JP4701269B2 - 磁気機械 - Google Patents

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Description

本発明は、固定子および可動子を合わせて3つ以上備えた磁気機械、すなわち電動機または磁気式動力伝達機構に関する。
従来の電動機として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この電動機は、円柱状のインナロータと、円筒状のステータと、円筒状のアウタロータなどを備えており、インナロータには、複数の永久磁石が周方向に配置されている。また、ステータは、複数の電機子を有しており、これらの電機子は、周方向に配置され、樹脂モールドによって互いに固定されている。アウタロータは、複数のリングを積層したコアにコイルを巻きつけたものであり、このコイルには電力が供給されないようになっている。また、インナロータ、ステータおよびアウタロータは、内側から順に設けられ、相対的に回転可能になっている。
この電動機では、電力をステータに供給し、回転磁界を発生させると、インナロータの永久磁石の磁極がステータの磁極に対して吸引・反発することによって、インナロータが回転磁界に同期して回転し、アウタロータが、電磁誘導作用によって回転磁界に同期せずに回転する。以上のように、特許文献1の電動機の場合、同期機ではなく、アウタロータを電磁誘導作用によって回転させる誘導機として機能するので、効率が低いという問題がある。
以上のような問題を解決できる電動機として、特許文献2に記載されたものを本出願人はすでに提案している。同出願の図1〜図6に示す電動機は、回転電動機であり、外側に配置された2つの外側ステータと、2つの外側ステータの間に配置された内側ステータと、外側および内側ステータの間に配置された2つのロータ部を有する軟磁性体ロータなどを備えている。各外側ステータには、複数の電機子が所定間隔で配置されており、電動機の運転時、これらの電機子には、N極とS極が交互に並ぶように電力が供給される。
また、各内側ステータにも、複数の電機子が外側ステータの電機子よりも狭い所定間隔で配置されており、各内側ステータの隣り合う各3つの電機子のコイルは、電力が供給されたときに、U相,V相,W相を示して移動磁界を発生する3相コイルとして構成されている。さらに、軟磁性体ロータの2つのロータ部の各々には、複数の軟磁性体コアが外側ステータの電機子と同じ間隔で配置されており、一方のロータ部の軟磁性体コアは、外側ステータの電機子に発生する磁極の位置を基準とした場合、他方のロータ部の軟磁性体コアに対して、電気角π/2ずつずれるように配置されている。
この電動機では、内側ステータにおける移動磁界の発生に伴い、内側ステータの電機子に発生する磁極と、軟磁性体コアと、外側ステータの電機子の磁極との間に、磁気回路が構成されるとともに、2つの軟磁性体ロータの軟磁性体コアに作用する磁力線によって、2つのロータ部すなわち軟磁性体ロータが回転するように駆動される。その際、一方のロータ部の軟磁性体コアに作用する磁力と、他方のロータ部の軟磁性体コアに作用する磁力とが、交互に強くなったり、弱くなったりする状態を繰り返しながら、2つのロータ部は一体に回転する。以上のように、この電動機は、運転時に同期機として機能し、それにより、特許文献1の電動機よりも効率を高めることができる。
また、本出願人は、磁気機械に相当する磁気式動力伝達機構として、特許文献3に記載されたものをすでに提案している。この磁気式動力伝達機構は、上記特許文献2の電機子に発生する磁極を永久磁石の磁極に置き換えたものに相当する構成を備えている。
特開平11−341757号公報 特開2008−67592号公報 特開2008−39045号公報
上述したように、特許文献2の電動機によれば、構造上の理由により、軟磁性体ロータの一方のロータ部の軟磁性体コアに作用する磁力と、他方のロータ部の軟磁性体コアに作用する磁力とが、交互に強くなったり、弱くなったりするという特性を備えているので、トルクリップルおよびコギングトルクが発生するという問題がある。
また、特許文献3の磁気式動力伝達機構においても、上述した構成を備えているので、上記特許文献2の電動機と同様に、作動中にコギングトルクなどが発生してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、トルクや推力のリップルおよびコギングを低減することができる磁気機械を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る磁気機械(電動機1,1A)は、所定方向に並んだ複数の第1磁極(第1〜第3電機子6a〜8a)で構成され、隣り合う各2つの第1磁極の極性が互いに異なるように配置された第1磁極列を有する第1磁極部材(第1〜第3ステータ6〜8、ケース2)と、所定方向に並んだ複数の第2磁極(第1および第2永久磁石4b,5b)で構成され、隣り合う各2つの第2磁極の極性が互いに異なるとともに第1磁極列に対向するように配置された第2磁極列を有する第2磁極部材(第1ロータ3)と、互いに間隔を存して所定方向に並んだ複数の軟磁性体(第1〜第3軟磁性体コア11b〜13b)で構成され、第1磁極列と第2磁極列の間に配置された軟磁性体列を有する軟磁性体部材(第2ロータ10)と、を備え、磁気機械の動作中、第1磁極列、第2磁極列および軟磁性体列の少なくとも2つの間で、磁気回路が構成され、第1磁極列、第2磁極列および軟磁性体列を1組の磁気機械構造として、m(mは3以上の整数)組の磁気機械構造をさらに備え、隣り合う各2組の磁気機械構造において、第1磁極列の第1磁極と第2磁極列の第2磁極との間の所定方向における電気角の位相差が互いに異なるように設定されるとともに、第1磁極列の第1磁極と軟磁性体列の軟磁性体との間の所定方向における電気角の位相差が互いに異なるように設定され、m組の磁気機械構造において、第1磁極列、第2磁極列および軟磁性体列は、所定方向に互いに相対的に移動自在に構成されていることを特徴とする。
この磁気機械によれば、m組の磁気機械構造において、第1磁極列、第2磁極列および軟磁性体列が、所定方向に互いに相対的に移動自在に構成されているとともに、磁気機械の動作中、第1磁極列、第2磁極列および軟磁性体列の少なくとも2つの間で、磁気回路が構成されるので、第1磁極列、第2磁極列および軟磁性体列の相対的な移動に伴って、第1磁極列、第2磁極列および軟磁性体列の少なくとも2つの間に生じる磁力が変化する。さらに、第1磁極列の第1磁極と第2磁極列の第2磁極との間の所定方向における電気角の位相差が互いに異なるように設定されるとともに、第1磁極列の第1磁極と軟磁性体列の軟磁性体との間の所定方向における電気角の位相差が互いに異なるように設定されるので、上記のような、第1磁極列、第2磁極列および軟磁性体列の相対的な移動が発生している場合、隣り合う各2組の磁気機械構造では、磁力が互いに異なる状態で変化するとともに、一方の1組の磁気機械構造における磁力の強弱変化の状態が、他方の1組の磁気機械構造において時間的なずれを有しながら発生することになる。
したがって、この磁気機械を例えば磁気式動力伝達機構とした場合、3組以上の磁気機械構造を備えているので、特許文献3の磁気式動力伝達機構のような、2組の磁気機械構造しか備えていないものと比べて、第1磁極列の第1磁極と第2磁極列の第2磁極との間の所定方向における電気角の位相差、および第1磁極列の第1磁極と軟磁性体列の軟磁性体との間の所定方向における電気角の位相差をより細かく設定することができる。それにより、トルクや推力のコギングなどをより低減することができる。特に、磁気機械構造の組数が多いほど、トルクや推力のコギングなどをより低減することができる(なお、本明細書における「磁気機械」は、回転電動機やリニアモータなどの電動機と、磁気を介して動力を伝達する磁気式動力伝達機構とを意味する)。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の磁気機械(電動機1,1A)において、m組の磁気機械構造において、第1磁極列の第1磁極と第2磁極列の第2磁極との間の所定方向における電気角の位相差が、電気角2π/mずつずれた状態に設定されるとともに、第1磁極列の第1磁極と軟磁性体列の軟磁性体との間の所定方向における電気角の位相差が、電気角π/mずつずれた状態に設定されることを特徴とする。
この磁気機械によれば、m組の磁気機械構造において、第1磁極列の第1磁極と第2磁極列の第2磁極との間の所定方向における電気角の位相差が、電気角2π/mずつずれた状態に設定されるとともに、第1磁極列の第1磁極と軟磁性体列の軟磁性体との間の所定方向における電気角の位相差が、電気角π/mずつずれた状態に設定される。したがって、例えば、第1磁極または第2磁極を電機子が発生する磁極に設定することで、この磁気機械を回転電動機とした場合、その逆起電圧の算出式(後述する式(65)〜(67))は、後述するように、特許文献2の回転電動機における逆起電圧の算出式(後述する式(28)〜(30))と同じになるので、この電動機を、特許文献2の回転電動機と同じ作動状態で運転することができる。すなわち、第1磁極列を停止した場合、軟磁性体列および第2磁極列を所定方向に沿って移動するように駆動でき、第2磁極列を停止した場合、軟磁性体列および第1磁極列を所定方向に沿って移動するように駆動できる。一方、例えば、第1磁極および第2磁極を永久磁石の磁極に設定することで、この磁気機械を磁気式動力伝達機構とした場合、この磁気式動力伝達機構は、上述した電動機において、電機子を永久磁石に置き換えたものに相当する。したがって、この磁気式動力伝達機構を例えばトルク伝達タイプのものとした場合、3組以上の磁気機械構造を備えているので、特許文献3の磁気式動力伝達機構のような、2組の磁気機械構造しか備えていないものと比べて、第1磁極列の第1磁極と第2磁極列の第2磁極との間の所定方向における電気角の位相差、および第1磁極列の第1磁極と軟磁性体列の軟磁性体との間の所定方向における電気角の位相差を、より細かく設定することができる。それにより、コギングトルクなどをより低減することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の磁気機械において、第1磁極部材(第1〜第3ステータ6〜8、ケース2)は、m組の磁気機械構造におけるm個の第1磁極列を有し、第2磁極部材(第1ロータ3)は、m組の磁気機械構造におけるm個の第2磁極列を有し、軟磁性体部材(第2ロータ10)は、m組の磁気機械構造におけるm個の軟磁性体列を有することを特徴とする。
この磁気機械によれば、第1磁極部材、第2磁極部材および軟磁性体部材をいずれも1つのみ用いて、m組の磁気機械構造を有する磁気機械を実現することができる。それにより、部品点数を低減することができ、その分、製造コストを削減することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気機械において、第1磁極部材および第2磁極部材の少なくとも一方は、複数の電機子(第1〜第3電機子6a〜8a)を有し、複数の電機子は、第1磁極および第2磁極の少なくとも一方を発生可能であるとともに、発生した第1磁極および第2磁極の少なくとも一方によって、所定方向に移動する移動磁界を発生可能に構成されていることを特徴とする。
この磁気機械によれば、第1磁極部材および第2磁極部材の少なくとも一方は、複数の電機子を有し、複数の電機子は、第1磁極および第2磁極の少なくとも一方を発生可能であるとともに、発生した第1磁極および第2磁極の少なくとも一方によって、所定方向に移動する移動磁界を発生可能に構成されているので、この磁気機械は電動機として構成されている。したがって、この電動機を例えば回転電動機とした場合、前述したように、特許文献2の回転電動機と同じ作動状態で運転することができる。さらに、3組以上の磁気機械構造を備えているので、特許文献2の電動機のような、2組の磁気機械構造しか備えていないものと比べて、第1磁極列の第1磁極と第2磁極列の第2磁極との間の所定方向における電気角の位相差、および第1磁極列の第1磁極と軟磁性体列の軟磁性体との間の所定方向における電気角の位相差を、より細かく設定することができる。それにより、トルクリップルおよびコギングトルクをより低減することができる。特に、磁気機械構造の組数が多いほど、トルクリップルおよびコギングトルクをより低減することができる。また、電動機をリニアモータとした場合には、推力リップルおよびコギング推力をより低減することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気機械において、第1磁極部材は、所定方向に並んだ複数の第1永久磁石を有し、複数の第1磁極は、複数の第1永久磁石の磁極で構成され、第2磁極部材は、所定方向に並んだ複数の第2永久磁石を有し、複数の第2磁極は、複数の第2永久磁石の磁極で構成されていることを特徴とする。
