリンダヘッド10bの温度は下限値Lより高く保持したまま蓄熱容器内の熱水の消費速度を実質的に遅くすることができるようになる。すなわち、図6(c)において温度推移εとして示すように、時刻t0に開始した熱水供給を時刻t1近傍で一旦停止し、時刻tcにて再開することにより、例えば時刻t1’を経過した後もシリンダヘッド10bの温度は下限値Lを上回った状態を維持することとなる。ちなみに時刻t1'近傍でエンジン10を始動させた場合、温度推移ζとして示すように、シリンダヘッド10bの温度は下限値Lを下回ることなく速やかに80℃近傍まで上昇する。
【0076】
本実施の形態にかかるエンジンシステム1では、エンジン10の始動前後に亘るシリンダヘッド10bの温度推移が図6(c)における温度推移ζを具現するように、ECU30が電動ポンプEPの作動を制御する。
【0077】
すなわちECU30は、エンジン10の始動に先立って必然的に生じる事象を予め選択し、当該事象の生じるタイミングに応じてプレヒートを開始する。また、プレヒートの開始後、電動ポンプEPを所定期間作動させた後一旦停止し、その後所定期間を経て再度作動させることにより、蓄熱容器21に蓄えられた熱水を所定量ずつ断続的に循環通路B(エンジン側通路B2)へ排出する。
【0078】
次に、本実施の形態にかかるエンジンシステム100のECU30が行うプレヒートの具体的な制御手順を、フローチャートを参照して説明する。
【0079】
図7は、エンジンシステム100がエンジン10の停止中に実行する「プレヒート制御ルーチン」の処理内容を示すフローチャートである。ECU30のROM32は、以下のルーチンに関するプログラムを予め記憶する。
【0080】
本ルーチンは、エンジン10の始動に先立って運転者が行う必然的な動作として、運転席側ドア3の開閉動作をドア開閉センサ3aの出力信号に基づいて認識されたところで(ステップS101)、その一連の処理が開始される。例えばECU30は、エンジン10が停止している状態において、運転席側ドア3が開扉され、その後閉扉された旨を認識すると、その処理をステップS102に移行する。
【0081】
ステップS102では、現在の機関状態がプレヒート実行条件に該当するか否かを確認する。具体的には、水温センサ25により検出される冷却水の温度(冷却水温)THWが所定温度(60℃程度に設定しておくのが好ましい)より低ければエンジン10が冷間状態にあると認識して処理をステップS103に移行し、プレヒートを実行する。ちなみに、現在の機関状態がプレヒート実行条件に該当しない場合には、今回のルーチン(今回のエンジン始動)において、プレヒートは実施しない。
【0082】
ステップS103においては、電動ポンプEPの作動を開始させ、蓄熱容器21からエンジン10への熱水供給を開始するとともに、プレヒートランプ28を点灯させることによって、プレヒート実施中の旨を運転者に知らせる。なお、電動ポンプEPの作動は、蓄熱容器21内に蓄えられた熱水全量のうち半分が循環通路B(エンジン側通路B2)へ排出されるまで継続したところで一旦停止する。ちなみに、蓄熱容器21内に蓄えられた熱水の半量がエンジン側通路B2に排出されることで、シリンダヘッド10bの温度は先の図6(b)若しくは図6(c)において説明した下限値Lを十分に上回ることとなる。
【0083】
続くステップS104においては、イグニションスイッチの動作を、キーシリンダ5に挿入されたイグニションキー5Aの操作に基づいて認識する。
【0084】
図8に示すように、キーシリンダ5はイグニションキー5Aの挿入方向に向かってみると、イグニションキー5Aを挿入するためのスリット5bを備えた円形のロータ5cと、円形のロータ5cの外周を自身の内周によって取り囲む環状のケース5dとを備えて構成されている。ケース5dはキーシリンダ5本体の外郭をなすとともに、例えば運転席の操作パネル(図示略)に固定される。ロータ5cは、スリット5bに挿入されたイグニションキー5Aを捻ればケース5dに対して限られた範囲内で回動させることができるようになるように構成されている。イグニションキー5Aは、同図8中において実線で示すように、スリット5bの長軸方向端部がケース5dの「LOCK」と表示された位置SW1と一致した状態で同スリット5bに挿入することができる。
【0085】
