JP4212386B2 - 密閉型電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池内圧に起因する電池厚みの増加を抑制する溝を備えた密閉型電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化、高エネルギー密度化が要求されている。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
【0003】
このような非水電解質二次電池は、有機溶媒を使用しているので、高温条件下(約85℃)での使用により、電池内部の電解液の一部が揮発して電池の内圧が高まり、電池が膨張することがある。電子機器内の実装電池が膨張すると、その周囲に配置されている電子回路等を破壊する恐れがある。したがって、電池の膨張は最小限に押さえる必要がある。
【0004】
そこで、従来より電池の膨張を防止するために、外装缶材料の強度を増やし外装缶の剛性を高めることが行われている。しかし、外装缶材料の強度を増やすと、絞り加工性が悪くなり、規格サイズの外装缶を作製することが困難になるという問題がある。
【0005】
他方、電池外装缶の外表面に溝を設け、電池内圧上昇時に溝を開裂させ電池内のガスを排出することにより、電池の膨張を防止する技術がある(例えば特許文献1、2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−126693号公報(第2−3頁)
【特許文献2】
特開2001−143664号公報(第2−3頁)
【0007】
これらの技術によると、電池膨張時に外表面に設けられた溝が開裂して電池内のガスが排出されるため、電池異常時の安全性が向上する。しかしながら、この技術によると、一度電池が膨張すると溝が開裂してしまう結果、電池寿命が尽きてしまうという問題がある。また、排出ガスが電子回路等を損傷する恐れもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の事情に鑑みなされたものであって、通常の条件で電池使用時の電池の膨張を効果的に抑制することのできる電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、開口を有する角形外装缶と、前記外装缶に収納された電極体と、前記外装缶の開口を封口する封口体と、を有する密閉型電池において、前記外装缶は電池膨張を抑制する溝を有し、前記溝は外装缶の最も面積の大きい面の外表面の中心と当該面の外周とを結ぶ線分の中点より外周側に設けられ、前記溝の横断面形状における2つの溝角θ1, θ2 は、前記外表面中心側の溝角θ1よりも、外周側の溝角θ2 の方が小さいことを特徴とする。
【0010】
外装缶の外表面の外周は他の面と交わっているため、外表面の中央に比べて、電池膨張時の厚みの増加量が小さい。外表面の中心と当該面の外周とを結ぶ線分の中点より外周側に溝が設けられている上記構成によると、電池膨張時に前記溝を起点としてより大きな体積でもって膨張するので、電池の最大膨張部分である外表面中央の厚み増加量が小さくなる。つまり、電池の膨張に伴う最大電池厚みを小さくすることができる。
【0011】
また、このような溝は、通常、絞り加工後の外装缶をプレス加工して作製するのであるが、対称形状の溝を作製する場合、プレスされた部分の肉が、中心部側と外周側とに均等に流れる。ここで、外表面外周側は他の面と交差していることから形状変化に対する抵抗力が強いため、プレス時の応力が面の中央部に集中し、中央部が盛り上がる。この結果、厚みが電池の規格サイズを超えてしまうので、規格サイズとなるようにする追加の加工工程を必要とし、その分製造コストが上昇する。しかるに、外表面中心側の溝角θ1を、外表面外周側の溝角θ2よりも大きくした上記構成であると、加工時にプレスされた肉の多くが、変形耐性の大きい外周側に流れるため、プレス加工時における電池中央部の盛り上がりが抑制される。
【0012】
なお、外表面の中心と当該面の外周とを結ぶ線分の中点より外周側とは、図13の斜線部で示す領域のことである。
【0013】
また、上記構成において、前記外表面中心側の溝角θ1が、75°以上90°以下であるとすることができる。
【0014】
外表面中心側の溝角θ1が、75°未満であると、プレス加工時に中心側にも肉が流れるので、電池中央部の盛り上がりを抑制する効果が小さくなってしまう。また、外表面中心側の溝角θ1を、90°より大きくすることは困難である。したがって、外表面中心側の溝角θ1を上記範囲内に規制することが好ましい。
