JP4708589B2 - 内視鏡用可撓管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡用可撓管に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡の挿入部や光源装置との接続部に用いられる内視鏡用可撓管は、一般に、螺旋管の外周を網状管(編組体)で被覆した中空部を有する芯材に、可撓性を有する外皮が被覆された構成となっている。
【0003】
ここで、医療用内視鏡は、感染症等を予防するため、使用する都度、消毒・滅菌を行う必要がある。この消毒・滅菌を行う方法として、従来の消毒液等の使用に代わり、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)が普及してきている。この高圧蒸気滅菌では、内視鏡は、例えば、135℃、2気圧程度の高温高圧の水蒸気に5〜20分程度さらされる。
【0004】
内視鏡をこの高圧蒸気滅菌に対応可能なものとするためには、内視鏡用可撓管の外皮は、高圧蒸気滅菌時の高温に耐える耐熱性が求められる。よって、内視鏡用可撓管の外皮の材料としては、耐熱性に優れ、かつ成形性の良いシリコーンゴムが用いられている。
【0005】
しかしながら、このような内視鏡用可撓管には、次のような問題がある。すなわち、シリコーンゴムを主とする材料で構成された内視鏡用可撓管の外皮は、水蒸気を透過し易いため、高圧蒸気滅菌を行った際に、内視鏡用可撓管の中空部に配設された例えばファイバーバンドル等の内蔵物が水蒸気にさらされ、これらの劣化が速まる、という問題である。
【0006】
この問題を解決するために、内視鏡用可撓管の外皮を、水蒸気バリヤー性および耐熱性を有するフッ素ゴム等の材料と、シリコーンゴムとの2層構造とすることが考えられるが、この場合には、フッ素ゴムとシリコーンゴムとで加硫条件が異なるために、外皮を芯材に被覆するのに2回に分けて押し出し成形を行うことを要し、生産効率の低下、製造コストの増大を招くという問題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高圧蒸気滅菌時等における内蔵物の劣化、損傷を防止することができ、かつ、製造が容易な内視鏡用可撓管を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(6)の本発明により達成される。
(1) 帯状体を螺旋状に隙間をあけて巻回して形成される螺旋管を有する芯材と、
前記芯材の外周に被覆された外皮とを有する内視鏡用可撓管であって、
前記芯材の内側に水蒸気バリヤー性を有する内皮が設けられ
前記内皮の外径は、自然状態にて、前記螺旋管の内径より大きく外径よりも小さく、
前記内皮は、前記内視鏡用可撓管が伸直した状態で外周側に向かって凸状に湾曲、突出する突出部を有し、該突出部が前記螺旋管の前記隙間に入り込んでいることを特徴とする内視鏡用可撓管。
【0009】
これにより、高圧蒸気滅菌時等における内蔵物の劣化、損傷を防止することができ、かつ、製造が容易な内視鏡用可撓管が得られる。
また、内視鏡用可撓管に十分な機械的強度が得られる。
また、内視鏡用可撓管に曲げ、ねじり等の変形が加えられたような場合でも、内皮が芯材に対して移動(ズレ)しにくくすることができる。
また、内視鏡用可撓管の可撓性(柔軟性)を損なうことがないとともに、内皮の耐久性を向上することができる。
【0010】
(2) 前記内皮は、フッ素系樹脂を含む材料で構成されている上記(1)に記載の内視鏡用可撓管。
これにより、内皮に特に優れた水蒸気バリヤー性および耐熱性が得られる。
【0011】
(3) 前記内皮は、チューブ状に形成された後、前記芯材の中空部に挿入されて設置されたものである上記(1)または(2)に記載の内視鏡用可撓管。
【0012】
これにより、容易に内皮を設置することができ、さらに容易に製造することができる。
【0018】
(4) 前記外皮は、シリコーンゴムを含む材料で構成されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
これにより、外皮に優れた耐熱性および成形性が得られる。
【0019】
(5) 前記内皮の厚さは、0.03〜2mmである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
【0020】
