以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明が適用される画像形成装置の構成例を示す概略図である。この画像形成装置は、大きくは、自動原稿送り装置(ADF)を一体に有する原稿押さえユニット1、スキャナ部2、プリンタ部3及び用紙トレイ部4によって構成されている。原稿押さえユニット1は、原稿台5にセットされた原稿を上から押さえるもので、スキャナ部2の本体上部に開閉可能に取り付けられている。原稿は、原稿押さえユニット1を閉じた状態で自動原稿送り装置により画像読取位置に送り込まれるか、原稿押さえユニット1の開閉操作を伴うユーザの手作業により原稿台5上に載置される。
スキャナ部2は、光学走査ユニット6と、この光学走査ユニット6を副走査方向(図1の左右方向)に移動させるためのワイヤ7と、このワイヤ7を駆動する駆動プーリ9と、この駆動プーリ9を回転させるモータ(不図示)とを備えて構成されている。光学走査ユニット6は、原稿の画像を光学的に読み取り走査するものである。光学走査ユニット6には、図示はしないが、カラーフィルタ付きのCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサからなる原稿画像読取用のセンサ(以下、「原稿読取センサ」と記す)と、原稿面に画像読み取り用のライン状の光を照射するハロゲンランプ等の光源が搭載されている。そして、原稿の画像がフルカラーの場合は、そのカラー画像を光の原色であるB(青)、G(緑)、R(赤)に分解して原稿読取センサで読み取るものとなっている。
なお、スキャナ部2の構成としては、例えば、原稿読取センサの読み取りライン方向(読取用の画素列の並び方向)を主走査方向とし、これと直交する方向を副走査方向とした場合に、副走査方向の移動速度(移動距離)の相対比が1:2に設定された2つの移動走査体(キャリッジ)と、これら2つの移動走査体に搭載された光学部品(光源ランプ、集光ミラー、反射ミラー等)と、この光学部品によって導かれた光を原稿読取センサの受光面に結像させるレンズ系とを用いた構成を採用することができる。この場合、上記2つの移動走査体とこれに搭載された光学部品とによって光学走査ユニットが構成されることになる。また、上記2つの移動走査体は、高速側がフルレートキャリッジ、低速側がハーフレートキャリッジとも呼ばれる。そして、フルレートキャリッジには、光源ランプ、集光ミラー、フルレートミラーなどの光学部品が搭載され、ハーフレートキャリッジには、ミラー面が直角に配置された一対のハーフレートミラーなどの光学部品が搭載される。また、これら2つのキャリッジを用いた移動方式は、フルハーフレート方式とも呼ばれる。
プリンタ部3は、プリント対象となる画像を用紙にプリント出力するもので、レーザ走査ユニット(レーザROS;Laser Raster Output Scanner)10と、像担持体となるドラム型の感光体(以下、「感光体ドラム」と記す)11とを有している。感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11の表面を一様に帯電する帯電器12と、レーザ走査ユニット10によって感光体ドラム11の表面に書き込まれた静電潜像をトナー像に現像するロータリー現像装置13と、トナー像を用紙に転写する転写ユニット14と、用紙に転写されなかった残留トナーを感光体ドラム11から取り除くクリーナ16などが配置されている。
感光体ドラム11は、図示しないモータの駆動によって図示矢印方向に回転駆動される。その際、帯電器12は、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる。また、レーザ走査ユニット10は、レーザ出力部10aでレーザビームを発生させるとともに、このレーザビームをスキャナ部2からの各色の画像データにしたがって点滅(変調)させる。こうしてレーザ出力部10aから出射されたレーザビームは、ポリゴンミラー10b、f/θレンズ10c及び反射レンズ10dを介して感光体ドラム11の表面に照射されるとともに、ポリゴンミラー10bの回転にしたがって感光体ドラム11の軸方向に走査される。これにより、感光体ドラム11上には、スキャナ部2で読み取られた原稿の画像に対応した静電潜像が形成される。
こうして感光体ドラム11に形成された静電潜像は、ロータリー現像装置13によってトナー像に現像され、かつこのトナー像が転写ユニット14によって用紙に転写される。このとき、用紙に転写されずに感光体ドラム11に残ったトナー(残留トナー)はクリーナ16によって除去される。また、クリーナー16で清浄化された感光体ドラム11の表面は、帯電器12によって再び帯電された後、このドラム表面にレーザ走査ユニット10の駆動によって他の色の静電潜像の書き込みが順に行われる。
ロータリー現像装置13は、図示しないモータによって図の時計回り方向に回転駆動されるもので、その回転軌道上に4個の現像ロール131〜134が設けられている。各々の現像ロール131〜134は、ロール外周面で現像剤を担持しつつ回転するもので、本発明における「現像剤担持体」に相当するものである。ロータリー現像装置13の回転軌道とは、モータの駆動によってロータリー現像装置13を回転させたときに、ロータリー現像装置13の外周部が周回移動する円形の軌道をいう。
ロータリー現像装置13の回転動作角度は、例えば、次のような方式で制御される。すなわち、ロータリー現像装置13の回転軸にスリット(切り欠き)付きの回転板を取り付けるとともに、この回転板のスリット部分を両側から挟むように透過型光センサの発光部と受光部を配置することにより、ロータリー現像装置13が1回転するごとに、一定の回転角度で透過型光センサから1回ずつセンサ信号が出力される構成とする。また、ロータリー現像装置13の回転駆動用モータにパルスモータを採用し、回転駆動用モータへの駆動パルスの供給及び停止によりロータリー現像装置13の回転及び停止を制御するとともに、回転駆動用モータに供給する駆動パルスの個数によってロータリー現像装置13の回転角度を制御する構成とする。そして、ロータリー現像装置13をいずれの回転角度で停止させるかについては、透過型光センサからセンサ信号が出力されるタイミングを基準に、この基準タイミングから回転駆動モータに供給する駆動パルスをカウントすることにより制御する。