【0015】
また、上記構成において、前記外表面外周側の溝角θ2が、45°以上75°未満である、とすることができる。
【0016】
前記外表面外周側の溝角θ2が、75°以上であると、プレス加工時に流れる肉が少なくなるため、電池中央部の盛り上がりを抑制する効果が小さくなる。また、45°未満であると、プレス加工圧が分散してしまい、溝の形成が難しくなる。よって、上記範囲内に規制することが好ましい。
【0017】
ここで、上記溝角とは、溝の形状を示す図4(b)におけるθ1及びθ2で示す角度を意味している。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0019】
図1は本発明電池の平面図、図2は図1のA−A線矢視部分断面図、図3は本発明電池を示す図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は正面図、図3(c)は側面図である。
【0020】
図1及び図2に示すように、本発明の非水電解液電池は、有底筒状のアルミニウム合金製の外装缶2(側面部の厚み:0.20mm)を有しており、この外装缶2内には、正極と、負極と、これら両電極を離間するセパレータとから成る偏平渦巻状の電極体1が収納されている。また、上記外装缶2内には、電解液が注入されている。更に、上記外装缶2の開口にはアルミニウム合金から成る封口板3がレーザー溶接されており、これによって電池が封口されている。上記電池の大きさは、縦50mm、横34mm、厚み3.4mmである。
【0021】
上記封口板3は、ガスケット6、絶縁板7及び導電板8と共に、挟持部材9により挟持されており、この挟持部材9上には負極端子4が固定されている。また、上記負極から延設される負極タブ5は、上記導電板8と挟持部材9とを介して、上記負極端子4と電気的に接続される一方、上記正極は正極タブ(図示せず)を介して、上記外装缶1と電気的に接続されている。
【0022】
ここで、図3に示すように、上記外装缶1の最も面積の広い面10の中心と当該面10の外周とを結ぶ線分の中点より外周側に溝13が形成されている。また、図4(a)に示すように、上記溝の深さt1は0.1mmであり、当該溝13に対応する部分の残肉厚t2は0.1mmとなるように形成されているため、当該溝13における残肉量が十分に確保されている。また、図4(b)における中心部側の溝角θ1は90°、外周側の溝角θ2は55°に形成されている。
【0023】
なお、ここでは一方の面10にのみ溝13を設けたが、最も面積の大きい外表面が2以上ある時は、上記溝はそのうちの一つ以上の外表面に形成されていればよい。
【0024】
また、溝の深さ(図4のt1の大きさ)は、外装缶の厚みの25〜50%の範囲とすることが好ましい。この範囲より浅い溝であると電池の膨張を防止する効果が十分ではなく、またこの範囲より深い溝であると、電池落下時等に溝が破れて電解液が漏れ出す危険性があるからである。
【0025】
また、上記溝の作用効果はプレス加工により作製した電池に顕著に現れるが、エッチング加工、レーザー加工等の方法により溝を作製することを排除するものではない。
【0026】
また、非水電解質二次電池は、公知の材料、方法を用いて作製すればよい。例えば、正極材料としてはコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等のリチウム含有遷移金属複合酸化物、負極材料としては黒鉛、コークス等の炭素質物、リチウム合金、金属酸化物等、非水溶媒としてはエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート類、γ−ブチロラクトン等のエステル類、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等、電解質塩としてはLiN(CF3SO22、LiPF6等をそれぞれ単独で、あるいは二種以上混合して用いることができる。
【0027】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
【0028】
(実施例1)
コバルト酸リチウム(LiCoO2)からなる正極活物質90質量部と、アセチレンブラックからなる導電剤5質量部と、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)からなる結着剤5質量部と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合して活物質スラリーとした。
