JP4715017B2 - 多層積層板の製造方法 - Google Patents

多層積層板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板に利用される多層積層板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多層のプリント配線板を作製するために、多層積層板が採用されている。上記多層積層板は、内層用回路基板にプリプレグ及び外層に銅箔を配して形成した積層体を成形用プレートに挟み、加熱加圧してプリプレグの樹脂を硬化させ、一体化することで作製される。上記多層積層板は、成形に際し、積層体と成形用プレートを交互に配置し、成形用プレートを最外側として被圧体を形成し、この被圧体をプレスして、加熱加圧した後に冷却して成形する方法が汎用されている。この成形の方法として、プレスの熱盤に被圧体を挟んで熱盤からの伝熱により加熱しながら加圧する方法や、特表平8−506289号公報に記載されたような、被圧体をプレスした状態で銅箔に給電して、抵抗加熱により加熱しながら加圧する方法が知られている。
【0003】
上記抵抗加熱は、電気抵抗を有する導電体に電流を流し、ジュール効果で発生する熱により加熱する方法である。この抵抗加熱により加熱しながら加圧する方法は、例えば、図6に示すように、銅箔22として長尺のものを用い、この銅箔22を複数重ね折り返し屈曲させると共に、屈曲して対向する銅箔22間に、内層用回路基板の両側にプリプレグを積層した内層体23と、成形用プレート25を交互に複数配置して、被圧体26を作製する。次いで、上記方法は、この被圧体26をプレスして、加圧した状態で銅箔22に給電すると、抵抗加熱によりプリプレグが加熱され、冷却して成形する。上記抵抗加熱による成形法は、銅箔22を熱源として直接に加熱することができるため、一つの被圧体26に多数の多層積層板を成形することができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記積層体を成形する条件は、熱盤からの伝熱による方法の場合でも、抵抗加熱による方法の場合でも、図5に示すように、積層体の成形中の温度を徐々に上昇させ設定温度の最高温度(A)に達して所定時間保持した後、冷却が開始されると徐々に下降する。このとき、積層体の成形中の圧力は、段階的に例えば2段加圧等を行って、所望の設定した圧力(成形圧力R1 )に達した状態でプリプレグ中の樹脂が硬化し、その状態で冷却する方法が汎用されている。なお、図中の符号S0は成形開始時間であり、S1は冷却開始時間であり、R2は段階的に加圧する初期圧力を示す。
【0005】
一方、最近のプリント配線板は、その回路形成で高密度化の要望が高まっている。例えば、回路間隔は、100μmから50μm、さらに30μmとすることが望まれている。当然のことながら、スルーホールに対するランド径(アニュラーリング)にあっても、150μmから100μm、さらに50μmとすることが求められている。したがって、プリント配線板の加工においては、スルーホールの加工位置精度の向上が要望されている。このスルーホールの加工位置精度は、機械加工の制度向上と共に、スルーホールをプリント配線板の所定の位置に形成された基準穴からの距離によって位置決めするので、この基準穴の位置制度の向上が必要である。上記基準穴は、予め内層用回路基板の回路パターンに対して設定された位置に形成したターゲットマークをX線で求め、加工を行っている。この際、複数の回路を形成した層構成からなるプリント配線板にあっては、各層のターゲットマークの位置がずれていると、加工した基準穴と各層の回路パターンにずれが生じ、その結果、スルーホールと回路パターンの位置ずれを生じることになる。この各層のターゲットマークの位置ずれは、多層の積層板を成形する際に生じたり、また、内層用回路基板の収縮により生じるものがある。
【0006】
また、このような回路間隔が狭いプリント配線板を作製するために、多層積層板は、表面粗度を良好とするものが求められている。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、基準となる位置決め精度が向上した多層積層板の製造方法を提供することにある。
【0008】
