JP4716538B2 - 電池の安全弁及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池を封口する板状の封口板の開放孔に薄肉の弁体が形成されて、電池内部圧力が所定値以上となったときに上記弁体が破砕して電池内のガスを電池外に放出する電池の安全弁及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、金属リチウム又はLiCoO2 等のリチウム含有複合酸化物を正極材料とする一方、リチウムイオンを吸蔵、放出し得るリチウム−アルミニウム合金、炭素材料等を負極材料とする非水電解液電池が、高容量化が可能な電池として注目されている。
【0003】
上記非水電解液電池では、電池温度が急激に上昇する等の異常時に電池内で多量のガスが発生することがあるが、この場合、電池内のガスを速やかに電池外に放出しないと、電池が破裂したり、発火したりするという不都合がある。そこで、上記電池には、異常時に、電池内のガスを速やかに電池外に放出するための安全弁が設けられている。このような安全弁としては、以下に示すようなものが提案されている。
【0004】
(1)特開平10−106524号公報(図13〜図16参照)に示されるように、リング状の基材21の開放孔21aに、2枚のアルミニウム系材料から成弁体を構成するクラッド材(厚みは、基材の10%程度である)22を溶接又は圧接して安全弁23を作製し、この安全弁23を封口板24に取り付けるというもの(所謂、安全弁クラッド材仕様のもの)。
【0005】
(2)特開平11−250885号公報(図17及び図18参照)に示されるように、封口板25の開放孔25aの中程に、破砕溝26が設けられた弁体27を有するもの。
(3)特開平11−273640号公報(図19及び図20参照)に示されるように、封口板28の開放孔28aの下端部から、ドーム状を成す薄肉の弁体29が形成されたもの。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の安全弁では、以下に示すような課題を有していた。
(1)の安全弁の課題
このような安全弁23では、基材21とクラッド材22との溶接又は圧接時に溶接強度等にバラツキが生じたり、安全弁23を封口板24に取り付ける際にクラッド材22を傷つけるおそれがあるということから、電解液が漏れたり、電池毎の安全弁の作動圧力差が大きくなるという課題がある。
【0007】
(2)の安全弁の課題
このような安全弁では、電池毎の安全弁の作動圧力差は小さくなるものの、安全弁が破砕する場合に、弁体27の開放面積にバラツキが生じ、開放面積が小さい場合には、ガス放出量よりガス発生量が多くなることがある。このため、安全弁としての機能を十分に発揮することができず、電池の発火、破裂等を生じることがあるという課題を有していた。
【0008】
(3)の安全弁の課題
このような安全弁では、弁体29の開放面積は大きくなるため、電池の発火、破裂等は阻止できるが、開放孔28aの下端部から薄肉の弁体29が形成されているため、電池の組立時に振動、衝撃が加わった場合、治具等により弁体29が傷ついてクラック等が生じ、電解液が漏れたりすることがあるという課題を有していた。
【0009】
本発明は、以上の事情に鑑みなされたものであって、電池毎の安全弁の作動圧力差を小さくしつつ、安全弁作動時に十分な開放面積を確保し、しかも電解液が漏れたりするのを防止することができる電池の安全弁及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1記載の発明は、電池を封口する板状の封口板の開放孔に上記開放孔を塞ぐ薄肉の弁体が形成されて、電池内部圧力が所定値以上となったときに上記弁体が破砕して電池内のガスを電池外に放出する電池の安全弁において、上記弁体はドーム形状を成し、上記弁体全体が、上記封口体の外側面と面一の仮想面より内側にあり、且つ上記封口体の内側面と面一の仮想面より外側にあり、上記弁体は、上記封口体の外側面と面一の仮想面より内側であって、上記封口体の内側面と面一の仮想面より外側において、前記封口体と連結されており、上記弁体の厚みは、上記封口板の厚みに対して、0.1〜10%に規制されることを特徴とする。
【0011】
このように、弁体がドーム形状であれば、ガスによる応力が最も加わる弁体の周縁部から確実に破砕する。したがって、若干弁体の厚みにバラツキがあっても電池毎の安全弁の作動圧力差が小さくなると共に、安全弁作動時に十分な開放面積を確保することができる。加えて、開放孔を塞ぐ薄肉の弁体全体が、封口板の外側面と面一の仮想面と封口板の内側面と面一の仮想面との間にあり、上記弁体は、上記封口体の外側面と面一の仮想面より内側であって、上記封口体の内側面と面一の仮想面より外側において、前記封口体と連結されているので、治具等と弁体とが直接接することはない。したがって、電池の組立時に振動、衝撃が加わった場合でも、治具等により弁体が傷つくのを防止でき、電解液が漏れたりするのを抑制することができる。
【0012】
