JP2009071021A - 多層配線回路基板の製造方法 - Google Patents

多層配線回路基板の製造方法 Download PDF

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稔 小野寺
Makoto Asano
誠 浅野
Atsuo Yoshikawa
淳夫 吉川
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Abstract

【課題】液晶ポリマーからなるフィルムを使用した多層配線回路基板を連続して製造する方法を提供する。
【解決手段】ダブルベルトプレス機を用いて、液晶ポリマーフィルムからなる絶縁性の被覆層7,7およびコア層8を熱圧着一体化し、多層配線回路基板16を製造する。コア層8を形成する液晶ポリマーフィルムは、被覆層7を形成する液晶ポリマーフィルムより耐熱性が低く、ダブルベルトプレス機の加熱温度は、被覆層7を形成する液晶ポリマーフィルムの融点よりも低温である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶ポリマーからなるフィルムを使用した多層配線回路基板を連続して製造する方法に関する。
従来、液晶ポリマーフィルムを用いて多層配線回路基板を製造する場合、真空熱プレス装置を使用して多層配線回路基板を製造することが多かった。すなわち、その2枚の熱平板の間に所定の大きさに裁断された液晶ポリマーフィルムと金属シートとを重ねて置き、真空状態で加熱圧着させた(バッチ式真空熱プレス積層法)後、金属シートに配線回路を形成して配線回路基板とし、さらに、これに異なる耐熱性の液晶ポリマーを真空状態で加熱圧着させて、多層配線回路基板を得ている。しかし、真空熱プレス積層法は枚葉式であるため、材料を重ねて置く時間、1回のプレス時間、プレス後の材料取り出し時間等が長くなり生産速度が遅くコストが高いという問題があった。
上記問題点を解決する手段として、一対のロールでの連続プレス機を使用して多層配線回路を積層する方法が検討されているが、一対のロールでの連続プレス機では、多層配線回路基板が一対のロールを通過するわずかな時間しか加圧されないため、得られた多層配線回路基板は、層間の接着力に欠けるだけでなく、液晶ポリマー(絶縁層)が回路パターンに良好に埋入されず、充填性に欠ける。さらには、多層配線回路基板の平滑性が損なわれるといった不具合についても解消されていない。
一方、ダブルベルトプレス機による多層配線回路の積層方法の検討が行われている。例えば、特許文献1(特開2000−103010)には、高耐熱性の芳香族ポリイミドの片面あるいは両面に熱圧着性の芳香族ポリイミドが積層された熱圧着性多層ポリイミドフィルムを得た後、この熱圧着性多層ポリイミドフィルムと金属箔とを、ダブルベルトプレスを用いて加圧下に熱圧着−冷却して積層して、フレキシブル金属箔積層体を得る方法が記載されている。また特許文献2(特開平8−58024)には、金属箔のシートの上に液晶重合体のフィルムを載せ、ダブルベルトプレス機を用いて前記液晶重合体の融点より高い温度において前記フィルムと金属箔とを接合して、金属積層品を製造する方法が記載されている。しかし、これらの方法では、ダブルベルトプレス機にて連続生産する際、時間の経過に従って、多層配線回路基板を加圧、圧着、移送させる連続ベルトの表面に熱劣化した液晶ポリマーが付着する。連続ベルトに付着した液晶ポリマーは、多層配線回路基板表面にへこみ(いわゆる打痕)や樹脂劣化異物として転写されるため、多層配線回路基板に外観不良を発生させる。金属箔に対して液晶ポリマーを良好に接合させるためには、液晶ポリマーの融点より高くプレス温度を設定しなければならないが、熱劣化した液晶ポリマーの付着は、ダブルベルトプレス機のプレス温度が、絶縁層の液晶ポリマーの融点より高くなるほど顕著に現れる。
連続ベルトの表面に熱劣化した液晶ポリマーが付着するのを抑制する観点から、特許文献3(特開平5−318656)には、積層板を製造する際、連続ベルトの表面をシリコンオイルなどの離型剤で処理する方法が記載されている。しかしながら特許文献3の方法では、シリコン成分が積層板の電気接続性やイオンマイグレーション性に支障を与えるという問題点があった。
特開2000−103010号公報 特開平8−058024号公報 特開平5−318656号公報
