JP4717276B2 - 非水系二次電池及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、非水系電解液を用いる二次電池に関し、特に独特の構造を有する正極材料及び負極材料を用いる非水系電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話に代表される小型携帯機器用の電源、深夜電力貯蔵システム、太陽光発電に基づく家庭用分散型蓄電システム、電気自動車のための蓄電システムなどに関連して、各種の高エネルギー密度電池の開発が精力的に行われている。特に、リチウムイオン電池は、350Wh/lを超える体積エネルギー密度を有すること、金属リチウムを負極として用いるリチウム二次電池に比べて、安全性、サイクル特性などの信頼性が優れることなどの理由により、小型携帯機器用の電源として、その市場が飛躍的に拡大している。
【0003】
この様なリチウムイオン電池の正極活物質としては、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物などの4Vを超える起電力を有する材料が用いられている。これらの中でも、電池特性に優れ、かつ合成も容易なリチウムコバルト複合酸化物が、現在最も多量に用いられている。
【0004】
しかしながら、電池搭載機器の電源に対する高容量化、低コスト化のニーズは高く、現在に到るまで種々の正極材料が検討されてきた。
リチウムコバルト複合酸化物の原材料であるコバルトは、可採埋蔵量が少なく、かつ高価であるため、従来から、その代替物質としてリチウムニッケル複合酸化物の使用が検討されてきた。リチウムニッケル複合酸化物は、リチウムコバルト複合酸化物と同様に層状岩塩構造を有し、200mAh/gを超える高容量材料である。
【0005】
しかしながら、リチウムニッケル複合酸化物は、充電時に生成するNi4+が化学的に不安定であること、リチウムが構造中から多量に引き抜かれた高充電状態でのリチウムニッケル複合酸化物の構造が不安定であることなどに起因して、結晶格子からの酸素脱離開始温度が低いという問題点を有している。また、Solid State Ionics,69,No.3/4,265(1994)には、“充電状態のリチウムニッケル複合酸化物の酸素脱離開始温度は、従来のリチウムコバルト酸化物に比べて低い”ことが報告されている。この様な理由により、リチウムニッケル複合酸化物を単独で正極活物質に用いた電池は、高容量が得られるにも関わらず、高充電状態での熱安定性に問題があり、電池としての安全性が十分に確保できないので、現在まで実用化されていない。
【0006】
一方、スピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物は、層状岩塩構造を有するリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物などとは、構造的に異なっている。この構造の相違に起因して、リチウムマンガン複合酸化物の高充電状態での酸素脱離開始温度は、リチウムコバルト複合酸化物およびリチウムニッケル複合酸化物に比べて高いので、リチウムマンガン複合酸化物は、安全性の高い正極材料であるり、低コスト、高安全性が要求される大型電池分野で積極的に開発が進められている。
【0007】
しかしながら、リチウムマンガン複合酸化物を用いる電池において、高容量が実現できない原因としては、複合酸化物合成時の反応の不均一、混入不純物の影響などが考えられる。また、充放電サイクルに伴う容量の劣化原因としては、Liの出入りに伴う電荷補償としてMnイオンの平均価数が3価と4価との間で変化して、そのためにJahn-Teller歪みが結晶中に生じること、リチウムマンガン複合酸化物からのMnが溶出すること、溶出したMnが負極活物質上またはセパレータ上に析出することに起因してインピーダンスが上昇すること、さらには、不純物の影響、活物質粒子の遊離による不活性化、含水水分により電解液中に生成した酸の影響、リチウムマンガン複合酸化物からの酸素放出による電解液の劣化などが考えられる。
【0008】
スピネル単一相が形成されている場合には、Mnの溶出原因は、スピネル構造中の3価のMnが、4価と2価に一部不均化することにより電解液中に溶解し易い形になってしまうこと、Liイオンの相対的な不足から溶出してしまうことなどが考えられる。その結果、充放電の繰り返しにより不可逆な容量分の発生および結晶中の原子配列の乱れが促進されるとともに、溶出したMnイオンが負極或いはセパレータに析出して、Liイオンの移動を妨げるものと推測される。
【0009】
