JP4704108B2 - 粉末冶金用複合粉末及びその製造方法 - Google Patents

粉末冶金用複合粉末及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、焼結含油軸受等の粉末冶金用原料粉として使用する銅被覆鉄粉を主成分とする粉末冶金用複合粉末及びその製造方法に関する。
従来、焼結含油軸受等の粉末冶金用原料粉として、銅被覆鉄粉が使用されている。軸受の強度は鉄が主にその役目を担い、銅は耐蝕性及び耐摩耗性を担っている。最近、このような銅被覆鉄複合粉に対して、銅の比率を増加させ、耐摩耗性及び耐蝕性を増加させる要求がある。
この場合、単純に銅の比率を増加させた場合、鉄の量がそれだけ低下するので、当然に強度が低下することになる。粉末冶金用原料の強度の評価は、一般に圧環強度の大小によって行われているが、この圧環強度を向上させる必要がある。
その他の問題として、粉末冶金用原料の成形性又は焼結性を向上させるために、見掛密度が高く、流動性も必要である。
従来技術として、鉄粉に銅を被覆した粉末を予め機械加工した後焼結する方法(特許文献1参照)が開示されている。また、鉄の表面に銅を被覆した銅被覆鉄粉にさらに銅の粉を混ぜて銅の比率を高めること、そしてサイジング時に鉄の表面を露出させ、機械的強度と耐久性を向上させるという技術が開示されている(特許文献2参照)。
しかし、前者は、焼結の前に機械加工するという特殊な焼結方法で一般的ではない。また、後者は銅の量を増加させるということでは目的は同じであるが、鉄が露出した表面部分の強度(主として耐摩耗性と考えられる)の増加はあるかも知れないが、焼結体自体の強度の向上を図ることはできない。
このようなことから、銅被覆鉄粉を基本成分とし、銅の比率を向上させる試みがなされているが、圧環強度の低下、焼結原料粉末の流動性及び見掛密度の低下という問題が基本的には、解決されておらず、必ずしも満足できるものではないというのが現状である。
特開2002−348601号公報 特開2001−279349号公報
本発明は、焼結含油軸受等用の銅被覆鉄を主成分とする粉末冶金用原料粉の製造に際して、焼結原料粉末の流動性及び見掛密度を向上させ、圧環強度等の焼結特性を向上させ、さらにコストを低減化することができる銅被覆鉄粉を主成分とする粉末冶金用複合粉末及びその製造方法を得ることを課題とする。
本発明者らは、上記問題点を解決するために、銅被覆鉄粉を主成分とする粉末冶金用複合粉末製造するに際し、銅の焼結原料粉末の流動性及び見掛密度を向上させ、かつ圧環強度等の焼結特性を向上させることができるとのとの知見を得た。
本発明は、この知見に基づいて、
1)アトマイズ銅粉とCu含有量が30〜50wt%である銅被覆鉄粉からなる混合粉であって、アトマイズ銅粉量が20〜43wt%であることを特徴とする流動性及び圧環強度に優れた銅被覆鉄粉を主成分とする粉末冶金用複合粉末。
2)銅被覆鉄粉の比表面積が0.20〜0.7m2/gであることを特徴とする上記1記載の粉末冶金用複合粉末
3)銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉との混合粉に、さらに錫粉、黒鉛粉又は二硫化モリブデン粉等の固体潤滑剤の一種以上を混合した粉末からなることを特徴とする上記1又は2記載の粉末冶金用複合粉末
4)さらに、錫粉を3.0〜5.0wt%及び/又は1.0wt%以下の固体潤滑剤を添加することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の粉末冶金用複合粉末
5)焼結含油軸受用粉末であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の粉末冶金用複合粉末
、を提供する。
本発明は、また
6)鉄粉に銅をめっきし、Cu含有量が30〜50wt%である銅被覆鉄粉を製造した後、この銅被覆鉄粉に20〜43wtのアトマイズ銅粉を添加し、混合することを特徴とする流動性及び圧環強度に優れた銅被覆鉄粉を主成分とする粉末冶金用複合粉末の製造方法
7)比表面積が0.08〜0.2m2/gである鉄粉を用いることを特徴とする上記6記載の粉末冶金用複合粉末の製造方法
8)鉄粉に銅をめっきし、銅被覆鉄粉の比表面積を0.2〜0.7m2/gとすることを特徴とする上記6又は7記載の粉末冶金用複合粉末の製造方法
9)銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉との混合粉に、さらに錫粉、黒鉛粉又は二硫化モリブデン粉等の固体潤滑剤の一種以上を添加、混合することを特徴とする上記6〜8のいずれかに記載の粉末冶金用複合粉末の製造方法