いま、フルカラーの画像を形成する際の現像色順序をブラック→シアン→マゼンタ→イエローの順に設定するものとすると、ロータリー現像装置13の回転軌道上に順に配置された4個の現像ロール131〜134のうち、現像ロール131はブラック用の現像器に設けられ、現像ロール132はシアン用の現像器に設けられている。また、現像ロール133はマゼンタ用の現像器に設けられ、現像ロール134はイエロー用の現像器に設けられている。各々の現像器は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像するものである。また、ロータリー現像装置13には、上記4個の現像器に対応して4個の着脱式(交換式)のトナーカートリッジと、該トナーカットリッジから現像器にトナーを補給するトナー補給機構(オーガー等)が組み込まれる。
感光体ドラム11に対向する現像位置で、静電潜像を現像するときの現像色(静電潜像の現像に用いるトナーの色)を切り替える場合は、ロータリー現像装置13を一方向(図の時計周り方向)Rに回転させる。そして、感光体ドラム11上の静電潜像をブラックのトナーで現像するときは、感光体ドラム11と対向する現像位置にブラック用の現像ロール131を、シアンのトナーで現像するときはシアン用の現像ロール132を、マゼンタのトナーで現像するときはマゼンタ用の現像ロール133を、イエローのトナーで現像するときはイエロー用の現像ロール132をそれぞれ移動させる。
転写ユニット14は転写ドラム15を有している。転写ドラム15の外周には誘電体のフィルムからなる用紙担持体が張設されている。転写ドラム15は、専用の電動モータ或いは感光体ドラム11の回転駆動系と歯車によって連結され、図中矢印の方向(反時計回り方向)に回転駆動される。転写ドラム15の周囲には、転写用帯電器17、分離用放電器18、トナー電荷制御用帯電器19、剥離爪20、除電器21、クリーナ22、押し付けロール23、吸着用帯電器25が配置されている。そして、用紙トレイ部4から給紙ローラ4a、給紙ガイド4bを経て搬送される用紙は、画像(トナー像)とのタイミング合わせのためにレジ位置4cで待機した後、所定のタイミングで転写ドラム15まで搬送され、吸着用帯電器25のコロナ放電により誘電体のフィルムに吸着される。
転写ドラム15は、感光体ドラム11と同期して回転する。転写ドラム15の外周に巻き付けられた用紙には、最初にブラックのトナーで現像されたトナー像が転写用帯電器17により転写され、さらに、転写ドラム15の回転により順次他の色、すなわちシアン、マゼンタ、イエローのトナー像が転写(重ね転写)される。転写ドラム15が4回転して4色分のトナー像が用紙に転写されると、転写ドラム15の内側及び外側に設けられた分離用放電器18によりAC除電される。これにより、用紙は剥離爪20により分離され、搬送ベルト27により定着器29に送られる。定着器29では、熱圧ローラ30によりトナー像が用紙に溶融定着される。ちなみに、フルカラーの画像を形成する場合は、4個の現像ロール131〜134を順に用いて4回の現像処理を行う必要があるが、白黒の画像を形成する場合は、ブラック用の現像ロール131を用いた1回の現像処理だけで済む。
[第1実施形態]
図2(A),(B)は本発明の第1実施形態に係るロータリー現像装置周辺の各部の位置関係を示す概略図である。図示のように、ロータリー現像装置13は、感光体ドラム11に対向する現像位置P1で、当該感光体ドラム11と近接する状態に配置されている。現像位置P1とは、実際に感光体ドラム11上に形成された静電潜像をトナー像に現像するための処理が行われる位置をいう。
ロータリー現像装置13の周囲(近傍)には、当該ロータリー現像装置13の外周部に対向する状態でトナー濃度センサ31が配置されている。トナー濃度センサ31は、各々の現像ロール131,132,133,134に担持された二成分現像剤のトナー濃度(トナー混合比)を測定するものである。トナー濃度センサ31としては、例えば発光素子と受光素子を組み合わせた光学式センサを用いることができる。光学式センサを用いた場合は、現像ロールに担持された現像剤からの反射光を受光することにより、トナー濃度を現像剤の光学的反射率で測定することができる。
ここで、ロータリー現像装置13の回転軸廻りで、ロータリー現像装置13の回転中心P2と感光体ドラム11に対向する現像位置P1とを第1の仮想直線L1で結び、この第1の仮想直線L1から上記回転中心P2を基準にロータリー現像装置13の回転方向Rと反対回り、つまり反時計回り(回転方向Rの上流側)に第1の角度αをなして第2の仮想直線L2を設けると、トナー濃度センサ31の測定位置P3は、第2の仮想直線L2上に設定されるものとなる。トナー濃度センサ31の測定位置P3とは、トナー濃度センサ31がトナー濃度の測定対象とする位置をいう。例えば、トナー濃度センサ31が光学式センサであれば、光学的反射率を測定するために、トナー濃度センサ31の発光素子によって光が照射される位置が測定位置P3に相当するものとなる。ちなみに、上述した第1の仮想直線L1と第2の仮想直線L2は、互いに上記回転中心P2で交差するものである。また、第1の仮想直線L1と第2の仮想直線L2とがなす第1の角度αは0<α<90°の範囲で設定されるものである。
