JP4709425B2 - 自動二輪車用タイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直進走行性と高速旋回時の安定性を維持しつつトレッド部の剛性を確保しうる自動二輪車用タイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動二輪車用タイヤにあっても、タイヤ骨格をなすカーカスのコードをタイヤ赤道に対して70〜90度で傾けて配列したラジアル構造が多用されつつある。このようなラジアルタイヤは、通常、カーカスを強固にタガ締めするベルト層が配置される。
【0003】
前記ベルト層は、自動車用タイヤの場合、コードをタイヤ赤道に対して15〜40度程度で傾けた2枚のベルトプライを前記コードが互いに交差する向きに重ね合わせることにより、前記カーカスとでコードのトラス構造を形成しトレッド部の剛性を高めるものが一般的である。しかし、自動二輪車用タイヤの場合には、タイヤにキャンバー角を与えることでキャンバースラストを発生させ旋回走行を行うため、ベルト層を上述のように剛性の高いものとすると、キャンバースラストが低下し旋回走行時の安定性を悪化させる不具合がある。
【0004】
そこで、自動二輪車用のラジアルタイヤにあっては、ベルト層を、コードをタイヤ周方向に対して5度以下の小角度としたベルトプライを用いて構成される。またペルトプライは、例えば1本のコード又は複数本のコードが平行に引き揃えられたコード配列体をトッピングゴムで被覆した小巾長尺の帯状プライをカーカスの外側でタイヤ周方向に螺旋巻きすることによって形成したいわゆるスパイラルベルトとしてタイヤの均一性を高めたものも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようなスパイラルベルトは、トレッド部の剛性を過度に高めることがない点で旋回走行においては好適な特性を示すが、その反面、トレッド部の剛性が低いために高速耐久性の悪化などを招きやすい。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、トレッド部に配されるトレッドゴムをキャップゴム層とベースゴム層とを含んで構成する他、カーカス又はベルト層などのプライ間に、トレッド部を含んでタイヤ軸方向に延在するトッピングゴムとは異なるゴムからなるプライ離間ゴム層を設けることなどを基本として、ベルト層をスパイラルベルトで構成することによって生じるトレッド部の剛性低下を最適に補うことにより、旋回走行性能、高速耐久性などをバランス良く向上しうる自動二輪車用タイヤの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至る本体部と、その両側に連設されかつ前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に向かって折返される折返し部とを具え、しかもタイヤ赤道に対して70〜90度の角度でコードを傾けて並列したカーカスプライからなるカーカスと、
このカーカスのタイヤ半径方向外側でトレッド部に配されしかも1本のコード又は複数本のコードが平行に引き揃えられたコード配列体をトッピングゴムで被覆した小巾長尺の帯状プライがタイヤ周方向に螺旋巻きされることによって形成されたベルトプライからなるベルト層とを有するタイヤ構造体を具えることによりトレッド部にタイヤ半径方向内外に重なるプライが配されるとともに、
両側のトレッド縁がタイヤ最大巾位置をなしかつトレッド面がタイヤ半径方向外側に凸の円弧状に湾曲した自動二輪車用タイヤであって、
前記トレッド部において前記タイヤ構造体の半径方向外側に配されるトレッドゴムは、トレッド面をなしかつデュロメータA硬さが50〜68度のゴムからなるキャップゴム層と、
このキャップゴム層のタイヤ半径方向内側に配されかつ前記キャップゴム層のゴムよりもデュロメータA硬さが大のゴムからなるベースゴム層とを含み、
かつ前記タイヤ構造体は、前記プライ間に、トレッド部を含んでタイヤ軸方向に延在するプライ離間ゴム層を具え、
前記プライ離間ゴム層のゴムは、トレッド縁を通るトレッド法線をタイヤ軸方向外側に超えかつ前記カーカスプライの折返し部の外端をタイヤ半径方向内側に超えて終端するとともに、
しかも前記プライ離間ゴム層の両端部は、厚さが徐々に減じる先鋭状をなすことを特徴としている。
【0008】
なお「デュロメータA硬さ」は、JIS−K6253に基づくデュロメータータイプAによる硬さとして定義する。
【0009】
