JP4707536B2 - 道路ペイント認識システム、道路ペイント認識方法及び道路ペイントデータベースの作成方法 - Google Patents

道路ペイント認識システム、道路ペイント認識方法及び道路ペイントデータベースの作成方法 Download PDF

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Description

本発明は、道路ペイントの少なくとも一部を構成する多角形要素情報に基づいて、各多角形要素の道路ペイント種別を判定する道路ペイント認識システム、道路ペイント認識方法及び道路ペイントデータベースの作成方法に関する。
電子的な地図データベースを生成する際に画像情報に基づいて道路ペイントの種別を判定する技術として、例えば下記の特許文献1には、以下のような電子地図データ生成システムが開示されている。このシステムの構成を図13に示す。このシステムは、汎用コンピュータに所定のプログラムをインストールすることにより構成された地図データ生成装置101を中核とし、線分としてのリンク及びリンクの交点であるノードにより定義される道路データベース102と、航空写真103とに基づいて、道路データベース102のリンクに対して属性情報の設定を行い、新たな地図データベースを生成する。
地図データ生成装置101は、コマンド入力部104、データベース参照部105、ポリゴン生成部106、パターンデータベース107、パターン解析部108、属性設定部109、及び結果出力部110を備えている。コマンド入力部104は、キーボード、マウスなどの操作を通じてオペレータからのコマンドを入力する。データベース参照部105は、入力されたコマンドに基づき、道路データベース102及び航空写真103を参照する。ポリゴン生成部106は、道路データベース102に定義された各リンクに基づいて処理対象領域となる所定面積の閉図形を生成する。パターンデータベース107は、航空写真103に含まれる種々の画像パターンとその属性とを対応づけて記憶したデータベースである。パターン解析部108は、航空写真103を読み込み、そこに含まれる画像パターンをパターンデータベース107に基づいて解析する。属性設定部109は、パターン解析部108の解析結果に基づいて、道路データベース102のリンクに対して属性情報を設定する。結果出力部110は、属性設定部109による設定結果を受けて、各リンクに属性情報を対応付け、新たな地図データベースを出力する。
したがって、このシステムでは、道路ペイントの種別を判定するためには、パターン解析部108において、航空写真103等の画像情報に含まれる画像パターンとパターンデータベース107に記憶された画像パターンとのパターンマッチングを行うことになる。すなわち、パターンデータベース107には、例えば、駐車場のように車枠を構成する短い線分が一定間隔で配置されたパターンと「駐車場」という属性とが対応付けられ、或いは、センターラインのような黄色い線分と「はみ出し禁止」という属性情報とが対応付けられて記憶されている。そして、パターン解析部108において、航空写真103等の画像情報に含まれる画像パターンを解析し、パターンデータベース107に記憶された画像パターンと一致する画像パターンであるか否かにより、駐車場やセンターライン等の道路ペイント種別の判定を行う。
特開2003−195747号公報(第5−6頁、第10−11頁、第3図、第17図)
ところで、上記特許文献1には、航空写真103等の画像情報に含まれる画像パターンの解析の具体的方法や、パターンデータベース107に記憶された画像パターンとの間でのパターンマッチングの具体的方法については記載されていない。しかし、画像情報に基づいて自動的又は半自動的に道路ペイント情報の認識を行うシステムを実現するためには、そのような道路ペイント種別の判定を行う際の具体的処理を定めることは必須である。
一方、単純な方法として、現実に存在する道路ペイントの様々な形状の全てについてデータベースに記憶しておき、画像情報から抽出された道路ペイントの画像パターンとの間でマッチングを行うことが考えられる。しかし、現実に存在する道路ペイントの形状の全てをデータベース化することは、非常に膨大な量のデータを整備する必要があり、現実的ではない。また、そのような膨大な量のデータを整備することを避けて正確に道路ペイントの認識を行うためには、パターンマッチングを人手により行うことが必要になる。また、一般的に、航空写真等の画像情報には、車両や信号機等が道路ペイントに重なった状態で撮影されていることも多いため、道路ペイントの画像の一部に欠損がある場合等であっても道路ペイント種別の判定が可能であることが望ましい。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、道路ペイント種別の判定のために予め必要とする情報量を少なく抑えることが可能であって、道路ペイント種別の判定に際して取得された情報の状態による影響を受けることが少ない道路ペイント認識システム及び道路ペイント認識方法、並びにその方法を用いた道路ペイントデータベースの作成方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る道路ペイント認識システムの特徴構成は、道路ペイントの少なくとも一部を構成すると共に複数の凸ポリゴンを結合した集合体である多角形要素についての、前記凸ポリゴンの形状及び配置の情報を含む凸ポリゴン情報を取得する凸ポリゴン情報取得手段と、位置情報を有する複数のノード及び2個のノード間をつなぐリンクを有する道路ネットワーク情報を取得する道路ネットワーク情報取得手段と、前記凸ポリゴン情報及び前記道路ネットワーク情報に基づいて、前記凸ポリゴンに関する所定の予備的特徴量を抽出する予備的特徴量抽出手段と、道路ペイント種別毎の前記予備的特徴量の条件を定めた予備判定条件に基づいて、前記各凸ポリゴンについて、候補となる一又は二以上の道路ペイント種別を判定し、判定結果を表す候補種別情報を付与する予備判定手段と、共通の前記候補種別情報が付与されているという条件を含む所定の結合条件に従って複数の前記凸ポリゴンを結合し、前記多角形要素を生成する結合手段と、前記多角形要素の形状及び配置の情報を含む多角形要素情報を取得する多角形要素情報取得手段と、記多角形要素情報及び前記道路ネットワーク情報に基づいて、前記多角形要素に関する所定の特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、道路ペイント種別毎の前記特徴量の条件を定めた種別判定条件に従って、各多角形要素の道路ペイント種別を判定する判定手段と、を備える点にある。
この特徴構成によれば、道路ペイントの少なくとも一部を構成する多角形要素の情報に基づいて、又は多角形要素情報及び道路ネットワーク情報に基づいて、多角形要素に関する所定の特徴量を抽出し、当該特徴量を道路ペイント種別の判定対象とすることになる。したがって、多角形要素の全体の形状を用いてパターンマッチングを行う場合と比較して、取得された多角形要素情報の状態による影響を受けることが少なく、道路ペイントの形状が正確に表れていない場合であっても比較的正確に道路ペイント種別の判定を行うことが可能である。また、道路ペイント種別毎の特徴量の条件を定めた種別判定条件に従って、各多角形要素の道路ペイント種別判定を行うので、パターンマッチング等のための大きなデータベースを必要としない利点もある。
加えて、この構成によれば、多角形要素を構成する複数の凸ポリゴンについて、凸ポリゴン情報と前記道路ネットワーク情報とに基づいて抽出した予備的特徴量に従って判定された候補種別情報に基づいて、共通の候補種別情報が付与された凸ポリゴンのみを集合体として結合することになる。したがって、異なる道路ペイント種別である可能性が高い凸ポリゴンが集合体として結合されることを防止でき、同じ道路ペイントを構成する可能性が高い凸ポリゴンのみをより適切に抽出して集合体として結合することができる。そして、この集合体でなる多角形要素が道路ペイント種別の認識処理での認識単位となるので、道路ペイント種別の判定をより正確に行うことが可能となる。
ここで、前記特徴量抽出手段は、前記多角形要素毎の前記特徴量を抽出するとともに、所定のグループ化条件に適合する複数の前記多角形要素からなるグループ毎の前記特徴量を抽出する構成とすると好適である。
この構成によれば、複数の多角形要素により一まとまりの道路ペイントを構成する可能性があるものについては、それら複数の多角形要素を一つのグループとしてグループ毎に特徴量の抽出及び道路ペイント種別の判定を行うことになる。したがって、各多角形要素が一つの道路ペイントを構成する場合、及び複数の多角形要素が一まとまりの道路ペイントを構成する場合の双方において、適切に道路ペイント種別の判定を行うことが可能となる。
また、前記特徴量は、前記多角形要素の面積、前記多角形要素の周長、前記多角形要素の長手方向を代表する軸と前記リンクとの角度、及び前記多角形要素の図心と前記リンクとの距離のいずれか一つ以上を含む構成とすると好適である。
この構成によれば、多角形要素の面積や周長によって、当該多角形要素が構成する道路ペイントの大きさや形状に関する特徴を把握することができる。また、多角形要素の長手方向を代表する軸とリンクとの角度や多角形要素の図心とリンクとの距離によって、当該多角形要素とリンクとの配置関係に関する特徴を把握することができる。したがって、これらの特徴量を抽出することにより、比較的正確に道路ペイント種別の判定を行うことができる。
また、前記複数の多角形要素からなるグループ毎の特徴量は、前記グループ内の複数の多角形要素の図心を結ぶ方向と前記リンクとの角度、前記グループ内の複数の多角形要素の図心を結ぶ線と前記リンクとの距離、及び前記グループ内の各多角形要素の長手方向を代表する軸同士の角度のいずれか一つ以上を含む構成とすると好適である。