また、リチウムマンガン複合酸化物はLiイオンを出し入れすることにより、結晶はJahn-Teller効果により歪み、単位格子長の数%の膨張収縮を伴う。したがって、充放電サイクルを繰り返すことにより、粒子の一部電気的な孤立により活物質として機能しなくなることも推測される。
さらに、Mn溶出とともにリチウムマンガン複合酸化物からの酸素の放出も容易になってくるものと考えられる。酸素の放出量が多くなってくると、電解液の分解を促進するものと推測され、電解液の劣化による充放電サイクル劣化も生じるものと推測される。
【0010】
この様なMn溶出の抑制、格子歪みの低減、酸素欠損の低減などを実現することが、リチウム電池のサイクル特性を改善する上で重要である。そこで、特開平2-270268号公報は、Liの組成を化学量論比に対し十分過剰とすることにより、サイクル特性を向上させることを提案している。さらに、リチウムマンガン複合酸化物のMn元素の一部をCo、Ni、Fe、Cr、Alなどの添加ないしドープにより置換して、サイクル特性を改善する提案もされている(特開平4-141954号公報、特開平4-160758号公報、特開平4-169076号公報、特開平4-237970号公報、特開平4-282560号公報、特開平4-289662号公報など)。これらのLi過剰組成、金属元素の添加などの手法は、サイクル特性の向上には、効果を発揮するものの、逆に充放電容量の低減を伴うので、高サイクル寿命と高容量との両方を満足させるには至っていない。
【0011】
特開平10-112318号公報は、正極活物質として、リチウムマンガン複合酸化物とリチウムニッケル複合酸化物との混合物を用いることを提案している。この公報によれば、初回充放電における不可逆容量が補填され、大きな充放電容量が得られるとされている。また、特開平7-235291号公報も、正極活物質として、リチウムマンガン複合酸化物とLiCo0.5Ni0.5O2とを混合して用いる技術を提案している。
【0012】
しかしながら、本発明者の研究によれば、正極活物質として単にリチウムマンガン複合酸化物とリチウムニッケル複合酸化物との混合物を用いるだけでは、充放電特性、サイクル特性などの改善は未だ不十分であり、到底満足できる成果は得られないことが明らかとなった。
負極材料においても、正極材料同様高容量化の検討が積極的に進められている。
【0013】
負極材料においては、種々の黒鉛系材料、炭素系材料および多環芳香族系共役構造物質(一般に、低温処理炭素材料あるいはポリアセン系材料と呼ばれている)が、開発されている。特に、550〜1000℃程度の比較的低温で、種々の原料を熱処理して得られる多環芳香族系共役構造物質は、上記リチウムイオン電池に用いられるグラファイトの理論容量であるC6Li(372mAh/g)を超える高容量材料として、特に注目を浴びている。
【0014】
現在開発されている種々の多環芳香族系共役構造物質の原料としては、フェノール樹脂、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンスルフィド、メソカーボンマイクロビーズ、ピッチ系繊維、コークスなどが用いられており、いずれの多環芳香族系共役構造物質においても、400mAh/gを超える容量が得られている(“ポリマーバッテリーの最新技術”、シーエムシー社発行(1998)p22-p30)。
【0015】
これらの多環芳香族系共役構造物質の中でも、フェノール樹脂などの合成樹脂を出発原料としたものが、比較的高い容量を示している。例えば、Synth. Mat.、73 (1995)、p273-277には、フェノール樹脂を原料とするポリアセン系有機半導体が報告されている。この報告によれば、1100mAh/gのリチウムがドーピング可能であり、850mAh/gのリチウムを脱ドープできるとされている。また、この材料は、150℃付近で起こる電解液との反応による発熱ピークも小さく、安全性の高い材料である(第8回電池討論会予稿集(1997)p213-214)。しかしながら、この様な合成樹脂を出発原料とする材料は、その原料費が高いため負極材料として実用化するためには大幅なコスト低減が必要である。
【0016】
一方、ピッチあるいはコークスは、安価でかつ大量に製造されており、大型リチウム二次電池用負極材料の原料として有望である。しかしながら、該材料を原料とした多環芳香族系共役構造物質については、容量、初期効率などが未だ不十分であり、更なる高容量化、高効率化が望まれている。例えば、8th International Meeting on Lithium Batteries、Extend Abstracts (1996) p174-175には、石油ピッチ原料を700℃で熱反応した多環芳香族系共役構造物質が開示されているが、その容量は600mAh/gであり、効率は60%以下と低い。
