JP4710741B2 - 換気装置 - Google Patents
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Description
図1は、この発明の実施の形態1に係る換気装置20に用いる空気浄化フィルタ1の斜視図である。空気浄化フィルタ1は、通気性を有する平板状の仕切板である板状多孔質部材2と、積層方向における距離が複数の板状多孔質部材2の間である各層の間隔と同じで波板状の間隔板である間隔保持部材3とが相互に積み重ねられた積層体に閉塞板7aおよび7bを設けたものである。図1には、複数の板状多孔質部材2の一部として2a、2bおよび2cを示し、複数の間隔保持部材3の一部として3a、3bおよび3cを示している。板状多孔質部材2と隣接する板状多孔質部材2との間隔は、間隔保持部材3により保たれている。
なお、複数の板状多孔質部材2の間を流動する空気(イ)と空気(ロ)とは板状多孔質部材2を介して流れる向きが互いに異なるよう、間隔保持部材3が配置されている。詳しくは、間隔保持部材3において波の高さが同じ方向を稜線方向とすれば、間隔保持部材3は積層方向において稜線方向が交叉するように配置されている。これにより、積層体の間の空気は2方向に流動し得る。
また、板状多孔質部材2と当該板状多孔質部材2の積層方向の上下に位置する板状多孔質部材2と間隔保持部材3とで囲まれる空間は、間隔保持部材3の稜線方向に空気が流れる流路を形成する。例えば、板状多孔質部材2aと2bと間隔保持部材3bとで囲まれる空間が流体通路4を形成し、板状多孔質部材2bと2cと間隔保持部材3cとで囲まれる空間が流体通路5を形成する。流体通路4と流体通路5との角度は、90度またはそれに近い角度である。なお、換気装置20や空気浄化フィルタ1の形状によっては、流体通路4と流体通路5との角度は上述以外の角度でも良い。
流体通路4出入口の一方は閉塞板7aで塞がれているため、流体通路4に流入した空気(イ)は閉塞板7aで遮られる。ここで、板状多孔質部材2は通気性を有するため、閉塞板7aで遮られた流体通路4内の空気(イ)は板状多孔質部材2を透過し、流体通路4に隣接する流体通路5に流入する。流体通路5の一方の出入口も閉塞板7bで塞がれているため、流体通路4から流体通路5に流入した空気は他方の出入口から空気浄化フィルタ1の外部に空気(ロ)として流出する。
なお、閉塞板7aおよび7bは空気(イ)および(ロ)を透過させなくても良く、また空気の一部を透過させて残りの空気を遮るような素材で形成しても良い。さらには、積層体の一面を全てでなく一部を覆うように設けても良い。
従来の熱交換器付き換気装置の熱交換器において使用されるいわゆる仕切板は、特殊加工により透気度が6000秒以上であり、仕切板における空気の移行を低くする工夫がされていた。
一方、実施の形態1に係る板状多孔質部材2は、透気度が数秒以下で、板状多孔質部材2で区切られた2つの空間における空気の移行を促す多孔質不織布材である。
従来のHEPAフィルタの一般的な圧損は150〜300Paであったが、実施の形態1で採用する多孔質不織布材の板状多孔質部材2の圧損は約100Paであり、従来のHEPAフィルタよりも圧損を低くすることできる。
また、従来の熱交換器においても、この実施の形態1に係る空気浄化フィルタ1においても、板状多孔質部材2と間隔保持部材3との積層方向の熱交換器や空気浄化フィルタ1全体の厚みを同程度に保つには、板状多孔質部材2を厚くする分、板状多孔質部材2と間隔保持部材3との積層枚数を減少する必要があり、これは熱交換器または空気浄化フィルタ1の性能低下につながる。このため、積層方向の厚さが従来の熱交換器と同程度で、換気量が同程度の空気浄化フィルタ1を得るには、板状多孔質部材2の厚みを10〜200μmにすることが好ましい。
図4は、脱臭機能を備えた空気浄化フィルタ構成部材6Aおよび除ガス機能を備えた空気浄化フィルタ構成部材6Bを交互に積層した空気浄化フィルタ1の一部の斜視図である。
図5は、空気浄化フィルタ構成部材6を製造するシングルフェーサ装置を示す図である。空気浄化フィルタ構成部材6は、板状多孔質部材2とコルゲート加工された間隔保持部材3とが接着して連続的に作られるものである。歯車状のコルゲーター10および11は互いに噛み合って回転しており、平面状の間隔保持部材3を挟み込んで、図1等に示される波型形状を形成する。
さらに、プレスロール12および糊付けロール13が回転し、間隔保持部材3において接着剤14が塗布された面とプレスロール12で送られた板状多孔質部材2とを押し付ける。これにより空気浄化フィルタ構成部材6が生成される。
なお、コルゲーター10および11、ならびにプレスロール12は、間隔保持部材3の段形状を整え易い高い温度に維持されている。
また、間隔保持部材3には脱臭または除ガス機能を付与しているので、除塵機能とともに脱臭または除ガス機能を備えた空気浄化フィルタ1を得ることができる。
さらに、間隔保持部材3Aと3Bとを同時に備えることもできるため、多様な環境に使用される空気浄化フィルタ1を得ることができる。
なお、間隔保持部材3に同一の素材を用いれば、脱臭もしくは有毒ガスの除去に使用される面積が間隔保持部材3Aおよび3Bの両方を用いる場合から倍増するので、除去効率および高寿命化が期待される。