10)硫酸銅溶液を用いて鉄粉に銅をめっきする際に、めっき液に酢酸0.2〜2vol%添加しためっき液を用いて銅を被覆することを特徴とする上記6〜9のいずれかに記載の粉末冶金用複合粉末の製造方法
、を提供するものである。
本発明の粉末冶金用複合粉末は、20〜43wt%のアトマイズ銅粉とCu含有量が30〜50wt%である銅被覆鉄粉との混合粉を用いることによって、粉末の圧粉密度、流動性等の成形性を高め、かつ圧環強度等の焼結特性を向上させ、さらにコストを低減化することができるという優れた効果を得ることができる。
本発明の粉末冶金用原料粉は、20〜43wt%のアトマイズ銅粉とCu含有量が30〜50wt%である銅被覆鉄粉との混合粉からなる銅被覆鉄粉を主成分とする粉末を用いる。20〜43wt%のアトマイズ銅粉の使用は、流動性及び見掛密度を高め、かつ圧環強度を向上させるという優れた効果を持つ。
添加するアトマイズ銅粉20wt%未満では、添加の効果がない。また43wt%を超えるアトマイズ銅粉の使用は、銅の比率が極端に大きくなり強度が低下するので、43wt%以下とするのが望ましい。アトマイズ銅粉としては、通常製造される-100メッシュの銅粉を使用する。
銅被覆鉄粉の製造は、銅濃度が40±10g/L、硫酸濃度5〜10g/Lを基本とするめっき液を使用する。このめっき液に必要量の還元鉄粉を投入し、鉄−銅の置換反応により、該鉄粉に銅をめっきする。これによって、Cu含有量が30〜50wt%である銅被覆鉄粉を得ることができる。Cu含有量30wt%未満では圧環強度が低下し、また50wt%を超えると混合粉の見掛密度が低下し、流動性が悪くなるので好ましくない。したがって、銅被覆鉄粉におけるCu含有量を30〜50wt%とすることが必要である。
硫酸銅溶液を用いて鉄粉に銅をめっきする際には、該めっき液に酢酸を0.2〜2vol%添加することが有効である。銅被覆鉄粉を製造する場合に、この酢酸の添加は必ずしも必須要件ではないが、酢酸の添加は銅被膜を滑らかにする効果がある。したがって、必要に応じて添加する。0.2vol%未満では、添加の効果が少なく、2vol%を超えると、生成する銅被覆鉄粉の粒度分布が粗くなり過ぎるので、好ましくない。したがって、酢酸を添加する場合には、0.2〜2vol%とすることが望ましい。特に、0.5〜1vol%が有効である。
一般に、鉄粉に銅被覆するめっき液に、塩素イオンを添加することが行われているが、むしろこの塩素イオンを使用しない方が望ましい。
前記のように、酢酸の使用によって、表面が滑らかな銅被覆鉄粉が得られるが、この銅被覆鉄粉と形状が比較的丸いアトマイズ銅粉の混合が、より効果的に圧環強度の向上に寄与していると考えられる。
銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉との混合に際し、より圧環強度を高めるために銅被覆鉄粉の比表面積を0.25〜0.7m2/gとすることが特に有効である。
0.25m2/g未満又は0.7m2/gを超えると、有効性が低下してくるので、銅被覆鉄粉の比表面積を0.25〜0.7m2/gの範囲とすることが望ましい。また、この銅被覆鉄粉の比表面積は、鉄粉の比表面積が反映されるので、鉄粉の比表面積を0.08〜0.2m2/gとすることも有効である。
上記銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉との混合粉に、さらに錫粉、黒鉛粉又は二硫化モリブデン粉等の固体潤滑剤の一種以上を混合した粉末とすることができる。錫の添加は、青銅粉の特性を活かすことが可能であり、また黒鉛粉又は二硫化モリブデン粉等の固体潤滑剤の使用は、焼結体の潤滑性をより向上させるために有効である。
錫粉を添加する場合には混合粉中の銅と錫の比が焼結軸受材として一般的な9:1前後にするために3.0〜5.0wt%、固体潤滑剤を添加する場合には1wt%以下が望ましい。固体潤滑剤を添加する場合には、下限値は特に制限がなく、添加量に応じて潤滑機能を保有させることができ、これによって、焼結含油軸受用粉末として、極めて有効に使用できる。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、以下で説明する例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲内で、実施例以外の態様あるいは変形を全て包含するものである。
