実施形態の説明に入る前に、その説明中で繰り返し出てくる「カラープロファイル」と「カラーマッチング」とに関して説明する。
各種のイメージ処理デバイス(例えば、カメラ、イメージスキャナ、ディスプレイモニタ、プリンタなど)は、それぞれ独自のカラースペースで作業を行い、独自のガマット(gamut)すなわち生成可能なカラー範囲を有する。例えば、ディスプレイモニタは全てRGBカラースペースで作業するが、モニタごとにガマットは相違する。CMYKカラースペースで作業を行うプリンタのガマットも、プリンタごとに異なる。また、同じプリンタでも、使用するインクや印刷メディア(印刷用紙)の種類によってガマットが違ってくる。
図1は、異なるデバイスのガマットを模式的に例示している。図1において、符号300は人間の視覚が感知可能なガマットを、符号301は或るプリンタがプリントアウト可能なガマットを、符号302は或るディスプレイモニタがディスプレイ可能なガマットを示している。図1に示すように、デバイスによってガマットは異なる。
モニタやプリンタのような出力デバイスは、そのガマットの範囲内でしかカラーを表示することができない。カメラやイメージスキャナのような入力デバイスは、そのガマットの範囲内でしかカラーを保存することができない。このようにデバイスごとにガマットが異なるということは、デバイスが作業するカラースペースがデバイスごとに異なることを意味する。例えば、どのプリンタもCMYKという同じ種類のカラースペースで作業するが、個々のプリンタごとに、及び使用するインクや印刷メディアごとに、ガマットが異なる。従って、個々のプリンタごとに、及び使用するインクや印刷メディアごとに、異なるCMYKカラースペースが存在する。
「カラープロファイル」とは、個々のデバイスが作業するカラースペースを数値表現を用いて厳密に定義したものである。カラープロファイルには、そのデバイス独自のカラースペースの種類が何であるか(例えばRGB、CMYK、LCHなど)が書かれている。さらに、カラープロファイルには、そのメインの情報として、そのデバイス独自のカラースペース(例えばRGB、CMYK、LCHなどのカラースペース)を、デバイスインデペンデントなカラースペース(例えばXYZ、Yxy、Lab、Luvなどのカラースペース)に変換し、若しくは、その逆の変換を行うための変換テーブルが含まれている。この変換テーブルによって、そのデバイス固有のガマットが定量的に定義される。
カラープロファイルのフォーマットの規格として、ICC(International Color Consortium)によって制定された国際カラープロファイルフォーマット(International Color Profile format)が知られている。この国際カラープロファイルフォーマットで記述されたカラープロファイルのことを、以下の説明では、「ICCプロファイル」という。
「カラーマッチング」とは、或るカラースペースのイメージデータを、別のカラースペースのイメージデータに変換する際、両カラースペースのカラーを近似させるように、変換されるイメージデータに対して加えるカラー値の調整(シフト)をいい、「カラーマッピング」とも呼ばれる。異なるカラースペース間では、そのガマットが異なっていれば、カラーを完全に一致させることはできない。しかし、一方のカラースペースのイメージデータを他方のカラースペースのイメージデータに変換するとき、そのイメージデータのカラー値を両カラースペースのガマットの相違を補償するように注意深くシフトさせれば、両デバイス間のカラーを良好に近似させることができる。このようなカラー値のシフト処理をカラーマッチング(又はカラーマッピング)という。
カラーマッチングは、ソース(変換元)のカラースペースとターゲット(変換先)のカラースペースをそれぞれ表したICCプロファイルのようなカラープロファイルを利用することで、行うことができる。例えば、デジタルカメラから出力されたRGBイメージデータをプリンタで印刷されるCMYKイメージデータに変換するとき、カラーマッチングは、ソースとしてのデジタルカメラのRGBカラースペースのカラープロファイルと、ターゲットとしてのプリンタのCMYKカラースペースのカラープロファイルとを利用して、行うことができる。それにより、デジタルカメラで撮影されたカラーに良好に近似したカラーのプリントアウトが得られることになる。或いは、モニタに表示しているRGBイメージデータをプリンタで印刷されるCMYKイメージデータに変換するとき、カラーマッチングは、ソースとしてのモニタのRGBカラースペースのカラープロファイルと、ターゲットとしてのプリンタのCMYKカラースペースのカラープロファイルとを利用して、行うことができる。それにより、モニタに表示されたカラーに良好に近似したカラーのプリントアウトが得られることになる。
カラーマッチングの方法は、ソースのガマットのうちターゲットのガマットから外れた領域に存在するソースのカラーをどのように扱うかという点において、2つの方法に大別することができる。第1の方法は、ターゲットガマットから外れたソースカラーを実質的に棄ててしまう。第2の方法は、補間処理などを用いて、ターゲットガマットから外れたソースカラーを、ターゲットガマット内に入るようにシフトさせる。この2つの方法は、それぞれ一長一短がある。特に写真イメージを変換する場合には、後者のカラーマッチング方法を用いた方が、変換後の写真イメージを見た人の知覚に不自然な感じを与えにくい。この後者のカラーマッチング方法は「パセプチャル(perceptual)・カラーマッチング」と呼ばれる。
以下、本発明の一実施形態を説明する。図2は、この実施形態の全体構成を示す。
図2において、フォトスタジオシステム1は、各フォトスタジオに設備されている。フォトスタジオ内にはLAN4があり、このLAN4により、プリントサーバマシン2と1台又は複数台(例えば2台)のコンピュータマシン(以下、「クライアントマシン」という)5A、5Bが接続されている。クライアントマシン5A、5Bは、デジタルカメラ6と例えばUSBを介して接続することができる。また、プリントサーバマシン2には、1台又は複数台(ここでは2台)の電子式プリンタ3A、3Bが、それぞれ例えばUSBを介して接続されている。各プリンタ3A、3Bは、例えば顔料系インクを用いるインクジェット式プリンタであり、これは、高画質で耐光性の非常に高い印刷物を出力する性能をもつ。プリントサーバマシン2と2台のプリンタ3A、3Bは、箱型の一つの専用ケーシング(図示せず)の中に収容して、フォトスタジオ内の一箇所に置いておくことができる。
クライアントマシン5A、5Bは、デジタルカメラ6から1又は複数の写真イメージを読み込みディスクストレージに蓄積し、そして、所望の1以上の写真イメージを編集して所望ページ数の印刷ジョブのデータにする作業等に主に用いられる。ここで行われる写真イメージの編集には、個々の写真イメージにトリミングや部分的修正や全体的カラー調整などの所望のエンハンスを施すフォトレタッチ作業と、所望の1以上の写真イメージを印刷メディアのスペース(印刷ページ)に配置する印刷レイアウト編集等がある。一方、プリントサーバマシン2は、クライアントマシン5A、5Bから印刷ジョブデータを受け取り、それに基づき各ページの印刷イメージを作成してプリンタ3A、3Bに送信する機能をもつ。また、プリントサーバマシン2は、プリンタ3A、3Bのステータスや印刷ジョブの実行状況や実行履歴などの情報(以下、「プリント情報」という)を管理し、それをクライアントマシン5A、5Bに通知する機能も有する。
さらに、多数のフォトスタジオのフォトスタジオシステム1の稼動状態を集中的に管理する役目をもつセンタサーバマシン8が、フォトスタジオとは別に存在する。各フォトスタジオシステム1のプリントサーバマシン2及びクライアントマシン5A、5Bは、それぞれ、インターネット7を介して、センタサーバマシン8と通信することができる。センタサーバマシン8は、各フォトスタジオシステム1のプリントサーバマシン2から、そのフォトスタジオのプリント情報を収集し、それをセンタサーバマシン8のデータベースに保存し管理する。センタサーバマシン8は、各フォトスタジオのユーザからWWWブラウザを通じてログインされると、センタサーバマシン8のデータベースに保管してあるそのフォトスタジオのプリント情報を、そのWWWブラウザに提供することができる。また、センタサーバマシン8は、各フォトスタジオのユーザが予め指定しておいた所定のイベント(例えばプリンタの用紙ジャムのようなエラー)の発生を示す情報をそのフォトスタジオから受けると、そのことを電子メールで、そのユーザが予め指定しておいたメールアドレス(例えば、そのユーザの携帯電話のメールアドレス)に送信することもできる。さらに、センタサーバマシン8は、各フォトスタジオからのプリント情報に基づいて、そのフォトスタジオでの印刷メディアやインク等の消耗品の消費量を計算して、各フォトスタジオへの消耗品の配給手配や料金請求などを行うこともできる。
また、フォトスタジオの業務管理の一つの形態として、センタと個々のフォトスタジオとの間に、中間的な管理組織(以下、「ディーラ」という)が介在し、各ディーラが複数のフォトスタジオの業務を管理するという形態がある。そのような場合、各ディーラも、WWWブラウザ等がインストールされたコンピュータマシン(以下、「ディーラマシン」という)9を有している。そして、センタサーバマシン8は、各ディーラからWWWブラウザを通じてログインされると、そのディーラの傘下にあるフォトスタジオのプリント情報を、そのWWWブラウザに提供することができる。各フォトスタジオのプリント情報に基づく各フォトスタジオへの消耗品の配給手配や料金請求などは、センタサーバマシン8に代わって、ディーラマシン9が行うようにすることができる。
以下、図3及び図4を参照して、上述した各種マシンの構成や機能についてより詳細に説明する。図3は、フォトスタジオシステム1のクライアントマシン5A、5Bとプリントサーバマシン2の構成及び機能を示している。図4は、プリントサーバマシン2とセンタサーバマシンの8の構成及び機能を示している。図3と図4を繋げて見ることで、各マシン間の情報授受の関係が明確に分かるようになっている。
まず、図3を参照して、クライアントマシン5A、5Bの構成と機能を説明する。なお、図3では、クライアントマシン5A、5Bは纏めて1ブロックのクライアントシステム5で示されている。クライアントシステム5に含まれるクライアントマシンの台数はこの実施形態のように2台である必要は無く、1台以上何台でもよい。また、クライアントシステム5が持つ以下に述べるような複数のアプリケーションプログラム11〜17は、クライアントシステム5に含まれるクライアントマシンの全台にインストールされていても、いずれか1台のみにインストールされていてもよいし、或いは、或るプログラムは例えばクライアントマシン5Aに、別のプログラムは例えばクライアントマシン5Bにというように、分散されてインストールされていてもよい。
図3に示すように、クライアントシステム5には、特別フォトレタッチャ11、レイアウトエディタ13、ステータスモニタ14、一般フォトレタッチャ15、画像転送ドライバ16及びWWW(ワールドワイドウェブ)ブラウザ17などの複数のアプリケーションプログラムがインストールされている。さらに、クライアントシステム5には、電子メールの送受信プログラム(図示省略)もインストールされていてよい。
特別フォトレタッチャ11は、フォトスタジオ用の特別に設計されたフォトレタッチプログラムであり、フォトスタジオが通常必要とする所定のレタッチ操作を、ルーチンワークで効率的に行っていけるように構成されている。
この特別フォトレタッチャ11は、各写真イメージのレタッチ作業を開始するときに、そのレタッチ作業が行われるカラースペースを表したICCカラープロファイルを、自動的に(ユーザが別段の要求をしない限り、漏れなく)設定する。どのようなカラースペースのICCカラープロファイルを設定するかは、ユーザが指定することができる。しかし、ユーザが意図的に指定しなくても、特別フォトレタッチャ11は、デフォルト設定されている方法で、ICCカラープロファイルを必ず設定する。そして、特別フォトレタッチャ11は、レタッチの終了した写真イメージを出力するときに、そのICCプロファイルをその写真イメージのファイルに添付する。
なお、この特別フォトレタッチャ11によるレタッチ作業が行われるカラースペースや、次に説明するレイアウトエディタ13による印刷レイアウト編集作業が行われるカラースペースのように、印刷前における写真イメージの編集作業が行われるカラースペースを、以下、その写真イメージの「ワークカラースペース」と呼ぶ。そして、そのワークカラースペースを表したICCプロファイルを、以下、「ワークICCプロファイル」と呼ぶ。