この磁気機械によれば、複数の第1磁極が、複数の第1永久磁石の磁極で構成され、複数の第2磁極が、複数の第2永久磁石の磁極で構成されているので、この磁気機械は磁気式動力伝達機構となっている。また、この磁気式動力伝達機構は、請求項4の電動機において、電機子を永久磁石に置き換えたものに相当するので、移動磁界を第1磁極列または第2磁極列の移動に置き換えることによって、前述したような動作を実行することができる。さらに、この磁気式動力伝達機構を例えばトルク伝達タイプのものとした場合、3組以上の磁気機械構造を備えているので、特許文献3の磁気式動力伝達機構のような、2組の磁気機械構造しか備えていないものと比べて、第1磁極列の第1磁極と第2磁極列の第2磁極との間の所定方向における電気角の位相差、および第1磁極列の第1磁極と軟磁性体列の軟磁性体との間の所定方向における電気角の位相差を、より細かく設定することができる。それにより、コギングトルクなどをより低減することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1に記載の磁気機械において、所定方向は、所定軸線を中心とする円周方向であることを特徴とする。
この磁気機械によれば、トルクリップルおよびコギングトルクを低減可能な回転電動機または、コギングトルクなどを低減可能なトルク伝達タイプの磁気式動力伝達機構を実現することができる。
請求項7に係る発明は、請求項1に記載の磁気機械において、所定方向は、直線方向であることを特徴とする。
この磁気機械によれば、推力リップルおよびコギング推力を低減可能なリニアモータ、または、コギング推力などを低減可能な推力伝達タイプの磁気式動力伝達機構を実現することができる。
請求項8に係る磁気機械(電動機1B〜1D)は、所定の仮想面に沿いかつ隣り合う各2つの極性が互いに異なるように配置された複数の第1磁極(電機子61)を有する第1磁極部材(ステータ60)と、所定の仮想面に沿いかつ隣り合う各2つの極性が互いに異なるとともに、複数の第1磁極との間に間隙を存するように配置された複数の第2磁極(永久磁石42)を有する第2磁極部材(第1ロータ40)と、互いに間隔を存して所定の仮想面に沿うように複数の第1磁極(電機子61)と複数の第2磁極(永久磁石42)との間に配置された複数の軟磁性体(軟磁性体コア51)を有する軟磁性体部材(第2ロータ50)と、を備え、複数の第1磁極、複数の第2磁極および複数の軟磁性体は、所定の仮想面に沿って所定の移動方向に互いに相対的に移動自在に設けられており、複数の第1磁極(電機子61)の各々は、各第1磁極(電機子61)の両端部間の電気角がθsとなるように、所定の仮想面に沿う第1所定方向に延びており、複数の第2磁極(永久磁石42)の各々は、各第2磁極(永久磁石42)の両端部間の電気角がθaとなるように、所定の仮想面に沿う第2所定方向に延びており、複数の軟磁性体(軟磁性体コア51)の各々は、各軟磁性体(軟磁性体コア51)の両端部間の電気角がθbとなるように、所定の仮想面に沿う第3所定方向に延びており、3つの電気角θs,θa,θbは、θs=2θb−θaが成立するように設定されることを特徴とする。
この磁気機械によれば、複数の第1磁極の各々は、各第1磁極の両端部間の電気角がθsとなるように、所定の仮想面に沿う第1所定方向に延びており、複数の第2磁極の各々は、各第2磁極の両端部間の電気角がθaとなるように、所定の仮想面に沿う第2所定方向に延びており、複数の軟磁性体の各々は、各軟磁性体の両端部間の電気角がθbとなるように、所定の仮想面に沿う第3所定方向に延びているとともに、3つの電気角θs,θa,θbは、θs=2θb−θaが成立するように設定される。以上のように構成した場合、第1磁極および/または第2磁極を電機子が発生する磁極に設定することで、後述するように、請求項4に係る電動機と同じ作動状態が得られるとともに、請求項4に係る電動機と比べて、トルクや推力のリップルおよびコギングをさらに低減できる。その結果、トルクや推力のリップルおよびコギングを従来の電動機よりも低減することができる。また、例えば第1磁極を永久磁石の磁極に設定した場合には、トルクや推力のコギングなどを従来の磁気式動力伝達機構よりも低減することができる。一方、例えば、第1磁極および第2磁極を永久磁石の磁極に設定することで、この磁気機械を磁気式動力伝達機構とした場合、この磁気式動力伝達機構は、上述した電動機において、電機子を永久磁石に置き換えたものに相当する。それにより、トルクや推力のコギングなどをより低減することができる。
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の磁気機械において、3つの電気角θs,θa,θbは、2つの電気角θs,θaの一方が電気角θbに対して電気角π分大きいとともに、2つの電気角θs,θaの他方が電気角θbに対して電気角π分小さくなるように設定されることを特徴とする。
この磁気機械によれば、例えば、第1磁極および/または第2磁極を電機子が発生する磁極に設定し、磁気機械を回転電動機として構成した場合、後述するように、請求項2に係る磁気機械を回転電動機としかつm→∞にしたものと等価になるので、そのような回転電動機と同じ動作状態を得ることができるとともに、トルクリップルやコギングトルクをより低減することができる。また、この磁気機械をリニアモータとして構成した場合には、推力リップルやコギング推力をさらに低減することができる。一方、この磁気機械を磁気式動力伝達機構として構成した場合には、トルクや推力のコギングなどをさらに低減することができる。
請求項10に係る発明は、請求項8または9に記載の磁気機械において、第1磁極部材および第2磁極部材の少なくとも一方は、複数の電機子61を有し、複数の電機子61は、第1磁極および第2磁極の少なくとも一方を発生可能であるとともに、発生した第1磁極および第2磁極の少なくとも一方によって、所定の移動方向に移動する移動磁界を発生可能に構成されており、移動磁界の発生中、3つの電気角θs,θa,θbは、θs=2θb−θaが成立するように設定されることを特徴とする。
以上のように構成した場合、前述したように、請求項4に係る磁気機械すなわち電動機と同じ作動状態が得られるとともに、請求項4に係る電動機と比べて、トルクや推力のリップルおよびコギングをさらに低減できる。その結果、トルクや推力のリップルおよびコギングを従来の電動機よりも低減することができる。
請求項11に係る発明は、請求項8または9に記載の磁気機械において、第1磁極部材は、所定の移動方向に並んだ複数の第1永久磁石を有し、複数の第1磁極は、複数の第1永久磁石の磁極で構成され、第2磁極部材は、所定の移動方向に並んだ複数の第2永久磁石を有し、複数の第2磁極は、複数の第2永久磁石の磁極で構成されていることを特徴とする。
この磁気機械によれば、複数の第1磁極は、複数の第1永久磁石の磁極で構成され、複数の第2磁極は、複数の第2永久磁石の磁極で構成されているので、この磁気機械は磁気式動力伝達機構となっている。また、この磁気式動力伝達機構は、請求項10の磁気機械すなわち電動機において、電機子を永久磁石に置き換えたものに相当するので、移動磁界を第1磁極部材または第2磁極部材の移動に置き換えることによって、前述したような動作を実行することができる。さらに、この磁気機械を例えばトルク伝達タイプの磁気式動力伝達機構とした場合、特許文献3の磁気式動力伝達機構と比べて、コギングトルクなどをより低減できる磁気式動力伝達機構を実現することができる。
請求項12に係る発明は、請求項8に記載の磁気機械において、所定の移動方向は、所定軸線を中心とする円周方向であることを特徴とする。
この磁気機械によれば、トルクリップルおよびコギングトルクを低減可能な回転電動機または、コギングトルクなどを低減可能なトルク伝達タイプの磁気式動力伝達機構を実現することができる。
請求項13に係る発明は、請求項8に記載の磁気機械において、所定の移動方向は、仮想の平面であることを特徴とする。
この磁気機械によれば、推力リップルおよびコギング推力を低減可能なリニアモータ、または、コギング推力などを低減可能な推力伝達タイプの磁気式動力伝達機構を実現することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る磁気機械としての電動機について説明する。図1は、第1実施形態の電動機1の断面構成を模式的に示したものであり、図2は、図1のA−A線の位置で周方向に沿って破断した断面の一部を平面的に展開した状態を示している。なお、これらの図1,2では、理解の容易化のために断面部分のハッチングが省略されており、この点は後述する各種の図面においても同様である。また、以下の説明では、両図中の左側および右側をそれぞれ「左」および「右」という。さらに、図2では、便宜上、後述する側壁2bや回転軸10aなどが省略されている。
両図に示すように、この電動機1は、ケース2や、第1および第2ロータ3,10、第1〜第3ステータ6〜8などを備えている。ケース2は、円筒状の本体部2aと、その軸線方向の両端部に一体に形成された左右の側壁2b,2bなどを備えており、両側壁2b,2bの中央部には、中空の円筒部2c,2cが一体に設けられている。なお、本実施形態では、ケース2および第1〜第3ステータ6〜8が第1磁極部材に、第1ロータ3が第2磁極部材に、第2ロータ10が軟磁性体部材にそれぞれ相当する。
第1ロータ3は、回転軸3aと、この回転軸3aと一体に回転する第1および第2磁石ロータ部4,5を有している。この回転軸3aは、図示しない軸受を介して、その軸線回りに回動自在に支持されている。また、第1磁石ロータ部4は、回転軸3a上の所定位置に同心に設けられたフランジ4aと、その外端部に固定された2n(nは自然数)個の第1永久磁石4bからなる第1永久磁石列を有している。これらの第1永久磁石4bは、本体部2aの周方向に沿って電気角πのピッチで設けられているとともに、隣り合う各2つの第1永久磁石4b,4bの磁極は、互いに異なる極性を有するように設定されている。
一方、第2磁石ロータ部5は、回転軸3aに一体かつ同心に設けられたフランジ5aと、その外端部に固定された2n個の第2永久磁石5bからなる第2永久磁石列を有している。これらの第2永久磁石5bは、本体部2aの周方向に沿って電気角πのピッチで設けられているとともに、その中心位置が左右方向において第1永久磁石4bと一致するように、配置されている。各第2永久磁石5bの両側の磁極は、左右方向で同じ位置に並ぶ第1永久磁石4bと同じ極性を有するとともに、隣り合う各2つの第2永久磁石5b,5bの磁極が、互いに異なる極性を有するように設定されている。なお、本実施形態では、第1および第2永久磁石4b,5bの磁極が第2磁極に相当する。
また、第1ステータ6は、電力の供給に伴って、回転磁界を発生させるものであり、3n個の第1電機子6aからなる第1電機子列を有している。これらの第1電機子6aは、本体部2aの内壁の所定部位に取り付けられているとともに、本体部2aの周方向に沿って電気角2π/3のピッチで設けられている。各第1電機子6aは、鉄芯6bと、鉄芯6bに集中巻で巻回されたコイル6cなどで構成されており、3n個のコイル6cは、n組のU相、V相およびW相からなる3相コイルを構成している。また、U相コイル6cを有する第1電機子6aは、その電気的な位置が左右方向においてN極を有する第1永久磁石4bと一致するように配置されている。