さらに、本発明の他の目的とするところは、表面粗度が良好な多層積層板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、積層体を成形する際に、冷却を開始する10〜20分前から冷却開始するまでの間の圧力を、成形圧力に対して0.2〜0.4の範囲に圧力を下げ、冷却開始のときときの圧力を、より低圧の状態、すなわち、成形圧力に対して0.04〜0.15の圧力とし、さらに、積層体の温度が、用いたプリプレグのガラス転移温度の温度付近を経過するときの圧力を、所定の間だけ成形圧力に対して1.0以下の範囲で加圧することで、成形した多層の金属張り積層板は、基準となる位置決め精度が向上することを見出し、本発明の完成に至ったものである。さらに、本発明者は、研究を重ねた結果、この積層体の温度が、用いたプリプレグのガラス転移温度より30℃程度高い温度から、プリプレグのガラス転移温度より10℃程度低い温度に達するまでの間、圧力を上昇させて成形圧力に対して0.5以上、1.0以下の範囲とすると、多層の積層板の位置決め精度と共に、表面粗度が3μm以下と小さくなることを見出し、本発明の完成に至ったものである。
【0010】
請求項1記載の多層積層板の製造方法は、内層用回路基板の両側にプリプレグを積層した内層体、この内層体の外側に銅箔を配して積層体とし、この積層体と成形用プレートを交互に配置し、成形用プレートを最外側として被圧体を形成し、次いで、この被圧体をプレスし、加熱加圧した後に冷却して成形する多層積層板の製造方法において、冷却を開始する10〜20分前から冷却開始するまでの間の圧力を、成形圧力に対して0.2〜0.4の範囲とし、さらに、冷却開始のときの圧力を、成形圧力に対して0.04〜0.15の範囲とし、積層体の温度が、用いたプリプレグのガラス転移温度の温度付近を経過するときの圧力を、成形圧力に対して1.0以下まで加圧し、その後、圧力を成形圧力に対して0.04〜0.15の範囲とすることを特徴とする。
【0011】
なお、成形圧力とは、積層体中のプリプレグ中の樹脂を硬化させるために加熱中に加圧する最高圧力を示す。また、上記ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて20℃/分の割合で昇温させて発熱量を測定し、この発熱曲線(吸温)から求められるものである。
【0012】
請求項2記載の多層積層板の製造方法は、請求項1記載の多層積層板の製造方法において、上記冷却中のガラス転移温度の温度付近が、プリプレグのガラス転移温度より約30℃高い温度から、プリプレグのガラス転移温度より約10℃低い温度に達するまでの間であることを特徴とする。
【0013】
なお、プリプレグのガラス転移温度より約30℃高い温度、あるいは、ガラス転移温度より約10℃低い温度とは、被圧体の成形位置によるばらつきを想定して、半分以上のものがこの温度範囲の間、上記圧力範囲であるということである。
【0014】
請求項3記載の多層積層板の製造方法は、請求項1又は請求項2記載の多層積層板の製造方法において、上記冷却中のガラス転移温度の温度付近の加圧が、成形圧力に対して0.5以上に加圧することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の多層積層板の製造方法は、請求項1乃至請求項3いずれか記載の多層積層板の製造方法において、上記被圧体が、長尺の銅箔が複数重に折り返して連ね、この銅箔間に内層体と成形用プレートを交互に配置したものであると共に、上記加熱が銅箔に給電することによって成形されることを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の多層積層板の製造方法は、請求項1乃至請求項4いずれか記載の多層積層板の製造方法において、上記成形圧力が、2〜3MPaとすることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の多層積層板の製造方法は、請求項1乃至請求項5いずれか記載の多層積層板の製造方法において、上記得られる多層積層板の板厚が、0.1〜1.2mmであることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施の形態の一例として、抵抗加熱による成形方法の場合について、図1〜4に基づいて説明する。図1は温度、圧力状態を示すグラフ、図2は成形する前の組み合わせ状態を示す断面図、図3は多層積層板の断面図、図4は多層積層板の製造方法を説明する説明図である。
【0019】