この構成によれば、グループ内の複数の多角形要素の図心を結ぶ方向とリンクとの角度やグループ内の複数の多角形要素の図心を結ぶ線とリンクとの距離によって、当該多角形要素のグループとリンクとの配置関係及びグループ内での多角形要素相互間の配置関係に関する特徴を把握することができる。また、グループ内の各多角形要素の長手方向を代表する軸同士の角度によって、当該グループ内での多角形要素相互間の配置関係に関する特徴を把握することができる。したがって、これらの特徴量を抽出することにより、複数の多角形要素からなるグループに関する道路ペイント種別の判定を比較的正確に行うことができる。
ここで、前記予備的特徴量は、前記凸ポリゴンの断面二次モーメントが最小となる主軸と前記リンクとの角度、及び前記凸ポリゴンの図心と前記リンクとの距離のいずれか一つ以上である構成とすると好適である。
この構成によれば、凸ポリゴンの主軸とリンクとの角度や凸ポリゴンの図心とリンクとの距離によって、凸ポリゴンとリンクとの配置関係に関する特徴を把握することができる。したがって、予め定まっている道路ペイント種別毎のリンクに対する角度及び距離の特徴に基づいて、各凸ポリゴンについて、候補となる一又は二以上の道路ペイント種別をある程度の正確さで判定することが可能となる。
また、前記結合条件は、複数の前記凸ポリゴンについて、前記各凸ポリゴンの断面二次モーメントが最小となる主軸の方向の差異が所定範囲内であること、及び前記主軸と交差する辺を介して連接することを含む構成とすると好適である。
この構成によれば、複数の凸ポリゴンを結合して多角形要素としての集合体を生成する際に、複数の凸ポリゴンの中で、長手方向がほぼ同じ方向であって、直接又は他の凸ポリゴンを介して互いに接するように配置された複数の凸ポリゴンを、その長手方向に沿って結合することができる。したがって、一本の直線的な帯状に形成された道路ペイントを構成する凸ポリゴンを一つの集合体として結合することができる。そして、この集合体でなる多角形要素が道路ペイント種別の認識の際の認識単位となるので、道路ペイント種別の判定をより正確に行うことが可能となる。
本発明に係る道路ペイント認識システムが実行する道路ペイント認識方法の特徴構成は、道路ペイントの少なくとも一部を構成すると共に複数の凸ポリゴンを結合した集合体である多角形要素についての、前記凸ポリゴンの形状及び配置の情報を含む凸ポリゴン情報を取得する凸ポリゴン情報取得ステップと、位置情報を有する複数のノード及び2個のノード間をつなぐリンクを有する道路ネットワーク情報を取得する道路ネットワーク情報取得ステップと、前記凸ポリゴン情報及び前記道路ネットワーク情報に基づいて、前記凸ポリゴンに関する所定の予備的特徴量を抽出する予備的特徴量抽出ステップと、道路ペイント種別毎の前記予備的特徴量の条件を定めた予備判定条件に基づいて、前記各凸ポリゴンについて、候補となる一又は二以上の道路ペイント種別を判定し、判定結果を表す候補種別情報を付与する予備判定ステップと、共通の前記候補種別情報が付与されているという条件を含む所定の結合条件に従って複数の前記凸ポリゴンを結合し、前記多角形要素を生成する結合ステップと、前記多角形要素の形状及び配置の情報を含む多角形要素情報を取得する多角形要素情報取得ステップと、記多角形要素情報及び前記道路ネットワーク情報に基づいて、前記多角形要素に関する所定の特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、道路ペイント種別毎の前記特徴量の条件を定めた種別判定条件に従って、各多角形要素の道路ペイント種別を判定する判定ステップと、を備える点にある。
この特徴構成によれば、道路ペイントの少なくとも一部を構成する多角形要素の情報に基づいて、又は多角形要素情報及び道路ネットワーク情報に基づいて、多角形要素に関する所定の特徴量を抽出し、当該特徴量を道路ペイント種別の判定対象とすることになる。したがって、多角形要素の全体の形状を用いてパターンマッチングを行う場合と比較して、取得された多角形要素情報の状態による影響を受けることが少なく、道路ペイントの形状が正確に表れていない場合であっても比較的正確に道路ペイント種別の判定を行うことが可能である。また、道路ペイント種別毎の特徴量の条件を定めた種別判定条件に従って、各多角形要素の道路ペイント種別判定を行うので、パターンマッチング等のための大きなデータベースを必要としない利点もある。
加えて、この構成によれば、多角形要素を構成する複数の凸ポリゴンについて、凸ポリゴン情報と前記道路ネットワーク情報とに基づいて抽出した予備的特徴量に従って判定された候補種別情報に基づいて、共通の候補種別情報が付与された凸ポリゴンのみを集合体として結合することになる。したがって、異なる道路ペイント種別である可能性が高い凸ポリゴンが集合体として結合されることを防止でき、同じ道路ペイントを構成する可能性が高い凸ポリゴンのみをより適切に抽出して集合体として結合することができる。そして、この集合体でなる多角形要素が道路ペイント種別の認識処理での認識単位となるので、道路ペイント種別の判定をより正確に行うことが可能となる。
本発明に係る道路ペイントデータベースの作成システムが実行する道路ペイントデータベースの作成方法の特徴構成は、道路ペイントの少なくとも一部を構成すると共に複数の凸ポリゴンを結合した集合体である多角形要素についての、前記凸ポリゴンの形状及び配置の情報を含む凸ポリゴン情報を取得する凸ポリゴン情報取得ステップと、位置情報を有する複数のノード及び2個のノード間をつなぐリンクを有する道路ネットワーク情報を取得する道路ネットワーク情報取得ステップと、前記凸ポリゴン情報及び前記道路ネットワーク情報に基づいて、前記凸ポリゴンに関する所定の予備的特徴量を抽出する予備的特徴量抽出ステップと、道路ペイント種別毎の前記予備的特徴量の条件を定めた予備判定条件に基づいて、前記各凸ポリゴンについて、候補となる一又は二以上の道路ペイント種別を判定し、判定結果を表す候補種別情報を付与する予備判定ステップと、共通の前記候補種別情報が付与されているという条件を含む所定の結合条件に従って複数の前記凸ポリゴンを結合し、前記多角形要素を生成する結合ステップと、前記多角形要素の形状及び配置の情報を含む多角形要素情報を取得する多角形要素情報取得ステップと、記多角形要素情報及び前記道路ネットワーク情報に基づいて、前記多角形要素に関する所定の特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、道路ペイント種別毎の前記特徴量の条件を定めた種別判定条件に従って、各多角形要素の道路ペイント種別を判定する判定ステップと、道路ペイント種別が判定された前記多角形要素情報を、当該道路ペイント種別の道路ペイント情報としてデータベースに登録する道路ペイント情報登録ステップと、を備える点にある。
この特徴構成によれば、道路ペイントの少なくとも一部を構成する多角形要素の情報と道路ネットワーク情報とに基づいて、多角形要素に関する所定の特徴量を抽出し、当該特徴量を道路ペイント種別の判定対象とすることになる。したがって、多角形要素の全体の形状を用いてパターンマッチングを行う場合と比較して、取得された多角形要素情報の状態による影響を受けることが少なく、道路ペイントの形状が正確に表れていない場合であっても比較的正確に道路ペイント種別の判定を行うことが可能である。そして、道路ペイント種別が判定された集合体情報を道路ペイント情報としてデータベースに登録するので、正確な道路ペイント情報を備えたデータベースを作成することができる。また、道路ペイント種別毎の特徴量の条件を定めた種別判定条件に従って、各多角形要素の道路ペイント種別判定を行うので、パターンマッチング等のための大きなデータベースを必要としない利点もある。
加えて、この構成によれば、多角形要素を構成する複数の凸ポリゴンについて、凸ポリゴン情報と前記道路ネットワーク情報とに基づいて抽出した予備的特徴量に従って判定された候補種別情報に基づいて、共通の候補種別情報が付与された凸ポリゴンのみを集合体として結合することになる。したがって、異なる道路ペイント種別である可能性が高い凸ポリゴンが集合体として結合されることを防止でき、同じ道路ペイントを構成する可能性が高い凸ポリゴンのみをより適切に抽出して集合体として結合することができる。そして、この集合体でなる多角形要素が道路ペイント種別の認識処理での認識単位となるので、道路ペイント種別の判定をより正確に行うことが可能となる。
以下に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に係る道路ペイント認識システムは、道路ペイントの画像が含まれる道路画像情報に基づいて、当該道路画像情報に含まれる各種道路ペイントの中で、特に帯状(線状)の道路ペイントの種別を判定して道路ペイント情報として認識する処理を行う。ここでは、説明の簡略化のため、判定対象とする帯状の道路ペイントの種別を限定しており、具体的には、車道中央線の実線及び破線、車線境界線の実線及び破線、側線(車道外側線又は路側帯)、停止線、横断歩道、及びゼブラゾーンを判定の対象としている。しかし、本発明はこれら以外の道路ペイント種別の判定にも適用することができる。
図1は、本実施形態に係る道路ペイント認識システムの概略構成を示す説明図である。この図に示すように、道路ペイント認識システムは、道路画像情報データベース2と、道路ネットワークデータベース3と、道路ペイント情報データベース4と、これらに対してアクセス可能に接続された汎用のコンピュータ5に後述する各手段の機能を実現するためのプログラムをインストールすることにより構成されたシステム本体1と、を有している。ここでは、システム本体1は、画像情報取得手段6、輪郭線情報抽出手段7、ポリゴン分割手段8、予備特徴量抽出手段9、予備判定手段10、結合手段11、特徴量抽出手段12、種別判定手段13、道路ペイント情報生成手段14、図心演算手段15、主軸演算手段16、道路ネットワーク情報取得手段17、代表軸演算手段18、及び、グループ化手段19を備えている。また、予備判定手段10は予備判定テーブル20を、種別判定手段13は種別判定テーブル21を、それぞれ備えている。なお、本実施形態においては、種別判定手段13が本発明における「判定手段」に相当する。以下、各構成について詳細に説明する。