(実施例1)
添加剤として酢酸を0.5%添加した硫酸濃度7g/L、Cu濃度40g/Lの硫酸銅めっき液を使用して、-100メッシュの鉄粉を投入し、銅被覆鉄粉を製造した。銅被覆量は40wt%Cuであった。この銅被覆鉄粉の比表面積は、0.51m2/gであった。因みに、鉄粉の比表面積は、0.085m2/gであった。さらに、この銅被覆鉄粉64gに-100メッシュのアトマイズ銅粉を32g添加し、銅の総量が60wt%となる銅被覆鉄粉とアトマイズ粉からなる混合粉を作製し、さらにこれに錫粉4g、黒鉛0.5gを添加し、混合した後成形し、還元雰囲気中770°Cにて30分間焼結した。
このようにして得た焼結体の圧環強度(kgf/mm2)を調べた。その結果を、表1に示す。また、粉末特性として、銅被覆鉄粉とアトマイズ粉からなる混合粉の見掛密度(g/cm3)と流動度(s/50g)を調べた。この結果を表2に示す。表1及び表2に示す通り、圧環強度は26.1(kgf/mm2)、見掛密度2.38(g/cm3)、流動度34.7(s/50g)であり、良好な特性を示した。
なお、錫粉、黒鉛を添加しない銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉のみの混合粉を上記と同じ条件で焼結した場合の圧環強度は、25.2(kgf/mm2)であった。この結果を表1に記載する(表1に圧環強度IIとして記載)。
Figure 0004704108
Figure 0004704108
(実施例2)
添加剤として酢酸を1.0%添加した硫酸濃度7g/L、Cu濃度40g/Lの硫酸銅めっき液を使用して、-100メッシュの鉄粉を投入し、銅被覆鉄粉を製造した。銅被覆量は40wt%Cuであった。この銅被覆鉄粉の比表面積は、0.68m2/gであった。因みに、鉄粉の比表面積は、0.085m2/gであった。この銅被覆鉄粉64gに-100メッシュのアトマイズ銅粉を32g添加し、銅の総量が60wt%となる銅被覆鉄粉とアトマイズ粉からなる混合粉を作製し、さらにこれに錫粉4g、黒鉛0.5gを添加し、混合した後成形し、還元雰囲気中770°Cにて30分間焼結した。
このようにして得た焼結体の圧環強度(kgf/mm2)を調べた。その結果を、表1に示す。また、粉末特性として、銅被覆鉄粉とアトマイズ粉からなる混合粉の見掛密度(g/cm3)と流動度(s/50g)を調べた。この結果を表2に示す。表1及び表2に示す通り、圧環強度は25.1(kgf/mm2)、見掛密度2.40(g/cm3)、流動度30.7(s/50g)であり、良好な特性を示した。
なお、錫粉、黒鉛を添加しない銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉のみの混合粉を上記と同じ条件で焼結した場合の圧環強度は、24.1(kgf/mm2)であった。この結果を表1に記載する(表1に圧環強度IIとして記載)。
(実施例3)
硫酸濃度7g/L、Cu濃度40g/Lの硫酸銅めっき液を使用(酢酸は添加せず)して、-100メッシュの鉄粉を投入し、銅被覆鉄粉を製造した。銅被覆量は40wt%Cuであった。この銅被覆鉄粉の比表面積は、0.47m2/gであった。因みに、鉄粉の比表面積は、0.10m2/gであった。さらに、この銅被覆鉄粉64gに-100メッシュのアトマイズ銅粉を32g添加し、銅の総量が60wt%となる銅被覆鉄粉とアトマイズ粉からなる混合粉を作製し、さらにこれに錫粉4g、黒鉛0.5gを添加し、混合した後成形し、還元雰囲気中770°Cにて30分間焼結した。
このようにして得た焼結体の圧環強度(kgf/mm2)を調べた。その結果を、表1に示す。また、粉末特性として、銅被覆鉄粉とアトマイズ粉からなる混合粉の見掛密度(g/cm3)と流動度(s/50g)を調べた。この結果を表2に示す。表1及び表2に示す通り、圧環強度は24.9(kgf/mm2)、見掛密度2.34(g/cm3)、流動度32.8(s/50g)であり、良好な特性を示した。
なお、錫粉、黒鉛を添加しない銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉のみの混合粉を上記と同じ条件で焼結した場合の圧環強度は、24.0(kgf/mm2)であった。この結果を表1に記載する(表1に圧環強度IIとして記載)。
(実施例4)