エンジン10の機関始動に際しては、先ず、運転者(操作者)がイグニションキー5Aをスリット5bに挿入し、「LOCK」と表示された位置SW1から「ACC」と表示された位置SW2まで回動させると、ルームランプ(図示略)、オーディオ(図示略)、或いはナビゲータ(図示略)といった周辺機器の主電源が「オン(ON)」状態になる。さらに、同イグニションキー5Aを「ON」と表示された位置SW3まで回動させると(図8中、二点鎖線にて示す)、ECU30にとってエンジン10の運転制御を実施する機能を作動させるためのメインリレーが「オン(ON)」状態になる。さらに、同イグニションキー5Aを「START」と表示された位置SW4まで回動させると、スタータ26が作動してエンジン10をクランキングさせるとともに、このクランキング動作に同期して燃料噴射弁18による燃料の噴射供給やイグナイタ19による気化燃料の点火が開始されることとなる。なお、本ルーチンによる処理の一環としてECU30は、、ステップS103への処理の移行に伴い、キーシリンダ5に挿入されたイグニションキー5Aの位置SW3から位置SW4への回転動作を規制(ロック)する。
【0086】
さて、同ステップS104において、イグニションキー5Aが「ON」と表示された位置SW3まで回動されたことを認識すると、電動ポンプEPを再度作動して蓄熱容器21内に残された熱水(半量)をエンジン側通路B2へ排出させる(ステップS105)。結果として、蓄熱容器21内に蓄えられた熱水の全量がエンジン側通路B2へ排出されることとなる。
【0087】
こうして、蓄熱容器21内の熱水全量の排出を完了すると、ECU30は続くステップS106にてプレヒートランプ28を消灯する。
【0088】
最後にECU30は、ステップS107において、イグニションキー5Aの位置SW3から位置SW4への回転動作の規制(ロック)を解除する。すなわち、車両1の運転者は、イグニションキー5Aを位置SW4まで回動させエンジン10を始動させることができるようになる。
【0089】
同ステップS107を経た後、ECU30は本ルーチンにおける処理を一旦終了する。
【0090】
以上説明した処理手順に従い、ECU30はエンジン10の始動に先立つプレヒート制御を実行することとなる。
【0091】
ここで、図9のタイムチャートに示すように、(1)運転席側ドア3の開閉→(2)運転座席2への着座→(3)キーシリンダ5へのイグニションキー5Aの挿入→(4)イグニションスイッチの「ON」への切り換え→(5)シートベルトの装着開始→スタータ26の作動といった一連の動作は、エンジンシステム100が搭載される車両の運転者にとって、エンジン10の始動に先立つ概ね必然的な動作であるといえる。この動作手順のなかで、各種動作(1)〜(5)の実施時期からスタータの作動に至るまでの各経過時間は、例えば運転者の性別や体格等にほとんど依存することなく、個人差のない比較的再現性の高い値として特定できることが発明者らによって確認されている。
【0092】
そして、エンジン10の始動(スタータ26の作動)より5〜10秒程度早くプレヒートを開始することによって、当該エンジン10が冷間状態をほぼ脱した状態で機関始動を行えるようになることは、先の図6(a)における推移パターンγにも示される通りである。
【0093】
上記「プレヒート制御ルーチン」では、車両1の運転者による運転席側ドアの開閉動作をエンジン10の始動に先立って必然的に生じる事象として選択し、当該選択した事象の発生タイミングに基づいてプレヒートを開始することで、プレヒートを完了するために十分な期間をエンジン10の始動前に確保する。
【0094】
さらに、シリンダヘッド10bの温度がある程度上昇した時点で、同シリンダヘッド10bへの熱水供給を一旦中断し、所定期間を経て再開させるように電動ポンプEPを作動制御することとしている。ちなみに、上記「プレヒート制御ルーチン」のステップS103で電動ポンプEPを一旦停止した後、ステップS105において電動ポンプEPの作動が再開されるまでに経過する期間(本実施に形態において5秒程度)は十分短く、この間にシリンダヘッド10bの温度が先の図6(b)若しくは図6(c)において説明した下限値Lを下回ることはない。
【0095】
すなわち、本実施の形態によれば、上記電動ポンプEPの断続的な動作態様に基づいてプレヒートを実施することにより、蓄熱容器21内の熱水全量を継続的に排出(消費)する場合に比べ、蓄熱容器21に蓄えられた有限量の熱水をより長期間に亘って活用することができるようになる。このため、エンジン10の始動タイミングが何らかの原因で延期されたとしても、一旦上昇させたシリンダヘッド10bの温度の再下降を実質的に抑制することができる。