本発明の対象となる多層積層板の組み合わせ構成の一例を図2に示す。上記の組み合わせ構成は、内層用回路基板1の外側にプリプレグ13を配置して内層体3とし、さらにこの内層体3の外側に銅箔2を配置して積層した積層体4である。上記内層用回路基板1は、エポキシ樹脂ガラス基材等の絶縁基板11の表面に回路12を形成したものであり、この絶縁基板11の表面に後工程の回路形成工程で必要なターゲットマークとなる回路12a,12bを形成している。上記プリプレグ13は、ガラス織物あるいは不織物等のガラス基材にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させ、この樹脂をBステージ状態に半硬化させたものである。上記積層体4は、その上下に成形用プレート5を配した状態でプレスして、加熱及び加圧されると、図3に示すように、プリプレグ13の樹脂が硬化して絶縁層13aを形成して、多層の金属張り積層板となる。
【0020】
また、内層用回路基板1の外側に配置されるプリプレグ13は、汎用のものを採用することができ、その枚数は、1枚でも複数枚でも適宜選択される。なお、内層体3の構成は、上記内層用回路基板1が単数に限定されず、プリプレグ13を介して複数の内層用回路基板1を積層したものでもよい。本発明は、多層積層板の板厚が、0.1〜1.2mmと薄い積層板の場合、本発明の効果が顕著に現れ易いものである。
【0021】
抵抗加熱による成形方法は、図4に示すように、一対の長尺の銅箔2、2を用い、この銅箔2、2に上記内層体3を挟んで一組の積層体4を形成すると共に銅箔2、2を複数重に折り返しながら、積層体4と成形用プレート5を交互に配置して被圧体10を作製する。次いで、上記方法は、この被圧体10をプレスする加圧板6、6の間にセットすると共に、銅箔2に給電する。なお、このとき加圧板6と被圧体10の間には、必要に応じて、アラミド繊維等のクッション材や熱伝導調整材を挟むようにしてもよい。また、上記成形用プレート5は、アルミニウム板の表面に絶縁被覆を施した電気絶縁性の板を用いることができる。
【0022】
上記抵抗加熱による成形方法は、銅箔2を熱源として直接に加熱することができるため、被圧体10の外側と内側で温度のばらつきが生じるのを抑えることができるので、一つの被圧体10に多数の多層積層板を成形することができる。上記成形方法は、多層積層板の板厚さにもよるが、一つの被圧体10で40〜80枚もの成形を可能とするものである。上記成形の際に、積層体4の温度制御を行うために、被圧体10内の一つの積層板に、温度測定用のセンサーを埋めこんだものを用いるとよい。
【0023】
上記製造方法は、上記被圧体10を加圧板6、6で加圧する。この際、加圧される初期圧力(P5 )は、接触圧程度が好ましい。次に、銅箔2に給電して抵抗加熱によって上記積層体4を加熱する。上記成形の際における温度及び圧力等の成形条件の一例を、図1に示す。図1(a)は、時間の経過と積層体の温度カーブT、(b)は圧力カーブPを示す。上記温度カーブTは、銅箔2を給電した時点(t0)から上昇し、やがて所定の成形温度である最高温度(符号A)に達してしばらく保持される。上記圧力カーブPは、加圧開始時点から、例えば、積層体4の温度がプリプレグ中の樹脂が溶融を開始する程度の時間(図中の時間t0からt1の間)は接触圧(符号P5)で保持し、その後に所定の設定した成形圧力(符号P1)に加圧される。上記成形圧力(P1)は、2〜3MPa程度が汎用される。
【0024】
本発明の製造方法は、加熱が終了して冷却する直前、及び、冷却のときに以下の方法で行うものである。上記製造方法は、冷却を開始する前10〜20分前(図中の時間t2)から冷却を開始(図中の時間t3)するまでの間(図中t2からt3の間)の圧力(符号P3)を、成形圧力に対して0.2〜0.4の範囲とする。さらに、上記製造方法は、冷却開始のとき(図中のt3)の圧力(符号P4)を、成形圧力(P1)に対して0.04〜0.15の範囲とし、積層体の温度が、用いたプリプレグのガラス転移温度の温度付近(図中のD)を経過するときの圧力(符号P2)を加圧して、成形圧力(P1)に対して1.0以下の範囲とし、その後(図中のt5以後)に圧力を、成形圧力(P1)に対して0.04〜0.15の範囲とする。上記製造方法は、加熱が終了して冷却する直前の圧力(P3)、及び、冷却の間の圧力(P2及びP4)を上述のようにすることによって、多層積層板の基準となる位置決め精度を向上するものである。
【0025】
上記加熱が終了して冷却する直前の圧力(P3)が高すぎると、位置決め精度が低下する恐れがあり、圧力(P3)が低過ぎると成形した多層積層板にボイドと称する気泡が発生したり銅箔にしわが生じたりし易くなる。また、この冷却する直前の圧力(P3)を低下させる時間が冷却する前10分未満であると、位置決め精度が低下する恐れがあり、時間が冷却する前20分を超えると成形した多層積層板にボイドと称する気泡が発生したり銅箔にしわが生じたりし易くなる。また、冷却開始のときの圧力(P4)が、高すぎると位置決め精度が低下する恐れがある。また、ガラス転移温度(D)の温度付近を下降する際の圧力(P2)が、成形圧力(P1)に対して1.0を超えると、位置決め精度が低下する恐れがある。
