JP4700543B2 - 塗装後の密着性と耐食性に優れたアルミ系熱間プレス鋼材 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の足回り部材や骨格補強部材などのように高強度を要求される各種の部材において、アルミ系メッキを施した熱間プレス部材に関するものである。
近年、自動車に対する省資源・省エネルギーの要求が高まっており、燃費削減のための自動車車体の軽量化が要求されている。その一方で、乗員の衝突安全性に対する要求が高まり、車体の強度を高める取り組みがある。車体強度の増大は板厚の増大や補強部品の適用で達成できるが、これは鋼材使用量の増大を意味するため自動車車体の重量増加につながる。このお互いに相反する要求を両立させる手段として、高強度鋼板の適用がある。これにより、同一強度の部材をより薄い板厚や小さな形状で得ることが可能となり、鋼材使用量の削減に繋がる。近年、鋼材の引っ張り強度が軟鋼の約3倍ある780MPa級の高強度鋼板の適用が始まっている。しかし、高強度鋼板の適用には、大きく二つの課題が指摘されている。一つ目は、プレス成形性の低下である。高強度鋼は、鋼材の伸び値やr値といった機械特性値が軟鋼と比較して大きく劣ることにより、プレス時の伸び変形、絞り変形の許容値が下がり、割れが発生しやすくなる。二つ目は、スプリングバック現象といわれるプレス後の形状凍結性の不良である。これは、寸法精度の低下や手直し工程追加による品質・コストの両面での問題となる。このような、高強度鋼板のプレス加工時の課題は、鋼板の強度が増大するに従い顕著となり、従来の材料開発の発想では解決が困難になってくると予想される。従って、異なる技術思想による高強度と高成形性とが両立する鋼板の開発が強く求められる。
両者を両立させる別の技術として、熱間プレス技術がある。本技術は、高炭素鋼を900℃程度の高温に加熱し軟化した状態でプレス成型することにより、高強度鋼板の成形性の問題をなくし、成型後はプレス金型との接触による急冷で焼入れ硬化させて所望の強度を得るというものである。この技術は、プレス成形性の観点からは優れた技術であるが、一方で新たな課題も指摘されている。例えば、900℃近傍までの高温加熱を伴う為に鋼板表面に酸化物が生成し、これがプレス中に脱落してプレス型や鋼板表面を損傷させることがある。また、鋼板表面に残存した酸化物は、鋼板表面や塗料との密着性に乏しく、塗膜剥離や耐食性悪化の原因にもなる。そこで、加工品を塗装する前に酸化物を除去する為の酸洗やショットブラストの処理工程を付加させる必要があり、コストの増大や形状精度の低下が生じてしまう。また、このようにして得られたプレス部材は、防錆メッキが施されていない為、十分な耐食性を有しているとはいえない。表面の酸化を抑制し耐食性を向上する方法として、鋼板にアルミメッキを施す技術が開示されている。例えば、特開2003−183802号公報、特開2003−193187号公報、特開2004−244704号公報がある。これらの技術は、アルミメッキの作用により優れた耐酸化性を示し、酸化皮膜の成長が抑制され、更には耐食性も向上する。しかし、このアルミメッキ鋼材についても課題が指摘されている。すなわち、熱間プレス材料は、通常、カチオン電着塗装を施されるのが一般的である。しかし、熱間プレス後のアルミメッキ材は、電着塗装前の一般的な化成処理剤であるリン酸塩処理による塗装前処理皮膜がほとんど形成されない。これは、アルミメッキ層表面に化学的に安定な酸化皮膜が形成されるためと推定される。そのため、電着塗膜とアルミメッキ表面との密着性が不十分となり、特に湿潤環境下での塗膜剥離や塗膜膨れが大きくなる傾向があり、耐食性が発現しないことがある。
特開2003−183802号公報 特開2003−193187号公報 特開2004−244704号公報