【0017】
Electrochemica Acta、 vol. 38 No.9 (1993) p1179-1191によれば、石油ピッチを550℃或いは900℃で熱反応することにより、多環芳香族系共役構造物質が得られているが、この物質ではC6Li(372mAh/g)を超える容量は、達成されていない。
【0018】
特開平8-115723号公報記載の方法によれば、不融化石油ピッチ原料を800℃で熱反応することにより、H/C=0.12の多環芳香族系共役構造物質が得られているが、そのリチウムドープ容量は951mAh/g、脱ドープ量は546mAh/g(放電効率57.4%)と容量および効率ともに低い。
【0019】
さらに、J. Electrochem. Soc. Vol. 142 No.4 (1995) p1041-1046には、メソカーボンマイクロビーズを700℃で熱反応した多環芳香族系共役構造物質が開示されている。この物質によれば、リチウムドープ容量750mAh/gが得られているが、初期効率は62%と低い。
【0020】
さらにまた、メソフェーズピッチ系炭素繊維前駆体を800〜1000℃で熱処理する試みもあるが、性能面だけでなくコスト面からも、ピッチ二次成形材料を原料とすることは、実用的でない。
【0021】
上述から明らかなように、種々の高容量正極材料,負極材料の検討がすすめられているが、現行のリチウムイオン電池を超える高エネルギー密度二次電池は、完成されていない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は高容量で、サイクル特性の優れた非水系二次電池を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の様な技術の現状に留意しつつ研究を進めた結果、特定の構成を備えた非水系二次電池により、上記目的を達成することに成功した。
すなわち本発明は、下記の非水系二次電池を提供する。
1.正極、負極、セパレータおよびリチウム塩を含む非水系電解質を備えた非水系二次電池において、前記正極が、組成式LiaMnbNicMdO2(Mは、Co、AlおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1≦a≦1.1、0.3≦b<0.5、0.3≦c<0.5、0<d≦0.3、b+c+d=1)で表されるリチウムマンガンニッケル複合酸化物を正極活物質とし、前記負極が、(a)ピッチを主成分とする原料を熱反応させることにより得られ、(b)水素/炭素の原子比が0.35〜0.05であり、(c)BET法による比表面積が50m2/g以下である多環芳香族系炭化水素を負極活物質とすることを特徴とする非水系二次電池。
2.前記負極にあらかじめリチウムがプリドーピングされていることを特徴とする請求項1記載の非水系二次電池。
3.前記非水系二次電池において、40℃〜80℃の温度で初期充電することを特徴とする請求項1又は2記載の非水系二次電池の製造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明による非水系二次電池は、基本的要素として正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含む非水系電解質を備えている。
【0025】
本発明による非水系二次電池の正極は、組成式LiaMnbNicMdO2(Mは、Co、AlおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1≦a≦1.1、0.3≦b<0.5、0.3≦c<0.5、0<d≦0.3、b+c+d=1)で表されるリチウムマンガンニッケル複合酸化物を正極活物質とすることにより、正極活物質が高充電状態であっても熱安定性が向上することが明らかになった。
【0026】
この効果が現れる理由は未だ十分には解明されていないが、従来のリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物に比べ、酸素脱離開始温度が低くなっているものと考えられる。
【0027】
また、本発明の正極活物質は、層状構造を有するため、スピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物使用時に見られた▲1▼複合酸化物合成時の反応の不均一、混入不純物の影響、▲2▼Liの出入りに伴う電荷補償としてMnイオンの平均価数が3価と4価との間で変化して、そのためにJahn-Teller歪みが結晶中に生じ、リチウムマンガン複合酸化物からのMnが溶出、及び溶出Mnが負極活物質上またはセパレータ上に析出することに起因したインピーダンスの上昇、▲3▼不純物の影響、▲4▼活物質粒子の遊離による不活性化、▲5▼含水水分により電解液中に生成した酸の影響、▲6▼リチウムマンガン複合酸化物からの酸素放出による電解液の劣化、等の種々の問題も生じないため、リチウムマンガン複合酸化物に比べサイクル特性も改善される。