本発明の目的は、液晶ポリマーを用いて、層間接着力に優れるとともに、充填性も良好な多層配線回路基板を、高い生産効率で製造する方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、離型剤を用いずとも、良好な離型性を有するだけでなく、打撃痕や空気の噛み込みがなく、良好な外観を有する多層配線回路基板を、効率よく大量生産する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、平滑性に優れ、絶縁効率のよい多層配線回路基板を、高速で製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記した従来技術の問題点を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定の熱特性を有する液晶ポリマーを組み合わせて、コア層と被覆層とを形成し、かつ、ダブルベルトプレス機のプレス温度を被覆層の液晶ポリマーの融点よりも低くすることにより、ダブルベルトプレス機を用いても、外観不良の少ない多層配線回路基板を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、絶縁性の被覆層と絶縁性のコア層とを交互に重ねて、その重ね方向の両側に一対のベルトを有するダブルベルトプレス機により熱圧着一体化する多層配線回路基板の製造方法であって、前記被覆層は、高い耐熱性を有する液晶ポリマーフィルムで形成され、且つ、少なくとも一つの被覆層には、少なくとも一方の主面に回路層が形成され、前記コア層は、前記被覆層を形成する液晶ポリマーフィルムよりも低い耐熱性を有する液晶性ポリマーで形成され、被覆層を最外層とした状態で、全体をダブルベルトプレス機を用いて、前記被覆層の融点よりも低い温度で加熱して、コア層と被覆層とを熱圧着一体化する多層配線回路基板の製造方法である。
熱圧着する工程では、被覆層側に形成された回路層が、コア層の内部に埋入されてもよく、また被覆層の外部に形成された回路層が被覆層の内部に埋入されてもよい。コア層や被覆層の絶縁性を担保するため、コア層および/または被覆層の厚みは、回路層の厚みの2〜6倍であってもよい。
本発明は、また、このような製造方法により製造された多層配線回路基板を包含してもよい。前記多層配線回路基板は、(a)少なくとも一つの被覆層の最外面に回路層が埋入されている形態、(b)少なくとも一つのコア層の内部に回路層が埋入されている形態、および(c)少なくとも1つの被覆層の最外面に回路層が埋入されるとともに、少なくとも一つのコア層の内部に回路層が埋入されている形態のいずれか一つから選択される形態を有してもよい。
なお、本発明において多層配線回路基板の「多層」とは、回路層が2層以上含まれることを意味する。
本発明の多層配線回路基板の製造方法を用いることにより、ダブルベルトプレス機の連続ベルトに熱劣化した液晶ポリマーが付着するのを抑制できるため、従来では困難であった信頼性の高い多層配線回路基板を、連続生産により容易にかつ安価に製造することができる。
また、本発明の製造方法では、液晶ポリマー(絶縁層)が回路経路(パターン)に良好に埋入しないため、多層配線回路の平滑性が損なわれるといった不具合を改善し、外観不良の少ない多層配線回路基板を効率よく製造することができる。
以下、添付の図面に基づいて、本発明に係る多層配線回路基板の製造方法の好適な一実施形態を説明する。なお、図面は必ずしも一定の縮尺で示されておらず、本発明の原理を示す上で誇張したものになっている。また、添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一部分を示す。
図1は、本発明の多層配線回路基板の製造において、ダブルベルトプレス機による製造工程の一例を示す。まず、巻出ロール2および4には、高い耐熱性を有する液晶ポリマーで形成されたフィルム(フィルムA)の上下面に回路パターン(回路層)が予め形成された被覆層7が巻き取られている。なお、この回路層は、フィルムAを金属シートと重ねて加熱ロールで圧着した後、前記金属シートに回路パターンを形成することにより作製されている。
また、巻出ロール2および4の間に設置されている巻出ロール3には、前記フィルムAよりも低い耐熱性を有する液晶ポリマーで形成されたフィルムB(コア層8)が巻き取られている。
