JP4706583B2 - ベルレス高炉への装入物装入方法 - Google Patents

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本発明は、高炉における装入物の装入方法に関し、さらに詳しくは、高炉炉頂部に炉頂バンカーと分配シュートを有するベルレス高炉において、鉱石に小塊コークスを混合するとともに、炉内における小塊コークスの堆積位置を調整する装入物装入方法に関する。
高炉操業においては、一般に炉上部から還元材としてのコークスと、鉄源としての焼結鉱、ペレット、塊鉱石など(以下、これらの鉄源を総称して「鉱石」という)が交互に装入され、炉下部の羽口から熱風が送風されるとともに微粉炭やタールなどが吹き込まれる。
高炉の安定操業を維持するには、良好な通気性を確保し、炉内のガス流れを安定化すること、すなわち、安定した中心ガス流および炉壁ガス流を確保することが必要である。高炉内における通気性は、装入されるコークスおよび鉱石(以下、「装入物」ともいう)の性状、粒度および装入量により大きく影響を受けるが、それ以外に、炉頂からの装入物の装入方法、例えば、炉内に装入する装入物の分布状況によっても大きく影響を受ける。
高炉内の通気性を改善する方法として、鉱石層中に小塊コークスを混合装入することにより、高炉下部に形成される融着帯(鉱石層が軟化融着した通気抵抗の大きい領域)の通気性を改善できることが知られている。このため、高炉内における融着帯の通気性を改善することを目的とした鉱石とコークスの混合方法が数多く開示されている。
例えば、特許文献1には、鉱石ホッパ群の下流側先頭複数個の鉱石ホッパにコークスを装入し、鉱石類切出コンベア上の鉱石全量の先頭部分10%以内においてコークスを排出開始し、鉱石層全量の30%以上の上部にコークスを積層し、この積層した鉱石とコークスとを鉱石類切出ホッパに装入し、鉱石類切出ホッパから切出した鉱石とコークスとを炉頂バンカーに装入し、炉頂バンカーから排出した鉱石とコークスを旋回シュートを介して高炉内に装入するベルレス高炉における原料装入方法が開示されている。この方法は、鉱石中のコークスの割合を炉内の半径方向で均一化することを目的としている。
しかし、高炉内の通気性は、炉壁部における装入物の通気抵抗に大きく影響されることから、鉱石とコークスの混合物を炉内半径方向に均一に装入するよりも、通気性の改善効果の高い部位に配分して装入する方が、炉内での還元効率の向上および通気性の改善には顕著な効果を発揮する。
また、特許文献2には、高炉の炉壁から500mmの範囲の鉱石層の直上に粒径が5〜30mmの小塊コークスを装入することによって、炉壁近傍のガス流分布と温度分布を調整し、炉壁付着物の形成を防止する高炉操業方法が開示されている。しかし、高炉は炉容積に応じて炉口半径が異なることから、炉壁から500mmの範囲を規定しても、高炉の炉口半径の大きさによって小塊コークスの炉内半径方向の相対的位置が相違する。したがって、この方法は、全ての高炉に対して適用できるものではない。また、大型高炉の場合には、一部の小塊コークスが炉中心部に流れ込み、中心流を阻害するおそれがある。
さらに、特許文献3には、コークスおよび鉱石類の双方の原料をそれぞれ粒度別に2つ以上に分割し、粒度別のコークスと鉱石とを細粒は細粒同士、粗粒は粗粒同士で混合し、炉の中心および中間領域に粗粒の混合物を、炉壁部の領域に細粒の混合物を装入する方法が開示されている。
しかし、特許文献3で開示される方法では、細粒原料同士を混合した原料を炉壁部の領域に装入することから、炉壁部に極端に粒度の小さい原料が集中することにより、炉内の通気性が大幅に悪化することが予想される。したがって、この方法を実施する際には、小塊コークスの使用量およびその効果に制約が生じることが予想される。
一方、近年の高炉操業方法においては、高炉装入物の分布制御性の向上を目的として、多バッチ装入法が主流となりつつある。多バッチ装入法とは、1回の装入物の装入(これを1チャージと称する)として、各装入物を複数のバッチに分けて炉内に装入することにより、炉内において複数の鉱石層を形成させる装入方法である。