レイアウトエディタ13は、フォトスタジオ向けの印刷レイアウトを編集するためのアプリケーションプログラムであり、各写真イメージのサイズを所望の規定サイズに合わせた上で、1又はそれ以上の写真イメージを印刷ページ(印刷メディアのスペース)に配置するという印刷レイアウト編集作業を、ルーチンワークで短時間で行えるように設計されている。すなわち、レイアウトエディタ13は、予めプリントサーバマシン2内に用意されている様々な基本的な印刷レイアウトをそれぞれ表した多数のテンプレートを、矢印21で示すようにプリントサーバマシン2から読み込み、ユーザ所望のテンプレートをクライアントシステム5のモニタに表示する。各テンプレートが表す基本的な印刷レイアウトは、プリンタで使用可能な例えばA4、A3又はB4などの規定の印刷メディアサイズをランドスケープ(横置き)又はポートレイト(縦置き)に置いたスペース(印刷ページ)内に、例えば8×10インチ、5×7インチ、2.5×3.5インチ又は1.75×2.5インチのような規定の写真サイズをもつ1個又は複数個の写真枠を配置したものである。多くのテンプレートでは、印刷メディアを経済的に使うために、写真枠外の余白の総面積を十分に小さくするように効率的に写真枠が配置されている。レイアウトエディタ13のグラフィカル・ユーザ・インタフェース上で、ユーザが、所望の写真イメージを所望のテンプレート内の各写真枠にドラッグアンドドロップすることで、印刷ページのレイアウトが自動的に編集されることになる。
レイアウトエディタ13も、各写真イメージに対する印刷レイアウト編集作業を開始するときに、その作業が行われるワークカラースペースのワークICCプロファイルを、その写真イメージに対して設定する。もし、その写真イメージに予ねてから或るICCプロファイルが添付されていたならば、レイアウトエディタ13は、その添付されていたICCプロファイルをそのままワークICCプロファイルとする。例えば、特別フォトレタッチャ11によるレタッチを経ている写真イメージには、特別フォトレタッチャ11が作業したカラースペースのICCプロファイルが既に添付されているから、レイアウトエディタ13は、特別フォトレタッチャ11が作業したカラースペースと全く同じカラースペースで作業することになる。一方、もし、その写真イメージに未だICCプロファイルが添付されていなかった場合には、レイアウトエディタ13は、その写真イメージに予ねてから添付されていたICCプロファイルを自動的に仮定した上で、その仮定されたICCプロファイルをそのままワークICCプロファイルとする。その場合、具体的に何のICCプロファイルを仮定するかについては、ユーザが指定することができる。しかし、ユーザが意図的に指定しなくても、レイアウトエディタ13は、デフォルト設定されている特定のICCプロファイルを、予ねて添付されていたICCプロファイルとして自動的に仮定する。そして、レイアウトエディタ13は、印刷レイアウト編集の終了した写真イメージを出力するときに、上記のように自動設定したワークICCプロファイルをその写真イメージのファイルに添付する。
レイアウトエディタ13は、1つの印刷ジョブを構成する全ての印刷ページのレイアウト編集が完了すると、その印刷ジョブのデータを作成して、矢印22で示すようにプリントサーバマシン2に転送する。その印刷ジョブデータには、その印刷ジョブに含まれる全ての印刷ページのレイアウトを表したデータと、それら印刷ページに配置された全ての写真イメージのファイルと、それらの写真イメージファイルに添付されたワークICCプロファイルとが含まれている。
レイアウトエディタ13は、上述した特別フォトレタッチ11や後述する一般フォトレタッチャ15などのレタッチプログラムから独立した別のプログラムとして用意されている。そして、これらのプログラムがインストールされたクライアントマシン5A、5Bは、LAN4を通じて接続されて、相互のデータやプログラムなどのリソースを共有できるようになっている。そのため、例えば、スタジオ内の一人のユーザが、一方のクライアントマシン5Aを使ってレタッチプログラム11又は15により、デジタルカメラ6から取り込んだ写真イメージのフォトレタッチ作業を行ない、これと並行して、別のユーザが他方のクライアントマシン5Bを使ってレイアウトエディタ13により、レタッチ済み写真イメージの印刷レイアウト編集作業を行なうというような方法で、スタジオの業務を効率的に進めていくことができる。また、クライアントマシンが3台以上あれば、更に柔軟なやり方で効率的にスタジオ業務を進めていける。
ステータスモニタ13は、予めユーザ設定された時間間隔(例えば、10分など)で、矢印23で示すように、プリントサーバマシン2から、プリンタ3A、3Bで発生したエラーや各印刷ジョブの実行完了(印刷完了)に関する最新の履歴情報を取得し、これをクライアントシステム5のディスプレイモニタに表示するものである。
一般フォトレタッチャ15は、従来から知られている一般的なフォトレタッチプログラムであり、フォトスタジオで通常必要とされるレタッチ機能は勿論のこと、グラフィックデザイナーなどでも満足させ得る多種多様なレタッチ機能を備えている。フォトスタジオの通常のレタッチの範囲内であれば、上述した特別フォトレタッチャ11の方が、一般フォトレタッチャ15よりも効率的に作業が進められるように作られている。しかし、特別フォトレタッチャ11がサポートしていない特殊なレタッチが行いたいような場合、ユーザは、特別フォトレタッチャ11に代えて、一般フォトレタッチャ15を使用することができる。
上述した特別フォトレタッチャ11は、一般フォトレタッチャ15と連携してレタッチ作業が行えるように作られている。すなわち、特別フォトレタッチャ11は、そのグラフィカル・ユーザ・インタフェース上に、一般フォトレタッチャ15を起動するためのボタンを有している。そして、特別フォトレタッチャ11は、ある写真イメージのレタッチ作業を行っている途中で、そのボタンがユーザによって押されると、作業途中の写真イメージに自動的に特定のファイル名を付けて一旦保存し、そのファイル名を記憶し、そして、矢印27で示すように一般フォトレタッチャ15を起動して、一般フォトレタッチャ15にそのファイル名を教えてその写真ファイルを開かせる。そして、特別フォトレタッチャ11自身は、非アクティブになる。その後、一般フォトレタッチャ15が終了すると、特別フォトレタッチャ11は自動的にアクティブに復帰して、記憶しておいたファイル名の写真イメージファイルを再び開く。そのため、上記のように特別フォトレタッチャ11から一般フォトレタッチャ15に渡された写真イメージが、一般フォトレタッチャ15の終了前に同じファイル名で保存されていれば、特別フォトレタッチャ11は自動的にその写真イメージファイルを再び開いて続きのレタッチ作業が再開することになる。このようにして、特別フォトレタッチャ11と一般フォトレタッチャ15とを組み合わせてレタッチ作業を効率的に進めることができる。なお、特別フォトレタッチャ11から一般フォトレタッチャ15に写真イメージが渡されるとき、その写真イメージのワークICCプロファイルが一般フォトレタッチャ15によって維持される保証がないので、特別フォトレタッチャ11はそのワークICCプロファイルを破棄する。そして、再びその写真イメージファイルを開いたとき、特別フォトレタッチャ11は再びワークICCプロファイルを設定する。
画像転送ドライバ16は、一般フォトレタッチャ15から印刷が要求されたときに起動して、一般フォトレタッチャ15が開いている写真イメージの印刷ジョブデータを作成して、矢印24に示すように、それをプリントサーバマシン2に転送する。
WWWブラウザ17は、LAN4上やインターネット7上の様々なWWWサーバにアクセスするためのプログラムである。フォトスタジオの業務に関してWWWブラウザ17が用いられる用途は、第一に、プリントサーバマシン2のプリント情報サーバ(WWWサーバの一種)37に接続して、矢印25、26で示すように、プリントサーバマシン2内で管理されているプリンタ3A、3Bのステータスや印刷ジョブの実行履歴などのプリンタ情報を参照することである。第二に、図4で矢印65で示すように、センタサーバマシン8のWWWサーバ82に接続して、センタサーバマシン8内で管理されているそのフォトスタジオのプリンタ情報などを参照することである。
次に、図3と図4を参照して、プリントサーバマシン2の機能と構成を説明する。
図3及び図4に示すように、プリントサーバマシン2には、ファイル転送サーバ31、プリントサーバ34、プリンタドライバ35A、35B、プリント情報サーバ37及びログアップローダ38などのプログラムがインストールされている。
ファイル転送サーバ31は、印刷レイアウト編集用の多数のテンプレートを保有して、クライアントシステム5のレイアウトエディタ13にそれらのテンプレートを提供する処理と、印刷ジョブデータをクライアントシステム5のレイアウトエディタ13又は画像転送ドライバ16から受け取ってプリントサーバ34へ転送する処理と、プリントサーバ34から提供されるプリンタ3A、3Bのエラー発生状態や印刷ジョブ実行終了などの情報をクライアントシステム5のステータスモニタ14へ送信する処理などを行なうものである。
このファイル転送サーバ31は、プリントサーバマシン2のディスクストレージ内のテンプレートライブラリフォルダ32内に、予め用意された多種類の基本的印刷レイアウトのテンプレートを保有している。そして、ファイル転送サーバ31は、クライアントシステム5のレイアウトエディタ13から特定のテンプレートを要求されると、矢印41で示すように、要求されたテンプレートをテンプレートライブラリフォルダ32から読み出し、それを矢印21で示すようにレイアウトエディタ13に転送する。これらのテンプレートを利用することで、レイアウトエディタ13での印刷レイアウト編集は容易になる。どのクライアントマシン5A、5Bで印刷レイアウト編集を行う場合でも、プリントサーバマシン2で集中管理されている共通のテンプレートを利用することができる。
また、ファイル転送サーバ31は、矢印22(又は24)で示すように、クライアントシステム5のレイアウトエディタ13又は画像転送ドライバ16から印刷ジョブデータを受信し、その印刷ジョブデータを矢印42で示すように、プリントサーバマシン2のディスクストレージ内のジョブフォルダ33に格納する。矢印22で示すレイアウトエディタ13からの印刷ジョブデータには、図示のように、その印刷ジョブのジョブスクリプトと、その印刷ジョブに含まれる1又はそれ以上のページのレイアウトスクリプトと、その印刷ジョブに含まれる1又は複数の写真イメージのファイルと、それらの写真イメージのワークICCプロファイルとが含まれている。ここで、ジョブスクリプトとは、その印刷ジョブを管理するのに必要な事項、例えばその印刷ジョブのタイムスタンプ、プリンタの指定、印刷メディアのサイズや種類(材質)の指定、印刷コピー数、印刷優先度、及びユーザ名等を記述したファイルである。レイアウトスクリプトとは、その各印刷ページの印刷レイアウトを決めるのに必要な事項、例えばテンプレート番号、各テンプレート内の各写真枠にはめ込まれた写真イメージのファイル名、及びオプション印刷(例えば、トンボやファイル名などの印刷)の設定等を記述したファイルである。印刷ジョブデータの量を減らすため、各写真イメージのファイルは、その写真が何枚印刷されるかに関係なく、1回の印刷ジョブデータの送信で原則として1回だけ送信される。各写真イメージファイルに添付されたワークICCプロファイルは、前述したように、クライアントシステム5にてその写真イメージに対して編集作業が行われたワークカラースペースを表している。
また、ファイル転送サーバ31は、矢印23で示すように、クライアントシステム5のステータスモニタ14から履歴情報の要求を受けると、これをプリントサーバ34に通知し、そして、矢印51で示すように、その要求に応えてプリントサーバ34から送られてくるプリンタエラー及び印刷ジョブの完了に関する履歴情報を受けて、これを矢印23で示すように、クライアントシステム5のステータスモニタ14に転送する。
プリントサーバ34は、印刷ジョブデータから各ページの印刷イメージデータを作成する処理と、各印刷イメージデータのプリンタ3A、3Bへの割り当てを行ってその印刷イメージデータをそれが割り当てられたプリンタのプリンタドライバ35A又は35Bへ送信する処理と、プリンタドライバ35A、35Bから提供されるプリンタ3A、3Bのステータスや印刷ジョブの実行履歴を管理する処理などを行うものである。プリンタドライバ35A、35Bは、プリンタ3A、3Bにそれぞれ対応しており、プリントサーバ34から受け取った印刷イメージデータをプリンタ3A、3Bが処理できる形式のデータに変換してプリンタ3A、3Bに送信する処理と、プリンタ3A、3Bのステータスを監視してそれをプリントサーバ34に通知する処理などを行なうものである。