ダブルベルトプレス機には、連続ベルトが予熱ドラム9と冷却ドラム10の間に架け渡され、被覆層7,7およびコア層8は、前記コア層8の上下面に被覆層7,7を配置し被覆層を最外層とした状態で、すなわち被覆層がダブルベルトプレス機の連続ベルトに直接、接する状態で、巻出ロール2,3,4からダブルベルトプレス機の予熱ドラム9へ送り出される。ドラム9,10の回転により、被覆層7,7およびコア層8は、両側から連続ベルトにより圧接されながら図1の右側へ走行し、予熱後、被覆層7,7とコア層8は、加熱加圧ユニット12により圧着して一体化され、ついで冷却加圧ユニット13で形態安定化され、冷却ドラム10を介して、多層配線回路基板16として巻取ロール15に巻き取られる。
図2は、本発明の製造方法により得られる多層配線回路基板の断面構造の一例を示している。この多層配線回路基板では、絶縁層である一対の被覆層7,7の間に、絶縁層である単一のコア層8が挟まれている。また、回路層としては、多層配線回路基板の上面と下面、すなわちコア層8の上方に配設された被覆層7の上面およびコア層8の下方に配設された被覆層7の下面に回路パターン17,17が埋入されるとともに、コア層8の上面および下面にも、回路パターン17,17が埋入され、合計4層の多層配線回路構造を形成している。
(熱可塑性液晶ポリマーフィルム)
本発明では、高い耐熱性を有する熱可塑性液晶ポリマーで形成されたフィルム(フィルムA)を絶縁性の被覆層として用い、前記被覆層を形成する熱可塑性液晶ポリマーよりも低い耐熱性を有する液晶性ポリマーで形成されたフィルム(フィルムB)を絶縁性のコア層として用いる。
被覆層およびコア層を形成する熱可塑性液晶ポリマーの原料は特に限定されるものではないが、その具体例として、以下に例示する表1から表4に分類される化合物およびその誘導体から導かれる公知のサーモトロピック液晶ポリエステルおよびサーモトロピック液晶ポリエステルアミドを挙げることができる。但し、光学的に異方性の溶融相を形成し得るポリマーを得るためには、各々の原料化合物の組み合わせには適当な範囲があることは言うまでもない。
Figure 2009071021
Figure 2009071021
Figure 2009071021
Figure 2009071021
これらの原料化合物から得られる液晶高分子の代表例として表5に示す構造単位を有する共重合体を挙げることができる。
Figure 2009071021
また、本発明に使用される熱可塑性液晶ポリマーの融点は、フィルムの粘度や弾性率とは独立に設定すればよく、フィルムの所望の耐熱性および加工性を得る目的においては、200〜400℃程度の範囲内、とりわけ250〜350℃程度の範囲内に融点を有するものが好ましいが、フィルム製造の点からは、比較的低い融点を有するものが好ましい。
また、高い耐熱性を有する液晶ポリマーフィルム(フィルムA)と、フィルムAよりも低い耐熱性を有する液晶ポリマーフィルム(フィルムB)との融点差は5〜40℃程度であることが好ましく、10〜30℃程度がより好ましい。融点差が上記の範囲であると、配線経路の変形や多層配線回路基板自体が変形を抑制できるとともに、多層配線回路配線基板内の層間接着力を強くすることができる。
被覆層7およびコア層8で使用される熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、上記のポリマーを押出成形して得られる。このとき、任意の押出成形法を使用できるが、周知のTダイ製膜延伸法、ラミネート体延伸法、インフレーション法等が工業的に有利である。
これらの中でも特にインフレーション法では、フィルムの機械軸方向(以下、MD方向と略す)だけでなく、これと直交する方向(以下、TD方向と略す)にも応力が加えられて、MD方向とTD方向における機械的性質および熱的性質のバランスのとれたフィルムが得られる。
また、前記熱可塑性液晶ポリマーフィルムの厚みは特に限定はなく、例えば2mm以下の板状またはシート状のものを包含する。ただし、前記フィルムをプリント配線板の絶縁層として使用する場合、フィルムの剛性や強度の観点から、フィルムの厚さは20〜150μmの範囲であることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましい。このような範囲では、プリント配線板に電子部品を実装しても、加圧による変形が少なく、配線の位置精度を向上できる。
また、パーソナルコンピューターなどのメイン配線板の電気絶縁層としては、前記した熱可塑性液晶ポリマーフィルムと他の電気絶縁性材料、例えばガラス布基材との複合体を用いることができる。