また前記プライ離間ゴム層のゴムは、トッピングゴムとは異なるゴムからなるとともに、該プライ離間ゴム層を挟むプライのコード間距離を0.8〜3.5mmとすることができる。また前記プライ離間ゴム層は、前記カーカスプライと前記ベルトプライとの間、又は2枚のカーカスプライの間に配することができる。また前記プライ離間ゴム層のゴムは、前記キャップゴム層のゴムよりもデュロメータA硬さが大かつその差を2〜7度とすることが特に望ましい。さらに、前記プライ離間ゴム層と前記折返し部とのタイヤ半径方向に沿った重なり長さLは、ビードベースラインBLからトレッド縁までのトレッド縁高さHtの5〜40%であることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1において、本実施形態の自動二輪車用タイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある)1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつカーカス6の外側に配されるベルト層7とからなるタイヤ構造体10を具える。
【0011】
また、本実施形態のタイヤ1は、高い旋回性能を確保するために、トレッド部2の両側のトレッド縁Teがタイヤ最大巾位置をなすとともに、トレッド面2Sは、タイヤ半径方向外側に凸で円弧状に滑らかに湾曲している。なお前記トレッド面2Sの湾曲形状は、特に限定されるものではないが、バンク角度が高まるにつれて接地巾が増大しうるように、タイヤ赤道Cからトレッド縁Teに向かって、トレッド面2Sの曲率半径を漸増させることが特に好ましい。
【0012】
前記カーカス6は、本例ではトレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、その両側に連設されかつ前記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に向かって折返される折返し部6bとを具える1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから構成される。前記カーカスプライ6Aの折返し部6bは、タイヤ横剛性をバランス良く向上するために、その半径方向外端6eのビードベースラインBLからの高さH1を、ビードベースラインBLから前記トレッド縁Teまでのトレッド縁高さHtの例えば0.6〜1.2倍、より好ましくは0.75〜1.0倍とすることが望ましい。また例えばカーカス6を2枚以上のカーカスプライで形成した場合には、少なくとも1枚のカーカスプライの折返し部6bの高さH1を前記高さに規制するのが良い。
【0013】
また前記カーカスプライ6Aは、図1のトレッド部2を部分的に拡大した図2に示すように、カーカスコード6Cをタイヤ赤道に対して70〜90°の角度で配列したコード配列体の両側をトッピングゴム6Gにて被覆して形成されている。このトッピングゴム6Gには、天然ゴムを主体としたゴム組成物が使用される。また前記カーカスコード6Cとしては、ポリエステル、ナイロン、レーヨン等の有機繊維コードが好適に用いられるが、必要に応じてスチールコードが採用されうる。また図2の如く、カーカスプライ6Cの内側には、空気を透過し難い例えばブチル系のゴムからなるインナーライナ層iが付設される。
【0014】
又カーカス6は、前記カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間に、ビードコア5から半径方向外方に先細状にのびるビードエーペックスゴム8が配されており、これによってビード部4の曲げ剛性を向上している。このビードエーペックスゴム8は、ビード部4を補強し、タイヤに必要な縦剛性、横剛性を確保するために、例えばデュロメータA硬さが70〜90度、より好ましくは75〜85度のゴムを用いるのが好ましい。
【0015】
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道に対して0〜5°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のベルトプライ7Aから構成される。またこのベルトプライ7Aは、例えば図3(A)に示すように、ベルトコード7Cの複数本(例えば2〜10本程度)を互いに平行に引き揃えかつトッピングゴム7Gで被覆した小巾長尺の帯状プライ11がタイヤ周方向に螺旋巻きされることによって形成されたスパイラルのベルトプライを用いている。前記帯状プライ11は、図3(B)に示すように、例えばその側縁11eが互いにオーバラップするように巻き付けることや、図示はしていないが、側縁11eを接して巻き付ける方法、さらには側縁11eを離間させて巻き付けるものなど、種々の態様でカーカス6のタイヤ半径方向外側に形成することができる。また帯状プライ11の巾PWは、例えば4〜10mmのものが好適であり、また2層以上に重ねて巻き付けることもできる。
【0016】