プリントサーバ34は、ジョブフォルダ33から矢印43で示すように各印刷ジョブの印刷ジョブデータを読み込む。印刷ジョブデータには、前述したように、その印刷ジョブのジョブスクリプトと、印刷ページのレイアウトスクリプトと、写真イメージファイルと、写真イメージのワークICCプロファイルが含まれている。プリントサーバ34は、その印刷ジョブデータに含まれている各印刷ページのレイアウトスクリプトと、各印刷ページに配置された写真イメージファイルとを用いて、ユーザが編集した通りのレイアウトをもった各印刷ページの印刷イメージデータを作成する。
各印刷ページの印刷イメージデータを作成するに当たり、プリントサーバ34は、上記ジョブスクリプトを読み、その印刷ページの印刷に用いるプリンタ及び印刷メディア(以下、「出力プリンタ」及び「出力メディア」という)の種類を把握する。そして、プリントサーバ34は、その出力プリンタ3A又は3Bがその出力メディアを用いて行なう印刷作業のカラースペース(以下、「プリンタカラースペース」という)を表したICCプロファイル(以下、「プリンタICCプロファイル」という)を、矢印44で示すように、プリントサーバマシン2内の所定のフォルダ39から読み込む。そのフォルダ39には、プリンタ3Aとプリンタ3Bの各々について、使用可能な印刷メディアの種類ごとに異なるプリンタICCプロファイルが予め記憶されている。なお、全てのフォトスタジオの全てのプリンタについてプリンタICCプロファイルはセンタサーバマシン8に蓄積されていて、各フォトスタジオのプリントサーバマシン2は、そのフォトスタジオのプリンタ3A、3Bの機械番号(個々のプリンタ固有の識別番号)をセンタサーバマシン8に指定することで、そのプリンタ3A、3BのプリンタICCプロファイルをセンタサーバマシン8からダウンロードすることができるようになっている。
プリントサーバ34は、上記したようにフォルダ39から出力プリンタと出力メディアに対応したプリンタICCプロファイルを読み込んだ後、その読み込んだプリンタICCプロファイルと各印刷ページ内の各写真イメージのワークICCプロファイルとを用いて、各写真イメージデータに対するパセプチャル・カラーマッチングを行なう。それにより、各写真イメージデータは、その編集時のカラーに最大限近似したカラーがプリントアウトに現れるように調整される。そして、プリントサーバ34は、それら調整された写真イメージデータを用いて、各印刷ページの印刷イメージデータを作成する。その後、プリントサーバ34は、矢印45で示すように、作成した各印刷ページの印刷イメージデータを、出力プリンタに対応したプリンタドライバ35A又は35Bへ送る。プリンタドライバ35A、35Bはそれぞれ、プリントサーバ34から受け取った印刷イメージデータ(例えば、RGB型のビットマップイメージデータ)を、プリンタ3A、3Bが処理できる形式の印刷データに変換し(例えば、RGBからCMYKへのカラー変換、ハーフトーニング、バンド分割、必要な制御情報の付加などを行ない)、そして、図4に矢印61で示すように、その作成した印刷データを、対応するプリンタ3A、3Bに送信する。
また、プリンタドライバ35A、35Bは、対応するプリンタ3A、3Bのステータス(例えば、稼動状態、エラー発生状態、消耗品の状態など)を随時にプリンタ3A、3Bから取得し、矢印46で示すように、取得したプリンタステータスをプリントサーバ34に送る。プリントサーバ34は、プリンタドライバ35A、35Bからのプリンタステータスに基づいて、プリンタドライバ35A、35Bに送った印刷ジョブの実行状態を把握する。そして、プリントサーバ34は、把握したプリンタ3A、3Bのステータス及び印刷ジョブの実行状態などの情報を、矢印47で示すように、プリントサーバマシン2内のプリント情報データベース36に書き込む。その結果、プリント情報データベース36には、プリンタ3A、3Bのステータスの履歴及び印刷ジョブの実行履歴が蓄積されることになる。また、スタジオのユーザの登録情報などもプリント情報データベース36で管理されている。
また、プリントサーバ34は、クライアントシステム5のステータスモニタ14からの情報要求を、ファイル転送サーバ31を通じて矢印51で示すように受けると、矢印47で示すようにプリント情報データベース36から、プリンタ3A、3Bのエラー発生の履歴及び印刷ジョブの実行完了の履歴のうち、未だクライアントシステム5に通知していない最新の情報を読み出して、これを矢印51で示すようにファイル転送サーバ31に送る。既に述べたように、それら最新のエラー発生履歴及び印刷ジョブ実行完了履歴は直ちにクライアントシステム5のステータスモニタ14に転送されて、クライアントシステム5のディスプレイモニタに表示される。
プリント情報サーバ37は、一種のWWWサーバであり、クライアントシステム5のWWWブラウザ17から登録されたユーザ権限でログインされると(矢印26)、プリント情報データベース36に蓄積されている印刷ジョブの実行履歴やプリンタステータス履歴やスタジオのユーザの登録情報などをそれぞれ表示したウェブページを作成して、それを矢印25で示すようにそのWWWブラウザ17へ提供する。また、プリント情報サーバ37は、印刷ジョブ履歴の検索機能も有しており、ユーザからの検索要求をWWWブラウザ17から受けて、プリント情報データベース36からユーザ要求された印刷ジョブ履歴を検索し、検索結果をWWWブラウザ17に返すこともできる。さらに、プリント情報サーバ37は、印刷ジョブの制御機能も有しており、印刷待ち状態にある印刷ジョブに対するユーザからの制御要求(例えば、削除、優先度や印刷コピー数などのジョブ内容の変更など)をWWWブラウザ17から受けて、プリント情報データベース36内のその印刷ジョブの情報を書換える。さらに、プリント情報サーバ37は、ユーザ登録機能も有しており、そのフォトスタジオの管理者の権限でWWWブラウザ17からログインされた場合に、新たなユーザ情報の登録をプリント情報データベース36に行うことができる。
ログアップローダ38は、センタサーバマシン8から予め指定されたアップロードスケジュール(アップロードを行うべき時間間隔又は時刻など)に従って定期的に(又は、場合によっては随時に)、プリント情報データベース36から未だセンタサーバマシン8へ送っていない新しいプリント情報を読み込み、これを図4に矢印63で示すようにセンタサーバマシン81にアップロードするものである。
また、ログアップローダ38は、ユーザの留守中等に発生したフォトスタジオシステム1の異常を直ちにユーザに通報するための「留守番モード」を有している。「留守番モード」を利用する場合、ユーザは予め、ユーザ所望の電子メールアドレス(例えば、ユーザの携帯電話のメールアドレス)と通報すべき異常の種類(例えば、プリンタの各種エラーの種類など)とをログアップローダ38に登録しておく。ログアップローダ38は、その登録された電子メールアドレスをセンタサーバマシン8に通知する。ユーザがフォトスタジオから外出するようなときに、ログアップローダ38を留守番モードに設定しておくと、ログアップローダ38は、指定された異常が発生すると、直ちに、その異常の発生をセンタサーバマシン8に通知する。それを受けて、センタサーバマシン8は、その異常発生を報じる電子メールを作成し、それを登録された電子メールアドレスへ送る。これにより、ユーザは外出中であっても、自分のスタジオでの異常発生を速やかに知ることができる。
次に、図4を参照して、センタサーバマシン8の構成と機能を説明する。
図4に示すように、センタサーバマシン8には、アップロードサーバ81、WWWサーバ82及び電子メーラ83などのアプリケーションプログラムダがインストールされている。
アップロードサーバ81は、センタデータベース84で管理されているフォトスタジオごとのアップロードスケジュール(アップロードを行うべき時間間隔又は時刻など)を、矢印62で示すように、各スタジオのログアップローダ38へ通知し、そして、そのアップロードスケジュールに従って各スタジオのログアップローダ38から送信されてくるそのスタジオの最新のプリント情報を受信し、それをセンタサーバ8内のセンタデータベース84に格納する。
また、各スタジオのログアプローダ38から上述した留守番モードでの異常発生の通知を受けたときには、アップロードサーバ81は、直ちに、その異常発生の通知をセンタデータベース84を介して電子メーラ83に渡す。これを受けて、電子メーラ83は直ちに、その異常発生を報じた電子メールを作成して、それを矢印66で示すように、予め登録されているユーザ所望の電子メールアドレス93へ送信する。これにより、ユーザは外出中であっても、自分のスタジオでの異常発生を速やかに知ることができる。
WWWサーバ82は、何らかのコンピュータマシン91(例えば、クライアントマシン5A、5B、ディーラマシン9、その他のコンピュータ、PDA、携帯電話など)に搭載されているWWWブラウザ92から、ユーザ、ディーラ又は全体システム管理者などの権限でログインされると、ログインした者の権限に応じた範囲のプリント情報やユーザ情報などをセンタデータベース84から読み出し、それらの情報を表示したウェブページを作成し、それを矢印65で示すようにそのWWWブラウザ92へ送る。ここで、ログインした者の権限に応じた範囲とは、例えば、ユーザ権限であれば、そのユーザのフォトスタジオのみ及びそのユーザのみということであり、また、ディーラ権限であれば、そのディーラの傘下のフォトスタジオのみ及びその傘下のユーザのみということであり、また、全体システム管理者の権限であれば、全てのフォトスタジオ及び全てのユーザである。
また、センタデータベース84には、各スタジオのプリント情報やユーザ情報だけでなく、センタで計算した各スタジオでの消耗品の使用量やセンタからの請求料金や、センタが発する各種のニュースなどの様々な情報も管理されている。これらの情報も、WWWサーバ82又は電子メーラ83によって、各ユーザや各ディーラに通知される。
次に、図3と図4、並びに図5以降の図面を参照して、フォトスタジオシステム1及びセンタサーバマシン8の動作を詳細に説明する。
まず、フォトスタジオでの作業の順序に大体従って、フォトスタジオシステム1の動作を説明する。
図3に示すように、デジタルカメラ6で撮影された写真イメージのファイル(例えば、JPEG形式やTIFF形式)が、デジタルカメラ6から例えばUSBを通じて、クライアントシステム5に取り込まれ、クライアントシステム5内のユーザにより指定された写真フォルダ12に格納される。
写真レタッチ作業を行うために、特別フォトレタッチャ11か又は一般フォトレタッチャ15がユーザによって起動される。以下では、特別フォトレタッチャ11が起動された場合について説明する。
特別フォトレタッチャ11は、図5に示すようなグラフィカル・ユーザ・インタフェース(以下、「レタッチャ・メイン・ウィンドウ」という)110をクライアントシステム5のモニタに表示する。図5に示すように、レタッチャ・メイン・ウィンドウ110の上部には、左から右へ、「ブラウズ」ボタン111、「トリム」ボタン112、「レタッチ」ボタン113、「カラー/トーン」ボタン114、「イフェクト」ボタン115及び「エクスポート」ボタン116が並んでいる。これらのボタン111〜116の左から右への配列順序は、ユーザが通常行うレタッチ作業の手順に沿っている。その作業手順とは、大体次のようなものである。
すなわち、まず、「ブラウズ」ボタン111を押す(例えばマウスで左クリックする)と、「ブラウズ」モードに入り、そこでは、所望の写真フォルダ12内の全写真イメージファイルのサムネイルイメージをブラウズして、その中から所望の写真イメージファイルを選択することができる。次に、「トリム」ボタン112を押す(例えばマウスで左クリックする)と、「トリム」モードに入り、そこでは、「ブラウズ」モードで選択された写真イメージの全体を表示して、そのイメージから印刷したい領域だけを残して、他の不要な領域をトリムすることができる。次に、「レタッチ」ボタン113を押す(例えばマウスで左クリックする)と、「レタッチ」モードに入り、そこでは、その写真イメージ内の所望箇所に対して、所望のブラシを使って、所望の修正を施すことができる。次に、「カラー/トーン」ボタン114を押す(例えばマウスで左クリックする)と、「カラー/トーン」モードに入り、そこでは、写真イメージの全体に対して、カラー調整用フィルタを使って所望のカラー調整を施すことができる。次に、「イフェクト」ボタン115を押す(例えばマウスで左クリックする)と、「イフェクト」モードに入り、そこでは、写真イメージの全体に対して、特殊効果用フィルタを使って、所望の特殊効果を施すことができる。なお、上記の「トリム」〜「イフェクト」モードで写真イメージに対して施される各種のイメージ処理を、以下「エンハンス」と呼ぶ。