これにより、内皮は、十分な水蒸気バリヤー性が得られるとともに、内視鏡用可撓管の大径化や可撓性の低下を招来することがない。
【0021】
(6) 前記内皮の水蒸気透過度は、10g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
【0022】
これにより、内視鏡用可撓管の中空部に配設される内蔵物をより確実に保護することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内視鏡用可撓管を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図5は、本発明の内視鏡用可撓管を有する内視鏡の一例を示す全体図である。
まず、同図を参照して、本発明の内視鏡用可撓管を有する内視鏡の全体構成について説明する。なお、以下の説明では、図5中の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。
【0025】
図5に示す内視鏡(ファイバースコープ)10は、可撓性(柔軟性)を有する長尺の挿入部可撓管11と、該挿入部可撓管11の先端側に設けられた湾曲部12と、挿入部可撓管11の基端側に設けられ、術者が把持して内視鏡10全体を操作する操作部13と、該操作部13の基端側に設けられ、被写体の像を直接観察する接眼部14と、一端部が操作部13に接続された長尺の接続部可撓管15と、接続部可撓管15の他端側に設けられた光源差込部16とを有している。
【0026】
これらのうち、挿入部可撓管11と湾曲部12とは、生体の管腔内に挿入する挿入部を構成するものである。挿入部可撓管11および湾曲部12の内部(中空部)には、例えば、光ファイバー、電線ケーブル、ケーブルまたはチューブ類等の内蔵物(図示せず)が配置、挿通されている。
【0027】
操作部13には、操作レバー17が設置されている。この操作レバー17を操作すると、挿入部可撓管11内に配設されたワイヤー(図示せず)が牽引されて、湾曲部12が2方向に湾曲し、その湾曲方向および湾曲度合いを遠隔操作することができる。
【0028】
接続部可撓管15と光源差込部16とは、光源装置(図示せず)に対する接続部を構成するものである。すなわち、光源差込部16の先端部には、光源用コネクタ161が設置されており、内視鏡10の使用時には、この光源用コネクタ161を光源装置に差し込むことにより、内視鏡10と光源装置とが光学的に接続される。
【0029】
そして、光源装置に内蔵された光源から発せられた光は、光源用コネクタ161内、光源差込部16内、接続部可撓管15内、操作部13内、挿入部可撓管11内および湾曲部12内に連続して配設された光ファイバー束によるライトガイド(図示せず)を通り、湾曲部12の先端部121より観察部位に照射され、照明する。
【0030】
前記照明光により照明された観察部位からの反射光(被写体像)は、挿入部可撓管11内および操作部13内に連続して配設された光ファイバー束によるイメージガイド(図示せず)を通り、接眼部14へ伝達される。
【0031】
接眼部14の内部には、接眼レンズ(図示せず)が設置され、イメージガイド内を通って到達した反射光がこの接眼レンズを通して観察される。
【0032】
本発明の内視鏡用可撓管は、以上説明したような内視鏡10における挿入部可撓管11や接続部可撓管15に適用することができる。
【0033】
また、本発明の内視鏡用可撓管は、内視鏡10のようなファイバー内視鏡に限らず、電子内視鏡等の各種の内視鏡における挿入部可撓管および接続部可撓管に適用することができることは、言うまでもない。
【0034】
次に、本発明の内視鏡用可撓管について説明する。
図1は、本発明の内視鏡用可撓管の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示す内視鏡用可撓管の湾曲状態を示す縦断面図、図3は、内皮の外径と螺旋管の内径との大小関係を説明するための縦断面図である。
【0035】
図1および図2に示す内視鏡用可撓管1は、中空部24を有する芯材2と、該芯材2の外周を被覆する外皮3とを有している。中空部24には、例えば、光ファイバー、電線ケーブル、ケーブルまたはチューブ類等の内蔵物(図中省略)を配置、挿通することができる。
【0036】
芯材2は、螺旋管21と、螺旋管21の外周を被覆する網状管(編組体)22とで構成された長尺物である。この芯材2は、内視鏡用可撓管1を補強する効果を有する。特に、螺旋管21と網状管22を組合わせたことにより、内視鏡用可撓管1は、十分な機械的強度を確保することができる。また、図示を省略するが、芯材2は、螺旋管21を2重、あるいは3重に設けることにより、さらに高い機械的強度が得られる。