さらに、第1電機子6aは、可変電源14に接続されている。この可変電源14は、インバータなどからなる電気回路とバッテリを組み合わせたものであり、ECU15に接続されている。また、第1電機子6aは、可変電源14から電力が供給されたときに、鉄芯6bの第1永久磁石4b側の端部に磁極が発生するように構成されており、これらの磁極の発生に伴い、第1回転磁界が、第1磁石ロータ部4との間に、第1ステータ6に沿って回転するように発生する。以下、鉄芯6bの第1永久磁石4b側の端部に発生する磁極を、「第1電機子磁極」という。また、これらの第1電機子磁極の数は、第1永久磁石4aの磁極と同じ数(すなわち2n個)になるように設定される。
一方、第2ステータ7も、第1ステータ6と同様に、電力の供給に伴って、回転磁界を発生させるものであり、第1電機子6aと同じ数(すなわち3n個)の第2電機子7aからなる第2電機子列を有している。これらの第2電機子7aは、本体部2aの内壁の所定部位に取り付けられているとともに、本体部2aの周方向に沿って電気角2π/3のピッチで設けられている。各第2電機子7aは、鉄芯7bと、鉄芯7bに集中巻で巻回されたコイル7cなどで構成されており、3n個のコイル7cは、n組のU相、V相およびW相からなる3相コイル7cを構成している。また、W相コイル7cを有する第2電機子7aは、その電気的な位置が左右方向において前述したU相コイル6cを有する第1電機子6aなどと一致するように、配置されている(図2参照)。
さらに、第2電機子7aは、可変電源14に接続されており、可変電源14から電力が供給されたときに、第2永久磁石5bの磁極と同じ数(すなわち2n個)の磁極が、鉄芯7bの第2永久磁石5b側の端部に発生するように構成されている。以下、鉄芯7bの第2永久磁石5b側の端部に発生する磁極を、「第2電機子磁極」という。この第2電機子磁極の発生に伴い、第2回転磁界が、第2電機子7aと第2磁石ロータ部5との間に第2ステータ7に沿って回転するように発生する。
なお、この電動機1では、第1および第2ステータ6,7の各々には、2つのステータ6,7間で磁束が漏れないようにするために、バックヨーク(図示せず)が設置されており、それにより、2つのステータ6,7間で磁気短絡が発生しないように構成されている。
一方、第3ステータ8は、前述した第1および第2ステータ6,7と同様に、電力の供給に伴って、回転磁界を発生させるものであり、第1および第2電機子6a,7aと同じ数(すなわち3n個)の第3電機子8aからなる第3電機子列を有している。これらの第3電機子8aは、本体部2aの右側壁2bに取り付けられているとともに、本体部2aの周方向に沿って電気角2π/3のピッチで設けられている。各第3電機子8aは、鉄芯8bと、鉄芯8bに集中巻で巻回されたコイル8cなどで構成されており、3n個のコイル8cは、n組のU相、V相およびW相からなる3相コイル8cを構成している。また、V相コイル8cを有する第3電機子8aは、その電気的な位置が左右方向において前述したU相コイル6cを有する第1電機子6aや、W相コイル7cを有する第2電機子7aなどと一致するように、配置されている(図2参照)。
さらに、第3電機子8aは、可変電源14に接続されており、可変電源14から電力が供給されたときに、第2永久磁石5bの磁極と同じ数(すなわち2n個)の磁極が、鉄芯8bの第2永久磁石5b側の端部に発生するように構成されている。以下、鉄芯8bの第2永久磁石5b側の端部に発生する磁極を、「第3電機子磁極」という。この第3電機子磁極の発生に伴い、第3回転磁界が、第3電機子8aと第2磁石ロータ部5との間に第3ステータ8に沿って回転するように発生する。なお、本実施形態では、第1〜第3電機子磁極が第2磁極に相当する。
一方、第2ロータ10は、中空で円筒状の回転軸10aと、これと一体の第1〜第3軟磁性体ロータ部11〜13などを備えている。この回転軸10aは、その内孔で前述した回転軸3aに嵌合しているとともに、外周部でケース2の円筒部2c,2cの内孔に嵌合している。また、この回転軸10aは、図示しない軸受によって支持されており、それにより、回転軸3aおよびケース2に対して軸線回りに回動自在に構成されている。
一方、第1軟磁性体ロータ部11は、回転軸10aに一体かつ同心に設けられた非磁性体のフランジ11aと、その外端部に固定された2n個の第1軟磁性体コア(以下「第1コア」という)11bからなる第1軟磁性体コア列とを有している。これらの第1コア11bは、複数の鋼板を積層することによって形成されており、本体部2aの周方向に沿って電気角πのピッチで設けられている。また、第1コア11bは、第1電磁石4bおよび第1電機子6aの中間に配置されており、第2ロータ10の回転時、第1永久磁石4bおよび第1電機子6aの中間の位置で本体部2aの周方向に沿って回転する。
さらに、第2軟磁性体ロータ部12は、回転軸10aに一体かつ同心に設けられた非磁性体のフランジ12aと、その外側寄りの部位に固定された2n個の第2軟磁性体コア(以下「第2コア」という)12bからなる第2軟磁性体コア列とを有している。これらの第2コア12bは、第1コア11bと同様に、複数の鋼板を積層することによって形成されており、本体部2aの周方向に沿って電気角πのピッチで設けられているとともに、第1コア11bに対して図2の下側に電気角π/3ずれた状態で配置されている。また、第2コア12bは、第2電機子7aおよび第2永久磁石5bの中間に配置されており、第2ロータ10の回転時、第2電機子7aおよび第2永久磁石5bの中間の位置で本体部2aの周方向に沿って回転する。
一方、第3軟磁性体ロータ部13は、回転軸10aに一体かつ同心に設けられた非磁性体のフランジ13aと、その外側寄りの部位に固定された2n個の第3軟磁性体コア(以下「第3コア」という)13bからなる第3軟磁性体コア列とを有している。このフランジ13aは、円筒部10bを介して、フランジ12aと一体に形成されている。また、2n個の第3コア13bは、第1および第2コア11b,12bと同様に、複数の鋼板を積層することによって形成されており、本体部2aの周方向に沿って電気角πのピッチで設けられているとともに、第2コア12bに対して図2の下側に電気角π/3ずれた状態で配置されている。以上のように、3つのコア11b〜13bは、隣り合う各2つのコアの位相差が図2の下側に向かって電気角π/3ずつずれた状態で配置されている。
また、第3コア13bは、第2永久磁石5bおよび第3電機子8aの中間に配置されており、第2ロータ10の回転時、第2永久磁石5bおよび第3電機子8aの中間の位置で本体部2aの周方向に沿って回転する。
以上の電動機1では、2つの永久磁石4b,5bと、3つのコア11b〜13bと、3つの鉄芯6b〜8bはいずれも、回転軸3aの軸線からの径方向の距離が同じでかつ軸線方向の断面積が同じになるように構成されている。なお、本実施形態では、3つのコア11b〜13bが軟磁性体に相当する。
また、ECU15は、CPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、可変電源14から第1〜第3電機子6a〜8aに供給される電力をそれぞれ制御することで、電動機1の運転動作を制御する。
次に、以上のように構成された本実施形態の電動機1の動作原理を説明するために、図3に示す電動機20について説明する。この電動機20は、本出願人が前述した特許文献2で提案済みのものである。同図において、電動機20の構成要素のうち、前述した電動機1と同じものについては、同じ符号を付し、その説明は省略する。
図3に示すように、電動機20は、ケース26と、ケース26に固定された2つの軸受27,27と、これらの軸受27,27に回動自在にそれぞれ支持された第1軸21および第2軸22と、ケース26内に設けられた第1ロータ23と、ケース26内に第1ロータ23に対向するように設けられたステータ24と、両者23,24の間に所定の間隔を存した状態で設けられた第2ロータ25などを備えている。第1ロータ23、第2ロータ25およびステータ24は、第1軸21の径方向に、内側からこの順で並んでいる。なお、2つの軸21,22は、互いに同心に配置されている。
第1ロータ23は、2n個の第1永久磁石23aおよび第2永久磁石23bを有しており、第1および第2永久磁石23a,23bはそれぞれ、第1軸21の周方向(以下、単に「周方向」という)に等間隔で並んでいる。これらの第1および第2永久磁石23a,23bは、リング状の固定部23cの外周面に、軸線方向に並び、互いに接した状態で取り付けられている。以上の構成により、第1および第2永久磁石23a,23bは、第1軸21と一体に回動自在になっている。
また、図4に示すように、第1軸21を中心として、周方向に隣り合う各2つの第1および第2永久磁石23a,23bの間のピッチは、電気角πに設定されている。また、第1および第2永久磁石23a,23bの極性は、軸線方向に並んだもの同士は同じ極性で、周方向に隣り合う各2つについては互いに異なっている。以下、第1および第2永久磁石23a,23bの磁極をそれぞれ、「第1磁極」および「第2磁極」という。
ステータ24は、第1および第2回転磁界を第1および第2永久磁石23a,23bとの間にそれぞれ発生させるものであり、周方向に等間隔で並んだ3n個の電機子24aを有している。各電機子24aは、鉄芯24bと、鉄芯24bに集中巻で巻回されたコイル24cなどで構成されている。鉄芯24bの内周面の軸線方向の中央部には、周方向に延びる溝24dが形成されている。3n個のコイル24cは、n組のU相、V相およびW相の3相コイルを構成している(図4参照)。また、電機子24aは、ケース26の周壁26aの内周面に、リング状の固定部24eを介して取り付けられている。
さらに、電機子24aは、可変電源14に接続されており、電力が供給されたときに、鉄芯24bの第1および第2永久磁石23a,23b側の端部に、互いに異なる極性の磁極がそれぞれ発生するように構成されている。また、これらの磁極の発生に伴って、第1ロータ23の第1永久磁石23a側の部分との間および第2永久磁石23b側の部分との間に、第1および第2回転磁界が周方向に回転するようにそれぞれ発生する。以下、鉄芯24bの第1および第2永久磁石23a,23b側の端部に発生する磁極をそれぞれ、「第1電機子磁極」および「第2電機子磁極」という。また、これらの第1および第2電機子磁極はそれぞれ、第1永久磁石23aの磁極と同じ数(すなわち2n個)に設定される。
第2ロータ25は、第1永久磁石23aと同じ数(すなわち2n個)の第1軟磁性体コア(以下「第1コア」という)25aおよび第2軟磁性体コア(以下「第2コア」という)25bを有している。これらのコア25a,25bはそれぞれ、周方向に電気角πのピッチで並んでいるとともに、両者25a,25bの位相差は電気角π/2ずれている。また、第1および第2コア25a,25bはいずれも、軟磁性体(具体的には複数の鋼板を積層したもの)で構成されている。
第1および第2コア25a,25bはそれぞれ、円板状のフランジ25eの外端部に、軸線方向に若干延びる棒状の連結部25c,25dを介して取り付けられている。フランジ25eは、第2軸22に一体に同心状に設けられている。この構成により、第1および第2コア25a,25bは、第2軸22と一体に回動自在になっている。
以上の構成の電動機20では、第1および第2軸21,22の一方を固定、またはこれらの一方に動力を入力した状態で、これらの他方を回転させるように構成されている。
次に、以上の電動機20の動作について説明する。ここで、電動機20の場合、図4の展開図では、電機子24aおよび固定部24eが2つに分かれているように示されているものの、これらは実際には1つのものであるので、図4の構成は、図5の構成と等価のものとみなすことができる。したがって、以下の説明では、図5に基づいて電動機20の動作を説明する。
まず、第1軸21を固定した状態で、第2軸22を回転させる場合の電動機20の動作について、図6および図7を参照しながら説明する。なお、説明の便宜上、第1および第2回転磁界の動きを、それと等価の、第1および第2永久磁石23a,23bなどと同数の2n個の仮想の永久磁石(以下「仮想磁石」という)24xの物理的な動きに置き換えて説明するものとする。また、仮想磁石24xの第1および第2永久磁石23a,23b側の磁極をそれぞれ、第1および第2電機子磁極として、第1永久磁石23aとの間および第2永久磁石23bとの間にそれぞれ発生する回転磁界を、第1および第2回転磁界として、説明するものとする。