【0029】
この活物質スラリーを、ドクターブレードにより厚み20μmのアルミニウム箔からなる正極芯体の両面に均一に塗布した後、乾燥機中を通過させて乾燥することにより、スラリー作製時に必要であった有機溶媒を除去した。次いで、この極板を厚みが0.17mmになるようにロールプレス機により圧延して正極を作製した。
【0030】
黒鉛からなる負極活物質95質量部と、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)からなる結着剤5質量部と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合して活物質スラリーとした。この活物質スラリーを、ドクターブレードにより厚み20μmの銅箔からなる負極芯体の両面に均一に塗布した後、乾燥機中を通過させて乾燥することにより、スラリー作製時に必要であった有機溶媒を除去した。次いで、この極板を厚みが0.14mmになるようにロールプレス機により圧延して負極を作製した。
【0031】
エチレンカーボネート(EC)40質量部と、ジエチルカーボネート(DEC)60質量部とが混合された非水溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1M(モル/リットル)となるよう溶解させ、電解液を作製した。
【0032】
上記のように作成した正極と負極に、それぞれ正極リードあるいは負極リードを取り付けた後、両極をオレフィン系樹脂製の微多孔膜(厚み:0.025mm)からなるセパレータを間にし、かつ各極板の幅方向の中心線を一致させて重ね合わせた。この後、巻き取り機により巻回し、最外周をテープ止めすることにより扁平渦巻状電極体1を作成した。
【0033】
一方、上記の工程と並行して、アルミニウム合金製の薄板(厚み0.2mm)を絞り加工することにより、外装缶2を形成した。この外装缶2における面積の最も広い側面10のうちの一方の面に、図4に示す形状の溝13を、図3に示す位置にプレス加工により形成した(外周からの距離4mm、長さ26mm)。また、アルミニウム合金製の薄板を用いて封口板3を作製した。この後、この封口板3、ガスケット6、絶縁板7及び導電板8を挟持部材9により挟持させ、しかる後、導電板8と電極体1から導出される負極タブ5とを溶接し、電極体1を外装缶2に挿入した。そして、外装缶2と封口板3とをレーザー溶接した後、封口板1の透孔より外装缶2内に電解液を注入し、更に挟持部材9上に負極端子4を固定することにより、本発明に係る溝付き密閉型電池を作製した。
【0034】
(比較例1)
図7に示す、先端形状が対称形の溝(溝角は外周側、中央部側ともに72.5°)をプレス加工により形成したこと以外は、上記実施例1と同様にして、密閉型電池を作製した。
【0035】
(比較例2)
溝を形成しなかったこと以外は、上記実施例1と同様にして、密閉型電池を作製した。
【0036】
作製した各電池の最大厚みを測定した後、この電池を用いて充電試験、高温短時間保存試験、高温長時間保存試験を行った。なお、充電条件は、定電流630mA、定電圧4.2V、終止電流12.6mAであり、全ての試験において各電池をそれぞれ5個用いた。なお、電池のサイズは、縦50mm、横34mm、厚み3.4mmであり、厚み公差は±0.15mmであった。
【0037】
(充電試験)
各電池に対しそれぞれ30%、50%、100%の充電を行い、電池最大厚みを測定した。尚、100%の充電とは、満充電(630mAh)を意味している。
【0038】
(高温短時間存試験)
満充電後の電池をそれぞれ85℃、3時間保存し、取り出し直後及び室温まで冷却した後の電池最大厚みを測定した。
【0039】
(高温長時間存試験)
満充電後の電池をそれぞれ85℃、4日間保存し、取り出し直後及び室温まで冷却した後の電池最大厚みを測定した。
【0040】
各電池の試験結果を下記表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004212386
上段:平均厚み 下段:平均厚み増加量
全て、5検体の平均値であり、単位はmmである。
【0042】
表1から明らかなように、溝が作製されていない比較例2では、放電状態の厚みは3.46mmと規格サイズ内(3.40±0.15mm)であるものの、高温短時間保存試験及び高温長時間保存試験では、電池の取り出し後、冷却後ともに電池の膨張量が実施例1と比べて0.11〜0.16mm以上大きく、電池厚み自体も実施例1と比べて0.08〜0.13mm大きくなっている。これは、溝が形成されていないため、電池の膨張を均一化する効果が全くないことによると考えられる。