例えば、1チャージとして、鉱石を2バッチに分けて炉内に装入する場合には、炉内において2つの鉱石層が形成されることになる。多バッチ装入法の中でも、特に、鉱石バッチの多バッチ化は、炉内におけるコークス崩れ現象を有効利用した炉内通気性の改善に好適な装入方法であり、また、安価装入物および細粒装入物の使用量増加に好適な装入方法であることから、ベルレス高炉においては不可欠な装入方法となっている。
例えば、特許文献4には、炉内半径方向の中間部から周辺部の鉱石層中に粒径が5〜40mmの中小塊コークスを混合する高炉操業方法が開示されており、さらに、鉱石を2回に分けて装入して炉内に2つの鉱石層を形成するとともに、いずれか一方の鉱石層の炉半径方向の中間部から周辺部の鉱石中に中小塊コークスを混合する方法が開示されている。
しかし、特許文献4で開示された方法は、鉱石を2バッチに分け、その一方のバッチにのみ中小塊コークスを混合する方法であることから、中小塊コークスを混合しないバッチから装入された鉱石層においては、中小塊コークス混合の効果が得られないという問題がある。
また、特許文献5には、装入物を炉中心部から炉壁部に向かって装入する高炉の操業方法において、鉱石を2バッチ以上に分割し、分割された1つのバッチを小塊コークスと混合した混合バッチとし、該混合バッチを、炉壁部へ装入することにより、円滑かつ安定した操業が可能となる高炉操業方法が開示されている。しかし、特許文献5で開示された方法では、炉中心部から炉壁部に向かって装入することから、小塊コークスと鉱石の混合が促進されず、その結果、小塊コークスの装入が炉壁部への装入に限定されるという問題がある。
本出願人は、これらの問題点を解決するために特許文献6において、鉱石を2以上のバッチに分割して装入する方法として、装入する鉱石の分割された各バッチに小塊コークスを混合し、鉱石第2バッチ以降における小塊コークス混合量を鉱石第1バッチにおける小塊コークス混合量よりも多くすることを特徴とするベルレス高炉への装入物装入方法を提案した。この方法により、小塊コークスの混合量および炉内への装入位置が適正化され、中小塊コークス混合の効果が十分に発揮されないという問題点は解決された。
このように、特許文献6で提案された方法は、小塊コークス混合の効果を最大限に高めて炉下部融着帯領域における通気性を改善し、炉内ガス流れを安定化してベルレス高炉の安定操業を図ることができる優れた装入物装入方法である。しかし、特許文献6で提案された装入物装入方法は、炉壁の熱負荷が高い場合、例えば、炉内装入物の半径方向の分布状態に起因して、中心側より炉壁側の通気性がよく、羽口からの送風が中心側より炉壁側に流れるような場合には、さらなる改善の余地があることが判明した。
すなわち、特許文献6で提案された方法では、鉱石第2バッチ以降の小塊コークス混合量を鉱石第1バッチにおける小塊コークス混合量よりも多く使用することから、炉壁部に近い融着帯の通気性の改善効果が過剰になる事態が発生する。このため、融着帯よりも炉壁側でのガス流れが強くなることから、炉壁の熱負荷がさらに上昇することが確認された。
特許第2820478号公報(特許請求の範囲および第2頁左欄40行〜右欄2行) 特開平8−239705号公報(特許請求の範囲および段落[0006]) 特開昭63−140006号公報(特許請求の範囲および第2頁右下欄2〜15行) 特開2002−3910号公報(特許請求の範囲および段落[0020]) 特許第3700457号公報(特許請求の範囲および段落[0010]) 特開2005−290511号公報(特許請求の範囲および段落[0023])
前述の通り、高炉の安定操業のためには、高炉内における鉱石の還元効率を高め、炉下部の融着帯における通気性を良好に維持することが不可欠であり、そのためには、鉱石層中に小塊コークスを混合することが有効である。