最後に「エクスポート」ボタン116を押す(例えばマウスで左クリックする)と、「エクスポート」モードに入り、そこでは、その写真イメージのファイルを所望の写真フォルダ12に保存することができる。保存の仕方には、ユーザが選択可能な2通りの方法があり、その一つは、「トリム」〜「イフェクト」モードで行われた全てのエンハンスを元の写真イメージに適用した結果の写真イメージファイルを保存する方法であり、他の一つは、元の写真イメージのファイルには変更を加えずに、「トリム」〜「イフェクト」モードで行われた全てのエンハンスのパラメータを記述したファイルを保存する方法である。
上記のように「ブラウズ」モードから「エクスポート」モードまでを順番に選択して作業するというルーチンワークにより、簡単にレタッチ作業を行うことができる。また、行うべきエンハンスをし忘れる可能性も少ない。なお、各モードでの作業中、図5に示したレタッチャ・メイン・ウィンドウ110では、画像表示ボックス118に、そのステップでの処理対象の写真イメージが表示され、また、コントロールボックス119に、そのステップで使用する様々なツールやコントロールボタンや処理状況を示す各種インジケータが表示される。
最初の「ブラウズ」モードにおいて、特別フォトレタッチャ11は、写真イメージのワークICCプロファイルを自動的に(ユーザが別段の要求をしない限り、漏れなく)設定する。ワークICCプロファイルの設定はユーザが自分で変えることができる。しかし、ユーザが特に指定しなければ、特別フォトレタッチャ11は、デフォルトの設定方法に従ってワークICCプロファイルを自動的に設定する。「ブラウズ」モードで設定されたワークICCプロファイルは、「ブラウズ」モードから「トリム」モードに移るときに、「ブラウズ」モードで選択された写真イメージに対して適用されることになる。
ユーザは、ワークICCプロファイルを自分で設定したり、現在の設定を確認した場合には、「ブラウズ」モードにおいて、レタッチャメインウィンドウ110内の「プレフェレンス」ボタン117を押す(例えばマウスで左クリックする)。すると、図6に示すような「カラー・プロファイル・セットアップ」ダイアログボックス130がポップアップする。なお、図6の例は、デフォルトのプロファイル設定を示している。この「カラー・プロファイル・セットアップ」ダイアログボックス130において、ユーザは、「カラー・マネージメント・ポリシー」欄131で、決められた3種類のカラーマネジメントポリシーA〜Cを選択することができる。ここでユーザ選択されたポリシーに応じて、特別フォトレタッチャ11は、予め用意されたパラメータをもつワークICCプロファイルを設定する。
上記の3種類のポリシーA〜Cとは、次のようなものである。
ポリシーAは、その写真イメージのファイルに予ねてより添付されているICCプロファイルをそのままワークICCプロファイルとして用いるものである。(普及型のデジタルカメラはそうではないが)フォトスタジオで使用されるような高級なデジタルカメラは、そのデジタルカメラのカラースペースを表したICCプロファイルを、撮影した写真イメージのファイルに添付してそのファイルを出力する(ただし、普及型のデジタルカメラの大部分は、ICCプロファイルを添付しない)。従って、ポリシーAを選べば、デジタルカメラ6のカラースペースをそのままフォトレタッチのワークカラースペースとして用いることができる。つまり、ポリシーAは、デジタルカメラ6が撮影したオリジナルのカラーに可能な限り忠実にプリントしたい場合のための設定である。ただし、モニタとプリント間での良好なカラー近似は保証されない。これはまた、デフォルトの設定でもある。
ポリシーBは、モニタに表示されたカラーに忠実にプリントしたい場合のための設定である。例えば、モニタの一般的なカラースペースに相当する公知の「sRGB」というカラースペースのICCプロファイルが、ワークICCプロファイルとして設定される。この設定によれば、モニタとプリンタとのカラーマッチングが比較的適正に行える。つまり、プリントアウトのカラーを、モニタに表示されたカラーに良好に近似させることができる。
ポリシーCは、業界で広く用いられている標準的なICCプロファイル、例えば、プリンタのカラースペースに近く且つモニタのカラースペースより広いガマットをもつ広域標準である公知の「AdobeRGB」というカラースペースのICCプロファイルを、ワークICCプロファイルとして設定する。
また、図6の「カラー・マネージメント・ポリシー」欄131で、ユーザが「マニュアル」を選べば、その下の欄132〜135を用いて、所望のICCプロファイルをワークICCプロファイルとして設定することができる。
まず、「ワーキングRGB・カラースペース・セッティング」欄132では、ワークICCプロファイルを具体的に指定することができる。ここで、「Don'tExchange」を選ぶと、写真イメージに予ねてより添付されていたICCプロファイルがそのままワークICCプロファイルとして設定される。また、「sRGB」、「AppleRGB」及び「AdobeRGB」をそれぞれ選ぶと、その名称をもつ公知のカラースペースのICCプロファイルがワークICCプロファイルとして設定される。
また、「ノー・プロファイル・エンベデッド・ファイル・セットアップ」欄133では、写真イメージファイルにICCプロファイルが未だ添付されていなかった場合(例えば、普及型のデジタルカメラから取り込んだ写真イメージファイルの場合、ICCプロファイルが添付されていないことが多い)、その写真イメージの元来のICCプロファイルがどのカラースペースのものであるかと仮定するかを、設定することができる。デフォルト設定は「sRGB」である。ユーザは好みに応じて「sRGB」、「AppleRGB」、「AdobeRGB」、或るいは、クライアントシステム5内のカラーマネージメントシステムが管理する任意のICCプロファイルを選択して設定することができる。
また、「アスク・プロファイル・ウェン・オープニング」のチェックボックスにチェックマークを入れておけば(これがデフォルト設定である)、特別フォトレタッチャ111は、任意の写真イメージファイルを開く際(例えば、「ブラウズ」モードから「トリム」モードに移行するとき、「ブラウズ」モードで選択された写真イメージファイルを開くことになる)、その写真イメージファイルに未だICCプロファイルが添付されていなければ、ワークICCプロファイルの確認と設定を行うための所定のダイアログボックスを強制的にポップアップさせる。これにより、ユーザは、ICCプロファイルが添付されていない写真イメージに対してどのようなワークICCプロファイルを設定するかということを、忘れずに必ず確認することになる。
上記のようにして、特別フォトレタッチャ11は、最初の「ブラウズ」モードで、写真イメージに対してワークICCプロファイルを必ず設定する。
図7は、上述した特別フォトレタッチャ11によるワークICCプロファイルの設定と、そのワークICCプロファイルを用いて以後に行われる、ワークカラースペースとモニタやプリンタのカラースペースとの間のカラーマッチングの処理の流れを示している。
図7において、ステップ102が、上述した「ブラウズ」モードでのワークICCプロファイルの設定を示している。その後、「ブラウズ」モードから「トリム」モードに移行するとき、特別フォトレタッチャ11は、ステップ101で示すように、「ブラウズ」モードで選択された写真イメージファイルを読み込み、そして、ステップ103で示すように、その写真イメージファイルを開く。この写真イメージファイルを開くとき、その写真イメージデータは、「ブラウズ」モードで設定されたワークICCプロファイルに定義されたワークカラースペース上のイメージデータに変換される。このとき、その写真イメージファイルに予ねてより添付されていたICCプロファイル(又は、特別フォトレタッチャ11によってそう仮定されたICCプロファイル)がそのままワークICCプロファイルとして設定されている場合には、その写真イメージファイルが開かれるとき、その写真イメージデータには格別の変更は加えられない。これに対し、その写真イメージファイルに予ねてから添付されていた(又は、そう仮定された) ICCプロファイルとは異なるワークICCプロファイルが設定されている場合には、その写真イメージファイルが開かれるとき、その写真イメージデータに対して、その添付されていたICCプロファイルとワークICCプロファイルとに基づいたパセプチャル・カラーマッチングが施される。このカラーマッチングより、その写真イメージデータは、その予ねてのICCプロファイルで定義されるカラースペースで表現されていたカラーに最も近似したカラーがワークカラースペースで表現されるように、調整される。
また、特別フォトレタッチャ11は、その写真イメージをディスプレイモニタに表示するための処理を行う。すなわち、特別フォトレタッチャ11は、ステップ105で示すように、その写真イメージデータを、クライアントシステム5内に予め用意されているモニタのICCプロファイルで定義されるモニタのカラースペースのイメージデータに変換する。この変換の際、特別フォトレタッチャ11は、その写真イメージデータに対して、上記ワークICCプロファイルと上記モニタICCプロファイルとを用いたパセプチャル・カラーマッチングをその写真イメージデータに対して施す。これにより、その写真イメージデータは、ワークカラースペースでのカラーに最も近似したカラーがモニタにも表示されるように、調整される。そして、特別フォトレタッチャ11は、ステップ106で示すように、その変換されたモニタカラースペースの写真イメージデータをモニタ(具体的には、図5に示したウィンドウ110内の画像表示ボックス118上)に表示する。
以後、「トリム」、「レタッチ」、「カラー/トーン」及び「イフェクト」モードにおいて、特別フォトレタッチャ11は、ステップ104で示すように、その写真イメージに対して、ユーザから要求された各種のエンハンスを施していく。1つのエンハンスを施す都度、特別フォトレタッチャ11は、上述したステップ105及び106をエンハンス後の写真イメージについて行って、そのエンハンス後の写真イメージをモニタに表示する。
最後に「エクスポート」モードで、特別フォトレタッチャ11は、ステップ107で示すように、既に様々なエンハンスが加えられた写真イメージのファイルを、ユーザにより指定の写真フォルダ12に保存するが、そのとき、その写真イメージのワークICCプロファイルを、その写真イメージファイルに添付して保存する。
その後、保存された写真イメージファイルとそれに添付されたワークICCプロファイルは、図3を参照して既に説明したように、印刷レイアウト編集の終了後にプリントサーバマシン2に送られ、プリントサーバマシン2内のプリントサーバ34によって印刷イメージデータに変換される。このとき、プリントサーバ34は、図7のステップ108で示すように、写真イメージファイルに添付されたワークICCプロファイルと、出力プリンタと出力メディアとの組み合わせに対応したプリンタICCプロファイルとを用いたパセプチャル・カラーマッチングを、その写真イメージデータに対して施す。これにより、その写真イメージのワークカラースペースでのカラーに最大限近似したカラーがプリントアウトに現れるように、その写真イメージデータが調整されて印刷イメージデータに組み込まれる。
以上のような一連のカラーマッチング処理により、次のような結果が得られる。
上記の「ブラウズ」モードで、デジタルカメラ6が写真イメージに添付したICCプロファイルをそのままワークICCプロファイルとして設定した場合には、結果として、デジタルカメラ6で撮影した被写体のカラーに良好に近似したカラーのプリントアウトが得られることになる。これは基本的なデフォルト設定(図6の欄131又は132に例示した設定)でもあるから、ユーザが特にICCプロファイルについて何も設定しなくても、自動的に上記の結果が得られる。
一方、モニタのICCプロファイル又はそれに非常に近い「sRGB」のようなICCプロファイルをワークICCプロファイルとして設定した場合には、結果として、モニタに表示されたカラーに良好に近似したカラーのプリントアウトが得られることになる。これは、予ねてのICCプロファイルが無かった場合のデフォルト設定(図6の欄133に例示した設定)でもあるから、ユーザが特にICCプロファイルについて何も設定しなくても、自動的に上記の結果が得られる。
再び、図5のレタッチャ・メイン・ウィンドウ110を参照する。
「トリム」ボタン112を押して「トリム」モードに入ると、選択された写真イメージが画像表示ボックス118に表示される。ユーザは、画像表示ボックス118内の写真イメージ上でカーソルをドラッグすることで、ドラッグの始点と終点で規定される寸法の長方形の選択範囲を写真イメージ上に設定でき、その選択範囲の外側領域をトリムして、その選択範囲の内側領域のみを取り出すことできる。コントロールボックスその中から所望の縦横比を予め選んでおけば、ユーザが上記のドラッグをどのように行っても、それで設定される長方形の選択範囲の縦横比は上記選んだ縦横比に自動制御される。また、コントロールボックス119には、選択範囲を1度単位で右回転及び左回転させるボタンもあり、これを押せば選択範囲を1度単位で右回転及び左回転させることができる。これにより、トリム作業は簡単に行える。