【0037】
螺旋管21は、帯状材を均一な径で螺旋状に隙間25をあけて巻回して形成されている。該帯状材を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、銅合金等が好ましく用いられる。
【0038】
網状管22は、金属製または非金属製の細線23を複数並べたものを編組して形成されている。細線23を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、銅合金等が好ましく用いられる。また、網状管22を形成する細線23のうち少なくとも1本に合成樹脂の被覆(図示せず)が施されていてもよい。
【0039】
芯材2の外周には、可撓性を有する外皮3が被覆されている。
外皮3の構成材料は、特に限定されないが、シリコーンゴム(シリコーン系材料)を含むものであるのが好ましい。シリコーンゴムは、優れた耐熱性を有することから、内視鏡用可撓管1を高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)に対応可能なものとすることができる。よって、高圧蒸気滅菌を繰り返し行った場合でも、劣化が少なく、内視鏡用可撓管1の長寿命化が図れる。また、シリコーンゴムは、成形性に優れることから、例えば押し出し成形により芯材2の外周に外皮3を被覆する際に、容易にこれを行うことができる。
【0040】
外皮3の厚さは、特に限定されないが、通常、0.1〜2mmであるのが好ましく、0.2〜1mmであるのがより好ましい。
【0041】
また、外皮3は、網状管22の少なくとも一部が外皮3に埋め込まれるように被覆されているのが好ましい。これにより、次のような効果が得られる。
【0042】
・外皮3と網状管22との間の結合力が強くなり、外皮3が網状管22から剥離(分離)しにくいものとなる。これにより、内視鏡用可撓管1は、優れた弾力性が得られる。
・外皮3の耐久性が向上し、亀裂等が生じにくいものとなる。
・網状管22の材質、編組の密度等の選択や埋め込み部分の厚さを調整することにより、外皮3の可撓性(弾力性)を所望に調節することができる。
・内視鏡用可撓管1の強度等の性能を維持しつつ、網状管22の厚さの分だけ内視鏡用可撓管1の外径を細径化(または、内径を拡大化)することができる。
【0043】
このような本発明の内視鏡用可撓管1は、芯材2の内側に水蒸気バリヤー性を有する内皮4を設けたことを特徴とする。
【0044】
すなわち、螺旋管21の内周には、水蒸気バリヤー性を有する内皮4が被覆されている。
【0045】
ここで、水蒸気バリヤー性とは、水蒸気透過度が、好ましくは10g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下、より好ましくは2g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下であることを言う。この水蒸気透過度は、JIS K7129(A法)に記載の方法により測定される。
【0046】
内皮4の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、四フッ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン:PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP樹脂)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA樹脂)、四フッ化エチレン・エチレン共重合体(ETFE樹脂)、ビニリデンフルオライド樹脂(ポリフッ化ビニリデン:PVDF)、ビニルフルオライド樹脂(PVF樹脂)、クロロトリフルオロエチレン樹脂(CTFE樹脂)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン樹脂(ECTFE樹脂)等のフッ素系樹脂を含むものであることが好ましい。これにより、内皮4は、優れた水蒸気バリアー性および耐熱性が得られる。
【0047】
また、内皮4の厚さは、特に限定されないが、通常、0.03〜2mmであるのが好ましく、0.05〜1.5mmであるのがより好ましい。
【0048】