【0028】
前記組成式LiaMnbNicMdO2において、Li比は1≦a≦1.1の範囲内にある。aが1未満の場合には、サイクル特性が十分に改善されないのに対し、1.1を超える場合には、活物質の容量低下が大きくなる。Mn比は0.3≦b<0.5の範囲内にある。bが0.3未満の場合には、活物質の熱安定性が低下し、0.5以上の場合には、活物質の容量低下や異なる結晶構造の物質となる。Ni比は0.3≦c<0.5の範囲内にある。cが0.3未満の場合には、活物質の容量低下や異なる結晶構造の物質となり、0.5以上の場合には活物質の熱安定性が低下する。組成式中のMn又はNiと置換する元素Mとしては、サイクル特性及びレート特性を改善させるCo、Al、およびFeが挙げられ、これらの中ではCoがより好ましい。
【0029】
本発明の正極活物質の平均粒径は、従来の活物質の粒径と同様であり、通常1〜60μm程度、好ましくは5〜40μm程度、より好ましくは10〜30μm程度である。なお、本明細書において、「平均粒径」とは、レーザー回折測定法により得られた体積粒度分布における中心粒径を意味する。
【0030】
また、本発明の正極活物質の比表面積は、通常1.5m2/g以下であり、より好ましくは0.2〜1.1m2/g程度である。なお、本明細書において、「比表面積」とは、窒素ガスを使用するBET法による測定値を示す。
【0031】
本発明による非水系二次電池の負極は、(a)ピッチを主成分とする原料を熱反応させることにより得られ、(b)水素/炭素の原子比が0.35〜0.05であり、(c)BET法による比表面積が50m2/g以下である多環芳香族系炭化水素(本明細書において「負極材料1」という)を負極活物質とする。
【0032】
まず、本発明の負極材料1の製造原料となるピッチは、所定の物性を備えた負極材料を得ることができれば、特に限定されるものではないが、大別して石油系ピッチと石炭系ピッチとに分けられる。例えば、石油系ピッチとしては、原油の蒸留残査、流動性接触分解残査(デカントオイルなど)、サーマルクラッカーからのボトム油、ナフサクラッキングの際に得られるエチレンタールなどが例示される。これら原料を熱処理により重縮合させることにより、負極材料が得られる。
【0033】
また、石炭系ピッチとしては、石炭の乾留で得られる油分であるコールタールを蒸留して、軽質分を流出させた残査であるストレートピッチ、これにさらにアントラセン油、タールなどを添加したものなどが例示される。また、これらピッチを原料として合成されるメソフェーズピッチも、本発明の負極材料の製造原料として使用することができる。
【0034】
これらのピッチは、現在安価で大量に生産されており、主な用途としては、製鉄用コークスバインダー、電極用含浸材、コークス用原料、炭素繊維製造原料、成形炭素材料用バインダーなどとして、広く用いられている。
【0035】
本発明の負極材料1は、上記ピッチの少なくとも1種を熱反応させることにより、製造され、(1)水素/炭素の原子比が0.35〜0.05であり、(2)BET法による比表面積が50m2/g以下であることを必須とする。
【0036】
原料ピッチの熱反応は、窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気(真空を含む)中で行う。原料ピッチの熱反応温度、昇温速度、反応時間などは、原料の種類、目標とする負極材料のH/C比と比表面積などに応じて適宜決定される。熱反応温度は、通常550〜750℃程度であり、より好ましくは600〜700℃程度である。昇温速度は、通常10〜1000℃/時間程度の範囲内にある。
【0037】
昇温速度は、一定である必要はなく、例えば、300℃までは100℃/時間の速度で昇温し、300〜650℃までは50℃/時間の速度で昇温することも可能である。反応時間は、通常1〜100時間の範囲内にある。
【0038】
かくして得られる本発明の負極材料は、水素/炭素の原子比(以下「H/C」という)が、通常0.35〜0.05程度であり、好ましくは0.30〜0.10程度であり、さらに好ましくは0.30〜0.15程度である。H/C値が高すぎる場合には、生成物中の多環芳香族系共役構造が十分に発達していないので、容量および効率が低くなる。一方、H/C値が低すぎる場合には、炭素化が進行し過ぎているので、充分な容量が得られない。
【0039】