しかしながら、鉱石層中に小塊コークスを混合する方法を採用しても、小塊コークスの混合方法および炉内への装入位置によっては、その効果が十分に発揮されないという問題がある。さらに、炉壁の熱負荷が高い場合には、炉壁側に近い融着帯の通気性の改善効果が過剰になると、融着帯よりも炉壁側でのガス流れが強くなることから、炉壁の熱負荷がさらに上昇するという問題もある。
本発明は、鉱石を2以上のバッチに分割して装入する方法において、各バッチ中へ装入された小塊コークスの混合装入効果を最大限に発揮させることにより、炉下部融着帯領域における通気性を改善し、炉内ガス流れを安定化して高炉の安定操業を図ることができるベルレス高炉への装入物装入方法を提供することを課題としている。
本発明者は、前記の課題を解決するために、従来の問題点を踏まえて、高炉内における温度、ガス組成および装入物荷重条件にシミュレートした高温までの昇温荷重軟化試験を主体とした種々の検討を重ねた。その結果、下記の(a)〜(d)に示す知見を得た。
(a)鉱石を2以上のバッチ(炉内装入後には2以上の層を形成)に分割し、その分割されたバッチに小塊コークスを混合して高炉内に装入するに際して、各々の鉱石層中に小塊コークスを混合すると、特定の鉱石層にのみ小塊コークスを混合した場合に比べて、鉱石の還元反応が速やかに進行し、通気性も良好となることから、高温荷重軟化特性(コークスおよび鉱石充填層におけるガスの圧力損失を昇温試験温度にわたって積分した値を意味する)は向上する。
(b)装入物を炉壁側から炉中心部に向かって装入すると、小塊コークスが炉内装入物堆積層の最上表面、すなわち、ストックレベルの傾斜面に沿って流れ込むことから、小塊コークスと鉱石の混合を促進することが可能となるので、鉱石の還元反応がより速やかに進行し、高温荷重軟化特性も向上する。
(c)鉱石に混合された小塊コークスの装入後の堆積位置は、炉壁から炉口半径の30%以内の領域とするのが望ましい。前記の堆積位置が炉壁から炉口半径の30%を超えて大きくなると、ストックレベルの傾斜面に沿って流れ込む小塊コークスが炉中心部まで達し、高炉の断面積に対して大きな比率を占める炉壁部における融着帯の通気性改善効果が低減するからである。
(d)鉱石第2バッチ以降よりも、鉱石第1バッチの小塊コークスの混合量を多くすることにより、炉壁部のガス流れの制御が容易になる。その理由は、炉壁の熱負荷が高い場合には、鉱石第2バッチ以降の小塊コークスを多くすることによって炉壁部に近い融着帯の通気性の改善効果が過剰になる事態が発生することから、鉱石第1バッチに小塊コークスを多く装入し、炉壁から炉口半径の30%以内の領域で鉱石と小塊コークスの混合層を形成させることによって、この領域における炉壁部融着帯の通気性が改善され、ガス流れの制御が容易になるからである。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、下記の(1)および(2)に示すベルレス高炉への装入物の装入方法を要旨としている。
(1)鉱石を2以上のバッチに分割して装入するベルレス高炉への装入物装入方法であって、装入する鉱石の分割された各バッチに粒径が5〜40mmの小塊コークスを混合し、鉱石第1バッチにおける小塊コークス混合量を鉱石第2バッチ以降における小塊コークス混合量より多くするとともに、炉壁側から炉中心部に向かって装入物を装入することを特徴とするベルレス高炉への装入物装入方法。
(2)鉱石に混合された小塊コークスの高炉内装入後の炉内での堆積位置と炉壁との炉半径方向距離をX、高炉の炉口半径をRとしたとき、前記小塊コークスの堆積位置と炉壁との距離および炉口半径が下記(1)式で表される関係を満足する前記(1)に記載のベルレス高炉への装入物装入方法。
X/R≦0.3 ・・・(1)
本発明において、「炉壁側から炉中心部に向かって装入物を装入する」とは、分配シュートを回転させながら、その傾斜角度(分配シュートの長手方向と鉛直線とのなす角度)を順次低下させることにより、炉壁側から炉中心部に向かって螺旋状または多重リング状に装入物を装入することを意味する。
また、「鉱石に混合された小塊コークスの高炉内装入後の炉内での堆積位置」とは、鉱石の各バッチ中に混合された小塊コークスが高炉内に装入された後、ストックレベル面上で堆積した炉内半径方向の位置を意味する。
