JP4714608B2 - 内燃機関の可変圧縮比機構 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の可変圧縮比機構に関する。
特許文献1には、並列4気筒エンジンのカムシャフトとシリンダヘッドとの間のスラスト受け構造が開示されており、カムシャフトにスラスト受け用の突条が一体に形成され、この突条をカムシャフトのベアリングキャップにのみ係合させている。
ここで、一般的にカムシャフトは鋼材であり、シリンダヘッドはアルミ合金鋳物が主であるため、異種材料の線膨張係数差を考慮し、同一材料の場合と比較して、カムシャフトとシリンダヘッドとの間には大きいスラストクリアランスを設定する必要がある。
ただし、カムシャフトは、機関の筒内圧が作用せず、カムリフトによって作用するバルブスプリング反力と、カムシャフト自身の慣性力が作用するのみであるので、後述するクランクシャフトと比較して相対的にカムシャフト軸受けに作用する荷重は軽微なものとなり、後述するクランクシャフトのスラスト受け部にようなスラストメタルの設定が無いものが一般的である。
また、一般的なガソリンエンジンのクランクシャフトにおいても、上述の特許文献1のようにスラスト受け構造を持つものが知られている。例えば、一般的なガソリンエンジンのアルミ合金鋳物からなるシリンダブロックにおいては、鋼材からなるクランクシャフトのスラスト力を受ける部分(例えば、シリンダブロックの気筒間隔壁側面)に座ぐり加工を施し、この座ぐり部に設置したスラストメタル等をクランクシャフトと一定のクリアランスを持って摺動させる構造が広く知られている。
このようなクランクシャフトのスラスト受け構造においては、エンジンの運転に伴う内部温度の上昇に伴い、シリンダブロックの気筒間隔壁側面に設置されたスラストメタル等のスラスト受け部材は、アルミ合金の線膨張係数に従ってそのスラスト受け間距離が変化する。一方で、クランクシャフトは鋼材の線膨張係数に従ってスラスト受け間距離が変化するため、異材質の組み合わせから、同一の温度変化に対して、クランクシャフト側とシリンダブロック側とでそれぞれ異なる熱膨張を呈する。従って、クランクシャフトのスラスト受け構造の設計では、予めこの異種材料の線膨張係数差を考慮し、同一材料の場合と比較して、大きいスラストクリアランスを設定する必要がある。
特開2002−213216号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるような従来公知の技術では、部材一つに対してスラスト受け構造は一組の組み合わせであり、スラスト受けの面積は常時一定である。
また、特許文献1に開示されるような従来公知の構成では、例えば筒内圧による負荷が主運動系部品(クランクシャフトなど)に作用する際に、負荷に応じたスラスト力がスラスト力を受ける部分に作用することになる。つまり、運転領域全域に渡るスラスト力を支持するためには、スラスト力が相対的に大きくなる高負荷時にも対応でき得るように、十分にスラスト力を受ける部分の面積を確保しておく必要がある。しかし、高負荷時に対応させてスラスト力を受ける部分の面積を予め大きく確保すると、低負荷時にはスラスト力を受ける部分の面積が大きくなり過ぎてしまい、フリクションロスが発生してしまう。特に、低負荷領域は、通常走行相当(モード燃費)であることから燃費への影響が無視できないものとなる。
そこで、本発明は、可変圧縮比機構のリンク構成のうち、特徴的なアクチュエータシャフトを利用することで、アクチュエータシャフトに連結される制御軸のスラスト受け構造を構成し、さらに負荷(スラスト力)の大小に応じて制御軸のスラスト受け構造におけるスラスト力を受ける部分の面積を可変にできる構成を提供する。