なお、本発明の負極材料1には、原料ピッチに由来する酸素、硫黄、窒素などの不純物が、種々の化合物の形態で含まれていることがある。これらの化合物が過剰に存在する場合には、負極材料の特性を阻害することがあるので、これら不純物の合計量が20重量%以下(元素として)、より好ましくは10重量%以下となる様に、原料を選択し、熱反応条件を設定することが望ましい。
【0040】
本発明の負極材料1のBET法による比表面積は、通常50m2/g以下であり、より好ましくは30m2/g以下である。負極材料1の比表面積が高すぎる場合には、リチウムのドープおよび脱ドープの初期効率が悪くなるので、実用上好ましくない。
【0041】
従来報告されている多環芳香族系共役構造物質においては、その比表面積は、一般に炭素系材料および黒鉛系材料に比べて大きく、50m2/gを超える。比表面積を低下させて効率を高めるために、炭素系材料および黒鉛系材料を再度表面処理する技術も開発されているが、この技術は、煩雑な操作を必要とし、負極材料コストを著しく高めるので、実用的に不利である。
【0042】
これに対し、本発明の負極材料は、ピッチ原料の1回の熱反応により、比表面積50m2/g以下とすることが可能であり、製造が容易である。一般に、負極材料の比表面積は、熱処理反応温度を上昇させると低下して、リチウムのドープおよび脱ドープの初期効率が高くなるが、その反面比表面積の低下に伴って、容量は急激に減少する。本発明の負極材料1は、上述のH/C比の範囲において、比表面積を50m2/g以下とすることを特徴とする。比表面積の下限値は、特に限定されないが、0.1m2/g程度である。
【0043】
本発明の負極材料1を得るための具体的な方法の一例を説明する。ピッチを原料とする本発明の負極材料1は、熱反応条件(熱反応時間、昇温速度、雰囲気、圧力、反応時に生成するガス成分の反応系外への除去速度など)を制御することにより、上記特定の構造を得ることができる。特に、ピッチ原料を適切に選択することにより、熱反応条件による制約を緩和することができる。一般に、ピッチを原料とする炭素材料は、空気中でピッチを100〜400℃程度の温度で加熱するか、或いは硝酸、硫酸などの酸化性液体により処理して、ピッチ全体あるいはその表面を不融化処理(架橋処理)した後、不活性雰囲気中で熱処理することにより、製造される。しかしながら、本発明においては、ピッチを不融化処理あるいは表面酸化処理しない状態で、熱反応に供することにより、容易に本発明の負極材料1を得ることができる。
【0044】
本発明において使用する原料ピッチの軟化点は、好ましくは70〜400℃程度、より好ましくは100〜350℃程度、特に好ましくは150〜300℃程度である。原料ピッチの軟化点が低すぎる場合には、負極材料の収量が低下するのに対し、高すぎる場合には、負極材料の比表面積が増大しやすい傾向にある。
【0045】
この様なピッチを原料として、窒素、アルゴン、真空下などの不活性雰囲気下において550〜750℃以下で熱反応を行うことにより、本発明の負極材料が得られる。この熱反応における生成物の収率は、原料ピッチの種類などによっても異なるが、60%以上の値が得られることが望ましい。
【0046】
熱反応により得られる本発明の負極材料1は、不定形を呈するので、ボールミル、ジェットミルなどの粉砕器で粉砕した後、さらに必要に応じて、分級するすることにより、所定の粒径に整粒する。負極材料の平均粒径は、目的とする電池の形状、特性、電極の厚さ、密度などを考慮して決定されるものであるが、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下である。平均粒径は、電極製造時の操作性を考慮して、0.1μm以上とすることが好ましく、1μm以上とすることがより好ましい。
【0047】
得られた本発明の負極材料1の容量(リチウムドープ量および脱ドープ量)は、以下の様にして測定することができる。例えば、当該負極材料を用いた電極を作用極とし、対極および参照極としてリチウム金属を用いる電気化学セルを組み立て、後述の非水系電解液中において、リチウム金属電位に対し1mVの電位で定電圧を印加し、電流値が充分に小さく(例えば0.01mA/cm2)なるまでリチウムをドープした後、充分に遅い速度(例えば0.25mA/cm2)でリチウム金属電位に対し、2Vまで脱ドープすることにより、測定する。
【0048】
本発明の負極材料は、上述の方法で測定した場合、1000mAh/g以上のリチウムをドープ可能であり、かつその内65%以上のリチウムが脱ドープ可能である高容量負極材料であり、本発明者らの実験では1000mAh/gを超えるリチウムが充放電可能である事を確認している。
【0049】
