JP4696578B2 - 転写用ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、転写用ポリエステルフィルムに関するものである。さらに詳しくは、引っ張り強さ、配向バランスが優れており、かつ湿度依存性が小さく、耐水性、ブロッキング性に優れ、オリゴマーの発生を抑制する帯電防止層を有し、転写材の製造工程や転写工程におけるトラブルを防止し優れた生産性を有する転写用ポリエステルフィルムに関するものである。
家庭用電化製品、自動車用製品、住宅建材製品、グラフィック製品、セキュリティー製品、安全表示関係製品などに使用されるプラスチック製品や金属部品などは、その意匠性の多様化が進み、従来とは比べものにならないほどに表面に精密な図柄が施されたものが用いられるようになってきている。これらのプラスチック製品や金属部品などに図柄印刷を施す方法としては、例えばインモールド転写法、真空プレス転写法、ホットスタンピング法などが用いられる。インモールド転写法は、転写材を形成する金型に予め位置決めをしておき、その後射出成型器により金型内に樹脂を圧入して、成型と同時に転写材の図柄を絵付けする方法である。真空プレス転写法は、転写箔を成型品に対向させ、転写材と成型品間の空気を減圧することにより転写材を成型品表面に接触させ、加圧加熱することで転写材の図柄を絵付けする方法である。ホットスタンピング法は加熱ロールを用いて転写材を被転写物に押しつけ図柄を絵付けする方法である。
これら転写材に用いられる基材フィルムとしては、熱可塑性樹脂フィルムが用いられるが、特に耐熱性や成型性の点でポリエステルフィルムが好適に用いられる。一般的に転写材は、基材フィルムの片面に、順次、離型層、図柄層、接着層がこの順に設けられたものである。さらに目的に応じ、転写層としてハードコート層や金属蒸着層を積層させることもある。
これらの転写印刷の多様化や精密化により、印刷物の欠点について従来より厳しく管理されるようになっていると共に、コスト低減のための製造工程の高速化などが行われている。このような状況において、転写材の製造工程や転写工程において、製造上の種々の問題のため歩留まりが低下したり、生産性が上がらないなどの問題が発生している。転写材の製造工程における不具合としては、例えば帯電やブロッキングによる問題が挙げられる。基材のポリエステルフィルムが帯電することで、ゴミが付着したり、放電による欠点が発生したりするが、特に印刷図柄の高精細化によりゴミの付着が極端に嫌われるようになってきている。帯電対策として、基材のポリエステルフィルムに帯電防止層を設ける方法等が用いられるが、従来のイオン導電タイプの帯電防止層では湿度依存性が大きいため環境により帯電防止性能が大きく変わることが問題となっている。また、転写材の製造工程においては、蒸着層と剥離性を有する樹脂によりパターン印刷を施した上に蒸着を行い、蒸着後に水洗工程を行うことで不必要な蒸着部分を除去し、光沢性のあるパターンを転写する等の方法も用いられが、水洗工程時に帯電防止性能が低下することも問題となっている。ブロッキングについては、転写スピードの向上や被転写物との密着性向上のために接着層の粘着力が強いものを使うことが多く、このため転写材の転写層の反対面側に転写層が貼り付く問題が有る。またブロッキングを防止するために帯電防止層にワックス成分などを含有させた場合、ワックス成分が接着層に転写し逆に接着不良となる問題もある。また、転写工程においては上述の帯電の問題によりゴミが付着したり、位置合わせにズレが生じたりする問題や、加熱ロールや金型が基材フィルムから発生するオリゴマーにより汚れ製品に欠点として転写される問題、基材フィルムの角度による配向バランスずれから図柄が歪む問題、被転写物の表面に凹凸が多かったり、絞り比が高い形状のものでは、転写材に破れが発生する問題等が挙げられる。
これらの問題を解決するために、基材フィルムに帯電防止層を設けた転写用フィルムが提案されている(特許文献1、2参照)が、特許文献1については、基材フィルムと離型層の接着性を改善する目的のものであり、またいずれの特許文献についても帯電防止効果に湿度依存性があったり、耐水性が不十分であったりする問題がある。また、湿度依存性の小さい帯電防止層を設けた転写用フィルムが提案されているが(特許文献3)、加熱ロールや金型に付着するオリゴマー析出防止効果が不十分である問題がある。また、いずれにおいても、転写時の図柄の歪みや転写材の破れ等の問題が残り、転写用基材として満足するものは得られておらず改良が求められている。
特開2003−054143号公報 特開2004−223800号公報 特開2004−058648号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、使用環境によらず安定して発現する帯電防止性能や耐ブロッキング性能を有し、また、転写時の加熱ロールや金型汚れを防止し、かつ図柄の歪みや転写材の破れを防止し、転写材として優れた生産性を有する転写用ポリエステルフィルムを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を用するものである。すなわち、本発明、全方位での引っ張り強さが160MPa以上で、かつ、全方位での超音波伝導速度の最大値と最小値の比率(最大値/最小値)が1.0〜1.4であるポリエステルフィルムの、少なくとも非転写面側に、帯電防止処理層を有し、該帯電防止処理層表面における水との接触角が80°以上で、かつ、該帯電防止処理層表面での表面比抵抗値が以下の(1)〜(3)の要件をすべて満たす、転写用ポリエステルフィルムの製造方法であって、
フィルムを長手方向に延伸する工程(長手方向延伸工程)、幅方向に延伸する工程(幅方向延伸工程)、中間冷却する工程(中間冷却工程)および熱処理する工程(熱処理工程)をその順に含み、下記(A)〜(C)の要件を充足する転写用ポリエステルフィルムの製造方法である。
(1)温度25℃、相対湿度65%での表面比抵抗値(R1)が1010Ω/□以下
(2)温度25℃、相対湿度30%での表面比抵抗値(R2)とR1が以下の関係を満たすこと
log(R2/R1) ≦ 3.0
(3)該処理層を流水処理した後における、温度25℃、相対湿度65%での表面比抵抗値(R3)とR1が以下の関係を満たすこと
log (R3/R1) ≦ 3.0
(A)幅方向延伸工程において、幅方向の延伸ゾーンの中間点における延伸倍率を、幅方向延伸終了時の倍率の55〜80%とすること。
(B)冷却工程において、フィルム温度をガラス転移点(Tg)以下に下げること。
(C)熱処理工程において、ガラス転移点(Tg)+50℃〜100℃において2秒以上の熱処理温度(初期温度)で熱処理を行い、さらに、最大温度と初期温度との中間温度にて2秒間の熱処理を行い、さらに、熱処理温度(最大温度)をフィルムの融点(Tm)−15〜50℃として熱処理すること。


本発明によれば、従来技術では同時に達成困難であった、使用環境の湿度や水洗工程の影響を受け無い安定したゴミ付着防止機能や放電防止機能、粘着層との耐ブロッキング性、加熱ロールや金型汚れの防止機能のすべてを発現でき、かつ転写時の図柄の歪みや転写材の破れを防止した転写材として非常に優れた生産性を有する転写用ポリエステルフィルムを提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり使用環境によらず安定して発現する帯電防止性能や耐ブロッキング性能を有し、また、転写時の加熱ロールや金型汚れを防止し、かつ図柄の歪みや転写材の破れを防止し、転写材として優れた生産性を有する転写用ポリエステルフィルムについて、鋭意検討し、特定の引っ張り強さ、配向を有する基材フィルムに、特定の構成を有する帯電防止層を積層してみたところ、かかる課題を一挙に解決することができることを見い出し究明したものである。
本発明の転写用ポリエステルフィルムは、ポリエステル基材フィルムの非転写面側に帯電防止処理層を設けた構成を有するものである。転写材の製造工程では、転写面側に離型層、印刷層、粘着層などが設けられるが、非転写面側には通常加工が施されない。非転写面側に帯電防止処理層を設けることで、転写材の製造工程から転写工程に渡って、帯電防止処理層の機能を発現することが可能となる。
本発明の転写用ポリエステルフィルムが有する帯電防止処理層においては、使用環境によりゴミ付着防止機能や放電防止機能にバラツキがあると、工程条件をその都度変更する等の問題が生じるため、環境による機能変化、特に湿度による帯電防止性の変化が少ないことが必要である。
すなわち、該帯電防止処理層表面での表面比抵抗値が以下の(1)〜(3)の要件をすべて満たすことが重要である。
(1)温度25℃、相対湿度65%での表面比抵抗値(R1)が1010Ω/□以下
(2)温度25℃、相対湿度30%での表面比抵抗値(R2)とR1が以下の関係を満たすこと
log(R2/R1) ≦ 3.0
(3)該処理層を流水処理した後における、温度25℃、相対湿度65%での表面比抵抗値(R3)とR1が以下の関係を満たすこと
log (R3/R1) ≦ 3.0
さらに、帯電防止処理層表面の温度25℃、相対湿度65%における表面比抵抗値(R1)は109Ω/□以下が好ましく、108Ω/□以下が更に好ましい。温度25℃、相対湿度30%における表面比抵抗値(R2)をR1で除した値の常用対数( log(R2/R1) )は、好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.0以下である。また40℃の流水に3分間さらした後の温度25℃、相対湿度65%における表面比抵抗値(R3)をR1で除した値の常用対数( log(R3/R1) )は、好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.0以下である。