本発明は、ピストンに連結されるアッパーリンクと、アッパーリンクとクランクピンとに連結されるロアリンクと、クランクシャフトと略平行に延びる制御軸と、一端が制御軸に揺動可能に連結され、他端がロアリンクに連結される制御リンクと、アクチュエータシャフトの往復運動を用いて制御軸を回転駆動するアクチュエータと、を有し、制御軸に対する制御リンクの揺動中心を制御軸の回転中心から偏心させ、制御軸の回転に伴う制御リンクの揺動中心位置の相対的な位置変化により機関圧縮比を可変制御する内燃機関の可変圧縮比機構において、制御軸は、アクチュエータシャフトとの連結部分に、互いに対向する一対の第1受け面を有し、アクチュエータシャフトは、制御軸との連結部分となる一端に、一対の第1受け面にそれぞれ対向する一対の第2受け面を有し、制御軸とアクチュエータシャフトとの連結部分は、第1受け面と第2受け面とが互いに摺動可能に当接し、かつ制御軸の回転とアクチュエータシャフトの往復運動とを許容すると共に、制御軸の往復運動とアクチュエータシャフトの回転とを拘束するよう構成されており、第1受け面と第2受け面とが重なり合って互いに当接する当接面積が制御軸の回転角度に応じて変化するよう、第2受け面が形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、アクチュエータシャフトに、制御軸のスラスト受け機能(スラスト方向の位置決め機能)を持たせることができので、アクチュエータシャフト及び制御軸のそれぞれにスラスト受けを設ける必要が無くなる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る内燃機関の可変圧縮比機構の前提となる基本構成を示すものであって、直列4気筒エンジンへの適用例を示している。
シリンダブロック11には、各気筒毎に円筒状のシリンダ12が形成されると共に、各シリンダ12の周囲にウォータージャケット13が形成されている。各シリンダ12内にはピストン14が昇降可能に配設されており、各ピストン14のピストンピン15と、クランクシャフト16のクランクピン17とは、複リンク式の可変圧縮比機構を介して機械的に連携されている。尚、18はカウンターウエイトである。
上記の可変圧縮比機構は、クランクピン17に相対回転可能に外嵌するロアーリンク21と、このロアーリンク21とピストンピン15とを連携するアッパーリンク22と、クランクシャフト16と平行に気筒列方向へ延びる制御軸23と、この制御軸23に偏心して設けられた偏心カム24と、この偏心カム24とロアーリンク21とを連携する制御リンク25と、制御軸23を所定の制御範囲内で回転駆動すると共に、所定の回転位置に保持する駆動手段としてのアクチュエータ30と、を備えている。尚、制御軸23は、鍛造または鋳造により製造されている。
ロッド状をなすアッパーリンク22の上端部はピストンピン15に相対回転可能に連結されており、下端部は連結ピン26を介してロアーリンク21に相対回転可能に連結されている。制御リンク25の一端はロアーリンク21に連結ピン38を介して相対回転可能に連結されており、制御リンク25の他端は偏心カム24に相対回転可能に外嵌されている。
図2は、図1に示す可変圧縮比機構からアクチュエータシャフト32(後述)及び円筒部材34(後述)を含むアクチュエータ機構の要部を抜き出して示した説明図である。
図2に示すように、制御軸23は、シリンダブロック11の下部に回転可能に支持される略棒状の軸部27と、軸部27の外周面から軸部27の半径方向外側に突出してアクチュエータシャフト32の一端に連結された連結部28と、から大略構成されている。
軸部27は、シリンダブロック11の気筒間隔壁(図示せず)の下部に設けられた主軸受部(図示せず)に回転可能に支持される主軸29と、上述した偏心カム24とから大略構成されており、偏心カム24の回転中心Pは、主軸29の回転中心Qに対して偏心している。
連結部28は、制御軸23軸方向に沿って離間し、かつ互いに対向する一対のフランジ40を備え、これら一対のフランジ40,40には、制御軸23の半径方向に細長く延びるスリット37がそれぞれ形成されている。つまり、各フランジ40,40は、それぞれ略二股形状を成すよう形成されている。