【0026】
上記製造方法において、プリプレグのガラス転移温度の温度付近として好ましい範囲は、プリプレグのガラス転移温度(D)より約30℃高い温度(符号B)から、プリプレグのガラス転移温度(D)より約10℃低い温度(符号C)に達するまでの間(図中の時間t4からt5の間)である。上記温度範囲を外れると、位置決め精度が低下する傾向がある。
【0027】
さらに、上記製造方法は、上記プリプレグのガラス転移温度(D)より約30℃高い温度(B)からプリプレグのガラス転移温度(D)より約10℃低い温度(C)に達するまでの間(時間t4からt5の間)の圧力(P2)を、成形圧力に対して1.0以下であると共に、0.5以上とすることが好ましい。上記圧力(P2)が成形圧力に対して0.5〜1.0の範囲であると、位置決め精度の向上と共に、多層の積層板の表面の平滑性が向上し、表面粗度が良好となるものである。
【0028】
例えば、プリプレグのガラス転移温度が125℃のものを用いて、成形圧力(P1)を2.5MPaで多層積層板を成形する場合、加熱が終了して冷却する直前の圧力(P3)は、0.5〜1.0MPaであり、冷却開始のときの圧力(P4)は、0.10〜0.375MPaであり、冷却で温度が155℃から115℃に下降する際の圧力(P2)は、2.5MPa以下で、1.25MPa以上とすると、位置決め精度が向上し、表面粗度が良好な、多層積層板が得られるものである。
【0029】
なお、図1では、上記温度範囲(B―Cの間)の間の圧力(P2)は、成形圧力(P1)と異なった例を示しているが、同一でもよい。また、上述の冷却の間の圧力(P4)も、接触圧(符号P5)と同じでも、異なるものでもよい。
【0030】
本発明の製造方法は、上記実施の形態に限定されず、成形方法が熱盤からの伝熱による方法の場合でもよい。なかでも、上述の抵抗加熱による成形方法の場合に被圧体10の外側と内側で温度のばらつきが少ないので、本発明の効果が顕著に現れる。
【0031】
【実施例】
本発明の効果を確認するため、以下の実施例及び比較例を行い、多層積層板を作製した。多層積層板は、抵抗加熱による成形方法で製造した。内層用回路基板は、銅張り積層板(松下電工株式会社製、R1766)の表面の銅箔(厚さ35μm)をエッチングして、両面に回路を形成した厚さ0.1mmの基板を使用した。上記内層用回路基板は、回路を形成した際に、ターゲットマークとなる回路を、その間隔が490mmのところに形成した。プリプレグは、ガラス織物にエポキシ樹脂を含浸させた厚さ0.1mm、樹脂量が52重量%のプリプレグ(松下電工株式会社製:R1661)を使用した。内層体は、上記内層用回路基板の両側に上記プリプレグを各1枚配して作製した。このプリプレグのガラス転移温度は、125℃であった。また、成形用プレートは、アルミニウム板の表面に絶縁被覆を施した、厚さ1.2mmの電気絶縁性の板を用いた。
【0032】
そして、厚み18μmの長尺の銅箔を一対用い、一対の銅箔を複数重ね折り返し屈曲させながら、積層体と成形用プレートを交互に配置して、60組の積層体を有する被圧体を作製した。なお、このとき上から30組目の積層体に熱電対を設置し、成形の際の温度を確認することとした。また、上記積層体は、500×500mmサイズの積層板が得られるように構成した。次に、上記被圧体をプレスの加圧板の間にセットすると共に、銅箔にプレスの加圧板を介して電源を接続した。
【0033】
(実施例1)
成形の際における温度及び圧力を以下のようにした。
【0034】
加熱中の温度は、50℃から180℃までを5℃/分の温度上昇速度で加熱し、最高温度180℃で40分保持した。加熱中の圧力は、最初15分間0.5MPaとし、その後圧力を加圧して成形圧力を2.5MPaとした。その後、冷却を開始する15分前に圧力を0.8MPaとし、冷却を開始するまでの間(図1中のt2からt3の間)、圧力(図1中のP3)を0.8MPaとした。
【0035】
冷却中の温度は、180℃から50℃までを5℃/分の温度下降速度となるように冷却した。その際、冷却中の圧力は、冷却開始のときの圧力(図1中のP4)を0.3MPaとし、積層体の温度が155℃から115℃に下降する際の圧力(P2)を2.0MPaとし、その後、圧力を0.3MPaとした。ことようにして多層の積層板を得た。
【0036】
(実施例2)
実施例1において、冷却を開始する10分前に圧力を0.8MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0037】