まず、図6(a)に示すように、各第1コア25aが各第1永久磁石23aに対向するとともに、各第2コア25bが隣り合う各2つの第2永久磁石23bの間に位置した状態から、第1および第2回転磁界を、同図の下方に回転させるように発生させる。その発生の開始時においては、各第1電機子磁極の極性を、それに対向する各第1磁極の極性と異ならせるとともに、各第2電機子磁極の極性をそれに対向する各第2磁極の極性と同じに設定する。
第1コア25aが、第1ロータ23とステータ24の間に配置されているので、第1磁極および第1電機子磁極によって磁化されるとともに、第1磁極、第1コア25aおよび第1電機子磁極の間に、磁力線(以下「第1磁力線」という)G1が発生する。同様に、第2コア25bが、第1ロータ23とステータ24の間に配置されているので、第2電機子磁極および第2磁極によって磁化されるとともに、第1電機子磁極、第2コア25bおよび第2磁極の間に、磁力線(以下「第2磁力線」という)G2が発生する。
図6(a)に示す状態では、第1磁力線G1は、第1磁極、第1コア25aおよび第1電機子磁極を結ぶように発生し、第2磁力線G2は、周方向に隣り合う各2つの第2電機子磁極と両者の間に位置する第2コア25bを結ぶように、また、周方向に隣り合う各2つの第2磁極と両者の間に位置する第2コア25bを結ぶように発生する。その結果、この状態では、図8(a)に示すような磁気回路が構成される。この状態では、第1磁力線G1が直線状であることにより、第1コア25aには、周方向に回転させるような磁力は作用しない。また、周方向に隣り合う各2つの第2電機子磁極と第2コア25bの間の2つの第2磁力線G2の曲がり度合いおよび総磁束量が互いに等しく、同様に、周方向に隣り合う各2つの第2磁極と第2コア25bの間の2つの第2磁力線G2の曲がり度合いおよび総磁束量も、互いに等しく、バランスしている。このため、第2コア25bにも、周方向に回転させるような磁力は作用しない。
そして、仮想磁石24xが図6(a)に示す位置から図6(b)に示す位置に回転すると、第2電機子磁極、第2コア25bおよび第2磁極を結ぶような第2磁力線G2が発生するとともに、第1コア25aと第1電機子磁極の間の第1磁力線G1が、曲がった状態になる。また、これに伴い、第1および第2磁力線によって、図8(b)に示すような磁気回路が構成される。
この状態では、第1磁力線G1の曲がり度合いは小さいものの、その総磁束量が多いため、比較的強い磁力が第1コア25aに作用する。これにより、第1コア25aは、仮想磁石24xの回転方向、すなわち第1および第2回転磁界の回転方向(以下、「磁界回転方向」という)に、比較的大きな駆動力で駆動され、その結果、第2軸22が磁界回転方向に回転する。また、第2磁力線G2の曲がり度合いは大きいものの、その総磁束量が少ないため、比較的弱い磁力が第2コア25bに作用し、それにより、第2コア25bは、磁界回転方向に比較的小さな駆動力で駆動され、その結果、第2軸22が磁界回転方向に回転する。
次いで、仮想磁石24xが、図6(b)に示す位置から、図6(c),(d)および図7(a),(b)に示す位置に順に回転すると、第1コア25aおよび第2コア25bはそれぞれ、第1および第2磁力線G1,G2に起因する磁力によって磁界回転方向に駆動され、その結果、第2軸22が磁界回転方向に回転する。その間、第1コア25aに作用する磁力は、第1磁力線G1の曲がり度合いが大きくなるものの、その総磁束量が少なくなることによって、徐々に弱くなり、第1コア25aを磁界回転方向に駆動する駆動力が、徐々に小さくなる。また、第2コア25bに作用する磁力は、第2磁力線G2の曲がり度合いが小さくなるものの、その総磁束量が多くなることによって、徐々に強くなり、第2コア25bを磁界回転方向に駆動する駆動力が、徐々に大きくなる。
そして、仮想磁石24xが図7(b)に示す位置から図7(c)に示す位置に回転する間、第2磁力線G2が曲がった状態になるとともに、その総磁束量が最多に近い状態になり、その結果、最強の磁力が第2コア25bに作用し、第2コア25bに作用する駆動力が最大になる。その後、図7(c)に示すように、仮想磁石24xが電気角π分、回転することにより、仮想磁石24xが第1および第2永久磁石23a,23bに対向する位置に移動すると、互いに対向する第1電機子磁極および第1磁極が互いに同一極性になり、第1コア25aが、周方向に隣り合う2組の同一極性の第1電機子磁極および第1磁極の間に位置するようになる。この状態では、第1磁力線の曲がり度合いが大きいものの、その総磁束量が少ないことによって、第1コア25aには、磁界回転方向に回転させるような磁力が作用しない。また、互いに対向する第2電機子磁極および第2磁極が互いに異なる極性になる。
この状態から、仮想磁石24xがさらに回転すると、第1および第2磁力線G1,G2に起因する磁力によって、第1コア25aおよび第2コア25bが磁界回転方向に駆動され、第2軸22が磁界回転方向に回転する。その際、仮想磁石24xが図6(a)に示す位置まで回転する間、以上とは逆に、第1コア25aに作用する磁力は、第1磁力線G1の曲がり度合が小さくなるものの、その総磁束量が多くなることによって強くなり、第1コア25aに作用する駆動力が大きくなる。逆に、第2コア25bに作用する磁力は、第2磁力線G2の曲がり度合が大きくなるものの、その総磁束量が少なくなることによって弱くなり、第2コア25bに作用する駆動力が小さくなる。
以上のように、仮想磁石24xの回転、すなわち第1および第2回転磁界の回転に伴い、第1コア25aおよび第2コア25bにそれぞれ作用する駆動力が、交互に大きくなったり、小さくなったりする状態を繰り返しながら、第2軸22が磁界回転方向に回転する。すなわち、第1軸21を固定した状態で、第2軸22を回転させる場合、電動機20は以上のように作動する。
また、図6(a)と図7(c)を比較すると明らかなように、仮想磁石24xが電気角π分、回転するのに伴って、第1コア25aおよび第2コア25bが電気角π/2分しか回転しないので、第2軸22は、第1および第2回転磁界の回転速度の1/2の速度で回転する。これは、第1および第2磁力線G1,G2に起因する磁力の作用によって、第1コア25aおよび第2コア25bが、第1磁力線G1で結ばれた第1磁極と第1電機子磁極の中間、および第2磁力線G2で結ばれた第2磁極と第2電機子磁極の中間に、それぞれ位置した状態を保ちながら、回転するためである。
この場合、第2軸22の回転速度(以下「第2軸回転速度」という)V2は、第1および第2回転磁界の回転速度(以下「磁界回転速度」という)V0の1/2の大きさになり、V2=V0/2が成立する。すなわち、この場合の第1軸21の回転速度(以下「第1軸回転速度」という)V1、第2軸回転速度V2および磁界回転速度V0の関係は、図11(a)に示すように表される。
次に、図9および図10を参照しながら、第2軸22を固定した状態で、第1軸21を回転させる場合の電動機20の動作について説明する。第1コア25aが、前述したように配置されているので、第1磁極と第1電機子磁極によって磁化されるとともに、第1磁極、第1コア25aおよび第1電機子磁極の間に、磁力線(以下「第1磁力線」という)G1’が発生する。同様に、第2コア25bが、前述したように配置されているので、第2電機子磁極および第2磁極によって磁化されるとともに、第2電機子磁極、第2コア25bおよび第2磁極の間に、磁力線(以下「第2磁力線」という)G2’が発生する。
まず、図9(a)に示すように、各第1コア25aが第1永久磁石23aに対向するとともに、各第2コア25aが隣り合う各2つの第2永久磁石23bの間に位置した状態から、第1および第2回転磁界を同図の下方に回転させるように発生させる。その発生の開始時においては、各第1電機子磁極の極性を、それに対向する各第1磁極の極性と異ならせるとともに、各第2電機子磁極の極性をそれに対向する各第2磁極の極性と同じに設定する。
この状態から、仮想磁石24xが図9(b)に示す位置に回転すると、第1コア25aと第1電機子磁極の間の第1磁力線G1’が曲がった状態になるのに伴い、第2電機子磁極が第2コア25bに近づくことによって、第2電機子磁極、第2コア25bおよび第2磁極を結ぶような第2磁力線G2’が発生する。その結果、第1および第2永久磁石23a,23b、仮想磁石24x、ならびに第1および第2コア25a,25bにおいて、前述した図8(b)に示すような磁気回路が構成される。
この状態では、第1磁極と第1コア25aの間の第1磁力線G1’の総磁束量は高いものの、この第1磁力線G1’がまっすぐであるため、第1コア25aに対して第1永久磁石23aを回転させるような磁力が発生しない。また、第2磁極およびこれと異なる極性の第2電機子磁極の間の距離が比較的長いことにより、第2コア25bと第2磁極の間の第2磁力線G2’の総磁束量は比較的少ないものの、その曲がり度合いが大きいことによって、第2永久磁石23bに、これを第2コア25bに近づけるような磁力が作用する。これにより、第2永久磁石23bは、第1永久磁石23aとともに、仮想磁石24xの回転方向すなわち磁界回転方向と逆方向(図9の上方)に駆動され、図9(c)に示す位置に向かって回転する。また、これに伴い、第1軸21が磁界回転方向と逆方向に回転する。
そして、第1および第2永久磁石23a,23bが図9(b)に示す位置から図9(c)に示す位置に向かって回転する間、仮想磁石24xは、図9(d)に示す位置に向かって回転する。以上のように、第2永久磁石23bが第2コア25bに近づくことにより、第2コア25bと第2磁極の間の第2磁力線G2’の曲がり度合いは小さくなるものの、仮想磁石24xが第2コア25bにさらに近づくのに伴い、第2磁力線G2’の総磁束量は多くなる。その結果、この場合にも、第2永久磁石23bに、これを第2コア25b側に近づけるような磁力が作用し、それにより、第2永久磁石23bが、第1永久磁石23aとともに、磁界回転方向と逆方向に駆動される。
また、第1永久磁石23aが磁界回転方向と逆方向に回転するのに伴い、第1磁極と第1コア25aの間の第1磁力線G1’が曲がることによって、第1永久磁石23aに、これを第1コア25aに近づけるような磁力が作用する。しかし、この状態では、第1磁力線G1’に起因する磁力は、第1磁力線G1’の曲がり度合いが第2磁力線G2’よりも小さいことによって、上述した第2磁力線G2’に起因する磁力よりも弱い。その結果、両磁力の差分に相当する磁力によって、第2永久磁石23bが第1永久磁石23aとともに、磁界回転方向と逆方向に駆動される。
そして、図9(d)に示すように、第1磁極と第1コア25aの間の距離と、第2コア25bと第2磁極の間の距離が互いにほぼ等しくなったときには、第1磁極と第1コア25aの間の第1磁力線G1’の総磁束量および曲がり度合いが、第2コア25bと第2磁極の間の第2磁力線G2’の総磁束量および曲がり度合いとそれぞれほぼ等しくなる。その結果、これらの第1および第2磁力線G1’,G2’に起因する磁力が互いにほぼ釣り合うことによって、第1および第2永久磁石23a,23bが一時的に駆動されない状態になる。
この状態から、仮想磁石24xが図10(a)に示す位置まで回転すると、第1磁力線G1’の発生状態が変化し、図10(b)に示すような磁気回路が構成される。それにより、第1磁力線G1’に起因する磁力が、第1永久磁石23aを第1コア25aに近づけるようにほとんど作用しなくなるので、第2磁力線G2’に起因する磁力によって、第2永久磁石23bは、第1永久磁石23aとともに、図10(c)に示す位置まで、磁界回転方向と逆方向に駆動される。
そして、図10(c)に示す位置から、仮想磁石24xが若干、回転すると、以上とは逆に、第1磁極と第1コア25aの間の第1磁力線G1’に起因する磁力が、第1永久磁石23aに、これを第1コア25aに近づけるように作用し、それにより、第1永久磁石23aが第2永久磁石23bとともに、磁界回転方向と逆方向に駆動され、第1軸21が磁界回転方向と逆方向に回転する。そして、仮想磁石24xがさらに回転すると、第1磁極と第1コア25aの間の第1磁力線G1’に起因する磁力と第2コア25bと第2磁極の間の第2磁力線G2’に起因する磁力の差分に相当する磁力によって、第1永久磁石23aが第2永久磁石23bとともに、磁界回転方向と逆方向に駆動される。その後、第2磁力線G2’に起因する磁力が、第2永久磁石23bを第2コア25bに近づけるようにほとんど作用しなくなると、第1磁力線G1’に起因する磁力によって、第1永久磁石23aが第2永久磁石23bとともに駆動される。
