以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<1.第1実施形態>
図1は、本発明に係る基板処理装置の平面図である。また、図2は基板処理装置の液処理部の正面図であり、図3は熱処理部の正面図であり、図4は基板載置部の周辺構成を示す図である。なお、図1および以降の各図にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を適宜付している。
基板処理装置SPは、半導体ウェハ等の基板に反射防止膜やフォトレジスト膜を塗布形成するとともに、パターン露光後の基板に現像処理を行う装置(いわゆるコータ&デベロッパ)である。なお、本発明に係る基板処理装置の処理対象となる基板は半導体ウェハに限定されるものではなく、液晶表示装置用のガラス基板等であっても良い。
本実施形態の基板処理装置SPは、インデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4およびインターフェイスブロック5の5つの処理ブロックを並設して構成されている。インターフェイスブロック5にはレジスト塗布された基板の露光処理を行う露光ユニット(ステッパ)EXPが接続配置されている。つまり、基板処理装置SPは露光ユニットEXPに隣接して配置されている。また、本実施形態の基板処理装置SPおよび露光ユニットEXPはホストコンピュータ100とLAN回線を経由して接続されている。
インデクサブロック1は、装置外から未処理基板を搬入してバークブロック2やレジスト塗布ブロック3に払い出すとともに、現像処理ブロック4から受け取った処理済み基板を装置外に搬出するための処理ブロックである。インデクサブロック1は、複数のキャリアC(本実施形態では4個)を並べて載置する載置台11と、各キャリアCから未処理の基板Wを取り出すとともに、各キャリアCに処理済みの基板Wを収納する基板移載機構12とを備えている。基板移載機構12は、経路TPに沿って(Y軸方向に沿って)水平移動可能な可動台12aを備えており、この可動台12aに基板Wを水平姿勢で保持する保持アーム12bが搭載されている。保持アーム12bは、可動台12a上を昇降(Z軸方向)移動、水平面内の旋回移動、および旋回半径方向に進退移動可能に構成されている。これにより、基板移載機構12は、保持アーム12bを各キャリアCにアクセスさせて未処理の基板Wの取り出しおよび処理済みの基板Wの収納を行うことができる。なお、キャリアCの形態としては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(front opening unified pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)であっても良い。
また、基板移載機構12が移動可能な経路TPの上方の一部にはダミー基板DWを格納するダミー基板格納部91が設けられている。ダミー基板格納部91は多段の棚構造を有しており、複数枚のダミー基板DWを収納することが可能である。ダミー基板DWは、液浸対応の露光ユニットEXPにおいて、ステージ位置校正等のパターン像の露光位置を調整するアライメント処理を行うときに基板ステージ内部への純水の侵入を防止するために使用されるものである。ダミー基板DWは、通常の(半導体デバイス製造用の)基板Wとほぼ同一の形状および大きさを有する。ダミー基板DWの材質は、通常の基板Wと同じ材料(例えばシリコン)であってもよいが、液浸露光処理時に液体への汚染物の溶出が無い素材であれば良い。また、ダミー基板DWの表面に撥水性が付与されていても良い。撥水性を付与する手法としては、フッ素化合物やシリコン化合物、或いはアクリル樹脂やポリエチレン等の撥水性を有する材料を使用したコーティング処理が挙げられる。また、ダミー基板DW自体を上記撥水性を有する材料にて形成するようにしても良い。通常の露光処理時等、アライメント処理を行わないときにはダミー基板DWは不要であるため、インデクサブロック1のダミー基板格納部91に格納されている。なお、ダミー基板格納部91へのダミー基板DWの搬出入も基板移載機構12が行う。すなわち、可動台12aが経路TPに沿って移動し、保持アーム12bが昇降動作および進退動作を行うことによってダミー基板格納部91へのダミー基板DWの搬出入を実行する。
インデクサブロック1に隣接してバークブロック2が設けられている。インデクサブロック1とバークブロック2との間には、雰囲気遮断用の隔壁13が設けられている。この隔壁13にインデクサブロック1とバークブロック2との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS1,PASS2が上下に積層して設けられている。
上側の基板載置部PASS1は、インデクサブロック1からバークブロック2へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS1は3本の支持ピンを備えており、インデクサブロック1の基板移載機構12はキャリアCから取り出した未処理の基板Wを基板載置部PASS1の3本の支持ピン上に載置する。また、基板移載機構12はダミー基板格納部91から取り出したダミー基板DWも基板載置部PASS1に載置する。そして、基板載置部PASS1に載置された基板Wまたはダミー基板DWを後述するバークブロック2の搬送ロボットTR1が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS2は、バークブロック2からインデクサブロック1へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS2も3本の支持ピンを備えており、バークブロック2の搬送ロボットTR1は処理済みの基板Wを基板載置部PASS2の3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS2に載置された基板Wを基板移載機構12が受け取ってキャリアCに収納する。なお、後述する基板載置部PASS3〜PASS10の構成も基板載置部PASS1,PASS2と同じである。
基板載置部PASS1,PASS2は、隔壁13の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、基板移載機構12やバークブロック2の搬送ロボットTR1が基板載置部PASS1,PASS2に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。
次に、バークブロック2について説明する。バークブロック2は、露光時に発生する定在波やハレーションを減少させるために、フォトレジスト膜の下地に反射防止膜を塗布形成するための処理ブロックである。バークブロック2は、基板Wの表面に反射防止膜を塗布形成するための下地塗布処理部BRCと、反射防止膜の塗布形成に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー21,21と、下地塗布処理部BRCおよび熱処理タワー21,21に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR1とを備える。
バークブロック2においては、搬送ロボットTR1を挟んで下地塗布処理部BRCと熱処理タワー21,21とが対向して配置されている。具体的には、下地塗布処理部BRCが装置正面側に、2つの熱処理タワー21,21が装置背面側に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー21,21の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。下地塗布処理部BRCと熱処理タワー21,21とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー21,21から下地塗布処理部BRCに熱的影響を与えることを回避しているのである。
下地塗布処理部BRCは、図2に示すように、同様の構成を備えた3つの塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3を下から順に積層配置して構成されている。なお、3つの塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3を特に区別しない場合はこれらを総称して下地塗布処理部BRCとする。各塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック22、このスピンチャック22上に保持された基板W上に反射防止膜用の塗布液を吐出する塗布ノズル23、スピンチャック22を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック22上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー21には、基板Wを所定の温度にまで加熱する6個のホットプレートHP1〜HP6と、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP1〜CP3とが設けられている。この熱処理タワー21には、下から順にクールプレートCP1〜CP3、ホットプレートHP1〜HP6が積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー21には、レジスト膜と基板Wとの密着性を向上させるためにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)の蒸気雰囲気で基板Wを熱処理する3個の密着強化処理部AHL1〜AHL3が下から順に積層配置されている。なお、図3において「×」印で示した箇所には配管配線部や、予備の空きスペースが割り当てられている。
このように塗布処理ユニットBRC1〜BRC3や熱処理ユニット(バークブロック2ではホットプレートHP1〜HP6、クールプレートCP1〜CP3、密着強化処理部AHL1〜AHL3)を多段に積層配置することにより、基板処理装置の占有スペースを小さくしてフットプリントを削減することができる。また、2つの熱処理タワー21,21を並設することによって、熱処理ユニットのメンテナンスが容易になるとともに、熱処理ユニットに必要なダクト配管や給電設備をあまり高い位置にまで引き延ばす必要がなくなるという利点がある。
図5は、バークブロック2に設けられた搬送ロボットTR1を説明するための図である。図5(a)は搬送ロボットTR1の平面図であり、(b)は搬送ロボットTR1の正面図である。搬送ロボットTR1は、基板Wを略水平姿勢で保持する2個の保持アーム6a,6bを上下に近接させて備えている。保持アーム6a,6bは、先端部が平面視で「C」字形状になっており、この「C」字形状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピン7で基板Wの周縁を下方から支持するようになっている。