また、上記の如く弁体の厚みを規制するのは、弁体の厚みが封口板の厚みに対して0.1%未満であれば、弁体が余りに薄くて、電解液の漏れ等が生じることがある一方、弁体の厚みが封口板の厚みに対して10%を超えると、弁体が余りに厚すぎて、電池毎の安全弁の作動圧力差が大きくなるからである。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記ドーム形状は、電池外側に膨らんだ形状であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、上記弁体の平面形状が、真円状、楕円状、又は四角形状であることを特徴とする。
弁体の平面形状としては、真円状、楕円状、又は四角形状が例示されるが、この中でも楕円状、又は四角形状であることが望ましい。これは、弁体が真円状の場合には、弁体の周縁部に加わる応力が均一であるため、弁体が破砕し難い場合があり、電池毎の安全弁の作動圧力差が大きくなる場合があるが、弁体が楕円状、又は四角形状であれば、長辺方向の応力が大きく、長辺方向から確実に弁体が破砕するので、電池毎の安全弁の作動圧力差が小さくなるからである。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の発明において、上記弁体には、弁体の破砕を容易にするための破砕溝が形成されていることを特徴とする。
このように、破砕溝が形成されていれば、弁体の破砕がより容易になるので、電池毎の安全弁の作動圧力差を更に小さくすることができる。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の発明において、上記弁体と封口板とが一体的に形成されていることを特徴とする。
このような構造であれば、安全弁の部品点数が減少するので、電池の製造コストを低減することができる。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項6記載の発明は、電池を封口する板状の封口板の開放孔に、ドーム形状を成し、上記開放孔を塞ぐ薄肉の弁体を、しぼり加工法により、上記封口板の外側面と面一の仮想面より内側に形成し、且つ上記封口体の内側面と面一の仮想面より外側に形成する弁体形成工程を有し、上記弁体は、上記封口体の外側面と面一の仮想面より内側であって、上記封口体の内側面と面一の仮想面より外側において、前記封口体と連結されており、上記弁体の厚みは、上記封口板の厚みに対して、0.1〜10%に規制されることを特徴とする。
このような方法であれば、請求項1記載の電池の安全弁を容易に作製することができる。
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、上記ドーム形状は、電池外側に膨らんだ形状であることを特徴とする。
【0017】
また、請求項記載の発明は、請求項6又は7に記載の発明において、上記弁体形成工程の後工程に、弁体にアニール処理を施すアニール処理工程を有することを特徴とする。
しぼり加工により薄肉の弁体を形成すると、弁体の材料の硬度が高くなって、材料自体の機械的強度が大きくなる結果、電池毎の安全弁の作動圧力差が大きくなることがある。しかし、上記の如く、弁体形成工程の後工程で、弁体にアニール処理を施せば、弁体の材料の硬度が低くなって、材料自体の機械的強度が小さくなる結果、電池毎の安全弁の作動圧力差が小さくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図12に基づいて、以下に説明する。
図1は本発明に係る安全弁の平面図、図2は図1のA−A線矢視断面図、図3は本発明に係る安全弁を用いた非水電解液電池の平面図、図4は図3のB−B線矢視断面図、図5は弁体に破砕溝を設けた安全弁の平面図、図6は図5のC−C線矢視断面図、図7は他の例に係る安全弁の平面図、図8は他の例に係る安全弁の平面図、図9は他の例に係る安全弁の平面図、図10は図9のD−D線矢視断面図、図11は本発明の他の例に係る安全弁を用いた非水電解液電池の平面図、図12は図11のE−E線矢視断面図である。
【0019】
〔第1の形態〕
図3に示すように、本発明の非水電解液電池は、有底円筒状の外装缶8を有しており、この外装缶8内には、アルミニウム合金から成る芯体にLiCoO2 を主体とする活物質層が形成された正極と、銅から成る芯体に黒鉛を主体とする活物質層が形成された負極と、これら両電極を離間するセパレータとから成る偏平渦巻き状の発電要素7が収納されている。また、上記外装缶8内には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とが体積比で4:6の割合で混合された混合溶媒に、LiPF6 が1M(モル/リットル)の割合で溶解された電解液が注入されている。更に、上記外装缶8の開放孔にはアルミニウム合金から成る封口板6(厚さ:1mm)がレーザー溶接されており、これによって電池が封口される。
【0020】