1.道路画像情報データベース2
道路画像情報データベース2は、道路ペイントの画像が含まれる道路画像情報が格納されたデータベースである。ここでは、道路画像情報はラスタデータとなっている。また、道路画像情報は、当該画像に表れている領域の座標を示す座標情報と関連付けられている。このような道路画像情報としては、例えば、航空写真、衛星写真、調査車両により撮像した動画や静止画等の実際の画像の他、工事図面、都市計画図、住宅地図等の図面の画像情報も含まれる。
2.道路ネットワークデータベース3
道路ネットワークデータベース3は、道路ネットワークの情報が格納されたデータベースである。道路ネットワークは、緯度及び経度で表される絶対座標上の位置情報を有する多数のノードNと、2個のノードN間をつなぐ多数のリンクLを有して構成されている(図5参照)。通常、ノードNは、交差点の中心に配置され、リンクLは、道路形状に従って道路の幅方向中央付近に配置される。また、各リンクLには、道路幅員、車線数、道路種別(高速道路、有料道路、国道、県道等の種別)、リンク長さ等の情報が関連付けられている。
3.道路ペイント情報データベース4
道路ペイント情報データベース4は、本実施形態に係る道路ペイント認識システムの認識結果としての道路ペイント情報が格納されるデータベースである。
4.画像情報取得手段6
画像情報取得手段6は、操作部5aからの指示入力等に従って、道路画像情報データベース2から道路画像情報を取得する。ここでは、例えば、座標情報と関連付けられた一枚の航空写真等の画像情報が取得される。
5.輪郭線情報抽出手段7
輪郭線情報抽出手段7は、取得された道路画像情報に含まれる道路ペイントの可能性がある領域の輪郭線情報を抽出する。ここで、道路ペイントは白色又は黄色がほとんどであるため、航空写真等からなる道路画像情報の中の色彩の濃度が薄い領域が道路ペイントに該当する可能性が高い。そこで、輪郭線情報抽出手段7は、具体的には、道路画像情報を二値化して濃度の薄い領域を顕在化させた後、当該濃度の薄い領域の輪郭線を表すベクターデータを生成するためのラスター・ベクター変換処理を行う。この際、濃度の薄い領域の輪郭線をそのままベクターデータとすると、ドット単位のばらつきによる細かい凹凸が反映されることになるため、ノイズ除去処理を行い、輪郭線を直線に近づけると好適である。これにより、図2に示すように、道路ペイントの可能性がある領域の輪郭線を表す輪郭線情報が抽出される。
6.ポリゴン分割手段8
ポリゴン分割手段8は、図3に示すように、抽出された輪郭線情報に含まれる閉領域を複数の主軸演算用の領域凸ポリゴンPに分割する。なお、図3は、図2の一部の領域を拡大して示している。ここで、領域凸ポリゴンPは、全ての頂点の内角が180〔°〕未満となるポリゴン、すなわち凸ポリゴンであって、後述する主軸演算手段16による主軸Mpの演算対象となるポリゴンである。この領域凸ポリゴンPは、直線的な帯状に形成された道路ペイントの長手方向に沿った主軸Mpを有するように、分割数ができるだけ少なくなるように、すなわち各領域凸ポリゴンPの面積ができるだけ大きくなるように分割することが望ましい。そこで、ポリゴン分割手段8は、例えば、以下のような分割条件に従ってポリゴン分割処理を行う。
領域凸ポリゴン分割条件
(1)輪郭線情報抽出手段7により抽出された輪郭線情報に含まれるn個(nは3以上の自然数)の頂点を有する多角形(閉領域)の内部に2個の頂点間を結ぶ対角線を引き、n−2個の三角形に分割する。この際、前記対角線は、例えば、任意の1個の頂点と他の頂点を結ぶn−3本の対角線とすることができる。
(2)上記(1)の分割に際しては、前記多角形の隣接する3個の頂点Vi、Vi+1、Vi+2を選択し、3個の頂点Vi、Vi+1、Vi+2を結ぶ三角形が、前記多角形の外側にある場合には、当該3個の頂点Vi、Vi+1、Vi+2を結ぶ三角形は採用しない。
(3)上記(1)の分割に際しては、前記多角形の隣接する3個の頂点Vi、Vi+1、Vi+2を選択し、3個の頂点Vi、Vi+1、Vi+2を結ぶ三角形の内部に、前記多角形の他の頂点が存在する場合には、当該3個の頂点Vi、Vi+1、Vi+2を結ぶ三角形を更に分割する。この再分割は、例えば、既に引かれた対角線と交差しないように、前記内部に存在する頂点から他の頂点を結ぶ対角線を引くことで行うことができる。
(4)上記(1)の分割後、分割のために引いた前記対角線のそれぞれについて、除去しても内角が180〔°〕以上となる頂点が現れない場合には、当該対角線を除去して三角形を結合する。これにより、除去可能な前記対角線は全て除去する。
(5)上記(4)による結合後の図形を領域凸ポリゴンPとする。
上記のような分割条件で分割することにより、輪郭線情報に含まれる閉領域(多角形)を、分割数がほぼ最小となるように複数の領域凸ポリゴンPに分割することができる。また、このように分割すれば、直線的な帯状に形成された道路ペイントに関する閉領域を分割した際には、当該道路ペイントの長手方向に長い形状の領域凸ポリゴンPが多数を占めるように分割することができる。したがって、結果的に、各領域凸ポリゴンPは道路ペイントの長手方向に近い方向の主軸を有することになる。なお、ポリゴン分割手段8は、抽出された輪郭線情報に含まれる閉領域を、分割数が最小(各領域凸ポリゴンPの面積が最大)となるように分割すると好適であるが、必ずしもこれに限定されるものではない。すなわち、ポリゴン分割手段8は、分割後の領域凸ポリゴンPの多数が、直線的な帯状に形成された道路ペイントの長手方向に沿った主軸Mpを有するように閉領域を分割すればよく、その限度である程度の大きさを有する凸ポリゴンに分割すればよい。また、閉領域が分割されず、一つの閉領域が一つの領域凸ポリゴンPで構成される場合もある。その場合には、当該一つの領域凸ポリゴンPを後述する集合体Aと同等に取り扱うこととする。
以上のように、画像情報取得手段6、輪郭線情報抽出手段7、及びポリゴン分割手段8により、領域凸ポリゴンPの形状及び配置の情報を含む領域凸ポリゴン情報が取得される。すなわち、これら画像情報取得手段6、輪郭線情報抽出手段7、及びポリゴン分割手段8がポリゴン情報取得手段22を構成する。なお、本実施形態においては、この領域凸ポリゴンPが、本発明における凸ポリゴンに相当し、領域凸ポリゴン情報が、本発明における凸ポリゴン情報に相当する。
7.図心演算手段15
図心演算手段15は、図4に示すように、各領域凸ポリゴンPについて図心Opを演算する。また、図心演算手段15は、図7に示すように、後述する結合手段11によって複数の領域凸ポリゴンPを結合してなる集合体Aの図心Oaの演算も行う。これらの図心Op、Oaの演算方法としては、公知の方法を用いることができる。
8.主軸演算手段16
主軸演算手段16は、図4に示すように、各領域凸ポリゴンPについて、その長手方向を代表する軸として、断面二次モーメントが最小となる主軸Mpを演算する。ここでは、主軸演算手段16は、図心Opを原点とし、主軸Mpの軸方向の一方を表す単位ベクトルを演算することとしている。ここで、主軸Mpの軸方向を表す単位ベクトルとしては180°方向が異なる2個のベクトルが存在するが、ここでは、有効とする角度範囲を制限すること等によって、いずれか一方のみに統一することとしている。この主軸Mpの演算方法としては、公知の方法を用いることができる。
9.道路ネットワーク情報取得手段17
道路ネットワーク情報取得手段17は、道路ネットワークデータベース3から、複数のノードN及び2個のノードN間をつなぐリンクLを有する道路ネットワーク情報を取得する。この際、道路ネットワーク情報取得手段17は、図5に示すように、少なくとも画像情報取得手段6により取得された道路画像情報に表されている領域内のノードN及びリンクLが含まれるように道路ネットワーク情報を取得する。これにより、道路画像情報から生成された領域凸ポリゴンPと道路ネットワークのノードN及びリンクLとの配置関係を求めることが可能になる。
10.予備特徴量抽出手段9
予備特徴量抽出手段9は、領域凸ポリゴン情報及び道路ネットワーク情報に基づいて、領域凸ポリゴンPに関する所定の予備的特徴量を抽出する。本実施形態においては、予備特徴量抽出手段9は、予備的特徴量として、リンクLの配置と領域凸ポリゴンPの主軸Mpの方向及び図心Opの位置との関係、より具体的には、各領域凸ポリゴンPについて、(i)「主軸MpとリンクLとの角度」及び(ii)「図心OpとリンクLとの距離」を抽出することとしている。上記のとおり、主軸Mpは主軸演算手段16により演算され、図心Opは図心演算手段15により演算される。ここで、予備的特徴量の抽出対象となるリンクLとしては、各領域凸ポリゴンPが存在する道路上において最も近い位置にあるリンクLが採用される。そして、(i)「主軸MpとリンクLとの角度」は、リンクLを一方向のベクトルとみなして演算する。また、(ii)「図心OpとリンクLとの距離」は、最短距離を演算する。
11.予備判定手段10
予備判定手段10は、道路ペイント種別毎の予備的特徴量の条件を定めた予備判定条件が格納された予備判定テーブル20を備えている。この際の判定の基礎となる予備的特徴量としては、予備特徴量抽出手段9により抽出されたものが用いられる。そして、予備判定条件に基づいて、各領域凸ポリゴンPについて、候補となる一又は二以上の道路ペイント種別を判定し、判定結果を表す候補種別情報を付与する。ここで付与する候補種別情報としては、具体的には、「車道中央線実線」、「車道中央線破線」、「車線境界線実線」、「車線境界線破線」、「側線」、「停止線」、「横断歩道」、及び「ゼブラゾーン」がある。なお、本願においては「側線」は、車道外側線及び路側帯を総称する名称として使用している。また、以下の説明において、単に「車道中央線」というときは「車道中央線実線」及び「車道中央線破線」の双方を含み、単に「車線境界線」というときは「車線境界線実線」及び「車線境界線破線」の双方を含むものとする。なお、この予備判定手段10による判定処理については後に図10に示すフローチャートに基づいて詳細に説明することとし、ここでは予備判定テーブル20に格納された予備判定条件について説明する。