熱間プレス後のアルミメッキ鋼板の塗装下地処理であるリン酸塩処理皮膜が形成されない原因は、アルミメッキ表面に形成された化学的に安定な酸化皮膜層や各種組成のFeAl合金相の存在により、リン酸塩浴の反応性が不足するためである。アルミメッキ表面に形成される酸化皮膜は、それ自身がメッキ層の急速な酸化を抑制するための役割を負っており、不可避な皮膜といえる。同様に各種FeAl合金相は、加熱処理により不可避的に生じるために回避することはできない。一方、リン酸塩浴の反応性の向上は、同時処理される他の鋼材種の反応性が過剰になる危険性があり、スラッジ増大や反応促進剤の添加によるコスト上昇に繋がるため現実的でなく、今以上の浴の改善は望めない。
従って、本発明の課題は、塗装下地処理として従来のリン酸塩系の皮膜ではなく、新たな成分系、処理液系の皮膜により塗装下地処理した塗装後の密着性と耐食性に優れたアルミ系熱間プレス鋼材の提供を目指すことにある。
本発明者らは、かかる課題を解決する手段について、種々の角度から鋭意検討の結果、アルミ系メッキを施した鋼材のホットプレス処理後の鋼材には、Zr、Ti、Siの金属酸化物、水酸化物の処理皮膜が塗装下地処理皮膜として好適であることが判った。さらに、皮膜形成のための薬剤系としてFイオンを含有する系であれば、メッキ表層にたとえ化学的に強固な酸化皮膜やAlFe合金相が存在しても反応性が確保されて成膜が可能なことを見出した。酸化皮膜の形成は、本発明の溶液中に存在する金属フルオロ錯体の加水分解平衡反応で生じるが、この平衡反応を酸化物形成側にシフトさせるうえで重要なフッ化Al錯体の形成反応で必要となるAlイオンは、メッキ表層のFeAl合金相の溶解反応によって供給されることがわかった。さらには、異なる組成のFeAl合金相が存在することで、エッチング反応が活性化されてAlイオンの供給能が著しく向上することもわかった。
本発明は、以上のような知見に基づき成されたものであり、その特徴は以下のとおりである。
(1)重量%でC:0.1〜0.5%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.5〜3%を含有する鋼板に、Fe-Al系合金メッキ層が存在し、そのメッキ層の表層近傍は深さ2μmまでの部分でFe3Al、FeAl、FeAl2、Fe2Al5、FeAl3の二種または二種以上の相が混在し、表層近傍の深さ2μmまでのメッキ層の平均Al含有率が重量%で10%以上、75%以下であり、さらにメッキ層の表層に厚さが5〜100nmでF元素を含有するZr、Ti、Siの一種または二種以上の金属酸化物または金属酸化物と金属水酸化物の混合体の塗装下地皮膜が形成されていることを特徴とする塗装後の密着性と耐食性に優れた熱間プレス加工された高強度鋼材。
(2)メッキ層中にさらにSiを重量%で1〜15%含有することを特徴とする上記(1)に記載の塗装後の密着性と耐食性に優れた熱間プレス加工された高強度鋼材。
(3)メッキ層の皮膜厚さが3μm以上、50μm以下で、塗装下地皮膜の厚さが5nm以上、100nm以下で、さらにカチオン電着塗膜層の厚さが3μm以上、30μm以下である上記(1)および(2)に記載の塗装後の密着性と耐食性に優れた熱間プレス加工された高強度鋼材。
本発明によれば、塗装後の密着性と耐食性、鋼材の強度が共に優れた自動車用高強度部材を得ることが出来る。
以下、本発明の詳細とその限定理由を説明する。