アクチュエータ30は、図1に示すようにケーシング31内に進退可能に配設されるアクチュエータシャフト32と、このアクチュエータシャフト32の基端側(後端)の雄ねじ部33に螺合する雌ねじ部36が内周面に形成された円筒部材34と、を有している。この円筒部材34は、アクチュエータ駆動部材に相当するものであって、図外の制御部(エンジンコントロールユニット)からの制御信号に基づいて、モータ又は油圧ポンプ等の駆動源により軸回りに回転駆動される。
アクチュエータシャフト32は、図2に示すように、制御軸23と直交する方向に沿って配設されており、自身の長手方向(アクチュエータシャフト32軸方向)に沿って往復移動する。このアクチュエータシャフト32の一端(先端)は、円筒形状を成し、この円筒内面に回転可能となるように棒状のピン35が配置されている。そして、アクチュエータシャフト32と制御軸23は、アクチュエータシャフト32の一端を制御軸23の連結部28に設けられた一対のフランジ40,40間に挟み、かつ上記円筒内面に回転可能に配置されたピン35の両端を一対にフランジ40,40にそれぞれ形成された一対のスリット37,37に摺動可能に係合させることで連結されている。尚、ピン35の両端は、スリット37の摺動面37aと略同じ幅を有している。
ここで、可変圧縮比機構の動作について簡単に説明すると、上記制御部により円筒部材34が回転駆動されると、この円筒部材34に螺合するアクチュエータシャフト32が往復動する。具体的には、アクチュエータ30は、アクチュエータシャフト32と円筒部材34とによって構成されたいわゆる送りねじ構造により、アクチュエータシャフト32の往復動を実現させている。これにより、ピン35のスリット37内での摺動動作を伴いながら、連結部28を介して制御軸23が所定の方向に回転する。このアクチュエータ30は、不用意にアクチュエータシャフト32が往復移動することのないように、雄ねじ部33と円筒部材34の雌ねじ部36との螺合部分を介して円筒部材34の回転運動をアクチュエータシャフト32の往復運動に変換する構成となっている。
そして機関運転状態に応じて制御軸23を回動することにより、偏心カム24に外嵌する制御リンク25の揺動支点が変化し、ロアーリンク21及びアッパーリンク22の姿勢が変化して、ピストン14の上方に画成される燃焼室の圧縮比が可変制御される。
制御軸23は、偏心カム24に制御リンク25を介して作用する曲げ荷重によって、曲げ変形を繰り返している。この曲げ変形は、エンジンの筒内圧力及び主運動系部品の慣性力に起因し、それぞれ出力と機関回転数に比例する。連続的な曲げ変形は、制御軸23にスラスト方向(制御軸軸線方向)の変位として伝達され、ひいてはフランジ40,40にスラスト荷重として作用する。図3は、連結部28に作用するスラスト荷重を模式的に示したものであって、図2における連結部28を正面視した状態を示す説明図である。
フランジ40,40に作用するスラスト荷重は、フランジ40,40の互いに対向する一対の第1受け面40a,40aから、図4に示すようにアクチュエータシャフト32の一端側に設けられた互いに平行な一対の第2受け面42,42を介してアクチュエータシャフト32に伝達されることになる。そして、アクチュエータシャフト32の先端の第2受け面42,42と、フランジ40,40の第1受け面40a,40aとが重なり合って互いに当接するスラスト受け面積(当接面積)は、制御軸23の回転角度に応じて変化するよう構成されている。
ここで、上述した本発明の可変圧縮比機構の比較例の要部を図5及び図6に示す。尚、この比較例においては、上述した本発明の実施形態と共通の構成要素に対しては、同一の符号を付し重複する説明を省略する。また、図5及び図6は比較例のアクチュエータシャフト51を主として示すものである。
この比較例においては、アクチュエータシャフト51に互いに平行な回転止め面53,53を設け、この一対の回転止め面53,53にそれぞれ対向する平行面54,54を内側に備えたケーシング52にアクチュエータシャフト51を嵌合させることによってアクチュエータシャフト51の回転運動を抑止している。図6は、図5における矢示Z方向からアクチュエータシャフト51をみたものであり、この図6からも明らかなように、アクチュエータシャフト51の正転・逆転によらず、回転止め面53,53と平行面54,54とによって、アクチュエータシャフト51の回転止めが行われる。