搬送ロボットTR1の基台8は装置基台(装置フレーム)に対して固定設置されている。この基台8上に、ガイド軸9cが立設されるとともに、螺軸9aが回転可能に立設支持されている。また、基台8には螺軸9aを回転駆動するモータ9bが固定設置されている。そして、螺軸9aには昇降台10aが螺合されるとともに、昇降台10aはガイド軸9cに対して摺動自在とされている。このような構成により、モータ9bが螺軸9aを回転駆動することにより、昇降台10aがガイド軸9cに案内されて鉛直方向(Z方向)に昇降移動するようになっている。
また、昇降台10a上にアーム基台10bが鉛直方向に沿った軸心周りに旋回可能に搭載されている。昇降台10aには、アーム基台10bを旋回駆動するモータ10cが内蔵されている。そして、このアーム基台10b上に上述した2個の保持アーム6a,6bが上下に配設されている。各保持アーム6a,6bは、アーム基台10bに装備されたスライド駆動機構(図示省略)によって、それぞれ独立して水平方向(アーム基台10bの旋回半径方向)に進退移動可能に構成されている。
このような構成によって、図5(a)に示すように、搬送ロボットTR1は2個の保持アーム6a,6bをそれぞれ個別に基板載置部PASS1,PASS2、熱処理タワー21に設けられた熱処理ユニット、下地塗布処理部BRCに設けられた塗布処理ユニットおよび後述する基板載置部PASS3,PASS4に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、レジスト塗布ブロック3について説明する。バークブロック2と現像処理ブロック4との間に挟み込まれるようにしてレジスト塗布ブロック3が設けられている。このレジスト塗布ブロック3とバークブロック2との間にも、雰囲気遮断用の隔壁25が設けられている。この隔壁25にバークブロック2とレジスト塗布ブロック3との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS3,PASS4が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS3,PASS4は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
上側の基板載置部PASS3は、バークブロック2からレジスト塗布ブロック3へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、バークブロック2の搬送ロボットTR1が基板載置部PASS3に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS4は、レジスト塗布ブロック3からバークブロック2へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS4に載置した基板Wをバークブロック2の搬送ロボットTR1が受け取る。
基板載置部PASS3,PASS4は、隔壁25の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS3,PASS4には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR1,TR2が基板載置部PASS3,PASS4に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。さらに、基板載置部PASS3,PASS4の下側には、基板Wを大まかに冷却するための水冷式の2つのクールプレートWCPが隔壁25を貫通して上下に設けられている(図4参照)。
レジスト塗布ブロック3は、バークブロック2にて反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジストを塗布してレジスト膜を形成するための処理ブロックである。なお、本実施形態では、フォトレジストとして化学増幅型レジストを用いている。レジスト塗布ブロック3は、下地塗布された反射防止膜の上にレジストを塗布するレジスト塗布処理部SCと、レジスト塗布処理に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー31,31と、レジスト塗布処理部SCおよび熱処理タワー31,31に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR2とを備える。
レジスト塗布ブロック3においては、搬送ロボットTR2を挟んでレジスト塗布処理部SCと熱処理タワー31,31とが対向して配置されている。具体的には、レジスト塗布処理部SCが装置正面側に、2つの熱処理タワー31,31が装置背面側に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー31,31の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。レジスト塗布処理部SCと熱処理タワー31,31とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー31,31からレジスト塗布処理部SCに熱的影響を与えることを回避しているのである。
レジスト塗布処理部SCは、図2に示すように、同様の構成を備えた3つの塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3を下から順に積層配置して構成されている。なお、3つの塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3を特に区別しない場合はこれらを総称してレジスト塗布処理部SCとする。各塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック32、このスピンチャック32上に保持された基板W上にレジスト液を吐出する塗布ノズル33、スピンチャック32を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック32上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー31には、基板Wを所定の温度にまで加熱する6個の加熱部PHP1〜PHP6が下から順に積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー31には、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP4〜CP9が下から順に積層配置されている。
各加熱部PHP1〜PHP6は、基板Wを載置して加熱処理を行う通常のホットプレートの他に、そのホットプレートと隔てられた上方位置に基板Wを載置しておく基板仮置部と、該ホットプレートと基板仮置部との間で基板Wを搬送するローカル搬送機構34(図1参照)とを備えた熱処理ユニットである。ローカル搬送機構34は、昇降移動および進退移動が可能に構成されるとともに、冷却水を循環させることによって搬送過程の基板Wを冷却する機構を備えている。
ローカル搬送機構34は、上記ホットプレートおよび基板仮置部を挟んで搬送ロボットTR2とは反対側、すなわち装置背面側に設置されている。そして、基板仮置部は搬送ロボットTR2側およびローカル搬送機構34側の双方に対して開口している一方、ホットプレートはローカル搬送機構34側にのみ開口し、搬送ロボットTR2側には閉塞している。従って、基板仮置部に対しては搬送ロボットTR2およびローカル搬送機構34の双方がアクセスできるが、ホットプレートに対してはローカル搬送機構34のみがアクセス可能である。なお、加熱部PHP1〜PHP6は後述する現像処理ブロック4の加熱部PHP7〜PHP12と概ね同様の構成(図8)を備えている。
このような構成を備える各加熱部PHP1〜PHP6に基板Wを搬入するときには、まず搬送ロボットTR2が基板仮置部に基板Wを載置する。そして、ローカル搬送機構34が基板仮置部から基板Wを受け取ってホットプレートまで搬送し、該基板Wに加熱処理が施される。ホットプレートでの加熱処理が終了した基板Wは、ローカル搬送機構34によって取り出されて基板仮置部まで搬送される。このときに、ローカル搬送機構34が備える冷却機能によって基板Wが冷却される。その後、基板仮置部まで搬送された熱処理後の基板Wが搬送ロボットTR2によって取り出される。
このように、加熱部PHP1〜PHP6においては、搬送ロボットTR2が常温の基板仮置部に対して基板Wの受け渡しを行うだけで、ホットプレートに対して直接に基板Wの受け渡しを行わないため、搬送ロボットTR2の温度上昇を抑制することができる。また、ホットプレートはローカル搬送機構34側にのみ開口しているため、ホットプレートから漏出した熱雰囲気によって搬送ロボットTR2やレジスト塗布処理部SCが悪影響を受けることが防止される。なお、クールプレートCP4〜CP9に対しては搬送ロボットTR2が直接基板Wの受け渡しを行う。
搬送ロボットTR2の構成は、搬送ロボットTR1と全く同じである。よって、搬送ロボットTR2は2個の保持アームをそれぞれ個別に基板載置部PASS3,PASS4、熱処理タワー31,31に設けられた熱処理ユニット、レジスト塗布処理部SCに設けられた塗布処理ユニットおよび後述する基板載置部PASS5,PASS6に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、現像処理ブロック4について説明する。レジスト塗布ブロック3とインターフェイスブロック5との間に挟み込まれるようにして現像処理ブロック4が設けられている。レジスト塗布ブロック3と現像処理ブロック4との間にも、雰囲気遮断用の隔壁35が設けられている。この隔壁35にレジスト塗布ブロック3と現像処理ブロック4との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS5,PASS6が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS5,PASS6は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
上側の基板載置部PASS5は、レジスト塗布ブロック3から現像処理ブロック4へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS5に載置した基板Wを現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS6は、現像処理ブロック4からレジスト塗布ブロック3へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS6に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が受け取る。
基板載置部PASS5,PASS6は、隔壁35の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS5,PASS6には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR2,TR3が基板載置部PASS5,PASS6に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。さらに、基板載置部PASS5,PASS6の下側には、基板Wを大まかに冷却するための水冷式の2つのクールプレートWCPが隔壁35を貫通して上下に設けられている(図4参照)。