本発明の正極及び負極の成形は、所望の非水系二次電池の形状、特性などを考慮しつつ、公知の方法により行うことができる。例えば、活物質と結着剤樹脂と、必要に応じて導電剤とを混合し、成形することにより、電極を得ることができる。結着剤樹脂は、特に限定されるものではないが、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ四フッ化エチレンなどのフッ素系樹脂;フッ素ゴム、SBRなどのゴム系材料;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;アクリル樹脂などが例示される。
【0050】
結着剤配合量は、本発明の正極あるいは負極材料の種類、粒径、形状、目的とする電極の厚み、強度などに応じて適宜決定すれば良く、特に限定されるものではないが、通常本発明の正極あるいは負極材料の1〜30%程度とすることが好ましい。
【0051】
本発明において、正極あるいは負極を集電体上に形成するに際し使用する集電体は、特に限定されるものではないが、正極にはアルミ箔、負極には銅箔、ステンレス鋼箔などが挙げられる。さらに、金属箔上あるいは金属の隙間に電極が形成可能であるもの、例えば、エキスパンドメタル、メッシュなどを用いることもできる。
【0052】
本発明におけるセパレータは、特に限定されるものではないが、単層又は複層のセパレータを用いることができる。また、セパレータの材質も、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、クラフト紙、ガラス、セルロース系材料などが挙げられ、電池の耐熱性、安全性設計に応じて、適宜決定される。
【0053】
本発明による非水系二次電池の非水電解質は、公知のリチウム塩などの電解質材料を公知の溶媒に溶解させた従来の非水系電解質と同様である。電解質は、正極材料、負極材料などの種類、充電電圧などの使用条件などを総合的に考慮して、常法に従って適宜決定することができる。 より具体的には、LiPF6、LiBF4、LiClO4などのリチウム塩を、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ-ブチロラクトン、酢酸メチル、蟻酸メチルなどの1種または2種以上からなる有機溶媒に溶解させた溶液が例示される。
【0054】
電解質材料の濃度は、特に限定されるものではないが、一般的に0.5〜2mol/l程度である。電解質は、当然のことながら、水分含有量ができるだけ低いもの、具体的には水分含有量100ppm以下のものが好ましい。なお、本明細書で使用する「非水系電解液」という用語は、非水系電解液および有機電解液を含む概念を包含するものであり、さらにはゲル状ないし固体の電解質も含む概念をも包含する。
【0055】
電池容器となる材質は、電池の用途、形状により適宜選択され、特に限定されるものではなく、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム−樹脂ラミネートフィルムなどが一般的であり、これは本発明においても適用可能である。
本発明の非水系二次電池の形状、大きさなどは、特に限定されるものではなく、それぞれの用途に応じて、円筒型、角型、薄型、コイン型及び箱型等の任意の形状及び寸法を選択すれば良い。
本発明の非水系二次電池は上記正極活物質を用いた正極と上記負極活物質を用いた負極を組み合わせる事により従来のリチウム二次電池に比べ著しく高容量となる。ここでその高容量となる理由を簡単に説明する。
【0056】
本発明における負極材料は従来リチウムイオン電池に用いられている黒鉛等の炭素材料に比べ、例えば、3倍以上の高容量(リチウムのドーピング量)を有する。しかしながら、従来正極に用いられているリチウムコバルト複合酸化物と組み合わせた場合、負極が必要とするリチウム量を正極からすべて供給する為には、多量の正極活物質が必要となり、電池に占める正極の比率が著しく大きくなり、結果として電池の高容量化は期待される以上に大きくする事はできない。
【0057】
したがって、多環芳香族系炭化水素等の高容量負極材料を用い、高容量電池を得るためには、あらかじめ負極に正極以外のリチウム源からリチウムをドーピングするプリドーピングの手法を用いる必要があり、電池の製造が複雑になる。一方、LiaMnbNicMdO2を正極に用い負極に従来の黒鉛等の炭素材料を用いる場合、LiaMnbNicMdO2はリチウムコバルト複合酸化物に比べ、多量のリチウムを負極に供給可能であるが、黒鉛等の炭素材料の容量が限られる為、十分にその特性が利用できず、大幅な高容量化は実現しない。
【0058】
本発明の非水系二次電池は、LiaMnbNicMdO2の大きなリチウム供給能力と、本発明の負極材料の大きなリチウム受け入れ能力が複合され高容量を得るものである。