アクチュエータシャフト51は、上述したアクチュエータシャフト32と同様に、円筒部材34(図5及び図6には図示せず)の回転トルクを送りねじの往復動推力に変換して、連結された制御軸23(図5及び図6には図示せず)を回転駆動させる。
円筒部材34の回転トルクがアクチュエータシャフト51に作用する際に、上述の送りねじ構造での摩擦力により、アクチュエータシャフト51には軸回転方向のモーメントが作用する。この軸回転方向のモーメントを抑止するために、この比較例では、アクチュエータシャフト51に設けられた回転止め面53,53と、ケーシング52に設けられた平行面54、54とで、アクチュエータシャフト51の並進を自在とし、かつ回転を拘束している。
一方、このアクチュエータシャフト51に連結される制御軸23は、軸方向の一方の端部近傍に所定間隔を空けて互いに対向する鍔状の一対の突出部(図示せず)が設けられ、この一対の突出部によってシリンダブロック11の隔壁(図示せず)の一つを挟みこみ、この隔壁との間に一定の隙間を持たせ摺動可能となるよう構成されている。つまり、シリンダブロック11の隔壁を一対の突出部で挟み込むことで制御軸23のスラスト方向の位置決めが行われている。エンジン内での位置を拘束された制御軸23と、この比較例のアクチュエータ55に一体のケーシング52内面で拘束されたアクチュエータシャフト51とは、上述した本発明の実施形態と同様にピン(図示せず)を介して連結されている。
このような比較例においては、アクチュエータシャフト51の回転方向に作用する連続的な荷重により、アクチュエータシャフト51の回転止め面53,53と、ケーシング52の平行面54,54との隙間に起因する異音が発生する虞がある。この隙間は、ケーシング52に対するアクチュエータシャフト51の摺動(往復動)に必要な量を確保する必要がある一方で、この異音の低減のためには、上記隙間を小さくなるよう設定する必要があるという相反する設計要求となっている。この隙間を少なくするに従い、アクチュエータシャフト51は、ケーシング52によって位置決めされることとなる。
また、比較例のアクチュエータシャフト51には、シリンダブロック11の隔壁を制御軸23の一対の突出部で挟み込むことによる制御軸23の位置決めと、アクチュエータ55に一体のケーシング52内周面によるアクチュエータシャフト51自身の位置決め、という2つの位置決めが作用していることから、製作上の寸法公差のバラツキにより、アクチュエータシャフト51が制御軸23に強接触し、かじりを誘発することで構造部品(構成部品)の損傷が懸念される。さらに当該部位(2つの位置決めが行われる部位)のフリクションの増大からアクチュエータ55の消費電力の影響も無視できないものとなる。
また、アクチュエータシャフト51は、ケーシング52が内面に平行面54,54を備えることで、自身の回転を止める構造も有しており、先の複数の位置決めを持つことによる弊害に加え、さらに寸法公差をバラつかせる要因となっていた。
これに対して、本願発明においては、図4に示すように、アクチュエータシャフト32と制御軸23との連結部28にスラスト受けを設けている。換言すれば、制御軸23は、アクチュエータシャフト32との連結部分に、一対の第1受け面40a,40aを有し、アクチュエータシャフト32は、制御軸23との連結部分となる一端に、一対の第1受け面40a,40aにそれぞれ対向する一対の第2受け面42,42を有している。そして、制御軸23とアクチュエータシャフト32との連結部分は、第1受け面40a,40aと第2受け面42,42とが互いに摺動可能に当接し、かつ制御軸23の回転とアクチュエータシャフト32の往復運動とを許容すると共に、制御軸23の往復運動とアクチュエータシャフト32の回転とを拘束するよう構成されている。