これに対して、4個の現像ロール131〜134は、ロータリー現像装置13の回転軌道上において、ブラック用の現像ロール131の位置を基準(始点)に、ロータリー現像装置13の回転方向Rと反対回り(反時計回り)に上記第1の角度αと同じ角度間隔で順に配置されている。すなわち、ロータリー現像装置13の回転中心P2を基準に、ロータリー現像装置13の回転軌道上で各々の現像ロール131〜134の位置を回転軸廻りの角度で規定すると、ブラック用の現像ロール131の位置に対しては、反時計回り方向に第1の角度αを隔てた位置にシアン用の現像ロール132が配置されている。また、シアン用の現像ロール132の位置に対しては、反時計回り方向に第1の角度αを隔てた位置にマゼンタ用の現像ロール133が配置され、マゼンタ用の現像ロール133の位置に対しては、反時計回り方向に第1の角度αを隔てた位置にイエロー用の現像ロール134が配置されている。そして、イエロー用の現像ロール134の位置に対しては、反時計回り方向に上記第1の角度αよりも大きい第2の角度βを隔てた位置にブラック用の現像ロール131が配置されている。この場合、第2の角度βは90°<β<180°の範囲で設定されるものである。
このような角度配分でロータリー現像装置13の回転軌道上に各々の現像ロール131〜134を配置することにより、ロータリー現像装置13の回転軸廻りでブラック用の現像ロール131とイエロー用の現像ロール134との間に他の現像ロール間よりも大きなスペースが確保されるため、例えば、ブラックのトナーカートリッジの容量を他の色(シアン、マゼンタ、イエロー)のトナーカートリッジも大きくしたい場合には、ロータリー現像装置13の回転軸廻りで、ブラックのトナーカーリッジの取付位置を、ブラック用の現像ロール131とイエロー用の現像ロール134との間のスペースに設定することで対応可能となる。
図3は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を用いてフルカラーの画像を形成する際の処理手順を示すフローチャートである。
まず、図4(A)に示すように、ブラック用の現像ロール131を現像位置P1に移動させる(ステップS1)。そうすると、シアン用の現像ロール132がトナー濃度センサ31の測定位置P3に移動した状態となるため、この状態でブラック用の現像ロール131により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像するとともに、シアン用の現像ロール132のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定する(ステップS2)。
次に、上記図4(A)に示す状態からロータリー現像装置13を第1の角度αだけR方向に回転させることにより、図4(B)に示すように、シアン用の現像ロール132を現像位置P1に移動させる(ステップS3)。そうすると、マゼンタ用の現像ロール133がトナー濃度センサ31の測定位置P3に移動した状態となるため、この状態でシアン用の現像ロール132により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像するとともに、マゼンタ用の現像ロール133のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定する(ステップS4)。
次いで、上記図4(B)に示す状態からロータリー現像装置13を第1の角度αだけR方向に回転させることにより、図5(A)に示すように、マゼンタ用の現像ロール133を現像位置P1に移動させる(ステップS5)。そうすると、イエロー用の現像ロール134がトナー濃度センサ31の測定位置P3に移動した状態となるため、この状態でマゼンタ用の現像ロール133により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像するとともに、イエロー用の現像ロール134のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定する(ステップS6)。
続いて、上記図5(A)に示す状態からロータリー現像装置13を第1の角度αだけR方向に回転させることにより、図5(B)に示すように、イエロー用の現像ロール134を現像位置P1に移動させ(ステップS7)、この状態でイエロー用の現像ロール134により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像する(ステップS8)。以上で、カラー画像形成に係る1ページ分の動作サイクルが終了となる。その後、次に画像形成すべきページが残っているかどうかを確認し(ステップS9)、残っている場合は上記ステップS1からの処理を繰り返す。
このように本発明の第1実施形態に係る画像形成装置においては、ロータリー現像装置13の回転駆動により、ブラック用の現像ロール131を現像位置P1に移動させたときに、シアン用の現像ロール132がトナー濃度センサ31の測定位置P3に配置される。また、シアン用の現像ロール132を現像位置P1に移動させたときには、マゼンタ用の現像ロール133がトナー濃度センサ31の測定位置P3に配置され、マゼンタ用の現像ロール133を現像位置P1に移動させたときには、イエロー用の現像ロール134がトナー濃度センサ31の測定位置P3に配置される。
したがって、ブラック用の現像ロール131で感光体ドラム11上の静電潜像を現像しているときに、シアン用の現像ロール132のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定することが可能となる。また、シアン用の現像ロール132で感光体ドラム11上の静電潜像を現像しているときには、マゼンタ用の現像ロール133のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定することが可能となり、マゼンタ用の現像ロール133で感光体ドラム11上の静電潜像を現像しているときには、イエロー用の現像ロール134のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定することが可能となる。