すなわち、R1が1010Ω/□以上となれば、帯電によるゴミの付着や放電による欠陥が発生するために好ましくない。log(R2/R1)の値が3.0より大きくなると、低湿度下において帯電防止性能が劣るためゴミの付着や放電欠点が発生し易くなったり、湿度による帯電防止性の差異が大きくなるため、使用環境により工程条件を調整したりする必要があり好ましくない。また、log(R3/R1)の値が3.0より大きくなると、水洗処理工程において帯電防止機能が低下するため、その後の工程において帯電によるゴミの付着や放電による欠陥が発生するため好ましくない。このような特性を満たす帯電防止剤としては、例えばカチオン性導電体である4級アンモニウム塩基を有する化合物や共役電子性導電体であるポリアニリン系導電剤、酸化スズ系導電剤、ポリチオフェン系導電剤などが挙げられる。一般的に広く使用されているスルホン酸基などを有するアニオン性導電対は湿度による帯電防止性能の変化が大きく、また耐水性にも劣るため好ましくない。カチオン性導電体である4級アンモニウム塩基を有する化合物を使用した場合は、比較的湿度による帯電防止性能の変化が小さく、また耐水性も比較的強いため、使用することが可能である。一方、共役電子導電体であるポリアニリン系導電剤、酸化スズ系導電剤、ポリチオフェン系導電剤を使用した場合は、その電子導電メカニズムが空気中の水分に依らないため湿度による帯電防止性能の変化量が非常に小さく好適である。なかでも特にポリチオフェンおよびポリチオフェン誘導体を用いた場合は、加えて塗膜の透明性や基材ポリエステルフィルムとの密着性、塗布外観に優れており特に好ましい。
カチオン系導電体である4アンモニウム塩基を有する化合物とは、分子鎖の主鎖や側鎖に、4級アンモニウム塩基を含む構成要素を持つ化合物のことであり、それらの構成要素としては、例えばピロリジウム間、アルキルアミンの4級化合物、さらにこれらをアクリル酸やメタクリル酸と共重合したもの、N−アルキルアミノアクリルアミドの4級化合物、ビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩等を挙げることができる。4級アンモニウム塩基の対イオンとなるアニオンとしては、例えばハロゲン、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、硝酸などが挙げられる。 また、4級アンモニウム塩基を有する化合物は高分子化合物であることが望ましい。分子量が低すぎる場合は、帯電防止層表面から逆面側、あるいは工程中のロールや金型などに帯電防止剤が転移し、逆面側の接着不良の原因となったり、製品の欠点となるため好ましくない。4級アンモニウム塩基を有する化合物の数平均分子量が、通常2000以上さらには5000以上であることが好ましい。また、分子量が大きくなりすぎると、塗布液の粘度が高くなりすぎたり、延伸時の追従性が悪化するなどの問題があるため、数平均分子量は100000以下が好ましい。
共役電子導電体であるポリチオフェンおよびポリチオフェン誘導体は、例えば下記の化1または、下記の化2で示した化合物を、ポリ陰イオンの存在下で重合することによって得ることができる。
Figure 0004696578
Figure 0004696578
かかる化1において、R1,R2はそれぞれ独立に、水素元素、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、もしくは芳香族炭化水素基をあらわし、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロヘキシレン基、ベンゼン基などである。化2では、nは1〜4の整数である。
本発明の転写用ポリエステルフィルムにおいては、化2で表される構造式からなるポリチオフェン、またはポリチオフェン誘導体を用いることが好ましく、例えば化2で、n=1(メチレン基)、n=2(エチレン基)、n=3(プロピレン基)の化合物が好ましい。中でも特に好ましいのは、n=2のエチレン基の化合物、すなわち、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンである。ポリチオフェン、または、ポリチオフェン誘導体としては、例えばチオフェン環の3位と4位の位置に官能基が結合した化合物が例示される。上記の通り3位と4位の炭素原子に酸素原子が結合した化合物が好ましい。該炭素原子に直接炭素原子あるいは水素原子が結合した構造を有する化合物については、塗液の水性化が容易でない場合がある。
本発明の転写用ポリエステルフィルムにおいては、その帯電防止処理層に上記ポリチオフェンとポリ陰イオンからなる組成物、または、上記ポリチオフェン誘導体とポリ陰イオンからなる組成物を含有することが好ましい。
本発明におけるポリ陰イオンは、遊離酸状態の酸性ポリマーであり、高分子カルボン酸、あるいは、高分子スルホン酸、ポリビニルスルホン酸などが好ましい。高分子カルボン酸としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸が例示される。高分子スルホン酸としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸が例示される。中でも、ポリスチレンスルホン酸が導電性の点で最も好ましい。なお、遊離酸の一部が中和された塩の形をとってもよい。これらポリ陰イオンを重合時に用いることにより、本来、水に不溶なポリチオフェン系化合物を水分散あるいは水性化しやすく、かつ、酸としての機能がポリチオフェン系化合物のドーピング剤としての機能も果たすものと考えられる。
なお、本発明においては、高分子カルボン酸や高分子スルホン酸は、共重合可能な他のモノマー、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレンなどと共重合した形で用いることもできる。ポリ陰イオンとして用いられる高分子カルボン酸や高分子スルホン酸の分子量は特に限定されないが、塗剤の安定性や導電性の点で、その重量平均分子量は1000〜1000000が好ましく、より好ましくは5000〜150000である。本発明の特性を阻害しない範囲で、一部リチウム塩やナトリウム塩などのアルカリ塩やアンモニウム塩などを含んでも良い。中和された塩の場合も、非常に強い酸として機能するポリスチレンスルホン酸とアンモニウム塩は、中和後の平衡反応の進行により、酸性側に平衡がずれることが分かっており、これによりドーパントとして作用するものと考える。
本発明において、ポリチオフェン、または、ポリチオフェン誘導体に対して、ポリ陰イオンは、固形分重量比で過剰に存在させた方が導電性の点で好ましく、ポリチオフェンまたはポリチオフェン誘導体が1重量部に対し、ポリ陰イオンは1重量部から5重量部が好ましく、1重量部から3重量部がより好ましい。
また上記ポリチオフェンまたはポリチオフェン誘導体とポリ陰イオンからなる組成物は、例えば特開平6−295016号公報、特開平7−292081号公報、特開平1−313521号公報、特開2000−6324号公報、ヨーロッパ特許EP602731号、米国特許US5391472号などに記載の方法により製造することができるが、これら以外の方法であってもよい。
例を挙げると、3,4−ジヒドロキシチオフェン−2,5−ジカルボキシエステルのアルカリ金属塩を出発物質として、3,4−エチレンジオキシチオフェンを得たのち、ポリスチレンスルホン酸水溶液にペルオキソ二硫酸カリウムと硫酸鉄と、先に得た3,4―エチレンジオキシチオフェンを導入し、反応させ、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)などのポリチオフェンに、ポリスチレンスルホン酸などのポリ陰イオンが複合体化した組成物を得る。
本発明における帯電防止処理層は、上記ポリチオフェンまたはポリチオフェン誘導体とポリ陰イオンからなる組成物と架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、例えばメラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アクリルアミド系架橋剤などを用いることができる。該架橋剤は分子量が1000以下の架橋剤であることが好ましく、より好ましくは800以下、さらに好ましくは600以下である。特に水溶性かつ分子量1000以下の架橋剤を用いることで、延伸工程での柔軟性や流動性が発現し、積層膜を形成する混合体の乾燥後の延伸追従性を高め、塗膜の亀裂による白化現象を抑制し、透明性が付与される。分子量が大きくなりすぎた場合は、塗布、乾燥後の延伸時において塗膜に亀裂が入るため透明性が低下する傾向があり好ましくない。また、エポキシ系架橋剤の熱減量率5%となる温度は230℃以上が好ましく、より好ましくは250℃以上、特に好ましくは270℃以上である。熱減量率5%となる温度が230℃未満の場合、ポリエステルフィルムの製造工程、特に横延伸〜熱処理のオーブン中にエポキシ成分が分散され工程を汚すため好ましくない。