上記封口板6は、ガスケット11、絶縁板12及び導電板14と共に、挟持部材16により挟持されており、この挟持部材16上には負極端子キャップ10が固定されている。また、上記負極から延設される負極タブ15は、上記導電板14と挟持部材16とを介して、上記負極端子キャップ10と電気的に接続される一方、上記正極は正極タブ(図示せず)を介して、上記外装缶8と電気的に接続されている。
【0021】
ここで、上記封口板6と上記絶縁板12とには、開放孔17が形成されており、この開放孔17には、図1及び図2に示すように、薄肉の弁体(厚み50μmであり、封口板6の厚みの5.0%となっている)から成り上記封口板6と一体形成された安全弁9(封口板6と同様にアルミニウム合金から成る)が設けられている。この安全弁9は、電池内部圧力が所定値以上となったときに破砕して電池内のガスを電池外に放出する構造となっている。また、上記安全弁9は、電池外側方向に膨らむドーム形状を成し、しかも安全弁9全体が、上記封口板6の外側面6aと面一の仮想面18aより内側に形成され、且つ上記封口板6の内側面6bと面一の仮想面18bより外側に形成されている。
【0022】
上記構造の非水電解質電池を、以下のようにして作製した。
先ず、正極活物質としてのLiCoO2 を90重量%と、導電剤としてのカーボンブラックを5重量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを5重量%と、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液とを混合してスラリーを調製した後、上記スラリーを正極集電体としてのアルミニウム箔の両面に塗布した。その後、溶剤を乾燥し、ローラーで所定の厚みにまで圧縮した後、所定の幅及び長さになるように切断し、更にアルミニウム合金製の正極集電タブを溶接した。
【0023】
これと並行して、負極活物質としての黒鉛粉末を95重量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを5重量%と、溶剤としてのNMP溶液とを混合してスラリーを調製した後、上記スラリーを負極集電体としての銅箔の両面に塗布した。その後、溶剤を乾燥し、ローラーで所定の厚みにまで圧縮した後、所定の幅及び長さになるように切断し、更にニッケル製の負極集電タブを溶接した。
【0024】
次に、上記正極と負極とをポリエチレン製微多孔膜から成るセパレータを介して巻回して偏平渦巻き状の発電要素7を作製した後、この発電要素7を外装缶8内に挿入した。
一方、上記の工程と並行して、しぼり加工により安全弁9を封口板6と一体形成した後、この封口板6、ガスケット11、絶縁板12及び導電板14を挟持部材16により挟持した。
【0025】
しかる後、外装缶8と封口板6とをレーザー溶接した後、外装缶8内に電解液を注入し、更に挟持部材16上に負極端子キャップ10を固定することにより非水電解液電池を作製した。
【0026】
〔第2の形態〕
図5及び図6に示すように、安全弁9の弁体に、安全弁9の破砕を容易にするための破砕溝4を形成する他は、上記第1の形態と同様の構成である。
【0027】
尚、上記2つの形態においては、安全弁9の平面形状を楕円状としたが、これに限定するものではなく、図7及び図8に示すように、真円状又は四角形状等としても良い。
また、安全弁9は封口板6と一体形成しているが、このような構造に限定するものではなく、図9及び図10に示すように、枠体1と安全弁9の弁体とを一体形成し、枠体1と外装缶8とをレーザー溶接等により固定するような構造であっても良い。
【0028】
更に、破砕溝4は上記のように安全弁9の周縁に形成するものに限定するものではなく、図11及び図12に示すように、安全弁9の中央部で交差するような破砕溝19・19を設けても良い。このような構成とすれば、安全弁9がより確実に破砕する。但し、破砕溝19が安全弁9の中央部で交差するようなものとしては、このような構成のものに限定されるものではない。
加えて、上記実施の形態では安全弁9のアニール処理を行っていないが、安全弁9の形成後にアニール処理を行って電池を形成するような方法であっても良い。
【0029】
また、安全弁9の弁体の厚みは、封口板6の厚みの5.0%に限定するものではなく、0.1〜10%の範囲であれば、良好な結果を得ることができる。
更に、封口板6及び安全弁9の材質としてはアルミニウム合金に限定するものではなく、金属アルミニウム等を用いても良く、また本発明は上記非水電解液電池に限定するものではなく、封口板6及び安全弁9にアルミニウム材料等の傷つき易い材料を用いた電池であれば適用しうることは勿論である。
【0030】
但し、本発明を上記非水電解液電池に適用する場合には、正極材料としては上記LiCoO2 の他、例えば、LiNiO2 、LiMn2 4 或いはこれらの複合体等が好適に用いられ、また負極材料としては上記炭素材料の他、リチウム金属、リチウム合金、或いは金属酸化物(スズ酸化物等)等が好適に用いられる。更に、電解液の溶媒としては上記のものに限らず、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの比較的比誘電率が高い溶液と、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の低粘度低沸点溶媒とを適度な比率で混合した溶媒を用いることができる。また、電解液の電解質としては、上記LiPF6 の他、LiAsF6 、LiClO4 、LiBF4 、LiCF3 SO3 等を用いることができる。