次に、「レタッチ」ボタン113を押して「レタッチ」モードに入ると、「トリム」モードで取り出された写真イメージが画像表示ボックス118に表示される。コントロールボックス119では、同一画面上に、フォトスタジオで頻繁に用いられる所定の幾つかのレタッチツールの選択枝と、エンハンス効果の強度を調節するスライダーバーと、サイズ、ぼかし程度、形状又は角度の異なる複数のブラシのリストと、個々のブラシのサイズ、ぼかし程度、形状及び角度を調整する複数本のスライダーバーとが表示されている。ユーザは、所望のツール、所望のエンハンス効果強度、及び所望のサイズ、ぼかし程度、形状及び角度をもつブラシをコントロールボックス119上で選んだ上で、画像表示ボックス118上の写真イメージの所望の場所にカーソルを置いてその場所に対して所望のエンハンスを施すことができる。そのとき、カーソルは、画像表示ボックス118の写真イメージ上で、ユーザが用いるブラシ(つまり、エンハンスが施される領域)と同じサイズと形状と角度をもった図形(例えば、ブラシの輪郭線を正確に示した閉曲線図形)で表示されるので、ユーザは写真イメージのどの部分にエンハンスが施されるのかを正確に把握することができる。
次に、「カラー/トーン」ボタン114を押して「カラー/トーン」モードに入ると、「レタッチ」モードでエンハンスを施された写真イメージが画像表示ボックス118に表示される。このモードでは、写真イメージに対してカラー調整を行うことができる。このモードは、「イージー」、「バリエーション」及び「マニュアル」の3つのサブモードから構成されている。コントロールボックス119では、それら3つのモードの中から所望のものを選択することができる。
「イージー」サブモードが選ばれると、予め用意された複数種類のカラー調整用フィルタの選択肢がコントロールボックス119に表示される。選択肢としては、例えば、「標準的カラー補正」、「人物写真用カラー補正」、「モノクロ写真化」、「明るい感じにする」、「重厚な感じにする」、「シャープな感じにする」、「ソフトな感じにする」などがある。所望の選択枝を選ぶことで、それに対応した所定のカラー調整フィルタが写真イメージの全体領域に適用される。各フィルタのパラメータをマニュアルで変更することも可能である。
「バリエーション」サブモードが選ばれると、カラー調整フィルタのもつ様々なパラメータのうちの所定の複数の主要パラメータ(例えば、明度、コントラスト、グレイバランス、彩度、シャープネスなど)の値をユーザが自由に設定するためのパラメータ設定表が、コントロールボックス119に表示される。このパラメータ設定表では、上記複数パラメータの中から所望の一つを選択することができる。また、画像表示ボックス118には、同一の写真イメージに対してパラメータ値の異なる複数枚(例えば、3枚、9枚又は25枚など)のカラー調整フィルタをそれぞれ試験的に適用した結果の複数枚(例えば、3枚、9枚又は25枚など)の写真イメージが、同一画面上に縦横に並べて表示される。そのうち中心に置かれた写真イメージは、コントロールボックス119で現在設定されているパラメータ値に従うカラー調整フィルタの試験的適用結果である。そして、上記パラメータ設定表でユーザ選択されたパラメータの値を、現在設定されているパラメータ値から所定値刻みで減らしていったカラー調整フィルタの試験的適用結果と、逆に所定値刻みで増やしていったカラー調整フィルタの試験的適用結果が、中心の写真イメージの両側にそれぞれ順に並んでいる。従って、ユーザは、それらカラーの異なる複数の写真イメージを見比べて、どのカラーが最も好ましいか容易に判断できる。ユーザが所望のカラーの写真イメージを選ぶと、自動的に、その選ばれた写真イメージが画像表示ボックス118の中心に移動し、その選ばれた写真イメージにに適用されたカラー調整フィルタのパラメータ値がコントロールボックス119に設定される。他のモード又は他のサブモードへ移行すると、自動的に、コントロールボックス119に設定されたパラメータ値に従うカラー調整フィルタが写真イメージに適用される。
「マニュアル」サブモードが選ばれると、カラー調整用フィルタのパラメータを「バリエーション」サブモードよりも更にきめ細かく設定するための各種ツールやインジケータがコントロールボックス119に表示され、それらを用いて詳細なカラー調整を行うことが出来る。
上記の「カラー/トーン」モードでのカラー調整が終わると、次に、「イフェクト」ボタン115を押して「イフェクト」モードに入り、そこで、写真イメージの全体に対して、特殊効果用フィルタを使って、所望の特殊効果を施すことができる。
以上のように、「トリム」、「レタッチ」、「カラー/トーン」、「イフェクト」モードを順番に実行することで、フォトスタジオで通常必要とされる全てのエンハンスを漏れなく写真イメージに施すことができる。
ところで、「トリム」〜「イフェクト」モードの過程で、ユーザが一般フォトレタッチャ15を利用したくなった場合には、図5に示すレタッチャ・メイン・ウィンドウ110内の「フォトアプリケーション」ボタン123を押せばよい。すると、特別フォトレタッチャ11は、その時点までに行われたエンハンスを施した結果の写真イメージのファイルをを写真フォルダ12に保存し、その保存した写真イメージファイルへのパスを起動コマンドのパラメータとして用いて一般フォトレタッチャ15を起動し、そして、特別フォトレタッチャ11自身は非アクティブになる。その結果、一般フォトレタッチャ15が起動して、その保存された写真イメージファイルを開くので、ユーザは、一般フォトレタッチャ15を使って、続きのレタッチ作業を行うことができる。一般フォトレタッチャ15での作業が終わり、その作業結果の写真イメージを同じファイル名で同じ写真フォルダ12に保存して一般フォトレタッチャ15を終了させると、特別フォトレタッチャ11が自動的にアクティブになり、その写真イメージファイルに対してICCプロファイルを再び設定して上で、その写真イメージファイルを再び開く。その結果、ユーザは、再び特別フォトレタッチャ11を使って続きの作業を行うことができる。
最後に「エクスポート」モードに進み、ユーザが写真イメージの保存を要求すると、特別フォトレタッチャ11は、その写真イメージのファイルを、これに「ブラウズ」モードで設定したワークICCプロファイルを添付して、写真フォルダ12に保存する。
以上で、特別フォトレタッチャ11を用いた一つの写真イメージのレタッチ作業が終わる。その後、続けて、別の写真イメージのレタッチ作業に入ることができる。
再び図3を参照する。印刷レイアウト編集を行う場合、ユーザは、レイアウトエディタ13を起動する。レイアウトエディタ13は、図8に示すようなグラフィカル・ユーザ・インタフェース(以下、「レイアウト・エディタ・メイン・ウィンドウ」という)140を、クライアントシステム5のモニタに表示する。
図8に示すように、レイアウト・エディタ・メイン・ウィンドウ140には、「プレフェレンス」ボタン141、フォルダリスト143、画像リスト144、メディア/プリンタ選択ボックス146、レイアウト選択ボックス147、レイアウト表示ボックス148、はめ込み方法/ページ設定ボックス150、オプション選択ボックス151、及びプリント命令ボックス152などがある。
「プレフェレンス」ボタン141を押す(例えばマウスで左クリックする)と、図9に示すような「プレフェレンス」ダイアログボックス160がポップアップする。このダイアログボックス160内の「ノー・プロファイル・エンベデッド・ファイル・セットアップ」欄162では、図6に示した同名の欄133と同様に、ICCプロファイルが未だ添付されていない写真イメージファイルに対して、添付されたものとして自動的に仮定されることになるICCプロファイルが設定される(デフォルト設定は、モニタの一般的カラースペースに相当する「sRGB」である)。
レイアウト・エディタ・メイン・ウィンドウ140内のフォルダリスト143には、クライアントシステム5がもつ全てのフォルダのリストが表示される。その中から所望のフォルダをユーザが選択すると、画像リスト144に、その選択されたフォルダに保存されている全ての写真イメージファイルのサムネイルイメージ145、145、…が表示される。
また、メディア/プリンタ選択ボックス146では、印刷で使用する印刷メディアのサイズと種類並びに出力プリンタを指定することができる。出力プリンタの指定では、図4に示した複数台のプリンタ3A、3Bのうちの一つを明示的に指定することもできるし、自動選択(つまり、システムが自動的に都合のいいプリンタを選択する)を指定することもできる。出力プリンタとして、ユーザが特定のプリンタを指定した場合、システムは、指定された特定のプリンタのみを用いて、そのジョブの全ページ及び全コピー部の印刷を行ないう。一方、ユーザが自動選択を指定した場合には、システムは、各ページ及び各コピー部の印刷を行うプリンタを、プリンタ3A、3Bの状態に応じて自動的に選択する。よって、自動選択が指定された場合には、一つのジョブが異なるプリンタで分散印刷される場合がある。
また、レイアウト選択ボックス147では、図3に示したプリントサーバマシン2のテンプレートライブラリフォルダ32に保存されている多種類のレイアウトテンプレートのリストを、例えばプルダウンメニュー或いはダイアログボックスなどの形式で表示して、それらのテンプレートの中から所望のものを選択することができる。選択されたテンプレートは、図3に示したプリントサーバマシン2のテンプレートライブラリフォルダ32からファイル転送サーバ31を通じてレイアウトエディタ13に取得されて、図8に示したレイアウト・エディタ・メイン・ウィンドウ140内のレイアウト表示ボックス148に表示される。
レイアウト表示ボックス148に表示されたレイアウトテンプレート149は、メディア/プリンタ選択ボックス146で選択された印刷メディアのサイズと同じサイズのスペースを有し、その中に、写真プリントで標準的に用いられる規定サイズの1又は複数の写真枠A〜Eが、予め定まったレイアウトで並べられている。
ユーザが、画像リスト144内の所望のサムネイルイメージを、レイアウト表示ボックス148内のテンプレート149内の所望の写真枠にドラッグアンドドロップすると、レイアウトエディタ13は、そのサムネイルイメージに対応した写真イメージファイルを開いて、その写真イメージをその写真枠にはめ込んで表示する。写真イメージを写真枠にはめ込むとき、レイアウトエディタ13は、後述するはめ込み方法/ページ設定ボックス150で設定されたはめ込み方法に従って、写真イメージのサイズや方向を変更したり、写真枠からはみ出す部分をトリムしたり、或るいは写真枠のサイズに満たない部分に余白をを付加したりというような、写真イメージの寸法や方向に関する調整を必要に応じて行う。ユーザが同一の印刷メディアに印刷したい全ての写真イメージをテンプレート149内の所望の写真枠にドラッグアンドドロップすれば、その印刷ページの印刷レイアウトが完成する。
上記のようにテンプレート149内の各写真枠に各写真イメージをはめ込まむとき、レイアウトエディタ13は、その写真イメージに対してワークICCプロファイルを次のように自動的に(ユーザが別段の要求をしない限り、漏れなく)設定する。すなわち、その写真イメージファイルに予ねてよりICCプロファイルが添付された場合には、その予ねてのICCプロファイルをそのままワークICCプロファイルとして設定する。一方、その写真イメージファイルに未だICCプロファイルが添付されていない場合には、上述した図9に示したダイアログボックス160内の「ノー・プロファイル・エンベデッド・ファイル・セットアップ」欄162で設定したICCプロファイルがその写真イメージファイルに予ねてから添付されていたものとみなして、その添付されていたとみなされたICCプロファイルをそのままワークICCプロファイルとして設定する。
はめ込み方法/ページ設定ボックス150では、テンプレート149内の各写真枠への写真イメージのはめ込み方法を設定することができる。設定事項としては、写真枠と写真イメージとが縦横比において一致しない場合における、トリミングに関する設定と、回転に関する設定とがある。トリミングに関しては、「オート・トリム」(つまり、写真イメージの短辺方向の寸法を写真枠の同方向の寸法と一致させるように、写真イメージの長辺方向の余分な両側領域を自動的にトリミングして余白無しに写真枠に収める方法)と、「フィット・ウィズイン」(つまり、写真イメージの長辺方向の寸法を写真枠の同方向の寸法と一致させるように、写真イメージをトリミングせずにその短辺方向の両脇に自動的に余白を付加して写真枠に収める方法)との何れかの方法を選択することができる。回転に関しては、「オート・クロックワイズ」と「オート・カウンター・クロックワイズ」(つまり、写真イメージの長辺と写真枠の長辺とが同方向になるように、写真イメージを自動的に90度だけ時計回り及び反時計回りにそれぞれ回転する)と「マニュアル」(ユーザがマニュアルで所望方向へ90度回転させる)との何れかの方法を選ぶことができる。ここで設定されたはめ込み方法を用いて、レイアウトエディタ13が自動的に、各写真枠へドロップされた写真イメージをその写真枠へはめ込むので、写真イメージのサイズ調整作業は非常に簡単である。
