JP4699870B2 - 電磁調理器用トッププレート - Google Patents

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Description

本発明は、電磁調理器用トッププレート(以下「トッププレート」という)に関する。
電磁調理器にあっては、鉄鍋、フライパン等の容器をトッププレート上に置いた状態で、トッププレート内側のコイルに通電することで、コイルから磁力線を発生させて容器底部にうず電流を発生させる。うず電流は、容器底部で熱に変化し、容器を加熱する。
トッププレートは、容器を置く部分であり、熱が加わる部分であって、容器の落下や熱による破損を防止する必要があることから、従来、下記特許文献1に記載されているような、耐熱衝撃性があって、機械的強度が高く、熱膨張率の低い結晶化ガラスによって作製されている。このような結晶化ガラスでは、耐熱衝撃性、高機械的強度、低熱膨張率とするため、分子構造的に緻密になっている。
特開平6−302376号公報
しかし、上記従来のトッププレートでは、緻密な結晶化ガラスを用いているため、熱伝導性も高くなっており、容器で発生した熱がトッププレートに伝わりやすくなってしまう。容器の熱がトッププレートに伝わると、容器における熱効率が悪くなるばかりか、電磁調理器の内部や外枠が加熱されることがある。電磁調理器の内部が加熱される場合、内部に温度センサーが設置されていると、温度センサー作動によるコイルへの通電の停止が早期に或いは頻繁に行われる原因になるし、温度センサーが設置されていないと、コイル等の熱損につながり得る。又、電磁調理器の外枠が加熱される場合、外枠の材料によっては、溶融の可能性がある。
そこで、請求項1に記載の発明は、高機械的強度、耐熱衝撃性を確保しながら、熱伝導性の低いトッププレートを提供し、もって容器を扱うのに充分丈夫でありながら、熱効率が良く電磁調理器の他部位に熱の影響を与えにくいトッププレートを提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、嵩密度/真密度が0.65以上0.80以下の範囲内であり、熱伝導率が0.7W/(m・)以上1.5W/(m・)以下の範囲内である多孔性セラミックスと、当該多孔性セラミックスの少なくとも表面及び裏面を覆うガラス質層とを含み、セラミックスの50℃から500℃までにおける熱膨張係数から、裏面ガラス質層の50℃から500℃までにおける熱膨張係数を差し引いた数値が、8×10−7/℃以上30×10−7/℃以下であることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、上記目的に加えて、更に高機械的強度とし且つ汚れをより一層除去しやすくする目的を達成するため、上記発明において、ガラス質層が、多孔性セラミックスの全面を覆うことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記目的に加えて、加熱されても安定性の高いトッププレートを提供する目的を達成するため、上記発明において、多孔性セラミックスの50℃から500℃までにおける熱膨張係数が、8×10−7/℃以上25×10−7/℃以下であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、上記目的に加えて、より一層高機械的強度とする目的を達成するため、上記発明において、表面ガラス質層の50℃から500℃までにおける熱膨張係数から、裏面ガラス質層の50℃から500℃までにおける熱膨張係数を差し引いた数値が、3×10−7/℃以上15×10−7/℃以下であることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、所定の多孔性セラミックスと、当該多孔性セラミックスの少なくとも表面及び裏面を覆うガラス質層とを含んでおり、これらの熱膨張係数の差が所定範囲内となるようにしている。よって、トッププレートを、高機械的強度、耐熱衝撃性、低熱伝導性を兼ね備えたものとすることができ、容器を扱うのに充分丈夫でありながら、熱効率が良く電磁調理器の他部位に熱の影響を与えにくいものとすることができる、という効果を奏する。
請求項2に記載の発明によれば、ガラス質層が、多孔性セラミックスの表裏面に加えて側面をも覆うことで、上記効果に加えて、更に機械的強度を高くでき、又汚れが多孔性セラミックスに付着せずガラス質層に付着し除去が容易である、という効果を奏する。