硫酸濃度7g/L、Cu濃度40g/Lの硫酸銅めっき液を使用(酢酸は添加せず)して、-100メッシュの鉄粉を投入し、銅被覆鉄粉を製造した。銅被覆量は30wt%Cuであった。この銅被覆鉄粉の比表面積は、0.69m2/gであった。因みに、鉄粉の比表面積は、0.10m2/gであった。さらに、この銅被覆鉄粉55gに-100メッシュのアトマイズ銅粉を41g添加し、銅の総量が60wt%となる銅被覆鉄粉とアトマイズ粉からなる混合粉を作製し、さらにこれに錫粉4g、黒鉛0.5gを添加し、混合した後成形し、還元雰囲気中770°Cにて30分間焼結した。
このようにして得た焼結体の圧環強度(kgf/mm2)を調べた。その結果を、表1に示す。また、粉末特性として、銅被覆鉄粉とアトマイズ粉からなる混合粉の見掛密度(g/cm3)と流動度(s/50g)を調べた。この結果を表2に示す。表1及び表2に示す通り、圧環強度は24.2(kgf/mm2)、見掛密度2.51(g/cm3)、流動度30.0(s/50g)であり、良好な特性を示した。
なお、錫粉、黒鉛を添加しない銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉のみの混合粉を上記と同じ条件で焼結した場合の圧環強度は、23.2(kgf/mm2)であった。この結果を表1に記載する(表1に圧環強度IIとして記載)。
(実施例5)
硫酸濃度7g/L、Cu濃度40g/Lの硫酸銅めっき液を使用(酢酸は添加せず)して、-100メッシュの鉄粉を投入し、銅被覆鉄粉を製造した。銅被覆量は50wt%Cuであった。この銅被覆鉄粉の比表面積は、0.23m2/gであった。因みに、鉄粉の比表面積は、0.18m2/gであった。さらに、この銅被覆鉄粉76gに-100メッシュのアトマイズ銅粉を19g添加し、銅の総量が60wt%となる銅被覆鉄粉とアトマイズ粉からなる混合粉を作製し、さらにこれに錫粉4g、黒鉛0.5gを添加し、混合した後成形し、還元雰囲気中770°Cにて30分間焼結した。
このようにして得た焼結体の圧環強度(kgf/mm2)を調べた。その結果を、表1に示す。また、粉末特性として、銅被覆鉄粉とアトマイズ粉からなる混合粉の見掛密度(g/cm3)と流動度(s/50g)を調べた。この結果を表2に示す。表1及び表2に示す通り、圧環強度は27.4(kgf/mm2)、見掛密度2.2(g/cm3)、流動度31.6(s/50g)であり、良好な特性を示した。
なお、錫粉、黒鉛を添加しない銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉のみの混合粉を上記と同じ条件で焼結した場合の圧環強度は、26.3(kgf/mm2)であった。この結果を表1に記載する(表1に圧環強度IIとして記載)。
(比較例1)
添加剤として塩素を20mg/L添加した硫酸濃度7g/L、Cu濃度40g/Lの硫酸銅めっき液を使用して、-100メッシュの鉄粉を投入し、銅被覆鉄粉を製造した。銅被覆量は40wt%Cuであった。この銅被覆鉄粉の比表面積は、1.12m2/gであった。この銅被覆鉄粉64gに-100メッシュのアトマイズ銅粉を32g添加し、銅の総量が60wt%となる銅被覆鉄粉とアトマイズ粉からなる混合粉を作製し、さらにこれに錫粉4g、黒鉛0.5gを添加し、混合した後成形し、還元雰囲気中770°Cにて30分間焼結した。
このようにして得た焼結体の圧環強度(kgf/mm2)を調べた。その結果を、表1に示す。また、粉末特性として、銅被覆鉄粉とアトマイズ粉からなる混合粉の見掛密度(g/cm3)と流動度(s/50g)を調べた。この結果を表2に示す。表1及び表2に示す通り、圧環強度は23.2(kgf/mm2)、見掛密度2.10(g/cm3)、流動度39.5(s/50g)であり、悪い特性を示した。
なお、錫粉、黒鉛を添加しない銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉のみの混合粉を上記と同じ条件で焼結した場合の圧環強度は、22.1(kgf/mm2)であった。この結果を表1に記載する(表1に圧環強度IIとして記載)。
(比較例2)
実施例1で使用した銅被覆量40wt%Cuの銅被覆鉄粉64gに、-100メッシュの電解銅粉を32g添加した。この場合の銅被覆鉄粉の比表面積は、0.51m2/gであった。さらにこれに錫粉4g、黒鉛0.5gを添加し、混合した後成形し、還元雰囲気中770°Cにて30分間焼結した。
このようにして得た焼結体の圧環強度(kgf/mm2)を調べた。その結果を、表1に示す。また、粉末特性として、銅被覆鉄粉と電解銅粉からなる混合粉の見掛密度(g/cm3)と流動度(s/50g)を調べた。この結果を表2に示す。表1及び表2に示す通り、圧環強度は23.2(kgf/mm2)、見掛密度2.05(g/cm3)、流動せず、悪い特性を示した。