このようなスパイラルのベルトプライは、プライの重ね継ぎ部分が存在しないため、該継ぎ部分でのプライの接着剥離を抑制できしかも曲率の大きいトレッド面を有する自動二輪車用タイヤにおいて精度良くベルト層7を形成しうるなどタイヤの均一性に優れるため、高速耐久性を高める上で特に好ましいものとなる。また前記ベルトコード7Cとしては、例えばポリエステル、ナイロン、レーヨン、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維コード、特に芳香族ポリアミド繊維コードが好適に用いられるが、必要に応じてスチールコードなども採用しうる。なおベルト層7のタイヤ軸方向の外端7eは、トレッド縁Teの近傍、本例ではトレッド縁Teを通るトレッド法線Nよりも僅かにタイヤ軸方向内方に位置している。
【0017】
次に前記トレッド部2において前記タイヤ構造体10の半径方向外側に配されるトレッドゴム2Gは、本実施形態ではトレッド面2SをなしかつデュロメータA硬さが50〜68度のゴムからなるキャップゴム層2Aと、このキャップゴム層2Aのタイヤ半径方向内側に配されかつ前記キャップゴム層2AのゴムよりもデュロメータA硬さが大のゴムからなるベースゴム層2Bとで構成されている。
【0018】
上述のようにスパイラルのベルトプライ7Aを用いたベルト層7を具えるタイヤの場合、このベルト層7によるトレッド部の剛性の調節が困難であり、高速耐久性と旋回時等の操縦安定性とをバランス良く向上するためには、前記ベースゴム層2BのゴムのデュロメータA硬さHs1を、キャップゴム層2AのゴムのデュロメータA硬さHs2よりも大とすることが必要である。そして、この硬質側のベースゴム層2Bによってトレッド部2に必要なトレッド剛性が付与され、かつ高速走行時の遠心力等によるトレッド部2の変形が抑制されることによってトレッド部2の内部発熱が低減され、高速耐久性が向上しうる。また軟質側のキャップゴム層2Aにより、キャンバー角を与えた旋回走行時における路面追従性、直進走行時のグリップ力、および乗り心地性等が高められうる。なお前記キャップゴム層2AのゴムのデュロメータA硬さが50度未満の場合には、ゴムが過度に柔軟化し耐摩耗性が著しく低下する傾向があり、逆に68度を超える場合には、トレッド面2Sが過度に硬くなることにより、路面追従性、グリップ力などが低下する傾向がある。より好ましくは、キャップゴム層2AのゴムのデュロメータA硬さは58〜65度とすることが望ましい。
【0019】
また本実施形態では、前記キャップゴム層2Aの厚さt1とベースゴム層2Bの厚さt2との比(t1/t2)は、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.5〜3.0に設定される。また本実施形態では、前記比(t1/t2)の値は、タイヤ赤道Cの位置からトレッド縁Teの位置に向かって漸減するものを例示している。これにより、主として直進走行時に路面と接地するタイヤ赤道付近の接地領域では、キャップゴム層2Aの厚さt1を大きく確保することで高いグリップ力と優れた乗り心地やショック吸収性を得ることが可能となり、また旋回走行時に路面と接地するトレッド縁付近の接地領域では、硬質のゴムからなるベースゴム層2Bの厚さt2を大きく確保することで腰くだけ感を防止し旋回走行時の路面追従性を維持しつつ大きなキャンバースラストを発生させるのに役立つ。このような観点より、前記比(t1/t2)は、例えばタイヤ赤道Cの位置において2.0〜4.0、より好ましくは2.5〜3.0とし、かつトレッド縁Te側の端部で1.0〜2.5、より好ましくは1.5〜2.0とすることが望ましい。
【0020】
なおタイヤ半径方向内側に位置するベースゴム層2Bは、高速耐久性の観点から、そのゴムの損失係数 tanδ1を、キャップゴム層2Aのゴムの損失係数 tanδ2よりも小かつ0.15〜0.30の範囲に規制することが好ましい。これによりトレッドゴム2Gの内部発熱を抑制し、高速走行時の熱破壊などをより高速域側に移行させうる。ここで、損失係数 tanδ1、 tanδ2は、岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用い、周波数10Hz、温度70℃、動歪2%にて測定した値とする。
【0021】
また本実施形態のタイヤ構造体10は、前記プライ間に、トレッド部2を含んでタイヤ軸方向に延在するトッピングゴム6G、7Gとは異なるゴムからなるプライ離間ゴム層9を具えている。このようなプライ離間ゴム層9は、本例では前記カーカスプライ6Aと前記ベルトプライ7Aとの間に配され、カーカスプライ6Aのカーカスコード6Cとベルトプライ7Aのベルトコード7Cとをタイヤ半径方向に離間させる。なおプライ離間ゴム層9は、生産性を向上すべくトッピングゴムと同一のゴム材にて構成することもできる。
【0022】