はめ込み方法/ページ設定ボックス150では、また、テンプレート149を用いて今編集しているページが、印刷ジョブの何ページ目かということも設定することができる。複数ページからなる印刷ジョブの印刷レイアウトを編集する場合には、このはめ込み方法/ページ設定ボックス150でページを追加しつつ、各ページごとに、上記のようにテンプレートを選択して、その中の各写真枠に所望の写真イメージをドラッグアンドドロップしていけばよい。このように、レイアウト編集は非常に簡単である。
オプション選択ボックス151では、「プリンタ・オプション」と「プリント・オプション」と「アフター・プリンティング」に関するオプション事項を設定することができる。「プリンタ・オプション」に関しては、同一ジョブを複数のプリンタで分散して印刷するという分散印刷を行う場合(メディア/プリンタ選択ボックス146で自動選択が指定されている場合、システムがプリンタの状態に応じて、そのジョブの各ページ及び各コピー部に対して出力プリンタを自動的に割り当てるので、分散印刷が行われる可能性がある)、同一ページを同一プリンタで印刷するか否か、又は同一ジョブを同一プリンタで印刷するか否(分散印刷を禁止する否か)を設定することができる。同一プリンタで印刷すれば、全コピー数を通じて印刷画質が同一になる。
「プリンタ・オプション」に関して、さらに、指定されたサイズの印刷メディアが指定されたプリンタにセットされていなかった場合、指定サイズより大きいサイズの同一種の印刷メディアを用いて印刷して良いか否かを設定することができる。ここで「良い」と設定した場合には、さらに、指定された印刷メディアサイズの印刷メディア枠も一緒に印刷するか否かを設定することができる。大きいサイズの印刷メディアに印刷して「良い」と設定した場合、システムは、印刷メディアの無駄を無くすために、そのジョブの各ページを、その大きいサイズの印刷メディアの端の方に寄った位置に印刷するように、各ページの印刷メディア上での印刷レイアウトを自動制御する。例えば、そのジョブの指定サイズがA4であったところ、A4の印刷メディアが無くて、その2倍のサイズのA3の印刷メディアに印刷するような場合、システムは、そのA3の印刷メディアをその中央線で2等分した片側のA4サイズ領域に、そのジョブのページを印刷する。
なお、上記のように指定サイズより大きいサイズの印刷メディアに印刷する場合に関して、プリントサーバマシン2では、「ジョブ優先」と「印刷メディア優先」のうちの一方の印刷方法を選択的に設定することができるようになっている(これも、レイアウトエディタで設定できるようにしてもよい)。プリントサーバマシン2に「ジョブ優先」が設定された場合には、システムは、その印刷ジョブを出来るだけ早くに終了させることを優先させるので、或る印刷ジョブを指定サイズより大きいサイズの印刷メディアに印刷し終わったときに、その大きいサイズ印刷メディアには他のページを印刷できるだけの余白が空いていたとしても(例えば、A3印刷メディアの半分の領域にのみそのジョブの最後のページを印刷して、残り半分の領域が未印刷で空いていたとしても)、その印刷メディアを直ちに排紙して、その印刷ジョブを直ちに完了させる。一方、プリントサーバマシン2に「印刷メディア優先」が設定された場合には、システムは、その印刷メディアの無駄を無くすことを優先させるので、或る印刷ジョブを指定サイズより大きいサイズの印刷メディアに印刷し終わったときに、その大きいサイズの印刷メディアには他のページを印刷できるだけの余白が空いていたならば(例えば、A3印刷メディアの半分のA4領域にのみそのジョブの最後のページを印刷して、残り半分のA4領域が未印刷で空いていたならば)、その余白に印刷できる指定サイズをもった別の印刷ジョブが来るのを待って、その別の印刷ジョブのページをその印刷メディアの余白に印刷してから(例えば、A3印刷メディアの残り半分のA4領域に、次の印刷ジョブの最初のページを印刷してから)、その印刷メディアを排紙する。
また、「プリント・オプション」に関しては、各写真イメージのファイル名、各写真イメージのトンボ、各写真イメージの外枠線、スタジオ名、クライアントマシン名、ジョブID、オペレータ名、顧客名、ページ内にレイアウトされた写真イメージファイル名のリスト、印刷日付、自由コメントなどの補助的情報を印刷するか否かが設定できる(これらの補助情報を印刷すると、印刷物を顧客ごとに仕分けたりカットしたりというプリント後の作業が容易になる)。なお、印刷する顧客名に関しては、予めシステムに登録してある顧客名のリストをポップアップさせて、その中から、顧客名を選択することができる。
また、「アフター・プリンティング」に関しては、プリンタでその印刷ジョブの実行が完了した後において、図3に示したプリントサーバ34からサーバステータスモニタ14にジョブ完了通知を返すか否か、及び、ユーザが削除又は変更するまでその印刷ジョブのデータをプリントサーバマシン2内で消さずに残しておくか否かなどの、印刷完了後のオプション動作が設定できる。原則として、プリントサーバマシン2は、ユーザから別途消去命令が来るか、又は、所定の消去条件が成立しない限り、印刷ジョブデータを印刷完了後も消さずに、プリントサーバマシン2内のディスクストレージに保存するようになっている。上記「アフター・プリンティング」の設定で、印刷完了後に印刷ジョブを消すと設定された場合にのみ、プリントサーバマシン2は、その印刷ジョブの印刷が完了した時点で、その印刷ジョブのデータを直ちに消去する。
なお、上記した印刷ジョブデータの消去に関して、プリントサーバマシン2では、保存してある印刷ジョブデータを自動的に消去するための消去条件として、「空き容量」と「期間」を設定することができるようになっている。「空き容量」が設定されると、その設定値以下にまで、プリントサーバマシン2内のディスクストレージの空き容量が減ると、プリントサーバマシン2は、保存してあった印刷ジョブデータを古い順に消去して、ディスクストレージの空き容量を、上記設定値以上にまで回復させる。「期間」が設定されると、プリントサーバマシン2は、その設定値(例えば、7日間)に相当する期間だけ印刷ジョブデータを保存するが、保存されていた期間がその設定値に達した時点で、その印刷ジョブデータを自動的に消去する。
プリント命令ボックス152では、作業対象の印刷ジョブについて、印刷コピー数と印刷優先度とを指定して、印刷実行を要求することができる。印刷実行が要求されると、レイアウトエディタ13は、今編集していた印刷ジョブについて印刷ジョブデータを作成して、それを図3に示したプリントサーバマシン2のファイル転送サーバ31に送る。印刷ジョブデータには、既に説明したように、ジョブスクリプトと、そのジョブに含まれる全印刷ページのレイアウトスクリプトと、それらの印刷ページのレイアウトテンプレートの写真枠にはめ込まれた全てのと、それらの写真イメージに対して設定されたワークICCプロファイルとが含まれている。なお、この印刷ジョブデータに含まれる写真イメージファイルは、元の写真イメージファイルではなく、レイアウトテンプレートの写真枠にはめ込まれたときの寸法や方向に関する調整を受けた写真イメージのファイルである。
以上で、1つの印刷ジョブの印刷レイアウト編集作業が終わる。その後、続けて、別の印刷ジョブの印刷レイアウト編集作業に入ることができる。
再び、図3及び図4を参照する。
プリントサーバマシン2では、クライアントシステム5のレイアウトエディタ13から送出された印刷ジョブデータを、ファイル転送サーバ31が受け取ってジョブフォルダ33に格納し、そして、ジョブフォルダ33内の印刷ジョブデータを、プリントサーバ34が読み込む。プリントサーバ34は、その印刷ジョブデータに基づいて、その印刷ジョブを構成する全印刷ページの印刷イメージデータを作成する。そのとき、プリントサーバ34は、各写真イメージのワークICCプロファイルと、出力プリンタと出力メディアととの組み合わせに対応するプリンタICCプロファイルとを用いてパセプチャル・カラーマッチングを行うことで、その写真イメージのワークカラースペースでのカラーに最大限近似したカラーがプリントアウトで再現されるように、印刷イメージデータ内のその写真イメージデータを調整する。そして、プリントサーバ34は、作成した各印刷ページの印刷イメージデータを、出力プリンタのプリンタドライバ35A又は35Bへ送る。それにより、そのプリンタで印刷が行われる。
出力プリンタの選択に関し、プリントサーバ34は、上述の図8に示したレイアウト・エディタ・メイン・ウィンドウ140のメディア/プリンタ選択ボックス146での設定と、オプション選択ボックス151での「プリンタ・オプション」の設定(これらの設定は、ジョブスクリプトに記述されている)とに基づいて、次のように制御する。すなわち、メディア/プリンタ選択ボックス146で特定のプリンタが指定されていた場合には、プリントサーバ34は、その指定されたプリンタのみを出力プリンタとする。一方、メディア/プリンタ選択ボックス146でプリンタ指定について「自動選択」が設定されていた場合には、プリントサーバ34は、時々のプリンタの状態に応じて、出力プリンタを自由に選択する。また、分散印刷を行う場合であっても、オプション選択ボックス151の前述の「プリンタ・オプション」で同一ページ又は同一ジョブは同一プリンタで印刷するという設定がなされていた場合には、プリントサーバ34は、同一ページ又は同一ジョブについて全印刷コピー数を通じて、同一のプリンタを出力プリンタとして選択する。
プリントサーバ34は、既に述べたように、各印刷ジョブの実行状態やプリンタ3A、3Bのステータスを把握して、プリント情報データベース36に記録する。プリント情報データベース36では、そのスタジオのユーザの情報も記録されている。
クライアントシステム5のステータスモニタ14は、予めユーザ設定された時間間隔(例えば、10分など)でプリントサーバマシン2に対して、各印刷ジョブの実行の完了や、プリンタ3A、3Bで発生したエラーの情報を要求する。この要求に応えて、プリントサーバマシン2内のプリントサーバ34が、プリント情報データベース36から、未だクライアントシステム5に送っていない新しい印刷ジョブ実行完了やプリンタエラーの履歴情報を読み出して、ファイル転送サーバ31経由でクライアントシステム5のステータスモニタ14に送り、そして、ステータスモニタ14はその情報をクライアントシステム5のモニタに表示する。
クライアントシステム5のWWWブラウザ17により、プリント情報データベース36内の印刷ジョブの実行履歴やプリンタ3A、3Bのステータスやユーザ情報は何時でも参照することができる。また、そのスタジオの管理者は、WWWブラウザ17を用いて、プリント情報データベース36に新たなユーザを登録することもできる。
また、プリントサーバマシン2のログアップローダ38を「留守番モード」に設定しておけば、ユーザが外出していても、プリンタ3A、3Bのエラーなどの異常が発生すると、センタサーバマシン8から実質的に実時間で、その旨の電子メールがユーザのメールアドレス93へ送信される。センタサーバマシン8のセンタデータベース84で管理されている各種の情報も、クライアントシステム5のWWWブラウザ17により、何時でも参照することができる。
図10は、クライアントマシンのステータスモニタ14が、定期的に取得したプリンタエラーやジョブ実行完了の履歴を表示するプリンタ・ステータス・ウィンドウ170の例を示す。このプリンタ・ステータス・ウィンドウには以下のような事項が表示される。
「IP Address」欄は、現在接続しているサーバのIPアドレスを表示する。「Total Jobs」欄は、印刷待ちの総ジョブ数を表示する。「Total Copies」欄は、印刷待ちの総ページ数を表示する。「Finish Time」欄は、最後のページの印刷終了予想日時を表示する。「メッセージ表示ON/OFF」ボタンは、メッセージ表示のON/OFFを指定する。「Printed」欄は、印刷完了通知の数を表示する。「Errors」欄は、エラー及び警告の数を表示する。「Printed, Errors」ボタンを押してON状態にしておくと、ウィンドウが非アクティブ状態の時に各カテゴリに新しいメッセージが追加された場合はアプリケーションメニューがフラッシュする。