(実施例3)
実施例1において、冷却を開始する20分前に圧力を0.8MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0038】
(実施例4)
実施例1において、冷却を開始する15分前に圧力を0.5MPaとし、冷却を開始するまでの間(図1中のt2からt3の間)、圧力(P3)を0.5MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0039】
(実施例5)
実施例1において、冷却を開始する15分前に圧力を1.0MPaとし、冷却を開始するまでの間(図1中のt2からt3の間)、圧力(P3)を1.0MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0040】
(比較例1)
成形の際における温度及び圧力を以下のようにした。なお、図1の温度カーブ、圧力カーブと対比するために、比較例も、それぞれ相当する温度、圧力、時間を図中の符号に基づいて示している。
【0041】
実施例1において、冷却を開始する5分前に圧力を0.8MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0042】
(比較例2)
実施例1において、冷却を開始する25分前に圧力を0.8MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0043】
(比較例3)
実施例1において、冷却を開始する15分前に圧力を0.3MPaとし、冷却を開始するまでの間(図1中のt2からt3の間)、圧力(P3)を0.3MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0044】
(比較例4)
実施例1において、冷却を開始する15分前に圧力を1.5MPaとし、冷却を開始するまでの間(図1中のt2からt3の間)、圧力(P3)を1.5MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0045】
(実施例6)
実施例1において、冷却開始のときの圧力(P4)を0.1MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0046】
(実施例7)
実施例1において、冷却中の積層体の温度が155℃から115℃に下降する際の圧力(P2)を1.5MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0047】
(実施例8)
実施例1において、冷却中の積層体の温度が155℃から115℃に下降する際の圧力(P2)を2.5MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0048】
(実施例9)
実施例1において、冷却中の積層体の温度が165℃から115℃に下降する際の圧力(P2)を2.0MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0049】
(実施例10)
実施例1において、冷却中の積層体の温度が155℃から105℃に下降する際の圧力(P2)を2.0MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0050】
(実施例11)
実施例1において、冷却中の積層体の温度が155℃から115℃に下降する際の圧力(P2)を1.0MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0051】
(比較例5)
実施例1において、冷却開始のときの圧力(P4)を0.5MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0052】
(比較例6)
実施例1において、冷却中の積層体の温度が155℃から115℃に下降する際の圧力(P2)を3.0MPaとした以外は、実施例1と同様にして成形し、多層の積層板を得た。
【0053】
(評価)
得られた多層積層板の位置決め精度、成形性、並びに、表面粗度を以下のようにして測定し、評価した。
【0054】
(積層板の位置決め精度)
得られた多層積層板のうち、各20枚のターゲットマーク間の距離(設定490mm)を測定し、そのずれを算出し、最大が50μm以下を○、最大が50μmを超えて75μm以下を△、75μmを超えたものを×とした。結果は、表1及び表2のとおりであった。
【0055】
(成形性)