素地鋼材は、熱間プレス後の焼き入れ硬化性を発現するための成分の規定がある。焼き入れ後の強度は、主に含有炭素量(C)で決まるため、高強度を要求する場合はC含有量を0.1質量%以上0.5質量%以下とすることが望ましい。0.1質量%未満では十分な強度の発現が得られず、0.5質量%超では、強度が飽和するばかりか溶接割れを生じやすくなり好ましくない。Siは低すぎると疲労特性の低下を生じるため0.05質量%以上の添加が望ましい。しかし、Siは再結晶焼鈍中に、安定な酸化皮膜を鋼板表面に形成し、溶融メッキ時のメッキ濡れ性を阻害する為、上限を0.5質量%とする。Mnは、鋼板の焼入れ性を高める元素として知られており、さらに不可避的に混入するイオウ(S)に起因する熱間脆性を防ぐ上でも有効な元素である。従って、0.5質量%以上の添加が必要である。しかし、3質量%を超えて添加すると焼入れ後の衝撃特性が低下する為ここを上限とするのが望ましい。また、必要に応じて鋼中にはTi、Nb、Mo、V、Ni、Cuを添加してもよい。
次に、本発明のFeAl合金メッキ層について説明する。ホットプレスに供されるメッキ鋼板は、既存の溶融アルミメッキ工程で製造すればよく、メッキ浴中には、素地鉄とアルミの合金層形成を抑制する目的でSiを1から15%添加してもよい。Siが1%未満では、合金層抑制の効果が小さく、15%超ではその効果が飽和すると同時に、浴表面にドロスとなって浮遊するため好ましくない。さらにメッキ層中には、Ni、Cu、Cr、Zn、Mgを添加してもよい。本発明で規定したメッキ層は、アルミメッキを施した鋼板をホットプレスに供するために900℃程度まで加熱する過程で形成される。ホットプレス後のメッキ層は、加熱処理の過程で素地鉄と合金化反応が進行し、各種のFeAl合金が形成される。一般的には、メッキ表面から素地鉄に向かってFe含有率の大きなFeAl合金相が形成されるが、その合金相の種類や相分布は加熱条件を変えることで制御可能である。この合金層の分布や構造は、後述する化成処理皮膜層の形成反応に大きな影響を与えるために重要であり、本発明の核心となる技術である。この形成反応は、メッキ表面のFeAl合金相を酸溶解する過程を伴って進行するが、異なる相のFeAl合金が存在する場合に、迅速かつ緻密で塗装後の密着性や耐食性が良好な皮膜が形成される。具体的には、Fe3Al、FeAl、FeAl2、Fe2Al5、FeAl3の各合金相の二種または二種以上が共存すると良い。これらの一種類のみ存在しても化成皮膜の形成は進行するが、その成膜速度は遅く、塗装後の密着性や耐食性が十分でない。またそのFeAl相の存在はメッキ層から2μmの深さまでの範囲で存在する必要がある。2μmより深い部分は化成処理層の形成反応には寄与しない。すなわち、メッキ層表面は、亀裂、割れ、凹凸等が存在することから、2μmまでの深さの部分は上述した合金相で規定されることが必須である。このような複数の合金相からなるメッキ層表層のアルミ含有率は、10%以上75%以下である必要がある。10%未満では、化成処理反応に必要なAlの供給が十分で無く成膜速度が低下し好ましくない。また、Fe含有率が大きなFeAl合金となり、耐食性が低下する。Alが75%超では化成処理反応が活性になりすぎ、粉状の化成処理皮膜となり密着性が低下する。メッキ層の皮膜厚さは、ホットプレス後の状態で3μmから50μm以下が好適である。3μm未満では耐食性の不足が生じる。また、加熱の過程で合金化反応が過度に進行してしまい、望ましい合金相を得ることが出来なくなる。一方、50μm超となると耐食性の向上も飽和し、加熱の過程でのメッキ層の垂れが生じやすくなり、未合金相部分の融点が低いために炉内での溶出による設備の汚染が生じて好ましくない。
このような構造のメッキ層は、鋼材を加熱炉に入れて900℃程度まで加熱することで得ることが出来る。加熱炉は、電気炉、直火炉、誘導過熱炉、熱風炉、赤外線イメージ炉等の既存の過熱炉を適用することが出来る。また、加熱時の雰囲気ガスは、空気、不活性ガス、またはその混合物でよい。望ましい合金相構造にするためには、昇温速度、最高到達温度、特定温度での保持時間等を最適化する必要がある。
