JP4695739B2 - 光学素子ならびにこれを用いた光ヘッドおよび光記録再生装置 - Google Patents

光学素子ならびにこれを用いた光ヘッドおよび光記録再生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4695739B2
JP4695739B2 JP35122299A JP35122299A JP4695739B2 JP 4695739 B2 JP4695739 B2 JP 4695739B2 JP 35122299 A JP35122299 A JP 35122299A JP 35122299 A JP35122299 A JP 35122299A JP 4695739 B2 JP4695739 B2 JP 4695739B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical element
electrode
optical
light
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP35122299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000235727A (ja
Inventor
秀彦 和田
緒方  大輔
定夫 水野
清治 西野
哲雄 細美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP35122299A priority Critical patent/JP4695739B2/ja
Publication of JP2000235727A publication Critical patent/JP2000235727A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4695739B2 publication Critical patent/JP4695739B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Head (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射光の位相を変化させる光学素子、ならびにこれを用いた光ヘッドおよび光記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタルバーサタイルディスク(DVD)などの光記録媒体は、ディジタル情報を高密度に記録できることから、大容量の光記録媒体として注目されている。ここで、ディジタル情報を高密度に記録再生するためには、記録再生用の光の波長を短くし、対物レンズのNA(開口数)をより大きくする必要がある。しかし、光の波長を短くしてレンズのNAを大きくした場合、光記録媒体の反り等によって生じる光軸からのずれ(チルト)によって波面収差、特にコマ収差が増大し、チルトに対するマージンがより小さくなるという問題があった。
【0003】
この問題を解決するため、液晶パネルを利用して波面収差を補正する光ヘッドが提案されている(特開平9−128785号公報)。
【0004】
図23を参照して、上述した従来の光ヘッドの一例について説明する。
【0005】
従来の光ヘッド1(光ピックアップともいう)の構成図を、図23に示す。光ヘッド1は、光源2、ハーフミラー3a、対物レンズ3b、集光レンズ3c、光学素子4、チルトセンサー5、光学素子制御回路6および光検出器7を含む。
【0006】
光源2は、たとえば半導体レーザ素子からなり、光記録媒体8(情報を記録する媒体であり、記録された情報が光を用いて読み出される記録媒体である。たとえば、CD、DVDなどが挙げられる。)の記録層に対し、記録再生用のコヒーレント光を出力する。光学素子4は液晶パネルを含み、液晶パネル中に、図24に示すようなパターンの複数のセグメント電極を有する。光学素子4は、各セグメント電極に所望の電圧を印加することによって各セグメント電極ごとに液晶の屈折率を変化させ、各セグメント電極を透過する光の位相を変化させる。したがって、光学素子4によって、光学素子4に入射する光の収差を補正することができる。
【0007】
上記従来の光ヘッド1の機能について説明する。光源2から出射された直線偏光の光は、ハーフミラー3aで反射され光学素子4に入射する。ここで光記録媒体8が光軸に対して垂直から傾いていると、その傾き量(チルト角)に応じた信号がチルトセンサー5によって出力される。光学素子制御回路6は、チルトセンサー5から出力された信号に基づいて、光記録媒体8が傾いたときに生じる波面収差を補正するために必要な位相変化を生じるように、光学素子4の液晶パネルを制御する。このように、光学素子4に入射した光には、記録媒体8が傾いたときに生じる波面収差を補正するような位相変化が与えられる。光学素子4を透過した光は、対物レンズ3bによって光記録媒体8上に集光される。ここで、光記録媒体8が傾いたときに生じる波面収差を補正するような位相変化が与えられた光が対物レンズ3bによって集光されるので、光記録媒体8上では収差のない光スポット(回折限界まで絞られた光スポット)が形成される。次に、光記録媒体8によって反射された光は、光記録媒体8の傾きに応じた波面収差を有する光になるが、光学素子4によって波面収差が補正される。光学素子4を透過した光はハーフミラー3aを透過して光源1には戻らずに集光レンズ3cに入射し、集光レンズ3cによって光検出器7に集光される。光検出器7は、光記録媒体8に記録された情報を出力する。また、光検出器7は、光記録媒体8上における光の合焦状態を示すフォーカス誤差信号を出力し、また光の照射位置を示すトラッキング誤差信号を出力する。
【0008】
ここで、光学素子4を用いたチルト補正の原理について説明する。
【0009】
光記録媒体8の最良像点における波面収差分布の一例(光記録媒体8のチルト角を1゜とし、対物レンズのNAを0.6、波長655nm、光記録媒体8の基板厚さを0.6mmにした場合)を、図25に示す。図25に示すように、光記録媒体8が傾いた場合、左右反対称で略半円状の分布を有する波面収差となる。図25の波面収差分布を打ち消すような位相変化を光学素子4を用いて入射光に与えることによって、光記録媒体8が傾いた場合でも光記録媒体8上でのスポットを回折限界にまで絞ることができる。また、光記録媒体8によって反射された光に対して波面収差を打ち消すような位相変化を与えることによって、光検出器7での光検出が精度よく行える。
【0010】
図25に示す波面収差を打ち消すような位相変化を入射光に与えるには、光学素子4における光路長を部分的に変化させればよい。ここで、液晶は外部から与えられた電圧に応じてその屈折率が変化するため、印加電圧を部分的に変化させることによって、光路長を部分的に変化させることができる。したがって図24に示したような細かく分割されたパターンを有するセグメント電極に、各セグメント電極ごとに異なる電圧を外部から加えることによって、図25に示す波面収差を補正することができる。
【0011】
しかしながら、上記光学素子4では、光学素子4中の液晶パネルの各セグメント電極すべてに、それぞれに応じた制御信号を外部から与える必要がある。すなわち、液晶パネル駆動回路から液晶パネルのセグメント電極と同じ数だけの線数をもつフレキシブル基板を光学素子4に接続しなければならない。したがって、図24に示すような多数のセグメント電極を有する光学素子4の場合には、多数の信号を供給することが必要となり、その分フレキシブル基板の幅が広くなる。このような幅の広いフレキシブル基板を光学素子4に接続すると、部品の調整が非常に困難となり、さらに光ヘッド1の小型化に大きな支障を与える。また、小さな光学部品である光学素子4に多数の線をショートさせずに接着するのは非常に困難であり、線の数が多ければ多いほど光学素子4へのフレキシブル基板の接着工程の歩留まりが悪くなり光ヘッド1のコストが高くなる。
【0012】
そこで、これらの問題を解決するために、上記従来のセグメント電極とは異なるセグメント電極を有する光学素子が提案されている(特開平10−20263号公報)。このセグメント電極の電極形状を、図26に示す。このセグメント電極は、光記録媒体8が傾いたときに生じる波面収差の形状に対応した形状を有する。したがって、上記従来の光学素子と比較して、セグメント電極の数を減らしても波面収差をかなり補正することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図26に示す形状のセグメント電極を有する光学素子においても、波面収差をより正確に補正するには、図26に示したパターンをさらに細かく分割する必要がある。したがって、図26に示す形状のセグメント電極を有する光学素子においても、セグメント電極の分割の度合いに応じて制御信号数が増えていき、光学素子4と光学素子制御回路6との接続が困難になるという問題がある。さらに、光ヘッドを小型化することも困難になるという問題がある。