本実施形態においては、予備判定条件として、(a)主軸MpとリンクLとの角度の条件、及び(b)図心OpとリンクLとの距離の条件を設定している。(a)主軸MpとリンクLとの角度の条件は、「車道中央線」、「車線境界線」、「側線」、及び「横断歩道」と、「停止線」と、「ゼブラゾーン」とを区別して候補種別情報を付与するための条件である。この条件は、図10のフローチャートにおけるステップ#22及び#24の判断条件に相当する。この条件は、具体的には、(a)主軸MpとリンクLとの角度の条件については、(i)「平行」、(ii)「垂直」、(iii)「その他」の3つの条件を設定している。なお、「平行」及び「垂直」の条件については、厳密な条件とせずに略平行及び略垂直の条件とすべきであり、ある程度の角度範囲を設定することが望ましい。この際の角度範囲はリンクLに略平行又は略垂直に配置された直線的な帯状の道路ペイントについての輪郭線情報を、上記のように分割してなる領域凸ポリゴンPの主軸Mpの方向のばらつきの生じうる範囲を実験的に求め、当該範囲より広い範囲に設定すると好適である。ここでは、例えば±15〔°〕や±10〔°〕等に設定される。条件(i)〜(iii)をこのように設定した結果、条件(i)は、これを満たす道路ペイントとして「車道中央線」、「車線境界線」、「側線」、及び「横断歩道」が含まれ、かつ「停止線」及び「ゼブラゾーン」が除外される。一方、条件(ii)は、これを満たす道路ペイントとして「停止線」が含まれ、かつ「車道中央線」、「車線境界線」、「側線」、「横断歩道」、及び「ゼブラゾーン」が除外される。よって、条件(iii)に該当する道路ペイントとしては「ゼブラゾーン」が含まれる。
また、予備判定条件として、(b)図心OpとリンクLとの距離の条件は、「車道中央線」と、「車線境界線」と、「側線」とを区別して候補種別情報を付与するための条件である。この条件は、図10のフローチャートにおけるステップ#27及び#29の判断条件に相当する。この条件は、具体的には、(i)「±2〔m〕以内」(図5の領域i)、(ii)「道路幅員の1/2離間した位置から±2〔m〕以内」(図5の領域ii)、(iii)「それ以外」(図5の領域iii)の3つの条件を設定している。これらの条件の中の「±2〔m〕」という数値は、道路の一車線の幅が3〔m〕前後であることに基づいて、それより小さい値として設定した数値であって、単なる一例に過ぎない。すなわち、各条件に係る領域のリンクLに直交する方向の幅を、一車線の幅未満とすることにより、各条件に係る領域が「車道中央線」、「側線」及び「車線境界線」の中の2つ以上を含まないようにしている。したがって、1.5〔m〕や2.5〔m〕等、一車線の幅未満の数値であれば他の数値に設定することも可能である。なお、2〔m〕等の距離については、道路画像情報の縮尺に基づいて現実の距離に換算して判定を行うこととする。条件(i)〜(iii)をこのように設定した結果、条件(i)は、これを満たす道路ペイントとして「車道中央線」が含まれ、かつ「側線」及び「車線境界線」が除外される。一方、条件(ii)は、これを満たす道路ペイントとして「側線」が含まれ、かつ「車道中央線」及び「車線境界線」が除外される。よって、条件(iii)に該当する道路ペイントとしては「車線境界線」が含まれる。なお、この予備判定条件では、「停止線」、「横断歩道」、及び「ゼブラゾーン」は判定対象としていない。
12.結合手段11
結合手段11は、所定の結合条件に従って、複数の領域凸ポリゴンPを、同じ道路ペイントを構成する集合体Aとして結合する。本実施形態においては、結合条件は、複数の領域凸ポリゴンPについて(i)「主軸Mpの方向の差異が所定の許容範囲内であること」、(ii)「主軸Mpと交差する辺を介して連接すること」、(iii)「共通の候補種別情報が付与されていること」の3つの条件を設定している。
ここで、条件(i)に関して、主軸Mpの方向の差異の許容範囲は、直線的な帯状の道路ペイントについての輪郭線情報を上記のように分割してなる領域凸ポリゴンPの主軸Mpの方向のばらつきの生じうる範囲を実験的に求め、当該範囲より広い範囲に設定すると好適である。ここでは、例えば±15〔°〕に設定される。このように設定することにより、結果的に、一つの直線的な帯状の道路ペイントについての輪郭線情報を分割してなる複数の領域凸ポリゴンPの主軸Mpのほとんどが当該許容範囲内に含まれることになる。また、条件(ii)に関して、主軸Mpと交差する辺は、主軸演算手段16により演算された主軸Mpを表す単位ベクトルを両側に延長した軸と交差する辺である。ここで、主軸Mpは領域凸ポリゴンPの長手方向に沿った軸となるので、この主軸Mpと交差する辺は、領域凸ポリゴンPの短辺となる。また、条件(iii)に関して、領域凸ポリゴンPに複数の候補種別情報が付与されている場合には、その中の一つでも共通であればこの条件(iii)を満たすこととする。
結合手段11は、条件(i)により、長手方向がほぼ同じ方向である複数の領域凸ポリゴンPを結合することになる。また、条件(ii)により、連続的に隣接配置された複数の領域凸ポリゴンPを、その長手方向に沿って結合することができる。すなわち、条件(i)と条件(ii)との組み合わせにより、連結されて一の閉領域を形成し、直線的な帯状の道路ペイントを構成する領域凸ポリゴンPの結合を好適に行うことができる。また更に、条件(iii)により、異なる道路ペイント種別である可能性が高い領域凸ポリゴンPが結合されることを防止できる。したがって、これらの条件(i)〜(iii)により、図6に示すように、共通の候補種別情報が付与されて、一本の直線的な帯状の道路ペイントを構成する複数の領域凸ポリゴンPを結合して集合体Aを生成することができる。なお、上記のように、一つの閉領域が一つの領域凸ポリゴンPで構成される場合には、単一の領域凸ポリゴンPを集合体Aと同等に取り扱う。本実施形態においては、集合体Aが本発明における「多角形要素」に相当する。
以上のように、画像情報取得手段6、輪郭線情報抽出手段7、ポリゴン分割手段8、予備特徴量抽出手段9、予備判定手段10、及び結合手段11により、複数の領域凸ポリゴンPを集合した多角形要素としての集合体Aの形状及び配置の情報を含む多角形要素情報(集合体情報)が取得される。すなわち、これら画像情報取得手段6、輪郭線情報抽出手段7、ポリゴン分割手段8、予備特徴量抽出手段9、予備判定手段10、及び結合手段11が多角形要素情報取得手段23を構成する。
13.代表軸演算手段18
代表軸演算手段18は、図7に示すように、各集合体Aについて、その長手方向を代表する代表軸Maを演算する。ここでは、代表軸演算手段18は、図心演算手段15により演算された集合体Aの図心Oaを原点とし、当該集合体Aを構成する各領域凸ポリゴンPの主軸Mp(単位ベクトル)に当該領域凸ポリゴンPの面積を乗じたものを、集合体Aを構成する全ての領域凸ポリゴンPについて加算した総和のベクトルを演算し、このベクトルにより表される軸を代表軸Maとしている。すなわち、この代表軸Maは、各領域凸ポリゴンPの面積を重みとした各領域凸ポリゴンPの主軸Mpの重み付け平均を表すベクトルとして演算される。ここで、代表軸Maの軸方向を表すベクトルとしては180°方向が異なる2個のベクトルが存在するが、ここでは、有効とする角度範囲を制限すること等によって、いずれか一方のみに統一することとしている。
14.特徴量抽出手段12
特徴量抽出手段12は、集合体Aについての集合体情報に基づいて、又は集合体情報及び道路ネットワーク情報に基づいて、集合体Aに関する所定の特徴量を抽出する。本実施形態においては、特徴量抽出手段12は、集合体A毎の個別特徴量を抽出するとともに、後述するグループ化手段19によりグループ化された複数の集合体Aからなるグループ毎のグループ特徴量も抽出する。ここでは、特徴量抽出手段12は、個別特徴量として、(i)「集合体Aの面積」、(ii)「集合体Aの周長」、(iii)「集合体Aの代表軸MaとリンクLとの角度」、(iv)「集合体Aの図心OaとリンクLとの距離」を抽出することとしている。ここで、個別特徴量の抽出対象となるリンクLとしては、各集合体Aが存在する道路上において最も近い位置にあるリンクLが採用される。そして、(iii)「集合体Aの代表軸MaとリンクLとの角度」は、リンクLを一方向のベクトルとみなして演算する。また、(iv)「集合体Aの図心OaとリンクLとの距離」は、最短距離を演算する。
また、特徴量抽出手段12は、グループ特徴量として、(i)「グループ内の複数の集合体Aの図心Oaを結ぶ方向(図心連結方向)とリンクLとの角度」、(ii)「グループ内の複数の集合体Aの図心Oaを結ぶ線(図心連結線)とリンクとの距離」、(iii)「グループ内の各集合体Aの代表軸Ma同士の角度」を抽出することとしている。ここで、グループ特徴量の抽出対象となるリンクLとしては、集合体Aのグループが存在する道路上において最も近い位置にあるリンクLが採用される。そして、(i)「グループ内の複数の集合体Aの図心Oaを結ぶ方向(図心連結方向)とリンクLとの角度」について、図心連結方向は、グループ内の集合体Aが3個以上ある場合には、各図心Oa間を結ぶ図心連結線の方向を表す単位ベクトルの平均値とする。そして、リンクLを一方向のベクトルとみなして角度を演算する。また、(ii)「グループ内の複数の集合体Aの図心Oaを結ぶ線(図心連結線)とリンクとの距離」は、平均距離を演算する。なお、グループ内の集合体Aが3個以上ある場合には、図心連結線は折れ線となる場合がある。(iii)「グループ内の各集合体Aの代表軸Ma同士の角度」は、各集合体Aの代表軸Maを表すベクトル同士のなす角度を演算する。
15.グループ化手段19
グループ化手段19は、図8に示すように、所定のグループ化条件に適合する複数の集合体Aをグループ化する。このグループ化の目的は、「車道中央線破線」、「車線境界線破線」、「横断歩道」、及び「ゼブラゾーン」等のように、複数の集合体Aにより一まとまりの道路ペイントを構成する可能性があるものを一つのグループとし、グループ毎に特徴量の抽出及び道路ペイント種別の判定を行うことにある。ここで、グループ化条件としては、具体的には、各集合体Aが、(i)「同程度の面積及び周長を有すること」、及び(ii)「所定内の間隔で近接して配置されていること」の2つの条件を設定している。そして、グループ化に際しては、条件(ii)に規定する所定内の間隔で3個以上の集合体Aが順次配列されている場合には、これらの全ての集合体Aを一つにグループ化する。