【0096】
また、所定の温度レベル(本実施の形態では下限値Lを上回る温度)を保持しているシリンダヘッド10bに再度熱水を供給すれば、シリンダヘッド10bは短期間で熱水の温度(本実施の形態では80℃程度)まで上昇することになるため、エンジン10を任意のタイミングで始動させる場合であれ、その直前(本実施の形態ではイグニションスイッチが「ON」に切り替わるタイミング)に熱水供給を再開することで、エンジン10の始動時にはプレヒートが確実に完了した状態になる。
【0097】
従って、エンジン10が確実に冷間状態を脱した後、少なくとも供給される燃料の気化に関し不具合の生じる温度領域を確実に上回ったところで機関運転を開始することができるようになる。
【0098】
よって、機関始動時の燃料気化(霧化)に関する不利が解消され、燃焼効率や空燃比の最適化、ひいては排気特性や燃費の向上が図られるようになる。
【0099】
以上の効果を奏するにあたり、蓄熱容器21の容量を増大させることもないため、車両1に対する蓄熱容器21(蓄熱装置)の搭載性に関しても優位性を発揮することとなる。
【0100】
なお、本実施の形態においては、運転席側ドア3の開閉に応じて蓄熱容器21内の熱水の半量の供給を開始し、次にイグニションスイッチが「ON」に切り替わるタイミングに応じて残りの半量の供給を開始することとした。言い換えれば、この運転席側ドア3の開閉動作をプレヒートを実行するための第1の引き金(トリガー)として作用させ、イグニションスイッチの「ON」への切り替えを第2の引き金(トリガー)として作用させるように制御手順を構成した。このようなプレヒートを実行するためのトリガーは、上記実施の形態で選択した組み合わせに限らず、例えば図9に示したエンジン10の始動に先立って生じる各種事象から適宜選択することができる。このとき、どのような事象をトリガーとして選択するかは、適用対象となるエンジンの特性、外気温等の環境条件、シリンダヘッドの温度の初期値等によって異なるため、適宜最適なものを選択すればよい。
【0101】
また、運転者の性格等を反映させるべく、どの事象がトリガーとして最適であるかを各回のエンジン始動時における「プレヒート制御」の実施後に学習するようにしてもよい。
【0102】
また、第2のトリガーの他、第3のトリガー、第4のトリガー、…といったように3種以上のトリガーを設定しておき、断続的に熱水供給の開始と停止とを繰り返すように制御を行ってもよい。さらに、第1のトリガーを検出した後、その後の経過時間やシリンダヘッド10bの温度に応じて熱水供給の停止や再開を行ってもよい。
【0103】
また、エンジン10の始動に「先立って」とは、エンジン10の始動時も含めて「それ以前」を意味する。例えば蓄熱容器21に蓄えられた熱水の温度が80℃である場合、50℃〜75℃程度までシリンダヘッド10bの温度が上昇したところでエンジン10を始動しても、エンジン10の始動初期の排気特性や燃費は十分に向上することとなるものの、その後、熱水供給を継続することで、エンジン10の始動初期の排気特性や燃費の更なる向上を期待する余地がある。
【0104】
そこで、上記エンジン10の始動に先立ち二回以上の断続的な熱水供給を実行するにあたり、少なくとも一回の熱水供給は、エンジン10の始動と同時に実行するように制御を行ってもよい。このような制御態様により、エンジン10の始動にかかる排気特性や燃費の更なる向上を図ることができるようになる。
【0105】
また、各回の熱水供給によりエンジン側通路B2へ排出させる熱水の量は等量でなくともよい。
【0106】
また、蓄熱容器21に蓄えられた熱水のうち、所定量の熱水を断続的にエンジン側通路B2へ排出させる制御態様に替え、例えば電動ポンプEPの駆動力を変動させることにより、蓄熱容器21からシリンダヘッド10bに向かう熱水の流量が高低を繰り返すように制御を行っても、本実施の形態と同等若しくはこれに準ずる効果を奏することができる。
【0107】
また、上記プレヒートを実行させるトリガーの選択肢として、図9に示した各種事象の他、キーシリンダ5及びイグニションキー5Aによって構成される盗難防止装置の解除動作の開始や終了をプレヒートのトリガーとして適用することもできる。さらにこの他、車両の盗難を防止すべくエンジンの停止期間中は継続して機能し、エンジンの始動に先立ち運転者の意図等に基づいてその機能が解除されるといった特性を有する各種の盗難防止装置が知られており、これら周知の盗難防止装置の機能解除動作を、プレヒートのトリガーとして適用することもできる。