プリンタエラーを示すメッセージとして、次のようなものがある。手の形のアイコンの付いたメッセージとして、インクカートリッジのインクが無くなったことや、印刷メディアがなくなったことや、プリントサーバの停止や、紙ジャムや通信エラーやその他のエラーの発生などを示すメッセージがある。「!」印のアイコンの付いたメッセージは、インクカートリッジのインク残量が僅少になったことや、印刷メディア残量が僅少になったことや、センタとの通信不可などを示すメッセージなどがある。各メッセージには、アイコン、プリンタ名、ステータス、インクカートリッジカラー、印刷メディアトレイ名、インク又は印刷メディアの残量値、エラー内容などが含まれる。
人の横顔のアイコンの付いたメッセージは、印刷完了通知メッセージであり、図8に示したレイアウトエディタ13のウィンドウ140のオプション選択ボックス151で印刷完了通知を設定したジョブについのみ、印刷が完了したらこの印刷完了通知が表示される。このメッセージには、アイコン、ジョブID、プリンタ名、印刷終了時刻、印刷ファイルリスト(そのジョブに含まれている写真イメージファイルのリスト)などが含まれる。
図11〜図15は、クライアントシステム5のWWWブラウザ17を使ってプリントサーバマシン2のプリンタ情報データベース36で管理されている各種の情報を参照したり制御したりするときにWWWブラウザ17に表示されるウェブページの例を示す。
なお、プリントサーバマシン2のディスプレイモニタにも図11〜図15に例示するウェブページと実質的に同様の内容を示した画面が表示されるようになっている。
図11は、印刷ジョブの履歴のリストを表示したジョブリストページ180の例を示す。
このジョブリストページ180内のメインのフレームでは、そのヘッダに「Print queue information」として、印刷待ちジョブ数「Total Jobs」と、印刷待ちページ数「Total Copies」が表示される。またセンターとの通信などのエラー障害についての情報も表示される。その下に印刷ジョブのリストがあり、そこでは、各印刷ジョブについて以下のような項目が表示される。
「Job ID」の列には、印刷ジョブを一意に識別するユニークな整数(JOBの通番)を示したボタンが表示される。「Page」の列には、各印刷ジョブに含まれるページごとに振られるページ番号(Page ID)を示したボタンが表示される。「Copy」の列には、ページ単位の印刷コピー番号(Copy ID)を示したボタンが表示される。ジョブリストの各行はこのコピー単位となる。「Job ID」、「Page」及び「Copy」の表示から、ユーザは、各ジョブのページ数と各ページのコピー数とを一目で把握できる。さらに、ユーザは、各ジョブの各ページの各コピー毎に、以下に述べるような各種の情報を把握することができる。
また、各Job IDのボタン、各Page IDのボタン、又は各Copy IDのボタンをユーザが押す(例えばマウスで左クリックする)と、対応する各ジョブ、各ページ、又は各コピーについてのジョブ制御ページが開くようになっている。そのジョブ制御ページの一例(特定のジョブの特定のページについてのジョブ制御ページの例)は図12に示されている。その詳細は後に説明するが、各ジョブ、各ページ、又は各コピーについてのジョブ制御ページでは、そのジョブ、そのページ、又はそのコピーに対して、印刷キャンセル(印刷前の場合)、データ消去(印刷完了後の場合)、再印刷、ポーズ、印刷条件(コピー数、優先度、印刷メディア種類、出力プリンタ、自動レイアウト、ファイルロックなど)の変更、エラー印刷に終わった旨の指定(印刷完了後の場合)などが行える。
図11を再び参照する。「Status」の列は、各印刷ジョブの各ページの各コピーごとに、その状態を円形のカラーアイコン(図11では、単純な円で図示されている)と文字列で示す。状態に応じてカラーアイコンのカラーが違う。例えば、印刷中はカラーアイコンが緑カラーの点滅、レンダリング中は緑カラー、印刷待ち(スプール中)は黄カラー、ポーズ中は赤カラー、印刷終了(データあり=再印刷可)は黒カラー、印刷終了(データなし=再印刷不可)は白カラーなどである。ジョブ停止事由や再印刷事由などがある場合は、その文字列が表示される。カラーアイコンで状態を表示することにより、文字列だけの表示に比較して、ユーザにとり、ジョブの状態把握が大幅に容易である。
なお、「Status」の列に、上述した状態を表すカラーアイコンや文字列だけでなく、各ページ又は各コピーごとの印刷イメージのサムネイル画像を表示するようにしてもよい。そうすると、ユーザは、そのページ又はそのコピーの内容を把握することが容易になる。例えば、過去に印刷完了した或るジョブお再印刷を行いたいとき、そのサムネイル画像を見て、目的のジョブを簡単に見つけ出すことができる。さらに、その各ページ又は各コピーごとの印刷イメージのサムネイル画像をユーザが押す(例えばマウスで左クリックする)と、その印刷イメージに含まれている写真イメージのサムネイル画像が順番に表示されるようにしてもよい。そうすると、ユーザによって、そのページ又はそのコピーの内容を把握することが一層容易になる。
「Filename」の列は、印刷データのファイル名を示す。「Priority」の列は、例えば、「Low」(優先度低)、「Normal」(優先度中)、「High」(優先度高)、「Now」(即時印刷)などの優先度を示す。「Computer Name」の列は、クライアントマシン名(クライアントID)を示す。「Operator ID」の列は、オペレータ名(オペレータID)を示す。「Customer ID」の列は、顧客名(顧客ID)を示す。
「Finish Approx.」の列は、ジョブ完了の予定日時を日付/時間で示す。このジョブ完了の予定日時は、プリントサーバマシン2が各ジョブの各ページの各コピーごとに計算したものである。その完了予定時刻の予測計算は、例えば、プリントサーバマシン2が予め記憶している印刷メディア1枚当たりの標準的な印刷所要時間(印刷メディアのサイズごとに用意されている)と、予測対象のコピーの印刷が終わるまでに同じ出力プリンタで印刷されるべき未印刷の印刷ジョブの印刷枚数とに基づいて、行われる。
「Paper Size」の列は、印刷メディアサイズを示す。「AutoLayout」の列は、図8に示したレイアウト・エディタ・メイン・ウィンドウ140内のオプション選択ボックス151でオートレイアウトが設定されていた時、その旨のアイコン「AUTO」を表示する。「Paper Type」の列は、印刷メディア種類を示す。「Printer」の列は、出力プリンタのプリンタ名を示す。図8に示したレイアウト・エディタ・メイン・ウィンドウ140内のメディア/プリンタ選択ボックスで出力プリンタにつき「自動選択」が指定されていた場合、サーバ側で自動的に出力プリンタを選択するため、「Printer」の列は「Auto」と表示する。
ジョブリストページ180内の左側の「Search」フレームには、印刷ジョブの検索を行うためのものであり、検索条件として次のような事項が入力できる。
「Filename」では、ファイル名を指定する。「Computer Name」では、クライアント名を指定する。「ID」では、「Job」でジョブIDを指定し、「Operator」でオペレータIDを指定し、「Customer」で顧客IDを指定する。
「Status」では、ジョブの状態による検索範囲を指定する。例えば、「Printing」をチェックすると印刷中のジョブを検索範囲に含め、「Rendering/Spooling」をチェックするとスプール中のジョブを検索範囲に含め、「Waiting」をチェックすると印刷待ちのジョブを検索範囲に含め、「Pausing」をチェックするとポーズ中のジョブを検索範囲に含め、「Finished」をチェックすると印刷終了のジョブを検索範囲に含め、「Deleted」をチェックすると印刷終了削除済のジョブを検索範囲に含めることになる。この「Status」で検索範囲に含められた状態のジョブだけが、ジョブリストページ180内の上述したメインフレームの印刷ジョブリストに表示されることになる。例えば、「Waiting」のみをチェックした場合には、メインフレームの印刷ジョブリストには、印刷待ちのジョブのみが表示されることになる。なお、「Status」のデフォルト設定では、「Finished」と「Deleted」はチェックされていない。その理由は、デフォルト設定では、印刷終了したジョブ(非常に多数存在する可能性がある)の情報の表示を省略することで、プリントサーバマシン2のジョブ履歴処理の負担を軽くするためである。
「Search /Refresh」ボタンを押す(例えばマウスで左クリックする)と、プリントサーバマシン2が印刷ジョブ履歴の検索を行って、メインフレームの印刷ジョブリストを検索された最新の情報に更新する。更に、メインフレームの印刷ジョブリストの中での絞込み検索も可能である。従って、上述した「Status」で検索範囲に含められた状態のジョブだけが、メインフレームの印刷ジョブリストに表示されることになる。例えば、「Waiting」のみをチェックした場合には、、印刷待ちのジョブのみがメインフレームの印刷ジョブリストに表示されることになる。なお、「Status」のデフォルト設定では、「Finished」と「Deleted」はチェックされていない。その理由は、印刷終了したジョブ(非常に多数存在する可能性がある)の情報の表示を省略することで、プリントサーバマシン2のジョブ履歴処理の負担を軽くするためである。
「AutoRefresh」をチェックしておくと、「Interval」で設定した時間間隔で自動的に最新のジョブ履歴を取得してメインフレーム内のジョブリストを更新する。
図12は、印刷ジョブを制御するためのジョブ制御ページ190の例を示す。
既に述べたように、図11に示したジョブリストページ180内の印刷ジョブリストにおいて、印刷ジョブの設定内容を変更したいときには所望のジョブIDのボタンを押す(例えばマウスで左クリックする)ことで、また、ページ毎に設定を変更したい場合は所望のページIDのボタンを押すことで、また、コピー毎に設定を変更したい場合は所望のコピーIDのボタンを押すことで、ジョブリストページ180のメインのフレームだけが切り替わって図11に示すようなジョブ制御ページ190になる。図11は、所望のページIDのボタンを押したことにより表示されたジョブ制御ページ190の例を示している。ジョブ制御ページ190のメインのフレームには、制御対象として選択されたジョブID、コピーID、ページIDなどと、以下のようなジョブ制御ボタンや設定変更用コンボボックスなどが表示される。
「Job operations」欄には、次のようなジョブ制御ボタンがある。「Pause/Resume」ボタンは、印刷ジョブのポーズ(ユーザの指示によるジョブの一時停止)およびその復帰を行う時に使う。このボタンは、その印刷ジョブが全て印刷待ち状態又はシステムの障害等によるポーズのときは「Pause」を表示し、その印刷ジョブが全てポーズのときときは「Resume」を表示する。「Reprint」ボタン(図11の例では表示されてない)は、その印刷ジョブが全て印刷が完了したジョブで且つ再印刷が可能(データが存在する)なジョブである場合に表示され、再印刷を実行するときに使われる。再印刷を要求されると、そのジョブは再度新しいジョブとして印刷予約される。「Delete Job」ボタンは、印刷未完了のの印刷ジョブのキャンセル(又は、印刷完了後の保存されている印刷ジョブデータの消去)を行うときに使われる。
「Job details」欄では、ジョブの状態や条件などの詳細設定を、次のコンボボックスを用いて変更することができる。
「Priority」コンボボックスでは、その印刷ジョブの印刷優先度(Now、Hi、Mid、Lo)が変更できる。「Copy Count」コンボボックスでは、その印刷ジョブの印刷コピー数が変更できる。「Paper Type」コンボボックスでは、その印刷ジョブの印刷メディア種類が変更できる「Printer」コンボボックスでは、その印刷ジョブの出力プリンタが変更できる。「Auto Layout」コンボボックスでは、その印刷ジョブの自動レイアウトのオン/オフが設定できる。「File Lock」コンボボックスでは、その印刷ジョブの自動データ削除の可/不可が設定できる。ここで設定した変更内容は、「Submit」ボタンを押すことで、プリンタサーバマシン2へ送られてプリンタサーバマシン2でのジョブ設定に反映される。
図13は、プリンタステータスを見せるためのプリンタステータスページ200の例を示す。
このプリンタステータスページ200には、全プリンタのリストが表示される。各プリンタについて、次のような事項が表示される。