【0014】
また、セグメント電極とセグメント電極との間の部分(分離部)上では、電界の影響が弱く、波面収差の補正が十分ではないという問題もあった。ここで、分離部の幅を狭くすることも考えられるが、分離部の幅を一定以上に狭くすると、製造が困難で歩留まりが低下するという問題が生じる。
【0015】
上記問題を解決するため、本発明は、入射した光に対する補正効果が高く製造が容易な光学素子、ならびにこれを用いた光ヘッドおよび光記録再生装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の光学素子は、複数のセグメント電極を備える電圧印加電極と、前記電圧印加電極に対向するように前記電圧印加電極に略平行に配置された対向電極と、前記電圧印加電極と前記対向電極との間に配置された位相変化材料からなる位相変化層とを含み、前記電圧印加電極は導電性物質からなる電圧制御電極をさらに含み、前記電圧制御電極は、外部から印加された電圧を、前記導電性物質の抵抗によって分圧して前記複数のセグメント電極に印加し、前記電圧印加電極と前記対向電極との間の電圧差を変化させることによって、前記位相変化層に入射した光の位相を変化させる光学素子であって、前記電圧制御電極は、前記位相変化層と重ならない位置に配置されているとともに、前記複数のセグメント電極は、略対称に配置された複数の半円状の電極を含むことを特徴とする。上記光学素子によれば、入射した光に対する補正効果が高く製造が容易な光学素子が得られる。
【0017】
上記光学素子では、前記位相変化材料が、前記電圧差によって屈折率が変化する材料であることが好ましい。上記構成によれば、入射した光の位相を容易に変化させることができる。
【0018】
上記光学素子では、前記位相変化材料が液晶であることが好ましい。上記構成によれば、入射した光の位相を変化させるために印加する電圧が小さくてすむ。
【0019】
上記光学素子では、前記位相変化材料が、前記電圧差によって体積が変化する材料であることが好ましい。上記構成によれば、入射した光の位相を容易に変化させることができる。
【0020】
上記光学素子では、前記位相変化材料がPLZTであることが好ましい。上記構成によれば、素子を薄くすることができる。
【0022】
上記光学素子では、前記複数のセグメント電極は、略対称に配置された複数の略半円状の電極を含むことが好ましい。上記構成によれば、波面収差を容易かつ正確に補正できる。
【0023】
上記光学素子では、前記複数のセグメント電極は、同心円状に分割された複数の電極を含むことが好ましい。上記構成によれば、球面収差を容易かつ正確に補正できる。
【0024】
上記光学素子では、前記電圧印加電極の厚さdaが、da=(2Na+1)λ/2na(ただし、λは入射する光の波長、Naは0以上の整数、naは前記電圧印加電極の屈折率)で表わされる厚さであることが好ましい。上記構成によれば、電圧印加電極の上下の層の屈折率が略等しい場合に、電圧印加電極での光の反射を防止できる。
【0025】
上記光学素子では、前記対向電極の厚さdbが、db=(2Nb+1)λ/2nb(ただし、λは入射する光の波長、Nbは0以上の整数、nbは前記対向電極の屈折率)で表わされる厚さであることが好ましい。上記構成によれば、対向電極の上下の層の屈折率が略等しい場合に、対向電極での光の反射を防止できる。
【0026】
上記光学素子では、入射した光の反射を防止する反射防止膜をさらに含むことが好ましい。上記構成によれば、反射による光の損失を防止できる。
【0027】
上記光学素子では、前記電圧印加電極は分離部によって前記複数のセグメント電極に分割されており、前記分離部の幅は、前記分離部上に位置する前記位相変化層の全域が前記セグメント電極の影響を受ける幅であることが好ましい。上記構成によれば、セグメント電極が形成されていない部分を通過した光の位相も制御できるため、位相補正効果が特に高い光学素子が得られる。
【0028】
上記光学素子では、前記分離部の幅Wと前記位相変化層の厚さdとが、W≦3dの関係を満たすことが好ましい。上記構成によれば、位相補正効果がさらに高い光学素子が得られる。
【0029】
上記光学素子では、前記電圧印加電極は分離部によって前記複数のセグメント電極に分割されており、前記分離部を通過する光を遮光する遮光膜をさらに備えることが好ましい。上記構成によれば、電界によって制御されていない液晶の部分を通過した光をカットできるため、位相補正効果が特に高い光学素子が得られる。
【0030】
上記光学素子では、前記遮光膜は金属からなることが好ましい。上記構成によって、遮光効果が高い遮光膜を容易に形成できる。
【0031】
また、本発明の光ヘッドは、光記録媒体に記録された情報を光によって読み出す光ヘッドであって、光源と、前記光記録媒体と前記光源との間に配置された光学素子とを含み、前記光学素子は、上記本発明の光学素子であることを特徴とする。上記光ヘッドは本発明の光学素子を含むため、入射した光に対する補正効果が高く製造が容易な光ヘッドが得られる。
【0032】
上記光ヘッドでは、前記光記録媒体と前記光学素子との間に配置されたN/4波長板(ただし、Nは1以上の奇数)をさらに含むことが好ましい。上記構成によって、光の利用効率が高くなり、信号の記録を行うことが可能になる。
【0033】
また、本発明の光記録再生装置は、光記録媒体に対して信号の記録または再生(記録および再生を行う場合も含む)を行う光記録再生装置であって、前記光記録媒体に信号の記録または再生を行う光ヘッドを備え、前記光ヘッドは光源と、前記光記録媒体と前記光源との間に配置された光学素子とを含み、前記光学素子は、上記本発明の光学素子であることを特徴とする。上記光記録再生装置は、本発明の光学素子を含むため、入射した光に対する補正効果が高く製造が容易な光記録再生装置が得られる。
【0034】
上記光記録再生装置では、前記光記録媒体と前記光学素子との間に配置されたN/4波長板(ただし、Nは1以上の奇数)をさらに含むことが好ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0036】
(実施形態1)
実施形態1では、本発明の光学素子の一例について説明する。
【0037】
実施形態1の光学素子10の斜視図を図1に、光学素子10の断面図を図2に示す。
【0038】
図1および図2を参照して、光学素子10は、第1の基板11と、第1の基板11に略平行に配置された第2の基板12と、第1の基板11と液晶17との間に配置された電圧印加電極13と、電圧印加電極13に対向するように電圧印加電極に略平行に配置された対向電極14と、電圧印加電極13を覆うように形成された透光性樹脂膜15と、対向電極14を覆うように形成された透光性樹脂膜16と、透光性樹脂膜15および16の間(電圧印加電極13と対向電極14との間)に配置された液晶17と、液晶17を囲むように透光性樹脂膜15および16の間に配置された封止樹脂18とを含む。
【0039】
第1の基板11および第2の基板12は、たとえばガラスからなり、透光性である。
【0040】
電圧印加電極13は、液晶17に所望の電圧を印加するための電極である。電圧印加電極13は、第1の基板11の内側(液晶17側)の主面上に形成されている。
【0041】
対向電極14は、電圧印加電極13とともに、液晶17に所望の電圧を印加するための電極である。対向電極14は、第2の基板12の内側(液晶17側)の主面上に形成されている。対向電極14は、封止樹脂18の一部に形成された導電性樹脂(図示せず)を介して、第1の基板11上に形成された電極19に接続される。電極19は、たとえばグランド(GND)に接続される。対向電極14は、透光性であり、たとえばITOからなる。なお、対向電極14は、第2の基板12の内側の主面のうち、少なくともセグメント電極部13aに対向する部分に略均一に形成される。
【0042】
透光性樹脂膜15および16は、液晶17を所定の方向に配向させるための配向膜であり、たとえばポリビニルアルコール膜からなる。透光性樹脂膜15または16をラビング処理することによって、液晶17を所定の方向に配向させることができる。なお、液晶17を他の方法(たとえば、斜め蒸着法)によって配向させてもよい。