【0108】
また、シフトポジションセンサ8aの検出するシフトレバー8の位置(シフトポジション)の変化をプレヒートのトリガーとして適用することもできる。
【0109】
また、ドアロックセンサ3bの検出する運転席側ドア3のロック解除動作をプレヒートのトリガーとして適用してもよい。
【0110】
また、エンジン10の始動に先立つブレーキペダル7の踏み込み動作をブレーキセンサ7aによって検出し、この動作をプレヒートのトリガーとして適用することもできる。
【0111】
プレヒートの第1のトリガーを、運転者の意志に委ねることができるようにしてもよい。このときプレヒートの実行にかかる指令信号は、例えばディスプレイ装置9から出力させることとすればよい。すなわち、ディスプレイ装置9の画面上に周知のタッチパネル(操作パネル)が表示されるよう当該装置を構成し、運転者が同タッチパネルへのタッチ操作を行うことにより、プレヒートの実行にかかる指令信号が出力されるようにすればよい。
【0112】
なお、上記運転者の意志をトリガーとしたプレヒートの実施は、ディスプレイ装置9を介した構成によるばかりでなく、例えばプレヒートに関する指令信号の出力を行うトランスミッターをイグニションキー5A等に内蔵し、遠隔操作によって行うようにしてもよい。
【0113】
また、ECU30に周知の音声認識機能を具備させることにより、例えば音響センサ(マイク)9aを通じて運転者が音声による指令を発することで、この音声による指令をトリガーとして、プレヒートが実施されるようにしてもよい。
【0114】
さらに、キーシリンダ5の構成には、例えば図10に示す他の形態を適用してもよい。
【0115】
すなわち、キーシリンダ5のケース5d上に、「LOCK」、「ACC」、「ON」及び「START」の表示に加え、「ON」と表示された位置SW3および「START」と表示された位置SW4の間に「PRH」の表示を配置する。そして、エンジン10の始動に際して運転者が、キーシリンダ5に挿入されたイグニションキー5Aを「ON」と表示された位置SW3を介して意図的に「PRH」と表示された位置SW5まで回動させることにより、ECU30がプレヒートを開始することとする。このようなキーシリンダ5の構成および同構成に関連するECU30の機能によれば、運転者の意志に基づいて、しかもエンジン10の始動に先立って必然的にプレヒートが開始されるため、運転者がエンジン10の始動を意図したときから、プレヒートの実行・完了を経て、エンジン10の始動に至るまでの一連の手順が、イグニションキー5Aの一方向への回動という一動作により速やかに行われる。従って、プレヒート完了までエンジン10の始動を禁止しても、運転者に生じる違和感は最小限に抑制されることとなる。
【0116】
また、スタータ26の作動を禁止する実施の態様としては、イグニションキー5Aを「スタート(START)」位置SW4へ回動させてもスタータ26を作動させないようにしてもよい。さらに、スタータ26が作動しても、燃料噴射弁18が動作せず(燃料の噴射供給を行わず)、結果としてエンジン10が始動しないように制御することとしてもよい。
【0117】
また、スピーカ29の発する音声や、プレヒートランプ28の点灯動作を通じてプレヒート開始、継続中、或いは完了の旨を運転者に通知するようにしてもよい。
【0118】
また、上記実施の形態における「プレヒート制御ルーチン」において、エンジン10の始動禁止を解除した後は、当該エンジン10の自動始動を行うよう制御することとしてもよい。
【0119】
また、上記実施の形態では、水温センサ25の出力信号、言い換えれば冷却系の一部位で検出された冷却水の温度(冷却水温)THWを、エンジン10の温度を代表するパラメータとして採用した。これに関わらず、エンジン10の温度、若しくは吸気ポート16の温度を反映する情報を取得する他の検出手段を採用することもできる。例えば、エンジン10本体の温度や、吸気ポート16内の温度を直接検出するセンサを設けたり、潤滑油の油温を検出する油温センサを設けることとしてもよい。さらに、冷却系の複数箇所に水温センサを設け、検出精度を高めるようにしてもよい。
【0120】