なお、熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、各種添加剤、例えば、安定化剤(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、分散剤、流動化剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(ダブルベルトプレス機による加圧工程)
本発明において使用されるダブルベルトプレス機は特に限定されるものではなく、例えば、図1に示すように、コア層8の上下面に被覆層7,7を重ね、その重ね方向(つまり上下方向)の両側に、すなわち被覆層を最外層とする上下に位置する1対のベルト間11で、交互に重ね合わせたコア層8と被覆層7,7とを連続式にて加圧下で加熱12−冷却13できるものであればよい。
ダブルベルトプレス機の加熱温度は、ダブルベルトプレス機の連続ベルトに接するように配置される被覆層を形成するフィルムAの液晶ポリマーの融点よりも低く、5〜40℃程度低くすることが好ましく、10〜30℃程度低くすることがより好ましい。加熱温度を上記の範囲にすることにより、連続ベルト上に熱劣化した液晶ポリマーが付着するのを防止できるとともに、多層配線回路配線基板内の層間接着力を向上できる。
なお、ダブルベルトプレス機の加熱温度は、コア層を形成するフィルムBの液晶ポリマーの融点以上である場合が多い。また、被覆層へ回路層を良好に埋入させる観点から、加熱温度は、フィルムAの熱変形温度以上(例えば、20℃以上)であるのが好ましい。
本発明では、ダブルベルトプレス機により被覆層とコア層とを一体化するに先立って、被覆層上へ回路層(回路パターン)を形成する。回路パターンの形成方法は、公知の方法を適宜使用することができ、例えば、高い耐熱性を有する液晶ポリマーフィルム(フィルムA)を金属シートと重ねて加熱ロールで圧着した後、エッチングなどの公知の方法により、前記金属シートに回路パターンを形成して配線回路基板(被覆層)を作製する。ここで用いる金属シートの材質としては、電気的接続に使用されるような金属が好適であり、銅のほか金、銀、ニッケル、アルミニウムなどを挙げることができる。銅は圧延法、電気分解法などによって製造される何れのものでも用いることができるが、表面粗さの大きい電気分解法によって製造されるものが好ましい。
ダブルベルトプレス機の加熱工程において、被覆層の外部に形成された回路層は、コア層と被覆層との接触する面では、より耐熱性の低いコア層側に埋入され、ベルトと被覆層との接触する面では、被覆層側に埋入される。
そのため、回路層をコア層に埋入する場合、熱圧着する前のコア層の厚みは、回路層の厚みの2〜6倍程度であるのが好ましく、より好ましくは、回路層の厚みの2.5〜5倍程度である。また、回路層を被覆層に埋入する場合、熱圧着する前の被覆層の厚みは、回路層の厚みの2〜6倍程度であるのが好ましく、より好ましくは、回路層の厚みの2.5〜5倍程度である。
多層配線回路基板における被覆層とコア層と回路層との位置関係は、被覆層とコア層とが一体化する限り特に限定されず、図2に示す多層配線回路基板以外に、図3(a)に示すように、回路層を埋入しない被覆層が、コア層を被覆する2層配線回路基板であってもよく、また、図3(b)に示すような、2層のコア層が3層の被覆層に挟まれ、最外層の被覆層およびコア層に合計で6層の回路層が埋入している6層配線回路基板であってもよい。
さらに、2層以上の多層配線回路が形成できるかぎり、コア層および被覆層のいずれに回路層が埋入されていてもよく、例えば、回路基板は、図3(c)に示すように、コア層の一方の面と被覆層の最外面に回路層が埋入している3層配線回路基板であってもよい。
したがって、本発明で製造された多層配線回路基板は、通常、(a)少なくとも一つの被覆層の最外面に回路層が埋入されている形態(例えば、図3(c)など)、(b)少なくとも一つのコア層の内部に回路層が埋入されている形態(例えば、図3(a)など)、および(c)少なくとも1つの被覆層の最外面に回路層が埋入されるとともに、少なくとも一つのコア層の内部に回路層が埋入されている形態(例えば、図2、図3(b)および図4など)のいずれか一つから選択される形態を有している。
また、被覆層およびコア層は、熱圧着一体化できる限り特に限定されず、目的に応じて被覆層のポリマーフィルムは、同種であっても異なっていてもよい。また、コア層が複数存在する場合も、目的に応じてコア層のポリマーフィルムは同種であっても異なっていてもよい。