成形した多層積層板にボイドが発生したり、銅箔にしわが生じていないか、検査した。ボイドの検査は、得られた多層積層板のうち、各10枚の最外側の銅箔をエッチングして、外観を目視で観察し、ボイドの有無を調べた。銅箔のしわの検査は、全数外観を目視で観察し、しわの有無を調べた。ボイド及びしわのないものを○、ボイド又はしわのいずれかが発生していたものを×とした。結果は、表1及び表2のとおりであった。
【0056】
【表1】
Figure 0004715017
【0057】
【表2】
Figure 0004715017
【0058】
実施例は、比較例に比較して、位置決め精度が向上し、成形性が良好なものであった。比較例は、位置決め精度が劣るか、又は、成形性が製品として不良のものであった。
【0059】
(表面粗度)
実施例で得られた多層積層板の表面粗度を測定した。表面粗度が最大で3.0μm以下のものを○、表面粗度が最大で3.0μmを超えて、6.0μm以下のものを△、表面粗度が最大で6.0μmを超えるものを×とした。結果は表3に示すとおり。冷却中の積層体の温度が155℃から115℃に下降する際の圧力(P2)を1.0MPaとした実施例11は表面粗度が低下したのに対し、実施例1〜10は、表面粗度が良好であった。
【0060】
【表3】
Figure 0004715017
【0061】
【発明の効果】
本発明に請求項1〜6記載の多層積層板の製造方法は、基準となる位置決め精度が向上したものを得ることができる。
【0062】
さらに、本発明の請求項3記載の多層積層板の製造方法は、特に、表面粗度が良好なものを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の時間の経過と温度、圧力の一例を示し、(a)は温度カーブ、(b)は圧力カーブの状態を示すグラフである。
【図2】成形する前の組み合わせ状態を示す断面図である。
【図3】多層の金属張り積層板の断面図である。
【図4】多層積層板の製造方法を説明する説明図である。
【図5】従来の時間の経過と温度、圧力を示し、(a)は温度カーブ、(b)は圧力カーブの状態を示すグラフである。
【図6】従来の多層積層板の製造方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 内層用回路基板
2 銅箔
3 内層体
4 積層体
5 成形用プレート
6 加圧板
10 被圧体
13 プリプレグ

Claims (6)

  1. 内層用回路基板の両側にプリプレグを積層した内層体、この内層体の外側に銅箔を配して積層体とし、この積層体と成形用プレートを交互に配置し、成形用プレートを最外側として被圧体を形成し、次いで、この被圧体をプレスし、加熱加圧した後に冷却して成形する多層積層板の製造方法において、冷却を開始する10〜20分前から冷却開始するまでの間の圧力を、成形圧力に対して0.2〜0.4の範囲とし、さらに、冷却開始のときの圧力を、成形圧力に対して0.04〜0.15の範囲とし、積層体の温度が、用いたプリプレグのガラス転移温度の温度付近を経過するときの圧力を、成形圧力に対して1.0以下まで加圧し、その後、圧力を成形圧力に対して0.04〜0.15の範囲とすることを特徴とする多層積層板の製造方法。
  2. 上記冷却中のガラス転移温度の温度付近が、プリプレグのガラス転移温度より約30℃高い温度から、プリプレグのガラス転移温度より約10℃低い温度に達するまでの間であることを特徴とする請求項1記載の多層積層板の製造方法。
  3. 上記冷却中のガラス転移温度の温度付近の加圧が、成形圧力に対して0.5以上に加圧することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の多層積層板の製造方法。
  4. 上記被圧体が、長尺の銅箔が複数重に折り返して連ね、この銅箔間に内層体と成形用プレートを交互に配置したものであると共に、上記加熱が銅箔に給電することによって成形されることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか記載の多層積層板の製造方法。
  5. 上記成形圧力が、2〜3MPaとすることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか記載の多層積層板の製造方法。
  6. 上記得られる多層積層板の板厚が、0.1〜1.2mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれか記載の多層積層板の製造方法。
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