【0031】
【実施例】
〔第1実施例〕
(実施例1)
実施例1としては、上記発明の実施の形態における第1の形態に示す方法と同様の方法にて作製した電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池A1と称する。
【0032】
(実施例2)
安全弁9の平面形状を、真円状とする他は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池A2と称する。
【0033】
(比較例1)
従来の技術の特開平10−106524号公報(図13〜図16参照)に示されるものを用いた。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池X1と称する。
【0034】
(比較例2)
従来の技術の特開平11−250885号公報(図17及び図18参照)に示されるものを用いた。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池X2と称する。
【0035】
(比較例3)
従来の技術の特開平11−273640号公報(図19及び図20参照)に示されるものを用いた。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池X3と称する。
【0036】
(実験1)
上記本発明電池A1、A2及び比較電池X1〜X3について、70℃で1時間保持した後−30℃で1時間保持するという1サイクルのヒートショックを100サイクル繰り返して、100サイクル経過後に電解液の漏れ数を調べるというヒートショック試験、バーナーで電池を加熱して電池の破裂、発火を調べる加熱試験、及び安全弁の作動圧力の差を調べる作動圧力差試験を行ったので、それらの結果を下記表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004716538
【0038】
上記表1から明らかなように、比較電池X1では、ヒートショック試験で電解液の漏れが発生すると共に、作動圧力差試験で作動圧力差が大きくなっており、また比較電池X2では、加熱試験で電池の破裂、発火が生じており、更に比較電池X3では、ヒートショック試験で電解液の漏れが発生している。これに対して、本発明電池A1、A2では、ヒートショック試験で電解液の漏れが発生せず、加熱試験で電池の破裂、発火が生じず、しかも作動圧力差試験で作動圧力差が小さくなっていることが認められる。
【0039】
これらのことから、本発明電池A1、A2は比較電池X1〜X3に比べて、安全弁9に要求される各種の性能が向上していることがわかる。
但し、本発明電池A1は本発明電池A2に比べて、作動圧力差試験で作動圧力差がより小さくなっていることが認められる。したがって、安全弁9の平面形状は真円状より楕円状の方が好ましいことがわかる。
【0040】
(実験2)
安全弁の厚みを種々変化させ、上記実験1と同様の条件でヒートショック試験、及び作動圧力差試験を行ったので、それらの結果を下記表2に示す。尚、封口板の厚みは1.0mmであり、安全弁9のアニール処理は行っていない。
【0041】
【表2】
Figure 0004716538
【0042】
上記表2から明らかなように、安全弁の厚みが0.5μm(封口板の厚みに対する安全弁の厚みが0.05%)のものは、ヒートショック試験で電解液の漏れが発生し、また、安全弁の厚みが150μm(封口板の厚みに対する安全弁の厚みが15.0%)のものは、作動圧力差試験で作動圧力差が大きくなっている。これに対して、安全弁の厚みが1〜100μm(封口板の厚みに対する安全弁の厚みが0.1〜10.0%)のものは、ヒートショック試験で電解液の漏れが発生せず、しかも作動圧力差試験で作動圧力差が小さくなっていることが認められる。
したがって、封口板の厚みに対する安全弁の厚みは、0.1〜10.0%であることが好ましいことがわかる。
【0043】
〔第2実施例〕
(実施例1)
実施例1としては、上記発明の実施の形態における第2の形態に示す方法と同様の方法にて作製した電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池B1と称する。
【0044】
(実施例2)
実施例2としては、上記発明の実施の形態における第1の形態に示す電池において、安全弁にアニール処理を施す他は、第1の形態に示す電池と同様の方法にて作製した電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池B2と称する。
【0045】
(実施例3)