従来のタイヤでは、カーカスプライ6Aとベルトプライ7Aとは、接して配されるため、タイヤ構造体10に作用する曲げモーメントは各プライのコードの曲げ剛性によって負担される。しかしながら、本例のようにカーカスプライ6Aとベルトプライ7Aとの間にプライ離間ゴム層9を介在させることにより、タイヤ構造体に作用する曲げモーメントは、トレッド部2において各プライのコードの曲げ剛性に加え、各プライ間で挟まれて圧縮変形するプライ離間ゴム層9の耐圧縮剛性などによって負担できる。このため、タイヤ構造体10、ひいてはタイヤ1のトレッド部2の剛性を補うことが可能となり、高速走行時の変形を抑制して耐久性などを向上できる。
【0023】
また前記プライ離間ゴム層9は、その厚さを調節することによって、図2に示す如く、このプライ離間ゴム層9を挟むカーカスプライ6Aのカーカスコード6Cと、ベルトプライ7Aのベルトコード7Cとの間のコード間距離Sを種々調節することができる。またこのコード間距離Sが小さすぎると、タイヤ構造体10のトレッド部2を補強する効果が低下し、逆にこのコード間距離Sが大きすぎるとタイヤ重量の増大や発熱による耐久性の低下といった不具合がある。このような観点より、このコード間距離Sは、例えば0.8〜3.5mm、より好ましくは1.0〜2.0mm、さらに好ましくは1.0〜1.5mmとすることが望ましい。なおプライ離間ゴム層9は、そのタイヤ軸方向の両端部を厚さが徐々に減じる先鋭状としており、これによって過度の剛性段差が生じるのを緩和している。また、前記コード間距離Sは、この両端部を除いた平均値とする。
【0024】
またプライ離間ゴム層9のゴムは、柔らかすぎると前記効果が低下してしまい、逆に過度に硬いと旋回走行時の安定性が低下するおそれがある。このためプライ離間ゴム層9のゴムは、カーカスプライ6A、ベルトプライ7Aの各トッピングゴム6G、7GよりもデュロメータA硬さを大、例えばデュロメータA硬さが58〜64度とする。とりわけプライ離間ゴム層9のゴムのデュロメータA硬さHs3は、前記キャップゴム層2AのゴムのデュロメータA硬さHs2よりも大かつその差(Hs3−Hs2)を2〜7度とすることが特に望ましい。これにより、トレッド部2を最も効果的に補強でき、旋回走行時の安定性と高速走行時の耐久性とを特にバランス良く向上できる。
【0025】
またプライ離間ゴム層9において、「トレッド部2を含んでタイヤ軸方向に延在する」とは、プライ離間ゴム層9が、前記トレッド法線N、Nで挟まれる領域を少なくとも含むことが望ましい。本例のプライ離間ゴム層9は、前記トレッド法線N、Nをタイヤ軸方向外側に超えかつ前記カーカスプライ6Aの折返し部6bの外端6eをタイヤ半径方向内側に超えて終端する。この際、プライ離間ゴム層9の外端は、カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間に配されることにより、サイドウォール部3の剛性をも効果的に高めうる点で望ましい。
【0026】
図4には本発明の他の実施形態を示している。
本例では、カーカス6が2枚のカーカスプライ6A、6Bで構成されており、プライ離間ゴム層9がそのカーカスプライ6A、6Bの間に配されたものを例示している。このような構成によっても、トレッド部2を補強でき高速耐久性の向上に役立つ。特に本例では、ほぼ平行をなすカーカスプライ6A、6B間でプライ離間ゴム層9が挟まれることによってカーカス6の曲げ剛性が格段に向上し、高速耐久性をより一層高めうる。また図1、図4において、前記プライ離間ゴム層9と前記折返し部6bとのタイヤ半径方向に沿った重なり長さLは、前記トレッド縁高さHtの5〜40%、より好ましくは15〜25%に設定している。これにより、サイドウォール部3の剛性についてもより効果的に補強しうる。
【0027】
【実施例】
タイヤサイズが190/50ZR17(73W)のタイヤを表1の仕様に基づいて夫々試作するとともに各試供タイヤの性能についてテストを行った。テストの内容は次の通りである。
【0028】
(1)高速耐久性
タイヤをリム(17×MT6.00)、内圧(290kPa)、荷重(1.75kN)の条件の下で、キャンバー角0度で、230km/Hの速度より10分毎に10km/Hずつ速度を高め、タイヤが破壊するまでの速度と、その速度での走行時間を求め、両者をハイフンで区切って示している。速度、時間とも大きい方が良好である。
【0029】
(2)操縦安定性
試供タイヤを、自動二輪車(排気量1000cm3 )の後輪に装着し、テストコースを旋回走行、直進走行を含めて走行したときのハンドリング感、路面追従性、グリップ感、安定性などを総合的にドライバーのフィーリングにより10点満点で評価した。数値が大きいほど良好である。
テストの結果を表1に示す