請求項3に記載の発明によれば、多孔性セラミックスの50℃から500℃までにおける熱膨張係数が、8×10−7/℃以上25×10−7/℃以下であることで、上記効果に加えて、より一層優れた耐熱衝撃性を有するトッププレートを提供することができる、という効果を奏する。
請求項4に記載の発明によれば、表面ガラス質層の50℃から500℃までにおける熱膨張係数から、裏面ガラス質層の50℃から500℃までにおける熱膨張係数を差し引いた数値が、3×10−7/℃以上15×10−7/℃以下であることで、上記効果に加えて、表面ガラス質層と裏面ガラス質層との熱膨張のバランスを良好なものとして、機械的強度の一層の向上を図ることができる、という効果を奏する。
以下、本発明の実施形態に係るトッププレートについて、適宜図面に基づいて説明する。
<構成>
図1は当該トッププレート1が用いられた電磁調理器2の説明図であって、電磁調理器2は、容器Yを載せるトッププレート1と、トッププレート1を上面とする箱状の外枠3と、外枠3の内部であってトッププレート1の下側に配置されたコイル4と、コイル4の電源6とを備えている。
トッププレート1は、図2にも示すように、板状のセラミックス10と、この全面を覆うガラス質層12とを有している。
セラミックス10は、多数の空孔20を一様に有する多孔性であり、空孔20の存在によって、「嵩密度」/「真密度」=0.65〜0.80[比率、単位なし]となっている。ここで、「嵩密度」=「質量」/「空孔20を含む体積」[g/cm、グラム毎立法センチメートル]であり、「真密度」=「質量」/「空孔20を含まない体積」[g/cm]である。又、セラミックス10は、空孔20がほぼ均一に存在し、空孔20内の空気が断熱作用を呈することによって、熱伝導率を低められており、具体的には熱伝導率を0.7〜1.5[W/(m・)、ワット毎メートルケルビン]とされている。更に、セラミックス10は、熱膨張係数(50〜500℃[摂氏温度])を、15×10−7〜25×10−7/℃とされている。
セラミックス10として、コージェライトやスポジュメンといった耐熱衝撃性を有するものが好適に用いられるが、コージェライト系多孔性セラミックスの製造方法例を次に示す。原料としては、陶石、長石、粘土、滑石を用い、これらを順に33wt%[重量パーセント]、3wt%、22wt%、42wt%の割合で粉砕混合する。次に、鋳込み成形(或いはプレス成形、動力成形等)により板状に成形する。続いて、成形体を、1270℃の酸化雰囲気炉で3時間焼成し、多孔性セラミックスとする。このとき、主結晶としてコージェライトが生成し、副結晶としてムライト、シリカ等が生成する。又、原料の比率等を調整したり、適宜アルミナ、石灰、炭酸マグネシウム、カオリン、ガラスフリット等の金属酸化物原料を使用したりすることで、嵩密度、真密度、熱伝導率、熱膨張係数等を変化させることができる。
又、ガラス質層12は、セラミックス10における容器Y側の外面(表面)および4つの側面に配置された表面ガラス質層30と、外枠3の内側の外面(裏面)に配置された裏面ガラス質層32とに分けられる。
表層30ないし裏層32の製造方法例を次に示す。いずれも原料としては、ペタライト、珪石、酸化亜鉛、粘土を用い、表層30ではこれらを順に70wt%、11wt%、4wt%、15wt%の割合で粉砕混合し、裏層32ではこれらを順に73wt%、7wt%、5wt%、15wt%の割合で粉砕混合する。次に、スプレー式(或いは流し掛け、ディッピング等)により、セラミックス10における対応する面を、粉砕混合した原料で覆う。そして、セラミックス10もろとも1190℃の酸化雰囲気炉で2時間焼成し、セラミックス10に表層30ないし裏層32を生成させる。尚、原料の比率等を調整したり、適宜アルミナ、石灰、炭酸マグネシウム、カオリン、ガラスフリット等の金属酸化物原料を使用したりすることで、嵩密度、真密度、熱伝導率、熱膨張係数等を変化させることができる。
<実施例>
このようになるトッププレート1の実施例1〜5と、比較例1〜8との特徴を、図3に示す。
実施例1〜5は、いずれも、セラミックス10の嵩密度A/真密度Bの値につき、0.65〜0.80の範囲内であり、セラミックス10の熱伝導率につき、0.7〜1.5[W/(m・)]の範囲内であり、セラミックス10の熱膨張係数Cにつき、8×10−7〜25×10−7[/℃]の範囲内となっている。熱膨張係数は、50〜500℃におけるものであり、以下同様である。又、実施例1〜5は、いずれも、セラミックス10の熱膨張係数Cから、裏面ガラス質層32の熱膨張係数Dを差し引いた数値(C−D)につき、8×10−7〜30×10−7[/℃]の範囲内となっている。更に、実施例1〜5は、いずれも、表面ガラス質層30の熱膨張係数Eから、裏面ガラス質層32の熱膨張係数Dを差し引いた数値(E−D)につき、3×10−7〜15×10−7[/℃]の範囲内となっている。
尚、実施例1〜3,5は、いずれも、セラミックス10の熱膨張係数Cから、裏面ガラス質層32の熱膨張係数Dを差し引いた数値(C−D)につき、10×10−7〜15×10−7[/℃]の範囲内となっている。又、実施例1〜4は、いずれも、セラミックス10の熱膨張係数につき、15×10−7〜55×10−7[/℃]の範囲内となっている。更に、実施例1〜5において、セラミックス10の寸法や、表面ガラス質層30乃至は裏面ガラス質層32の厚みは、同等とされている。
一方、比較例1は、板状の結晶化ガラスをトッププレートとしたものであって、現在広く用いられているものである。比較例2は、板状の多孔性セラミックスの全面をガラス質層で覆ったものであるが、セラミックスの嵩密度A/真密度Bの値につき0.80を越える0.86としたものであり、熱伝導率につき1.5を越える1.8[W/(m・)]となっているものであり、セラミックスの熱膨張係数から、裏ガラス質層32の熱膨張係数を差し引いた数値につき8×10−7を下回る7×10−7[/℃]となっている。比較例3は、板状の多孔性セラミックスのみからなるトッププレートであって、ガラス質層は存在しないものである。
又、比較例4は、板状の多孔性セラミックスの全面をガラス質層で覆ったものであるが、セラミックスの熱膨張係数が8×10−7を下回る5×10−7[/℃]となっている。比較例5は、板状の多孔性セラミックスの全面をガラス質層で覆ったものであるが、セラミックスの熱膨張係数が25×10−7を上回る35×10−7[/℃]となっている。比較例6は、板状の多孔性セラミックスの全面をガラス質層で覆ったものであるが、セラミックスの熱膨張係数から裏ガラス質層32の熱膨張係数を差し引いた数値につき8×10−7を下回る7×10−7[/℃]となっている。
更に、比較例7は、板状の多孔性セラミックスの全面をガラス質層で覆ったものであるが、セラミックス10の熱膨張係数Cから、裏面ガラス質層32の熱膨張係数Dを差し引いた数値(C−D)につき、8×10−7を下回る6×10−7[/℃]となっており、表面ガラス質層30の熱膨張係数Eから、裏面ガラス質層32の熱膨張係数Dを差し引いた数値(E−D)につき、3×10−7を下回る2×10−7[/℃]となっている。比較例8は、板状の多孔性セラミックスの全面をガラス質層で覆ったものであるが、セラミックス10の熱膨張係数Cから、裏面ガラス質層32の熱膨張係数Dを差し引いた数値(C−D)につき、30×10−7を上回る33×10−7[/℃]となっている。尚、比較例1〜8のトッププレートの寸法は、実施例1〜5と同等とされており、即ち実施例1〜5及び比較例1〜8のトッププレートの寸法は、互いに同等にされている。
これら実施例1〜5及び比較例1〜8のトッププレートについて、その性能を調べるため、以下の実験1〜2を行った。
即ち、実験1として、次に示すものを行った。まず、図1に示したような一般的な電磁調理器2に実施例1のトッププレート1を設置し、容器Yとしてステンレス製の平底鍋を置く。次に、この鍋に20℃の水を張り、電磁調理器2の電源を入れてコイル4を作動状態にする。続いて、所定時間毎に、水温、トッププレート1の表面の温度、コイル4の温度を測定する。水温は水銀温度計を用いて測定し、他の温度は接触式熱電対を用いて測定する。そして、トッププレートを別のものに取り替えて、同様の手順を繰り返し、結果的に実施例1〜5及び比較例1〜8のトッププレートについて上記手順を行う。
又、実験2として、次に示すものを行った。まず、60gの鋼球を、一般的な電磁調理器2に設置した実施例1のトッププレート1の中央部めがけて、高さ5cmの地点から落下させる。トッププレート1が破損しなかった場合には、5cmずつ高さを増して鋼球を落下させ、これを繰り返して破損した高さを測定する。そして以上の手順を、実施例1〜5及び比較例1〜8のトッププレートについて行う。
実験1の結果を図4(a)〜(c)に示す。(c)の水温について、実施例1〜5では比較例1〜2と比べて素早く上昇し、加熱開始15分後には比較例1〜2では89〜92℃であるのに対して98℃以上となっている。従って、実施例1〜5における鍋の加熱効率は、比較例1〜2と比べて良好なものとなっている。
しかも、(a)のトッププレートの内側にあるコイル4の温度について、加熱開始15分後においても実施例1〜5では190〜210℃となっており、比較例1の260℃と比べかなり低い。従って、実施例1〜5においては、比較例1に比べて、トッププレート1が熱を内部に伝えにくいものとなっている。
尚、(b)のトッププレートの表面温度について、実施例1〜5では加熱開始15分後でも415〜455℃であるのに対し、比較例1では510℃となっている。従って、実施例1〜5においては、比較例1に比べて、トッププレート表面が熱くなりにくいものとなっている。又、実施例1〜5乃至は比較例1〜4,6,7において、加熱により破損することはなく、用いられる材料からいっても、全て耐熱衝撃性があるものとなっている。一方、比較例5においては、熱ひずみによる破損を生じ、耐熱衝撃性の点で劣っており、比較例8においては、シバリング(剥離、陶磁器のうわぐすり層の一部が素地より剥離する現象、素地の熱膨張係数がうわぐすりのそれより相当大きくてうわぐすり層に圧縮力が働くために起こる)を生じ、強度ないし外観の点で劣っている。
実験2の結果を図4(d)に示す。実施例1〜5では、55〜75[cm]の高さからでないとトッププレートが破損しなかったのに対し、比較例2〜4,6,7では、20〜35[cm]の高さからの落下で破損してしまい、特に比較例3では20cmという極めて低い高さからの落下で破損してしまう。従って、実施例1〜5においては、比較例2〜4,6,7に比べて、強度が高いものとなっている。尚、実施例1〜5と比較例1とは、破損を生じる落下高さが同等であるので、実施例1〜5は比較例1と同等の強度を有していることになる。
実験1〜2の結果をまとめる。比較例1では、機械的強度は充分であるが、電磁調理器の内部に熱を伝えやすく、熱効率も劣る。比較例2では、電磁調理器の内部に熱を伝えにくいが、熱効率及び機械的強度が劣る。比較例3,4,6,7では、電磁調理器の内部に熱を伝えにくく、熱効率が良好であるが、機械的強度が劣る。比較例5では、耐熱衝撃性が劣る。比較例8では、強度ないし外観が劣る。
これに対し、実施例1〜5では、耐熱衝撃性、機械的強度を充分なものとしながら、熱効率が良く、電磁調理器2の内部に熱を伝えにくいものとなっている。このような高熱効率、防熱伝導性は、セラミックス10が有する空孔20内の空気が断熱作用を呈することに基づくものと考えられる。しかし、例えば比較例2のように空孔20の割合が少ないと、断熱作用が弱くて高熱効率、防熱伝導性がさほどでもなくなり、同様な実験の繰り返しにより、嵩密度A/真密度Bが0.80を上回り、或いは熱伝導率が1.5[W/(m・)]を上回ると効果的でなくなることが分かった。又、空孔20の割合が多すぎると、ガラス質層12を付与したとしても機械的強度が劣ることとなり、同様な実験の繰り返しにより、嵩密度A/真密度Bが0.65を下回り、或いは熱伝導率が0.7[W/(m・)]を下回ると機械的強度が充分でなくなることが分かった。
又、実施例1〜5では、機械的強度が比較例1の結晶化ガラスに匹敵する程になっていて、耐熱衝撃性、高機械的強度、高熱効率、防熱伝導性を兼ね備えたものとなっている。機械的強度が良好となる要因は、セラミックス10にガラス質層12を付与したことに加え、セラミックス10の熱膨張係数を僅かに裏面ガラス質層32の熱膨張係数より大きくすることで、セラミックス10と裏面ガラス質層32との結合状態を良好なものとすることにあると考えられる。又、裏面ガラス質層32に注目する理由は、トッププレート1として衝撃が加わるのは殆ど表側からであり、表側からの衝撃を裏側の強度によって重点的に食い止める方が、全体としての耐衝撃性乃至は機械的強度の向上に結果的に役立つからであると考えられる。かといって、表側をセラミックス10が露出した状態とすると、セラミックス10が比較的に破損しやすいから、表側もガラス質層で覆う必要がある。
更に、セラミックス10の熱膨張係数から裏面ガラス質層32の熱膨張係数を差し引いた数値を10×10−7〜30×10−7[/℃]とすることで、耐熱衝撃性、高熱効率、防熱伝導性を具備しながら、機械的強度を更に良好なものとすることができることが分かった。尚、特に比較例6〜8との比較をし、或いは同様の実験を繰り返すことにより、機械的強度を高くするのに好ましい当該数値の範囲は、8×10−7[/℃]以上30×10−7[/℃]以下であることが分かった。又、より一層好ましい当該数値の範囲は、10×10−7[/℃]以上15×10−7[/℃]以下であることが分かった。