以上のように、第1および第2回転磁界の回転に伴い、第1磁極と第1コア25aの間の第1磁力線G1’に起因する磁力と、第2コア25bと第2磁極の間の第2磁力線G2’に起因する磁力と、これらの磁力の差分に相当する磁力とが、第1および第2永久磁石23a,23bに、すなわち第1軸21に交互に作用し、それにより、第1軸21が磁界回転方向と逆方向に回転する。また、そのように磁力すなわち駆動力が、第1軸21に交互に作用することによって、第1軸21のトルクは、ほぼ一定になる。
この場合、図11(b)に示すように、第1軸21は、第1および第2回転磁界と同じ速度で逆回転し、V1=−V0が成立する。これは、第1および第2磁力線G1’,G2’に起因する磁力の作用によって、第1および第2コア25a,25bが、第1磁極と第1電機子磁極の中間、および第2磁極と第2電機子磁極の中間にそれぞれ位置した状態を保ちながら、第1および第2永久磁石23a,23bが回転するためである。
なお、第1軸21および第2軸22を回転可能にし、両者21,22の一方に動力を入力した状態で、他方を回転させる場合には、磁界回転速度V0、第1軸回転速度V1、および第2軸回転速度V2の間に、次のような関係が成立する。すなわち、前述したように、第1および第2磁力線G1,G2に起因する磁力の作用によって、第1および第2コア7a,8aは、第1磁極と第1電機子磁極の中間、および第2磁極と第2電機子磁極の中間にそれぞれ位置した状態を保ちながら回転する。このことは、第1および第2コア25a,25bにも同様に当てはまる。第1および第2コア25a,25bがそのように回転するので、両者25aおよび25bと一体の第2軸22の回転角度は、第1および第2回転磁界の回転角度と、第1および第2磁極の回転角度すなわち第1軸21の回転角度との平均値になる。
したがって、第1および第2軸21,22の一方に動力を入力し、他方を回転させる場合には、磁界回転速度V0、第1および第2軸の回転速度V1,V2において、V2=(V0+V1)/2の関係が成立する。この場合、磁界回転速度V0と、第1および第2軸21,22の一方の回転速度を制御することによって、他方の回転速度を制御することができる。図11(c)は、第1および第2軸21,22をいずれも磁界回転方向に回転させた例、図11(d)は、第1軸21を逆回転させた例である。
次に、以上のように構成された電動機20の電圧方程式の導出法について説明する。この電動機20の場合、一般的な1ロータタイプのブラシレスDCモータと比較して、ステータ24の構成は同じであるのに対し、永久磁石などで構成された第1ロータ23だけでなく、軟磁性体などで構成された第2ロータ25を有するという点が異なっている。このことから、U相〜W相の電流Iu,Iv,Iwに対する電圧は、一般的なブラシレスDCモータの場合とほぼ同じであるのに対し、第1および第2ロータ23,25の回転に伴ってU相〜W相のコイル24cに発生する逆起電圧(誘起電圧)は、一般的なブラシレスDCモータの場合と異なるものとなる。
この逆起電圧は、以下に述べるように求められる。図12は、2n個の第1永久磁石23a、2n個の第1コア25aおよび3n個の電機子24aを1組の電動機構造とした場合において、この電動機構造に相当する等価回路の一例を示している。なお、同図は、便宜上、極数=2の場合を示しているが、電動機20の極数は、前述したように2nである。この場合、第1コア25aを介さずに、U相〜W相のコイル24cをそれぞれ直接、通過する第1永久磁石23aの磁束Ψua1、Ψva1、Ψwa1は、下式(1)〜(3)でそれぞれ表される。
Figure 0004701269
ここで、Ψfbは、各相のコイル24cを直接、通過する第1永久磁石23aの磁束の最大値である。また、θe1は、第1ロータ電気角であり、基準となるステータ24の1つの電機子24a(以下「基準電機子」という)に対する第1ロータ23の回転角を電気角で表したものである。
また、第1コア25aを介してU相〜W相のコイル24cをそれぞれ通過する第1永久磁石23aの磁束Ψua2、Ψva2、Ψwa2は、下式(4)〜(6)でそれぞれ表される。
Figure 0004701269
ここで、Ψfaは、第1コア25aを介して各相のコイル24cを通過する第1永久磁石23aの磁束の最大値である。また、θe2は、第2ロータ電気角であり、上記基準電機子に対する第2ロータ25の回転角を電気角で表したものである。
U相〜W相のコイル24cをそれぞれ通過する第1永久磁石23aの磁束Ψua、Ψva、Ψwaは、上述したU相〜W相のコイル24cを直接、通過する磁束Ψua1、Ψva1、Ψwa1と、第1コア25aを介して通過する磁束Ψua2、Ψva2、Ψwa2との和、すなわち、(Ψua1+Ψua2)、(Ψva1+Ψva2)および(Ψwa1+Ψwa2)でそれぞれ表される。したがって、これらの磁束Ψua、Ψva、Ψwaは、上述した式(1)〜(6)より、下式(7)〜(9)でそれぞれ表される。
Figure 0004701269
また、これらの式(7)〜(9)を変形すると、下式(10)〜(12)が得られる。
Figure 0004701269
さらに、U相〜W相のコイル24cをそれぞれ通過する第1永久磁石23aの磁束Ψua、Ψva、Ψwaを時間微分することによって、第1永久磁石23aおよび/または第1コア25aの回転に伴ってU相〜W相のコイル24cに発生する逆起電圧(以下、それぞれ「第1U相逆起電圧Vcu1」「第1V相逆起電圧Vcv1」「第1W相逆起電圧Vcw1」という)がそれぞれ得られる。したがって、これらの第1U相〜W相の逆起電圧Vcu1、Vcv1、Vcw1は、式(10)〜(12)を時間微分することにより得られた下式(13)〜(15)でそれぞれ表される。
Figure 0004701269
ここで、ωe2は、θe2の時間微分値、すなわち、第2ロータ25の角速度を電気角速度に換算した値(以下「第2ロータ電気角速度」という)であり、ωe1は、θe1の時間微分値、すなわち、第1ロータ23の角速度を電気角速度に換算した値(以下「第1ロータ電気角速度」という)である。
また、図13は、2n個の第2永久磁石23b、2n個の第2コア25bおよび3n個の電機子24aを1組の電動機構造とした場合において、この電動機構造に相当する等価回路の一例を示している。この場合、第2永久磁石23bおよび/または第2コア25bの回転に伴ってU相〜W相のコイル24cに発生する逆起電圧は、上述した第1永久磁石23aおよび第1コア25aの場合と同様に、次のようにして求められる。以下、これらのU相〜W相のコイル24cに発生する逆起電圧をそれぞれ、「第2U相逆起電圧Vcu2」「第2V相逆起電圧Vcv2」「第2W相逆起電圧Vcw2」という。
すなわち、前述したように第1および第2永久磁石23a,23bは互いに一体であるので、各相のコイル24cを直接、通過する第2永久磁石23bの磁束の最大値は、各相のコイル24cを直接、通過する第1永久磁石23aの磁束の最大値と等しく、かつ、第2コア25bを介して各相のコイル24cを通過する第2永久磁石23bの磁束の最大値は、第1コア25aを介して各相のコイル24cを通過する第1永久磁石23aの磁束の最大値と等しい。また、前述したように、第1および第2コア25a,25bの間の電気角は、互いに電気角π/2ずれている(図13参照)。以上から、U相〜W相のコイル24cをそれぞれ通過する第2永久磁石23bの磁束Ψub、Ψvb、Ψwb(すなわち第2コア25bを介して通過する磁束と、介さずに直接、通過する磁束との和)は、下式(16)〜(18)でそれぞれ表される。
Figure 0004701269
また、これらの式(16)〜(18)を変形すると、下式(19)〜(21)が得られる。
Figure 0004701269
さらに、U相〜W相のコイル24cをそれぞれ通過する第2永久磁石23bの磁束Ψub、Ψvb、Ψwbを時間微分することによって、上述した第2U相〜W相の逆起電圧Vcu2、Vcv2、Vcw2がそれぞれ得られる。したがって、これらの逆起電圧Vcu2、Vcv2、Vcw2は、式(19)〜(21)を時間微分することにより得られた下式(22)〜(24)でそれぞれ表される。
Figure 0004701269
また、前述したように、ステータ24は、その鉄芯24bの第1および第2永久磁石23a,23b側の端部に、互いに異なる極性の磁極が発生するように構成されている。さらに、第1および第2永久磁石23a,23bのうち、軸線方向に並んだもの同士の極性は、同じになっている。これらのことから明らかなように、軸線方向に並んだ第1および第2永久磁石23a,23bの電気角は、互いに電気角πずれている。このため、第1および/または第2のロータ23,25の回転に伴ってU相〜W相のコイル24cに発生する逆起電圧Vcu、Vcv、Vcwはそれぞれ、前述した第1U相〜W相の逆起電圧Vcu1、Vcv1、Vcw1と、第2U相〜W相の逆起電圧Vcu2、Vcv2、Vcw2との差、すなわち、(Vcu1−Vcu2)、(Vcv1−Vcv2)および(Vcw1−Vcw2)となる。したがって、これらの逆起電圧Vcu、Vcv、Vcwは、式(13)〜(15)および式(22)〜(24)より、下式(25)〜(27)で表される。
Figure 0004701269
ここで、電動機20全体の総磁束量をΨとすると、Ψ=2・Ψfaが成立するので、これを上記式(25)〜(27)に適用すると、下式(28)〜(30)が得られる。
Figure 0004701269
また、U相〜W相のコイル24cの電圧(以下、それぞれ「U相電圧Vu」「V相電圧Vu」「W相電圧Vw」という)は、U相〜W相の電流Iu,Iv,Iwに対する電圧と、U相〜W相のコイル24cの逆起電圧Vcu,Vcv,Vcwとの和でそれぞれ表される。したがって、電動機20の電圧方程式は、下式(31)のようになる。
Figure 0004701269
ここで、前述したように、Ru,RvおよびRwはそれぞれU相〜W相のコイル24cの抵抗であり、Lu,LvおよびLwはそれぞれ、U相〜W相のコイル24cの自己インダクタンスであり、いずれも所定値である。また、Muvは、U相コイル24cとV相コイル24cの間の相互インダクタンスであり、Mvwは、V相コイル24cとW相コイル24cの間の相互インダクタンスであり、Mwuは、W相コイル24cとU相コイル24cの間の相互インダクタンスであり、いずれも所定値である。さらに、sは微分演算子である。
また、上記の式(31)を参照すると明らかなように、電動機20の電圧方程式の(2θe2−θe1)および(2ωe2−ωe1)を、一般的なブラシレスDCモータのロータの電気角θeおよび電気角速度ωeにそれぞれ置き換えると、一般的なブラシレスDCモータの電圧方程式と同じになる。このことから、電動機20を作動させるためには、前述した第1および第2回転磁界のベクトルの電気角θxを、θx=(2θe2−θe1)が成立するように制御すればよいことが分かる。また、以上の点は、極数やコイル24cの相数にかかわらずに成立する。
一方、本実施形態の電動機1の場合、前述したように、その運転中、ECU15によって第1〜第3ステータ6〜8への供給電力が制御されることで、第1〜第3回転磁界が発生する。その際、図14に示すように、これらの第1〜第3回転磁界を3つの仮想磁石6x〜8xの回転に置き換えた場合、仮想磁石6x〜8xの磁極(すなわち第1〜第3電機子磁極)の極性および互いの位相において同図に示す関係が成立するように、第1〜第3ステータ6〜8への供給電力が制御される。なお、同図では、理解の容易化のために、第1ロータの2つの永久磁石4b,5bと第2ロータ10の第1コア11bの位相が、同じ位置にある状態が示されている。また、同図中の黒塗りで示す磁極が永久磁石の磁極を表しており、この点は以下の図面においても同様である。
同図における第2永久磁石5bを2つの第2永久磁石5b1,5b2を一体に組み合わせたものと考えた場合、第2永久磁石5bを2つの第2永久磁石5b1,5b2に分割するとともに、第2コア12bに対する第2永久磁石5b1と仮想磁石7xとの位置関係を入れ換えると、図15のようになる。すなわち、図15の構成は図14の構成と等価なものと見なすことができる。