内皮4の厚さが前記下限値未満であると、内皮4の材料によっては、十分な水蒸気バリヤー性が得られない場合がある。また、多数回の使用により破損し易くなる場合がある。
【0049】
一方、内皮4の厚さが前記上限値を超えると、中空部24が狭くなり、内蔵物の配設に不都合を生じる場合がある。また、内視鏡用可撓管1の曲げ剛性が増大して、内視鏡用可撓管1の可撓性(柔軟性)が低下する場合がある。
【0050】
このような内皮4が設けられていることにより、内視鏡10に対して高圧蒸気滅菌等を行った際、水蒸気が内視鏡用可撓管1の外皮3を透過した場合であっても、該水蒸気は、内皮4により遮断されるため、螺旋管21の隙間25から中空部24に侵入することが防止される。その結果、内視鏡用可撓管1の中空部24に配設された例えば光ファイバー、ケーブル、チューブ類等の内蔵物が侵入した水蒸気により劣化・損傷することを防止することができる。
【0051】
図1に示すように、内皮4には、内視鏡用可撓管1が伸直した状態のとき、螺旋管21の隙間25に入り込んだ状態となる突出部41が形成されている。
【0052】
この突出部41は、内視鏡用可撓管1が伸直した状態において、外周側に向かって凸状に湾曲、突出するように形成されている。
【0053】
換言すれば、内皮4は、内視鏡用可撓管1が伸直した状態で、螺旋管の隙間25の位置において、外径および内径が他の部分よりも大きくなっている。すなわち、内皮4は、突出部41において、たるんだ状態になっており、全体として蛇管状をなしている。
このような突出部41が設けられていることにより、次の3つの利点がある。
【0054】
[突出部41による第1の利点]
内皮4の突出部41は、内皮4が螺旋管21に対し移動しにくくする(特に長手方向に移動しにくくする)というアンカー効果を生じる。よって、内視鏡用可撓管1に対し繰り返し曲げ、ねじり等の変形が加えられた場合でも、内皮4が螺旋管21に対し、移動しにくい(ズレにくい)という利点がある。
【0055】
[突出部41による第2の利点]
図2に示すように、内視鏡用可撓管1を湾曲状態とすると、その湾曲外側においては螺旋管21の隙間25が拡大し、湾曲内側においては螺旋管21の隙間25が縮小する。その結果、湾曲外側においては、内皮4の突出部41は、真っ直ぐに伸びるようにして長手方向に伸長し、隙間25から退避した状態となる。また、湾曲内側においては、内皮4の突出部41は、折り畳まれるようにして長手方向に収縮する。
【0056】
このように、内皮4は、突出部41が長手方向に伸長する余裕(たるみ)を有しているため、湾曲外側における伸びを突出部41で吸収することができる。よって、湾曲外側における内皮4が内視鏡用可撓管1の湾曲を妨げることがない。これにより、突出部41による第2の利点として、内視鏡用可撓管1は、優れた可撓性(柔軟性)が得られる。
【0057】
[突出部41による第3の利点]
また、湾曲外側での伸びを突出部41が吸収することから、湾曲外側において内皮4が引き伸ばされることがない。これにより、内視鏡用可撓管1が湾曲しても、内皮4に引っ張り力が加えられるようなことがないため、使用回数を重ねても内皮4にピンホールや亀裂が生じるなどの劣化が生じにくい。よって、突出部41による第3の利点として、内皮4の厚さが比較的薄いような場合であっても、優れた水蒸気バリヤー性を長期に渡って維持することができる。
【0058】
このような内皮4を設置する方法は、特に限定されないが、例えば次のような方法により、容易に設置することができる。
【0059】
図3に示すように、芯材2に外皮3を被覆したものを用意する。すなわち、これは、通常の内視鏡用可撓管と同様の状態のものである。
【0060】
次いで、内皮4を、例えば押し出し成形等の方法により、チューブ状の部材として形成する。
【0061】
このとき、図3中に一点鎖線で示すように、チューブ状に形成した内皮4の自然状態(外力を付与しない状態)における外径φDは、螺旋管21の内径φdよりも大きい(φD>φd)ことが好ましい。また、前記φDは、螺旋管21の外径φdより小さい(φD<φd)ことがより好ましい。
【0062】
チューブ状に形成した内皮4の自然状態における外径φDが前記範囲にあることにより、内皮4は、螺旋管21の内周に対する優れた密着性が得られるとともに、突出部41が好適な大きさに形成される。
【0063】