以上のことから、カラー用(シアン、マゼンタ、イエロー)の現像ロール132,133,134のトナー濃度については、いずれも他の色用の現像ロールで静電潜像を現像しているときに、トナー濃度センサ31で測定することができる。したがって、フルカラーで画像を形成する場合に、画像形成のために各々の現像ロール131〜134を現像位置P1に停止させる以外に、現像ロールのトナー濃度を測定する目的でロータリー現像装置13の回転を停止する必要がない。そのうえ、画像形成動作中においては、ロータリー現像装置13の回転角度制御に必要な角度参照データが、角度α、βの2つで対応可能となる。このため、ロータリー現像装置13の回転駆動制御が非常に単純なものとなる。また、画像形成動作中にロータリー現像装置の回転を停止させる回数を必要最小限に抑えることができるため、高い生産性を実現することが可能となる。
ちなみに、ブラック用の現像ロール131のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定する場合は、ブラック用の現像ロール131をトナー濃度センサ31の測定位置P3に移動させる必要があるものの、一般にブラックのトナーは、これに混合されるキャリアと同様に光を吸収する性質があり、シアン、マゼンタ、イエローなどのカラートナーに比べて光の反射率が低いため、光学式のトナー濃度センサ31を用いてトナー濃度を測定しても十分な感度が得られにくい。このため、ブラックについては、トナー濃度センサ31を用いた濃度測定を行わず、他の測定方法、例えば感光体ドラム11上にブラックのトナーを用いて基準パッチを形成(現像)し、この基準パッチの現像トナー量をセンサで測定することにより、現像トナー量が一定になるようにトナー供給を制御する方法を採用する場合もある。したがって、画像形成動作中にブラック用の現像ロール131のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定しなくても、実用上は殆ど問題にならない。
[第2実施形態]
図6(A),(B)は本発明の第2実施形態に係るロータリー現像装置周辺の各部の位置関係を示す概略図である。この第2実施形態においては、特に上記第1実施形態と比較すると、ロータリー現像装置13の回転軌道上で現像位置P1、測定位置P3及び現像ロール131〜134の配置関係(角度配分)は同一条件で設定されている。ただし、ロータリー現像装置13の回転軌道上において、ブラック用の現像ロール131とイエロー用の現像ロール134との間に当該ロータリー現像装置13のホームポジションHPを設定した点と、このホームポジションHPを、ブラック用の現像ロール131からロータリー現像装置13の回転方向Rに上記第1の角度αと同じ角度を隔てた位置に設定した点が異なっている。
ロータリー現像装置13のホームポジションHPとは、画像形成の開始前又は終了後にロータリー現像装置13の回転を停止させたときに、感光体ドラム11に対向する現像位置P1に配置される、ロータリー現像装置13の回転軌道上の所定位置(1箇所)をいう。このホームポジションHPは、現像ロールが設けられている位置以外の位置に設定されるもので、特にその位置に何らかの部材が存在するものではない。したがって、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に移動させた状態では、感光体ドラム11とロータリー現像装置13との間(対向部位)に隙間が介在した状態となる。
この理由は、例えば、画像形成の終了時に、ある色の現像ロールや別の部材を現像位置P1に移動させた状態でロータリー現像装置13の回転を停止し、その後、次の画像形成の開始時までその状態を維持すると、画像形成を終了してから次の画像形成を開始するまでの待ち時間が長かったときに、現像位置P1に現像ロールや別の部材が長時間にわたって停止した状態となり、これによって現像ロール上の現像剤がストレスを受けたり、感光体ドラム11の脱着時に感光体表面(ドラム外周面)を傷つけたりする恐れがあるためである。
図7は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置を用いてフルカラーの画像を形成する際の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、図示しない画像形成制御部の制御処理に基づいて行われるものである。
まず、変数Mの値をゼロにリセットした後(ステップS11)、Mの値を1だけインクリメントする(ステップS12)。次に、1ページ分の動作サイクルに基づいて画像形成を行う(ステップS13)。
1ページ分の動作サイクルは、上記図3に示すステップS1〜S8と同様の処理を含むものである。すなわち、ステップS13の処理は、図8(A)に示すように、ブラック用の現像ロール131を現像位置P1に移動し、この状態でブラック用の現像ロール131により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像するとともに、シアン用の現像ロール132のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定する第1の処理と、図8(B)に示すように、シアン用の現像ロール132を現像位置P1に移動し、この状態でシアン用の現像ロール132により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像するとともに、マゼンタ用の現像ロール133のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定する第2の処理と、図9(A)に示すように、マゼンタ用の現像ロール133を現像位置P1に移動し、この状態でマゼンタ用の現像ロール133により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像するとともに、イエロー用の現像ロール134のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定する第3の処理と、図9(B)に示すように、イエロー用の現像ロール134を現像位置P1に移動し、この状態でイエロー用の現像ロール134により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像する第4の処理とを含むものである。