本発明のベルレス高炉への装入物装入方法によれば、鉱石を2以上のバッチに分け、各バッチ中への小塊コークスの混合量および炉内への小塊コークスの装入位置の適正化を図ることにより、小塊コークス混合の効果を最大限に高めて炉下部融着帯領域における通気性を改善し、安定した炉内ガス流れを確保して高炉の安定操業を図ることができる。
また、炉壁の熱負荷が高い場合にも、炉壁部に近い融着帯の通気性を改善しつつ、炉壁の熱負荷のさらなる上昇を抑制することができる。
本発明のベルレス高炉への装入物装入方法は、鉱石を2以上のバッチに分割して装入する方法であって、装入する鉱石の分割された各バッチに粒径が5〜40mmの小塊コークスを混合し、鉱石第1バッチにおける小塊コークス混合量を鉱石第2バッチ以降における小塊コークス混合量より多くするとともに、炉壁側から炉中心部に向かって装入物を装入することを特徴とする。以下に、本発明を前記の範囲に限定した理由および好ましい範囲について説明する。
(1)装入物を炉壁側から炉中心側へ装入
炉壁側から炉中心部に向かって装入物を装入することにより、ストックレベルの傾斜を利用して小塊コークスと鉱石との混合が促進されるからである。このように、小塊コークスと鉱石の混合が促進されると、鉱石の還元反応がより速やかに進行するとともに、融着帯の通気性改善作用がより顕著に発揮されることになる。
(2)鉱石第2バッチ以降よりも第1バッチに多量の小塊コークスを混合
鉱石の各バッチ中に小塊コークスを混合する理由は、小塊コークスを各バッチの鉱石層に混合すると、小塊コークスと鉱石との接触面積が大きくなり、炉内を上昇する還元ガスによって効率よく還元が進行するからである。
しかし、炉壁の熱負荷が高い場合には、炉壁部に近い融着帯の通気性の改善効果が過剰になると、融着帯よりも炉壁側でのガス流れが強くなることから、炉壁の熱負荷がさらに上昇するという問題もある。
このため、本発明の装入物装入方法では、鉱石を2以上のバッチに分割して装入した場合に、第1バッチにおける鉱石中の小塊コークス混合率を、第2バッチ以降における鉱石層中の小塊コークス混合率よりも高くすることにより、融着帯の通気性の改善効果を適正化させた。鉱石第2バッチ以降よりも第1バッチに多量の小塊コークスを混合することにより、通気性の改善効果が適正化される理由は下記のとおりである。
第1バッチの鉱石層はコークス層上に装入される際に、斜面分級の効果によりコークス層と鉱石層の混合が進む。これに対し、第2バッチ以降の鉱石層はコークスとの混合はおこり難くなる。
本発明の装入物装入方法では、第1バッチの鉱石層中に小塊コークスを多量に混合することにより、さらにコークスと鉱石との接触を高め、鉱石の還元を速やかに進行させることができる。
すなわち、鉱石の還元を速やかに進行させるために、第2バッチ以降の鉱石層に小塊コークスを多量に混合することを要しないため、炉壁側に近い融着帯の通気性の改善効果が過剰にならないからである。
(3)小塊コークスの粒径5〜40mm
小塊コークスとして、粒径が5〜40mmのものを用いる理由は、この粒子径の範囲であれば高炉内を降下する間に鉱石との還元反応が効率よく行われ、かつ、小塊コークスとして必要量を確保できるからである。
(4)小塊コークスの炉内装入後の堆積位置と炉壁との炉半径方向距離の比、(X/R)の値が0.3以下
比(X/R)の値は0.3以下とすることが好ましい。前記の比の値が0.3以下では、炉壁側から炉中心部に向かって装入物を装入する場合においても小塊コークスがストックレベルの傾斜面に沿って炉中心部まで流れ込むことも少なく、融着帯の通気性改善作用が発揮されるからである。
本発明の装入方法の効果を確認するため、炉内容積が5370m3の高炉で試験操業を行い、その結果を評価した。なお、試験操業は、出銑比:2.1t/d/m3、(Ore/Coke)比:4.4、微粉炭吹込量:120kg/t−pig、コークスベース:31tを基準条件として、同一操業条件にて5日間の継続操業を行い、その後、次の操業条件による操業に移行して5日間の継続操業を行った。鉱石は1チャージ(ch)を2バッチに分割して装入し、鉱石1チャージ当たりの小塊コークス混合量を3.2t/chで一定として、鉱石の各バッチ中の小塊コークス混合量を種々に変更して、操業を行った。試験操業条件および操業結果を表1に示した。
Figure 0004706583
同表において、ガス利用率とは、高炉上昇管にて採取したガス分析値に基づき、下記(2)式により算出される値であり、その値が大きいほど還元効率が高いことを意味する。
ガス利用率=CO2(%)×100/(CO(%)+CO2(%))・・・(2)
また、高炉内通気抵抗指数(KR)は、下記(3)式により算出される指数であり、その値が小さいほど炉内通気性が良好なことを示す。
KR=(PB−PT)/L/(kμβρ1-β2-β) ・・・(3)
ここで、KRは高炉通気抵抗指数(1/m)、PBおよびPTはそれぞれ送風圧力および炉頂圧力(Pa)、Lは羽口と炉頂間の距離(m)、βおよびkはガス流れの形態などにより定まる定数、μはガスの粘度(Pa・s)、ρはガスの密度(kg/m3)、そしてuは炉内のガス流速(m/s)をそれぞれ表す。
なお、試験結果は、表1の欄外に示したとおりの方法で、炉内ガス利用率および高炉内通気抵抗指数の値によりA〜Eの5段階に区分して評価した。
試験番号T1、T2およびT3は、本発明で規定する範囲を満足する本発明例の試験であり、試験番号T4、T5およびT6は、本発明で規定する範囲を外れた比較例の試験である。
本発明例である試験番号T2およびT3は、鉱石第2バッチ中の小塊コークス混合量と鉱石第1バッチ中の小塊コークス混合量との比であるFC2/FC1の値が1以下であり、炉下部の融着帯における鉱石の還元促進効果および通気抵抗の低減効果が発揮された結果、比較例に比べてガス利用率が高く、また、高炉内通気抵抗指数(KR)も低い値となって炉内通気性は良好であった。
本発明例である試験番号T1は、小塊コークス堆積位置が0.3以下であって、前記のFC2/FC1の値が0.3であることから、試験番号T2およびT3よりもさらにガス利用率が高く、また、炉内通気性も良好であった。
これらに対して、鉱石第2バッチ中に小塊コークスを混合しなかった比較例の試験番号T4、鉱石第1バッチ中に鉱石を混合しなかった比較例の試験番号T5、および小塊コークスが炉壁から炉口半径の30%以内の領域に堆積しなかった比較例の試験番号T6は、いずれもガス利用率が低く、また、炉内通気性も劣った結果であった。
本発明のベルレス高炉への装入物装入方法によれば、鉱石を2以上のバッチに分け、各バッチ中への小塊コークスの混合量および炉内への小塊コークスの装入位置の適正化を図ることにより、小塊コークス混合の効果を最大限に高めて炉下部融着帯領域における通気性を改善し、安定した炉内ガス流れを確保して高炉の安定操業を図ることができる。
また、炉壁の熱負荷が高い場合にも、炉壁部に近い融着帯の通気性を改善しつつ、炉壁の熱負荷の上昇を抑制することができる。
これにより、本発明の装入物装入方法は、炉下部融着帯領域における通気性を改善し、炉内のガス流れの安定化に寄与する装入物装入方法として、ベルレス高炉の操業に広く適用できる。

Claims (2)

  1. 鉱石を2以上のバッチに分割して装入するベルレス高炉への装入物装入方法であって、装入する鉱石の分割された各バッチに粒径が5〜40mmの小塊コークスを混合し、鉱石第1バッチにおける小塊コークス混合量を鉱石第2バッチ以降における小塊コークス混合量より多くするとともに、炉壁側から炉中心部に向かって装入物を装入することを特徴とするベルレス高炉への装入物装入方法。
  2. 鉱石に混合された小塊コークスの高炉内装入後の炉内での堆積位置と炉壁との炉半径方向距離をX、高炉の炉口半径をRとしたとき、前記小塊コークスの堆積位置と炉壁との距離および炉口半径が下記(1)式で表される関係を満足する請求項1に記載のベルレス高炉への装入物装入方法。
    X/R≦0.3 ・・・(1)
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