また、上記実施の形態において適用することとしたエンジンシステム100の冷却系20は、図3に示すように、シリンダブロック10a内とシリンダヘッド10b内とにほぼ独立した冷却水の循環通路が形成されている。そして、プレヒート中には蓄熱容器21およびシリンダヘッド10b間の循環通路Bのみ、とくにシリンダヘッド内では吸気ポートの近傍を優先的に冷却水が流れることで、吸気ポートの温度管理を他部位に優先して行うように構成されたものである。
【0121】
これに対し、例えば図11に示すエンジンシステム100’のように、その冷却系20’が、シリンダブロック10a及びシリンダヘッド10b内に共通の冷却水の循環通路を備え、プレヒート中にはエンジン10全体に冷却水を循環させるものであっても、本発明を適用して上記実施の形態に準ずる効果を奏することはできる。
【0122】
また、例えば図12に示すエンジンシステム100''に本発明を適用してもよい。エンジンシステム100''では、その冷却系20''の一部として、エンジン10を介して冷却水を循環させる循環通路20aの途中に通路20b及び通路20cを並列配置し、各通路途中に蓄熱容器21及び暖房用ヒータコア23を設けられている。また、通路20cを流れる冷却水の流量は、流量制御弁24Aにより自在に制御できるように構成されている。このような構成からなるエンジンシステム100''にあっては、プレヒート中と通常の機関運転時とで、冷却系20''内の冷却水が逆方向に流れることとなる。
【0123】
すなわち、プレヒート中には電動ポンプEPが作動することにより各部位で矢指X方向に冷却水が流れ、通常運転時には機械式ポンプMPが冷却水をエンジン10内に引き込むよう動作することにより各部位で矢指Y方向に冷却水が流れる。また、流量制御弁を全閉状態にして機械式ポンプが駆動すると、冷却水が概ねエンジン10内に閉じ込められた状態で循環することとなる(矢指方向Z)、このような態様でエンジン10の始動直後等には、エンジン10内の冷却水温を急速に暖機させることもできる。このような冷却系20''の構成に上記実施の形態にかかる「プレヒート制御」を併用すれば、エンジン始動時前後に亘る暖機効率を一層高めることもできるようになる。
【0124】
またこの他、エンジン10を、例えばシリンダヘッド10bの吸気ポート16周辺部位、シリンダヘッド10bの排気ポート17周辺部位、シリンダブロック10aといった各部位毎に冷却水を循環させることができるように構成しておき、エンジン10の始動初期における排気特性や燃費の向上を図るために温度を上昇させる優先順位を設定しておき、優先順位の高い部位から順次熱水供給を行うように制御を行ってもよい。具体的には、先ず最初に吸気ポート16周辺部位に蓄熱容器21内に蓄えられた熱水全量の一部を供給し、その後所定期間を経て、排気ポート17周辺部位に蓄熱容器21内に蓄えられた熱水全量の他の一部を供給し、さらにその後所定期間を経て、シリンダブロック10aに蓄熱容器21内に蓄えられた熱水の残りを供給するのが好ましい。また、吸気ポート16周辺部位への熱水供給(循環)→吸気ポート16周辺と排気ポート17周辺とを含めた部位への熱水供給(循環)→エンジン10全体への熱水供給(循環)といったように、熱水を供給する(循環させる)範囲を、優先順位の高い局所的な範囲から優先順位の低い部位も含めた広い範囲へと順次拡大させるように、冷却系の構造や、プレヒートの実施にかかる制御ロジックを構築してもよい。
【0125】
また、上記実施の形態においては、エンジン10と一体に構成された冷却系20、20’若しくは20''と、ECU30とによって本発明にかかる蓄熱装置が構成されることとなっている。これに対し、何らかの方法で熱を蓄熱しておき、内燃機関の始動に先立って当該機関に熱供給を行うことのできる装置であれば、本発明にかかる蓄熱装置としての機能を果たし得る。言い換えれば熱を蓄え熱源として機能すれば、オイル等、他の熱媒体を介して蓄熱する装置であってもよく、また、熱を電力として蓄電する装置や、潜在的に熱を包含する化学物質を蓄え、その化学反応によって適宜発熱する装置を蓄熱装置として適用することもできる。そしてさらに、冷却水のような熱媒体を介さずとも、蓄熱装置からの輻射熱や伝熱により熱供給を行うようにエンジンシステムや、その他これに相当するシステム(装置)を構成してもよい。
【0127】
また、こうした内燃機関は、さらに他の駆動手段(例えば電動式モータ)を付設し、当該内燃機関と他の駆動手段(原動機)との協働により駆動力を発生するいわゆるハイブリッドエンジンであってもよい。この場合、例えば蓄熱装置からの熱供給(プレヒート)が完了するまで他の駆動手段のみによる駆動動作を行うといった制御を行ってもよい。