この図15を参照すると明らかなように、3つの永久磁石4b,5b1,5b2は同じ極性のものが同図の左右方向に並んでおり、互いに同一の位相になっている。また、第1〜第3コア11b〜13bの場合、互いに隣り合う2つのコアは、同図の下側に電気角π/3ずつずれている。すなわち、第1〜第3コア11b〜13bはスキュー配置されている。さらに、仮想磁石6x〜8xの磁極すなわち第1〜第3電機子磁極の場合、互いに隣り合う2つの磁極は、同図の下側に電気角2π/3ずつずれている。
ここで、前述した第1永久磁石列、第1軟磁性体コア列および第1電機子列を1組の電動機構造(以下「第1電動機構造」という)とした場合、この第1電動機構造に相当する等価回路の一例は、図16に示すものとなる。また、第2永久磁石5b1(すなわち第2永久磁石5b)からなる第2永久磁石列、第2軟磁性体コア列および第2電機子列を1組の電動機構造(以下「第2電動機構造」という)とした場合、この第2電動機構造に相当する等価回路の一例は、図17に示すものとなる。
さらに、第2永久磁石5b2(すなわち第2永久磁石5b)からなる第2永久磁石列、第3軟磁性体コア列および第3電機子列を1組の電動機構造(以下「第3電動機構造」という)とした場合、この第3電動機構造に相当する等価回路の一例は、図18に示すものとなる。なお、これらの図16〜図18は、便宜上、極数=2の場合を例示したものである。以上のような3つの電動機構造の各々では、回転磁界が発生した際、各電動機構造の永久磁石、軟磁性体コアおよび電機子の間に、磁気回路(図示せず)が構成される。なお、本実施形態では、電動機構造が磁気機械構造に相当する。
次に、以上のような3つの電動機構造を有する電動機1の逆起電圧について説明する。第1および第2ロータ3,10が回転した場合、3つの電動機構造のU相にそれぞれ表れる磁束Ψu1〜Ψu3は、下式(32)〜(34)に示すものとなる。
Figure 0004701269
ここで、ψfは、3つのコア11b〜13bを介して3つのU相コイル6c〜8cを通過する第1および第2永久磁石4b,5bの磁束の最大値である。また、θ1は第1ロータ電気角であり、基準位置に対する第1ロータ3の回転角を電気角で表したものである。さらに、θ2は、第2ロータ電気角であり、基準位置に対する第2ロータ10の回転角を電気角で表したものである。これに加えて、ω1,ω2はそれぞれ、2つの電気角θ1,θ2の時間微分値を表している。
次いで、三角関数の積和公式cosαcosβ=(1/2){cos(α+β)+cos(α−β)}を上式(32)〜(34)に適用すると、下式(35)〜(37)が得られる。
Figure 0004701269
ここで、電動機1のU相全体に表れる磁束Ψuは、3つのΨu1〜Ψu3の和となるので、磁束Ψuの算出式として下式(38)が得られる。
Figure 0004701269
以上の磁束Ψuの算出式の導出法と同じ手法により、電動機1のV相全体およびW相全体に表れる磁束Ψv,Ψwの算出式を導出すると、下式(39),(40)が得られる。
Figure 0004701269
ここで、3つのコア11b〜13bを介することなく、3つのU相コイル6c〜8cを直接、通過する第1および第2永久磁石4b,5bの磁束は、極めて小さく、その影響を無視できる。これと同様に、3つのコア11b〜13bを介することなく、V相コイル6c〜8cおよびW相コイル6c〜8cをそれぞれ直接、通過する第1および第2永久磁石4b,5bの磁束も、極めて小さく、その影響を無視できる。以上の理由によって、U相、V相およびW相の逆起電圧はそれぞれ、磁束Ψu、Ψv、Ψwを時間微分した値dΨu/dt、dΨv/dt、dΨw/dtに相当することになり、それにより、U相、V相およびW相の逆起電圧の算出式は、以上の式(38)〜(40)を時間微分することによって、下式(41)〜(43)として導出される。
Figure 0004701269
ここで、電動機1全体の総磁束量をΨとすると、Ψ=3・ψfが成立するので、これを式(41)〜(43)に適用すると、下式(44)〜(46)が得られる。
Figure 0004701269
以上の逆起電圧dΨu/dt、dΨv/dt、dΨw/dtの算出式(44)〜(46)を、前述した電動機20の逆起電圧Vcu、Vcv、Vcwの算出式(28)〜(30)と比較すると、両者は同じであることが判る。
したがって、この電動機1の場合においても、前述した第1〜第3回転磁界のベクトルの電気角θyを、θy=(2θ2−θ1)が成立するように制御することによって、電動機1を電動機20と同じように作動させることができる。すなわち、第1ロータ3および第2ロータ10の一方と、ケース2とを固定したときに、第1ロータ3および第2ロータ10の他方を回転させることができる。
さらに、3組の電動機構造を備えているので、2組の電動機構造しか備えていない電動機20と比べて、電機子6aに発生する磁極と永久磁石4bの磁極との間の電気角の位相差、および電機子6aに発生する磁極と第2ロータ10の第1コア11bとの間の電気角の位相差を、より細かく設定することができる。それにより、トルクリップルおよびコギングトルクをより低減することができる。
なお、第1実施形態は、磁気機械としての電動機1を回転電動機として構成した例であるが、本発明の電動機はこれに限らず、リニアモータなどの電動機として構成してもよい。例えば、本発明の電動機をリニアモータとして構成する場合には、2つの永久磁石と、3つの電機子と、3つの軟磁性体コアとを、前述した図2のように平面的に配置するとともに、3つの永久磁石と、3つの軟磁性体コアと、3つの電機子に発生する回転磁界の磁極とが、前述した図14の位置関係になるように、3つの電機子への供給電力を制御すればよい。
また、第1実施形態の電動機1は、第1および第2永久磁石4b,5b、第1〜第3電機子6〜8および第1〜第3コア11b〜13bを図1に示すように軸線方向に並べて配置した例であるが、これらの構成を、前述した図3の電動機20と同じように径方向に並べて配置してもよい。その場合には、第1および第2永久磁石4b,5bを、図3の固定部23cの外周面に取り付け、第1〜第3電機子6〜8を、図3の周壁26aの内周面に取り付けるとともに、第1〜第3コア11b〜13bを、円板状のフランジ25eの外端部に棒状の連結部を介して取り付ければよい。
さらに、第1実施形態は、第1および第2磁石ロータ部4,5を第1ロータ3として一体に構成した例であるが、2つのロータ部4,5を別体のものとし、これらの2つのロータ部4,5を機械的に連結することによって、両者を連動するように構成してもよい。これと同様に、第1〜第3軟磁性体ロータ部11〜13を別体のものとし、3つの軟磁性体ロータ部11〜13を連結することによって、これらを連動するように構成してもよい。
また、第1実施形態の電動機1の第1ロータ3において、第1および第2磁石ロータ部4,5の永久磁石4b,5bの列に代えて、電機子列を設けるとともに、これらの電機子列に発生する磁極が永久磁石4b,5bの磁極と同じになるように、電機子列への供給電力を制御してもよい。
一方、第1実施形態は、第1〜第3電動機構造において、電動機1の運転中、2つの永久磁石4b,5bの磁極(すなわち第2磁極)と、3つのコア11b〜13bと、3つの電機子6a〜8aに発生する磁極(すなわち第1磁極)との位置関係が、前述した図14に示す位置関係(または第2永久磁石5bを2つの永久磁石5b1,5b2からなるものと見なしたときには図15に示す位置関係)になるように、第1〜第3電機子6a〜8aへの供給電力を制御した例であるが、本発明の第1磁極と、第2磁極と、軟磁性体部材の軟磁性体との間の位置関係はこれに限らず、電動機の運転中、第1〜第3電動機構造において、第1磁極と第2磁極との間の電気角の位相差が、電機子の配置方向に対して電気角2π/3ずつずれた状態になるとともに、第1磁極と軟磁性体部材の軟磁性体との間の電気角の位相差が、電機子の配置方向に対して電気角π/3ずつずれた状態になるように、3つの電機子への供給電力が制御されるものであればよい。
例えば、前述した電動機1に代えて、図19に示す電動機1Aのように構成してもよい。この電動機1Aでは、第2ロータ10の第1〜第3コア11b〜13bが同図の左右方向に同じ位置になるように配置されているとともに、電動機1Aの運転中、第1〜第3電動機構造において、3つの電機子6a〜8aに発生する磁極すなわち仮想磁石6x〜8xの磁極と、3つの永久磁石4b,5b1,5b2の磁極との間の電気角の位相差が、電機子6a〜8aの配置方向に対して電気角2π/3ずつずれた状態になるとともに、仮想磁石6x〜8xの磁極と、第1〜第3コア11b〜13bとの間の電気角の位相が、電機子6a〜8aの配置方向に対して電気角π/3ずつずれた状態になるように、第1〜第3電機子6a〜8aへの供給電力が制御される。このように構成した場合でも、3つの電気角θy,θ1,θ2において、θy=(2θ2−θ1)の関係が成立し、それにより、第1実施形態の電動機1と同じ作用効果を得ることができる。
さらに、図15に示す3つの電動機構造において、3つの永久磁石4b,5b1,5b2と、3つの電機子の磁極とを左右方向に入れ換えて配置してもよい。これに加えて、3つの永久磁石4b,5b1,5b2を図15の左右方向の同じ位置ではなく、電動機1の回転方向に沿ってスキュー配置してもよい。以上の場合でも、3つの電動機構造において、上記の電気角のずれの関係が成立するように、第1〜第3電機子6a〜8aへの供給電力を制御することによって、図15に示す3つの電動機構造すなわち図14に示す3つの電動機構造を備えた電動機1と同じ作用効果を得ることができる。
また、第1実施形態は、第1〜第3電動機構造を図15に示すように配置した例であるが、第1〜第3電動機構造をこれらと異なるように配置してもよい。例えば、ケース2を3つのケース部材に分割して、これらに第1〜第3ステータ6〜8をそれぞれ設け、第1ロータ3を3つの第1ロータ部材に分割して、これらに3つの永久磁石4b,5b1,5b2をそれぞれ設け、第2ロータ10を3つの第2ロータ部材に分割して、これらに3つの軟磁性体コア11b〜13bをそれぞれ設ける。そして、3つのケース部材を互いに連結し、3つの第1ロータ部材を互いに連結し、3つの第2ロータ部材を互いに連結した場合、第1実施形態の電動機と同じ動作状態を確保しながら、第1〜第3電動機構造を、第2電動機構造⇒第3電動機構造⇒第1電動機構造の順に並べたり、第1電動機構造⇒第3電動機構造⇒第2電動機構造の順に並べたりすることが可能になり、これらを自由に配置することができる。
さらに、第1実施形態は、第1ロータ3における1つの磁極を1つの永久磁石の磁極で構成した例であるが、1つの磁極を複数の永久磁石の磁極で構成してもよい。例えば、2つの永久磁石の磁極をV字状に並べて1つの磁極を構成した場合、磁力線の指向性を高めることができる。
また、第1実施形態は、第1〜第3ステータ6〜8の電機子6a〜8aのコイルを集中巻とした例であるが、これらの電機子のコイルの巻き方として、分布巻などの他の巻き方を用いてもよい。
一方、第1実施形態は、本発明の電動機を3組の電動機構造を備えるように構成した例であるが、本発明の電動機はこれに限らず、4組以上の電動機構造を備えるように構成してもよい。以下、m(mは3以上の整数)組の電動機構造を備えた電動機(図示せず)における逆起電圧の算出式について説明する。
この電動機では、その運転中、m組の電動機構造において、電機子に発生する磁極と永久磁石の磁極との間の電気角の位相差が、電機子の配置方向に対して電気角2π/mずつずれた状態になるように設定されるとともに、電機子に発生する磁極と軟磁性体コアとの間の電気角の位相差が、電機子の配置方向に対して電気角π/mずつずれた状態になるように、電機子への供給電力が制御される。また、m組の永久磁石列は、1つの第1ロータ上に設けられ、m組の軟磁性体コア列は1つの第2ロータ上に設けられているものとする(いずれも図示せず)。さらに、以下の説明では、基準位置に対する第1および第2ロータの回転角に相当する電気角を、便宜上、第1および第2ロータ電気角θ1,θ2と表記する。
この電動機の場合、m組の電動機構造のうちのγ(1≦γ≦m)番目の電動機構造のU相に表れる磁束Ψuγの算出式は、下式(47)に示すものになる。
Figure 0004701269
ここで、ψfは、軟磁性体コアを介してU相のコイルを通過する永久磁石の磁束の最大値である。
上式(47)のγを値1から値mにそれぞれ置き換えると、下式(48)〜(50)が得られる。
Figure 0004701269