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明では、トレッドゴムを硬さを規制したキャップゴム層とベースゴム層とを含んで構成するとともに、カーカス、ベルト層を含むタイヤ構造体のプライ間に、トレッド部を含んでタイヤ軸方向に延在するプライ離間ゴム層を設けることにより、ベルト層を帯状プライの螺旋巻きで構成したことによって生じるトレッド部の剛性低下を最適に補うことができ、旋回走行性能と高速耐久性とをバランス良く向上しうる。
【0032】
また請求項2記載の発明では、プライ離間ゴム層のゴムを、デュロメータA硬さと、該プライ離間ゴム層を挟むプライのコード間距離とを一定範囲に規制したことにより、タイヤ構造体のトレッド領域を最適に補強でき、より一層、高速耐久性を向上しうる。
【0033】
また請求項4記載の発明のように、プライ離間ゴム層のゴムを、ベースゴム層のゴムよりもデュロメータA硬さが大かつその差を2〜7度としたときには、トレッド部の剛性をタイヤ半径方向外側に向かって漸減させうるなど、トレッド部の補強効果を高め、より一層、高速耐久性を向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す自動二輪車用タイヤの断面図である。
【図2】そのトレッド部を拡大して示す部分拡大図である。
【図3】(A)は帯状プライの斜視図、(B)はその巻き付けを説明する断面略図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す自動二輪車用タイヤの部分断面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部
2G トレッドゴム
2a キャップゴム層
2b ベースゴム層
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A、6B カーカスプライ
7 ベルト層
7A ベルトプライ
9 プライ離間ゴム層
10 タイヤ構造体
Te トレッド縁
2S トレッド面
Claims (5)
- トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至る本体部と、その両側に連設されかつ前記ビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に向かって折返される折返し部とを具え、しかもタイヤ赤道に対して70〜90度の角度でコードを傾けて並列したカーカスプライからなるカーカスと、
このカーカスのタイヤ半径方向外側でトレッド部に配されしかも1本のコード又は複数本のコードが平行に引き揃えられたコード配列体をトッピングゴムで被覆した小巾長尺の帯状プライがタイヤ周方向に螺旋巻きされることによって形成されたベルトプライからなるベルト層とを有するタイヤ構造体を具えることによりトレッド部にタイヤ半径方向内外に重なるプライが配されるとともに、
両側のトレッド縁がタイヤ最大巾位置をなしかつトレッド面がタイヤ半径方向外側に凸の円弧状に湾曲した自動二輪車用タイヤであって、
前記トレッド部において前記タイヤ構造体の半径方向外側に配されるトレッドゴムは、トレッド面をなしかつデュロメータA硬さが50〜68度のゴムからなるキャップゴム層と、
このキャップゴム層のタイヤ半径方向内側に配されかつ前記キャップゴム層のゴムよりもデュロメータA硬さが大のゴムからなるベースゴム層とを含み、
かつ前記タイヤ構造体は、前記プライ間に、トレッド部を含んでタイヤ軸方向に延在するプライ離間ゴム層を具え、
前記プライ離間ゴム層のゴムは、トレッド縁を通るトレッド法線をタイヤ軸方向外側に超えかつ前記カーカスプライの折返し部の外端をタイヤ半径方向内側に超えて終端するとともに、
しかも前記プライ離間ゴム層の両端部は、厚さが徐々に減じる先鋭状をなすことを特徴とする自動二輪車用タイヤ。 - 前記プライ離間ゴム層のゴムは、トッピングゴムとは異なるゴムからなるとともに、該プライ離間ゴム層を挟むプライのコード間距離が0.8〜3.5mmであることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用タイヤ。
- 前記プライ離間ゴム層は、前記カーカスプライと前記ベルトプライとの間、又は2枚のカーカスプライの間に配されたことを特徴とする請求項1又は2記載の自動二輪車用タイヤ。
- 前記プライ離間ゴム層のゴムは、前記キャップゴム層のゴムよりもデュロメータA硬さが大かつその差を2〜7度としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動二輪車用タイヤ。
- 前記プライ離間ゴム層と前記折返し部とのタイヤ半径方向に沿った重なり長さLは、ビードベースラインBLからトレッド縁までのトレッド縁高さHtの5〜40%である請求項1乃至4のいずれかに記載の自動二輪車用タイヤ。
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