【0128】
さらに、他の駆動手段(例えば電動式モータのような原動機)単体、電動式モータに電力を供給するバッテリや燃料電池、燃料噴射弁、変速機等、好適な作動状態の確保にある程度の暖機、言い換えれば熱供給が必要な機関、機構、機器、駆動回路等、被熱供給体に熱を供給する機能を有する如何なる熱供給システムに対し本発明を適用しても、当該被熱供給体の作動状態、とくに作動開始時の作動状態を最適化する制御を行うといった点で、上記各実施の形態と同等、若しくはこれに準ずる効果を奏することはできる。
【0129】
また、上記実施の形態にかかる車両に備えられた各種センサ機器やディスプレイ装置9等は、上記「プレヒート制御」に関する各々の実施態様に対応して具備されていればよく、必ずしも上述した全てのセンサ機器等が一実施の態様にとって不可欠な要素ではない。要は、適用対象となる車両、内燃機関、或いは制御装置に対し、必要となる部材(センサ機器等)を個別選択的に取り付けるようにすればよい。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明によれば、蓄熱装置の蓄える熱量を継続的に排出(消費)する場合に比べ、蓄熱装置に蓄えられた有限量の熱をより長期間に亘って活用することができるようになる。すなわち、例えば当該機関の始動タイミングが何らかの原因で延期される等して、始動タイミングが安定しない条件下にあっても、一旦上昇した当該機関の温度が再下降してしまうことを実質的に抑制することができるようになる。
【0132】
また、当該機関の始動初期においても熱供給が継続されることとなり、当該機関の始動にかかる排気特性や燃費の更なる向上を図ることができるようになる。
【0133】
さらに、第2の発明によれば、熱供給システムの蓄える熱量を継続的に排出(消費)する場合に比べ、熱供給システムの蓄えた熱が有限量であっても、長期間に亘りこれを活用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるエンジンシステムが搭載される車両の一部を示す略図。
【図2】同実施の形態にかかる電子制御装置を中心としたエンジンシステムの電気的構成を概略的に示すブロック図。
【図3】同実施の形態にかかる車載用エンジンシステムを示す概略構成図。
【図4】同実施の形態にかかるエンジンについて、その燃焼室周辺の断面構造を部分的に拡大して示す略図。
【図5】同実施の形態にかかるエンジンシステムを概略的に示す模式図。
【図6】蓄熱容器の電動ポンプの作動態様を実験的に変更した結果として、シリンダヘッドの温度推移を示すタイムチャート。
【図7】同実施の形態にかかるプレヒート制御手順を示すフローチャート。
【図8】同実施の形態にかかるキーシリンダをイグニションキーの挿入方向に向かってみた平面図。
【図9】運転席側ドアの開扉からスタータの作動までの一連の動作のタイミングを時間軸上に示すタイムチャート。
【図10】同実施の形態にかかるキーシリンダをイグニションキーの挿入方向に向かってみた平面図。
【図11】他の実施の形態にかかるエンジンシステムを概略的に示す模式図。
【図12】他の実施の形態にかかるエンジンシステムを概略的に示す模式図。
【符号の説明】
1 車両
10 エンジン
1a 運転席
2 運転座席
2a 着座センサ
3 ドア
3a ドア開閉センサ
3b ドアロックセンサ
4 インナーバックル
4a シートベルトセンサ
5 キーシリンダ
5b スリット
5c ロータ
5d ケース
5A イグニションキー
5B 通信チップ
6 アクセルペダル
7 ブレーキペダル
7a ブレーキセンサ
8 シフトレバー
8a シフトポジションセンサ
9 ディスプレイ装置
9a マイク
10 エンジン
10a シリンダブロック
10b シリンダヘッド
11 燃焼室
12 気筒
13 ピストン
14 吸気バルブ
16 吸気ポート
17 排気ポート
18 燃料噴射弁
19 イグナイタ
19a 点火プラグ
20 冷却系(循環系)
20a 循環通路
21 蓄熱容器(蓄熱装置)
21a ハウジング
21b 冷却水収容部
21c 導入管
21d 排出管
21e,21f 逆止弁
22 ラジエータ
22a 電動ファン
23 暖房用ヒータコア
23a 電動ファン
24 サーモスタット
24A 流量制御弁
25 水温センサ
26 スタータ
28 点灯ランプ(プレヒートランプ)
29 スピーカ
30 電子制御装置(ECU)
31 中央処理装置(CPU)