次に、三角関数の積和公式cosαcosβ=(1/2){cos(α+β)+cos(α−β)}を上式(48)〜(50)に適用すると、下式(51)〜(53)が得られる。
Figure 0004701269
電動機のU相全体に表れる磁束Ψuは、m個のΨu1〜Ψumの和となるので、下式(54)が得られる。
Figure 0004701269
ここで、上式(54)の右辺の第2項における中括弧{}内の演算式に着目すると、この演算式は、下式(55)のように書き換えることができる。
Figure 0004701269
次に、級数の総和の公式およびオイラーの公式を用いて、上式(55)の右辺の第1項を変形すると、下式(56)が導出される。
Figure 0004701269
さらに、級数の総和の公式およびオイラーの公式を用いて、上式(55)の右辺の第2項を変形すると、下式(57)が得られる。
Figure 0004701269
以上の式(56),(57)より、下式(58)が得られる。
Figure 0004701269
したがって、上式(58)を前述した式(54)に適用すると、下式(59)が最終的に導出される。
Figure 0004701269
さらに、以上と同様の手法により、電動機のV,W相全体に表れる磁束Ψv,Ψwの算出式を導出すると、下式(60),(61)が得られる。
Figure 0004701269
そして、以上の式(59)〜(61)の左辺および右辺を時間微分すると、逆起電圧の算出式として、下式(62)〜(64)が得られる。
Figure 0004701269
ここで、m組の電動機構造を備えた電動機において、電動機全体の総磁束量をΨとすると、Ψf=Ψ/mが成立するので、これを上記式(62)〜(64)に適用すると、下式(65)〜(67)が得られる。
Figure 0004701269
これらの式(65)〜(67)は、前述した電動機1における逆起電圧の算出式(44)〜(46)と同じである(すなわち、前述した電動機20の逆起電圧の算出式(28)〜(30)とも同じである)。したがって、m組の電動機構造を有する電動機においても、m個の回転磁界のベクトルの電気角θzを、θz=(2θ2−θ1)が成立するように制御することによって、前述した電動機1と同じように作動させることができ、同じ作用効果を得ることができる。特に、この場合には、mの値が大きいほど、トルクリップルおよびコギングトルクをより低減することができる。
なお、以上のm組の電動機構造を備えた電動機において、m組の永久磁石列をそれぞれm個の第1ロータ上に設け、m組の軟磁性体コア列をそれぞれm個の第2ロータ上に設けるとともに、m個の第1ロータを互いに連動するように機械的に連結し、m個の第2ロータ互いに連動するように機械的に連結してもよい。
一方、第1実施形態は、電動機1を制御するための制御手段としてECU2を用いた例であるが、これに代えて他の電気回路などを用いてもよい。
次に、図20および図21を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る磁気機械としての電動機1Bについて説明する。図20は、電動機1Bの一部を破断した分解斜視図であり、図21は、この電動機1Bを径方向の外側から中心に向かって透視したときの電動機構造の配置を模式的かつ平面的に示したものである。なお、以下の図21の説明では、便宜上、図中の下向きの電気角を正値とし、上向きの電気角を負値として表記する。
この電動機1Bは、回転電動機であり、径方向の内側から順に、第1ロータ40、第2ロータ50およびステータ60を備えている。これらの第1ロータ40、第2ロータ50およびステータ60は、いずれも円筒状のものであり、互いに同心に配置されているとともに、図示しないケース内に収容されている。なお、本実施形態では、第1ロータ40が第2磁極部材に、第2ロータ50が軟磁性体部材に、ステータ60が第1磁極部材にそれぞれ相当する。
第1ロータ40は、ベース41と、このベース41の外周面に固定された2f(fは自然数)個の永久磁石42などを有している。このベース41は、鋼板を積層したものでああり、図示しない軸受によって、電動機1Bの回転軸線回りに回動自在に支持されている。
また、2f個の永久磁石42は、ベース41の外周面の周方向に等間隔で並んでいるとともに、各永久磁石42の両端部間が回転方向にずれた位置関係になるように、スキュー配置されている(図21参照)。さらに、各永久磁石42は、その表面が鋼板43によってカバーされている。なお、本実施形態では、永久磁石42の磁極が第2磁極に相当する。
一方、第2ロータ50は、その内周面が第1ロータ40の外周面との間に所定の間隙を有するように構成され、図示しない軸受によって、電動機1Bの回転軸線回りに回動自在に支持されている。この第2ロータ50は、永久磁石42と同数(すなわち2f個)の軟磁性体コア51を、非磁性体(ステンレスや合成樹脂など)の保持部材52によって一体に固定したものであり、これらの軟磁性体コア51(軟磁性体)は、軸線方向に所定長さで延び、第2ロータ50の周方向に互いに等間隔かつ平行に並んでいる。
また、ステータ60は、電力の供給に伴って、回転磁界を発生させるものであり、3f個の電機子61を有している。これらの電機子61は、円筒状の基部から内側に突出した3f個の鉄芯62と、これらの鉄芯62に巻回されたコイル63などで構成されており、これらのコイル63は、f組の3相コイルを構成している。また、3f個の鉄芯62は、ステータ60の内周面の周方向に互いに等間隔で並んでおり、各鉄芯62の両端部間は、永久磁石42の両端部間と逆方向にずれた位置関係になるように、スキュー配置されている。
さらに、電機子61は、図示しない可変電源に接続されており、この可変電源から電力が供給されたときに、永久磁石42の磁極と同じ数(すなわち2f個)の磁極が、鉄芯62の先端部に発生するように構成されている。以下、鉄芯62の先端部に発生する磁極を、「電機子磁極」という。この電機子磁極の発生に伴い、回転磁界がステータ60に沿って回転するように発生するとともに、電機子磁極、軟磁性体コア51および永久磁石42の間に、磁気回路(図示せず)が形成される。なお、本実施形態では、電機子磁極が第1磁極に相当する。
以上の構成の電動機1Bでは、電機子磁極の両端部間の電気角(すなわち鉄芯62の両端部間の電気角)をθsとし、永久磁石42の両端部間の電気角をθaとし、軟磁性体コア51の両端部間の電気角をθbとした場合、θs=2θb−θaが成立する。さらに、この電機子1Bでは、その運転時、ECU(図示せず)によって、可変電源からステータ60に供給される電力が、電機子磁極が図21に示す状態で発生するように制御される。具体的には、2つの電気角θs,θaの一方が電気角θbに対して電気角π分大きいとともに、2つの電気角θs,θaの他方が電気角θbに対して電気角π分小さくなるように、ステータ60への供給電力が制御される。すなわち、この電動機1Bでは、θb=0、θa=πであるので、θs=−πとなるように制御される。
また、前述した図19の電動機1Aでは、3組の電動機構造における第1〜第3コア11b〜13bが左右方向に延びる同一直線上に並ぶとともに、3つの永久磁石4b,5b1,5b2の磁極と第1〜第3コア11b〜13bとの間の電気角の位相差は、電気角π/3ずつ大きくなるように配置されており、それにより、同図の右端の電動機構造では、永久磁石5b2の磁極とコア13bとの間の電気角の位相差は2π/3となっている。したがって、前述したm組の電動機構造を備えた電動機を考えると、永久磁石の磁極と軟磁性体コアとの間の電気角の位相差において、位相差の最大値(以下「最大位相差」という)は(m−1)π/mとなる。この最大位相差(m−1)π/mは、mの値が大きいほど、値πに近づくことになるので、m→∞とすると、最大位相差(m−1)π/m=πと近似できることになる。
このように最大位相差=πが成立する電動機構造を仮想の電動機構造とした場合、例えば、この仮想の電動機構造を図19の電動機1Aに1つ加えると、図22の電動機1A’のようになる。この電動機1A’において、4つの永久磁石の中心間を結んだ線分と、4つの軟磁性体コアの中心間を結んだ線分と、4つの電機子磁極の中心間を結んだ線分を作成した場合、これらの3つの線分を左右方向に位置合わせしたときの三者の位置関係は、図21における永久磁石42、軟磁性体コア51および電機子磁極の位置関係と等しいものになる。
すなわち、図21に示す、電動機1Bにおける永久磁石42、軟磁性体コア51および電機子磁極の配置は、m組の電動機構造を備えた電動機において、m→∞とした構成と等価のものであるので、この電動機1Bも、m組の電動機構造を備えた電動機と同じように動作することが判る。また、前述したように、3つの電気角θs,θa,θbは、θs=2θb−θaが成立するように設定されており、この関係が成立するように、永久磁石42、軟磁性体コア51および電機子磁極を配置すれば、m組の電動機構造を備えた電動機と同じ動作状態を確保できることになる。これに加えて、この電動機1Bによれば、前述したm組の電動機構造を備えた電動機において、m→∞に設定したものに相当するので、電動機1,1Aと比べて、トルクリップルおよびコギングトルクをより低減することができる。さらに、軸線方向における電動機構造間の磁気短絡の発生を回避できるので、電動機1Bの軸線方向のサイズを小型化することができる。
なお、第2実施形態の電動機1Bは、電動機構造の配置を図21に示すように設定した例であるが、本発明の磁気機械としての電動機における電動機構造の配置はこれに限らず、前述したθs=(2θb−θa)が成立するような配置であればよい。例えば、図23に示す電動機1Cや、図24に示す電動機1Dのような電動機構造の配置を用いてもよい。これらの場合にも、2つの電気角θs,θaの一方が電気角θbに対して電気角π分大きいとともに、2つの電気角θs,θaの他方が電気角θbに対して電気角π分小さくなるように、ステータへの供給電力を制御すればよい。なお、これらの図23,24では、便宜上、電動機1Bと同じ構成に関しては同じ符号を用いる。
図23に示す電動機1Cの場合、ステータ60の3f個の電機子が互いに平行にかつ軸線方向に延びるように配置されるので、電動機1Bと比べて、コイルの占積率を高めることができるとともに、コイルを鉄芯に巻き付ける作業が容易になるものの、永久磁石のねじれ度合が電動機1Bよりも大きくなることで、製作が難しく、その分、製造コストが増大する。
一方、図24に示す電動機1Dの場合、第1ロータ40の2f個の永久磁石が互いに平行にかつ軸線方向に延びるように配置されるので、電動機1Bと比べて、第1ロータ40の製作が容易で、その分、製造コストを低減できるものの、鉄芯のねじれ度合が電動機1Bよりも大きくなることで、製作が難しく、その分、製造コストが増大する。
また、以上の図21,23,24に示す電動機構造は、永久磁石、電機子および軟磁性体コアのいずれか1つを軸線方向に延びるように配置した例であるが、永久磁石、電機子および軟磁性体コアの配置はこれに限らず、前述したθs=(2θb−θa)が成立するような関係であればよい。例えば、永久磁石、電機子および軟磁性体コアをすべてスキュー配置してもよく、電機子を軸線方向に延びるように配置するとともに、電機子に発生する磁極が回転方向に対して斜めの状態(すなわちスキュー状態)で発生するように構成してもよい。
さらに、第2実施形態の電動機1Bは、第1ロータ40、第2ロータ50およびステータ60を径方向の内側から順に配置した例であるが、これに代えて、第1ロータ40、第2ロータ50およびステータ60を径方向の外側から順に配置してもよい。
一方、第2実施形態は、電動機1Bを回転電動機として構成した例であるが、本発明の磁気機械としての電動機はこれに限らず、リニアモータなどの電動機として構成してもよい。例えば、本発明の電動機をリニアモータとして構成する場合には、永久磁石と、電機子と、軟磁性体コアとを、前述した図21,23,24のように平面的に配置するとともに、θs=2θb−θaが成立するように、電機子への供給電力を制御すればよい。