上記架橋剤としては、特にエポキシ系架橋剤、特に水溶性エポキシ系架橋剤が特に好ましく、透明性、帯電防止性、塗膜外観に優れた帯電防止層を形成することができる。エポキシ系架橋剤の種類は特に限定はされないが、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル系、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル系、ジグリセロールポリグリシジルエーテル系、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル系、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル系などを用いることができる。例えば、ナガセケムテック株式会社製エポキシ化合物“デナコール”(EX−611、EX−614、EX−512、EX−521、EX−412、EX−313、EX−810、EX−830,EX−850など)、坂本薬品工業株式会社製のジエポキシ・ポリエポキシ系化合物(SR−EG、SR−8EG,SR−GLGなど)、大日本インキ工業株式会社製エポキシ架橋剤“EPICLON”EM−85−75W、あるいはCR−5Lなどを好適に用いることができる。
上記、ポリチオフェンまたはポリチオフェン誘導体とポリ陰イオンからなる組成物の固形分と架橋剤の固形分の混合比は、ポリチオフェンまたはポリチオフェン誘導体とポリ陰イオンからなる組成物の固形分量と架橋剤の固形分量の和を100重量部としたとき、架橋剤の固形分量は30重量部〜90重量部が好ましく、より好ましくは50重量部〜85重量部である。架橋剤の固形分量が90重量部よりも多い場合は、帯電防止性が発現しにくくなる。また、架橋剤の固形分量が30重量部よりも少ない場合は、帯電防止層にクラックが生じやすく、透明性が劣ったり、帯電防止性が発現しにくくなるため好ましくない。
本発明における帯電防止処理層表面における水との接触角は、80°以上であることが重要であり、好ましくは90°以上であるのがよい。接触角が80°未満である場合は、耐水性が劣ったり、オリゴマーの析出防止効果が劣ったり、背面とのブロッキングが発生しやすく好ましくない。接触角を80°以上にするためには、帯電防止層中にワックス系化合物、長鎖アルキルアクリレート、フッ素アクリレート、シリコーン化合物、ポリオレフィン系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことにより達成することができる。
ワックス系化合物としては、常温で固体または反固体の有機物からなる組成物であれば特に限定されないが、例えば、天然ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、あるいは石油系ワックスなどに分類され、合成ワックスは、ポリエチレンワックスなどの合成炭化水素、変性ワックス、水性ワックス、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトンなどに分類される。また、配合ワックスは、上記ワックスに合成樹脂類を配合したものである。植物系ワックスとしては、キャンでリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、などを用いることができる。動物系ワックスとしては、みつろう、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックスなどを用いることができる。鉱物系ワックスとしては、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンなどを用いることが出来る。石油ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムなどを用いることができる。本発明においては上記ワックスであれば特に限定されず用いることができるが、耐熱性の点で、合成ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックスが好ましく、特に、ポリエチレンワックスなどの合成ワックスが最も好ましい。ワックス系化合物の融点は、90〜200℃が好ましく、より好ましくは100〜150℃である。特に、融点が低すぎる場合は、耐ブロッキング性に劣る傾向がある。
長鎖アルキルアクリレートとしては、炭素数12〜25個のアルキル基を側鎖に持つアクリル系モノマーと、このアクリル系モノマーと共重合可能なモノマーとの共重合アクリル樹脂であり、該共重合アクリル樹脂中の炭素数は12〜25個のアルキル基を側鎖に持つアルキルアクリレートモノマーの共重合比率が35重量%以上のものである。なお、該共重合量は35〜85重量%、さらには50〜80重量%であることが、耐ブロッキング性や耐水性の点で好ましい。このようなアルキルアクリレートモノマーとしては、上記の要件を満たすもので有れば特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸テトラデシル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸ヘプタデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ノナデシル、アクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、アクリル酸トリコシル、アクリル酸テトラコシル、アクリル酸ペンタコシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸エイコシル、メタクリル酸ペンタコシルなどの長鎖アルキル基含有アクリル系モノマーが用いられる。本発明で用いる長鎖アルキルアクリレートは水系の塗剤を用いることが好ましく、例えばエマルション化するために、他の共重合可能なモノマーとしては、下記のアクリル系モノマーを用いることができる。モノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−ブトキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、スチレン、イタコン酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルリン酸エステル、ビニルスルホン酸ソーダ、スチレンスルホン酸ソーダ、無水マレイン酸等を例示できる。長鎖アルキルアクリレートは、ワックス系化合物やシリコーン系化合物などと比較して、背面あるいは工程ロールや金型への転写が起こりにくく、最も好ましい。
本発明における転写用フィルムは、180℃において30分間加熱処理した後の帯電防止層側表面でのオリゴマー量が2.0mg/m2以下が好ましく、さらに好ましくは1.5mg/m2、特に好ましくは1.0mg/m2以下である。180℃において30分間加熱処理した後の帯電防止層側表面でのオリゴマー量が2.0mg/m2を超えると、転写時の加熱ロールや金型が汚れやすく、連続生産時間が短縮されるため生産性に劣ったり、付着したオリゴマーにより製品に欠点が発生しやすく好ましくない。
オリゴマー析出量を抑える方法としては特に限定されないが、帯電防止処理層がオリゴマー析出防止機能を有することが好ましい。オリゴマー析出防止機能を有する成分としては、前述の長鎖アルキルアクリレート、フッ素アクリレート、シリコーン化合物、ポリオレフィン系化合物等が挙げられ、これらを表面接触角が80°以上、好ましくは90°以上になるように混合することにより、帯電防止層と基材ポリエステルフィルムの表面エネルギー差により、オリゴマー析出がブロックされやすく、また、耐ブロッキング性や耐水性の効果も認められ好ましい。また、例えばドデシルベンゼンスルホン酸リチウム塩のような長鎖アルキル基を有するスルホン酸塩やカルボン酸塩、アクリル系共重合体、セルロース系樹脂、メラミン系樹脂、ワックス系樹脂などもオリゴマー析出防止剤として好適に使用できる。中でも水分散性アクリル系樹脂がオリゴマー析出防止機能に優れており、かつ塗布性、外観等の点で好適であり、特に長鎖アルキルアクリレートモノマーの共重合比率が35重量%以上のものが、耐水性や耐ブロッキング性にも優れており最も好適である。水分散性アクリル系樹脂としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトシキアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、炭素数が12〜25個のアルキル基を側鎖に持つアルキルアクリレート、などのモノマーの共重合体などが挙げられる。これらの水分散性アクリル系樹脂においては、平均エマルジョン粒径が50nm〜200nmであることが好ましく、より好ましくは70nm〜150nmの範囲であって、分布がなるべく均一のものを用いることが外観上好ましい。また、耐ブロッキング性、すべり性の観点から、易滑樹脂層のガラス転移点温度(Tg)は40℃以上が好ましく、さらに好ましくは60℃以上である。ガラス転移点温度が低い場合は、すべり性が悪化したり、ブロッキングが発生したりするので好ましくない。ガラス転移点温度の上限は特に無いが、塗布性などの観点から通常150℃以下の樹脂が好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲であるならば、アクリル系樹脂の固形分に対して好ましくは5〜30wt%、より好ましくは10〜20wt%のメチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース系高分子を添加してもよい。
また、基材であるポリエステルフィルムの原料に、オリゴマー含有量が少ない原料を使用することも加熱処理後のヘイズ変化値を押さえるために有効であり好ましい。オリゴマー含有量が少ないポリエステルチップが得られる方法としては特に限定されないが、例えば固層重合法やチップの加熱処理によるオリゴマー低減法などが挙げられるが、製造コストの面から加熱処理法がより好ましい。加熱処理法とはポリエステルチップを加熱処理、結晶化することで内部に含有するオリゴマー量を減少させる方法であり、チップの着色防止や分解による粘度低下防止のため例えば窒素などの不活性ガス雰囲気下で行われる。前述の帯電防止処理層中にオリゴマー析出防止を行う方法と基材ポリエステルフィルム原料にオリゴマー含有量が少ない原料を使用する方法を、両方同時に用いるとオリゴマー析出量が非常に少なくなるため好ましい。
本発明における帯電防止処理層は厚さ方向に層状に分離した構造を有することが好ましい。ここで言う層状分離構造とは帯電防止処理層が連続および非連続である複数層に分離している構造を有する事である。この層状分離構造は、フィルム断面を透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope)(以後,「TEM」と略する)で観察することで確認ができる。本発明における帯電防止処理層は、湿度依存性が小さい帯電防止機能、耐水性、ブロッキング性、オリゴマー析出防止など様々な機能を有しているが、これらを同時に1層で満たすことが困難であり、例えばオリゴマー析出防止機能を強化すると帯電防止層の透明性が悪化したり、帯電防止機能が損なわれたりすることがある。そこで、例えば帯電防止機能を有する層とオリゴマー析出防止、耐ブロッキング性機能を有する層と機能を分けた複数層を帯電防止層が有することで、従来困難であった転写用フィルムに必要なこれらの要件を同時に達成することが可能となる。これら層状分離構造を有する帯電防止層の製造方法は特に限定されないが、複数回にわけて帯電防止層の形成を行う方法や、溶解度パラメーターの異なる成分の混合物を塗布し、その後の乾燥・造膜工程において自己組織化による分離を行う方法などが挙げられる。製造コストやインラインコーティング法への適用のしやすさなどから、後者がより好ましく用いられる。本発明における帯電防止処理層においては、例えば、ポリエステル基材側にポリチオフェンまたはポリチオフェン誘導体を含有する帯電防止機能層を有し、かつ表面側にアクリル系共重合物を含有するオリゴマー析出防止機能と耐ブロッキング機能層を有する層が配置された層状に分離された構造を取ることが、湿度依存がない優れた帯電防止性と耐水性、耐ブロッキング性、オリゴマー析出防止性のすべてにおいて極めて優れた特性を有し特に好ましい。
また、本発明において、層状分離した表面側に配置されたアクリル共重合体を有する層が表面面積の50%以上を占めていることが好ましく、より好ましく60%以上、更に好ましくは70%以上である。アクリル共重合体による表面占有面積が50%未満の場合、オリゴマー析出防止機能や耐ブロッキング性が劣るため好ましくない。アクリル共重合成分の表面占有面積を大きくするためには、例えば、帯電防止層成分中のアクリル共重合体量の含有率を15〜200重量部、好ましくは20〜100重量部に調整したり、アクリル共重合体中に含まれる長鎖アルキルアクリレートの共重合量を35〜85重量%にすることで達成可能である。アクリル共重合体の含有量が15重量部未満では表面占有面積が減少する傾向がある。また200重量部より多くなると塗布外観や帯電防止機能が劣る傾向があり好ましくない。
本発明のおける帯電防止処理層の厚さは通常は10〜1000nmが好ましく、より好ましくは15〜200nm、最も好ましくは30〜100nmである。帯電防止処理層の厚さが薄すぎると、帯電防止性機能やオリゴマー析出防止性機能が不良となる。また厚すぎると塗布外観が劣ったり、帯電防止処理層が転写材の製造工程および転写工程で脱落したり、転写用フィルムの製造コストが高くなるため好ましくない。
また、本発明における帯電防止処理層中には、本発明の効果が損なわれない範囲内で、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、耐電防止剤、核剤などを配合しても良い。易滑剤や微粒子については、フィルムのすべり性を向上させ、取り扱いを容易にする効果が有る。易滑剤や微粒子の平均粒径は帯電防止処理層厚みの50%〜500%の大きさのものが好ましい。50%未満では易滑効果が不十分であり、500%を超えると易滑剤や微粒子が脱落しやすくなり好ましくない。また、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂は、基材ポリエステルフィルムとの密着性を高める効果が期待される。
基材ポリエステルフィルム上に帯電防止層を設ける方法は種々存在するが、本発明の積層フィルムを製造する場合、フィルム製膜工程中で塗液を塗布し、乾燥、延伸した後、熱処理する、いわゆるインラインコーティング法を好適に用いることができる。インラインコーティング法を用いることで、オフライン加工に比べ、例えば、積層膜を薄くできる、基材フィルムとの密着性が向上する、熱処理時にクリップにより幅方向の両端が把持されているためフィルムにシワが発生しにくいなどの長所がある。基材フィルムへの塗布の方法は特に限定されないが、例えばリバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、メイヤーバーコート法、ダイコート法、スプレーコート法などを用いることができる。また、塗液を塗布する前に、基材フィルムの表面にコロナ放電処理などを施し、基材フィルム表面の塗れ張力を好ましくは47mN/m以上、より好ましくは50mN/m以上とすることが、帯電防止処理層との密着性や塗布性を向上させることができるので好ましい。さらに、イソプロピルアルコール、ブチルセロソルブ、N−メチル2−ピロリドンなどの有機溶媒を塗液中の若干量含有させて、塗れ性や基材フィルムとの接着性を向上させることも好適である。
本発明の転写用ポリエステルフィルムにおいては、全方位での引っ張り強さが160MPa以上であり、好ましくは180MPa以上、さらに好ましくは200MPa以上である。また、全方位での超音波伝導速度の最大値と最小値の比率(最大値/最小値)が1.0〜1.4であり、好ましくは1.0〜1.3である。転写用フィルムにおいては、例えば、転写工程で被転写物の凹凸に基材フィルムが追従する必要があり、特にインモールド転写法においては、加工させる樹脂の形状により立体性をもった金型に転写フィルムが押しつけられるためフィルムの強度バランスや配向バランスが悪いと、フィルム破れや転写後の図柄に歪みやずれが生ずるため、通常の長手方向と幅方向のみでなく、全方位に渡って強い引っ張り強さと配向バランスが必要である。全方位の引っ張り強さの最小値が160MPa未満になると、引っ張り強さの低い方向でフィルム破れが発生するため好ましくない。また、全方位での超音波伝導速度の最大値と最小値の比率(最大値/最小値)が1.4を超えると、超音波伝導速度の低い方向でフィルム破れが発生したり、高い方向と低い方向で転写後の図柄のずれや歪みが生じるため好ましくない。
全方位での引っ張り強さおよび超音波伝導速度の最大値と最小値の比率を上記範囲にする方法としては、特に限定されないが、例えば、直行する2軸に延伸する工程で、長手方向と幅方向の延伸倍率を近い倍率に合わせる方法や、製品幅方向端部のボーイングによる歪みを防止するために、横延伸パターンを延伸前半部分に大きくとる倍率配分を行う方法や、熱処理温度を徐々に上げていく方法などが好ましい方法として挙げられる。長手方向と幅方法の延伸倍率は2.5〜6.0倍、好ましくは3.0〜5.0倍である。例えば代表的な2軸延伸フィルムの製造方法である、初めに長手方向に、次に幅方向に延伸を行う逐次2軸延伸法においては、長手方向と幅方向の延伸倍率のバランスを、中間製品の中央部におけるフィルムの長手方向の屈折率(nMD)と幅方向の屈折率(nTD)の差ΔN(ΔN=nMD−nTD)が−0.030〜+0.005となるように配分することが好ましく、さらに好ましい△Nは−0.025〜0.000、最も好ましくは−0.020〜−0.005である。引っ張り強さと超音波伝導速度のバランスの観点から、中間製品中央部における屈折率はやや幅方向が大きくなるように調整することが好ましい。
中間製品端部におけるボーイングによる歪みを防止するための好ましい方法としては、例えば、幅方向延伸条件や熱処理工程を以下の方法で行うことが挙げられる。通常幅方向延伸終了後に行われる熱処理工程において、フィルムが軟化しクリップにより保持されていない中央部が幅方向延伸ゾーン方向へ引き込まれることにより、端部での斜め方向における配向歪みが大きくなる。これを防止するために、例えば幅方向延伸条件としては、延伸時のフィルム温度をガラス転移温度(Tg)+10℃以上、熱結晶化温度(Tmc)−25℃以下とし、平均延伸速度を180%/秒以下、幅方向延伸ゾーンの中間点における延伸倍率を、幅方向延伸終了時の倍率の55〜80%、好ましくは60〜75%とする方法が挙げられる。また、フィルムの熱処理工程においては、横延伸工程のあと一度冷却工程を経てフィルム温度をガラス転移点(Tg)以下に下げてから、熱処理工程を行う方法や、熱処理工程での温度を段階的に上昇させることも好ましい方法として挙げられる。段階処理の方法としては、例えば、熱処理工程初期においては、まず、ガラス転移点(Tm)+50℃〜100℃において2秒以上の処理を行い、さらに、最大温度と初期温度との中間温度にて2秒間の処理を行い、かつ最大温度をフィルムの融点(Tm)−15〜50℃、好ましくは−20〜40℃とする方法などが挙げられる。このように熱処理工程の初期の段階において、処理温度を低く押さえ段階的に昇温することで、幅方向中央部が延伸工程側に引き込まれる量を減少させ、端部における斜め方向の歪みを押さえることができる。幅方向の延伸方法と熱処理工程での方法の両方を同時に行うと、端部における配向歪みがより小さくなり好ましい。また、延伸方法を同時2軸延伸で行うことも端部の歪み低減や表面に発生する微少キズの低減に効果的であり好ましい。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル系樹脂としては、エステル結合の点からエチレンテレフタレート及び/又はエチレンナフタレート単位を主構成成分とするものが好ましく、耐熱性、製膜性の点から、ポリエステルの融点が250℃以上280℃以下であることが好ましい。このポリエステル系樹脂としては、上記した好ましいポリエステル以外に、酸成分とグリコール成分とをエステル結合させてなる種々のポリエステルを用いることもできる。その場合の酸成分として、例えば、テレフタル酸,イソフタル酸,フタル酸,ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸,アジピン酸,アゼライン酸,セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸,シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p-オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能酸等を用いることができる。一方グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール,ジエチレングリコール,ブタンジオール,ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール等を用いることができる。さらに、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルを共重合してもよい。なお、これらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種類以上を併用してもよく、2種類以上のポリエステルをブレンドして使用してもよい。
上記ポリエステル樹脂の重縮合反応に使用する触媒としては、例えばアンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、マンガン化合物などが好ましく挙げられる。これら触媒は単独で、あるいは組み合わせで用いることができる。これらの触媒のうちチタン化合物やゲルマニウム化合物が金属触媒凝集物を生成しにくいため好ましく、コストの観点からチタン化合物が好ましい。チタン化合物としては、具体的には、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド等のチタンアルコキシド、二酸化チタン二酸化ケイ素複合酸化物等の主たる金属元素がチタン及びケイ素からなる複合酸化物やチタン錯体等が使用できる。また、アコーディス社製チタン・ケイ素複合酸化物(商品名:C−94)等の超微粒子酸化チタンを使用することもできる。
上記で述べたようなポリエステル系樹脂の極限粘度(25℃のオルソクロロフェノール中で測定)は、0.40〜1.20dl/gが好ましく、0.50〜0.80dl/gがより好ましく、0.55〜0.75dl/gが更に好ましい。さらに、基材となるポリエステルフィルムのカルボキシル末端基量は25〜60当量/トンが好ましく、さらに好ましくは35〜55当量/トンである。カルボキシル末端基量が25当量/トン未満である場合、帯電防止層と基材ポリエステルフィルムとの密着性が低下する傾向があり好ましくない。またカルボキシル末端基量が60当量/tを越えると着色したり、ポリエステルフィルムの製膜性が悪化するので好ましくない。また、本発明の効果を損なわない範囲において、このポリエステル系樹脂の中に添加剤、例えば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、顔料,染料,充填剤,帯電防止剤,核剤などを配合してもよい。
また、基材のポリエステルフィルム中に、フィルムの滑り性や取り扱い性を改善するために、滑剤としてシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ゼオライト、酸化チタン、カーボンブラックなどに代表される無機の粒子や、架橋シリコーン樹脂、メラミン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂などの有機微粒子を含有することが好ましい。これら滑剤の粒子径は特に限定されないが、通常はコールターカウンター法により測定した平均粒径が0.05〜8.0μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0μmである。また、平均粒径が1.0μm以上の粒子の場合、粒子の比表面積は気体吸着BET法にて250m2/g以上の多孔質粒子であることが、延伸追従性に優れ周囲に陥没構造を伴いにくく好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、2軸配向されたフィルムであることが好ましい。2軸配向ポリエステルフイルムとは、無延伸状態のポリエステルシートまたはフイルムを、長手方向及び幅方向に、いわゆる2軸方向に延伸することによって作られるものであり、広角X線回折で2軸配向のパターンを示すものである。2軸方向へ延伸する方法は、逐次2軸延伸法、同時2軸延伸法のどちらでもよい。本発明の2軸配向ポリエステルフイルムの厚さは特に限定されないが、通常は0.5〜500μm、好ましくは1〜300μm、さらに好ましくは12〜50μmである。そのフィルム構成は、単層でもよいし、また、異なる組成のポリエステル組成物A,B,Cにより構成される積層構成、例えば、A/Bの2層構成、A/B/AあるいはA/B/Cの3層構成、3層よりも多層の積層構成でもよい。その際の積層厚み比も任意に設定してよい。これらの積層構成は共押出しによる積層フィルムとして製造することができる。特にA/Bの2層構成の場合は、粒子が少なく表面が平滑で転写後の光沢性に優れた層を転写層側に、易滑粒子を多く含み取り扱い性、巻き取り性に優れた層を帯電防止層側に接合する構成とすることができるため、転写後の光沢性とフィルムの取り扱い性の両者を同時に達成しやすく特に好ましい。とくに転写面側はその表面粗さ(SRa)が15nm未満、好ましくは10nm未満であり、非転写面側は15nm〜50nmが好ましい。
さらに、転写層側には離型層との密着力を向上するなどの目的により、コロナ処理を施したり、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、メラミン樹脂およびそれらの混合物などを表面にコーティングしたものが好ましく用いられる。
本発明の転写用ポリエステルフィルムにおいては、ヘイズ値が10%未満が好ましく、5%未満がさらに好ましい。ヘイズ値が10%を越える場合、フィルムの透明性が損なわれるため、転写材の検査時に印刷図柄の欠点などが判定しにくいなども問題が生じるために好ましくない。ヘイズ値は例えば基材フィルムに含まれる滑剤の含有量や帯電防止処理層中に含まれる滑剤の含有量、帯電防止処理層中に含まれる各種成分を前述の好ましい範囲に調整することなどで達成される。
本発明の転写用ポリエステルフィルムにおいては、幅方向、190℃20分における熱収縮率の値が、−2.0%〜+3.0%の範囲に有ることが好ましく、さらに好ましくは−1.0%〜2.0%、特に好ましくは−0.5%〜1.0%である。転写材を製造する工程や転写する工程において、幅方向は張力などによる把持力がないため、熱収縮率が−2.0%未満あるいは3.0%を越えると、基材フィルムにしわが発生したり、転写時の画像のずれや歪みが大きくなる傾向があるため好ましくない。
本発明の転写用ポリエステルフィルム中において、長径50μm以上であるの金属触媒凝集物、粗大粒子および異物個数の合計は50ヶ/1000cm2以下(0ヶ/1000cm2を含む)が好ましく、さらに好ましくは30ヶ/1000cm2以下、特に好ましくは10ヶ/1000cm2以下である。これらフィルム中の異物個数の合計が50ヶ/1000cm2を超えると、異物部分が表面に突起を形成し、転写後の図柄に欠点として転写されるので好ましくない。これら金属触媒凝集物、粗大粒子および異物の個数を低減する方法は特に限定されないが、例えば製膜時のポリエステル樹脂のフィルターとして平均目開き5〜15μm、好ましくは5〜10μmのステンレス鋼繊維を焼結圧縮したフィルター(FSS)を使用することが好ましい。また上記ステンレス繊維を焼結圧縮したフィルターの後に、平均目開き10〜30μmのステンレス鋼粉体を焼結したフィルター(PSS)をこの順で連続濾過する、あるいは一つのカプセル中に上記2種類のフィルターを併せ持つ複合フィルター(FP)を使用することで、触媒凝集物や粗大粒子を取り除くことができると同時に、製膜エッジや巻き芯部分をリサイクルチップとして再利用した時に生じやすい樹脂のゲル化物や熱劣化物を効率良く取り除くことができるためリサイクルチップを多く使用できたり、かつフィルター寿命が長くなるため生産性が向上するので、特に望ましい。また、前述のように凝集物を生成にしくいような金属触媒として、例えばチタン化合物やゲルマニウム化合物を重合時の触媒として用いることがより効果的である
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は次の通りである。
(1)表面比抵抗
表面比抵抗の測定は、試料を測定条件(25℃、相対湿度65%、あるいは25℃、相対湿度30%)において24時間放置後、その雰囲気下でデジタル超高抵抗/微小電流計R8340A(アドバンテスト(株)製)を用い、印可電圧100Vで10秒間印可後測定を行った。また、流水処理後の表面比抵抗値は試料の帯電防止層側表面を40℃の流水で3分間処理をしたのち40℃で10分間風乾を行った後に、25℃、相対湿度65%の雰囲気下24時間放置後、その雰囲気下にて測定を行った。
(2)全方位における引っ張り強さ
幅10mm、長さ200mmの試料を、ポリエステルフィルムの長手方向を基準(0゜)とし、時計回りに22.5゜毎に計8サンプルを採取した。定速緊張形引張試験機にて引っ張り速度200mm/分、初期長100mmで引っ張り、フィルムが破断したときの引っ張り荷重値を試料の試験前の断面積で除した値(MPa)を算出した。測定は各試料5回ずつ行い、5回の平均値を引張り強さとした。
(3)超音波伝導速度比(最大値/最小値)
幅300mm、長さ300mmの試料を、野村商事(株)製SONIC SHEET TESTER SST−250にて、ポリエステルフィルムの長手方向を基準(0゜)とし5°毎に0〜180°まで超音波伝導速度(km/s)を測定した。測定結果より算出された超音波伝導速度の最大値を最小値で除した値(最大値/最小値)を超音波伝導速度比とした。
(4)水との接触角
温度25℃、相対湿度65%の雰囲気下で試料を24時間放置後、協和界面化学(株)製接触角計CA−D型を用いて、滴下1分後における蒸留水との接触角を測定した。なお、各試料につき3回測定を行い、平均値を接触角とした。
(5)180℃において30分間加熱処理した後の帯電防止層側表面におけるオリゴマー量
ポリエステルフィルムを180℃のオーブン中で30分間熱処理を行った。その後帯電防止処理層を外側にして、50mm×50mm×30mmの直方体アルミ製治具の50mm×50mm面にフィルムを貼り付け端を治具に沿って折り曲げ固定した。この治具をフィルム面を下にして深さ5mmの位置までジメチルホルムアミド溶媒に3分間浸し、表面析出オリゴマーを抽出した。
次に標準溶液として、ポリエチレンテレフタレートの環状オリゴマー(三量体純度89%)11.2mgを100mLメスフラスコに取り、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール/クロロホルム混合溶媒(=1/1)2mLに溶解後、クロロホルムで100mLに希釈したものを標準原液(三量体濃度100μg/mL)とした。この溶液をジメチルホルムアミドで順次希釈し、三量体濃度10μg/mL、1μg/mL、0.1μg/mLの標準溶液を調整した。
上記表面オリゴマー抽出溶媒と標準溶液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて以下の条件で分析し、環状三量体量を定量し、オリゴマー量とした。
装置 :島津LC−10A
カラム:Inertsil ODS−3
移動相:アセトニトリル/水=70/30
流速 :1.5mL/分
検出器:UV242nm
注入量:10μL
(6)帯電防止処理層の層分離構造および表面層側成分の表面占有率
ポリエステルフィルムの表面に対し垂直に超薄膜切片を切り出し、四酸化ルテニウム(RuO4)でフィルムを染色した。この四酸化ルテニウム染色した超薄膜切片の帯電防止処理層部分を(株)日立製作所製の透過型電子顕微鏡H−7100FA型を用い、加速電圧100kV、20〜100万倍にて観察した。層状分離構造は四酸化ルテニウムによる染色の濃さにより特定した。四酸化ルテニウムによる染色性については以下のサンプルにて比較テストを行った。
・サンプル1
ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸からなる複合体(塗液A2)とエポキシ架橋剤(塗液B1)を有効成分比7:3で混合したものをポリエステルフィルム上に塗布、乾燥したもの。
・サンプル2
長鎖アルキルアクリレート共重合体(塗液C2)をポリエステルフィルム上の塗布、乾燥したもの。
四酸化ルテニウムによる染色テストの結果、基材であるポリエステルフィルムはほとんど染色されず、サンプル1の塗布層は薄く染色され、また、サンプル2の塗布層は濃く染色されたことから、基材のポリエステルフィルム、サンプル1の塗布層、サンプル2の塗布層は四酸化ルテニウムによる染色での分離が可能であった。また、サンプル1の水との接触角は38°、サンプル2の水との接触角は98°であった。
層状分離構造の有無は、帯電防止処理層が濃く染色される部分と薄く染色される部分に厚さ方向に分離した連続または非連続層を形成しているかどうかで判定した。また、表面側の層の特定は、濃く染色された部分が表面側にあるか基材フィルム側にあるかという点で判断した。ただし、染色法での区別が付きにくい場合は、帯電防止層表面における水との接触角が、アクリル系共重合体のみを塗布した場合の接触角とアクリル系共重合体以外の成分を塗布した時の接触角のどちらに近いかで値の近い方の成分が表面層であると判断した。
アクリル系共重合体の表面占有率は、20万倍で観測した断面の写真において、濃く染められているアクリル系共重合体が最表層に存在している部分が何%を占めているかを(濃染部分の長さの全長)/(写真の断面の全長)により算出した。写真の断面の全長は写真上で22mm、実長さで2.2μmであり、各試料につき3視野の平均値を求めて表面占有率とした。
(7)基材フィルム中の金属触媒凝集物、粗大粒子および異物個数
ポリエステルフィルム中に含まれる金属触媒凝集物および、粗大粒子および異物個数は偏光顕微鏡(40倍)を用い長径50μm以上のフィルム中に含まれる金属触媒凝集物および、粗大粒子および異物を1000cm2に渡り観察し、その合計をカウントした。
(8)表面粗さ(SRa)
3次元表面粗さ計(小坂研究所製、ET−30HK)を用い、次の条件で触針法により測定を行った。表面粗さ(SRa)は、粗さ曲面と粗さ曲面の中心面との高さ方向の差ととり、その絶対値の平均値を表したものである。
針径 2(μmR)
針圧 10(mg)
測定長 500(μm)
縦倍率 20000(倍)
CUT OFF 250(μm)
測定速度 100(μm/s)
測定間隔 5 (μm)
記録本数 80本
ヒステリシス幅 ±6.25(nm)
基準面積 0.1(mm2 )。
(9)熱収縮率
JIS C2151(1990)16.寸法変化に基づき測定した。
(10)成型性、転写精度、くもり速度、図柄外観
転写用ポリエステルフィルムの転写面側にブチル化尿素メラミン樹脂とパラトルエンスルホン酸の混合液をグラビアコート法にて塗布し、80℃にて硬化させ、離型層と形成した。次に離型層上にアクリル系樹脂を用いてグラビアコート法にて剥離層を形成、その上に図柄層として、ビニル樹脂系インキによるメタリック色(アルミニウム顔料20%含有)のベタパターンと、黒色(カーボンブラック15%含有)の文字パターンをグラビア印刷にて形成、次いで40℃の温水にて洗浄、乾燥し、最後にアクリル系樹脂の接着層をグラビアコート法にて形成し転写材を得た。
得られた転写材を温度25℃相対湿度30%の雰囲気下で、50mm×50mm 最大深さ8mmの金型を用い、金型温度220℃にて金型内で真空成型したのち型締めを行い、その後アクリル樹脂を成型樹脂として25MPaの射出圧力条件で成型同時転写加工を行った。
(a)成型性
成型性は以下の判定に従い行った。なお、△以上が合格範囲である。
○ フィルムの破断が0.1%未満
△ フィルムの1カ所以下の破断が1%未満で発生
× フィルムの破断が1%を越えて発生
(b)転写精度
転写精度は以下の判定に従い行った。なお、△以上が合格範囲である。
○ 成型転写後の図柄の歪み、ズレによる不良が0.1%未満
△ 成型転写後の図柄の歪み、ズレによる不良が1%未満
× 成型転写後の図柄の歪み、ズレによる不良が1%を越えて発生
(c)くもり速度
金型のオリゴマーによるくもり速度は非転写面に帯電防止層を有しない比較例1のフィルムを標準試料とし、標準試料との比較により、以下の基準により判定を行った。
○ 金型くもりが発生するまでの転写回数が標準試料の5倍以上
△ 金型くもりが発生するまでの転写回数が標準試料の3〜5倍
× 金型くもりが発生するまでの転写回数が標準試料の3倍未満
(d)図柄外観
図柄外観は以下の判定により行った。なお、△以上が合格範囲である。
○ 成型転写後、ピンホール状の図柄抜けやにじみ欠点が0.1%未満
△ 成型転写後、ピンホール状の図柄抜けやにじみ欠点が1%未満
× 成型転写後、ピンホール状の図柄抜けやにじみ欠点が1%未満
(11)ポリエステルチップの環状三量体含有量
ポリエステルチップ100mgをオルソクロロフェノール1.5mLで加熱溶解させた。冷却後、内部標準のクロロホルムとメタノールを加え、遠心分離後、上澄み液を採取した。
採取した上澄み液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて(5)と同様の方法にて環状三量体量を定量した。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
高純度テレフタル酸100kgに対しエチレングリコール45kgのスラリーを、予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×105Paに保持されたエステル化反応槽に4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行い、このエステル化反応生成物を重縮合槽に移送した。引き続いて、エステル化反応生成物が移送された前記重縮合反応槽に、ジエチルホスホノ酢酸エチルを0.01重量部添加し、さらに酢酸マグネシウム4水塩を0.04重量部、さらに重合触媒として三酸化アンチモン(住友金属鉱山社製)を、得られるポリエステルに対してアンチモン原子換算で400ppmとなるように添加した。さらに添加剤として平均粒径2.1μm、比表面積300m2/gの二酸化珪素粒子がポリエステルに対し0.06重量%になるように添加した。その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から285℃まで60分かけて昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。なお最終圧力到達までの時間は60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、20℃の冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてポリエステルのペレットを得た。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は3時間であった。
得られたポリエステルペレットは、極限粘度0.62dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トン、ガラス転移温度(Tg)78℃、環状三量体含有量1.1重量%であった。
このポリエステルペレットを水分率20ppmに真空乾燥した後、押出機に供給して、280℃で溶融押出し、14μmカットのステンレス鋼粉体焼結フィルター(PSS)で濾過した後、T字型口金からシート状に押出し、これを表面温度25℃の冷却ドラムに静電密着法で冷却固化せしめた。このようにして得られた未延伸ポリエステルフフィルムを、95℃に加熱した後、長手方向に103℃にて3.5倍に延伸して1軸延伸フィルムとした。この1軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し表面張力を50mN/m以上とし、転写面側の面に以下の組成の易接着層塗液を塗布し、次いで反対面側(非転写面側)に以下の組成の帯電防止層塗液を塗布した。
<易接着塗液>
酸性分としてテレフタル酸70モル%、イソフタル酸23モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸7モル%と、ジオール成分としてエチレングリコール70モル%とジエチレングリコール30モル%からなる共重合ポリエステル樹脂(ガラス転移点:55℃)の水性分散剤とメラミン架橋剤として、大日本インキ化学工業(株)製、“ベッカミン”(R)APMを固形分比95:5となるように混合した水性溶液を使用した。
<帯電防止層塗液>
次の塗液A1と塗液B1と塗液C1を有効成分比で20重量部/80重量部/20重量部で混合した水性溶液を使用した。
・塗液A1
ポリエチレンジオシキチオフェン/ポリスチレンスルホン酸からなる複合体と、ポリエステル樹脂を水に分散させた水性塗液(ナガセケムテックス(株)製“デナトロン”(R)5002RZ)を使用した
・塗液B1
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル系エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製“デナコール”(R)EX−512)を水に溶解させた水性溶液を使用した。
・塗液C1
以下の共重合組成からなる長鎖アルキルアクリレートを、イソプロピルアルコール10重量%とブチルセロソルブ5重量%を含む水に溶解させた水性溶液を使用した。
(共重合成分)
メタクリル酸 40重量部
ステアリルメタクリレート 60重量部
N−メチロールアクリルアミド 2重量部
アニオン性反応性乳化剤 2重量部
なお、アニオン性反応乳化剤は、“エレミノール”(R)JS−2(三洋化成工業(株)製)を用いた。
両面に塗布された一軸延伸フィルムをクリップで把持しながら予熱ゾーンに導き、115℃で乾燥後、引き続き連続的に100℃の加熱ゾーンで幅方向に3.75倍延伸を行った。なお、この時延伸ゾーンの中間点における幅方向延伸倍率は2.4倍であった。幅方向延伸後に50℃にてフィルムを一旦冷却後、更に加熱ゾーンにて熱処理を施した。熱処理は150℃で2.6秒、190℃で2.6秒、220℃で2.6秒、230℃で2.6秒の順でおこなった。その後200℃にて幅方向に7%のリラックス処理を行い、厚さ38μm、幅4.2m、易接着層厚さ70nm、帯電防止層厚さ25nmの転写用フィルムを得た。結果を表2、表3に示す。安定した帯電防止性を発現し、また成型性、転写精度、金型くもり、図柄外観、耐ブロッキング性も良好であった。
実施例2〜10
表1、表2、表4、表5に示された条件以外は実施例1に従い転写用フィルムを得た。なお、帯電防止層塗液の各成分は以下の通りである。
Figure 0004696578
Figure 0004696578
Figure 0004696578
Figure 0004696578
・塗液A2
ポリエチレンジオシキチオフェン/ポリスチレンスルホン酸からなる複合体を水に分散させた水性塗液(Bayer社製“Baytron P”(R))を使用した
・塗液B2
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル系エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製“デナコール”EX−810)を水に溶解させた水性溶液を使用した。
・塗液B3
エポキシ系架橋剤(Esprix社製“CR−5L”)を使用した
・塗液C2
以下の共重合組成からなる長鎖アルキルアクリレートを、イソプロピルアルコール10重量%とブチルセロソルブ5重量%を含む水に溶解させた水性溶液を使用した。
(共重合成分)
メタクリル酸 40重量部
ベヘニルメタクリレート 60重量部
N−メチロールアクリルアミド 2重量部
アニオン性反応性乳化剤 2重量部
なお、アニオン性反応乳化剤は、“エレミノール”(R)JS−2(三洋化成工業(株)製)を用いた。
・塗液C3
以下の共重合組成からなる長鎖アルキルアクリレートを、イソプロピルアルコール10重量%とブチルセロソルブ5重量%を含む水に溶解させた水性溶液を使用した。
(共重合成分)
メタクリル酸 40重量部
ベヘニルメタクリレート 60重量部
アニオン性反応性乳化剤 2重量部
なお、アニオン性反応乳化剤は、“エレミノール”JS−2(三洋化成工業(株)製)を用いた。
・塗液D1
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(平均分子量:約30000)を使用した
・塗液D2
以下の共重合組成からなるアクリル樹脂(ガラス転移点40℃)粒子状に水に分散させた水分散液を使用した。
(共重合成分)
メチルメタクリレート 65モル%
エチルアクリレート 35モル%
アクリル酸 1モル%
N−メチロールアクリルアミド 2モル%
・塗液E1
メラミン架橋剤、大日本インキ化学工業(株)製、“ベッカミン”(R)J101を使用した
・塗液E2
メラミン架橋剤、三和ケミカル(株)製、“ニカラック”(R)MW12LFを使用した
・塗液F1
ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩(重量平均分子量:10000)を水に溶解した水溶液を使用した
・塗剤G1
ノニオン系のポリエチレン系ワックス水分散体(ワックスの軟化点:140℃、平均粒径87nm)からなる水性溶液を使用した
・塗剤G2
酸化ポリエチレン水分散体(ジョンソンポリマー社製、ジョンワックス(登録商標))を使用した
なお、実施例5〜8については、押出機Aと押出機BからそれぞれA層、B層を押出し、濾過を行い、口金直前のフィードブロックにてA/B/Aの3層、もしくはA/Bの2層に積層してからシート状に押出しを行った。実施例7のA/B2層フィルムについては、A層側に易接着層をB層側に帯電防止層を塗布、A層側を転写面側とした。