続いて、次に画像形成すべきページが残っているかどうかを確認し(ステップS14)、次のページが残っている場合は、現在のMの値が予め設定された所定値Jに達した否かを判断する(ステップS15)。そして、Mの値が所定値Jに達していなければ、上記ステップS12に戻る。所定値Jは、任意の値に設定することが可能である。
これに対して、Mの値が所定値Jに到達(一致)していれば、上記図9(B)に示す状態からロータリー現像装置13を所定の角度(=β−α)だけR方向に回転させることにより、図10に示すように、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に移動させる(ステップS16)。そうすると、ブラック用の現像ロール131がトナー濃度センサ31の測定位置P3に移動した状態になるため、この状態でブラック用の現像ロール131のトナー濃度を測定した後(ステップS17)、上記ステップS11に戻る。
また、上記ステップS14において、次に画像形成すべきページが残っていなかった場合は、上記ステップS16と同様に、上記図9(B)に示す状態からロータリー現像装置13を所定の角度(=β−α)だけR方向に回転させることにより、図10に示すように、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に移動させた後(ステップS18)、一連の画像形成動作を終了する。なお、ステップS18でロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に移動させたときに、ブラック用の現像ロール131のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定してもよい。
このように本発明の第2実施形態に係る画像形成装置においては、上記第1実施形態の装置構成に加えて、ロータリー現像装置13の回転軌道上で、ブラック用の現像ロール131からロータリー現像装置13の回転方向Rに第1の角度αと同じ角度を隔てた位置に、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを設定した構成を採用しているため、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に戻すことで、ブラック用の現像ロール131のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定することができる。したがって、ブラック用の現像ロール131のトナー濃度を測定するために、別途、ロータリー現像装置13の回転停止位置を設定する必要がない。
また、画像形成動作中にロータリー現像装置13でJページ分の静電潜像を現像するたびに、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に戻すことにより、その都度、ブラック用の現像ロール131のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定することができる。例えば、所定値JをJ=1に設定した場合は1ページごとにブラックのトナー濃度を測定することができ、J=10に設定した場合は10ページごとにブラックのトナー濃度を測定することができる。したがって、画像形成動作が長時間に及ぶ場合でも、その途中で定期的にブラック用の現像ロール131のトナー濃度を測定し、その測定結果をブラックのトナー補給制御に反映させることができる。
[第3実施形態]
図11(A),(B)は本発明の第3実施形態に係るロータリー現像装置周辺の各部の位置関係を示す概略図である。この第3実施形態においては、特に上記第2実施形態と比較すると、ロータリー現像装置13の回転軌道上で現像位置P1、ホームポジションHP及び現像ロール131〜134の配置関係(角度配分)は同一条件で設定されている。ただし、ロータリー現像装置13の回転軌道上において、上記第2実施形態では現像位置P1から第1の角度αを隔てた位置にトナー濃度センサ31の測定位置P3を設定しているが、本第3実施形態では現像位置P1から第1の角度αの2倍の角度を隔てた位置にトナー濃度センサ31の測定位置P3を設定した構成となっている。かかる構成により、ロータリー現像装置13の回転中心P2とトナー濃度センサ31の測定位置P3とを結ぶ第2の仮想直線L2は、現像位置P1と回転中心P2とを結ぶ第1の仮想直線L1に対して、ロータリー現像装置13の回転方向Rと反対回りに第1の角度αの2倍の角度をなす直線となっており、この第2の仮想直線L2上にトナー濃度センサ31の測定位置P3が設定されている。
図12は本発明の第3実施形態に係る画像形成装置を用いてフルカラーの画像を形成する際の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、図示しない画像形成制御部の制御処理に基づいて行われるものである。
まず、図13に示すように、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に配置した状態で、シアン用の現像ロール132のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定する(ステップS21)。次に、変数Mの値をゼロにリセットした後(ステップS22)、Mの値を1だけインクリメントする(ステップS23)。
続いて、上記図13に示す状態からロータリー現像装置13を第1の角度αだけR方向に回転させることにより、図14(A)に示すように、ブラック用の現像ロール131を現像位置P1に移動させる(ステップS24)。そうすると、マゼンタ用の現像ロール133がトナー濃度センサ31の測定位置P3に移動した状態となるため、この状態でブラック用の現像ロール131により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像するとともに、マゼンタ用の現像ロール133のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定する(ステップS25)。