【0043】
他方、溝が対称形に形成されている比較例1では、電池厚みの変化量は実施例1とほとんど変わらないものの、プレス加工後の厚みが3.60mmと実施例1と比べて0.11mm大きく、電池規格外のサイズとなっている。このことは、対称形状の溝であるため、加工時に溝部の肉が、中心部側と外周側とに均等に流れる。ここで、他の面と交差している外周側は変形しにくいため、プレス時の応力が電池中央部に集中し、電池中央部が盛り上がってしまうことによると考えられる。
【0044】
他方、溝が非対称形に形成されている実施例1では、電池厚みの変化量が小さいとともに、プレス加工後の厚みも溝を作製していない比較例2とほとんど差がない。このことは、次のように考えられる。加工時に溝部の肉の多くが、変形耐性が高い外周側に流れ、中央部側にはほとんど流れない。この結果、プレスの応力が膨張量の少ない外周側に集中することとなり、電池中央部の盛り上がりが抑制される。
【0045】
電池が膨張する様子に関して、図8、9を用いてさらに詳細に説明する。図8は実施例1に係る電池及び比較例1に係る電池がプレス加工により変形する様子の説明図である。図8(a)は実施例1に係る電池の加工前後の肉の流れを示す説明図、図8(b)は比較例1に係る電池の加工前後の肉の流れを示す説明図、図8(c)は実施例1に係る電池の加工前後を示す断面図、図8(d)は比較例1に係る電池の加工前後を示す断面図であり、加工後を実線、加工前を破線で示した。また、図9は、実施例1に係る電池及び比較例2に係る電池が膨張により変形する様子の説明図であって、図9(a)は実施例1に係る電池の膨張状態の断面図、図9(b)は比較例2に係る電池の膨張状態の断面図、図9(c)は図9(a)を実線、図9(b)を破線にして重ね合わせた図面である。
【0046】
図8(a)に示すように、実施例1では、外周側の溝角θ2が中央部側の溝角θ1よりも小さい。したがって、プレス加工によりプレスされた部分の肉の多くが外周側に流れやすいが、外装体側面の外周側は他の面と交わっているので、中央部よりも強度が強い。このため、中央部側に肉が流れる場合と比較して盛り上がりが小さくなる。つまり、外装缶の表面は図8(c)に示すように変形するが、その程度は小さくなる。
【0047】
他方、比較例1では、図8(b)に示すように溝が対称形であるので、プレス加工によりプレスされた部分の肉が均等に流れる。この肉の流れと、外周側の強い強度との作用によって、外装缶は図8(d)に示すように変形する。この結果、中央部の厚みの増加量が大きくなる。
【0048】
また、電池が膨張するとき、溝が形成されている実施例1では、図9(a)に示すように、溝を起点に折れ曲がり、電池中央の厚みが小さくなるように変形する。他方、溝が形成されていない比較例2では、図9(b)に示すようになだらかに変形する。この結果、両電池の膨張の程度を比較した図9(c)に示すように、電池の最大膨張部分(電池の中央部)の厚みは、溝が形成されている実施例1の方が小さくなる。
【0049】
尚、上記実施の形態では非水電解質二次電池を作製したが、本発明は電池の種類に限定されるものではない。よって、例えばニッケル−水素蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池等、他の種類の電池にも本発明を適用することができる。
【0050】
また、上記実施の形態では溝の深さを0.1mmとしているが、この深さに限定するものではなく、電池の種類や、外装缶の材質等を考慮して、変えることができることは勿論である。また、図4では、台形である形状の溝を示したが、この形状に限定する必要はなく、図10に示すように、三角状、先端円形状等他の形状の溝であってもよい。また、上記実施の形態では封口板及び外装缶としてアルミニウム合金を用いたが、これに限定するものではなく、鉄等の公知の材質を用いることができる。
【0051】
また、上記実施の形態では、角形の電池を作製したが、本明細書で言う角形の電池には、図12に示すような角の部分が半円形の電池も含まれる。
【0052】
また、上記実施の形態では、最も面積の大きい外表面における封口体近傍領域及び缶底近傍領域に直線状の溝13が形成されているが、このような構造に限定するものではない。外装缶における面中央と外周との中点よりも外周側に溝が形成されていれば、図5に示すように一箇所のみに曲線状に形成されていてもよい。