【0059】
本発明の非水系二次電池において、LiaMnbNicMdO2の大きなリチウム供給能力を充分に引き出す為には、初期充電時、低い電流値で充電して正極から負極にリチウムを供給する事が好ましく、特に、初期充電時の温度を常温より高く、好ましくは40℃〜80℃、更に好ましくは50℃〜70℃で行なうことが望ましい。
【0060】
また、製造方法は煩雑になるが、負極へリチウムをプリドーピングする事も可能である。この場合においても、正極にリチウムコバルト複合酸化物等を用いる場合に比べ、プリドーピング量を低減する事ができる。この負極へのプリドーピングは、例えば、電極に成形した後、電気化学的に行う。具体的には、電池組立前に、対極としてリチウム金属を用いる電気化学システムを組み立て、後述の非水系電解液中において、プリドーピングする方法、電解液を含浸した負極にリチウム金属を張り合わせる方法が挙げられる。また、電池組立後に、リチウムのプリドーピングを行うには、リチウム金属などのリチウム源と負極とを張り合わせなどの方法により電気的に接触させておき、電池内に電解液を注液することにより、リチウムをプリドーピングする方法がある。
【0061】
本発明の非水系二次電池の形状、大きさなどは、特に限定されるものではなく、それぞれの用途に応じて、円筒型、角型、フィルム電池、箱型など任意の形状および寸法のものを選択すればよい。
【0062】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、これら実施例の記載により限定されるものではない。
【0063】
実施例1
(1)まず、リチウムマンガンニッケル複合酸化物としてのLiMn0.4Ni0.4Co0.2O2と導電材であるアセチレンブラックとを乾式混合し、得られた混合物をバインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を溶解させたN-メチル-2-ピロリドン(NMP)中に均一に分散させて、スラリー1を調製した。次いで、スラリー1を集電体となるアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行い正極を得た。
【0064】
正極中の固形分比率(重量比)は、リチウムマンガンニッケル複合酸化物:アセチレンブラック:PVDF=90:5:5とした。
【0065】
本実施例において、正極の塗布面積(W1×W2)は、50×30mm2である。また、電極には活物質が塗布されていない集電部が設けられている。
【0066】
(2)大阪ガス株式会社製石炭系等方性ピッチ(軟化点280℃)を、コーヒーミルで粉砕し、粒度1mm以下のピッチ原料を得た。該ピッチ粉末1000gをステンレス鋼製の皿に入れ、電気炉(炉内有効寸法300mm×300mm×300mm)内に設置して、熱反応を行った。熱反応は、窒素雰囲気下で行い、窒素流量を10l/分とした。熱反応に際しては、室温から100℃/時間の速度で634℃(炉内温)まで昇温した後、この温度で4時間保持し、続いて自然冷却により、60℃まで冷却し、反応生成物を電気炉から取り出した。得られた生成物は、原料の形状を留めず、不定形な不溶不融性固体であった。収量は801gであり、収率は80重量%であった。
【0067】
得られた生成物をジェットミルにより粉砕し、平均粒度6μmに分級して、負極材料1を得た。該負極材料1を用いて、元素分析(測定使用機:パーキンエルマー製、元素分析装置“PE2400シリーズII、CHNS/0”)およびBET法による比表面積測定(測定使用機:ユアサアイオニクス社製、“NOVA1200”)を行ったところ、H/C=0.22であり、比表面積は18m2/gであった。
【0068】
上記の負極材料1粉末90重量部、PVdF10重量部およびN-メチルピロリドン(NMP)120重量部を混合し、負極合材スラリーを得た。該スラリーを厚さ14μmの銅箔の片面に塗布し、乾燥した後プレスを行ない負極を得た。
【0069】
負極の塗布面積(W1×W2)は、51×31mm2である。また、電極には活物質が塗布されていない集電部が設けられている。
さらに、上記と同様の手法により片面だけにスラリー2を塗布し、片面電極を作製した。片面電極は、後述の電極積層体において外側に配置される。
【0070】
(3)上記(1)項で得られた正極6枚と上記(2)項で得られた負極7枚(内片面2枚)とを、セパレータ(ポリエチレン製微孔膜)を介して交互に積層して、電極積層体を作製した。
【0071】