次いで、このようなチューブ状の内皮4を長手方向に引き伸ばす(引っ張る)。これにより、内皮4の外径は、縮径し、φD’<φDなるφD’に変化する。このとき、縮径した内皮4の外径φD’が螺旋管21の内径φdよりも小さくなる(φD’<φd)ようにする。
【0064】
次いで、このように縮径したチューブ状の内皮4を螺旋管21の内部に挿入し、内皮4に加えていた長手方向の引っ張りを解除する。
【0065】
この状態で、内皮4を例えば熱変形温度程度に加熱する。この加熱により、内皮4は、元の直径(自然状態での直径)に戻ろうとして、拡径する。これにより、内皮4は、芯材2と一体化する。すなわち、内皮4は、螺旋管21に接触する部分では、螺旋管21の内周に圧接されるようにして密着し、螺旋管21の隙間25の位置では、突出部41を形成する。
【0066】
内皮4は、上述した方法によって、容易に内視鏡用可撓管1に設置することができる。このため、本発明によれば、高圧蒸気滅菌等に適した内視鏡用可撓管を簡単な方法で製造することができ、生産効率の向上、製造コストの低減が図れる。また、上述した方法によれば、突出部41を容易かつ好適に形成することができる。
【0067】
また、本発明においては、内皮4の厚さや材料などを適宜選択することにより、内視鏡用可撓管1の可撓性(弾力性)を所望に調節することもできる。
【0068】
図4は、本発明の内視鏡用可撓管と光源差込部との接続部分の縦断面図である。なお、以下の説明では、図4中の左側を「一端」、右側を「他端」と言う。
【0069】
同図を参照して、本発明の内視鏡用可撓管の他の部位に対する接続部分の構成例について説明する。
【0070】
図4に示すように、前記内視鏡10において、本発明の内視鏡用可撓管を適用した接続部可撓管15の他端側は、口金90を介して光源差込部16の一端部に接続されている。
【0071】
口金90は、ほぼ円筒形状をなし、その一端部901は、その外径が接続部可撓管15の外径とほぼ同じになっている。
【0072】
接続部可撓管15の他端部は、網状管22が露出する程度に外皮3を剥がす加工が施されており、この部分が口金90の一端部901内に挿入されている。
【0073】
口金90の一端部901には、ろう接用孔902が形成されており、該ろう接用孔902にろう付けが施されている。これにより、接続部可撓管15(螺旋管22)と、口金90とが固着されている。
【0074】
口金90と接続部可撓管15との境界部の外周には、熱収縮チューブ91を被覆してもよい。これにより、該境界部の気密性および液密性がより向上する。
【0075】
接続部可撓管15の内皮4は、芯材2および外皮3の他端面151を越えて他端方向に延長して設けられており、口金90の中間部903の内部まで達している。
【0076】
口金90の中間部903の内側には、ほぼ円環形状をなす内皮押さえリング904が設置されており、該内皮押さえリング904により、内皮4は、中間部903の内周面と内皮押さえリング904の外周面に挟まれるようにして、口金90の内部に固定されている。これにより、口金90と接続部可撓管15の接続部分の気密性および液密性が確保されている。
【0077】
光源差込部16の一端部には、他端方向に向かって円環状に突出する突出部162が設けられており、該突出部162は、口金90の他端部905内に挿入されている。
【0078】
口金90の他端部905には、ネジ孔が形成されており、該ネジ孔にビス92が螺合し、他端部905の内側からビス92の先端が突出している。該ビス92の先端は、光源差込部16の突出部162の外周に設けられた凹部内に挿入しており、これにより、口金90は、光源差込部16に対して固定されている。
【0079】
また、接続部可撓管15と光源差込部16との接続部分の外周には、一端方向に向かって外径および内径が漸減する部分を有するほぼ円筒状の折れ止めゴム93が設置されており、これにより、該接続部分に十分な強度が確保されている。
【0080】
折れ止めゴム93と口金90および光源差込部16との間には、Oリング94、95がそれぞれ設置されており、これにより、口金90と光源差込部16との接続部分の気密性および液密性が確保されている。
【0081】
このような構成により、接続部可撓管15と光源差込部16との接続部分においては、十分な気密性および液密性が確保されている。これにより、内視鏡10では、高圧蒸気滅菌時等における水蒸気の内部への侵入がより確実に防止され、光ファイバー束等の内蔵物の劣化・損傷を確実に防止することができる。
【0082】