32 読み出し専用メモリ(ROM)
33 ランダムアクセスメモリ(RAM)
34 バックアップRAM
35 タイマーカウンタ
36 外部入力回路
37 外部出力回路
38 バス
100 エンジンシステム
A,B,C,D 循環通路
EP 電動ポンプ
MP 機械式ポンプ
Pa 吸気ポート側冷却水通路
Pb 排気ポート側冷却水通路
P1 外部通路

Claims (2)

  1. 熱を蓄える蓄熱装置と、
    内燃機関と、
    前記蓄熱装置及び前記内燃機関との間で熱媒体を循環させるための循環系と、
    前記循環系内の熱媒体を循環させることにより、前記蓄熱装置に蓄えられた熱を前記内燃機関へ供給する熱供給手段と、
    前記熱供給手段を制御することにより前記蓄熱装置に蓄えられた熱を2回に分けて前記内燃機関に供給する制御手段であって、前記内燃機関の始動操作に先立って運転者が必然的に行う特定の操作が行われたときに、前記蓄熱装置に蓄えられた熱を前記内燃機関へ供給させるための,前記熱供給手段に対する1回目の制御を行い、前記内燃機関の始動操作が行われたときに、前記蓄熱装置に蓄えられた熱を前記内燃機関へ供給させるための,前記熱供給手段に対する2回目の制御を行う制御手段と
    を備えることを特徴とする車載用エンジンシステム
  2. 熱を蓄える蓄熱装置と、内燃機関と、前記蓄熱装置及び前記内燃機関との間で熱媒体を循環させるための循環系と、前記循環系内の熱媒体を循環させることにより、前記蓄熱装置に蓄えられた熱を前記内燃機関に供給する熱供給手段とを備えた車載用エンジンシステムの制御装置であって、
    前記熱供給手段を制御することにより前記蓄熱装置に蓄えられた熱を2回に分けて前記内燃機関に供給する制御手段であって、前記内燃機関の始動操作に先立って運転者が必然的に行う特定の操作が行われたときに、前記蓄熱装置に蓄えられた熱を前記内燃機関へ供給させるための,前記熱供給手段に対する1回目の制御を行い、前記内燃機関の始動操作が行われたときに、前記蓄熱装置に蓄えられた熱を前記内燃機関へ供給させるための,前記熱供給手段に対する2回目の制御を行う制御手段
    を備えることを特徴とする車載用エンジンシステムの制御装置。
JP2000245930A 2000-07-26 2000-08-14 車載用エンジンシステム及び車載用エンジンシステムの制御装置 Expired - Fee Related JP4718669B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000245930A JP4718669B2 (ja) 2000-08-14 2000-08-14 車載用エンジンシステム及び車載用エンジンシステムの制御装置
US09/907,596 US6532911B2 (en) 2000-07-26 2001-07-19 Internal combustion engine having heat accumulator, control of heat supply system and control method of internal combustion engine
CA002353676A CA2353676C (en) 2000-07-26 2001-07-23 Internal combustion engine having accumulator, control of heat supply and control method of internal combustion engine
EP01118027A EP1176040B1 (en) 2000-07-26 2001-07-25 Internal combustion engine having heat accumulator
EP08164353A EP2025539A3 (en) 2000-07-26 2001-07-25 Internal combustion engine having heat accumulator
DE60142872T DE60142872D1 (de) 2000-07-26 2001-07-25 Brennkraftmaschine mit einem Wärmespeichersystem
CNB011371803A CN1153895C (zh) 2000-07-26 2001-07-26 内燃机