しかし、溝の形成されていない電池は、図11に示すように側面の四隅から凸部稜線14を形成して膨張する。この凸部稜線付近がもっとも外装缶の変形量が大きいため、本発明の効果を最大限に得るためには、この凸部稜線に交差する位置に溝を形成することが好ましく、図6(a)に示すように四隅近傍の凸部稜線全てにそれぞれ交差する溝を形成するのがより好ましく、図6(b)、(c)に示すように、四隅近傍の凸部稜線の二つ以上と交差する位置に形成されていることが好ましい。
【0053】
また、電池膨張時に形成される凸部稜線14は、外装缶の側面における長手方向と短手方向との長さがあまり変わらない場合には、図11に示すように、隅部における長辺との角度θが約45°となるように形成されるが、電池の長手方向と短手方向との長さが大きく変わる場合には必ずしも上記θが略45°になるとは限らない。但し、上記θの範囲は、一般的に30〜60°程度になるので、この範囲に形成される凸部稜線14と溝13とが交差するように設計すれば良い。凸部稜線14は、四隅の近傍領域において、隅部からθの角度で形成され始め、そして、電池の大面積の側面における長手方向の中央領域において、前記長辺とほぼ平行に形成される。
【0054】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、溝形成のために歩留りが悪くなったり、電池の製造コストが高くなったり、落下等の衝撃による溝の開裂のために電解液が漏れることを防止しつつ、電池膨張時における最大厚みを小さくすることができる。また、溝をプレス加工によって形成する際、プレスの応力によって電池中央部が盛り上がり、規格外サイズになることも防止できる。よって、本発明によると、実装電池の膨張に起因する電子機器用の破損を防止し得た密閉型電池を低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明電池の平面図である。
【図2】図1のA−A線矢視部分断面図である。
【図3】本発明電池を示す図であって、図3(a)は平面図、図3(b)は正面図、図3(c)は側面図である。
【図4】本発明電池の溝の断面図であって、図4(a)は断面図、図4(b)は溝角の説明図である。
【図5】本発明電池の変形例を示す正面図である。
【図6】本発明電池の他の変形例を示す正面図である。
【図7】比較例1に係る電池の溝の拡大断面図である。
【図8】実施例1に係る電池及び比較例1に係る電池がプレス加工により変形する様子の説明図であって、図8(a)は実施例1に係る電池の加工前後の肉の流れを示す説明図、図8(b)は比較例1に係る電池の加工前後の肉の流れを示す説明図、図8(c)は実施例1に係る電池の加工前後を示す断面図、図8(d)は比較例1に係る電池の加工前後を示す断面図である。
【図9】実施例1に係る電池及び比較例2に係る電池が膨張により変形する様子の説明図であって、図9(a)は実施例1に係る電池の膨張状態の断面図、図9(b)は比較例2に係る電池の膨張状態の断面図、図9(c)は図9(a)を実線、図9(b)を破線にして重ね合わせた図面である。
【図10】本発明電池の溝の変形例を示す拡大断面図である。
【図11】溝が形成されていない電池の膨張状態を示す正面図である。
【図12】角形電池の他の形態を示す平面図である。
【図13】溝が形成される領域を示す平面図である。
【符号の説明】
1 電極体
2 外装缶
3 封口板
4 負極端子
5 負極タブ
6 ガスケット
7 絶縁板
8 導電板
9 狭持部材
10 側面
13 溝
14 凸部稜線

Claims (3)

  1. 開口を有する角形外装缶と、前記外装缶に収納された電極体と、前記外装缶の開口を封口する封口体と、を有する密閉型電池において、
    前記外装缶は電池膨張を抑制する溝を有し、前記溝は外装缶の最も面積の大きい面の外表面の中心と当該面の外周とを結ぶ線分の中点より外周側に設けられ、
    前記溝の横断面形状における2つの溝角θ1, θ2 は、前記外表面中心側の溝角θ1よりも、外周側の溝角θ2 の方が小さい、
    ことを特徴とする密閉型電池。
  2. 請求項1記載の密閉型電池において、
    前記外表面中心側の溝角θ1が、75°以上90°以下である、
    ことを特徴とする密閉型電池。
  3. 請求項1または2記載の密閉型電池において、
    前記外周側の溝角θ2が、45°以上75°未満である、
    ことを特徴とする密閉型電池。
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