以上、本発明の内視鏡用可撓管を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、内視鏡用可撓管を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0083】
例えば、外皮や内皮は、その全部または一部が複数の層(特に異種材料の層)を積層した多層積層体で構成されているようなものであってもよい。
【0084】
また、内皮の突出部は、例えば、他の部分よりも厚肉となることにより外周側に突出するものや、芯材の隙間に溶け込むようにして入り込んでいるようなものであってもよい。
【0085】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、水蒸気が内視鏡用可撓管の中空部に侵入することを防止することができる。これにより、高圧蒸気滅菌等による湿熱環境化に置かれた場合でも、内視鏡用可撓管の中空部に配設された内蔵物の劣化、損傷を防止することができる。
【0086】
特に、フッ素系樹脂を含む材料で内皮を構成した場合には、内皮に特に優れた水蒸気バリヤー性および耐熱性が得られる。よって、高圧蒸気滅菌に特に適した内視鏡用可撓管が得られる。
【0087】
また、シリコーンゴムを含む材料で外皮を構成した場合には、外皮に優れた耐熱性が得られる。よって、高圧蒸気滅菌に特に適した内視鏡用可撓管が得られる。また、この場合には、製造時の優れた成形性も得られる。
【0088】
また、内皮をチューブ状に形成した後、芯材の中空部に挿入して設置することとした場合には、上記効果を発揮しつつ、容易に製造することができ、生産効率の向上、製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内視鏡用可撓管の実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す内視鏡用可撓管の湾曲状態を示す縦断面図である。
【図3】チューブ状に形成された内皮の外径と、螺旋管の内外径との大小関係を説明するための縦断面図である。
【図4】本発明の内視鏡用可撓管と光源差込部との接続部分の縦断面図である。
【図5】本発明の内視鏡用可撓管を有する内視鏡の一例を示す全体図である。
【符号の説明】
1 内視鏡用可撓管
2 芯材
21 螺旋管
22 網状管
23 細線
24 中空部
25 隙間
3 外皮
4 内皮
41 突出部
10 内視鏡
11 挿入部可撓管
12 湾曲部
121 先端部
13 操作部
14 接眼部
15 接続部可撓管
151 他端面
16 光源差込部
161 光源用コネクタ
162 突出部
17 操作レバー
90 口金
901 一端部
902 ろう接用孔
903 中間部
904 内皮押さえリング
905 他端部
91 熱収縮チューブ
92 ビス
93 折れ止めゴム
94、95 Oリング

Claims (6)

  1. 帯状体を螺旋状に隙間をあけて巻回して形成される螺旋管を有する芯材と、
    前記芯材の外周に被覆された外皮とを有する内視鏡用可撓管であって、
    前記芯材の内側に水蒸気バリヤー性を有する内皮が設けられ
    前記内皮の外径は、自然状態にて、前記螺旋管の内径より大きく外径よりも小さく、
    前記内皮は、前記内視鏡用可撓管が伸直した状態で外周側に向かって凸状に湾曲、突出する突出部を有し、該突出部が前記螺旋管の前記隙間に入り込んでいることを特徴とする内視鏡用可撓管。
  2. 前記内皮は、フッ素系樹脂を含む材料で構成されている請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
  3. 前記内皮は、チューブ状に形成された後、前記芯材の中空部に挿入されて設置されたものである請求項1または2に記載の内視鏡用可撓管。
  4. 前記外皮は、シリコーンゴムを含む材料で構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  5. 前記内皮の厚さは、0.03〜2mmである請求項1ないし4のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  6. 前記内皮の水蒸気透過度は、10g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
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