図6は、設置された実施の形態1に係る換気装置20を水平方向から見た側面概略図であり、図7は、設置された換気装置20を鉛直方向上から下を見た上面概略図である。なお、空気浄化フィルタ1と同一の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
室内側排気口21から換気装置20に流入した室内の空気(ハ)は、途中に設けられた空気浄化フィルタ1を通って室外側排気口24から室外に空気(ヘ)として排気される。このような室内の空気を排気するための排気経路は、図6や図7において白抜きの矢印で示されている。
また、室外側給気口23から換気装置20に流入した室外の空気(ホ)は、途中に設けられた空気浄化フィルタ1を通って室内側給気口22から室内に空気(ニ)として給気される。このような室外の空気を給気するための給気経路は、図6や図7において黒塗りの矢印で示されている。
第1に、室内の空気(ハ)が室内側排気口21から換気装置20内に取り込まれ、粗塵フィルタ15aを透過して、粗塵用フィルタ15aにより室内の粗塵が除去された後、空気浄化フィルタ1に流入する。
空気浄化フィルタ1内に流入した空気は、間隔保持部材3により脱臭や除ガスがなされる。
また、空気浄化フィルタ1に流入した空気(ハ)は、空気浄化フィルタ1から流出する前に閉塞板7bで遮られ、流れを曲げて板状多孔質部材2を透過して給気経路に流入し、室内側給気口22から空気(ニ)として再度室内に流入する。この空気(ハ)は、板状多孔質部材2を透過する際に微塵が除去される。
なお、排気経路を流れる空気(ハ)のうち熱交換器に流入した空気(ハ)は、排気用送風機26により室外側排気口24から空気(ヘ)として室外に排気される。
なお、熱交換器に流入した空気(ホ)は熱交換器を通過する。その後、板状多孔質部材2を透過した空気(ハ)と混合されて、給気用送風機25により室内側給気口22から空気(ニ)として室内に流入する。
実施の形態2は、実施の形態1における閉塞板7aを取り去ったものである。
図8は実施の形態2に係る換気装置20を水平方向から見た側面概略図であり、図9は換気装置20を鉛直方向上から下を見た上面概略図である。図8および図9において、図6および図7に示す実施の形態1の換気装置20と同一の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
なお、空気浄化フィルタ1において空気(ホ)が流入する側面に粗塵フィルタ15bを設けたのと同様に、熱交換器においても空気(ホ)が熱交換器に流入する側面にも粗塵フィルタを設けてもよい。
Claims (7)
- 室内の空気を排気するための排気経路、
室外の空気を給気するための給気経路、
通気性および除塵機能を有する平板状の複数の仕切板が間隔板により所定の間隔を保って積層され、複数の前記仕切板の間は空気が流れる流体通路であり、前記流体通路の方向は2方向であるとともに前記仕切板を介して互いに異なるように前記間隔板が配置され、一方の前記流体通路は前記排気経路の途中に位置するとともに他方の前記流体通路は前記給気経路の途中に位置する積層体、
前記積層体における前記排気経路の流出口に設けられ、前記積層体内の前記排気経路を流れる空気が前記積層体の外に流出することを妨げる第1の閉塞板、
前記室内の空気を前記排気経路を介して前記室外に排気する排気用送風機、
前記室外の空気を前記給気経路を介して前記室内に給気する給気用送風機、
を備えた換気装置。 - 室内の空気を排気するための排気経路、
室外の空気を給気するための給気経路、
通気性および除塵機能を有する平板状の複数の仕切板が間隔板により所定の間隔を保って積層され、複数の前記仕切板の間は空気が流れる流体通路であり、前記流体通路の方向は2方向であるとともに前記仕切板を介して互いに異なるように前記間隔板が配置され、一方の前記流体通路は前記排気経路の途中に位置するとともに他方の前記流体通路は前記給気経路の途中に位置する積層体、
前記積層体における前記排気経路の流出口に設けられ、前記積層体内の前記排気経路を流れる空気が前記積層体の外に流出することを妨げる第1の閉塞板、
前記積層体における前記給気経路の流入口に設けられ、前記室外からの空気が前記積層体における前記給気経路に流入することを妨げる第2の閉塞板、
前記室内の空気を前記排気経路を介して前記室外に排気する排気用送風機、
前記室外の空気を前記給気経路を介して前記室内に給気する給気用送風機、
を備えた換気装置。 - 少なくとも1つの熱交換器が排気経路および給気経路の途中に積層体に並んで設けられた請求項1または2のいずれかに記載の換気装置。
- 積層体および第1の閉塞板からなる構成物の大きさが熱交換器の大きさとほぼ同じであることを特徴とする請求項3に記載の換気装置。
- 積層体、第1の閉塞板および第2の閉塞板からなる構成物の大きさが熱交換器の大きさとほぼ同じであることを特徴とする請求項3に記載の換気装置。
- 仕切板は多孔質不織布材でできたことを特徴とする請求項1または2に記載の換気装置。
- 多孔質不織布材は厚さ10〜300μmであり坪量が10〜500(g/m2)であることを特徴とする請求項6に記載の換気装置。
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