そのため、アクチュエータシャフト32に、制御軸23のスラスト受け機能(スラスト方向の位置決め機能)を持たせることができので、アクチュエータシャフト32及び制御軸23のそれぞれにスラスト受けを設ける必要が無くなる。
また、スラストクリアランスの管理を一元化することができ、コスト低減を図ることができると共に、組立てが簡便となり生産性の向上を図ることができる。
そして、アクチュエータシャフト32の回転抑止は、制御軸23との連結部分で実施されるので、アクチュエータシャフト32単体での回転止めが不要となる。
また、比較例のケーシング52に対して、本実施形態におけるケーシング31は、単純な円筒形状となっているので、例えば、放電加工から切削加工へ加工工程を変更可能となり、相対的に加工コストを大幅に低減することができる。さらに、ケーシング31とアクチュエータシャフト32との摺動面が、単純な円筒面となるので油膜保持性が向上する。特に、本実施形態においては、機関の運転に伴う筒内圧や主運動系部品の慣性力による荷重がアクチュエータシャフト32に作用するため、油膜保持性の向上は、安定した潤滑状態の形成に重要であり、耐久性向上につながる。
図7は、ターボチャージャ(過給器)付きエンジン(以下、ターボエンジンと記す)に上述した本実施形態の可変圧縮比機構を適用した場合のスラスト受け面積(当接面積)と、圧縮比及びスラスト受けへの負荷加重の相関を模式的に示した説明図である。
ターボエンジンへ適用する場合には、圧縮比の減少(図7における左側への移行)従って、スラスト受け面(第1受け面40aと第2受け面42との重なりあった部分)への負荷荷重が増加する。
ターボエンジンでは、ノッキングなどの異常燃焼をさけるため、高出力が要求される高過給条件での運転では、圧縮比を低く設定する。そして、出力増加に伴い、制御軸23への曲げ荷重も増加することから、アクチュエータシャフト32のスラスト受け面に作用する荷重も増加傾向を示す。
ターボエンジンへの適用例では、スラスト受け面への負荷荷重増加に伴い、スラスト受け面積を大きくなるよう設定することで、面圧の増加を抑制することができる。
また、図8は、自然吸気エンジン(NAエンジン)に上述した本実施形態の可変圧縮比機構を適用した場合のスラスト受け面積(当接面積)と、圧縮比及びスラスト受けへの負荷加重の相関を模式的に示した説明図である。自然吸気エンジンに適用した場合には、圧縮比と負荷荷重との増減パターンが、ターボエンジンとは逆になっており、アクチュエータシャフト32の往復動に伴うスラスト受け面積の増減を逆に設定される。
尚、上述した実施形態においては、アクチュエータシャフト32及び円筒部材34を含むアクチュエータ30がシリンダ12軸線と略平行となるようにエンジン側方に配置されているが、アクチュエータ30を、図9または図10に示すようにエンジンに対して配置することも可能である。図9は、アクチュエータ30がシリンダ12軸線に対して傾いた状態でエンジン側方に配置されたものである。図10は、アクチュエータ30がエンジン下方に配置されたものである。
上記実施形態から把握し得る本発明の技術的思想について、その効果とともに列記する。
(1) ピストンにピストンピンを介して連結されるアッパーリンクと、アッパーリンクとクランクシャフトのクランクピンとに連結されるロアリンクと、気筒列方向に沿ってクランクシャフトと略平行に延びる制御軸と、一端が制御軸に揺動可能に連結され、他端がロアリンクに連結される制御リンクと、アクチュエータシャフトの往復運動を用いて制御軸を回転駆動するアクチュエータと、を有し、制御軸に対する制御リンクの揺動中心を制御軸の回転中心から偏心させ、制御軸の回転に伴う制御リンクの揺動中心位置の相対的な位置変化により機関圧縮比を可変制御する内燃機関の可変圧縮比機構において、制御軸は、アクチュエータシャフトとの連結部分に、互いに対向する一対の第1受け面を有するよう形成され、アクチュエータシャフトは、制御軸との連結部分となる一端に、一対の第1受け面にそれぞれ対向する一対の第2受け面を有するよう形成され、制御軸とアクチュエータシャフトとの連結部分は、第1受け面と第2受け面とが互いに摺動可能に当接し、かつ制御軸の回転とアクチュエータシャフトの往復運動とを許容すると共に、制御軸の往復運動とアクチュエータシャフトの回転とを拘束するよう構成されている。
これによって、アクチュエータシャフトに、制御軸のスラスト受け機能(スラスト方向の位置決め機能)を持たせることができので、アクチュエータシャフト及び制御軸のそれぞれにスラスト受けを設ける必要が無くなる。
また、スラストクリアランスの管理を一元化することができ、コスト低減を図ることができると共に、組立てが簡便となり生産性の向上を図ることができる。
そして、アクチュエータシャフトの回転抑止は、制御軸との連結部分で実施されるので、アクチュエータシャフト単体での回転止めが不要となる。
(2) 上記(1)に記載の内燃機関の可変圧縮比機構において、第1受け面と第2受け面とが重なり合って互いに当接する当接面積は、制御軸の回転角度に応じて変化し、制御軸の回転角度が制御軸の回転稼働範囲内の上限あるいは下限のいずれか一方の回転角度位置にて当接面積が最大となる。
これによって、第1受け面と第2受け面とが重なり合って互いに当接する当接面積(スラスト受けの面積)を、エンジン出力に応じて設定可能となるので、例えば、最大圧縮比で最大出力を得られるエンジンでは、最大圧縮比時にスラスト受け面積を最大とすることが可能となる。また、最小圧縮比で最大出力を得られるエンジンでは、最小圧縮比時にスラスト受け面積を最大とすることが可能となる。つまり、高出力条件でスラスト受け面積を最大をする構成が可能となる。
(3) 上記(1)または(2)に記載の内燃機関の可変圧縮比機構において、第1受け面と第2受け面とが重なり合って互いに当接する当接面積は、機関圧縮比が最も低圧縮比側に設定された際に最大となるよう構成されている。
可変圧縮比機構をターボエンジンに適用した場合、出力を得るために高過給圧に設定すると、充填効率が上がり、筒内圧の上昇に伴い高出力が得られる。高過給時には、ノッキングなどの異常燃焼を回避するために、圧縮比を低い側に制御することから、ターボエンジンにおいては、高出力を得る運転条件時には、低圧縮比と組み合わされることが多い。本発明が適用される可変圧縮比機構は、その構造上、制御軸に作用する曲げ方向力は、筒内圧による荷重が支配的であり、スラスト受けに作用する荷重が増大するのは、筒内圧が高い時に、すなわち低圧縮比条件となる。そこで、低圧縮比時のスラスト受け面積を高圧縮比時と比較して大きくとることで、このような高出力時の制御軸に作用する曲げ方向力に起因する、スラスト受け面の面圧を効果的に低減することができる。
(4) 上記(1)または(2)に記載の内燃機関の可変圧縮比機構において、第1受け面と第2受け面とが重なり合って互いに当接する当接面積は、機関圧縮比が最も高圧縮比側に設定された際に最大となるよう構成されている。
可変圧縮比機構を自然吸気エンジンに適用した場合、高出力を得るために、理論熱効率が相対的に高くなる高圧縮比側での運転条件を選択する。
(数1)
理論熱効率:ηth=1−(1/ε)k-1
但し、εは圧縮比、kは比熱比であり、動作流体を空気とした場合k=1.4
ターボエンジンとは逆に、自然吸気エンジンにおいてスラスト受けに作用する荷重が増大するのは、筒内圧が高いとき、すなわち高圧縮比条件である。
そこで、高圧縮比時のスラスト受け面積を低圧縮比時と比較して大きくとることで、このような高出力時の制御軸に作用する曲げ方向力に起因する、スラスト受け面の面圧を効果的に低減することができる。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比機構において、一対の第1受け面は、制御軸軸方向に沿って互いに対向する一対の壁面により構成され、一対の第2受け面は、アクチュエータシャフトの一端に位置するアクチュエータシャフト軸線中心に対称な2平面により構成され、一対の第1受け面の間でアクチュエータシャフトの一端が挟み込まれ、互いに対向する第1受け面と第2受け面とが当接するよう構成されている。
これによって、アクチュエータシャフトに生じる回転モーメントに起因するアクチュエータシャフトの回転力を、何ら特殊な機構を織り込むことなく抑止することができる。
本発明に係る内燃機関の可変圧縮比機構の基本構成を示す説明図。 本発明に係る内燃機関の可変圧縮比機構における制御軸とアクチュエータシャフトとの連結部分の示す分解斜視図。 図2における連結部を正面視した状態を示す説明図。 本発明の要部であるアクチュエータシャフトの斜視図。 比較例のアクチュエータシャフトの斜視図。 図5における矢示Z方向からアクチュエータシャフトをみた説明図。 本発明の係る可変圧縮比機構をターボエンジンに適用した場合のスラスト受け面積と、圧縮比及びスラスト受けへの負荷加重の相関を模式的に示した説明図。 本発明の係る可変圧縮比機構を自然吸気エンジンに適用した場合のスラスト受け面積と、圧縮比及びスラスト受けへの負荷加重の相関を模式的に示した説明図。 図1に対してアクチュエータの配置位置を変更した本発明に係る内燃機関の可変圧縮比機構の変形例を示す説明図。 図1に対してアクチュエータの配置位置を変更した本発明に係る内燃機関の可変圧縮比機構の変形例を示す説明図。
符号の説明
32…アクチュエータシャフト
40…フランジ
40a…第1受け面
42…第2受け面

Claims (4)

  1. ピストンにピストンピンを介して連結されるアッパーリンクと、アッパーリンクとクランクシャフトのクランクピンとに連結されるロアリンクと、気筒列方向に沿ってクランクシャフトと略平行に延びる制御軸と、一端が制御軸に揺動可能に連結され、他端がロアリンクに連結される制御リンクと、アクチュエータシャフトの往復運動を用いて制御軸を回転駆動するアクチュエータと、を有し、制御軸に対する制御リンクの揺動中心を制御軸の回転中心から偏心させ、制御軸の回転に伴う制御リンクの揺動中心位置の相対的な位置変化により機関圧縮比を可変制御する内燃機関の可変圧縮比機構において、
    制御軸は、アクチュエータシャフトとの連結部分に、互いに対向する一対の第1受け面を有するよう形成され、
    アクチュエータシャフトは、制御軸との連結部分となる一端に、一対の第1受け面にそれぞれ対向する一対の第2受け面を有するよう形成され、
    制御軸とアクチュエータシャフトとの連結部分は、第1受け面と第2受け面とが互いに摺動可能に当接し、かつ制御軸の回転とアクチュエータシャフトの往復運動とを許容すると共に、制御軸の往復運動とアクチュエータシャフトの回転とを拘束するよう構成されており、
    第1受け面と第2受け面とが重なり合って互いに当接する当接面積が制御軸の回転角度に応じて変化するよう、第2受け面が形成されていることを特徴とする内燃機関の可変圧縮比機構。
  2. 第1受け面と第2受け面とが重なり合って互いに当接する当接面積は、機関圧縮比が最も低圧縮比側に設定された際に最大となるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
  3. 第1受け面と第2受け面とが重なり合って互いに当接する当接面積は、機関圧縮比が最も高圧縮比側に設定された際に最大となるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
  4. 一対の第1受け面は、制御軸軸方向に沿って互いに対向する一対の壁面により構成され、
    一対の第2受け面は、アクチュエータシャフトの一端に位置するアクチュエータシャフト軸線中心に対称な2平面により構成され、
    一対の第1受け面の間でアクチュエータシャフトの一端が挟み込まれ、互いに対向する第1受け面と第2受け面とが当接するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関の可変圧縮比機構。
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