実施例3としては、上記発明の実施の形態における第2の形態に示す電池において、安全弁にアニール処理を施す他は、第2の形態に示す電池と同様の方法にて作製した電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池B3と称する。
【0046】
(実験1)
上記本発明電池B1〜B3において、前記第1実施例の実験1と同様の条件で作動圧力差試験を行ったので、その結果を下記表3に示す。尚、封口板の厚みは全て1.0mmであり、安全弁の厚みは50μm(封口板の厚みに対する安全弁の厚みが5.0%)である。尚、下記表3には、前記第1実施例の実施例1で示した本発明電池A1の値についても記載している。
【0047】
【表3】
Figure 0004716538
【0048】
上記表3から明らかなように、破砕溝が形成された本発明電池B1及びアニール処理が施された本発明電池B2は、これらの形成及び処理がなされていない本発明電池A1に比べて、作動圧力差が小さくなっており、更に破砕溝が形成されると共にアニール処理が施された本発明電池B3では、更に作動圧力差が小さくなっていることが認められる。
したがって、作動圧力差を小さくするには、安全弁に破砕溝を形成したり、安全弁にアニール処理を施すのが好ましく、特に両者を実施するのが更に好ましいことがわかる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電池毎の安全弁の作動圧力差を小さくしつつ、安全弁作動時に十分な開放面積を確保し、しかも電解液が漏れたりするのを防止することができるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る安全弁の平面図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】本発明に係る安全弁を用いた非水電解液電池の平面図。
【図4】図3のB−B線矢視断面図。
【図5】弁体に破砕溝を設けた安全弁の平面図。
【図6】図5のC−C線矢視断面図。
【図7】他の例に係る安全弁の平面図。
【図8】他の例に係る安全弁の平面図。
【図9】他の例に係る安全弁の平面図。
【図10】図9のD−D線矢視断面図。
【図11】本発明の他の例に係る安全弁を用いた非水電解液電池の平面図。
【図12】図11のE−E線矢視断面図。
【図13】従来例に係る非水電解液電池の安全弁の平面図。
【図14】図13のF−F線矢視断面図。
【図15】従来例に係る非水電解液電池の平面図。
【図16】図15のG−G線矢視断面図。
【図17】従来例の他の例に係る安全弁の平面図。
【図18】図17のH−H線矢視断面図。
【図19】従来例の他の例に係る安全弁の平面図。
【図20】図19のI−I線矢視断面図。
【符号の説明】
4:破砕溝
7:発電要素
8:外装缶
6:封口板
9:安全弁
17:開放孔
18a:仮想面
18b:仮想面

Claims (8)

  1. 電池を封口する板状の封口板の開放孔に上記開放孔を塞ぐ薄肉の弁体が形成されて、電池内部圧力が所定値以上となったときに上記弁体が破砕して電池内のガスを電池外に放出する電池の安全弁において、
    上記弁体はドーム形状を成し、
    上記弁体全体が、上記封口体の外側面と面一の仮想面より内側にあり、且つ上記封口体の内側面と面一の仮想面より外側にあり、
    上記弁体は、上記封口体の外側面と面一の仮想面より内側であって、上記封口体の内側面と面一の仮想面より外側において、前記封口体と連結されており、
    上記弁体の厚みは、上記封口板の厚みに対して、0.1〜10%に規制されることを特徴とする電池の安全弁。
  2. 上記ドーム形状は、電池外側に膨らんだ形状であることを特徴とする請求項1記載の電池の安全弁。
  3. 上記弁体の平面形状が、真円状、楕円状、又は四角形状である、請求項1又は2記載の電池の安全弁。
  4. 上記弁体には、弁体の破砕を容易にするための破砕溝が形成されている、請求項1、2又は3記載の電池の安全弁。
  5. 上記弁体と封口板とが一体的に成形されている、請求項1、2、3又は4記載の電池の安全弁。
  6. 電池を封口する板状の封口板の開放孔に、ドーム形状を成し、上記開放孔を塞ぐ薄肉の弁体を、しぼり加工法により、上記封口板の外側面と面一の仮想面より内側に形成し、且つ上記封口体の内側面と面一の仮想面より外側に形成する弁体形成工程を有し、
    上記弁体は、上記封口体の外側面と面一の仮想面より内側であって、上記封口体の内側面と面一の仮想面より外側において、前記封口体と連結されており、
    上記弁体の厚みは、上記封口板の厚みに対して、0.1〜10%に規制される
    ことを特徴とする電池の安全弁の製造方法。
  7. 上記ドーム形状は、電池外側に膨らんだ形状であることを特徴とする請求項6記載の電池の安全弁の製造方法。
  8. 上記弁体形成工程の後工程に、弁体にアニール処理を施すアニール処理工程を有する、請求項6又は7記載の電池の安全弁の製造方法。
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