CNB2004100384012A CN100494649C (zh) 2000-07-26 2001-07-26 内燃机及燃料供给装置的控制装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000245930A JP4718669B2 (ja) 2000-08-14 2000-08-14 車載用エンジンシステム及び車載用エンジンシステムの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002059729A JP2002059729A (ja) 2002-02-26
JP4718669B2 true JP4718669B2 (ja) 2011-07-06

Family

ID=18736357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000245930A Expired - Fee Related JP4718669B2 (ja) 2000-07-26 2000-08-14 車載用エンジンシステム及び車載用エンジンシステムの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4718669B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002059729A (ja) 2002-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4239417B2 (ja) 蓄熱装置付き内燃機関
US6532911B2 (en) Internal combustion engine having heat accumulator, control of heat supply system and control method of internal combustion engine
US6032869A (en) Heating apparatus for vehicle
RU2470799C2 (ru) Автотранспортное управляющее устройство
JP2002303140A (ja) 蓄熱装置を備えた内燃機関
JPS6275069A (ja) 暖機装置
JP4718669B2 (ja) 車載用エンジンシステム及び車載用エンジンシステムの制御装置
JP3843866B2 (ja) 車両搭載用内燃機関
JP2002038947A (ja) 蓄熱装置を有する車両搭載用内燃機関および被熱供給体の制御装置
US6536680B2 (en) Combustor with non-combustion air introduction
JPH11303696A (ja) 燃焼式ヒータの出力制御装置
JP2004068789A (ja) 車載用エンジンシステム
JP2006242025A (ja) 車両の制御装置
JP2002349369A (ja) 蓄熱装置を備えた内燃機関
JP2003072355A (ja) 車両用暖房装置
JP2006170065A (ja) 車両の制御装置
JP2004092491A (ja) 蓄熱装置を備えた内燃機関
JP2006207498A (ja) 車両の制御装置
JP2005083270A (ja) 内燃機関の蓄熱装置
JP3843906B2 (ja) 内燃機関
JP2002004855A (ja) 蓄熱装置を有する内燃機関
JP2005016420A (ja) 蓄熱装置を備えた内燃機関
JP2006220087A (ja) 車両の制御装置
JP2006220086A (ja) 車両の制御装置
JP2006220015A (ja) 車両の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090327

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090410

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20090501

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110401

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140408

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees