JP4697030B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ制御装置に関し、例えば圧縮機等の負荷装置を回転駆動するためのモータを駆動制御するモータ制御装置に適用して好適なものである。
従来、モータ等の電動機の回転により駆動される圧縮機においては、回転駆動される圧縮機の機械的に決まった回転角で発生する衝撃を、構造設計の変更や衝撃力の分散を機械的に行なうことで低減するものが知られている(特許文献1等参照)。例えばスクロール式圧縮機では、旋回スクロールと固定スクロールとを互いに噛み合わせて密閉空間を形成し、密閉空間に冷媒を吸入・圧縮することにより昇圧するとともに、吐出時には密閉空間内で加圧された冷媒を外部に吐出する。
特許文献1の開示する技術では、噛み合わせ開始時などの旋回スクロールと固定スクロールとが接触するタイミングでの衝撃力を低減するため、旋回スクロールおよび固定スクロールの接触面形状を工夫している。
一方、特許文献2の開示する技術では、圧縮機の騒音、振動を低減するため、圧縮機の周期的な負荷変動により発生する負荷トルクの変動に対して、モータ部の駆動トルクが逆位相となるようにモータ制御している。
また、特許文献3の開示する技術では、圧縮機1回転中の負荷トルクと駆動トルクの変動データを記憶し、読み出したデータと、現在の回転位相での負荷トルクと駆動トルクの差を小さくするように制御することにより、圧縮機の騒音、振動を低減する。
特開平10−18978号公報 特開平10−299682号公報 特開平10−148184号公報
近年、実用化されているハイブリット車両では、走行用の電動モータと内燃機関とを有し、電動モータのみで走行する場合、内燃機関のみで走行する場合、および電動モータと内燃機関の両者で走行する場合のいずれかに切替えて行なうため、アイドリング状態で圧縮機のみが駆動するような場合がある。
特許文献1等の機械的対策手段による従来技術では、内燃機関によりベルト駆動される場合において、内燃機関の騒音により問題となるレベルではなかったが、上記のような圧縮機のみが駆動されるものに適用すると、その騒音が比較的顕著に確認され、耳障りになるという問題がある。
また、特許文献2、3等のモータ制御による従来技術では、負荷トルクと駆動トルクとの不均衡を抑え、衝撃力が増大するのを低減することは可能であるが、圧縮機の機械的な回転角で決まる衝撃を効果的に低減するという観点が十分考慮されていない。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、音や振動の低減のための、負荷装置の機械的回転角で決まる衝撃を緩和するモータ制御装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を備える。
即ち、請求項1乃至7に記載の発明では、渦巻き状の部品からなる固定スクロールと旋回スクロールとを互いに噛み合わせて密閉空間を形成し、密閉空間に媒体を吸入、圧縮することにより昇圧するとともに、密閉空間内で加圧された媒体を外部に吐出するスクロール式圧縮機であり、周期的な負荷トルク変動を有するスクロール式圧縮機を回転駆動するモータに用いられ、スクロール式圧縮機の特性に応じてモータの駆動トルクを制御するモータ制御装置において、スクロール式圧縮機の機械的な回転角を推定する回転角推定手段と、周期的な負荷トルク変動に追従するような基本駆動トルクを発生させる手段と、固定スクロールの最外周側端部と旋回スクロールとの隙間が無くなる噛み合いタイミング、および、固定スクロールの最外周側端部と旋回スクロールとの隙間がほぼ最大となる高圧力タイミングを予め定められた所定の回転角として、回転角に基づいて所定の回転角において基本駆動トルクを低減する衝撃力緩和手段とを備えていることを特徴とする。
これによると、周期的な負荷トルク変動を有するスクロール式圧縮機の機械的に決まった回転角で発生する衝撃に対して、その回転角においてスクロール式圧縮機を回転駆動するための出力トルクである基本駆動トルクが低減される。したがって、滑らかな衝撃になるように制御されるので、騒音や振動の原因となるスクロール式圧縮機の衝撃を緩和することができる。
これによると、例えば車両用空調装置の冷凍サイクルの冷媒等の媒体を高圧化して吐出するいわゆるスクロール式圧縮機に適用し、モータの運転に伴なって発生する圧縮機からの騒音や振動を効果的に低減することができる。
特に、請求項2に記載の発明では、衝撃力緩和手段は、スクロール式圧縮機の所定の回転角における衝撃低減のためのデータを記憶したマップを有し、マップに基づいて一回転周期で駆動トルクを制御することを特徴とする。
これによると、スクロール式圧縮機の機械的に決まった回転角での衝撃低減のための、予め実験等により求めたデータを記憶したマップを持ち、このマップに基づいて一回転周期で駆動トルクが制御されるので、スクロール式圧縮機の特性に応じて衝撃が緩和されるように駆動トルクを制御することができる。
また、請求項3に記載の発明では、マップは、所定の回転角に対応して、基本駆動トルクを補正する衝撃緩和トルクを設定していることを特徴とする。
これによると、スクロール式圧縮機の機械的に決まった回転角で発生する衝撃を、マップ内の予め定められた所定の回転角に対応して設定した衝撃緩和トルクで効果的に緩和することができる。
また、請求項4に記載の発明では、衝撃緩和トルクは、所定の回転角を挟んだ回転角範囲において基本駆動トルクを減じるトルク指令信号であることを特徴とする。
これによると、衝撃緩和トルクは、所定の回転角を挟んだ回転角範囲において基本駆動トルクを減じる、例えば三角形、扇形、方形状のトルク指令信号であるので、回転角推定手段による駆動対象の機械的な回転角の推定にばらつきがある場合であったとしても、駆動対象の特性に応じて確実に衝撃緩和するように制御することができる。
また、請求項5に記載の発明では、トルク指令信号の波形は、一回転中における衝撃状態に応じて設定されていることを特徴とする。
これによると、一回転中における衝撃による衝撃音などが複数発生している場合において、その複数発生する衝撃音の発生メカニズムに応じて基本駆動トルクを低減する波形に変更することが可能である。
また、請求項6に記載の発明では、所定の回転角を決定する所定回転角決定手段を備え、所定回転角決定手段は、回転角の検出情報において、複数の検出情報に基づいて所定の回転角を決定することを特徴とする。
これによると、所定回転角を決定する際に、複数の検出情報に基づいて決定するので、経時変化や駆動対象の状態等の影響による検出誤差を低減し、精度の向上が図れる。したがって、経時変化や駆動対象の状態によらず、スクロール式圧縮機の特性に応じて衝撃緩和するように精度よく制御することができる。
また、請求項7に記載の発明では、所定の回転角の決定を指示する指示手段を備え、所定回転角決定手段は、指示手段からの指示を受けて所定の回転角の決定を行なうことを特徴とする。
これにより、例えば所定の回転角を決定する際に用いる駆動電流、駆動電圧、駆動トルク、および回転数(回転速度)が所定の条件を満たすときに所定の回転角の決定を指示するように指示手段を動作させられるので、精度よく所定の回転角を検出することができる。
また、請求項8に記載の発明では、所定回転角決定手段は、衝撃により発生する衝撃音が所定の音圧以上とされる回転角を選択することを特徴とする。
これにより、衝撃により発生する衝撃音が顕著に現れる回転角に限定するので、衝撃による騒音や振動を低減するとともに、上記所定の音圧以上とされる回転角以外の回転角ではトルク変動や回転変動によって発生する騒音や振動を低減することが可能である。
以下、本発明のモータ制御装置を、具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態によるモータ制御装置の全体構成を示すブロック図である。図2は、図1中の衝撃緩和トルク制御信号部で行なう衝撃緩和トルクを入力するためのマップを示す特性図である。図3は、図1中の圧縮機のモータ運転に伴なう音圧特性を示す模式図であって、本実施例のモータ制御手法を用いる前の音圧変動を示す特性図である。図4は、図1中の圧縮機のモータ運転に伴なう音圧特性を示す模式図であって、本実施例のモータ制御手法を用いたときの音圧変動を示す特性図である。
図5は、図1中の圧縮機の固定スクロールと旋回スクロールの作動過程の一実施例を示す図であって、図5(a)は固定スクロールと旋回スクロールの端部同士が接触し、密閉空間が形成されるタイミングにある状態、図5(b)は、固定スクロールと旋回スクロールで区画された密閉空間内が最大圧力となるタイミングにある状態を示す模式図である。なお、図5(a)および図5(b)において、圧縮機は、モータの駆動回転により図中左回転方向に回転している状態を示している。
図1に示すように、モータ制御装置は、圧縮機50を駆動対象とするモータ60の駆動を制御するためのものであり、直流電源部1、インバータ回路2、回転角度推定部3、回転数(回転速度)検出部4、回転指令部5、制御演算部6、駆動回路部7、衝撃緩和トルク制御信号部8、およびマップ部(以下、衝撃緩和トルクマップ)9を含んで構成されている。
圧縮機50は、周期的に負荷状態が変動する負荷装置であって、圧縮機50の1回転中の負荷状態が1変動する。圧縮機50は、例えば媒体(例えば冷媒)を高圧化して吐出するスクロール式圧縮機である。この圧縮機50は、図5に示すように、渦巻き状の部品からなる固定スクロール51と旋回スクロール52とを互いに噛み合わせて密閉空間53を形成し、密閉空間53に媒体を吸入・圧縮することにより圧力Piで昇圧するとともに、吐出時には密閉空間53内で加圧された媒体を外部に吐出圧力Poで吐出する。
また具体的には、圧縮機50は、図5(a)に示される回転角θAにおいて、固定スクロール51の端部(最外周側端部)と旋回スクロール52の隙間dminが無くなり、密閉空間53が形成される。この隙間dminが無くなる接触タイミング(以下、噛み合いタイミング)では、固定スクロール51の最外周側端部と旋回スクロール52との接触時に互いに衝突しながら摺動する。
また、図5(b)に示される回転角θBにおいて、圧縮機50の図中の中央にある密閉空間53内の媒体の圧力が最大圧力となる。このとき、この密閉空間53では、媒体が外部に吐出圧力Poで吐出される。固定スクロール51の最外周側端部と旋回スクロール52との隙間dmaxはほぼ最大となり、媒体を吸入するための開放空間54が形成されている。この隙間dmaxが大きくなる開放タイミング(以下、高圧力タイミング)では、密閉空間53の高圧力により固定スクロール51および旋回スクロール52の各内周端部側が互いに衝突しながら摺動する。
また、密閉空間53の高圧力により軸方向に力が発生するため、旋回スクロール52は回転方向のみではなく、軸方向にも可動することになる。これにより軸方向の衝突が発生する。
所定の回転角θA、θBでは、図3に示すように、噛み合いタイミング、高圧力タイミングで音圧変動が最大となる。すなわち、所定の回転角θA、θBにおいて、噛み合いタイミング、高圧力タイミングで発生する衝撃音の騒音レベル(騒音エネルギ)が最大となることを音振動分析による測定結果より見出した。
なお、ここで、所定の回転角θA、θBは、圧縮機50の固定スクロール51および旋回スクロール52等の部品構造で機械的に決まるものである。この所定の回転角θA、θBで発生する衝撃を緩和するモータ制御手段については、後述する。
また、圧縮機50は、車両用の空調装置を構成する冷凍サイクル内に配設されて、この冷凍サイクル内の冷媒を蒸発器(図示せず)側から吸入して、高温高圧に圧縮した後に凝縮器側に吐出する周知の流体機械である。圧縮機50は、モータ60に接続されて、モータ60の駆動力によって作動するようになっており、例えば車両エンジンルーム内でエンジンブロック等に取り付けられている。
なお、ここで、圧縮機50は、媒体(冷媒)を吸入・圧縮する吸入・圧縮行程、吐出行程の1サイクルの間に、複数(本実施例では、3回)回の回転が行なわれ、この一連動作が1回転間隔で繰返されている。また、吸入、圧縮、および吐出の動作過程において、圧縮機50の負荷状態が変動し、すなわち負荷トルクが変動する。また、上記固定スクロール51と旋回スクロール52を有する圧縮機は、図5(a)に示す自転防止ピン56およびリング57からなる旋回スクロール52の自転防止機構を備えている。
モータ60は、3相ブラシレスDCモータ等の電動機により構成されており、U、V、W相のステータコイルにそれぞれ所定のタイミングで電圧が印加されることで、回転動作するようになっている。
直流電源部1は、交流電源からの電力を直流電力に変換してインバータ回路2に供給する周知の装置である。インバータ回路2は、直流電源部1からの直流電力を3相の電力に変換し、モータ60に供給するものであり、駆動回路部7から出力されるPWM電圧制御信号に基づいて3相(U、V、W相)の上下アームスイッチング素子を所定のタイミングでスイッチング動作させる。
回転角度推定部3は、インバータ回路2からモータ60に出力される駆動電流に基づいて所定の推定アルゴリズムによりモータ60のロータ回転角度θを推定し、この回転角度θの情報を回転数(回転速度)推定部4に出力する。なお、検出する駆動電流はU、V、W相のうち少なくとも1つの相電流であれば良い。
固定スクロール51と旋回スクロール52が相互に噛み合って形成される密閉空間53内の容積が、図5(a)から図5(b)に示される圧縮機50の回転に従って、これにより冷媒の圧力Piが上昇するものであるから、吸入・圧縮行程ごとの圧力Pi上昇値と、回転角度θとは対応付けられている。
これにより、回転角度推定部3は、検出した回転角度θに基づいて吸入・圧縮行程の圧力上昇過程等の圧縮機50の負荷状態を推定もしくは算出することができる。すなわち、モータ60の回転角度θに基づき、圧縮機50の回転角θA、θBに対応する噛み合いタイミングおよび高圧力タイミングといういわゆる衝突タイミングを推定もしくは算出することができる。
回転数(回転速度)推定部4は、回転角度推定部3からの回転角度θ情報に基づいて、モータ60の回転数(回転速度)(以下、実回転数)ωobを検出する。
制御演算部6は、回転数(回転速度)推定部4で検出された実回転数ωobと、回転数指令部5で設定されるモータ60の目標回転数(目標回転速度)ωとの偏差に基づいて、例えばモータ60を駆動するための基本となる制御信号としてのq軸電流指令値iqを生成する。そして制御演算部6は、このq軸電流指令値iqに、変換電流指令値isを加えた合成指令値iq+isを駆動回路部7に出力する。
すなわち、制御演算部6は、負荷トルクの脈動に追従するような駆動トルクを発生させるためのq軸電流指令値iqと、後述する所定の回転角度θで生じさせる衝撃緩和トルクに基づく変換電流指令値isとを生成し、これらの合成値i(q+s)を駆動回路部7に出力する。図2において、q軸電流指令値iqは、目標回転数ωに対応した電流指令値であり、変換電流指令値isは、目標回転数ωに制御したときの駆動トルクを1単位として、この1単位(以下、基本駆動トルク)から減じる量(以下、衝撃緩和トルク)ΔTに対応するものである。
次に、本実施形態の要部である衝撃緩和トルク制御信号部8について、図1から図3に従って説明する。
衝撃緩和トルク制御信号部8は、図1に示すように、衝撃緩和トルクマップ9を有しており、回転角度推定部3で算出した回転角度θA、θBに基づいて、回転角度θA、θBで駆動トルクを減ずるトルク信号を生成する。そして、衝撃緩和トルクマップ9には、このトルク信号(以下、衝撃緩和トルク信号)の波形形状が格納され、回転角度θA、θBに対応付けられている。具体的には、衝撃緩和トルク信号の波形は、図2に示すように、基本駆動トルクに対し、図中下方を頂部とする三角形状に形成されている。衝撃緩和トルク信号により、基本駆動トルクが低減される。これにより、衝突タイミング(噛み合いタイミングおよび高圧力タイミング)での衝撃力が低減される。
さらに、本実施形態では、この三角形状の衝撃緩和トルク信号は、回転角度θA、θBを挟んだ回転角度範囲Δθで、基本駆動トルクより駆動トルクが減じられるように設定されている。これにより、回転角度θA、θBと実際の衝突タイミング(噛み合いタイミングおよび高圧力タイミング)にずれ等のばらつきがある場合であっても、回転角度θA、θBを挟んだ回転角度範囲Δθにて、基本駆動トルクを確実に低減することができる。
また、本実施形態では、衝撃緩和トルクマップ9は、予め実験等により求めたデータを記憶したマップであり、一回転周期での駆動トルクを制御するものである。これにより、モータ60の駆動トルクは、基本駆動トルクに対して衝撃力を減ずるトルク補正がなされるので、圧縮機50の構造等に起因した特性に応じて圧縮機50の作動に伴なう衝撃が緩和されるように駆動トルクを制御することができる。
さらにまた、本実施形態では、モータ制御装置は、上記衝撃緩和トルクマップ9において、衝撃緩和トルク信号を入力する基準となる回転角度θA、θBを、衝撃音が所定の音圧(本実施例では、図3中の音圧の絶対値が0.3Pa)以上とされる回転角度θで選択することが好ましい。これにより、衝撃により発生する衝撃音が顕著に現れる回転角に限定することができる。
本実施形態によるモータ60の駆動トルクを制御することで圧縮機50の衝撃音を低減する効果を、圧縮機60の音圧特性の測定結果より検証した(図4参照)。図4において縦軸に音圧を、横軸にモータ60の回転角度θを示している。なお、横軸の回転角度θは、図面作図の便宜上、一回転中の回転角度を0〜360で示しており、回転角度基準(0)は任意に決められるものである。
図4に示すように、本実施例の音圧特性(図4中の実線)が、従来例の音圧特性(図4中の破線、図3参照)に比べて、音圧がその差分ΔP1、ΔP2で小さくなっている。
以上説明した本実施形態では、周期的な負荷トルク変動を有する圧縮機50の回転駆動用モータ60の駆動トルクを制御するモータ制御装置において、圧縮機50の機械的に決まった回転角θA、θBで発生する衝撃に対して、その回転角θA、θBにおいて圧縮機50を回転駆動するためのモータ60の出力トルクである駆動トルクが低減されるように制御する。これにより、モータ60の回転駆動により圧縮機50で生じる衝撃が、滑らかな衝撃になるように制御されるので、騒音や振動の原因となる圧縮機50の衝撃を緩和することができる。
なお、ここで、回転角度推定部3は、請求範囲に記載の回転角度推定に対応し、衝撃緩和トルク制御信号部8および衝撃緩和トルクマップ9は、請求範囲に記載の衝撃力緩和手段に対応する。また、衝撃緩和トルク信号は、請求範囲に記載のトルク指令信号に対応する。
また、以上説明した本実施形態では、モータ制御装置は、衝撃緩和トルクマップ9として、予め実験等により求めたデータを記憶したマップを有し、このマップに基づいて一回転周期での駆動トルクを制御する。これにより、モータ60の駆動トルクは、基本駆動トルクに対して衝撃力を減ずるトルク補正がなされるので、圧縮機50の構造等に起因した特性に応じて圧縮機50の作動に伴なう衝撃が緩和されるように駆動トルクを制御することができる。
また、以上説明した本実施形態では、衝撃緩和トルクマップ9は、回転角度θA、θBに対応して、基本駆動トルクを補正する衝撃緩和トルクΔTが設定されている。これにより、駆動対象の機械的に決まった回転角θA、θBで発生する衝撃を、マップ内の予め定められた所定の回転角度θA、θBに対応して設定した衝撃緩和トルクΔTで効果的に緩和することができる。
また、上記衝撃緩和トルクΔTは、回転角度θA、θBを挟んだ回転角度範囲Δθで駆動トルクを基本駆動トルクより減ずるようにする三角形状の衝撃緩和トルク信号である。これにより、回転角度θA、θBを挟んだ回転角度範囲Δθにおいて、駆動トルクが基本駆動トルクより減じられるように設定されるので、回転角度θA、θBと実際の衝突タイミング(噛み合いタイミングおよび高圧力タイミング)にずれ等のばらつきがある場合であっても、回転角度θA、θBを挟んだ回転角度範囲Δθつまり衝撃タイミングにて、駆動トルクを確実に低減することができる。したがって、圧縮機50の特性に応じて確実に圧縮機50の衝撃緩和が成されるように駆動トルクを制御することができる。
また、以上説明した本実施形態では、モータ制御装置は、上記衝撃緩和トルクマップ9において、衝撃緩和トルク信号を入力する基準となる回転角度θA、θBを、衝撃音が所定の音圧以上とされる回転角度θで選択する。これにより、衝撃により発生する衝撃音が顕著に現れる回転角に限定されるので、衝撃による騒音や振動を低減するとともに、上記所定の音圧以上とされる回転角以外の回転角ではトルク変動や回転変動によって発生する騒音や振動を低減することが可能である。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用した他の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰返さない。
第2の実施形態では、回転数指令プロフィールマップ9における衝撃緩和トルク信号の波形を、図6に示すように、方形波形で与えるようにした。図6は、本実施形態に係わる衝撃緩和トルクを入力するためのマップを示す特性図である。
図6に示すように、モータ制御装置は、回転角度θA、θBを挟んだ回転角度範囲Δθで、駆動トルクを基本駆動トルクより急峻に減ずるように制御することができる。これにより、回転角度θA、θBと実際の衝突タイミングにばらつきが生じる場合であっても、圧縮機50の衝撃タイミングで、衝撃力緩和のための駆動トルク低減を確実に行なうことができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、衝撃緩和トルク信号の波形を、図7に示すように、扇形波形で与えるようにした。図7は、本実施形態に係わる衝撃緩和トルクを入力するためのマップを示す特性図である。
これにより、衝撃により発生する騒音の低減と、トルク変動や回転変動によって発生する騒音の低減の両立が図れる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用可能である。
(1)以上説明した本実施形態では、衝撃緩和トルク信号の波形を、三角形、扇形、もしくは方形の波形とした。衝撃緩和トルク信号の波形は、これらの波形に限らず、圧縮機50の衝撃タイミングに対応した機械的な回転角θA、θBを挟んだ回転角度範囲Δθで、駆動トルクを基本駆動トルクより減ずるように設定可能な波形であれば、いずれの波形形状であってもよい。
(2)また、以上説明した本実施形態では、衝撃緩和トルク信号の波形を、圧縮機50の噛み合いタイミングと高圧力タイミングの二つの衝撃タイミングに対応する波形形状とし、一回転中に2回信号発生するように設定した。これに限らず、衝撃緩和トルク信号は、一回転中の圧縮機50の衝撃状態に応じて波形、信号数を変更するように設定されるようにしてもよい。
これにより、圧縮機50の一回転中での衝撃による衝撃音が複数発生している場合において、その複数発生する衝撃音の発生メカニズムに応じて、駆動トルクを低減する波形に変更することが可能である。
(3)また、以上説明した本実施形態では、モータ制御装置は、衝撃タイミングに対応する回転角度θA、θBを検出する方法として、回転角度推定部3においてモータ60の駆動電流に基づいてその回転角度θA、θBを推定した。このような駆動電流のみで回転角度θA、θBを検出する方法に限らず、駆動電流、駆動電圧、駆動トルク、および回転数(回転速度)のうち少なくとも2種類のモータ作動状態の指標値を測定する複数の測定手段を用い、複数の指標値(検出情報)に基づいて回転角度θA、θBを決定する所定回転角度決定手段を備えるものであってもよい。
これにより、回転角度θA、θBを決定する際に、複数の検出情報に基づいて決定するので、経時変化や駆動対象の状態等の影響による検出誤差を低減し、精度の向上が図れる。したがって、経時変化や駆動対象の状態によらず、圧縮機50の特性に応じて衝撃緩和するように精度よく制御することができる。
(4)上記の複数の検出情報に基づいて回転角度θA、θBを決定する場合において、所定回転角度決定手段に加えて、回転角度θA、θBの決定を指示する指示手段を備えるようにし、上記の所定回転角度決定手段が、指示手段からの指示を受けて回転角度θA、θBの決定を行なうように構成することが好ましい。
これにより、回転角度θA、θBを決定する際に用いる駆動電流、駆動電圧、駆動トルク、および回転数(回転速度)が所定の条件を満たすときに、回転角度θA、θBの決定を指示するように指示手段を動作させられるので、精度よく回転角度θA、θBを検出することができる。
本発明の第1の実施形態によるモータ制御装置の全体構成を示すブロック図である。 図1中の衝撃緩和トルク制御信号部で行なう衝撃緩和トルクを入力するためのマップを示す特性図である。 図1中の圧縮機のモータ運転に伴なう音圧特性を示す模式図であって、本実施例のモータ制御手法を用いる前の音圧変動を示す特性図である。 図1中の圧縮機のモータ運転に伴なう音圧特性を示す模式図であって、本実施例のモータ制御手法を用いたときの音圧変動を示す特性図である。 図1中の圧縮機の固定スクロールと旋回スクロールの作動過程の一実施例を示す図であって、図5(a)は固定スクロールと旋回スクロールの端部同士が接触し、密閉空間が形成されるタイミングにある状態、図5(b)は、固定スクロールと旋回スクロールで区画された密閉空間内が最大圧力となるタイミングにある状態を示す模式図である。 第2の実施形態に係わる衝撃緩和トルクを入力するためのマップを示す特性図である。 第3の実施形態に係わる衝撃緩和トルクを入力するためのマップを示す特性図である。
符号の説明
1 直流電源部
2 インバータ回路
3 回転角度推定部
4 推定回転速度検出部
5 回転数指令部
6 制御演算部
7 駆動回路部
8 衝撃緩和トルク制御信号部
9 マップ部

Claims (8)

  1. 渦巻き状の部品からなる固定スクロールと旋回スクロールとを互いに噛み合わせて密閉空間を形成し、前記密閉空間に媒体を吸入、圧縮することにより昇圧するとともに、前記密閉空間内で加圧された媒体を外部に吐出するスクロール式圧縮機であり、周期的な負荷トルク変動を有する前記スクロール式圧縮機を回転駆動するモータに用いられ、前記スクロール式圧縮機の特性に応じて前記モータの駆動トルクを制御するモータ制御装置において、
    前記スクロール式圧縮機の機械的な回転角を推定する回転角推定手段と、
    周期的な前記負荷トルク変動に追従するような基本駆動トルクを発生させる手段と、
    前記固定スクロールの最外周側端部と前記旋回スクロールとの隙間が無くなる噛み合いタイミング、および、前記固定スクロールの最外周側端部と前記旋回スクロールとの隙間がほぼ最大となる高圧力タイミングを予め定められた所定の回転角として、前記回転角に基づいて前記所定の回転角において前記基本駆動トルクを低減する衝撃力緩和手段とを備えていることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記衝撃力緩和手段は、前記スクロール式圧縮機の前記所定の回転角における衝撃低減のためのデータを記憶したマップを有し、前記マップに基づいて一回転周期で前記駆動トルクを制御することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記マップは、前記所定の回転角に対応して、前記基本駆動トルクを補正する衝撃緩和トルクを設定していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記衝撃緩和トルクは、前記所定の回転角を挟んだ回転角範囲において前記基本駆動トルクを減じるトルク指令信号であることを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記トルク指令信号の波形は、一回転中における衝撃状態に応じて設定されていることを特徴とする請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記所定の回転角を決定する所定回転角決定手段を備え、
    前記所定回転角決定手段は、前記回転角の検出情報において、複数の前記検出情報に基づいて前記所定の回転角を決定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  7. 前記所定の回転角の決定を指示する指示手段を備え、
    前記所定回転角決定手段は、前記指示手段からの指示を受けて前記所定の回転角の決定を行なうことを特徴とする請求項6に記載のモータ制御装置。
  8. 前記所定回転角決定手段は、衝撃により発生する衝撃音が所定の音圧以上とされる回転角を選択することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のモータ制御装置。
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