ここで、条件(i)に関して、「同程度の面積及び周長」に含まれる範囲は、道路画像情報に含まれる道路ペイント以外のノイズ等の影響や輪郭線抽出の精度等を考慮して、多少のばらつきを許容するような範囲を設定する。この範囲としては、例えば面積及び周長の他の集合体Aの平均値(他の集合体Aが一つの場合はその集合体Aの面積及び周長)に対して±30%以内等とすることができる。また、条件(ii)に関して、「所定内の間隔」としては「車道中央線破線」、「車線境界線破線」、「横断歩道」、及び「ゼブラゾーン」における間隔に応じて設定する。例えば、「車道中央線破線」や「車線境界線破線」では、破線の間隔は3〜20〔m〕程度とされている。また、「横断歩道」では、平行する線の間隔は0.5〔m〕程度とされ、「ゼブラゾーン」では平行する線の間隔は1〜1.5〔m〕程度とされている。したがって、例えば、集合体Aの代表軸Maに平行な方向の間隔を25〔m〕以内とし、集合体Aの代表軸Maに垂直な方向の間隔を2〔m〕以内とすると好適である。なお、このような条件(ii)に規定する距離については、道路画像情報の縮尺に基づいて現実の距離に換算して判定を行うこととする。
16.種別判定手段13
種別判定手段13は、道路ペイント種別毎の特徴量(個別特徴量及びグループ特徴量)の条件を定めた種別判定条件が格納された種別判定テーブル21を備えている。この際の判定の基礎となる特徴量としては、特徴量抽出手段12により抽出されたものが用いられる。そして、種別判定条件に基づいて、各集合体A及び集合体Aの各グループについて道路ペイント種別を判定する。ここで判定する道路ペイント種別としては、具体的には、「車道中央線実線」、「車道中央線破線」、「車線境界線実線」、「車線境界線破線」、「側線」、「停止線」、「横断歩道」、及び「ゼブラゾーン」がある。なお、この種別判定手段13による判定処理については後に図11及び図12に示すフローチャートに基づいて詳細に説明することとし、ここでは種別判定テーブル21に格納された種別判定条件について説明する。
本実施形態においては、種別判定条件として、個別特徴量に関する条件である個別条件と、グループ特徴量に関する条件であるグループ条件を有している。また、個別条件としては、(a)集合体Aの面積及び周長の条件、(b)集合体Aの代表軸MaとリンクLとの角度の条件、(c)集合体Aの図心OaとリンクLとの距離の条件を設定している。グループ条件としては、(d)グループ内の複数の集合体Aの図心Oaを結ぶ方向とリンクLとの角度の条件、(e)グループ内の複数の集合体Aの図心Oaを結ぶ線とリンクとの距離の条件、(f)グループ内の各集合体Aの代表軸Ma同士の角度の条件を設定している。以下個別に説明する。
まず、種別判定条件の中の個別条件について説明する。(a)集合体Aの面積及び周長の条件は、「車道中央線実線」、「車線境界線の実線」、及び「側線」等の連続する長い実線状の道路ペイント(実線状の区画線の道路ペイント)と、「車道中央線破線」、「車線境界線破線」、「停止線」、「横断歩道」、及び「ゼブラゾーン」等の破線状の道路ペイント(破線状の区画線の道路ペイント)及び短い実線状の道路ペイントと、車両や信号機等のノイズ、判別対象となっていない道路ペイント等とを区別して判定するための条件である。この条件は、図11のフローチャートにおけるステップ#43及び#50の判断条件に対応する。この条件は、具体的には(i)「面積≧Paかつ周長≧Qa」、(ii)「Pb≦面積≦PcかつQb≦周長≦Qc」、(iii)「その他」の3つの条件を設定している。ここで、条件(i)は、「車道中央線実線」、「車線境界線の実線」、及び「側線」等の連続する長い実線状の道路ペイント(実線状の区画線の道路ペイント)が含まれる条件に設定する。ここでは、例えば、Pa=1.5〔m〕、Qa=20〔m〕に設定される。一方、条件(ii)は、「車道中央線破線」、「車線境界線破線」、「停止線」、「横断歩道」、及び「ゼブラゾーン」等の破線状の道路ペイント(破線状の区画線の道路ペイント)及び短い実線状の道路ペイントが含まれる条件に設定する。ここでは、例えば、Pb=0.75〔m〕、Pc=1.4〔m〕、Qb=4.5〔m〕、Qc=18〔m〕に設定される。ここで、道路ペイントの形状及び寸法は、法令により規定されているため、これらの条件(i)及び(ii)で定める数値範囲は、当該法令に基づいて決定すると好適である。条件(i)及び(ii)をこのように設定した結果、条件(iii)に該当するものには、車両や信号機等のノイズ、判別対象となっていない道路ペイント等が含まれることになる。
(b)集合体Aの代表軸MaとリンクLとの角度の条件は、「車道中央線」、「車線境界線」、「側線」、及び「横断歩道」と、「停止線」と、「ゼブラゾーン」とを区別して判定するための条件である。この条件は、図11のフローチャートにおけるステップ#44及び#52、並びに図12のフローチャートにおけるステップ#55の判断条件に対応する。この条件は、具体的には、(i)「平行」、(ii)「垂直」、(iii)「その他」の3つの条件を設定している。なお、「平行」及び「垂直」の条件については、厳密な条件とせずに略平行及び略垂直の条件とすべきであり、ある程度の角度範囲を設定することが望ましい。この際の角度範囲はリンクLに略平行又は略垂直に配置された直線的な帯状の道路ペイントについての集合体Aの代表軸Maの方向のばらつきの生じうる範囲を実験的に求め、当該範囲より広い範囲に設定すると好適である。この範囲は、道路ペイント種別判定の精度を高めるため、上述した予備判定条件における主軸MpとリンクLとの角度の条件よりも狭い範囲とすると好適である。ここでは、例えば±10〔°〕に設定される。条件(i)〜(iii)をこのように設定した結果、条件(i)は、これを満たす道路ペイントとして「車道中央線」、「車線境界線」、「側線」、及び「横断歩道」が含まれ、かつ「停止線」及び「ゼブラゾーン」が除外される。一方、条件(ii)は、これを満たす道路ペイントとして「停止線」が含まれ、かつ「車道中央線」、「車線境界線」、「側線」、「横断歩道」、及び「ゼブラゾーン」が除外される。よって、条件(iii)に該当する道路ペイントとしては「ゼブラゾーン」が含まれる。
(c)集合体Aの図心OaとリンクLとの距離の条件は、「車道中央線」と、「側線」と、「車線境界線」とを区別して判定するための条件である。この条件は、図11のフローチャートにおけるステップ#45及び#47の判断条件に対応する。この条件は、具体的には(i)「±2〔m〕以内」(図7の領域i)、(ii)「道路幅員の1/2離間した位置から±2〔m〕以内」(図7の領域ii)、(iii)「それ以外」(図7の領域iii)の3つの条件を設定している。これらの条件の中の「±2〔m〕」という数値は、道路の一車線の幅が3〔m〕前後であることに基づいて、それより小さい値として設定した数値であって、単なる一例に過ぎない。すなわち、各条件に係る領域のリンクLに直交する方向の幅を、一車線の幅未満とすることにより、各条件に係る領域が「車道中央線」、「側線」及び「車線境界線」の中の2つ以上を含まないようにしている。したがって、1.5〔m〕や2.5〔m〕等、一車線の幅未満の数値であれば他の数値に設定することも可能である。なお、2〔m〕等の距離については、道路画像情報の縮尺に基づいて現実の距離に換算して判定を行うこととする。条件(i)〜(iii)をこのように設定した結果、条件(i)は、これを満たす道路ペイントとして「車道中央線」が含まれ、かつ「側線」及び「車線境界線」が除外される。一方、条件(ii)は、これを満たす道路ペイントとして「側線」が含まれ、かつ「車道中央線」及び「車線境界線」が除外される。よって、条件(iii)に該当する道路ペイントとしては「車線境界線」が含まれる。なお、この判定条件では、「停止線」、「横断歩道」、及び「ゼブラゾーン」は判定対象としていない。
次に、種別判定条件の中のグループ条件について説明する。このグループ条件では、グループ化手段19によりグループ化された複数の集合体Aのグループで構成される道路ペイント、具体的には「車道中央線破線」、「車線境界線破線」、「横断歩道」、及び「ゼブラゾーン」を道路ペイント種別判定の対象とする。
(d)グループ内の複数の集合体Aの図心Oaを結ぶ方向(図心連結方向)とリンクLとの角度の条件は、「車道中央線破線」及び「車線境界線破線」と、「横断歩道」と、「ゼブラゾーン」とを区別して判定するための条件である。この条件は、図12のフローチャートにおけるステップ#60及び#61の判断条件に対応する。この条件は、具体的には、(i)「平行」、(ii)「垂直」、(iii)「その他」の3つの条件を設定している。なお、「平行」及び「垂直」の条件については、厳密な条件とせずに略平行及び略垂直の条件とすべきであり、ある程度の角度範囲を設定することが望ましい。この際の角度範囲は、集合体Aの図心Oaを結ぶ方向がリンクLと略平行となる道路ペイントである「車道中央線破線」及び「車線境界線破線」を構成する複数の集合体Aの図心Oaを結ぶ方向のばらつき、並びに集合体Aの図心Oaを結ぶ方向がリンクLと略垂直となる道路ペイントである「横断歩道」を構成する複数の集合体Aの図心Oaを結ぶ方向のばらつきの生じうる範囲を実験的に求め、当該範囲より広い範囲に設定すると好適である。ここでは、例えば±15〔°〕に設定される。条件(i)〜(iii)をこのように設定した結果、条件(i)は、これを満たす道路ペイントとして「車道中央線破線」及び「車線境界線破線」が含まれ、かつ「横断歩道」及び「ゼブラゾーン」が除外される。一方、条件(ii)は、これを満たす道路ペイントとして「横断歩道」が含まれ、かつ「ゼブラゾーン」が除外される。よって、条件(iii)に該当する道路ペイントとしては「ゼブラゾーン」が含まれる。