なお、実施例3においては、重合触媒として下記のように調整したクエン酸キレートチタン化合物のエチレングリコール溶液を得られるポリエステルに対してチタン元素が5ppmとなるように添加した事以外は実施例1と同様にして得たポリエステルペレットを用いた。得られたポリエステルペレットは、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量42当量/トン、ガラス転移温度(Tg)78℃、環状三量体含有量1.1重量%であった。
(クエン酸キレートチタン化合物の合成方法)
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた1Lのフラスコ中に温水92.8g当たり、クエン酸・一水和物132.5g(0.63モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド72.0g(0.25モル)を加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を真空下で蒸留した。その生成物を20℃まで冷却し、そしてその撹拌された溶液に、NaOH94.86g(0.76モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗により加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール125.54g(2モル)と混合し、そして真空下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。
実施例7においては、A層側、B層側ともにフィルターカプセルの外側に8μmカットステンレス繊維焼結フィルター(FSS)を、フィルターカプセル内側に14μmカットのステンレス鋼粉体焼結フィルター(PSS)を接合させた複合フィルター(FP08/14)を用いて濾過を行った。
実施例8においては、A層側ポリエステル樹脂として、平均粒径50nmのアルミナ粒子0.5重量%と平均粒径80nmの架橋ポリスチレン粒子0.015重量%を含有するカルボキシル末端基量40当量/トン、ガラス転移温度(Tg)78℃、環状三量体含有量1.1重量%のポリエチレンテレフタレートペレット(極限粘度0.60dl/g)を、窒素雰囲気下220℃で15時間加熱処理をして得られた、環状三量体含有量0.4重量%のポリエチレンテレフタレートペレットを使用した。また、延伸方式として同時2軸延伸法を用いて、長手方向3.5倍、幅方向3.5倍の延伸を同時に行った。
結果を表2、表3、表5、表6に示す。
Figure 0004696578
Figure 0004696578
表から明らかなように、
・実施例2:成型性、転写精度、金型くもり、耐ブロッキング性も良好であった。帯 電防止性のレベルと安定性、耐水性、図柄外観はやや劣るが、使用可能な範囲であった 。
・実施例3:安定した帯電防止性を発現し、転写精度、耐ブロッキング性も良好であ った。金型のくもり速度がやや早い点と幅方向端部の成型性がやや劣るが、使用可能な 範囲であった。また、チタン系触媒を使用しているため、基材ポリエステル中における 金属凝集物が少なく、よって転写図柄にこれら異物起因の欠点が少なく、良好な外観を 有していた。
・実施例4:帯電防止性の安定性、成型性、転写精度、金型くもり、図柄外観、耐ブ ロッキング性のすべてが良好であり、特に帯電防止性のレベルが非常に優れていた。
・実施例5:帯電防止性の安定性、金型くもり、図柄外観、耐ブロッキング性は良好 。幅方向端部の成型性と転写精度がやや劣るが、使用可能な範囲であった。
・実施例6:帯電防止性の安定性、転写精度、金型くもり、図柄外観、耐ブロッキン グ性は良好。広幅品であるため、幅方向端部の成型性がやや劣ものの、広い範囲の製品 幅で安定した成型性を有していた。また、特にフィルム内部異物による印刷欠陥の少な さと転写面に光沢度が優れていた。
・実施例7:帯電防止性の安定性、転写精度、金型くもり、図柄外観、耐ブロッキン グ性は良好。幅方向端部の成型性がやや劣るが、使用可能な範囲であった。また、フィ ルム内部異物による印刷欠陥の少なさが特に優れており、帯電防止性のレベル、転写面 の光沢度、金型くもり速度が遅い点が非常に優れていた。
・実施例8:帯電防止性の安定性、成型性、転写精度、金型くもり、図柄外観、耐ブ ロッキング性は良好。また、フィルム内部異物による印刷欠陥の少なさや帯電防止性の レベル、転写面の光沢度、金型くもり速度が遅い点が非常に優れていた。
・実施例9(中央部):帯電防止性の安定性、転写精度、図柄外観、耐ブロッキング 性は良好。金型くもり速度が若干早い点がやや劣っているが、使用可能な範囲であった 。強度、配向バランスについては、中央部については成型性や転写精度に問題はなかっ たが、中央部から離れて行くにつれて、成型性や転写精度のバランスが悪くなり、端部 においては転写精度が劣るものであった(端部は比較例8)
・実施例10(中央部):帯電防止性の安定性、成型性、転写精度、図柄外観、金型 くもり、耐ブロッキング性は良好。強度、配向バランスについては、中央部については 成型性や転写精度に問題はなかったが、中央部から離れて行くにつれて、成型性や転写 精度のバランスが悪くなり、端部においては成型性が劣るものであった(端部は比較例 9)
比較例1〜9
表4、表5に示された条件以外は実施例1に従い転写用フィルムを得た。なお、比較例4、7については、押出機Aと押出機BからそれぞれA層、B層を押出し、濾過を行い、口金直前のフィードブロックにてA/B/Aの3層に積層してからシート状に押出しを行った。
結果を表5,表6に示す。
表から明らかなように、
・比較例1:帯電防止層を有していないため、帯電防止性、金型くもり、図柄外観、 耐ブロッキング性が不良であった。
・比較例2:ブロッキング性、成型性、転写精度、金型のくもり速度が劣っていた。
・比較例3:ブロッキング性、帯電防止層の耐水安定性と金型くもり速度、図柄外観 が劣っていた。
・比較例4:金型くもり速度が劣っていた。
・比較例5:ブロッキング性、帯電防止層の耐水安定性と金型くもり速度、図柄外観 が劣っていた。
・比較例6:金型くもり速度と図柄外観、幅方向端部の転写精度が劣っていた。
・比較例7:帯電防止性のレベルと耐水安定性、ブロッキング性、金型くもり速度と 図柄外観が劣っていた。
・比較例8(端部):幅方向端部の転写精度が劣っていた。
・比較例9(端部):幅方向端部の成型性が劣っていた。
本発明は、転写用ポリエステルフィルムとして好適に使用できる。なかでも、立体形状の非転写物に絵付けを行うインモールド転写法、真空プレス転写法においては、本発明の転写用ポリエステルフィルムの優れた帯電防止性、成型性と転写精度、金型のくもり防止効果が、各工程における問題を改善することにより、生産性や製品の品位を著しく改善する事から、特に好適である。
本発明の転写用フィルムで帯電防止層が層分離構造を有する代表的なものの透過型電子顕微鏡写真(倍率20万倍)である。
符号の説明
1.基材ポリエステルフィルム
2.帯電防止処理層
3.チオフェン誘導体を含む層
4.アクリル系共重合体を含む層

Claims (3)

  1. 全方位での引っ張り強さが160MPa以上で、かつ、全方位での超音波伝導速度の最大値と最小値の比率(最大値/最小値)が1.0〜1.4であるポリエステルフィルムの、少なくとも非転写面側に、帯電防止処理層を有し、該帯電防止処理層表面における水との接触角が80°以上で、かつ、該帯電防止処理層表面での表面比抵抗値が以下の(1)〜(3)の要件をすべて満たす、転写用ポリエステルフィルムの製造方法であって、
    フィルムを長手方向に延伸する工程(長手方向延伸工程)、幅方向に延伸する工程(幅方向延伸工程)、中間冷却する工程(中間冷却工程)および熱処理する工程(熱処理工程)をその順に含み、下記(A)〜(C)の要件を充足する転写用ポリエステルフィルムの製造方法。
    (1)温度25℃、相対湿度65%での表面比抵抗値(R1)が1010Ω/□以下
    (2)温度25℃、相対湿度30%での表面比抵抗値(R2)とR1が以下の関係を満たすこと
    log(R2/R1) ≦ 3.0
    (3)該処理層を流水処理した後における、温度25℃、相対湿度65%での表面比抵抗値(R3)とR1が以下の関係を満たすこと
    log (R3/R1) ≦ 3.0
    (A)幅方向延伸工程において、幅方向の延伸ゾーンの中間点における延伸倍率を、幅方向延伸終了時の倍率の55〜80%とすること。
    (B)冷却工程において、フィルム温度をガラス転移点(Tg)以下に下げること。
    (C)熱処理工程において、ガラス転移点(Tg)+50℃〜100℃において2秒以上の熱処理温度(初期温度)で熱処理を行い、さらに、最大温度と初期温度との中間温度にて2秒間の熱処理を行い、さらに、熱処理温度(最大温度)をフィルムの融点(Tm)−15〜50℃として熱処理すること。
  2. 前記熱処理工程の後に、リラックスを7.0〜8.0%行う工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の転写用ポリエステルフィルムの製造方法。
  3. 前記長手方向延伸工程におけるフィルムの延伸倍率が2.5〜6.0倍であり、幅方向延伸工程におけるフィルムの延伸倍率が2.5〜6.0倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の転写用ポリエステルフィルムの製造方法。
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