【0043】
液晶17は、入射した光の位相を変化させる位相変化層として機能する。液晶17は、たとえばネマチック液晶からなる。電圧印加電極13と対向電極14との間の電圧差を変化させることによって液晶17の屈折率を変化させることができ、これによって入射した光の位相を変化させることができる。なお、液晶17の代わりに、位相変化材料からなる他の位相変化層を用いてもよい(以下の実施形態において同様である)。位相変化材料としては、電圧印加電極13と対向電極14との間の電圧差に応じて屈折率や体積(膜厚)が変化する材料を用いることができる。電圧差によって屈折率が変化する材料としては、液晶が挙げられる。また、電圧差によって体積が変化する材料としては、たとえば、PLZT(酸化鉛、ランタン、酸化ジルコニウム、酸化チタンを含むペロブスカイト構造の透明結晶体)が挙げられる。ここで、位相変化層にPLZTなどの固体を用いる場合には、電圧印加電極13または対向電極14のいずれか一方は、位相変化層上に形成すればよい。したがって、この場合には、第1の基板11または第2の基板12のいずれかはなくてもよい。したがって、PLZTを用いる場合には、素子を薄くすることができる。
【0044】
封止樹脂18は、液晶17を封止するためのものであり、たとえばエポキシ樹脂からなる。
【0045】
図3に、電圧印加電極13の平面図を示す。図3を参照して、電圧印加電極13は、セグメント電極部13aと、電圧制御電極13bとを含む。
【0046】
図3に示すように、セグメント電極部13aは、複数のセグメント電極A、B、C、DおよびEを含む。各セグメント電極A〜Eと電圧制御電極13bとは、引き出し線La〜Leによって電気的に接続されている。セグメント電極AおよびEは、略半円状である。セグメント電極Aとセグメント電極Bとをあわせた形は略半円状であり、セグメント電極DおよびEも同様である。また、セグメント電極A〜Eをあわせた形は略真円状である。セグメント電極AおよびBとセグメント電極DおよびEとは、セグメント電極C上に、略対称に配置されている。なお、セグメント電極の形状は、補正する光の収差分布に応じて変化するものであり、図3に示した形状は一例である。
【0047】
セグメント電極部13aは、透光性電極からなり、たとえば、ITOを用いることができる。電圧制御電極13bは導電性の材料からなる。なお、セグメント電極部13aと電圧制御電極13bに同じ材料を用いることによって、電圧印加電極13を容易に製造できる。
【0048】
電圧制御電極13bは、外部から印加された電圧を制御してセグメント電極部13aに印加する。電圧制御電極13bの所定の位置には、外部から電圧V1およびV2(外部信号V1およびV2)が印加される。図4に電圧制御電極13bの等価回路を示す。ここで、r1は引き出し線LaおよびLbの間の抵抗、r2は引き出し線LbおよびLcの間の抵抗、r3は引き出し線LcおよびLdの間の抵抗、r4は引き出し線LdおよびLeの間の抵抗である。電圧制御電極13bに印加された電圧V1およびV2は電圧制御電極13bの抵抗によって分圧され、各引き出し線La〜Leに対してVa、Vb、Vc、VdおよびVeの電圧が出力される。出力される電圧Va〜Veは、電圧制御電極13bの材料、形状等によって、自由に変化させることができる。なお、液晶17は非常に小さいコンデンサーとして働くため、液晶17を駆動するための信号(たとえば、周波数が1kHzの矩形波)は液晶17の方にはほとんど流れない。したがって、電圧制御電極13bから出力された電圧Va〜Veは、ほとんど変化することなく、セグメント電極部13aに印加される。
【0049】
ここで、液晶17に加える制御電圧Va〜Ve(印加される電圧が、たとえば1kHzの矩形波である場合には実効値)と、これに対する液晶17の屈折率の関係とを図5に示す。図5に示すように、液晶17の屈折率は、制御電圧がある大きさになるまではほとんど変化せず、制御電圧がある閾値を超えると直線的に減少した後、さらにある閾値を超えるとほとんど変化しなくなる。したがって、制御電圧に対して屈折率がほぼ直線的に変化する部分の電圧で液晶17を制御することによって、セグメント電極を透過する光の位相変化を、印加する電圧によって直線的に変化させることができる。
【0050】
光学素子10では、電圧Va〜Veが印加されたセグメント電極部13aと対向電極14との間に生じた電圧差の大きさに応じて、液晶17の屈折率が変化し、光路長が変化する。したがって、電圧Va〜Veを変化させることによって液晶17を透過する光に所望の位相変化を与えることができ、たとえば光記録媒体のチルトによって発生する波面収差を補正できる。
【0051】
たとえば、チルトが1゜のときに生じる波面収差(図25参照)を補正するには、セグメント電極A〜Eを透過する光の位相変化が、セグメント電極A、セグメント電極B、セグメント電極C、セグメント電極D、セグメント電極Eの順に大きくなるようにすればよい。さらに、図25の波面収差は、中心に対して左右の位相差の絶対値が略等しく符号が逆であるため、セグメント電極Cを透過する光の位相変化を基準として、各セグメント電極を透過する光の位相変化が左右で略反対称となるようにすればよい。すなわち、セグメント電極Aを透過する光の位相変化とセグメント電極Cを透過する光の位相変化との差は、セグメント電極Eを透過する光の位相変化とセグメント電極Cを透過する光の位相変化との差に絶対値が等しく符号が逆であることが好ましい。同様に、セグメント電極Bを透過する光の位相変化とセグメント電極Cを透過する光の位相変化との差は、セグメント電極Dを透過する光の位相変化とセグメント電極Cを透過する光の位相変化との差に絶対値が等しく符号が逆であることが好ましい。
【0052】
上記のようにセグメント電極を透過する光の位相を変化させるためには、セグメント電極A〜Eに印加する電圧Va〜Veは、Va=Vc+X、Vb=Vc+Y、Vd=Vc−Y、Ve=Vc−Xの関係を満たすことが好ましい(ここで、XおよびYはともに正の値で、XはYよりも大きい)。上記関係を成り立たせるためには、図4に示した等価回路において、r1とr4とを等しくし、かつr2とr3とを等しくすればよい。
【0053】
一例として、電圧印加電極13にITOを用い、r1、r2、r3およびr4をすべて1KΩにする場合を考える。たとえば、1mm2あたり略30Ωの抵抗値を有するITO膜を用いる場合には、隣接する引き出し線の線間を100μmにし、電圧制御電極13bの幅を3.3μmにすればよい。この状況でV1またはV2の値を変化させることによって、上記関係を満足したまま、各セグメント電極A〜Eに与える印加電圧Va〜Veを変化させることができる。
【0054】
なお、セグメント電極部13aの厚さdaは、da=(2Na+1)λ/2na(ただし、λは入射する光の波長、Naは0以上の整数、naは電圧印加電極の屈折率)で表わされる厚さであることが好ましい。セグメント電極部13aは、第1の基板11(屈折率が略1.5)と透光性樹脂膜15(屈折率が略1.5)とによって挟まれている。したがって、セグメント電極部13aにたとえば屈折率が2のITOを用いる場合には、セグメント電極部13aが上記式を満たすことによって、セグメント電極部13aが存在していないのと等価となり、セグメント電極部13aでの反射を防止することができる。なお、電圧印加電極13の上下の層の屈折率が異なる場合には、上記式の分母が4naとなるようにすることが好ましい。
【0055】
また、セグメント電極部13aの厚さと同様の理由で、対向電極14の厚さdbは、db=(2Nb+1)λ/2nb(ただし、λは入射する光の波長、Nbは0以上の整数、nbは対向電極の屈折率)で表わされる厚さであることが好ましい。なお、対向電極14の上下の層の屈折率が異なる場合には、上記式の分母が4nbとなるようにすることが好ましい。
【0056】
次に、図1および図2を参照して、光学素子10の製造方法の一例について説明する。
【0057】
光学素子10を製造する場合、まず、第1の基板11上に電圧印加電極13および電極19を形成する。電圧印加電極13および電極19は、たとえばスパッタリング法によってITOなどの透光性導電膜を形成した後、フォトリソ工程およびエッチング工程によってパターニングすることで形成できる。その後、電圧印加電極13および電極19を覆うように透光性樹脂膜15を、たとえばスピンコート法で形成する。一方、上記工程と並行して、第2の基板12上に、対向電極14および透光性樹脂膜16を形成する。対向電極14および透光性樹脂膜16は、電圧印加電極13および透光性樹脂膜15と同様の方法で形成できる。その後、上記工程を経た第1の基板11と第2の基板12とを、封止樹脂18を挟んで対向させ、透光性樹脂膜15および16の間に液晶17を封入する。このようにして、光学素子10を形成できる。
【0058】
上述したように、実施形態1の光学素子10では、電圧制御電極13bに印加された電圧V1およびV2が電圧制御電極13bの抵抗によって電圧Va〜Veに分圧され、セグメント電極部13aの各セグメント電極A〜Eに印加される。このため、光学素子10では、入射した光に対して高い補正効果が得られ、かつ光学素子10に接続される信号線の数が少ない。したがって、光学素子10によれば、入射した光に対する補正効果が高く製造が容易な光学素子が得られる。
【0059】
なお、上記実施形態1では、電圧制御電極13bの一例として図3の形状の電圧制御電極13bを示したが、電圧制御電極13bの形状は図3の形状に限定されない。たとえば、電圧制御電極13bは、要求されるr1〜r4の抵抗値に応じて、図6または図7に示すような形状であってもよい。図6(a)に示す電圧制御電極は、引き出し線La−Lb間およびLd−Le間における幅が、引き出し線Lb−Ld間における幅よりも狭い。図6(b)に示す電圧制御電極は、引き出し線La−Lb間およびLd−Le間における長さが、引き出し線Lb−Lc間およびLc−Ld間における長さよりも長い。図7に示す電圧制御電極は、屈曲した形状を有する。電圧制御電極13bを図6(a)または(b)に示す形状にすることによって、r1およびr4をr2およびr3よりも大きくすることができる。また、電圧制御電極13bを図7に示す形状とすることによって、r1〜r4の値を任意に変化させることができる。
【0060】
また、実施形態1の光学素子10では、電圧印加電極13のセグメント電極部13aと電圧制御電極13bとが同一の材料で構成されている場合を示したが、必要に応じて、電圧制御電極13bの材料にセグメント電極部13aの材料と異なる材料を用いてもよい。さらに、電圧制御電極13bを複数の導電性物質によって構成してもよい。
【0061】
図8に、電圧制御電極の材料がセグメント電極の材料と異なる場合を示す。図8を参照して、電圧印加電極80(図3の電圧印加電極13に対応)は、セグメント電極部80aと電圧制御電極80bとを含む。
【0062】
セグメント電極部80aは、透光性電極であり、たとえばITOを用いることができる。
【0063】
電圧制御電極80bは、セグメント電極部80aと異なる材料で形成され、必要に応じて、たとえばGe、TiまたはWなどを用いることができる。電圧制御電極80bに高抵抗材料を用いた場合には、電圧制御電極80bに流れる電流を少なくすることができるため、液晶駆動用のICの負担を小さくすることができ、信頼性の高い光学素子が得られる。また、電圧制御電極80bに高抵抗材料を用いた場合には、電圧制御電極80bの幅を細くすることなく所望の抵抗値を得ることができるので光学素子の製造が容易になる。
【0064】
また、実施形態1では、セグメント電極部13aをセグメント電極A〜Eに分割する場合を示したが、セグメント電極部13aをさらに細かく分割することによって、収差をさらに正確に補正することができる(以下の実施形態においても同様である)。たとえば、図9に示すような3段のパターン(7つのセグメント電極からなる)を有するセグメント電極部13aを用いることによって、収差をさらに正確に補正することができる。たとえば、光記録媒体が1゜傾いたときの波面収差(図25参照)を補正する場合を考えると、補正なしの場合は最良像点での波面収差が80mλであるが、1段のパターン(図26のパターンであり3つのセグメント電極からなる)を有するセグメント電極部13aを用いた場合は補正によって波面収差が60mλに減少する。さらに、2段のパターン(図3のパターンであり5つのセグメント電極からなる)を有するセグメント電極部13aを用いて補正を行うと50mλに、3段のパターン(図9のパターンであり7つの電極からなる)での補正を行うと40mλに、波面収差が減少する。なお、実施形態1の光学素子10では、セグメント電極部13aの分割数を増やしても、光学素子10に入力される外部電圧はV1、V2およびグランドだけであり増加することはない。
【0065】
また、上記実施形態1では、光記録媒体のチルトによって生じる波面収差を補正する場合の光学素子について説明したが、電圧印加電極の形状を変えることによって、球面収差を補正することもできる。球面収差を補正する場合には、図10に示すような、同心円状に分割されたセグメント電極を用いればよい(以下の実施形態においても同様である)。
【0066】
(実施形態2)
実施形態2では、本発明の光学素子について、他の一例を説明する。
【0067】
実施形態2の光学素子110ついて、断面図を図11に示す。
【0068】
図11を参照して、光学素子110は、実施形態1で説明した光学素子10と同様に、第1の基板11と、第2の基板12と、電圧印加電極13と、対向電極14と、透光性樹脂膜15および16と、液晶17と、封止樹脂18とを備える。さらに光学素子110は、第1の基板11の外側(液晶17とは反対側)の主面に形成された反射防止膜111と、第1の基板11と電圧印加電極13との間に配置された層間反射防止膜112と、電圧印加電極13と透光性樹脂膜15との間に配置された層間反射防止膜113と、対向電極14と透光性樹脂膜16との間に配置された層間反射防止膜114と、第2の基板12と透光性樹脂膜16との間に配置された層間反射防止膜115と、第2の基板12の外側(液晶17とは反対側)の主面に形成された反射防止膜116とを備える。
【0069】
第1の基板11、第2の基板12、電圧印加電極13、対向電極14、透光性樹脂膜15および16、液晶17、封止樹脂18、電極19については、実施形態1で説明したものと同様であるので重複する説明は省略する。
【0070】
反射防止膜111および116と層間反射防止膜112〜115とは、光学素子110を透過する光の反射を防止するために形成される。反射防止膜111および116と層間反射防止膜112〜115とは、たとえばスパッタリング法や蒸着法によって形成できる。
【0071】
ここで、図12を参照して、一般的な反射防止膜について説明する。図12に示すように、屈折率がn1〜n3の媒質1〜3を光が透過する場合には、媒質2の膜厚をLとすると、媒質2の膜厚Lが、L=(2N2+1)λ/4n2(ただし、λは透過する光の波長、N2は0以上の整数、n2は媒質2の屈折率)の関係を満たす場合に、媒質2での反射率が最小となる。また、媒質2の屈折率n2を、媒質1の屈折率n1と媒質3の屈折率n3との幾何平均(n1とn3との積の平方根)に近づけると、媒質2での反射率をさらに減少させることができる。
【0072】
したがって、反射防止膜111および116並びに層間反射防止膜112〜115には、上記膜厚および屈折率の関係を満たすような膜を用いることが好ましい。
【0073】
ここで、反射防止膜111および116の屈折率について考えると、空気の屈折率は1であり、第1の基板11および第2の基板12の屈折率がたとえば1.5である場合(たとえば、第1の基板11および第2の基板12に通常のガラスを用いた場合)には、反射防止膜の屈折率は1.22に近いことが好ましい。したがって、反射防止膜111および116には、屈折率が1.22に近い、フッ化マグネシウム(屈折率1.38)などを用いることができる。
【0074】
次に、層間反射防止膜112および115の屈折率について考えると、たとえば、第1の基板11および第2の基板12の屈折率が1.5であり、電圧印加電極13および対向電極14の屈折率が2(たとえば、電圧印加電極13および対向電極14にITOを用いた場合)である場合には、層間反射防止膜112および115の屈折率は、1.73に近いことが好ましい。したがって、層間反射防止膜112および115には、屈折率が1.73に近いアルミナ(屈折率1.68)などを用いることができる。
【0075】
同様に、層間反射防止膜113および114の屈折率について考えると、たとえば、電圧印加電極13および対向電極14の屈折率が2であり、透光性樹脂膜15および16の屈折率が1.5(たとえば、透光性樹脂膜15および16がポリビニルアルコール膜である場合)である場合、層間反射防止膜113および114の屈折率が1.73に近いことが好ましい。したがって、層間反射防止膜113および114には、屈折率が1.73に近いアルミナなどを用いることができる。なお、透光性樹脂膜15および16の屈折率と、液晶17の屈折率とは略等しいため、透光性樹脂膜15および16と液晶17との間での反射は考慮する必要がない。
【0076】
なお、上記反射防止膜の屈折率や材料は一例であり、光学素子110に用いられる材料や透過する光の波長によって、反射防止膜として最適な屈折率や膜厚が変化することはいうまでもない。
【0077】
さらに、反射防止膜111および116と層間反射防止膜112〜115とは、単層でなくともよく、屈折率が異なる複数の薄膜を積層したものでもよい。複数の薄膜からなる反射防止膜を用いることによって、反射率をより低減することができる。
【0078】
上記実施形態2の光学素子110では、実施形態1の光学素子10と同様の効果が得られる。さらに、光学素子110では、反射防止膜111および116と、層間反射防止膜112〜115とが形成されているため、入射した光が光学素子110の表面および内部で反射することによって減衰することを防止できる。
【0079】
(実施形態3)
実施形態3では、本発明の光学素子について、その他の一例を説明する。
【0080】
実施形態3の光学素子130ついて、断面図を図13に示す。
【0081】
図13を参照して、光学素子130は、第1の基板11と、第1の基板11に略平行に配置された第2の基板12と、第1の基板11と液晶17との間に配置された電圧印加電極131と、電圧印加電極131に対向するように電圧印加電極に略平行に配置された対向電極14と、電圧印加電極131を覆うように形成された透光性樹脂膜15と、対向電極14を覆うように形成された透光性樹脂膜16と、透光性樹脂膜15および16の間(電圧印加電極131と対向電極14との間)に配置された液晶17と、液晶17を囲むように透光性樹脂膜15および16の間に配置された封止樹脂18とを含む。
【0082】
なお、電圧印加電極131を除く部分については、実施形態1の光学素子10と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0083】
電圧印加電極131の一部平面図を、図14に示す。また、図14には、液晶の配向方向、入射光の偏光方向および光記録媒体のラジアル方向についても示している。なお、図14では、引き出し電極の表示を省略しているが、引き出し電極としては、図3に示したような電極を用いることができる。
【0084】
電圧印加電極131は、液晶17に所望の電圧を印加し、これによって液晶17を通過する光の位相を制御するための電極である。電圧印加電極131は、分離部132によって複数のセグメント電極133a〜eに分割されている。セグメント電極133a〜eは、透光性電極であり、たとえば、ITOを用いることができる。なお、セグメント電極の形状は、補正する光の収差分布に応じて変えることが好ましく、図14に示した形状は一例である。
【0085】
分離部132の幅Wは、分離部132上に位置する液晶(位相変化層)17の全域においてセグメント電極の影響を受ける幅である。すなわち、分離部132の幅Wは、あるセグメント電極から影響を受ける液晶17と、そのセグメント電極に隣接するのセグメントから影響を受ける液晶17とが接する幅以下の距離である。具体的には、第1の基板11に垂直な方向の液晶17の厚さをd(図13参照)としたときに、幅Wと厚さdとがW≦3d以下の関係を満たすことが好ましく、W≦2dの関係を満たすことが特に好ましい。幅Wは、たとえば1μm以上15μm以下である。
【0086】
次に、分離部132上の液晶17の挙動について詳細に説明する。通常、対向する2枚の電極の端部では、電界は電極のない空間にも拡がって分布する。このような状態を、図15に模式的に示す。対向する2枚の半無限の電極を備える平行平板コンデンサーの場合、電極の端部からの距離(図15のX軸方向の距離)と、その電位(平行平板コンデンサの絶縁効果)との関係は、等角写像を用いることにより解明できる(「電磁気学」、朝倉書店発行、藤本三治著や「電磁気学演習」、共立出版発行、後藤憲一、山崎修一郎著参照)。ここで、電界の大きさは電位の微分係数であるので、電位を電極間方向(図15のY軸方向)に微分することによって、対向する2枚の半無限の平行平板コンデンサーにおける、電極の端部からの距離と、電極に垂直な方向の電界との関係を求めることができる。このようにして計算した結果を、図16に示す。図16において、横軸は、電極端部からのX軸方向の距離を表しており、対向する2枚の電極間の距離を1として規格化した値である。また、横軸の0は電極の端であり、xの値が大きくなるほど電極から離れた位置を表している。一方、Y軸は、電極間の電界強度を100としたときのY軸方向の電界強度を示している。
【0087】
図16から、電極が無い部分にも電界が漏れ出しており、電極間の距離と同じ距離だけ離れたところ(x=1)では、電極間の電界(y=100)のほぼ20%の電界が生じていることがわかる。したがって、実際の光学素子においても、この電界によって、分離部132上に位置する液晶の屈折率は変化する。なお、セグメント電極は分離部132の両隣にあるので分離部132の直下の液晶は両隣のセグメント電極から漏れ出す電界の影響を受けることになる。ここで、図16には、2枚の電極がともに半無限の場合の計算結果を示しているが、実際の光学素子では、セグメント電極が半無限であり、対向電極は無限として考えなければならない。そして、この場合には、電気力線が無限の電極(対向電極)の裏側に回り込むことがないので半無限の電極からのある距離での電界強度は、図16に示したものより大きくなると考えられる。したがって、電極間の距離だけ離れた場所(x=1)での電界は電極端部からかなり漏れ出していると考えられる。
【0088】
実際に、液晶の厚さdを5μmとし、分離部132の幅Wを10μm(2d)として、図14に示した電圧印加電極131を備える光学素子を試作した。そして、この光学素子を用いた光ヘッド(図18参照)で収差補正を行った。光記録媒体が1°傾いた場合、収差補正を行わないとジッタは20%以上であるが、上記光学素子を用いて収差補正を行うとジッタは7.5%になった。ここで、光記録媒体が傾いていないときのジッタは6.6%であったので、光記録媒体が傾いたことによって生じるコマ収差は、上記光学素子によってほぼ完全に補正されたと考えられる。したがって、分離部132上の液晶は、隣り合うセグメント電極から漏れだした電界によってほぼ最適な屈折率になったと考えられる。
【0089】
ここで、図16から、x=1.5の位置(分離部はセグメントが両隣にあるので分離部の幅Wが液晶の厚さdの3倍のとき)における電界の大きさは、x=1の位置(分離部の幅Wが液晶の厚さdの2倍)の時の2/3程度である。分離部の幅Wが液晶の厚さdの2倍のときに収差補正がほぼ完全に行われたことを考慮すると、分離部の幅Wが液晶dの厚さの3倍まで広がったとしても、分離部上に漏れ出す電界によって収差補正が十分に可能であると考えられる。
【0090】
次に、光学素子の光透過率について検討する。セグメント電極のすべてに同一の電圧を印加した場合、セグメント電極の影響を受ける部分の液晶の屈折率と、セグメント電極の影響を受けない部分の液晶の屈折率とは異なる。このため、入射した光の一部が回折され、光学素子の光透過率が低下してしまう。このような場合でも、上記実施形態の光学素子によれば、セグメント電極部上に位置する液晶のすべてがセグメント電極の影響を受けるため、光透過率の低下が小さい。実際に、光学素子130について、セグメント電極すべてを3Vとし、対向電極を0Vとして光透過率を測定した。その結果、液晶の厚さdが5μmで分離部の幅Wが10μmの場合には、光学素子の光透過率は91%であった。また、液晶の厚さdが5μmで分離部の幅Wが5μmの場合には、光学素子の光透過率は97%であった。光透過率については、分離部の面積に依存するので一概にはいえないが、上記結果より、液晶の厚さdと分離部の幅Wは、W≦dの関係を満たすことが好ましいことがわかった。
【0091】
以上のように、光学素子130では、セグメント電極133a〜eと、対向電極14との電圧差を制御することによって、液晶17の屈折率を各領域で変化させることができる。したがって、光学素子130では、液晶17の所望の位置の光路長を変化させることができる。ここで、図14に示すように、光学素子130に入射する光の偏光方向と、液晶17の配向方向と、光記録媒体のラジアル方向とは略平行である。したがって、光記録媒体が傾くことによって図25に示すような位相分布(コマ収差)が生じた場合であっても、各セグメント電極133a〜eに印加する電圧を制御することによって、図25に示された位相分布と逆の極性を有する位相分布を入射光に与えてコマ収差を補正できる。
【0092】
特に、光学素子130では、分離部132の幅Wは、分離部132上に位置する液晶(位相変化層)17の全域においてセグメント電極の影響を受ける幅であるため、分離部132上の液晶17を通過した光も位相が制御される。したがって、光学素子130によれば、入射した光に対する補正効果が特に高い光学素子が得られる。また、上記光学素子130では、分離部132の幅を必要以上に狭くしなくても十分な補正効果が得られるため、歩留まりよく安価に製造できる光学素子が得られる。
【0093】
なお、図14に示した電圧印加電極131の形状は一例であり、分離部の幅Wが所定値以下であれば、他の形状の電極を用いることができる。
【0094】
また、光学素子130に、実施形態1で説明した電圧制御電極や、実施形態2で説明した反射防止膜を形成してもよい。
【0095】
(実施形態4)
実施形態4では、本発明の光学素子について、さらにその他の一例を説明する。
【0096】
実施形態4の光学素子170について、断面図を図17(a)に示す。
【0097】
図17(a)を参照して、光学素子170は、第1の基板11と、第1の基板11に略平行に配置された第2の基板12と、第1の基板11と液晶17との間に配置された電圧印加電極171と、電圧印加電極171に対向するように電圧印加電極171に略平行に配置された対向電極14と、電圧印加電極171を覆うように形成された透光性樹脂膜15と、対向電極14を覆うように形成された透光性樹脂膜16と、透光性樹脂膜15および16の間(電圧印加電極171と対向電極14との間)に配置された液晶17と、液晶17を囲むように透光性樹脂膜15および16の間に配置された封止樹脂18と、第1の基板11の外側(液晶17が存在しない側)の主面上に形成された遮光膜172とを備える。
【0098】
なお、電圧印加電極171および遮光膜172を除く部分については、実施形態1の光学素子10と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0099】
電圧印加電極171は、液晶17に所望の電圧を印加し、これによって液晶17を通過する光の位相を制御するための電極である。電圧印加電極171は、図14の電圧印加電極131と同様に分離部によって複数の複数のセグメント電極に分割されていが、電圧印加電極171では分離部の幅が広くてもよい。各セグメント電極は、透光性電極であり、たとえば、ITOを用いることができる。
【0100】
遮光膜172は、入射した光の一部を遮光する膜である。遮光膜172には、たとえば金属を用いることができ、具体的にはたとえば膜厚が100nmのアルミニウム膜などを用いることができる。なお、図17(a)では、遮光膜172が第1の基板11上に形成される場合を示したが、遮光膜172が第2の基板12上に形成されてもよい。遮光膜172は、たとえば、金属薄膜を蒸着したのち、フォトリソ工程およびエッチング工程で不要な部分の金属を除去することによって形成できる。
【0101】
遮光膜172について、一例の平面図を図17(b)に示す。なお、図17(b)に示した遮光膜172は、電圧印加電極171が図14の電圧印加電極131と類似のパターン(分離部の幅は異なる)である場合のものである。
【0102】
図17(b)を参照して、遮光膜172は、分離部に対応する位置に形成されている。すなわち、遮光膜172は、光学素子170に入射した光のうち分離部を透過する光の光路上に設けられている。
【0103】
実施形態3で説明したように、電圧印加電極の分離部の幅が広い場合には、分離部上の液晶17の制御が十分ではないため、この部分を透過した光は位相が十分に制御されず、収差補正が不十分となってしまう。これにたいし、光学素子170では、制御されていない位相を持った光を遮光膜172で遮光するため、最適な位相をもった光のみが光学素子170を透過し、十分な収差補正を行うことができる。
【0104】
実際に、分離部の幅が広い電圧印加電極171と遮光膜172とを備える光学素子170において、チルト1゜の場合に収差補正を行うとジッタは8%であり、良好な結果が得られた。一方、同様の場合に収差補正を行わなかった場合には、ジッタが20%であった。このように、光学素子170によって、高い収差補正効果が得られることがわかった。
【0105】
以上のように、実施形態4の光学素子170では、電圧印加電極171の分離部を通る光のすべてを遮光することによって、収差補正効果が良好な光学素子が得られる。また、光学素子170では、分離部の幅を広げることができるため、低コストで歩留まりよく容易に光学素子を製造することができる。
【0106】
なお、遮光膜172は、セグメント電極の分離部を通る光のすべてを遮光するものであってもよいし、上記光の一部のみを遮光するものであってもよい。すなわち、実施形態3で説明したように分離部上の液晶17はセグメント電極から漏れ出す電界の影響を受けるため、電界の影響を受けない部分を通る光のみを遮光することによって収差補正を十分に行うことができる。分離部を通る光の一部のみを遮光する場合は、利用できる光の量が増えるため、ジッタをさらに良くすることができる。
【0107】
なお、図17(b)に示した遮光膜172の形状は一例であり、遮光膜172の形状は、セグメント電極の分離部の形状に応じて変化する。
【0108】
また、光学素子170に、実施形態1で説明した電圧制御電極や、実施形態2で説明した反射防止膜を形成してもよい。
【0109】
(実施形態5)
実施形態5では、実施形態1ないし4のいずれかで説明した本発明の光学素子を用いた光ヘッドについて説明する。
【0110】
実施形態5の光ヘッド180の構成を、図18に模式的に示す。
【0111】
図18を参照して、光ヘッド180は、光源181と、回折格子182と、コリメータレンズ183と、光学素子184と、対物レンズ185と、チルトセンサー186と、光検出器187および188とを備える。
【0112】
光源181は、たとえば半導体レーザ素子を含み、光記録媒体189の記録層に対して記録再生用のコヒーレント光を出射する。
【0113】
回折格子182は、ガラス表面にフォトリソグラフィーを用いて所望のパターンのフォトレジストを形成した後、エッチングによって形成されたグレーティングである。回折格子182は、0次回折効率がほぼ50%で、±1次回折効率がほぼ50%である。すなわち、回折格子182は、光記録媒体189からの反射光を、光源181から出射された光の光路から分離する分離手段として機能する。
【0114】
コリメータレンズ183と対物レンズ185とは、集光光学系を構成する。
【0115】
光学素子184には、実施形態1ないし4のいずれかで説明した本発明の光学素子が用いられる。すなわち、光学素子184は、電圧印加電極の各セグメント電極に異なる電圧を印加することによって、液晶の屈折率を部分的に変化させ、収差補正を行う素子である。
【0116】
対物レンズ185は光記録媒体189の記録層に光を集光するレンズである。
【0117】
チルトセンサー186は、光記録媒体189のチルト角を検出する。そして、チルトセンサー186は、光記録媒体189のチルト角に応じた信号を光学素子制御回路190に出力する。
【0118】
光学素子制御回路190は、チルトセンサー186から出力された信号に応じて光学素子184に電気信号(たとえば、図3のV1およびV2)を印加する回路である。
【0119】
光検出器187は、光記録媒体189の記録層で反射された光のうち回折格子182で回折された+1次光を受光して電気信号に変換する。
【0120】
光検出器188は、光記録媒体189の記録層で反射された光のうち回折格子182で回折された−1次光を受光して電気信号に変換する。
【0121】
光ヘッド180の機能について、図18を参照して説明する。光源181から出射された直線偏光の一部は、回折格子182を透過してコリメータレンズ183に入射する。コリメータレンズ183に入射した光は、コリメータレンズ183によって略平行光となって光学素子184に入射する。
【0122】
ここで、光記録媒体189が光軸に対して垂直から傾いていると、その傾き量(チルト角)に応じて波面収差を補正するための信号がチルトセンサー186から出力され、その信号は光学素子制御回路190に入力される。光学素子制御回路190は、チルトによって生じた波面収差を補正するために必要な信号を光学素子184に出力する。したがって、光学素子184に入射した光には、光記録媒体189のチルトによって生じる波面収差を補正するような位相変化が与えられる。
【0123】
光学素子184を透過した光は、対物レンズ185によって光記録媒体189上に集光される。光記録媒体189に集光された光には、波面収差を補正するような位相変化が光学素子184によって与えられているため、光記録媒体189上では収差のない、すなわち回折限界まで絞られた光スポットが形成される。
【0124】
光記録媒体189によって反射された光は光記録媒体189の傾きに応じた波面収差を有する光になるが、光学素子184によって再び波面収差が補正される。
【0125】
光記録媒体189によって反射され光学素子184を透過した光は、コリメータレンズ183を透過し、回折格子182により回折される。回折格子182によって回折された回折光のうち、+1次光は光検出器187に入射し、−1次光は光検出器188に入射する。
【0126】
光検出器187は、光記録媒体189上における光の合焦状態を示すフォーカス誤差信号と、光の照射位置を示すトラッキング誤差信号とを出力する。フォーカス誤差信号は、フォーカス制御手段(図示せず)に出力される。フォーカス制御手段は、フォーカス誤差信号に基づいて、光が常に合焦状態で光記録媒体189上に集光されるように対物レンズ185の位置をその光軸方向に制御する。トラッキング誤差信号は、トラッキング制御手段(図示せず)に入力される。トラッキング制御手段は、トラッキング誤差信号に基づいて、光記録媒体189上の所望のトラックに光が集光されるように、対物レンズ185の位置を制御する。
【0127】
光検出器188は、光記録媒体189に記録された記録情報を検出する。
【0128】
次に、光学素子184が実施形態1または2で説明した光学素子である場合の光学素子制御回路190について説明する。この場合の光学素子制御回路190の回路図を、図19に示す。光学素子制御回路190は、信号源191および192、オペアンプ193、遅延回路194およびスイッチ195を備える。
【0129】
信号源191および192は、光学素子184の電圧制御電極へ電気信号を出力する。信号源191および192によって出力される電気信号は、電圧制御電極に印加される電圧V1およびV2に応じて変化する。オペアンプ193は、ゲインが可変である。遅延回路194は、V1の位相とV2の位相とが同相になるように、信号源192からの信号の位相を調整する。スイッチ195は、信号源191および192から出力された電気信号を電圧制御電極に印加される電圧V1またはV2に振り分ける。スイッチ195によって、電圧V1またはV2に対応する信号源191または192を切り替えることができる。
【0130】
光記録媒体189のチルトによって生じる波面収差を補正する際に、光記録媒体189のチルトの方向が同じで大きさだけ変化した場合は、オペアンプ193のゲインを変えることによって波面収差を補正できる。また、光記録媒体189の反りの方向が逆になった場合は、スイッチ195によって、V1およびV2に対応する信号源191または192を切り替え、さらにオペアンプ193のゲインを必要に応じて変化させることによって、波面収差を補正できる。
【0131】
ここで、光ヘッド180において、実施形態1の光学素子10を用いて波面収差の補正を行った場合と行わなかった場合のジッタの測定結果を、図20に示す。図20から明らかなように、光学素子184を用いて波面収差の補正を行うことによって、ジッタマージンを大きくすることができる。
【0132】
以上説明したように、実施形態5の光ヘッド180は、本発明の光学素子を含むため、光記録媒体に記録された信号を信頼性よく読み出すことができる光ヘッドが得られる。また、光ヘッド180では、本発明の光学素子を用いることによってジッタマージンまたはチルトマージンが大きくなるため、製造が容易で低コストな光ヘッドが得られる。
【0133】
さらに、実施形態1または2の光学素子を用いた場合には、光学素子184に外部から加える信号数を減少させることができるため、収差を補正することができ小型で製造が容易な光ヘッドが得られる。
【0134】
(実施形態6)
実施形態6では、本発明の光ヘッドについて、他の一例を説明する。
【0135】
実施形態6の光ヘッド180aについて、構成を図21に模式的に示す。
【0136】
図21を参照して、光ヘッド180aは、光源181と、コリメータレンズ183と、光学素子184と、対物レンズ185と、チルトセンサー186と、光検出器187および188と、偏光ホログラム211と、1/4波長板212とを備える。偏光ホログラム211は、光源181とコリメータレンズ183との間に配置される。また、1/4波長板212は、光学素子184と光記録媒体189との間に配置される。
【0137】
偏光ホログラム211および1/4波長板212を除く部分については、実施形態5で説明したものと同様であるので、重複する説明は省略する。なお、光学素子184は、実施形態1ないし4のいずれかに記載の光学素子である。
【0138】
偏光ホログラム211は、異常光線についてはそのまま透過させ、常光線に対しては回折格子として機能する光学素子である。偏光ホログラム211は、たとえば、複屈折を有するニオブ酸リチウム基板の一部をプロトン交換し、そのプロトン交換部をエッチングすることによって形成できる(特開平6−27322号公報参照)。
【0139】
1/4波長板212は、光源181から出射される直線偏光の光を円偏光に変換すると共に、光記録媒体139の記録層で反射された光を上記直線偏光の光とは異なる方向の直線偏光に変換する非線形光学素子である。1/4波長板212は、たとえば水晶からなる。なお、1/4波長板の代わりに、N/4波長板(Nは3以上の奇数)を用いてもよい。
【0140】
図21を参照して、光ヘッド180aの動作について説明する。光源181から出射された直線偏光の光は、偏光ホログラム211をそのままの状態で透過しコリメータレンズ183に入射し、コリメータレンズ183によって平行光にされて、光学素子184に入射する。ここで、光記録媒体189が光軸に対して垂直から傾いていると、その傾き量(チルト角)に応じた信号がチルトセンサー186から出力され、その出力信号は光学素子制御回路190に入力される。光学素子制御回路190は、上記出力信号に基づいて、光記録媒体189が傾いたときに生じる波面収差を補正するために必要な信号を光学素子184に出力する。このようにして、光学素子184に入力された光は、光記録媒体189のチルトによって生じる波面収差を補正するように位相が制御される。
【0141】
光学素子184を透過した光は、1/4波長板212に入射され、その偏光状態は直線偏光から円偏光に変換される。この円偏光の光は対物レンズ185によって光記録媒体189上に集光され、反射される。ここで、光記録媒体189が傾いた時に生じる波面収差を補正する波面収差を有する光が、対物レンズ185で集光されるので、光記録媒体189上では収差のない、すなわち回折限界まで絞られた光スポットが形成される。
【0142】
光記録媒体189によって反射された光は、対物レンズ185を透過し、1/4波長板212に入射する。1/4波長板212に入射した光は、1/4波長板212によって円偏光から直線偏光に変換される。1/4波長板212を通過した直線偏光は、光源181から出射される直線偏光と直交する直線偏光となる。この直線偏光の光は、光学素子184およびコリメータレンズ183を透過し、偏光ホログラム211によってほぼ100%回折される。そして、回折の+1次光は光検出器187に入射され、回折の−1次光は光検出器188に入射される。
【0143】
光検出器187および光検出器188、ならびにフォーカス制御手段(図示せず)の機能については、実施形態5で説明したものと同様であるため、重複する説明は省略する。
【0144】
上記のように、偏光光学系を用いると、光源181から出射される光の利用効率が高くなり、書き換え可能な光記録媒体に信号の記録および再生をすることが容易になる。
【0145】