なお、多層配線回路基板の用途・目的に応じて、多層配線回路基板の最外層、すなわち被覆層の外側の面は、回路パターンを形成しない単なる金属層であってもよい。このような金属層は、必要に応じて、多層配線回路基板形成後に回路パターンを形成してもよいし、金属層を化学処理にて除去してもよい。
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例及び、比較例において下記の方法により各種物性を測定した。
[融点 ℃]
示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−60A)を用いて、フィルムの熱挙動を観察して得た。すなわち、供試フィルムを20℃/分の速度で昇温して完全に溶融させた後、溶融物を50℃/分の速度で50℃まで急冷し、再び20℃/分の速度で昇温した時に現れる吸熱ピークの位置を、フィルムの融点として記録した。
[接着強度 kg/cm]
多層配線回路基板から1.0cm幅の剥離試験片を作成し、該試験片において低耐熱性のフィルム層を両面接着テープにより平板に固定し、JIS C 5016に準じて、180°法により、高耐熱性の配線回路基板層を50mm/分の速度で剥離したときの強度を測定した。
[加熱ロール圧着前後での寸法変化率 %]
IPC−TM−650 2.2.4に準じて長さ方向に3点、幅方向に3点の合計9点を測定し、配線回路基板の加熱ロールによる圧着前の寸法を基準とした時の変化率とした。
[絶縁材(液晶ポリマー)の追従性]
多層配線回路基板の断面観察を実施した。回路経路に絶縁材が良好に埋入され、充填性を満たしているものを良好とし、充填性に欠けるものを不良として評価した。
[多層配線回路基板の外観]
多層配線回路基板を目視により観察し、長さ10mにおいて打撃痕や空気噛み込み(フクレとして観察できる)や樹脂劣化異物などが全く観察されないものを良好とし、長さ1m当たり1個未満の空気噛み込みが観察されたり、1mm以下の樹脂流れが観察されたものを可とし、長さ1m当たり1個以上の空気噛み込みまたは未着部分が観察されたり、1mm以上の樹脂流れが観察されたものを不良として評価した。
[参考例1]
p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物で、融点が295℃、厚さが50μmである熱可塑性液晶ポリマーフィルムを基材フィルムとし、基材フィルム上下に厚さ12μmの銅箔をセットし、一対のロールでの連続プレス機にてロール温度290℃、線圧100kg/cm、ライン速度2m/分の条件にて銅張積層板を得た。次いで、この金属張積層板の各金属シートに、加熱ロールによる圧着前後における寸法変化率を評価するための回路パターンを形成した。
[参考例2]
p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物で、融点が280℃、厚さが50μmである熱可塑性液晶ポリマーフィルムを基材フィルムとし、基材フィルム上下に厚さ12μmの銅箔をセットし、一対のロールでの連続プレス機にてロール温度275℃、線圧100kg/cm、ライン速度2m/分の条件にて銅張積層板を得た。次いで、この金属張積層板の各金属シートに、加熱ロールによる圧着前後における寸法変化率を評価するための回路パターンを形成した。
[実施例1]
参考例1で得た295℃の耐熱性の配線回路基板2枚を、p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物で、融点が280℃、厚さが50μmである熱可塑性液晶ポリマーフィルムの上下面に供給しながら、ダブルベルトプレス機(HELD社製、DBP)にてプレス温度285℃の加圧下で熱圧着一体化し多層配線回路基板を得た。
[比較例1]
参考例1で得た295℃の耐熱性の配線回路基板2枚を、p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物で、融点が280℃、厚さが50μmである熱可塑性液晶ポリマーフィルムの上下面に供給しながら、一対のロールによる連続プレス機にてプレス温度285℃の加圧下で熱圧着一体化し多層配線回路基板を得た。
[比較例2]
参考例1で得た295℃の耐熱性の配線回路基板2枚を、p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物で、融点が280℃、厚さが50μmである熱可塑性液晶ポリマーフィルムの上下面に供給しながら、ダブルベルトプレス機にてプレス温度300℃の加圧下で熱圧着一体化し多層配線回路基板を得た。