なお、錫粉、黒鉛を添加しない銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉のみの混合粉を上記と同じ条件で焼結した場合の圧環強度は、22.2(kgf/mm2)であった。この結果を表1に記載する(表1に圧環強度IIとして記載)。
(比較例3)
実施例1で使用した銅被覆量40wt%Cuの銅被覆鉄粉64gに、-250メッシュの電解銅粉を32g添加した。この場合の銅被覆鉄粉の比表面積は、0.51m2/gであった。さらにこれに錫粉4g、黒鉛0.5gを添加し、混合した後成形し、還元雰囲気中770°Cにて30分間焼結した。
このようにして得た焼結体の圧環強度(kgf/mm2)を調べた。その結果を、表1に示す。また、粉末特性として、銅被覆鉄粉とアトマイズ粉からなる混合粉の見掛密度(g/cm3)と流動度(s/50g)を調べた。この結果を表2に示す。表1及び表2に示す通り、圧環強度は23.9(kgf/mm2)、見掛密度1.95(g/cm3)、流動せず、悪い特性を示した。
なお、錫粉、黒鉛を添加しない銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉のみの混合粉を上記と同じ条件で焼結した場合の圧環強度は、22.8(kgf/mm2)であった。この結果を表1に記載する(表1に圧環強度IIとして記載)。
上記に示すように、比較例は、粉末特性である見掛密度は1.95〜2.10g/cm3レベルにあり、流動度は39.5s/50又は流動せず、成形性に劣った。また、焼結特性である圧環強度は23.2〜23.9kgf/mm2と悪かった。また、錫粉、黒鉛を添加しない場合の圧環強度は22.1〜22.8kgf/mm2とさらに低い強度を示した。
これに対し、本実施例については、粉末特性である見掛密度が2.20〜2.51g/cm3のレベルにあり、流動度は35s/50g以下と向上した。また、焼結特性である圧環強度は24.2〜27.4kgf/mm2と良好な高い強度を有していた。また、錫粉、黒鉛を添加しない場合の圧環強度でも、23.2〜26.3kgf/mm2と良好な高い強度を有していた。
以上に示す通り、本発明の粉末冶金用複合粉末は、20〜43wt%のアトマイズ銅粉とCu含有量が30〜50wt%である銅被覆鉄粉との混合粉を用いることによって、粉末の圧粉密度、流動性等の成形性を高め、かつ圧環強度等の焼結特性を向上させ、さらにコストを低減化することができるという優れた効果を得ることができるので、銅被覆鉄粉系焼結含油軸受等に有用である。

Claims (7)

  1. アトマイズ銅粉と、Cu含有量が30〜50wt%であり、比表面積が0.2〜0.7m2/gである銅被覆鉄粉からなる混合粉であって、アトマイズ銅粉量が20〜43wt%であることを特徴とする流動性及び圧環強度に優れた銅被覆鉄粉を主成分とする粉末冶金用複合粉末。
  2. 銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉との混合粉に、さらに錫粉、黒鉛粉又は二硫化モリブデン粉等の固体潤滑剤の一種以上を混合した粉末からなることを特徴とする請求項1記載の粉末冶金用複合粉末。
  3. さらに、錫粉を3.0〜5.0wt%及び/又は1.0wt%以下の固体潤滑剤を添加することを特徴とする請求項1又は2記載の粉末冶金用複合粉末。
  4. 焼結含油軸受用粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粉末冶金用複合粉末。
  5. 鉄粉に銅をめっきし、Cu含有量が30〜50wt%であり、比表面積が0.2〜0.7m 2 /gである銅被覆鉄粉を製造した後、この銅被覆鉄粉に20〜43wt%のアトマイズ銅粉を添加し、混合することを特徴とする流動性及び圧環強度に優れた銅被覆鉄粉を主成分とする粉末冶金用複合粉末の製造方法。
  6. 銅被覆鉄粉とアトマイズ銅粉との混合粉に、さらに錫粉、黒鉛粉又は二硫化モリブデン粉等の固体潤滑剤の一種以上を添加、混合することを特徴とする請求項記載の粉末冶金用複合粉末の製造方法。
  7. 硫酸銅溶液を用いて鉄粉に銅をめっきする際に、めっき液に酢酸0.2〜2vol%添加しためっき液を用いて銅を被覆することを特徴とする請求項5又は6記載の粉末冶金用複合粉末の製造方法。
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