次に、化成処理皮膜について述べる。この皮膜は、Zr、Ti、Siの一種または二種以上の金属酸化物または金属酸化物と金属水酸化物の混合体からなるが、皮膜中にはフッ素(F)が混在している。この皮膜は、メッキ鋼材を金属フルオロ錯体とフッ素イオンを含有する溶液に浸漬することで形成される。その形成反応は明らかではないが、推定される反応としては式(1)(2)に示される。ここで、MはZr、Ti、Siを意味する。
Figure 0004700543
駆動反応であるフッ酸によるAlの溶解反応が生じると、フッ化アルミ錯体が形成されることで溶液中のフッ素イオン濃度が低下し、その結果、析出反応である式(1)の平衡反応が右にシフトすることになりMOnが析出する。その際、Fイオンが放出されるため皮膜中にFが取り込まれる。駆動反応を活発に生じさせるためにはメッキ表面のAlの存在が必須であり、FeAl合金組成が重要となる。また、複数の合金相が存在すると、表面の反応活性度が不均一となり、より活発な溶解反応が生じる。メッキ層表面の最適な構造を鋭意検討した結果、FeAl合金相の種類、存在割合、その存在深さが化成処理皮膜の成膜速度や塗装後の密着性と耐食性に大きく影響を与えることを明らかとしその最適値を得るに至った。金属酸化物は単独でも性能を十分に発現するが、二種類以上を混合させても良い。また、金属酸化物の生成が主に生じているが、一部は水酸化物の形で生成しているものもある。従って、化成処理皮膜は、金属酸化物が単独で存在する部位と金属水酸化物との混合状態で存在する部位とからなる。また、皮膜中に水溶性樹脂の析出物やシランカップリング剤、Co、Mn等の金属が共析していても良い。化成処理層の厚さは、5nm未満では、被覆性が不十分となり塗装後の密着性や耐食性が満足しない。一方、100nmを超えると化成皮膜が粉状に析出する傾向が出てくるために塗装後の密着性や耐食性がかえって劣化するため好ましくない。
カチオン電着塗装は、自動車用部材の塗装として一般的に使用されている。この塗膜層の厚さは、部品形状により変化するが、薄い部分でも3μm以上ないと十分な耐食性を発現することが出来ない。また、30μmを超えても耐食性は飽和し、また膜厚を確保するために電圧を上げることとなり、ピンホールの発生などの塗膜欠陥を生じやすくなるために好ましくない。
次に、実施例をもとに本発明をより詳細に説明する。
通常の熱延、冷延工程を経て製造された表1に示す鋼成分の冷延鋼板(板厚1.6mm)を素地鋼板として溶融Alメッキを施した。メッキは、Siを8質量%含有するAl浴で、洗浄、無酸化炉、還元炉タイプの製造設備を用いてメッキ浴に鋼板を浸漬し、引き抜き後窒素ガスワイピングでメッキ付着量を制御した後冷却した。このようにして製造したAlメッキ鋼板を、300mm×400mmに切断し、大気雰囲気の電気炉(炉温950℃)に入れ、表2に示す加熱条件で合金化処理した後取り出し、ハット曲げ形状のプレス金型にセットして、所定の温度まで放冷した後プレス加工を行った。プレス加工による金型との接触で鋼板は急冷され焼き入れ硬化が生じた。その後、試料が50℃になるまで金型で保持した後に取り出した。加熱処理における昇温速度は、鋼板が300℃から800℃になるまでの昇温速度の平均とした。また、保持時間は、800℃以上の温度の合計時間とした。
この試料は、Zr、Ti、Si金属の一種または二種以上と該金属に対してモル比で6倍のフッ素を含有する錯イオンとアンモニウムイオンを主成分とする処理液に60秒から120秒浸漬し、所定の付着量を得た後取り出して水洗・乾燥した。各成分の濃度、pH等は表2に示すものを用いた。
塗膜密着性、耐食性用の塗装は、ハット曲げプレス加工品の壁部を切り出し、電着塗装を行った。電着塗装は、カチオンタイプの日本ペイント社製U−80を用いた。膜厚の調整は電着時の電圧を調整して所定の膜厚とした。電着塗装後、水洗し熱風炉で150℃20分間焼き付けた。