「Enable」は、プリンタの有効/無効を示す。「Printer」は、プリンタ名を示す。「Status」は、現在のプリンタのステータスを示す。「Paper Size」と「Media Type」と「Paper Levels」は、セットされている全ての印刷メディアカセットの印刷メディアサイズと印刷メディア種類と印刷メディア残量をそれぞれ示す。「Ink Levels」は、インク残量を示す。印刷メディア残量及びインク残量はある値より少なくなった場合、赤で表示される。
図14は、プリンタの特に印刷メディア(用紙)に関するステータスを見せるための印刷メディアステータスページ210の例を示す。
この印刷メディアステータスページ210には、全プリンタのリストが表示される。各プリンタについて、次のような事項が表示される。
「Printer」は、プリンタ名を示す。「Paper Size」は、印刷メディアサイズを示す。「Media Type」は、印刷メディア種類を示す。「Printing#」は、通常印刷での印刷枚数を示す。「Printing# for Logging」は、ログ印刷での印刷枚数を示す。「Reprinting# on Error」は、エラーによる再印刷印刷枚数を示す。「Printing# for Adjustment」は、印字品質調整に使用された印刷枚数を示す。「Total Printing#」は、総合計印刷枚数を示す。これらの印刷メディアのステータスは、前述したように、プリンタサーバマシン2からセンタサーバマシン8にアップロードされ、センタサーバマシン8におけるフォトスタジオに対する料金計算に使用される。このとき、エラーによる再印刷印刷枚数及び印字品質調整に使用された印刷枚数は、料金には算入されず、通常印刷での印刷枚数やログ印刷での印刷枚数が料金に算入されることになる。
図15は、フォトスタジオのユーザの情報を見せたり変更や追加をするためのユーザ情報ページ220の例を示す。
このユーザ情報ページ220には、そのスタジオの管理者の権限でログインした場合には図15のようにそのスタジオの全ユーザのユーザ情報のリストが表示され、通常のユーザの権限でログインした場合にはそのユーザのユーザ情報が表示される。また、スタジオ管理者の権限でログインした場合、このページ上で新たなユーザの登録、既存ユーザの削除、ユーザ情報の変更などが自由に行える。通常のユーザの権限でログインした場合には、そのユーザの特定項目の情報のみ変更できる。このページでの表示事項は次のとおりである。
「User」は、ユーザ名を示す。「Password」は、パスワード入力欄である。「Change Printer State」は、プリンタの有効(Enable)/無効(Disable)の設定を行う権限の有無を示す。「Server Settings」は、プリントサーバ34の各種設定を行う権限の有無を示す。「Printer Adjustment」は、印字品質調整(クリーニング、バイディ、ノズル、チャート印刷)を行う権限の有無を示す。「Add Error Log」は、エラー印刷をログに登録する権限の有無を示す。「Change Paper」は、印刷メディア交換の権限の有無を示す。「Control Job」は、印刷ジョブ制御の権限の有無を示す。「Permit (own)」は、そのユーザの印刷ジョブのみ制御可であり、「Permit (all)」は、すべての印刷ジョブが制御可であることを意味する。「Make Template」は、テンプレート登録の権限の有無を示す。「Print」は、印刷の権限の有無を示す。
「Settings」には、各ユーザ情報に対して行える変更操作のボタンが表示される。「Apply」ボタンは変更(更新)を行うボタン、「Delete」ボタンはユーザ情報の削除を行うボタン、「Append」は追加登録を行うボタンである。スタジオ管理者(Administrator)の情報は変更のみ可能であり、通常のユーザは変更も削除も可能であり、新規ユーザは追加のみ可能である。
再び図3、4を参照する。上述したように、プリントサーバマシン2はクライアントシステム5に対して、ジョブの実行履歴やプリンタステータス履歴やユーザ登録情報などのスタジオ業務に関わる諸情報を提供することができる。また、既に説明したように、センタサーバマシン8も、全てのフォトスタジオのプリントサーバマシン2から上記の諸情報を収集して、これに基づいてWWWサーバ82にてウェブページを作成して、そのウェブページを各スタジオのクライアントシステム5や各ディーラマシン9に提供することができる。センタサーバマシン8のWWWサーバ82がウェブページの形で提供する情報の中には、プリントサーバマシン2から収集した情報に基づいてセンタサーバマシン8側で作成した情報、例えば、各スタジオでの消耗品使用量の集計値や、各スタジオからのアップロードの履歴なども含まれている。センタサーバマシン8が提供する情報は、ディーラにとって非常に重要であるとともに、ユーザにとっても、自分のプリントサーバマシン2から提供される情報とは別の価値がある。
図16〜図18は、センタサーバマシン8のWWWサーバ82が提供する幾つかのウェブページの例を示す。
図16は、各フォトスタジオの消耗品の使用履歴を示すウェブページ250の例を示している(この例は印刷メディアの使用履歴であるが、インクについても同様である)。このページ250に示された消耗品使用履歴は、各スタジオからアップロードされた印刷ジョブ使用履歴の中から、WWWサーバ82が、消耗品の使用情報を抽出して整理したものである。各フォトスタジオは、そのスタジオの消耗品使用履歴のみを参照することができる。一方、各ディーラは、そのディーラが管轄するスタジオの消耗品使用履歴のみを参照することができる。図16に示すように、所望の期間(この例では2001年6月11日から25日)内の消耗品使用履歴を参照することができる。各フォトスタジオの消耗品使用履歴は、そのスタジオへの請求料金の内訳や、そのスタジオへの消耗品配給スケジュールの策定の基礎、及びそのスタジオが正常に稼動しているか否かの判断材料などとして活用することができる。
図17は、各ディーラが参照することができる、そのディーラの管轄するフォトスタジオのリストを表示したウェブページ260の例である。このリストで、任意のフォトスタジオを選択して、そのスタジオの登録情報を変更したり削除したりすることができる。
図18は、各ディーラが参照することができる、そのディーラの管轄するフォトスタジオのアップロード履歴のリストを表示したウェブページ270の例である。このページ270には、最終のアップロード日時や、予め設定されているアップロードスケジュールなど表示される。各フォトスタジオの最終アップロード日時などは、ディーラにとって、そのスタジオが正常に稼動しているか否かを判断する材料として利用することができる。
図16〜図18に示した例は、センタサーバマシン8が提供するウェブページのほんの一部である。その他に、センタサーバマシン8は、各スタジオへの月ごとの請求料金や、各種のニュースなど、多様な情報をフォトスタジオ及びディーラに対して提供する。
センタサーバマシン8は、更に、各フォトスタジオで使われているプリンタ3A、3BのプリンタICCプロファイルを、各フォトスタジオのプリントサーバマシン2に提供するサービスも行う。プリンタ3A、3Bの特性は経時的に変化する。そこで、センタサーバマシン8は、プリンタ3A、3Bの特性の変化を検出して、プリンタICCプロファイルを更新するサービスも行う。
図19は、プリンタICCプロファイルを更新するためのセンタサーバマシン8とプリントサーバマシン2の機能的構成を示している。
図19に示すように、センタサーバマシン8は、全フォトスタジオにそれぞれ設備された全プリンタのプリンタICCプロファイルを格納したプリンタICCプロファイルデータベース330を有している。そこには、各プリンタごとに、使用可能な複数種類の印刷メディアにそれぞれ対応した複数のプリンタICCプロファイルが格納されている。各プリンタのプリンタICCプロファイルは、各プリンタの機械番号と関連付けられている。各スタジオのスタジオシステム1が設置されたときに、プリントサーバマシン2は、ICCプロファウルダウンロード処理333を行う。ICCプロファウルダウンロード処理333は、そのスタジオのプリンタ3A、3Bの機械番号をセンタサーバマシン8に伝えて、センタサーバマシン8からそのプリンタ3A、3BのプリンタICCプロファイルをダウンロードし、所定のフォルダ39にそのダウンロードしたプリンタICCプロファイルを格納する。その後、印刷イメージが作成されるとき、そのフォルダ39に格納されたプリンタICCプロファイルがカラーマッチングに利用される。
プリンタ3A、3Bの経時変化を調べるために、ユーザは随時に又は定期的に、プリントサーバマシン2にインストールされてるテストパターン印刷処理334を実行することができる。テストパターン印刷処理334は、センタサーバマシン8から所定のテストパターンのイメージデータをダウンロードする。ダウンロードされたテストパターンのイメージデータには、そのテストパターンイメージデータのカラースペースを表したICCプロファイルも添付されている。テストパターン印刷処理334は、調査対象のプリンタ3A又は3Bと印刷メディアとの組合わせに対応したプリンタICCプロファイルをフォルダ39から読み込み、そのプリンタICCプロファイルとテストパターンイメージデータのICCプロファイルとを用いたパセプチャル・カラーマッチングを行って、そのテストパターンイメージデータを調整し、そして、その調整されたテストパターンイメージデータを用いて調査対象のプリンタ3A又は3Bにテストパターンを印刷させる。
その結果得られたテストパターンのプリントアウト336は、例えば郵送によりスタジオからセンタへ送られる。センタでは、そのテストパターンプリントアウト336の測色が行われ、その測色結果に基づいて、調査対象のプリンタ3A又は3Bの現在のカラースペースを表した新しいプリンタICCプロファイルが作成され、その新しいプリンタICCプロファイルがセンタサーバマシン8に入力される。センタサーバマシン8では、プリンタICCプロファイルデータベース330内の調査対象のプリンタ3A又は3BのプリンタICCプロファイルが、その新しいプリンタICCプロファイルに更新される。その後、プリントサーバマシン2は、調査対象のプリンタ3A又は3Bの新しいプリンタICCプロファイルをセンタサーバマシン8からダウンロードし、そして、フォルダ39内の調査対象のプリンタ3A又は3BのプリンタICCプロファイルを、そのダウンロードされた新しいプリンタICCプロファイルに更新する。以後、プリンタサーバマシン2は、その新しいプリンタICCプロファイルを利用することができる。
なお、テストパターンのプリントアウト336をセンタに送る方法として、次のような電子的な方法を用いることもできる。
すなわち、図19に示すように、フォトスタジオのユーザは、テストパターンのプリントアウト336と、予め用意されているテストパターンマスタシート337とを、イメージスキャナ338の原稿台に並べて置いて、そのテストパターンのプリントアウト336とマスタシート337をイメージスキャナ338に一回のイメージスキャニング動作で読み取らせる。ここで、テストパターンマスタシート337とは、テストパターンが正しいカラーで印刷されているシートであり、予め各フォトスタジオに配布されているものである。イメージスキャナ338から出力されたプリントアウト336とマスタシート337の読取イメージデータは、プリントサーバマシン2に取り込まれ、読取イメージデータアップロード処理335によって、センタサーバマシン8へアップロードされる。センタサーバマシン8では、ICCプロファイル更新処理332が、そのアップロードされた読取イメージデータから、テストパターンのプリントアウト336とマスタシート337と間のカラーの違いを検出し、その検出結果に基づいて、調査対象のプリンタ3A又は3Bの現在のカラースペースを表した新しいプリンタICCプロファイルを作成し、プリンタICCプロファイルデータベース330内の対応するプリンタICCプロファイルを更新する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であり、この実施形態のみに本発明の範囲を限定する趣旨ではない。従って、本発明は、その要旨を逸脱することなく、他の様々な形態で実施することが可能である。
上述した実施形態では、写真を編集して印刷ジョブを作る機能と、印刷ジョブをプリンタに送りプリント情報を管理する機能とを、クライアントマシンとプリントサーバマシンという別個のコンピュータマシンが分担しているが、このように機能を分担したマシンの構成は例示であって、別のマシン構成によっても本発明を実施することができる。例えば、一つのコンピュータマシンが、上記の機能の全部を行うようにすることもできる。プリンタが、上記の機能の一部を分担することもできる。或るいは、もっと多くのコンピュータマシンによって、上記の機能を細分し分担することもできる。