次に、上記図14(A)に示す状態からロータリー現像装置13を第1の角度αだけR方向に回転させることにより、図14(B)に示すように、シアン用の現像ロール132を現像位置P1に移動させる(ステップS26)。そうすると、イエロー用の現像ロール134がトナー濃度センサ31の測定位置P3に移動した状態となるため、この状態でシアン用の現像ロール132により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像するとともに、イエロー用の現像ロール134のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定する(ステップS27)。
続いて、上記図14(B)に示す状態からロータリー現像装置13を第1の角度αだけR方向に回転させることにより、図15(A)に示すように、マゼンタ用の現像ロール133を現像位置P1に移動させ(ステップS28)、この状態でマゼンタ用の現像ロール133により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像する(ステップS29)。
次いで、上記図15(A)に示す状態からロータリー現像装置13を第1の角度αだけR方向に回転させることにより、図15(B)に示すように、イエロー用の現像ロール134を現像位置P1に移動させ(ステップS30)、この状態でイエロー用の現像ロール134により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像する(ステップS31)。
以上で、カラー画像形成に係る1ページ分の動作サイクルが終了となる。その後、次に画像形成すべきページが残っているかどうかを確認し(ステップS32)、次のページが残っている場合は、現在のMの値が予め設定された所定値Kに達した否かを判断する(ステップS33)。そして、Mの値が所定値Kに達していなければ、上記ステップS23に戻る。その際、ステップS24でブラック用の現像ロール131を現像位置P1に移動させるために必要となるロータリー現像装置13の回転角度は第2の角度βに設定される。所定値Kは、任意の値に設定することが可能である。
これに対して、Mの値が所定値Kに到達(一致)していれば、上記図15(B)に示す状態からロータリー現像装置13を所定の角度(=β−α)だけR方向に回転させることにより、再び上記図13に示すようにロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に移動させる(ステップS34)。そうすると、シアン用の現像ロール132がトナー濃度センサ31の測定位置P3に移動した状態になるため、この状態で上記ステップS21の処理に戻る。
また、上記ステップS32において、次に画像形成すべきページが残っていなかった場合は、上記ステップS34と同様に、上記図15(B)に示す状態からロータリー現像装置13を所定の角度(=β−α)だけR方向に回転させることにより、上記図13に示すようにロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に移動させた後(ステップS35)、一連の画像形成動作を終了する。
このように本発明の第3実施形態に係る画像形成装置においては、ロータリー現像装置13の回転駆動により、ブラック用の現像ロール131を現像位置P1に移動させたときに、マゼンタ用の現像ロール13がトナー濃度センサ31の測定位置P3に配置され、シアン用の現像ロール132を現像位置P1に移動させたときには、イエロー用の現像ロール134がトナー濃度センサ31の測定位置P3に配置される。また、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に移動させたときには、シアン用の現像ロール132がトナー濃度センサ31の測定位置P3に配置される。
したがって、ブラック用の現像ロール131で感光体ドラム11上の静電潜像を現像しているときに、マゼンタ用の現像ロール133のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定することが可能となり、シアン用の現像ロール132で感光体ドラム11上の静電潜像を現像しているときには、イエロー用の現像ロール134のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定することが可能となる。また、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に戻すことで、シアン用の現像ロール132のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定することが可能となる。
以上のことから、カラー用(シアン、マゼンタ、イエロー)の現像ロール132,133,134のトナー濃度については、いずれも他の色用の現像ロールで静電潜像を現像しているときやロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に戻したときに、トナー濃度センサ31で測定することができる。したがって、フルカラーで画像を形成する場合に、画像形成のために各々の現像ロール131〜134を現像位置P1に停止させたり、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に戻したりする以外に、現像ロールのトナー濃度を測定する目的でロータリー現像装置13の回転を停止する必要がない。そのうえ、画像形成動作中においては、ロータリー現像装置13の回転角度制御に必要な角度参照データが、角度α、βの2つで対応可能となる。このため、ロータリー現像装置13の回転駆動制御が非常に単純なものとなる。また、画像形成動作中にロータリー現像装置の回転を停止させる回数を必要最小限に抑えることができるため、高い生産性を実現することが可能となる。