さらに、以上の第1および第2実施形態は、本発明の磁気機械を電動機として構成した例であるが、本発明の磁気機械を、磁気を介して動力を伝達する磁気式動力伝達機構として構成してもよい。例えば、第1実施形態の電動機1における3つの電機子6a〜8aの列を永久磁石の列に置き換えるとともに、これらの永久磁石の磁極を、移動磁界が発生しているときの3つの電機子6a〜8aの磁極の位置関係になるように配置することによって、磁気式動力伝達機構を構成してもよい。すなわち、図14または図15の仮想磁石6x〜8xを永久磁石に置き換えて配置することによって、磁気式動力伝達機構を構成してもよい。このように磁気式動力伝達機構を構成した場合、永久磁石はケースに設けられることになり、そのケースの回転は、3つの電機子6a〜8aに発生する移動磁界の動きに相当するものとなるので、磁気式動力伝達機構によって、前述したような電動機1と同様の動作を実行することができる。すなわち、前述した図11の速度線図と同じ動作を実行することができる。これに加えて、2つの永久磁石列および軟磁性体列を1組として、3組の磁気機械構造を備えることになるので、2組の磁気機械構造しか備えていない特許文献3の磁気式動力伝達機構と比べて、コギングトルクなどを低減することができる。
さらに、前述したm組の電動機構造を備えた電動機においても、電機子を永久磁石に置き換えることによって、磁気式動力伝達機構を構成してもよい。すなわち、磁気式動力伝達機構をm組の磁気機械構造を備えるように構成してもよい。このように磁気式動力伝達機構を構成した場合でも、上記の磁気式動力伝達機構と同じ動作を実行することができるとともに、特許文献3の磁気式動力伝達機構と比べて、コギングトルクなどを低減することができる。特に、磁気機械構造の組数が多いほど、コギングトルクなどをより低減することができる。
これに加えて、例えば、第2実施形態の電動機1Bにおける電機子61の列を永久磁石の列に置き換えるとともに、これらの永久磁石の磁極を、移動磁界が発生しているときの電機子60の磁極の位置関係になるように配置することによって、磁気式動力伝達機構を構成してもよい。このように磁気式動力伝達機構を構成した場合でも、上述した磁気式動力伝達機構と同じ動作を実行することができるとともに、特許文献3の磁気式動力伝達機構および上述した磁気式動力伝達機構と比べて、コギングトルクなどをさらに低減することができる。
さらに、磁気式動力伝達機構をトルク伝達タイプのものではなく、推力伝達タイプのものとして構成してもよい。その場合には、例えば、図14(または図15)の仮想磁石6x〜8xを永久磁石に置き換えるとともに、これと永久磁石4b,5b(または永久磁石4b,5b1,5b2)とコア11b〜13bとの位置関係を、図14(または図15)のように平面的に配置すればよい。または、図21,23,24の電機子磁極を、永久磁石の磁極に置き換えるとともに、これと永久磁石42と軟磁性体コア51との位置関係を、図21,23,24に示すように平面的に配置すればよい。
本発明の第1実施形態に係る磁気機械としての電動機の概略構成を示す断面図である。 図1のA−A線の位置で周方向に沿って破断した断面の一部を示す展開図である。 動作説明用の電動機の概略構成を示す断面図である。 図3のB−B線の位置で周方向に沿って破断した断面の一部を模式的に展開した図である。 図4の展開図の構成と機能的に等価の構成を示す図である。 図3の電動機において、第1軸を固定した場合の動作を説明するための図である。 図6の続きの動作を説明するための図である。 図3の電動機の動作中に構成される磁気回路を示す図である。 図3の電動機において、第2軸を固定した場合の動作を説明するための図である。 図9の続きの動作を説明するための図である。 磁界回転速度、第1軸回転速度および第2軸回転速度の関係を表す速度線図であって、(a)第1軸を固定した場合、(b)第2軸を固定した場合、(c)第1軸および第2軸が第1および第2回転磁界と同方向に回転している場合、(d)第1および第2回転磁界に対して第1軸が逆方向に、第2軸が同方向に回転している場合のものをそれぞれ示す図である。 図3の電動機の、第1永久磁石、第1コアおよびステータからなる電動機構造に相当する等価回路を示す図である。 図3の電動機の、第2永久磁石、第2コアおよびステータからなる電動機構造に相当する等価回路を示す図である。 第1実施形態に係る電動機の動作を説明するための模式図である。 図14の構成と等価な構成を示す図である。 第1電動機構造に相当する等価回路を示す図である。 第2電動機構造に相当する等価回路を示す図である。 第3電動機構造に相当する等価回路を示す図である。 電動機の第1〜第3電動機構造の配置の変形例を示す図である。 第2実施形態に係る磁気機械としての電動機の一部を破断した分解斜視図である。 第2実施形態の電動機における電動機構造の配置を模式的に示す図である。 図19の電動機において、仮想の電動機構造を1つ追加した場合の例を示す図である。 第2実施形態の電動機における電動機構造の配置の変形例を模式的に示す図である。 第2実施形態の電動機における電動機構造の配置の他の変形例を模式的に示す図である。
符号の説明
1 電動機(磁気機械)
1A 電動機(磁気機械)
2 ケース(第1磁極部材)
3 第1ロータ(第2磁極部材)
4b 第1永久磁石(第2磁極)
5b 第2永久磁石(第2磁極)
6 第1ステータ(第1磁極部材)
6a 第1電機子(第1磁極、電機子)
7 第2ステータ(第1磁極部材)
7a 第2電機子(第1磁極、電機子)
8 第3ステータ(第1磁極部材)
8a 第3電機子(第1磁極、電機子)
10 第2ロータ(軟磁性体部材)
11b 第1軟磁性体コア(軟磁性体)
12b 第2軟磁性体コア(軟磁性体)
13b 第3軟磁性体コア(軟磁性体)
1B 電動機(磁気機械)
1C 電動機(磁気機械)
1D 電動機(磁気機械)
40 第1ロータ(第2磁極部材)
42 永久磁石(第2磁極)
50 第2ロータ(軟磁性体部材)
51 軟磁性体コア(軟磁性体)
60 ステータ(第1磁極部材)
61 電機子(第1磁極)
θs 鉄芯の両端部間の電気角(第1磁極の両端部間の電気角)
θa 永久磁石の両端部間の電気角(第2磁極の両端部間の電気角)
θb 軟磁性体コアの両端部間の電気角(軟磁性体の両端部間の電気角)

Claims (13)

  1. 所定方向に並んだ複数の第1磁極で構成され、隣り合う各2つの当該第1磁極の極性が互いに異なるように配置された第1磁極列を有する第1磁極部材と、
    前記所定方向に並んだ複数の第2磁極で構成され、隣り合う各2つの当該第2磁極の極性が互いに異なるとともに前記第1磁極列に対向するように配置された第2磁極列を有する第2磁極部材と、
    互いに間隔を存して前記所定方向に並んだ複数の軟磁性体で構成され、前記第1磁極列と前記第2磁極列の間に配置された軟磁性体列を有する軟磁性体部材と、
    を備え、
    当該磁気機械の動作中、前記第1磁極列、前記第2磁極列および前記軟磁性体列の少なくとも2つの間で、磁気回路が構成され、
    前記第1磁極列、前記第2磁極列および前記軟磁性体列を1組の磁気機械構造として、m(mは3以上の整数)組の磁気機械構造をさらに備え、
    隣り合う各2組の前記磁気機械構造において、前記第1磁極列の前記第1磁極と前記第2磁極列の前記第2磁極との間の前記所定方向における電気角の位相差が互いに異なるように設定されるとともに、前記第1磁極列の前記第1磁極と前記軟磁性体列の前記軟磁性体との間の前記所定方向における電気角の位相差が互いに異なるように設定され、
    前記m組の磁気機械構造において、前記第1磁極列、前記第2磁極列および前記軟磁性体列は、前記所定方向に互いに相対的に移動自在に構成されていることを特徴とする磁気機械。
  2. 前記m組の磁気機械構造において、前記第1磁極列の前記第1磁極と前記第2磁極列の前記第2磁極との間の前記所定方向における電気角の位相差が、電気角2π/mずつずれた状態に設定されるとともに、前記第1磁極列の前記第1磁極と前記軟磁性体列の前記軟磁性体との間の前記所定方向における電気角の位相差が、電気角π/mずつずれた状態に設定されることを特徴とする請求項1に記載の磁気機械。
  3. 前記第1磁極部材は、前記m組の磁気機械構造におけるm個の前記第1磁極列を有し、
    前記第2磁極部材は、前記m組の磁気機械構造におけるm個の前記第2磁極列を有し、
    前記軟磁性体部材は、前記m組の磁気機械構造におけるm個の前記軟磁性体列を有することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気機械。
  4. 前記第1磁極部材および前記第2磁極部材の少なくとも一方は、複数の電機子を有し、
    当該複数の電機子は、前記複数の第1磁極および前記複数の第2磁極の少なくとも一方を発生可能であるとともに、当該発生した複数の第1磁極および複数の第2磁極の少なくとも一方によって、前記所定方向に移動する移動磁界を発生可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気機械。
  5. 前記第1磁極部材は、前記所定方向に並んだ複数の第1永久磁石を有し、前記複数の第1磁極は、当該複数の第1永久磁石の磁極で構成され、
    前記第2磁極部材は、前記所定方向に並んだ複数の第2永久磁石を有し、前記複数の第2磁極は、当該複数の第2永久磁石の磁極で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気機械。
  6. 前記所定方向は、所定軸線を中心とする円周方向であることを特徴とする請求項1に記載の磁気機械。
  7. 前記所定方向は、直線方向であることを特徴とする請求項1に記載の磁気機械。
  8. 所定の仮想面に沿いかつ隣り合う各2つの極性が互いに異なるように配置された複数の第1磁極を有する第1磁極部材と、
    前記所定の仮想面に沿いかつ隣り合う各2つの極性が互いに異なるとともに、前記複数の第1磁極との間に間隙を存するように配置された複数の第2磁極を有する第2磁極部材と、
    互いに間隔を存して前記所定の仮想面に沿うように前記複数の第1磁極と前記複数の第2磁極との間に配置された複数の軟磁性体を有する軟磁性体部材と、
    を備え、
    前記複数の第1磁極、前記複数の第2磁極および前記複数の軟磁性体は、前記所定の仮想面に沿って所定の移動方向に互いに相対的に移動自在に構成されており、
    前記複数の第1磁極の各々は、当該各第1磁極の両端部間の電気角がθsとなるように、前記所定の仮想面に沿う第1所定方向に延びており、
    前記複数の第2磁極の各々は、当該各第2磁極の両端部間の電気角がθaとなるように、前記所定の仮想面に沿う第2所定方向に延びており、
    前記複数の軟磁性体の各々は、当該各軟磁性体の両端部間の電気角がθbとなるように、前記所定の仮想面に沿う第3所定方向に延びており、
    前記3つの電気角θs,θa,θbは、θs=2θb−θaが成立するように設定されることを特徴とする磁気機械。
  9. 前記3つの電気角θs,θa,θbは、前記2つの電気角θs,θaの一方が前記電気角θbに対して電気角π分大きいとともに、前記2つの電気角θs,θaの他方が前記電気角θbに対して電気角π分小さくなるように設定されることを特徴とする請求項8に記載の磁気機械。
  10. 前記第1磁極部材および前記第2磁極部材の少なくとも一方は、複数の電機子を有し、
    当該複数の電機子は、前記複数の第1磁極および前記複数の第2磁極の少なくとも一方を発生可能であるとともに、当該発生した複数の第1磁極および複数の第2磁極の少なくとも一方によって、前記所定の移動方向に移動する移動磁界を発生可能に構成されており、
    当該移動磁界の発生中、前記3つの電気角θs,θa,θbは、θs=2θb−θaが成立するように設定されることを特徴とする請求項8または9に記載の磁気機械。
  11. 前記第1磁極部材は、前記所定の移動方向に並んだ複数の第1永久磁石を有し、前記複数の第1磁極は、当該複数の第1永久磁石の磁極で構成され、
    前記第2磁極部材は、前記所定の移動方向に並んだ複数の第2永久磁石を有し、前記複数の第2磁極は、当該複数の第2永久磁石の磁極で構成されていることを特徴とする請求項8または9に記載の磁気機械。
  12. 前記所定の移動方向は、所定軸線を中心とする円周方向であることを特徴とする請求項8に記載の磁気機械。
  13. 前記所定の移動方向は、直線方向であることを特徴とする請求項8に記載の磁気機械。
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