(e)グループ内の複数の集合体Aの図心Oaを結ぶ線(図心連結線)とリンクとの距離の条件は、「車道中央線破線」と、「車線境界線破線」とを区別して判定するための条件である。この条件は、図12のフローチャートにおけるステップ#64の判断条件に対応する。この条件は、具体的には、(i)「±2〔m〕以内」(図8の領域i)、(ii)「それ以外」(図7の領域ii及びiii)の2つの条件を設定している。これらの条件の中の「±2〔m〕」という数値は、道路の一車線の幅が3〔m〕前後であることに基づいて、それより小さい値として設定した数値であって、単なる一例に過ぎない。すなわち、各条件に係る領域のリンクLに直交する方向の幅を、一車線の幅未満とすることにより、各条件に係る領域が「車道中央線破線」及び「車線境界線破線」の両方を含まないようにしている。したがって、1.5〔m〕や2.5〔m〕等、一車線の幅未満の数値であれば他の数値に設定することも可能である。なお、2〔m〕等の距離については、道路画像情報の縮尺に基づいて現実の距離に換算して判定を行うこととする。条件(i)及び(ii)をこのように設定した結果、条件(i)は、これを満たす道路ペイントとして「車道中央線破線」が含まれ、かつ「車線境界線破線」が除外される。よって、条件(ii)に該当する道路ペイントとしては「車線境界線破線」が含まれる。なお、この判定条件では、「横断歩道」、及び「ゼブラゾーン」は判定対象としていない。
(f)グループ内の各集合体Aの代表軸Ma同士の角度の条件については、「ゼブラゾーン」と、車両や信号機等のノイズ、判別対象となっていない道路ペイント等とを区別して判定するための条件である。この条件は、図12のフローチャートにおけるステップ#56の判断条件に対応する。この条件は、具体的には、(i)「平行」、(ii)「その他」の2つの条件を設定している。なお、「平行」の条件については、厳密な条件とせずに略平行の条件とすべきであり、ある程度の角度範囲を設定することが望ましい。この際の角度範囲は、判別対象である「ゼブラゾーン」を構成する複数の集合体Aの代表軸Ma同士の角度のばらつきの生じうる範囲を実験的に求め、当該範囲より広い範囲に設定すると好適である。ここでは、例えば±15〔°〕に設定される。条件(i)及び(ii)をこのように設定した結果、条件(i)は、これを満たす道路ペイントとして「ゼブラゾーン」が含まれ、かつ車両や信号機等のノイズ、判別対象となっていない道路ペイント等が除外される。よって、条件(ii)に該当するものには、車両や信号機等のノイズ、判別対象となっていない道路ペイント等が含まれることになる。なお、条件(i)に該当する道路ペイントには「横断歩道」も含まれるが、上記条件(d)の(ii)に該当する道路ペイントとして既に判定が行われているので、ここでは判定対象として含まない。
17.道路ペイント情報生成手段14
道路ペイント情報生成手段14は、種別判定手段13により道路ペイント種別が判定された集合体Aの情報を用いて、当該道路ペイント種別の道路ペイント情報を生成し、道路ペイント情報データベース4に格納する。この道路ペイント情報には、道路ペイント種別を表す情報の他、当該道路ペイントの形状及び配置(座標)の情報が含まれる。
18.道路ペイント認識システムによる認識処理(全体処理)
次に、本実施形態に係る道路ペイント認識システムによる道路ペイントの認識処理について、図9から図12に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。図9は、本実施形態に係る道路ペイントの認識処理方法の全体を示すフローチャートである。図10は、図9に示すフローチャートのステップ#08の「予備判定」処理の詳細を示すフローチャートである。図11及び図12は、図9に示すフローチャートのステップ#11の「種別判定」処理の詳細を示すフローチャートである。
図9に示すように、本実施形態に係る道路ペイント認識システムでは、まず、操作部5aからの指示入力等に従って、画像情報取得手段6により、道路画像情報データベース2から道路画像情報を取得する(ステップ#01)。次に、輪郭線情報抽出手段7により、取得された道路画像情報を二値化する(ステップ#02)。これは、道路ペイントは白色又は黄色がほとんどであって道路画像情報の中の色彩の濃度が薄い領域が道路ペイントに該当する可能性が高いことから、そのような領域を顕在化させるためである。その後、輪郭線情報抽出手段7により、当該濃度の薄い領域の輪郭線を表す輪郭線情報を抽出する(ステップ#03)。この輪郭線情報の抽出は、具体的には、濃度の薄い領域の輪郭線を表すベクターデータを生成するためのラスター・ベクター変換処理により行う。そして、濃度の薄い領域の輪郭線をそのままベクターデータとすると、ドット単位のばらつきによる細かい凹凸が反映されることになるため、輪郭線情報抽出手段7により、輪郭線を直線に近づけるためのノイズ除去処理を行う(ステップ#04)。この結果、図2に示すように、道路ペイントの可能性がある領域の輪郭線を表す輪郭線情報が抽出される。
次に、ポリゴン分割手段8により、図3に示すように、抽出された輪郭線情報に含まれる閉領域を複数の主軸演算用の領域凸ポリゴンPに分割する(ステップ#05)。この領域凸ポリゴン分割処理の具体的な方法については既に説明したとおりである。その後、主軸演算手段16及び図心演算手段15により、図4に示すように、ステップ#05で分割された各領域凸ポリゴンPの主軸Mp及び図心Opを演算する(ステップ#06)。また、道路ネットワーク情報取得手段17により、道路ネットワークデータベース3から道路ネットワーク情報を取得する(ステップ#07)。これにより、図5に示すように、複数の領域凸ポリゴンPとノードN及びリンクLとの配置関係が求めることが可能になる。その後、予備特徴量抽出手段9により各領域凸ポリゴンPに関する所定の予備的特徴量を抽出し、予備判定手段10により各領域凸ポリゴンPについて候補となる一又は二以上の道路ペイント種別を判定し、判定結果を表す候補種別情報を付与する予備判定処理を行う(ステップ#08)。この予備判定処理については、後に図10に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。
次に、結合手段11により、所定の結合条件に従って、図6に示すように、複数の領域凸ポリゴンPを、同じ道路ペイントを構成する集合体Aとして結合する(ステップ#09)。この結合条件については既に説明したとおりである。そして、代表軸演算手段18及び図心演算手段15により、図7に示すように、各集合体Aの代表軸Ma及び図心Oaを演算する(ステップ#10)。その後、特徴量抽出手段12により集合体Aに関する所定の特徴量を抽出し、種別判定手段13により各集合体A及び集合体Aの各グループについて道路ペイント種別を判定する種別判定処理を行う(ステップ#11)。この種別判定処理については、後に図11及び図12に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。そして、道路ペイント情報生成手段14により道路ペイント情報を生成し(ステップ#12)、道路ペイント情報データベース4に格納する(ステップ#13)。これにより、道路ペイントの認識処理は終了する。
19.「予備判定」処理
次に、図9に示すフローチャートのステップ#08の「予備判定」処理の詳細について、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。この図に示すように、「予備判定」処理では、まず、予備特徴量抽出手段9により、ステップ#06で演算された各領域凸ポリゴンPの主軸Mpの情報、及びステップ#07で取得された道路ネットワーク情報に含まれるリンクLの情報に基づいて、各領域凸ポリゴンPについて主軸MpとリンクLとの角度を演算する(ステップ#21)。そして、予備判定手段10において、主軸MpとリンクLとの角度が垂直であるか否かについて判断する(ステップ#22)。主軸MpとリンクLとの角度が垂直である場合には(ステップ#22:YES)、「停止線」の候補種別情報を付与する(ステップ#23)。図5に示す例では、P1の符号が付された領域凸ポリゴンPに「停止線」の候補種別情報を付与する。主軸MpとリンクLとの角度が垂直でない場合には(ステップ#22:NO)、次に、主軸MpとリンクLとの角度が平行であるか否かについて判断する(ステップ#24)。主軸MpとリンクLとの角度が平行でない場合には(ステップ#24:NO)、「ゼブラゾーン」の候補種別情報を付与する(ステップ#25)。図5に示す例では、P2の符号が付された領域凸ポリゴンPに「ゼブラゾーン」の候補種別情報を付与する。
一方、主軸MpとリンクLとの角度が平行である場合には(ステップ#24:YES)、次に、ステップ#06で演算された各領域凸ポリゴンPの図心Opの情報、及びステップ#07で取得された道路ネットワーク情報に含まれるリンクLの情報に基づいて、各領域凸ポリゴンPについて図心OpとリンクLとの距離を演算する(ステップ#26)。そして、予備判定手段10において、図心OpとリンクLとの距離が±2〔m〕以内であるか否かについて判断する(ステップ#27)。図心OpとリンクLとの距離が±2〔m〕以内である場合には(ステップ#27:YES)、「車道中央線実線」、「車道中央線破線」、及び「横断歩道」の候補種別情報を付与する(ステップ#28)。図5に示す例では、P3及びP4の符号が付された領域凸ポリゴンPに「車道中央線実線」、「車道中央線破線」、及び「横断歩道」の候補種別情報を付与する。一方、図心OpとリンクLとの距離が±2〔m〕以内でない場合には(ステップ#27:NO)、次に、図心OpとリンクLとの距離が道路幅員の1/2離間した位置から±2〔m〕以内であるか否かについて判断する(ステップ#29)。そして、図心OpとリンクLとの距離が道路幅員の1/2離間した位置から±2〔m〕以内である場合には(ステップ#29:YES)、「側線」及び「横断歩道」の候補種別情報を付与する(ステップ#30)。図5に示す例では、P3及びP5の符号が付された領域凸ポリゴンPに「側線」及び「横断歩道」の候補種別情報を付与する。また、図心OpとリンクLとの距離が道路幅員の1/2離間した位置から±2〔m〕以内でない場合には(ステップ#29:NO)、「車線境界線実線」、「車線境界線破線」、及び「横断歩道」の候補種別情報を付与する(ステップ#31)。図5に示す例では、P3及びP6の符号が付された領域凸ポリゴンPに「車線境界線実線」、「車線境界線破線」、及び「横断歩道」の候補種別情報を付与する。以上で「予備判定」処理を終了する。