現像処理ブロック4は、露光処理後の基板Wに対して現像処理を行うための処理ブロックである。また、現像処理ブロック4においては、液浸露光処理が行われた基板Wの洗浄および乾燥を行うことも可能である。現像処理ブロック4は、パターンが露光された基板Wに対して現像液を供給して現像処理を行う現像処理部SDと、液浸露光処理後の基板Wに対する洗浄処理および乾燥処理を行う洗浄処理部SOAKと、現像処理に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー41,42と、現像処理部SD,洗浄処理部SOAKおよび熱処理タワー41,42に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR3とを備える。なお、搬送ロボットTR3は、上述した搬送ロボットTR1,TR2と全く同じ構成を有する。
現像処理部SDは、図2に示すように、同様の構成を備えた4つの現像処理ユニットSD1,SD2,SD3,SD4を下から順に積層配置して構成されている。なお、4つの現像処理ユニットSD1〜SD4を特に区別しない場合はこれらを総称して現像処理部SDとする。各現像処理ユニットSD1〜SD4は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック43、このスピンチャック43上に保持された基板W上に現像液を供給するノズル44、スピンチャック43を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック43上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
洗浄処理部SOAKは1台の洗浄処理ユニットSOAK1を備える。図2に示すように、洗浄処理ユニットSOAK1は、現像処理ユニットSD1の下側に配置される。洗浄処理ユニットSOAK1の構成は後述する洗浄処理ユニットSUの構成とほぼ同様である。洗浄処理ユニットSOAK1は、回転する基板Wに洗浄液(例えば、純水)を供給する洗浄処理、表面処理液(例えば、フッ酸)を供給する表面処理および不活性ガス(例えば、窒素ガス)を吹き付ける乾燥処理を行うことが可能である。
また、図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー41には、基板Wを所定の温度にまで加熱する5個のホットプレートHP7〜HP11と、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP10〜CP13とが設けられている。この熱処理タワー41には、下から順にクールプレートCP10〜CP13、ホットプレートHP7〜HP11が積層配置されている。
一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー42には、6個の加熱部PHP7〜PHP12とクールプレートCP14とが積層配置されている。各加熱部PHP7〜PHP12は、上述した加熱部PHP1〜PHP6と同様に、基板仮置部およびローカル搬送機構を備えた熱処理ユニットである。
図8は、基板仮置部付きの加熱部PHP7の概略構成を示す図である。図8(a)は加熱部PHP7の側断面図であり、(b)は平面図である。なお、同図には加熱部PHP7を示しているが、加熱部PHP8〜PHP12についても全く同様の構成である。加熱部PHP7は、基板Wを載置して加熱処理する加熱プレート710と、当該加熱プレート710から離れた上方位置または下方位置(本実施形態では上方位置)に基板Wを載置する基板仮置部719と、加熱プレート710と基板仮置部719との間で基板Wを搬送する熱処理部用のローカル搬送機構720とを備えている。加熱プレート710には、プレート表面に出没する複数本の可動支持ピン721が設けられている。加熱プレート710の上方には加熱処理時に基板Wを覆う昇降自在の上蓋722が設けられている。基板仮置部719には基板Wを支持する複数本の固定支持ピン723が設けられている。
ローカル搬送機構720は、基板Wを略水平姿勢で保持する保持プレート724を備え、この保持プレート724がネジ送り駆動機構725によって昇降移動されるとともに、ベルト駆動機構726によって進退移動されるように構成されている。保持プレート724には、これが加熱プレート710の上方や基板仮置部719に進出したときに、可動支持ピン721や固定支持ピン723と干渉しないように複数本のスリット724aが形成されている。
また、ローカル搬送機構720は、加熱プレート710から基板仮置部719へ基板Wを搬送する過程で基板Wを冷却する冷却手段を備えている。この冷却手段は、図8(b)に示すように、保持プレート724の内部に冷却水流路724bを設け、この冷却水流路724bに冷却水を流通させることによって構成されている。なお、冷却手段としては、保持プレート724の内部に例えばペルチェ素子等を設けるようにしても良い。
上述したローカル搬送機構720は、加熱プレート710および基板仮置部719よりも装置背面側(つまり(+Y)側)に設置されている。また、加熱プレート710および基板仮置部719の(+X)側にはインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4が、(−Y)側には現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が、それぞれ配置されている。そして、加熱プレート710および基板仮置部719を覆う筐体727の上部、すなわち基板仮置部719を覆う部位には、その(+X)側に搬送ロボットTR4の進入を許容する開口部719aが、その(+Y)側にはローカル搬送機構720の進入を許容する開口部719bが、それぞれ設けられている。また、筐体727の下部、すなわち加熱プレート710を覆う部位は、その(+X)側および(−Y)側が閉塞(つまり、搬送ロボットTR3および搬送ロボットTR4に対向する面が閉塞)される一方、(+Y)側にローカル搬送機構720の進入を許容する開口部719cが設けられている。
上述した加熱部PHP7に対する基板Wの出し入れは以下のようにして行われる。まず、インターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4が露光後の基板Wを保持して、基板仮置部719の固定支持ピン723の上に基板Wを載置する。続いて、ローカル搬送機構720の保持プレート724が基板Wの下側に進入してから少し上昇することにより、固定支持ピン723から基板Wを受け取る。基板Wを保持した保持プレート724は筐体727から退出して、加熱プレート710に対向する位置まで下降する。このとき加熱プレート710の可動支持ピン721は下降しているとともに、上蓋722は上昇している。基板Wを保持した保持プレート724は加熱プレート710の上方に進出する。可動支持ピン721が上昇して基板Wを受取位置にて受け取った後に保持プレート724が退出する。続いて、可動支持ピン721が下降して基板Wを加熱プレート710上に載せるととともに、上蓋722が下降して基板Wを覆う。この状態で基板Wが加熱処理される。加熱処理が終わると上蓋722が上昇するとともに、可動支持ピン721が上昇して基板Wを持ち上げる。続いて、保持プレート724が基板Wの下に進出した後、可動支持ピン721が下降することにより、基板Wが保持プレート724に受け渡される。基板Wを保持した保持プレート724が退出して、さらに上昇して基板Wを基板仮置部719に搬送する。この搬送過程で保持プレート724に支持された基板Wが、保持プレート724が有する冷却手段によって冷却される。保持プレート724は、冷却した(概ね常温に戻した)基板Wを基板仮置部719の固定支持ピン723上に移載する。この基板Wを搬送ロボットTR4が取り出して搬送する。
搬送ロボットTR4は、基板仮置部719に対して基板Wの受け渡しをするだけで、加熱プレート710に対して直接基板Wの受け渡しをしないので、搬送ロボットTR4が温度上昇するのを回避することができる。また、加熱プレート710に基板Wを出し入れするための開口部719cが、ローカル搬送機構720の側のみに形成されているので、開口部719cから漏洩した熱雰囲気によって搬送ロボットTR3および搬送ロボットTR4が温度上昇することがなく、また現像処理部SDおよび洗浄処理部SOAKが開口部719cから漏れ出た熱雰囲気によって悪影響を受けることもない。
以上のように、加熱部PHP7〜PHP12およびクールプレートCP14に対してはインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4はアクセス可能であるが、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3はアクセス不可である。なお、熱処理タワー41に組み込まれた熱処理ユニットに対しては現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3がアクセスする。
また、熱処理タワー42の最上段には、現像処理ブロック4と、これに隣接するインターフェイスブロック5との間で基板Wの受け渡しを行うための2つの基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して組み込まれている。上側の基板載置部PASS7は、現像処理ブロック4からインターフェイスブロック5へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS7に載置した基板Wをインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS8は、インターフェイスブロック5から現像処理ブロック4へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、インターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4が基板載置部PASS8に載置した基板Wを現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が受け取る。なお、基板載置部PASS7,PASS8は、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3およびインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4の両側に対して開口している。
次に、露光ユニットEXPと接続するためのインターフェイスブロック5について説明する。インターフェイスブロック5は、現像処理ブロック4に隣接して設けられ、レジスト塗布処理が行われてレジスト膜が形成された基板Wをレジスト塗布ブロック3から受け取って露光ユニットEXPに渡すとともに、露光済みの基板Wを露光ユニットEXPから受け取って現像処理ブロック4に渡すブロックである。本実施形態のインターフェイスブロック5には、露光ユニットEXPとの間で基板Wの受け渡しを行うための搬送機構55の他に、レジスト膜が形成された基板Wの周縁部を露光するエッジ露光ユニットEEW1と、ダミー基板DWおよびステージ洗浄用基板CWを洗浄するための洗浄処理ユニットSUと、現像処理ブロック4内に配設された加熱部PHP7〜PHP12、クールプレートCP14およびエッジ露光ユニットEEW1,洗浄処理ユニットSUに対して基板Wを受け渡しする搬送ロボットTR4とを備えている。エッジ露光ユニットEEW1,洗浄処理ユニットSUと現像処理ブロック4の熱処理タワー42とに隣接して配置されている搬送ロボットTR4は上述した搬送ロボットTR1〜TR3と同様の構成を備えている。
エッジ露光ユニットEEW1は、図2に示すように、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック56や、このスピンチャック56に保持された基板Wの周縁に光を照射して露光する光照射器57などを備えている。
図6は、洗浄処理ユニットSUの構成を説明するための図である。洗浄処理ユニットSUは、基板Wを水平姿勢にて保持するとともに基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック421を備える。
スピンチャック421は、図示を省略する電動モータによって回転される回転軸425の上端に固定されている。また、スピンチャック421には吸気路(図示せず)が形成されており、スピンチャック421上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの下面をスピンチャック421に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。
スピンチャック421の側方には、第1の回動モータ460が設けられている。第1の回動モータ460には、第1の回動軸461が接続されている。また、第1の回動軸461には、第1のアーム462が水平方向に延びるように連結され、第1のアーム462の先端に洗浄処理用ノズル450が設けられている。第1の回動モータ460の駆動により第1の回動軸461が回転するとともに第1のアーム462が回動し、洗浄処理用ノズル450がスピンチャック421に保持された基板Wの上方に移動する。
本実施形態の洗浄処理用ノズル450は、気体中に液滴を混合して吐出する二流体ノズルである。洗浄処理用ノズル450には洗浄用供給管463の先端が連通接続されている。洗浄用供給管463は、バルブVaおよびバルブVbを介して洗浄液供給源Rlおよび表面処理液供給源R2に連通接続されている。このバルブVa,Vbの開閉を制御することにより、洗浄用供給管463に供給する処理液の選択および供給量の調整を行うことができる。すなわち、バルブVaを開くことにより洗浄用供給管463に洗浄液(本実施形態では、純水)を供給することができ、バルブVbを開くことにより洗浄用供給管463に表面処理液(本実施形態では、フッ酸)を供給することができる。洗浄液供給源Rlまたは表面処理液供給源R2から供給された洗浄液または表面処理液は、洗浄用供給管463を介して洗浄処理用ノズル450に送給される。
また、洗浄処理用ノズル450には気体供給管474の先端も連通接続されている。気体供給管474の基端部側は不活性ガス供給源R3(例えば工場ユーティリティ)に連通接続されている。気体供給管474の経路途中にはバルブVdが介挿されている。バルブVdを開放することにより洗浄処理用ノズル450に所定圧の不活性ガス(本実施形態では、窒素ガス)が送給される。
図7は、二流体ノズルたる洗浄処理用ノズル450の構造の一例を示す概略断面図である。洗浄処理用ノズル450は、不活性ガス供給源R3および洗浄液供給源Rlからそれぞれ供給される窒素ガスおよび純水をノズル内部にて混合することによりミスト状の純水液滴を生成して基板Wに対して吐出するいわゆる内部混合型の二流体ノズルである。図7に示すように、洗浄処理用ノズル450は純水が供給される洗浄液導入管565内に、窒素ガスが供給されるガス導入管566が挿入された二重管構造となっている。また、洗浄液導入管565内のガス導入管566端部より下流側は、窒素ガスと純水とが混合される混合部567となっている。
加圧された窒素ガスと純水とが混合部567において混合されることによりミスト状の純水液滴を含む混合流体が形成される。形成された混合流体は、混合部567の下流側の加速管568によって加速され、吐出口569から吐出される。なお、洗浄処理用ノズル450は、窒素ガスおよび純水をノズル外部の開放空間にて衝突させて混合することによりミスト状の純水の液滴を生成して基板Wに対して吐出するいわゆる外部混合型の二流体ノズルであっても良い。また、洗浄処理用ノズル450にフッ酸を送給したときには、気体中にミスト状のフッ酸液滴を含む混合流体を形成して基板Wに吐出することとなる。
図6に戻り、上記とは異なるスピンチャック421の側方には、第2の回動モータ470が設けられている。第2の回動モータ470には、第2の回動軸471が接続されている。また、第2の回動軸471には、第2のアーム472が水平方向に延びるように連結され、第2のアーム472の先端に乾燥処理用ノズル451が設けられている。第2の回動モータ470の駆動により第2の回動軸471が回転するとともに第2のアーム472が回動し、乾燥処理用ノズル451がスピンチャック421に保持された基板Wの上方に移動する。
乾燥処理用ノズル451には乾燥用供給管473の先端が連通接続されている。乾燥用供給管473は、バルブVcを介して不活性ガス供給源R3に連通接続されている。このバルブVcの開閉を制御することにより、乾燥用供給管473に供給する窒素ガスの供給量を調整することができる。
不活性ガス供給源R3から供給された窒素ガスは、乾燥用供給管473を介して乾燥処理用ノズル451に送給される。それにより、乾燥処理用ノズル451から基板Wの表面へ窒素ガスを吹き付けることができる。
基板Wの表面へ洗浄液または表面処理液を供給する際には、洗浄処理用ノズル450がスピンチャック421に保持された基板Wの上方に位置するとともに、乾燥処理用ノズル451が所定の位置に退避する。逆に、基板Wの表面へ不活性ガスを供給する際には、図6に示すように、乾燥処理用ノズル451がスピンチャック421に保持された基板Wの上方に位置するとともに、洗浄処理用ノズル450が所定の位置に退避する。
スピンチャック421に保持された基板Wは、処理カップ423によって囲繞される。処理カップ423の内側には、円筒状の仕切壁433が設けられている。また、スピンチャック421の周囲を取り囲むように、基板Wの処理に用いられた処理液(洗浄液または表面処理液)を排液するための排液空間431が仕切壁433の内側に形成されている。さらに、排液空間431を取り囲むように、処理カップ423の外壁と仕切壁433との間に基板Wの処理に用いられた処理液を回収するための回収液空間432が形成されている。
排液空間431には、排液処理装置(図示せず)へ処理液を導くための排液管434が接続され、回収液空間432には、回収処理装置(図示せず)へ処理液を導くための回収管435が接続されている。
処理カップ423の上方には、基板Wからの処理液が外方へ飛散することを防止するためのスプラッシュガード424が設けられている。このスプラッシュガード424は、回転軸425に対して回転対称な形状とされている。スプラッシュガード424の上端部の内面には、断面くの字形状の排液案内溝441が環状に形成されている。また、スプラッシュガード424の下端部の内面には、外側下方に傾斜する傾斜面からなる回収液案内部442が形成されている。回収液案内部442の上端付近には、処理カップ423の仕切壁433を受け入れるための仕切壁収納溝443が形成されている。
このスプラッシュガード424は、ボールねじ機構等で構成されたガード昇降駆動機構(図示せず)によって鉛直方向に沿って昇降駆動される。ガード昇降駆動機構は、スプラッシュガード424を、回収液案内部442がスピンチャック421に保持された基板Wの端縁部を取り囲む回収位置と、排液案内溝441がスピンチャック421に保持された基板Wの端縁部を取り囲む排液位置との問で昇降させる。スプラッシュガード424が回収位置(図6に示す位置)にある場合には、基板Wの端縁部から飛散した処理液が回収液案内部442により回収液空間432に導かれ、回収管435を介して回収される。一方、スプラッシュガード424が排液位置にある場合には、基板Wの端縁部から飛散した処理液が排液案内溝441により排液空間431に導かれ、排液管434を介して排液される。このようにして、処理液の排液および回収を切り換えて実行可能とされている。なお、表面処理液としてフッ酸などを使用する場合には、その雰囲気が装置内に漏れ出さないように、厳重に雰囲気管理を行う必要がある。また、現像処理ブロック4の洗浄処理ユニットSOAK1は、洗浄処理用ノズル450が処理液を気体と混合することなくそのまま吐出するストレートノズルである点を除いては洗浄処理ユニットSUと同様の構成を備えている。
図2および図9を参照してさらに説明を続ける。図9は、インターフェイスブロック5を(+X)側から見た側面図である。洗浄処理ユニットSUの下側には基板戻し用のリターンバッファRBFが設けられ、さらにその下側には2つの基板載置部PASS9,PASS10が上下に積層して設けられている。リターンバッファRBFは、何らかの障害によって現像処理ブロック4が基板Wの現像処理を行うことができない場合に、現像処理ブロック4の加熱部PHP7〜PHP12で露光後の加熱処理を行った後に、その基板Wを一時的に収納保管しておくものである。このリターンバッファRBFは、複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。また、上側の基板載置部PASS9は搬送ロボットTR4から搬送機構55に基板Wを渡すために使用するものであり、下側の基板載置部PASS10は搬送機構55から搬送ロボットTR4に基板Wを渡すために使用するものである。なお、リターンバッファRBFに対しては搬送ロボットTR4がアクセスを行う。
図9に示すように、搬送機構55の可動台55aは螺軸522に螺合される。螺軸522は、その回転軸がY軸方向に沿うように2つの支持台523によって回転自在に支持される。螺軸522の一端部にはモータM1が連結されており、このモータM1の駆動により螺軸522が回転し、可動台55aがY軸方向に沿って水平移動する。
また、可動台55aにはハンド支持台55bが搭載されている。ハンド支持台55bは、可動台55aに内蔵された昇降機構および旋回機構によって、鉛直方向(Z軸方向)に昇降可能とされるとともに、鉛直方向軸周りに旋回可能とされている。さらに、ハンド支持台55b上には基板Wを保持する2つの保持アーム59a,59bが上下に並ぶように設けられている。2つの保持アーム59a,59bは、可動台55aに内蔵されたスライド駆動機構によって、それぞれ独立にハンド支持台55bの旋回半径方向への進退移動が可能に構成されている。このような構成によって、搬送機構55は、露光ユニットEXPとの間で基板Wの受け渡しを行うとともに、基板載置部PASS9,PASS10に対する基板Wの受け渡しと、基板送り用のセンドバッファSBFに対する基板Wの収納および取り出しを行う。なお、センドバッファSBFは、露光ユニットEXPが基板Wの受け入れをできないときに、露光処理前の基板Wを一時的に収納保管するもので、複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。
また、インターフェイスブロック5において、センドバッファSBFの下側にはステージ洗浄用基板CWを格納する洗浄用基板格納部92が設けられている。洗浄用基板格納部92は多段の棚構造を有しており、複数枚のステージ洗浄用基板CWを収納することが可能である。ステージ洗浄用基板CWは、液浸対応の露光ユニットEXPにおいて、基板ステージを洗浄するために使用されるものである。ステージ洗浄用基板CWは、通常の(半導体デバイス製造用の)基板Wとほぼ同一の形状および大きさを有する。ステージ洗浄用基板CWの材質は、通常の基板Wと同じ材料(例えばシリコン)であってもよいが、液浸液への汚染物の溶出が無い素材であれば良い。また、ダミー基板DWと同様に、ステージ洗浄用基板CWの表面に撥水性が付与されていても良い。通常の露光処理時等、基板ステージの洗浄処理を行わないときにはステージ洗浄用基板CWは不要であるため、洗浄用基板格納部92に格納されている。洗浄用基板格納部92へのステージ洗浄用基板CWの搬出入は搬送機構55が行う。
また、図2および図9に示すように、洗浄処理ユニットSOAK1の(+X)側には開口部58が形成されている。このため、搬送機構55は、開口部58を介して洗浄処理ユニットSOAK1に対しても基板Wの授受を行うことができる。
以上のインデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4およびインターフェイスブロック5には常に清浄空気がダウンフローとして供給されており、各ブロック内でパーティクルの巻き上がりや気流によるプロセスへの悪影響を回避している。また、各ブロック内は装置の外部環境に対して若干陽圧に保たれ、外部環境からのパーティクルや汚染物質の進入などを防いでいる。
また、上述したインデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4およびインターフェイスブロック5は、本実施形態の基板処理装置を機構的に分割した単位である。各ブロックは、各々個別のブロック用フレーム(枠体)に組み付けられ、各ブロック用フレームを連結して基板処理装置が構成されている。
一方、本実施形態では、基板搬送に係る搬送制御単位を機械的に分割したブロックとは別に構成している。本明細書では、このような基板搬送に係る搬送制御単位を「セル」と称する。1つのセルは、基板搬送を担当する搬送ロボットと、その搬送ロボットによって基板が搬送されうる搬送対象部とを含んで構成されている。そして、上述した各基板載置部が、セル内に基板Wを受け入れるための入口基板載置部またはセルから基板Wを払い出すための出口基板載置部として機能する。すなわち、セル間の基板Wの受け渡しも基板載置部を介して行われる。なお、セルを構成する搬送ロボットとしては、インデクサブロック1の基板移載機構12やインターフェイスブロック5の搬送機構55も含まれる。
本実施形態の基板処理装置SPには、インデクサセル、バークセル、レジスト塗布セル、現像処理セル、露光後ベークセルおよびインターフェイスセルの6つのセルが含まれている。インデクサセルは、載置台11と基板移載機構12とを含み、機械的に分割した単位であるインデクサブロック1と結果的に同じ構成となっている。また、バークセルは、下地塗布処理部BRCと2つの熱処理タワー21,21と搬送ロボットTR1とを含む。このバークセルも、機械的に分割した単位であるバークブロック2と結果として同じ構成になっている。さらに、レジスト塗布セルは、レジスト塗布処理部SCと2つの熱処理タワー31,31と搬送ロボットTR2とを含む。このレジスト塗布セルも、機械的に分割した単位であるレジスト塗布ブロック3と結果として同じ構成になっている。
一方、現像処理セルは、現像処理部SDと熱処理タワー41と搬送ロボットTR3とを含む。上述したように、搬送ロボットTR3は熱処理タワー42の加熱部PHP7〜PHP12およびクールプレートCP14に対してアクセスすることができず、現像処理セルに熱処理タワー42は含まれない。また、洗浄処理部SOAKの洗浄処理ユニットSOAK1に対してはインターフェイスブロック5の搬送機構55がアクセスするため、洗浄処理部SOAKも現像処理セルに含まれない。これらの点において、現像処理セルは機械的に分割した単位である現像処理ブロック4と異なる。
また、露光後ベークセルは、現像処理ブロック4に位置する熱処理タワー42と、インターフェイスブロック5に位置するエッジ露光ユニットEEW1と搬送ロボットTR4とを含む。すなわち、露光後ベークセルは、機械的に分割した単位である現像処理ブロック4とインターフェイスブロック5とにまたがるものである。このように露光後加熱処理を行う加熱部PHP7〜PHP12と搬送ロボットTR4とを含んで1つのセルを構成しているので、露光後の基板Wを速やかに加熱部PHP7〜PHP12に搬入して熱処理を行うことができる。このような構成は、パターンの露光を行った後なるべく速やかに加熱処理を行う必要のある化学増幅型レジストを使用した場合に好適である。
なお、熱処理タワー42に含まれる基板載置部PASS7,PASS8は現像処理セルの搬送ロボットTR3と露光後ベークセルの搬送ロボットTR4との間の基板Wの受け渡しのために介在する。
インターフェイスセルは、露光ユニットEXPに対して基板Wの受け渡しを行う搬送機構55、洗浄処理部SOAKおよび洗浄処理ユニットSUを含んで構成されている。このインターフェイスセルは、現像処理ブロック4に位置する洗浄処理部SOAKを含むとともに、搬送ロボットTR4やエッジ露光ユニットEEW1を含まない点で、機械的に分割した単位であるインターフェイスブロック5とは異なる構成となっている。なお、洗浄処理ユニットSUの下方に設けられた基板載置部PASS9,PASS10は露光後ベークセルの搬送ロボットTR4とインターフェイスセルの搬送機構55との間の基板Wの受け渡しのために介在する。
また、露光ユニットEXPは、基板処理装置SPにてレジスト塗布された基板Wの露光処理を行う。本実施形態の露光ユニットEXPは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くする「液浸露光処理法」に対応する液浸露光装置であり、投影光学系と基板Wとの間に屈折率の大きな液体(例えば、屈折率n=1.44の純水)を満たした状態で露光処理を行う。
次に、本実施形態の基板処理装置の制御機構について説明する。図10は、基板処理装置SPおよび露光ユニットEXPの制御機構の概略を示すブロック図である。同図に示すように、基板処理装置SPおよび露光ユニットEXPはホストコンピュータ100とLAN回線101を介して接続されている。基板処理装置SPは、メインコントローラMC、セルコントローラCC、ユニットコントローラの3階層からなる制御階層を備えている。メインコントローラMC、セルコントローラCC、ユニットコントローラのハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、各コントローラは、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えている。
第1階層のメインコントローラMCは、基板処理装置SPの全体に1つ設けられており、装置全体の管理、メインパネルMPの管理およびセルコントローラCCの管理を主に担当する。メインパネルMPは、メインコントローラMCのディスプレイとして機能するものである。また、メインコントローラMCに対してはキーボードKBから種々のコマンドやパラメータを入力することができる。なお、メインパネルMPをタッチパネルにて構成し、メインパネルMPからメインコントローラMCに入力作業を行うようにしても良い。
第2階層のセルコントローラCCは、6つのセル(インデクサセル、バークセル、レジスト塗布セル、現像処理セル、露光後ベークセルおよびインターフェイスセル)のそれぞれに対して個別に設けられている。各セルコントローラCCは、対応するセル内の基板搬送管理およびユニット管理を主に担当する。具体的には、各セルのセルコントローラCCは、所定の基板載置部に基板Wを置いたという情報を、隣のセルのセルコントローラCCに送り、その基板Wを受け取ったセルのセルコントローラCCは、当該基板載置部から基板Wを受け取ったという情報を元のセルのセルコントローラCCに返すという情報の送受信を行う。このような情報の送受信はメインコントローラMCを介して行われる。そして、各セルコントローラCCはセル内に基板Wが搬入された旨の情報を搬送ロボットコントローラTCに与え、該搬送ロボットコントローラTCが搬送ロボットを制御してセル内で基板Wを所定の手順に従って循環搬送させる。なお、搬送ロボットコントローラTCは、セルコントローラCC上で所定のアプリケーションが動作することによって実現される制御部である。
また、第3階層のユニットコントローラとしては、例えばスピンコントローラやベークコントローラが設けられている。スピンコントローラは、セルコントローラCCの指示に従ってセル内に配置されたスピンユニット(塗布処理ユニット、現像処理ユニットおよび洗浄処理ユニット)を直接制御するものである。具体的には、スピンコントローラは、例えばスピンユニットのスピンモータを制御して基板Wの回転数を調整する。また、ベークコントローラは、セルコントローラCCの指示に従ってセル内に配置された熱処理ユニット(ホットプレート、クールプレート、加熱部等)を直接制御するものである。具体的には、ベークコントローラは、例えばホットプレートに内蔵されたヒータを制御してプレート温度等を調整する。
一方、露光ユニットEXPには、上記の基板処理装置SPの制御機構から独立した別個の制御部たるコントローラECが設けられている。すなわち、露光ユニットEXPは、基板処理装置のメインコントローラMCの制御下で動作しているものではなく、単体で独自の動作制御を行っているものである。露光ユニットEXPのコントローラECは、ハードウェア構成としては一般的なコンピュータと同様の構成を有しており、露光ユニットEXP内での露光処理を制御する他に基板処理装置SPとの基板受け渡し動作をも制御する。
また、ホストコンピュータ100は、基板処理装置SPに設けられた3階層からなる制御階層および露光ユニットEXPのコントローラECの上位の制御機構として位置するものである。ホストコンピュータ100は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えており、一般的なコンピュータと同様の構成を有している。ホストコンピュータ100には、本実施形態の基板処理装置SPや露光ユニットEXPが通常複数台接続されている。ホストコンピュータ100は、接続されたそれぞれの基板処理装置SPおよび露光ユニットEXPに処理手順および処理条件を記述したレシピを渡す。ホストコンピュータ100から渡されたレシピは各基板処理装置SPのメインコントローラMCおよび露光ユニットEXPのコントローラECの記憶部(例えばメモリ)に記憶される。