さらに、本第3実施形態においては、現像位置P1から測定位置P3までの角度間隔を第1の角度αの2倍の角度に設定しているため、現像位置P1から横方向に離れた位置にトナー濃度センサ31を配置することができる。このため、現像位置P1から落下するトナーがトナー濃度センサ31に付着することを有効に回避することができる。また、ロータリー現像装置13の回転軌道上で現像位置P1から測定位置P3までの角度間隔を第1の角度αに設定すると、トナー濃度センサ31の取付位置は画像形成装置全体で内側(オペレータからみて奥側)になる。したがって、トナー濃度センサ31の取付スペースを確保しにくい、トナー濃度センサ31の保守作業(交換等)が面倒になるなどの不具合を招きやすい。これに対して、ロータリー現像装置13の回転軌道上で現像位置P1から測定位置P3までの角度間隔を第1の角度αの2倍に設定すると、トナー濃度センサ31の取付位置は画像形成装置全体で外側(オペレータからみて手前側)になる。したがって、トナー濃度センサ31の取付スペースを確保しやすくなるとともに、トナー濃度センサ31の保守作業を容易に行えるようになる。
[第4実施形態]
図16(A),(B)は本発明の第4実施形態に係るロータリー現像装置周辺の各部の位置関係を示す概略図である。この第4実施形態においては、特に上記第2実施形態と比較すると、ロータリー現像装置13の回転軌道上で現像位置P1と測定位置P3の配置関係(仮想直線L1,L2のなす角度)が同一条件(第1の角度α)で設定されている。ただし、この第4実施形態においては、カラー画像を形成する際の現像色順序がシアン→マゼンタ→イエロー→ブラックの順に設定され、この順序にしたがってシアン用の現像ロール132、マゼンタ用の現像ロール133、イエロー用の現像ロール134及びブラック用の現像ロール131がロータリー現像装置13の回転方向Rと反対回りに順に配置されている。
また、ロータリー現像装置13の回転軌道上において、シアン用の現像ロール132とマゼンタ用の現像ロール133との間の角度間隔は第1の角度αと同じ角度に設定され、マゼンタ用の現像ロール133とイエロー用の現像ロール134との間の角度間隔も第1の角度αと同じ角度に設定されている。これに対して、ブラック用の現像ロール131とシアン用の現像ロール132との間の角度間隔は第1の角度αよりも大きい角度β1に設定され、イエロー用の現像ロール134とブラック用の現像ロール131との間の角度間隔は任意の角度β2に設定されている。角度β2は、第1の角度αより大きくても小さくてもかまわない。
また、シアン用の現像ロール132とブラック用の現像ロール131との間にロータリー現像装置13のホームポジションHPが設定されている。このホームポジションHPは、ロータリー現像装置13の回転軌道上で、シアン用の現像ロール132からロータリー現像装置13の回転方向Rに第1の角度αだけずらした位置に設定されている。したがって、ホームポジションHPとシアン用の現像ロール132との間の角度間隔も第1の角度αと同じ角度に設定されている。
このような角度配分でロータリー現像装置13の回転軌道上に各々の現像ロール131〜134を配置することにより、ロータリー現像装置13の回転軸廻りでブラック用の現像ロール131とシアン用の現像ロール132との間に他の現像ロール間よりも大きなスペースが確保されるため、例えば、ブラックのトナーカートリッジの容量を他の色(シアン、マゼンタ、イエロー)のトナーカートリッジも大きくしたい場合には、ロータリー現像装置13の回転軸廻りで、ブラックのトナーカーリッジの取付位置を、ブラック用の現像ロール131と、これまでの実施形態でのイエロー用の現像ロール134との間だけでなく、シアン用の現像ロール132との間のスペースに設定することで対応可能となるため、設計の自由度が増す。
また、ロータリー現像装置13の回転軸廻りでブラック用の現像ロール131とイエロー用の現像ロール134との間には、角度β2に応じて他の現像ロール間と異なる大きさのスペースが確保されるため、例えば、イエローのトナーカートリッジの容量をシアン及びマゼンタのトナーカートリッジよりも小さくしたい場合には、α>β2の条件で角度配分を設定するとともに、ロータリー現像装置13の回転軸廻りで、イエローのトナーカーリッジの取付位置を、ブラック用の現像ロール131とシアン用の現像ロール132との間のスペースに設定することで対応可能となる。
図17は本発明の第4実施形態に係る画像形成装置を用いてフルカラーの画像を形成する際の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、図示しない画像形成制御部の制御処理に基づいて行われるものである。
まず、図18に示すように、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に配置した状態で、シアン用の現像ロール132のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定する(ステップS41)。次に、変数Mの値をゼロにリセットした後(ステップS42)、Mの値を1だけインクリメントする(ステップS43)。
続いて、上記図18に示す状態からロータリー現像装置13を第1の角度αだけR方向に回転させることにより、図19(A)に示すように、シアン用の現像ロール132を現像位置P1に移動させる(ステップS44)。そうすると、マゼンタ用の現像ロール133がトナー濃度センサ31の測定位置P3に移動した状態となるため、この状態でシアン用の現像ロール132により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像するとともに、マゼンタ用の現像ロール133のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定する(ステップS45)。