20.「種別判定」処理
次に、図9に示すフローチャートのステップ#11の「種別判定」処理の詳細について、図11及び図12に示すフローチャートに基づいて説明する。これらの図のうち、図11は主として個別特徴量に関する個別条件に基づく判定処理を示しており、図12は主としてグループ特徴量に関するグループ条件に基づく判定処理を示している。
図11に示すように、「種別判定」処理では、まず、特徴量抽出手段12により、ステップ#09で得られた集合体Aの面積及び周長を演算する(ステップ#41)。また、ステップ#10で演算された各集合体Aの代表軸Maの情報、及びステップ#07で取得された道路ネットワーク情報に含まれるリンクLの情報に基づいて、各集合体Aについて代表軸MaとリンクLとの角度を演算する(ステップ#42)。そして、種別判定手段13において、集合体Aの面積がPa以上(面積≧Pa)であって周長がQa以上(周長≧Qa)であるか否かについて判断する(ステップ#43)。ここで、Pa及びQaの値の設定基準については上述のとおりである。そして、面積≧Paかつ周長≧Qaである場合には(ステップ#43:YES)、種別判定手段13において、ステップ#42の演算結果に基づいて、集合体Aの代表軸MaとリンクLとの角度が平行であるか否かについて判断する(ステップ#44)。集合体Aの代表軸MaとリンクLとの角度が平行である場合には(ステップ#44:YES)、当該集合体Aは連続する長い実線状の道路ペイント(実線状の区画線の道路ペイント)である可能性が高い。そこで次に、集合体Aの図心OaとリンクLとの距離を演算する(ステップ#45)。
そして、種別判定手段13において、集合体Aの図心OaとリンクLとの距離が±2〔m〕以内であるか否かについて判断する(ステップ#46)。図心OaとリンクLとの距離が±2〔m〕以内である場合には(ステップ#46:YES)、当該集合体Aは道路の幅方向中央付近に存在する可能性が高いので「車道中央線実線」と判定する(ステップ#47)。図7に示す例では、A1の符号が付された集合体Aが「車道中央線実線」と判定される。一方、図心OaとリンクLとの距離が±2〔m〕以内でない場合には(ステップ#46:NO)、図心OaとリンクLとの距離が道路幅員の1/2離間した位置から±2〔m〕以内であるか否かについて判断する(ステップ#48)。そして、図心OaとリンクLとの距離が道路幅員の1/2離間した位置から±2〔m〕以内である場合には(ステップ#48:YES)、当該集合体Aは道路の幅方向両側付近に存在する可能性が高いので「側線」と判定する(ステップ#49)。図7に示す例では、A2の符号が付された集合体Aが「側線」と判定される。図心OaとリンクLとの距離が道路幅員の1/2離間した位置から±2〔m〕以内でない場合には(ステップ#48:NO)、当該集合体Aは道路の幅方向中央付近及び両側付近のいずれにもない可能性が高いので「車線境界線実線」と判定する(ステップ#50)。図7に示す例では、「車線境界線実線」と判定される道路ペイントは存在しない。なお、図7においてA3の符号が付された集合体Aの存在する位置に連続する長い実線状の道路ペイントが存在していた場合には、それが「車線境界線実線」と判定される。
一方、面積≧Paかつ周長≧Qaでない場合(ステップ#43:NO)、又は集合体Aの代表軸MaとリンクLとの角度が平行でない場合(ステップ#44:NO)には、種別判定手段13において、集合体Aの面積がPb以上Pc以下(Pb≦面積≦Pc)であって周長がQb以上Qc以下(Qb≦周長≦Qc)であるか否かについて判断する(ステップ#51)。ここで、Pb、Pc、Qb、及びQcの値の設定基準については上述のとおりである。そして、Pb≦面積≦PcかつQb≦周長≦Qcでない場合には(ステップ#51:NO)、「その他」と判定する(ステップ#52)。ここで「その他」には、車両や信号機等のノイズ、判別対象となっていない道路ペイント等が含まれる。Pb≦面積≦PcかつQb≦周長≦Qcである場合には(ステップ#51:YES)、当該集合体Aは破線状の道路ペイント(破線状の区画線の道路ペイント)又は短い実線状の道路ペイントを構成する集合体Aである可能性が高い。そこで次に、種別判定手段13において、ステップ#42の演算結果に基づいて、集合体Aの代表軸MaとリンクLとの角度が垂直であるか否かについて判断する(ステップ#53)。集合体Aの代表軸MaとリンクLとの角度が垂直である場合には(ステップ#53:YES)、当該集合体AはリンクLに垂直な短い実線状の道路ペイントである可能性が高いので「停止線」と判定する(ステップ#54)。図7に示す例では、A4の符号が付された集合体Aが「停止線」と判定される。
一方、集合体Aの代表軸MaとリンクLとの角度が垂直でない場合には(ステップ#53:NO)、フローは図12へ進み、グループ化手段19により、同程度の面積及び周長を有して所定内の間隔で近接して配置された複数の集合体Aを一つにグループ化する(ステップ#54)。その結果、図8に示すように、「車道中央線破線」、「車線境界線破線」、「横断歩道」、及び「ゼブラゾーン」等の複数の集合体Aにより一まとまりの道路ペイントを構成する可能性があるものを一つのグループにすることができる。そして、種別判定手段13において、ステップ#42の演算結果に基づいて、グループ内の各集合体Aの代表軸MaがリンクLに平行か否かについて判断する(ステップ#55)。グループ内の各集合体Aの代表軸MaがリンクLに平行でない場合には(ステップ#55:NO)、次に、グループ内の各集合体Aの代表軸Maの方向が互いに平行であるか否かについて判断する(ステップ#56)。そして、グループ内の各集合体Aの代表軸Maの方向が互いに平行である場合には(ステップ#56:YES)、当該グループはリンクLに対して同じ角度で傾斜して複数の集合体Aが配置されたグループである可能性が高いので「ゼブラゾーン」と判定する(ステップ#57)。図8に示す例では、A5の符号が付された集合体Aが「ゼブラゾーン」と判定される。また、グループ内の各集合体Aの代表軸Maの方向が互いに平行でない場合には(ステップ#56:NO)、グループ内の集合体Aの相互間に規則性が見られないので、「その他」と判定する(ステップ#58)。「その他」の内容は上記のとおりである。
一方、グループ内の各集合体Aの代表軸MaがリンクLに平行である場合には(ステップ#55:YES)、次に、特徴量抽出手段12により、グループ化された複数の集合体Aの図心Oaを結ぶ方向(図心連結方向)とリンクLとの角度を演算する(ステップ#59)。そして、種別判定手段13において、グループ化された複数の集合体Aの図心連結方向とリンクLとの角度が平行か否かについて判断する(ステップ#60)。グループ化された複数の集合体Aの図心連結方向とリンクLとの角度が平行でない場合には(ステップ#60:NO)、グループ化された複数の集合体Aの図心連結方向とリンクLとの角度が垂直か否かについて判断する(ステップ#61)。そして、垂直である場合には(ステップ#61:YES)、当該グループはリンクLに対して平行な複数の集合体AがリンクLに直交する方向に互いに離間して配置されたグループである可能性が高いので「横断歩道」と判定する(ステップ#62)。図8に示す例では、A6の符号が付された集合体Aが「横断歩道」と判定される。垂直でない場合には(ステップ#61:NO)、「ゼブラゾーン」と判定する(ステップ#57)。
一方、グループ化された複数の集合体Aの図心連結方向とリンクLとの角度が平行である場合には(ステップ#60:YES)、当該集合体Aのグループは破線状の道路ペイント(破線状の区画線の道路ペイント)である可能性が高い。そこで次に、特徴量抽出手段12により、グループ化された複数の集合体Aの図心Oaを結ぶ線(図心連結線)とリンクとの距離を演算する(ステップ#63)。そして、種別判定手段13において、グループ化された複数の集合体Aの図心連結線とリンクとの距離が±2〔m〕以内であるか否かについて判断する(ステップ#64)。そして、グループ化された複数の集合体Aの図心連結線とリンクとの距離が±2〔m〕以内である場合には(ステップ#64:YES)、当該集合体Aのグループは道路の幅方向中央付近に存在する可能性が高いので「車道中央線破線」と判定する(ステップ#65)。図8に示す例では、「車道中央線破線」と判定される道路ペイントは存在しない。なお、図7においてA1の符号が付された集合体Aの存在する位置に破線状の道路ペイントが存在していた場合には、それが「車道中央線破線」と判定される。一方、グループ化された複数の集合体Aの図心連結線とリンクとの距離が±2〔m〕以内でない場合には(ステップ#64:NO)、当該集合体Aのグループは道路の幅方向中央付近にない可能性が高く、ここでは破線の「側線」を認識対象としていないので、「車線境界線破線」と判定する(ステップ#65)。図8に示す例では、A3の符号が付された集合体Aが「車線境界線破線」と判定される。以上で「種別判定」処理を終了する。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態においては、図心OpとリンクLとの距離に関する予備判定条件、及び図心OaとリンクLとの距離に関する種別判定条件として、「±2〔m〕以内」及び「道路幅員の1/2離間した位置から±2〔m〕以内」という条件を用いる場合について説明した。しかし、このような定数的な条件設定は、単なる一例に過ぎない。したがって、これらの条件を、例えば、一車線の幅を決定するリンク情報としての道路幅員及び車線数に係る属性の関数とすることも好適な実施形態の一つである。
(2)上記の実施形態においては、結合手段11は、複数の領域凸ポリゴンPについて(i)「主軸Mpの方向の差異が所定の許容範囲内であること」、(ii)「主軸Mpと交差する辺を介して連接すること」、(iii)「共通の候補種別情報が付与されていること」の3つの条件に適合する複数の領域凸ポリゴンPを、同じ道路ペイントを構成する集合体Aとして結合する場合について説明した。しかし、結合手段11の結合条件はこれに限定されるものではない。したがって、例えば、結合手段11は、共通の候補種別情報が付与され、連結されて一の閉領域を形成する複数の領域凸ポリゴンPを、同じ道路ペイントを構成する集合体Aとして結合する構成とすることも好適な実施形態の一つである。なお、連結されて一の閉領域を形成する複数の領域凸ポリゴンPとは、一つの閉領域を構成するように直接又は他の領域凸ポリゴンPを介して互いに接するように配置された複数の領域凸ポリゴンPのことを指している。
(3)上記の実施形態においては、集合体Aの代表軸Maが、各領域凸ポリゴンPの面積を重みとした各領域凸ポリゴンPの主軸Mpの重み付け平均を表すベクトルとして演算される場合について説明した。しかし、集合体Aの代表軸Maの演算方法は、これに限定されない。したがって、例えば集合体Aの断面二次モーメントが最小となる主軸を代表軸として演算することも好適な実施形態の一つである。
(4)上記の実施形態において用いた領域凸ポリゴンPについての予備的特徴量、並びに集合体Aについての特徴量(個別特徴量及びグループ特徴量)は一例であり、必ずしもこれらの特徴量を全て抽出する必要はなく、判定対象となる道路ペイントの種別数によっては、これらの内の一部のみを抽出することも好適な実施形態の一つである。また、これらの特徴量以外の特徴量を抽出することも好適な実施形態の一つである。
本発明の実施形態に係る道路ペイント認識システムの概略構成を示すブロック図 本発明の実施形態に係る道路画像情報から輪郭線情報を抽出後の状態を示す図 図2の一部における凸ポリゴン分割後の状態を示す図 図3に示す領域凸ポリゴンの図心及び主軸を示す図 図2の輪郭線情報から凸ポリゴン分割後であって道路ネットワーク情報取得後の状態を示す図 図5の領域凸ポリゴンを結合して集合体を生成した後の状態を示す図 図6に示す集合体の図心及び代表軸を示す図 図7に示す集合体のグループ化後の状態を示す図 本発明の実施形態に係る道路ペイントの認識処理方法の全体を示すフローチャート 図9のステップ#08の「予備判定」処理の詳細を示すフローチャート 図9のステップ#11の「種別判定」処理の前半部分の詳細を示すフローチャート 図9のステップ#11の「種別判定」処理の後半部分の詳細を示すフローチャート 背景技術に係る電子地図データ生成システムの構成を示すブロック図
符号の説明
1:システム本体
2:道路画像情報データベース
3:道路ネットワークデータベース
4:道路ペイント情報データベース
6:画像情報取得手段
7:輪郭線情報抽出手段
8:ポリゴン分割手段
9:予備特徴量抽出手段
10:予備判定手段
11:結合手段
12:特徴量抽出手段
13:種別判定手段
14:道路ペイント情報生成手段
15:図心演算手段
16:主軸演算手段
17:道路ネットワーク情報取得手段
18:代表軸演算手段
19:グループ化手段
20:予備判定テーブル
21:種別判定テーブル
22:ポリゴン情報取得手段
23:多角形要素情報取得手段
N:ノード
L:リンク
P:領域凸ポリゴン
Op:領域凸ポリゴンの図心
Mp:領域凸ポリゴンの主軸
A:集合体
Oa:集合体の図心
Ma:集合体の代表軸

Claims (8)

  1. 道路ペイントの少なくとも一部を構成すると共に複数の凸ポリゴンを結合した集合体である多角形要素についての、前記凸ポリゴンの形状及び配置の情報を含む凸ポリゴン情報を取得する凸ポリゴン情報取得手段と、
    位置情報を有する複数のノード及び2個のノード間をつなぐリンクを有する道路ネットワーク情報を取得する道路ネットワーク情報取得手段と、
    前記凸ポリゴン情報及び前記道路ネットワーク情報に基づいて、前記凸ポリゴンに関する所定の予備的特徴量を抽出する予備的特徴量抽出手段と、
    道路ペイント種別毎の前記予備的特徴量の条件を定めた予備判定条件に基づいて、前記各凸ポリゴンについて、候補となる一又は二以上の道路ペイント種別を判定し、判定結果を表す候補種別情報を付与する予備判定手段と、
    共通の前記候補種別情報が付与されているという条件を含む所定の結合条件に従って複数の前記凸ポリゴンを結合し、前記多角形要素を生成する結合手段と、
    前記多角形要素の形状及び配置の情報を含む多角形要素情報を取得する多角形要素情報取得手段と、
    記多角形要素情報及び前記道路ネットワーク情報に基づいて、前記多角形要素に関する所定の特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
    道路ペイント種別毎の前記特徴量の条件を定めた種別判定条件に従って、各多角形要素の道路ペイント種別を判定する判定手段と、
    を備える道路ペイント認識システム。
  2. 前記特徴量抽出手段は、前記多角形要素毎の前記特徴量を抽出するとともに、所定のグループ化条件に適合する複数の前記多角形要素からなるグループ毎の前記特徴量を抽出する請求項1に記載の道路ペイント認識システム。
  3. 前記特徴量は、前記多角形要素の面積、前記多角形要素の周長、前記多角形要素の長手方向を代表する軸と前記リンクとの角度、及び前記多角形要素の図心と前記リンクとの距離のいずれか一つ以上を含む請求項1又は2に記載の道路ペイント認識システム。
  4. 前記複数の多角形要素からなるグループ毎の特徴量は、前記グループ内の複数の多角形要素の図心を結ぶ方向と前記リンクとの角度、前記グループ内の複数の多角形要素の図心を結ぶ線と前記リンクとの距離、及び前記グループ内の各多角形要素の長手方向を代表する軸同士の角度のいずれか一つ以上を含む請求項2に記載の道路ペイント認識システム。
  5. 前記予備的特徴量は、前記凸ポリゴンの断面二次モーメントが最小となる主軸と前記リンクとの角度、及び前記凸ポリゴンの図心と前記リンクとの距離のいずれか一つ以上である請求項1〜4の何れかに記載の道路ペイント認識システム。
  6. 前記結合条件は、複数の前記凸ポリゴンについて、前記各凸ポリゴンの断面二次モーメントが最小となる主軸の方向の差異が所定範囲内であること、及び前記主軸と交差する辺を介して連接することを含む請求項1〜5の何れかに記載の道路ペイント認識システム。
  7. 道路ペイント認識システムが実行する道路ペイント認識方法であって、
    道路ペイントの少なくとも一部を構成すると共に複数の凸ポリゴンを結合した集合体である多角形要素についての、前記凸ポリゴンの形状及び配置の情報を含む凸ポリゴン情報を取得する凸ポリゴン情報取得ステップと、
    位置情報を有する複数のノード及び2個のノード間をつなぐリンクを有する道路ネットワーク情報を取得する道路ネットワーク情報取得ステップと、
    前記凸ポリゴン情報及び前記道路ネットワーク情報に基づいて、前記凸ポリゴンに関する所定の予備的特徴量を抽出する予備的特徴量抽出ステップと、
    道路ペイント種別毎の前記予備的特徴量の条件を定めた予備判定条件に基づいて、前記各凸ポリゴンについて、候補となる一又は二以上の道路ペイント種別を判定し、判定結果を表す候補種別情報を付与する予備判定ステップと、
    共通の前記候補種別情報が付与されているという条件を含む所定の結合条件に従って複数の前記凸ポリゴンを結合し、前記多角形要素を生成する結合ステップと、
    前記多角形要素の形状及び配置の情報を含む多角形要素情報を取得する多角形要素情報取得ステップと、
    記多角形要素情報及び前記道路ネットワーク情報に基づいて、前記多角形要素に関する所定の特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
    道路ペイント種別毎の前記特徴量の条件を定めた種別判定条件に従って、各多角形要素の道路ペイント種別を判定する判定ステップと、
    を備える道路ペイント認識方法。
  8. 道路ペイントデータベースの作成システムが実行する道路ペイントデータベースの作成方法であって、
    道路ペイントの少なくとも一部を構成すると共に複数の凸ポリゴンを結合した集合体である多角形要素についての、前記凸ポリゴンの形状及び配置の情報を含む凸ポリゴン情報を取得する凸ポリゴン情報取得ステップと、
    位置情報を有する複数のノード及び2個のノード間をつなぐリンクを有する道路ネットワーク情報を取得する道路ネットワーク情報取得ステップと、
    前記凸ポリゴン情報及び前記道路ネットワーク情報に基づいて、前記凸ポリゴンに関する所定の予備的特徴量を抽出する予備的特徴量抽出ステップと、
    道路ペイント種別毎の前記予備的特徴量の条件を定めた予備判定条件に基づいて、前記各凸ポリゴンについて、候補となる一又は二以上の道路ペイント種別を判定し、判定結果を表す候補種別情報を付与する予備判定ステップと、
    共通の前記候補種別情報が付与されているという条件を含む所定の結合条件に従って複数の前記凸ポリゴンを結合し、前記多角形要素を生成する結合ステップと、
    前記多角形要素の形状及び配置の情報を含む多角形要素情報を取得する多角形要素情報取得ステップと、
    記多角形要素情報及び前記道路ネットワーク情報に基づいて、前記多角形要素に関する所定の特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
    道路ペイント種別毎の前記特徴量の条件を定めた種別判定条件に従って、各多角形要素の道路ペイント種別を判定する判定ステップと、
    道路ペイント種別が判定された前記多角形要素情報を、当該道路ペイント種別の道路ペイント情報としてデータベースに登録する道路ペイント情報登録ステップと、
    を備える道路ペイントデータベースの作成方法。
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