密着性の評価は、150mm×70mmの試験片を50℃の蒸留水に240時間浸漬し、取り出し後、JIS K 5400の碁盤目テープ試験に準拠して行った。すなわち、1mm間隔の碁盤目を10本カッターで入れ、セロテープ(登録商標)を密着後剥離した。碁盤目の欠損部が全面積の5%以内なら○、欠損部の面積が5〜15%なら△、欠損部がそれ以上なら×とし、○を合格とした。
耐食性の評価は、150mm×70mmの試験片にカッターで素地鉄に達するクロスカットを施し、その後、腐食試験に供した。腐食試験は、塩水噴霧、乾燥、湿潤の工程から構成されるJASO M609の100サイクルで評価した。この腐食試験の一サイクルは、JIS Z 2371の塩水噴霧が2時間、60℃相対湿度30%の乾燥が4時間、50℃相対湿度98%の湿潤が2時間からなる。評価は、クロスカット部の片側最大ふくれ巾が2mm以下は○、4mm以下は△、4mm以上は×とし、○を合格とした。
評価結果を表3、4に示す。
Figure 0004700543
Figure 0004700543
Figure 0004700543
Figure 0004700543
実施例1から4は加熱条件を変化させて表面合金相構造と表層Al含有率を本発明の範囲で変化させた。実施例5から8は鋼種を本発明の範囲で変化させた。実施例9から12はメッキ層中のSi含有率を本発明の範囲内で変化させた。実施例13から17は化成処理皮膜の皮膜厚さを本発明の範囲内で変化させた。実施例18から22はメッキ層の厚さを本発明の範囲内で変化させた。実施例23から25は電着塗装層の厚さを本発明の範囲内で変化させた。実施例26から37までは化成処理皮膜層の酸化物種を本発明の範囲内で変化させた。これら全ての実施例においては、塗装密着性、耐食性、鋼材特性において、優れた結果を示した。一方、本発明の範囲外の比較例1から11においては、塗膜密着性、耐食性、鋼材特性のいずれかにおいて不十分な結果を示し熱間プレス鋼材としては使えないことが判明した。
以上のことから、本発明で得られた熱間プレスされたAlメッキ塗装材は、塗装後の密着性と耐食性が良好であることから、自動車車体の構造部材、補強部材への適用が可能である。本発明材を車体に適用すれば、車体の高強度化と軽量化を同時に達成することが可能となり、かけがえの無い人命の保護、燃費の削減による自然環境の保護につながる。

Claims (3)

  1. 重量%でC:0.1〜0.5%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.5〜3%を含有する鋼板に、Fe−Al系メッキ層が存在し、そのメッキ層の表層近傍は深さ2μmまでの部分でFe3Al、FeAl、FeAl2、Fe2Al5、FeAl3の二種または二種以上の相が混在し、表層近傍の深さ2μmまでのメッキ層の平均Al含有率が重量%で10%以上、75%以下であり、さらにメッキ層の表層に厚さが5〜100nmでF元素を含有するZr、Ti、Si、の一種または二種以上の金属酸化物または金属酸化物と金属水酸化物の混合体の塗装下地皮膜が形成されていることを特徴とする塗装後の密着性と耐食性に優れた熱間プレス加工された高強度鋼材。
  2. メッキ層中にさらにSiを重量%で1〜15%含有することを特徴とする請求項1に記載の塗装後の密着性と耐食性に優れた熱間プレス加工された高強度鋼材。
  3. メッキ層の皮膜厚さが3μm以上、50μm以下で、塗装下地皮膜の厚さが5nm以上、100nm以下で、さらにカチオン電着塗膜層の厚さが3μm以上、30μm以下である請求項1〜2に記載の塗装後の密着性と耐食性に優れた熱間プレス加工された高強度鋼材。
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