(4)上記(3)項で得られた電極積層体の正極集電部にアルミニウム製の正極端子を、負極集電部にニッケル製の負極端子をスポット溶接して取り付けた後、厚さ0.11mmのアルミニウム−樹脂ラミネートフィルム(アルミニウム層0.02mm)を外装体とした容器に収容し、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:2重量比で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPF6を溶解)を注液、含浸した。その後、減圧下(0.1気圧)で封口することにより電池を得た。
【0072】
(5)この電池を60℃の恒温槽で100mAの電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計24時間行い、室温まで冷却し、200mAの定電流で2.5Vまで放電した。放電容量を表1に示す。続いて、室温で「200mAの電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計8時間行い、室温まで冷却し、200mAの定電流で2.5Vまで放電した。する充放電サイクル」を20回行ったが大きな容量劣化はなかった。
【0073】
比較例1
リチウムマンガンニッケル複合酸化物に代えて、リチウムコバルト複合酸化物LiCoO2とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製し、実施例1と同様の手法により容量を測定した。放電容量を表1に示す。
【0074】
比較例2
負極活物質を黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ(MCMB、大阪ガスケミカル製、品番“25-28”)のみとした以外は、実施例1と同様にして電池を作製し、実施例1と同様の手法により容量を測定した。放電容量を表1に示す。
【0075】
比較例3
リチウムマンガンニッケル複合酸化物をLiMn0.6Ni0.3Co0.1O2とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製し、実施例1と同様の手法により容量を測定した。放電容量を表1に示す。また、サイクル特性については実施例1に比べ劣化が大きかった。
【0076】
【表1】
Figure 0004717276
【0077】
実施例1で使用したリチウムマンガンニッケル複合酸化物の組成式LiaMnbNicMdO2において、各元素の組成が、1≦a≦1.1、0.3≦b<0.5、0.3≦c<0.5、0<d≦0.3、b+c+d=1を満たす範囲内にある場合にも上記と同様な効果が達成される。
【0078】
さらに、実施例1で使用したリチウムマンガンニッケル複合酸化物の組成式LiaMnbNicMdO2において、MとしてAl、またはFeを構成成分とする他のリチウムマンガンニッケル複合酸化物を使用する場合にも、上記と同様な顕著な効果が達成される。
【0079】
【発明の効果】
上記の様に、正極活物質を組成式LiaMnbNicMdO2(Mは、Co、AlおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1≦a≦1.1、0.3≦b<0.5、0.3≦c<0.5、0<d≦0.3、b+c+d=1)で表されるリチウムマンガンニッケル複合酸化物とし、前記負極が、(a)ピッチを主成分とする原料を熱反応させることにより得られ、(b)水素/炭素の原子比が0.35〜0.05であり、(c)BET法による比表面積が50m2/g以下である多環芳香族系炭化水素を負極活物質とすることにより、高容量でサイクル特性に優れた非水系二次電池を得ることができる。

Claims (3)

  1. 正極、負極、セパレータおよびリチウム塩を含む非水系電解質を備えた非水系二次電池において、
    前記正極が、組成式LiaMnbNicMdO2(Mは、Co、AlおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1≦a≦1.1、0.3≦b<0.5、0.3≦c<0.5、0<d≦0.3、b+c+d=1)で表されるリチウムマンガンニッケル複合酸化物を正極活物質とし、
    前記負極が、(a)ピッチを主成分とする原料を熱反応させることにより得られ、(b)水素/炭素の原子比が0.35〜0.05であり、(c)BET法による比表面積が50m2/g以下である多環芳香族系炭化水素を負極活物質とすることを特徴とする非水系二次電池。
  2. 前記負極にあらかじめリチウムがプリドーピングされていることを特徴とする請求項1記載の非水系二次電池。
  3. 前記非水系二次電池において、40℃〜80℃の温度で初期充電することを特徴とする請求項1又は2記載の非水系二次電池の製造方法。
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