加えて、特に比較例4,7との比較をし、或いは同様の実験を繰り返すことにより、セラミックス10の熱膨張係数を、8×10−7[/℃]以上25×10−7[/℃]以下とすると、トッププレート1の耐熱衝撃性乃至は機械的強度の面において有利であることが分かった。即ち、セラミックス10の熱膨張係数を8×10−7[/℃]以上とすると、ガラス質層12を付与することによる機械的強度及び耐熱衝撃性の向上効果が良好な状態で得られることが分かった。又、セラミックス10の熱膨張係数が25×10−7[/℃]以下とすると、セラミックス自体の耐熱衝撃性が充分に確保されることが分かった。尚、セラミックス10の熱膨張係数を15×10−7[/℃]以上とすると、機械的強度及び耐熱衝撃性の向上効果の点でより一層好ましいことが分かった。
又、特に実施例1,3と比較例7とを比較し、実施例4と比較例8とを比較し、或いは同様の実験を繰り返すことにより、表面ガラス質層30の熱膨張係数から裏面ガラス質層32の熱膨張係数を引いた数値を、3×10−7[/℃]以上15×10−7[/℃]以下とすると、表面ガラス質層30と裏面ガラス質層32との熱膨張のバランスを良好なものとして、機械的強度の一層の向上を図れることが分かった。
<変更例>
以上説明した本発明に係るトッププレートの実施形態乃至は実施例の変更例を挙げる。ガラス質層を、表面と裏面とで分けずに、全面で共通のものとする。又、いずれかの側面乃至は全側面においてはガラス質層を付与しないようにする。中華鍋や炊飯釜といった丸底容器に対応するため、トッププレートを鉢状にする(中華鍋用につき図5(a)、炊飯器用につき図5(b))。尚、図5(b)において、炊飯器52における炊飯器用トッププレート51は、炊飯釜Zを載置可能な状態で器枠54に支持されており、炊飯器用トッププレート51の近傍には、コイル56が複数配置されている。又、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記以外の様々な変更を施すことができる。
本発明のトッププレートを設置した電磁調理器の説明図である。 図1におけるトッププレートの断面説明図である。 実験1〜2に用いた実施例1〜5乃至は比較例1〜8に係るトッププレートの特徴を示す表である。 (a)〜(c)は実験1の結果を示す表であり、(d)は実験2の結果を示す表である。 (a)は中華鍋用トッププレートの断面説明図であり、(b)は炊飯釜用トッププレート含む炊飯器の断面説明図である。
符号の説明
1、51 トッププレート
2 電磁調理器
10 (多孔性)セラミックス
12 ガラス質層
32 裏面ガラス質層
52 炊飯器

Claims (4)

  1. 嵩密度/真密度が0.65以上0.80以下の範囲内であり、熱伝導率が0.7W/(m・)以上1.5W/(m・)以下の範囲内である多孔性セラミックスと、
    当該多孔性セラミックスの少なくとも表面及び裏面を覆うガラス質層と
    を含み、
    セラミックスの50℃から500℃までにおける熱膨張係数から、裏面ガラス質層の50℃から500℃までにおける熱膨張係数を差し引いた数値が、8×10−7/℃以上30×10−7/℃以下である
    ことを特徴とする電磁調理器用トッププレート。
  2. ガラス質層が、多孔性セラミックスの全面を覆う
    ことを特徴とする請求項1に記載の電磁調理器用トッププレート。
  3. 多孔性セラミックスの50℃から500℃までにおける熱膨張係数が、8×10−7/℃以上25×10−7/℃以下である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁調理器用トッププレート。
  4. 表面ガラス質層の50℃から500℃までにおける熱膨張係数から、裏面ガラス質層の50℃から500℃までにおける熱膨張係数を差し引いた数値が、3×10−7/℃以上15×10−7/℃以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至は請求項3の何れかに記載の電磁調理器用トッププレート。
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