次に、本実施形態の基板処理装置SPの動作について説明する。ここでは、まず、基板処理装置SPにおける通常の基板Wの循環搬送の概略手順について説明する。以下に説明する処理手順は、ホストコンピュータ100から受け取ったレシピの記述内容に従ってメインコントローラMCが下位のコントローラに指示を与えて各機構部を制御することにより実行されるものである。
まず、装置外部から未処理の基板WがキャリアCに収納された状態でAGV等によってインデクサブロック1に搬入される。続いて、インデクサブロック1から未処理の基板Wの払い出しが行われる。具体的には、インデクサセル(インデクサブロック1)の基板移載機構12が所定のキャリアCから未処理の基板Wを取り出し、上側の基板載置部PASS1に載置する。基板載置部PASS1に未処理の基板Wが載置されると、バークセルの搬送ロボットTR1が保持アーム6a,6bのうちの一方を使用してその基板Wを受け取る。そして、搬送ロボットTR1は受け取った未処理の基板Wを塗布処理ユニットBRC1〜BRC3のいずれかに搬送する。塗布処理ユニットBRC1〜BRC3では、基板Wに反射防止膜用の塗布液が回転塗布される。
塗布処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR1によってホットプレートHP1〜HP6のいずれかに搬送される。ホットプレートにて基板Wが加熱されることによって、塗布液が乾燥されて基板W上に下地の反射防止膜が形成される。その後、搬送ロボットTR1によってホットプレートから取り出された基板WはクールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却される。なお、このときにクールプレートWCPによって基板Wを冷却するようにしても良い。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって基板載置部PASS3に載置される。
また、基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wを搬送ロボットTR1が密着強化処理部AHL1〜AHL3のいずれかに搬送するようにしても良い。密着強化処理部AHL1〜AHL3では、HMDSの蒸気雰囲気で基板Wを熱処理してレジスト膜と基板Wとの密着性を向上させる。密着強化処理の終了した基板Wは搬送ロボットTR1によって取り出され、クールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却される。密着強化処理が行われた基板Wには反射防止膜を形成しないため、冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって直接基板載置部PASS3に載置される。
また、反射防止膜用の塗布液を塗布する前に脱水処理を行うようにしても良い。この場合はまず、基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wを搬送ロボットTR1が密着強化処理部AHL1〜AHL3のいずれかに搬送する。密着強化処理部AHL1〜AHL3では、HMDSの蒸気を供給することなく基板Wに単に脱水のための加熱処理(デハイドベーク)を行う。脱水のための加熱処理の終了した基板Wは搬送ロボットTR1によって取り出され、クールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって塗布処理ユニットBRC1〜BRC3のいずれかに搬送され、反射防止膜用の塗布液が回転塗布される。その後、基板Wは搬送ロボットTR1によってホットプレートHP1〜HP6のいずれかに搬送され、加熱処理によって基板W上に下地の反射防止膜が形成される。さらにその後、搬送ロボットTR1によってホットプレートから取り出された基板WはクールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却された後、基板載置部PASS3に載置される。
基板Wが基板載置部PASS3に載置されると、レジスト塗布セルの搬送ロボットTR2がその基板Wを受け取って塗布処理ユニットSC1〜SC3のいずれかに搬送する。塗布処理ユニットSC1〜SC3では、基板Wにレジストが回転塗布される。なお、レジスト塗布処理には精密な基板温調が要求されるため、基板Wを塗布処理ユニットSC1〜SC3に搬送する直前にクールプレートCP4〜CP9のいずれかに搬送するようにしても良い。
レジスト塗布処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR2によって加熱部PHP1〜PHP6のいずれかに搬送される。加熱部PHP1〜PHP6にて基板Wが加熱処理されることにより、レジスト中の溶媒成分が除去されて基板W上にレジスト膜が形成される。その後、搬送ロボットTR2によって加熱部PHP1〜PHP6から取り出された基板WはクールプレートCP4〜CP9のいずれかに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR2によって基板載置部PASS5に載置される。
レジスト塗布処理が行われてレジスト膜が形成された基板Wが基板載置部PASS5に載置されると、現像処理セルの搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取ってそのまま基板載置部PASS7に載置する。そして、基板載置部PASS7に載置された基板Wは露光後ベークセルの搬送ロボットTR4によって受け取られ、エッジ露光ユニットEEW1に搬入される。エッジ露光ユニットEEW1においては、基板Wの周縁部の露光処理(エッジ露光処理)が行われる。エッジ露光処理が終了した基板Wは搬送ロボットTR4によって基板載置部PASS9に載置される。そして、基板載置部PASS9に載置された基板Wはインターフェイスセルの搬送機構55によって受け取られ、露光ユニットEXPに搬入される。このときには、搬送機構55が保持アーム59aを使用して基板Wを基板載置部PASS9から露光ユニットEXPに搬送する。露光ユニットEXP内に搬入されたレジスト塗布済みの基板Wはパターン露光処理に供される。
本実施形態では化学増幅型レジストを使用しているため、基板W上に形成されたレジスト膜のうち露光された部分では光化学反応によって酸が生成する。また、露光ユニットEXPにおいては、基板Wに液浸露光処理が行われるため、従来からの光源や露光プロセスをほとんど変更することなく高解像度を実現することができる。なお、エッジ露光処理が終了した基板Wを露光ユニットEXPに搬入する前に、搬送ロボットTR4によってクールプレート14に搬入して冷却処理を行うようにしても良い。
パターン露光処理が終了した露光済みの基板Wは、搬送機構55によって取り出されることにより、露光ユニットEXPから再びインターフェイスセルに戻される。その後、露光後の基板Wは搬送機構55によって洗浄処理ユニットSOAK1に搬入される。このときには、搬送機構55が保持アーム59bを使用して基板Wを露光ユニットEXPから洗浄処理ユニットSOAK1に搬送する。液浸露光処理後の基板Wには液体が付着している場合もあるが、露光前の基板Wの搬送には保持アーム59aが用いられ、露光後の基板Wの搬送には保持アーム59bが専ら用いられるため、少なくとも保持アーム59aに液体が付着することは無く、露光前の基板Wに液体が転写されることも防止される。
洗浄処理ユニットSOAK1においては、回転する基板Wに純水を供給する洗浄処理が行われ、引き続いて高速回転する基板Wに窒素ガスを吹き付ける乾燥処理が行われる。洗浄および乾燥処理が終了した基板Wは、搬送機構55によって洗浄処理ユニットSOAK1から取り出され、基板載置部PASS10に載置される。なお、このときには搬送機構55が保持アーム59aを使用して基板Wを洗浄処理ユニットSOAK1から基板載置部PASS10に搬送する。露光後の基板Wが基板載置部PASS10に載置されると、露光後ベークセルの搬送ロボットTR4がその基板Wを受け取って加熱部PHP7〜PHP12のいずれかに搬送する。加熱部PHP7〜PHP12における処理動作は上述した通りのものである。加熱部PHP7〜PHP12では、露光時の光化学反応によって生じた生成物を酸触媒としてレジストの樹脂の架橋・重合等の反応を進行させ、現像液に対する溶解度を露光部分のみ局所的に変化させるための加熱処理(Post Exposure Bake)が行われる。露光後加熱処理が終了した基板Wは、冷却機構を備えたローカル搬送機構720によって搬送されることにより冷却され、上記化学反応が停止する。続いて基板Wは、搬送ロボットTR4によって加熱部PHP7〜PHP12から取り出され、基板載置部PASS8に載置される。
基板載置部PASS8に基板Wが載置されると、現像処理セルの搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取ってクールプレートCP10〜CP13のいずれかに搬送する。クールプレートCP10〜CP13においては、露光後加熱処理が終了した基板Wがさらに冷却され、所定温度に正確に温調される。その後、搬送ロボットTR3は、クールプレートCP10〜CP13から基板Wを取り出して現像処理ユニットSD1〜SD4のいずれかに搬送する。現像処理ユニットSD1〜SD4では、基板Wに現像液を供給して現像処理を進行させる。やがて現像処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR3によってホットプレートHP7〜HP11のいずれかに搬送され、さらにその後クールプレートCP10〜CP13のいずれかに搬送される。
その後、基板Wは搬送ロボットTR3によって基板載置部PASS6に載置される。基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト塗布セルの搬送ロボットTR2によってそのまま基板載置部PASS4に載置される。さらに、基板載置部PASS4に載置された基板Wは、バークセルの搬送ロボットTR1によってそのまま基板載置部PASS2に載置されることにより、インデクサブロック1に格納される。基板載置部PASS2に載置された処理済みの基板Wはインデクサセルの基板移載機構12によって所定のキャリアCに収納される。その後、所定枚数の処理済み基板Wが収納されたキャリアCが装置外部に搬出されて一連のフォトリソグラフィー処理が完了する。
既述したように、本実施形態の露光ユニットEXPは液浸露光処理を行うものである。図14は、露光ユニットEXP内にて基板Wに液浸露光処理が行われている様子を示す図である。基板Wを載置する基板ステージ150は投影光学系160の下に位置している。なお、投影光学系160の上方には図示を省略する照明光学系およびマスクが設けられている。投影光学系160およびマスクは水平面内に沿ってスライド移動可能とされている。液体供給ノズル170から液浸液(本実施形態では純水)ELを供給するとともに、その液浸液ELを液体回収ノズル180によって回収することにより、投影光学系160と基板ステージ150に保持された基板Wとの間に液浸液ELの流れを形成して常時安定して液浸液ELで満たす。この状態にて、露光光を照射してマスクのパターン像を投影光学系160を介して基板W上に投影露光する。このときに、投影光学系160と基板Wとの間に屈折率の大きな液浸液EL(純水の場合、屈折率n=1.44)が満たされているため、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くすることができる。
また、露光処理を行うときには、マスクと基板ステージ150とを互いに逆向きに同期移動させつつマスクに形成されたパターンを数チップずつ分けて順次に露光する(ステップ露光)。このステップ露光において、基板Wの周縁部近傍のパターン露光を行うときには、基板ステージ150が大きく移動しており、液浸液ELが基板Wの端部を超えて基板ステージ150に接触することもある。すると、基板W上に僅かにパーティクルが付着していたとしても、それが液浸液ELによって押し流されて基板ステージ150に付着することもある。よって、基板ステージ150のうち載置する基板Wの周辺近傍は特に汚染され易い。
このため、本実施形態においては、以下のようにして基板ステージ150を洗浄するようにしている。図11は、基板ステージ洗浄の手順の一例を示すフローチャートである。この処理手順は、メインコントローラMCが下位のコントローラに指示を与えて搬送機構55や洗浄処理ユニットSUなどの各機構部を制御することにより実行されるものである。
まず、ステージ洗浄用基板CWを基板処理装置SPから露光ユニットEXPに搬送する(ステップS11)。すなわち、インターフェイスブロック5の洗浄用基板格納部92から搬送機構55がステージ洗浄用基板CWを取り出して露光ユニットEXPに搬送する。露光ユニットEXPは基板処理装置SPから受け取ったステージ洗浄用基板CWを基板ステージ150に載置し、その基板ステージ150を投影光学系160の下に移動させる。そして、液体供給ノズル170から純水を供給するとともに、その純水を液体回収ノズル180によって回収することにより、投影光学系160とステージ洗浄用基板CWとの間に純水の流れを形成する。その結果、図14に示したのと同様の状態が得られる。
投影光学系160とステージ洗浄用基板CWとの間に純水の流れを形成した状態を維持しつつ、基板ステージ150をスライド移動させて当該純水の流れがステージ洗浄用基板CWの周辺近傍の基板ステージ150上面を洗うようにする。このようにして、露光ユニットEXP内におけるステージ洗浄処理が進行する(ステップS12)。
ステージ洗浄用基板CWの周辺全域に渡って洗浄処理が完了した後、露光ユニットEXPから基板処理装置SPに洗浄処理後のステージ洗浄用基板CWを搬送して帰還させる(ステップS13)。すなわち、露光ユニットEXP内にて基板ステージ150からステージ洗浄用基板CWが取り出されて基板処理装置SPのインターフェイスブロック5に向けて搬送される。洗浄処理後のステージ洗浄用基板CWは基板ステージ150の汚染を吸着しているため、汚染物を洗浄しなければならない。このため基板処理装置SP側では、搬送機構55がステージ洗浄用基板CWを受け取って、それをそのまま洗浄処理ユニットSUに搬送する。そして、洗浄処理ユニットSUにてステージ洗浄用基板CWの洗浄処理が実行される(ステップS14)。
洗浄処理ユニットSUにおいては、ステージ洗浄用基板CWの搬入時には、スプラッシュガード424が下降するとともに、搬送機構55がステージ洗浄用基板CWをスピンチャック421上に載置する。スピンチャック421に載置されたステージ洗浄用基板CWは、スピンチャック421により水平姿勢にて吸着保持される。
次に、スプラッシュガード424が上述した排液位置まで移動するとともに、洗浄処理用ノズル450がステージ洗浄用基板CWの中心部上方に移動する。その後、回転軸425が回転を開始し、それにともなってスピンチャック421に保持されているステージ洗浄用基板CWが回転する。その後、バルブVaおよびバルブVdを開放して洗浄処理用ノズル450から窒素ガスと純水とを混合して形成されるミスト状の純水液滴を含む混合流体をステージ洗浄用基板CWの上面に吐出するとともに、洗浄処理用ノズル450をステージ洗浄用基板CWの回転中心直上位置と端縁部上方位置との間で往復移動(スキャン)させる。これにより、ステージ洗浄用基板CWの洗浄処理が進行し、ステージ洗浄用基板CWに付着していた水分や汚染物が洗い流される。回転するステージ洗浄用基板CWから遠心力によって飛散した液体は排液案内溝441により排液空間431に導かれ、排液管434から排液される。
所定時間経過後、洗浄処理用ノズル450からの混合流体の吐出が停止され、洗浄処理用ノズル450が所定の位置に退避するとともに、乾燥処理用ノズル451がステージ洗浄用基板CWの中心部上方に移動する。その後、バルブVcを開放して乾燥処理用ノズル451からステージ洗浄用基板CWの上面中心部近傍に窒素ガスを吐出するとともに、乾燥処理用ノズル451をステージ洗浄用基板CWの回転中心直上位置と端縁部上方位置との間で往復移動(スキャン)させる。また、回転軸425の回転数を上昇させる。これにより、ステージ洗浄用基板CW上に残留していた水膜に大きな遠心力が作用するとともに、ステージ洗浄用基板CWの表面全面に窒素ガスを吹き付けることができるので、ステージ洗浄用基板CW上の水分を確実に取り除いて乾燥させることができる。
その後、窒素ガスの供給が停止され、乾燥処理ノズル451が所定の位置に退避するとともに、回転軸425の回転が停止する。そして、スプラッシュガード424が下降するとともに、搬送機構55がステージ洗浄用基板CWを洗浄処理ユニットSUから搬出する。これにより、洗浄処理ユニットSUにおけるステージ洗浄用基板CWの洗浄処理動作が終了する。なお、洗浄および乾燥処理中におけるスプラッシュガード424の位置は、処理液の回収または排液の必要性に応じて適宜変更することが好ましい。
洗浄処理ユニットSUにおける洗浄および乾燥処理が終了したステージ洗浄用基板CWは搬送機構55によって洗浄用基板格納部92に戻され、元の収納位置に格納される(ステップS15)。このようにして基板ステージ150の洗浄作業が完了する。
以上のようにすれば、基板処理装置SPにてステージ洗浄用基板CWを常に保持しておき、露光ユニットEXPにて基板ステージ150の洗浄作業を行うときには基板処理装置SPから受け取った洗浄済みの清浄なステージ洗浄用基板CWを使用することができるため、基板ステージ150の汚染を低減することができる。
また、第1実施形態では露光ユニットEXPにおける基板ステージ150の洗浄作業の直後、つまりステージ洗浄用基板CWが汚れた直後に洗浄処理ユニットSUにてステージ洗浄用基板CWの洗浄処理を行っている。基板ステージ150の洗浄作業の後、汚れたステージ洗浄用基板CWをそのまま放置すると液浸液が乾燥して汚れが強固に付着し、汚染物の除去が困難になることがある。第1実施形態のように基板ステージ150の洗浄作業の直後にステージ洗浄用基板CWの洗浄処理を行うようにすれば、ステージ洗浄用基板CWの汚染を容易かつ確実に除去することができる。
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の基板処理装置SPおよび露光ユニットEXPの構成並びに通常の基板Wの処理手順は第1実施形態と同じである。第2実施形態においては、基板ステージ150洗浄作業の手順が異なる。図12は、基板ステージ洗浄の手順の他の例を示すフローチャートである。
図12の手順では、まず搬送機構55が洗浄用基板格納部92からステージ洗浄用基板CWを取り出してそのまま洗浄処理ユニットSUに搬送し、最初に洗浄処理ユニットSUにてステージ洗浄用基板CWの洗浄処理を実行している(ステップS21)。洗浄処理ユニットSUにおけるステージ洗浄用基板CWの洗浄処理および乾燥処理内容は上記第1実施形態と同じである。
洗浄および乾燥処理が終了したステージ洗浄用基板CWは搬送機構55によって洗浄処理ユニットSUから搬出され、そのまま露光ユニットEXPに搬送される(ステップS22)。そして、第1実施形態と同様にしてステージ洗浄用基板CWを使用した基板ステージ150の洗浄作業が実行される(ステップS23)。
基板ステージ150の洗浄処理が完了した後、露光ユニットEXPから基板処理装置SPに洗浄処理後のステージ洗浄用基板CWを搬送する(ステップS24)。第2実施形態では、ステージ洗浄用基板CWを受け取った搬送機構55がそのまま洗浄用基板格納部92に搬送して元の収納位置に格納する(ステップS25)。
すなわち、第1実施形態では露光ユニットEXPにおける基板ステージ150の洗浄作業の直後にステージ洗浄用基板CWの洗浄処理を行っていたのに対して、第2実施形態では基板ステージ150の洗浄作業の直前に洗浄処理ユニットSUにてステージ洗浄用基板CWの洗浄処理を行っているのである。洗浄用基板格納部92にて格納している間にステージ洗浄用基板CWにパーティクル等が付着するおそれもあるが、第2実施形態のように基板ステージ150の洗浄作業の直前にステージ洗浄用基板CWの洗浄処理を行うようにすれば、洗浄直後の清浄なステージ洗浄用基板CWを使用して基板ステージ150の洗浄作業を行うことができ、基板ステージ150の汚染をより確実に除去することができる。
<3.第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態の基板処理装置SPおよび露光ユニットEXPの構成並びに通常の基板Wの処理手順は第1実施形態と同じである。但し、第3実施形態においては、露光ユニットEXPにてダミー基板DWを使用したアライメント処理を行っている。図13は、露光ユニットEXPにおけるアライメント処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ダミー基板DWを基板処理装置SPから露光ユニットEXPに搬送する(ステップS31)。すなわち、インデクサブロック1のダミー基板格納部91から基板移載機構12がダミー基板DWを取り出し、搬送ロボットTR1,TR2,TR3,TR4からインターフェイスブロック5の搬送機構55へと順にダミー基板DWを受け渡して最終的に搬送機構55が露光ユニットEXPに搬入する。この受け渡しのときに、基板載置部PASS1,PASS3,PASS5,PASS7,PASS9が使用される。露光ユニットEXPは基板処理装置SPから受け取ったダミー基板DWを基板ステージ150に載置し、その基板ステージ150を投影光学系160の下に移動させる。
露光ユニットEXPは液浸露光処理を行うものであり、パターン像の露光位置を調整するアライメント処理を行うときには基板ステージ内部への純水の侵入を防止するためにダミー基板DWを使用する。具体的には、基板ステージ150のステージ凹部にダミー基板DWを嵌めてアライメント処理を行う(ステップS32)。このようにすれば、基板ステージ150内部への液体の侵入を防止できる。
アライメント処理が終了した後、露光ユニットEXPから基板処理装置SPにアライメント処理後のダミー基板DWを搬送して帰還させる(ステップS33)。すなわち、露光ユニットEXP内にて基板ステージ150からダミー基板DWが取り出されて基板処理装置SPのインターフェイスブロック5に向けて搬送される。ダミー基板DWを使用してアライメント処理を行うことにより、基板ステージ150内部への液体の侵入を防止できるものの、ダミー基板DWに液体が付着して液滴として残留する可能性があり、このような液滴を放置すると乾燥して汚染源となるおそれがある。このため基板処理装置SP側では、搬送機構55がダミー基板DWを受け取って、それをそのまま洗浄処理ユニットSUに搬送する。そして、洗浄処理ユニットSUにてダミー基板DWの洗浄処理が実行される(ステップS34)。洗浄処理ユニットSUにおけるダミー基板DWの洗浄処理および乾燥処理内容は上記第1実施形態にて説明したステージ洗浄用基板CWのそれと同じである。
洗浄処理ユニットSUにおける洗浄および乾燥処理が終了したステージ洗浄用基板CWは搬送機構55によって取り出され、搬送ロボットTR4,TR3,TR2,TR1からインデクサブロック1の基板移載機構12へと順に受け渡され、最終的に基板移載機構12によってダミー基板格納部91に戻され、元の収納位置に格納される(ステップS35)。なお、帰還時の受け渡しのときには、基板載置部PASS10,PASS8,PASS6,PASS4,PASS2が使用される。
このようにすれば、基板処理装置SPにてダミー基板DWを常に保持しておき、露光ユニットEXPにてステージ位置校正等のアライメント作業を行うときには基板処理装置SPから受け取った洗浄済みの清浄なダミー基板DWを使用することができるため、基板ステージ150の汚染を低減することができる。すなわち、露光ユニットEXP内の調整作業(基板ステージ150の洗浄作業、アライメント作業)に使用される露光機用調整基板(ステージ洗浄用基板CW、ダミー基板DW)を洗浄処理ユニットSUを備えた基板処理装置SPにて保持しておき、露光ユニットEXPにて所定の調整作業を行うときには清浄な露光機用調整基板を使用した作業ができるため、基板ステージ150の汚染を低減することができるのである。
また、第3実施形態では露光ユニットEXPにおけるアライメント作業の直後、つまりダミー基板DWが液浸液が付着して汚れた直後に洗浄処理ユニットSUにてダミー基板DWの洗浄処理を行っている。アライメント作業の後、汚れたダミー基板DWをそのまま放置すると液浸液が乾燥して汚れが強固に付着し、汚染物の除去が困難になることがある。第3実施形態のようにアライメント作業の直後にダミー基板DWの洗浄処理を行うようにすれば、ダミー基板DWの汚染を容易かつ確実に除去することができる。
また、ダミー基板DWが撥水性を有している場合には、汚染によって撥水性が劣化することもあるが、上記洗浄処理によって汚染物が除去されることにより基板表面の撥水性が回復することとなる。その結果、アライメント作業時にもダミー基板DWによって液浸液を確実に保持することができる。また、撥水性の劣化したダミー基板DWを逐一交換するのと比較すれば著しくコストを下げることができる。
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記第3実施形態においては、露光ユニットEXPにおけるアライメント作業の直後に洗浄処理ユニットSUにてダミー基板DWの洗浄処理を行うようにしていたが、これをアライメント作業の直前に洗浄処理ユニットSUにてダミー基板DWの洗浄処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、洗浄直後の清浄なダミー基板DWを使用してアライメント作業を行うことができ、基板ステージ150の汚染を防止することができる。
また、第1および第2実施形態のように露光ユニットEXPにおける基板ステージ150の洗浄作業の直前または直後のいずれか一方にステージ洗浄用基板CWの洗浄処理を行うことに限定されず、基板ステージ150の洗浄作業の直前および直後の双方にてステージ洗浄用基板CWの洗浄処理を行うようにしても良い。同様に、露光ユニットEXPにおけるアライメント作業の直前および直後の双方にダミー基板DWの洗浄処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、基板ステージ150の汚染をより確実に低減することができる。
また、ステージ洗浄用基板CWおよび/またはダミー基板DW(露光機用調整基板)を所定間隔で定期的に洗浄処理するように予めスケジューリングしておいてもよい。具体的には、基板処理装置SPのメインコントローラMCが実行するアプリケーションソフトウェアに予め設定された間隔にて露光機用調整基板の定期洗浄を行うモジュールを含ませ、そのアプリケーションソフトウェアを実行するメインコントローラMCが定期的に搬送機構55等および洗浄処理ユニットSUに露光機用調整基板の洗浄処理を実行させる。定期的に露光機用調整基板を洗浄すれば露光機用調整基板の表面状体を安定して常に一定に維持することができ、その結果、露光ユニットEXP内の機構の汚染を安定して低減することができる。
定期的に露光機用調整基板の洗浄処理を行うタイミングとしては、例えば基板処理装置SPの定期メンテナンス時が挙げられる。定期メンテナンス時にメンテナンス作業の一つして露光機用調整基板の洗浄処理を実行すれば、通常基板Wの処理と干渉するおそれがないため、洗浄や搬送の制御が容易となる。もっとも、露光ユニットEXP内の調整作業(基板ステージ150の洗浄作業、アライメント作業)の直前に露光機用調整基板の洗浄処理を実行した方が洗浄直後のより清浄な露光機用調整基板を使用して調整作業を行うことができ、また調整作業の直後に露光機用調整基板の洗浄処理を行えば付着した液体が乾燥する前に確実に汚染を除くことができる。なお、定期的に露光機用調整基板の洗浄を行う間隔をメインパネルMPやキーボードKBからメインコントローラMCに入力しても良いし、ホストコンピュータ100がメインコントローラMCに指示を与えて定期洗浄を実行させるようにしても良い。
また、上記各実施形態において、露光機用調整基板を使用した調整作業は、露光ユニットEXPのコントローラECから基板処理装置SPのメインコントローラMCに露光機用調整基板要求信号を送信することによって開始するようにしてもよいし、逆にメインコントローラMCからコントローラECに調整作業開始要求信号を送信することによって開始するようにしてもよい。さらには、より上位のコントローラであるホストコンピュータ100からメインコントローラMCおよびコントローラECに調整作業開始信号を送信することによって、露光機用調整基板を使用した調整作業を開始するようにしても良い。
また、上記各実施形態においては、露光機用調整基板を洗浄する洗浄処理ユニットSUをインターフェイスブロック5に配置するようにしていたが、これを別の配置位置に配置するようにしても良い。例えば、現像処理ブロック4の洗浄処理ユニットSOAK1とインターフェイスブロック5の洗浄処理ユニットSUの位置を入れ替えるようにしても良い。さらには、1つの洗浄処理ユニットにて、通常の露光後基板Wの洗浄および露光機用調整基板の洗浄の両方を実行するようにしても良い。もっとも、化学増幅型レジストを塗布した露光直後の基板Wはアルカリ雰囲気に極めて影響され易いため、洗浄処理ユニットにて表面処理液を使用した処理を行う場合には露光機用調整基板専用の洗浄処理ユニットを設ける方が好ましい。
また、上記各実施形態においては、インデクサブロック1にダミー基板格納部91を設けるとともに、インターフェイスブロック5に洗浄用基板格納部92を設けるようにしていたが、これに限定されるものではなく、ダミー基板格納部91および洗浄用基板格納部92の設置位置は基板処理装置SP内の任意の位置とすることができる。例えば、ダミー基板格納部91および洗浄用基板格納部92の双方をインデクサブロック1に設けるようにしても良い。また、1つの多段基板格納部にステージ洗浄用基板CWおよびダミー基板DWの双方を格納するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では洗浄処理用ノズル450として二流体ノズルを使用していたが、これに代えて、送給された純水等の洗浄液またはフッ酸等の表面処理液をそのまま吐出するストレートノズルを使用するようにしても良い。さらに、洗浄処理用ノズル450としては上記以外にも超音波が付与された洗浄液または表面処理液を吐出する超音波洗浄ノズルや高圧にて洗浄液等を吐出する高圧洗浄ノズルを採用することができる。さらに、洗浄処理用ノズル450に代えて、或いは付加して、基板に当接または近接して洗浄処理を行う洗浄ブラシを設けるようにしても良い。これらストレートノズル、超音波洗浄ノズル、高圧洗浄ノズル、洗浄ブラシとしては既に公知のものを使用することができる。なお、洗浄ブラシを設ける場合には、基板表面を洗浄する表面洗浄処理ユニットと基板裏面を洗浄する裏面洗浄処理ユニットとを個別に設けるとともに、両ユニットに搬送する途中で基板を反転させる反転ユニットを設ける方が好ましい。
また、洗浄処理ユニットSUにて露光機用調整基板の洗浄処理を行うのに代えて、または洗浄処理を行った後に、露光機用調整基板に表面処理液(薬液)を供給して表面処理を行うようにしてもよい。洗浄処理ユニットSUでは表面処理液として例えばフッ酸を供給する。露光機用調整基板が通常の基板Wと同じくシリコンウェハである場合には、表面にシリコン酸化膜(自然酸化膜)が形成されて親水性となる。これに表面処理液としてフッ酸を供給することによりシリコン酸化膜を剥離してシリコン基材が露出することとなり、露光機用調整基板の表面に撥水性を付与することができる。すなわち、表面処理液供給によって露光機用調整基板の表面に撥水性を付与(または回復)するのである。具体的には、スピンチャック421に保持した露光機用調整基板を回転させつつ、バルブVbおよびバルブVdを開放して洗浄処理用ノズル450に表面処理液供給源R2からフッ酸を送給するとともに不活性ガス供給源R3から窒素ガスを送給し、洗浄処理用ノズル450から窒素ガスとフッ酸とを混合して形成されるミスト状のフッ酸液滴を含む混合流体を露光機用調整基板の上面に吐出する。なお、露光機用調整基板に供給する表面処理液はフッ酸に限定されるものではなく、露光機用調整基板の材質に応じて例えばフッ素化合物やアクリル樹脂等の材料を供給し、洗浄処理ユニットSUにて撥水性付与のためのコーティング処理を行うようにしてもよい。
また、上記各実施形態においては、露光ユニットEXPが液浸露光対応のものであったが、露光ユニットEXPとしては露光処理時に液浸液を使用しない形式のものであっても良い。このようなドライ露光タイプの露光ユニットEXPであったとしても、基板処理装置SP側にて洗浄した清浄なステージ洗浄用基板CWを使用して基板ステージの洗浄を行うことにより、露光ユニットEXP内の機構の汚染を低減することができる。
また、本発明に係る基板処理装置の構成は図1から図4に示したような形態に限定されるものではなく、複数の処理部に対して搬送ロボットによって基板Wを循環搬送することによって該基板Wに所定の処理を行うような形態であれば種々の変形が可能である。例えば、レジスト塗布ブロック3と現像処理ブロック4との間に、露光時にレジストが溶解しないように、レジスト膜上にカバー膜を形成するカバー膜塗布ブロックを設けるようにしてもよい。なお、レジスト膜上にカバー膜を形成するカバー膜塗布処理部をレジスト塗布ブロック3の一部に設けるようにしても良い。