次に、上記図19(A)に示す状態からロータリー現像装置13を第1の角度αだけR方向に回転させることにより、図19(B)に示すように、マゼンタ用の現像ロール133を現像位置P1に移動させる(ステップS46)。そうすると、イエロー用の現像ロール134がトナー濃度センサ31の測定位置P3に移動した状態となるため、この状態でマゼンタ用の現像ロール133により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像するとともに、イエロー用の現像ロール134のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定する(ステップS47)。
続いて、上記図19(B)に示す状態からロータリー現像装置13を第1の角度αだけR方向に回転させることにより、図20(A)に示すように、イエロー用の現像ロール134を現像位置P1に移動させ(ステップS48)、この状態でイエロー用の現像ロール134により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像する(ステップS49)。
次いで、上記図20(A)に示す状態からロータリー現像装置13を角度β2だけR方向に回転させることにより、図20(B)に示すように、ブラック用の現像ロール131を現像位置P1に移動させ(ステップS50)、この状態でブラック用の現像ロール131により感光体ドラム11上の静電潜像をトナー像に現像する(ステップS51)。
以上で、カラー画像形成に係る1ページ分の動作サイクルが終了となる。その後、次に画像形成すべきページが残っているかどうかを確認し(ステップS52)、次のページが残っている場合は、現在のMの値が予め設定された所定値Qに達した否かを判断する(ステップS53)。そして、Mの値が所定値Qに達していなければ、上記ステップS43に戻る。その際、ステップS44でシアン用の現像ロール132を現像位置P1に移動させるために必要となるロータリー現像装置13の回転角度は上述した角度β1に設定される。所定値Qは、任意の値に設定することが可能である。
これに対して、Mの値が所定値Qに到達(一致)していれば、上記図20(B)に示す状態からロータリー現像装置13を所定の角度(=β1−α)だけR方向に回転させることにより、再び上記図18に示すようにロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に移動させる(ステップS54)。そうすると、シアン用の現像ロール132がトナー濃度センサ31の測定位置P3に移動した状態になるため、この状態で上記ステップS41の処理に戻る。
また、上記ステップS52において、次に画像形成すべきページが残っていなかった場合は、上記ステップS54と同様に、上記図20(B)に示す状態からロータリー現像装置13を所定の角度(=β1−α)だけR方向に回転させることにより、上記図18に示すようにロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に移動させた後(ステップS55)、一連の画像形成動作を終了する。
このように本発明の第4実施形態に係る画像形成装置においては、ロータリー現像装置13の回転駆動により、シアン用の現像ロール132を現像位置P1に移動させたときには、マゼンタ用の現像ロール133がトナー濃度センサ31の測定位置P3に配置され、マゼンタ用の現像ロール133を現像位置P1に移動させたときには、イエロー用の現像ロール134がトナー濃度センサ31の測定位置P3に配置される。また、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に移動させたときには、シアン用の現像ロール132がトナー濃度センサ31の測定位置P3に配置される。
したがって、シアン用の現像ロール132で感光体ドラム11上の静電潜像を現像しているときに、マゼンタ用の現像ロール133のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定することが可能となり、マゼンタ用の現像ロール133で感光体ドラム11上の静電潜像を現像しているときには、イエロー用の現像ロール134のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定することが可能となる。また、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に戻すことで、シアン用の現像ロール132のトナー濃度をトナー濃度センサ31で測定することが可能となる。
以上のことから、カラー用(シアン、マゼンタ、イエロー)の現像ロール132,133,134のトナー濃度については、いずれも他の色用の現像ロールで静電潜像を現像しているときやロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に戻したときに、トナー濃度センサ31で測定することができる。したがって、フルカラーで画像を形成する場合に、画像形成のために各々の現像ロール131〜134を現像位置P1に停止させたり、ロータリー現像装置13のホームポジションHPを現像位置P1に戻したりする以外に、現像ロールのトナー濃度を測定する目的でロータリー現像装置13の回転を停止する必要がない。そのうえ、画像形成動作中においては、ロータリー現像装置13の回転角度制御に必要な角度参照データが、角度α、β1、β2の3つで対応可能となる。このため、ロータリー現像装置13の回転駆動制御が非常に単純なものとなる。また、画像形成動作中にロータリー現像装置の回転を停止させる回数を必要最小限に抑えることができるため、高い生産性を実現することが可能となる。
なお、上記各実施形態においては、ロータリー現像装置13の構成として、ブラック、シアン、マゼンタ、シアンの各色に対応する4個の現像ロール131〜134を備えたものを例示したが、本発明はこれに限らず、上記4個の現像ロールの他に、例えば銀、金などの特殊色用の現像ロールを備えたものであってもよい。
11…感光体ドラム、13…ロータリー現像装置、31…トナー濃度センサ、131…ブラック用の現像ロール、132…シアン用の現像ロール、133…マゼンタ用の現像ロール、134…イエロー用の現像ロール、HP…ホームポジション、P1…現像位置、P2…回転中心、P3…測定位置