[比較例3]
参考例2で得た280℃の耐熱性の配線回路基板2枚を、p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物で、融点が295℃、厚さが50μmである熱可塑性液晶ポリマーフィルムの上下面に供給しながら、ダブルベルトプレス機にてプレス温度285℃の加圧下で熱圧着一体化し多層配線回路基板を得た。
Figure 2009071021
表6に示すとおり、多層配線回路基板の被覆層に使用される配線回路基板の絶縁材の融点を295℃,コア層に使用される配線回路基板の絶縁材の融点を280℃にし、ダブルベルトプレス機にてプレス温度285℃の加圧下で熱圧着一体化した実施例1の多層配線回路基板は、多層配線回路基板内の層間接着力が強く、寸法変化率も小さい。また、絶縁材の追従性と外観にも優れ信頼性の高いものであった。
一方、多層配線回路基板の積層時に一対のロールによる連続プレス機を使用して積層した比較例1の多層配線回路基板は、多層配線回路基板内の層間接着力が弱く、絶縁材の追従性も不良であった。
また、ダブルベルトプレス機を用いた場合でも、プレス温度300℃で積層した比較例2の多層配線回路基板は寸法変化率が大きく外観も不良であった。
さらに、多層配線回路基板の被覆層に使用される配線回路基板の絶縁材の融点を280℃,コア層に使用される配線回路基板の絶縁材の融点を295℃にし、ダブルベルトプレス機にてプレス温度285℃の加圧下で熱圧着一体化した比較例3の多層配線回路基板は寸法変化率が大きく、外観に劣るものであった。
本発明の多層配線回路基板の製造方法を用いることにより、従来では困難であった連続
生産可能な信頼性の高い多層配線回路基板を容易にかつ安価に製造することができる。
本発明の製造方法による多層配線回路基板は、その電気絶縁材として用いる液晶性ポリマーフィルムに由来した、優れた寸法安定性,低吸湿性,耐熱性,耐薬品性及び電気的性質を有しており、また、回路表面の外観に優れることからフレキシブル配線板や半導体実装用回路基板の原材料として有用である。
本発明の多層配線回路基板の製造において、ダブルベルトプレスによる工程の一例を図1示す。 本発明の製造方法により得られる多層配線回路基板の断面構造の一例を示す。 (a)〜(c)は、本発明の製造方法により得られる多層配線回路基板の断面構造の他の例を示す。 本発明の製造方法により得られる多層配線回路基板の断面構造の別の例を示す。
符号の説明
1〜6・・・巻出ロール
7・・・被覆層
8・・・コア層
9・・・予熱ドラム
10・・・冷却ドラム
11・・・エンドレスステンレスベルト
12・・・加熱加圧ユニット
13・・・冷却加圧ユニット
14〜15・・・巻取ロール
16・・・多層配線回路基板
17・・・回路層(回路パターン)

Claims (5)

  1. 絶縁性の被覆層と絶縁性のコア層とを交互に重ねて、その重ね方向の両側に一対のベルトを有するダブルベルトプレス機により熱圧着一体化する多層配線回路基板の製造方法であって、
    前記被覆層は、高い耐熱性を有する液晶ポリマーフィルムで形成され、且つ、少なくとも一つの被覆層には、少なくとも一方の主面に回路層が形成され、
    前記コア層は、前記被覆層を形成する液晶ポリマーフィルムよりも低い耐熱性を有する液晶性ポリマーで形成され、
    被覆層を最外層とした状態で、全体をダブルベルトプレス機を用いて、前記被覆層の融点よりも低い温度で加熱して、コア層と被覆層とを熱圧着一体化する多層配線回路基板の製造方法。
  2. 請求項1において、熱圧着する工程で、被覆層側に形成された回路層が、コア層の内部に埋入される多層配線回路基板の製造方法。
  3. 請求項1または2において、熱圧着する前のコア層の厚みは、回路層の厚みの2〜6倍である多層配線回路基板の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、熱圧着する工程で、被覆層の外部に形成された回路層が被覆層の内部に埋入される多層配線回路基板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、熱圧着する前の被覆層の厚みは、回路層の厚みの2〜6倍である多層配線回路基板の製造方法。
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