次に、収差を補正する光学素子184の位置について説明する。光学素子の液晶17は1軸性複屈折であるため、図14に示すように、収差を補正するためには光学素子184に液晶17の配向方向と略平行な直線偏光が入射されねばならない。光学素子184が1/4波長板212と光記録媒体189との間に配置された場合には、複屈折板として作用する液晶17を有する光学素子184に円偏光の光が入射することになるので、光学素子184を透過した後の偏光状態が液晶17のリターデーションに応じて直線偏光から円偏光の任意の状態をとることになる。その結果、最悪の場合には、光記録媒体189で反射された光が光源181から出射される光と同じ偏光状態で偏光ホログラム211に入射することになる。この場合には、光検出器187および188に光が全く入らなくなるため、光記録媒体189に記録された情報信号を再生できなくなる。したがって、光学素子184は、光源181と1/4波長板212との間に配置されることが必要である。いいかえれば、1/4波長板212は、光学素子184と光記録媒体189との間に配置されることが必要である。
【0146】
実施形態6の光学ヘッド180aでは、実施形態5で説明した光学ヘッド180と同様の効果が得られる。さらに、光学ヘッド180aは、1/4波長板212を光学素子184と光記録媒体189との間に配置することによって、光の利用効率を高めることができ、書き換え可能な光記録媒体の記録再生が容易となる。
【0147】
(実施形態7)
実施形態7では、本発明の光記録再生装置について、一例を説明する。実施形態7の光記録再生装置は、光記録媒体に対して、信号の記録または再生(記録および再生を行ってもよい)を行う装置である。
【0148】
図22に、実施形態7の光記録再生装置220の構成を模式的に示す。光記録再生装置220は、光ヘッド180と、光学素子制御回路190と、モータ221と、処理回路222とを備える。光ヘッド180は、実施形態5で説明したものであり、実施形態1ないし4のいずれかで説明した本発明の光学素子184を備える。なお、光ヘッド180の代わりに光ヘッド180aを用いてもよい。
【0149】
光ヘッド180および光学素子制御回路190については、実施形態5で説明したものと同様であるため、重複する説明は省略する。
【0150】
次に、光記録再生装置220の動作について説明する。まず、光記録再生装置220に光記録媒体189がセットされると、処理回路222はモータ221を回転させる信号を出力し、モータ221を回転させる。次に、処理回路222は、光源181を駆動して光を出射させる。光源181から出射された光は、光記録媒体189で反射され、光検出器187および188に入射する。光検出器187は、光記録媒体189上における光の合焦状態を示すフォーカス誤差信号と、光の照射位置を示すトラッキング誤差信号を処理回路222に出力する。これらの信号に基づき、処理回路222は対物レンズ185を制御する信号を出力し、これによって光源181から出射された光を光記録媒体189上の所望のトラック上に集光させる。また、処理回路222は、光検出器188から出力される信号に基づいて、光記録媒体189に記録されている情報を再生する。
【0151】
次に、光記録媒体189が傾いているときの制御について説明する。光記録媒体189が傾いている場合には、光記録媒体189の傾きに応じた信号がチルトセンサー186によって処理回路222に出力される。処理回路222は、入力された信号に応じて光学素子制御回路190を駆動し、これによって、光記録媒体189のチルトによって生じるコマ収差を補正するために必要な制御信号が、光学素子制御回路190から光学素子184に出力される(詳細については、実施形態5または6参照)。このようにして、光記録媒体189が傾いても、光記録媒体189に記録された情報信号は、正しく再生される。
【0152】
実施形態7の光記録再生装置220では、本発明の光学素子によって光記録媒体のチルトによって生じたコマ収差を補正する。したがって、光記録再生装置220によれば、光記録媒体に記録された情報信号を信頼性よく再生できる光記録再生装置が得られる。また、本発明の光学素子を用いることによって光記録媒体189の傾きに対する許容度が大きくなるため、製造が安価かつ容易な光記録再生装置が得られる。
【0153】
なお、上記実施形態では情報信号の再生について述べたが、情報信号を記録する場合でも、再生と同様に光学素子の制御が行われるため、信頼性よく情報信号を記録することができる。
【0154】
以上、本発明の実施の形態について例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず本発明の技術的思想に基づく他の実施形態に適用することができる。
【0155】
たとえば、上記実施形態では、ラジアルチルトの補正について述べたが、セグメント電極のパターンを90度回転させて用いることによってタンジェンシャルチルトの補正を行うことができる。さらに、2種類の光学素子を用いることによって、ラジアルチルトおよびタンジェンシャルチルトの両方を補正することができる。
【0156】
また、上記実施形態では、コリメータレンズと対物レンズとの間の平行系中に本発明の光学素子を配置した場合を示したが、光源とコリメータレンズとの間の発散系中に配置してもよい。
【0157】
また、上記実施形態では、無限系の光ヘッドを示したが、コリメータレンズを用いない有限系の光ヘッドであってもよい。
【0158】
また、上記実施形態では、光記録媒体に記録された情報の再生時にチルトセンサーによって検出されたチルト量を用いて波面収差の補正を行っている場合について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、再生前にあらかじめトラック位置とチルト量との関係を学習して、学習したチルト量から各トラック位置での波面収差を補正してもよい。
【0159】
また、上記実施形態では、光記録媒体からの反射光を回折格子などによって光源からの光路と分離して光検出器に入射させているが、ハーフミラー等の光学素子を用いて光源からの光路と分離して光検出器に入射させてもよい。
【0160】
また、上記実施形態では、光のみによって情報を記録する光記録媒体について述べたが、光および磁気によって情報を記録する光磁気記録媒体についても、本発明の光学素子を用いれば同様の効果が得られることはいうまでもない。
【0161】
また、上記実施形態では、光記録媒体が光ディスクである場合について説明したが、カード状の光記録媒体など、類似の機能を実現する光学的情報記録再生装置に適用することができる。
【0162】
また、上記実施形態1または2の光学素子において、電圧制御電極にトランジスタを接続し、外部からの電圧を昇圧してもよい。また、電圧制御電極に位相遅延回路を接続して電圧印加電極に印加する電圧の位相を変化させてもよい。
【0163】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光学素子、光ヘッドまたは光記録再生装置によれば、入射した光に対する補正効果が高く製造が容易な光学素子、光ヘッドまたは光記録再生装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学素子について一例を示す斜視図である。
【図2】 本発明の光学素子について一例を示す断面図である。
【図3】 本発明の光学素子について電圧印加電極の一例を示す平面図である。
【図4】 本発明の光学素子について電圧制御電極の等価回路を示す回路図である。
【図5】 本発明の光学素子について液晶の屈折率と制御電圧との関係を示すグラフである。
【図6】 本発明の光学素子について、電圧制御電極の他の例を示す平面図である。
【図7】 本発明の光学素子について電圧制御電極のその他の一例を示す平面図である。
【図8】 本発明の光学素子について電圧印加電極の他の一例を示す平面図である。
【図9】 本発明の光学素子についてセグメント電極の一例を示す平面図である。
【図10】 本発明の光学素子についてセグメント電極の他の一例を示す平面図である。
【図11】 本発明の光学素子について他の一例を示す断面図である。
【図12】 本発明の光学素子について反射防止膜の機能を説明する模式図である。
【図13】 本発明の光学素子についてその他の一例を示す断面図である。
【図14】 本発明の光学素子について電圧印加電極の一例を示す平面図である。
【図15】 本発明の光学素子について機能を説明するための図である。
【図16】 本発明の光学素子について機能を説明するためのグラフである。
【図17】 本発明の光学素子についてさらにその他の一例を示す断面図である。
【図18】 本発明の光ヘッドについて一例を示す模式図である。
【図19】 本発明の光ヘッドに用いられる光学素子制御回路を示す回路図である。
【図20】 本発明の光ヘッドについて収差補正の効果を示すグラフである。
【図21】 本発明の光ヘッドについて他の一例を示す模式図である。
【図22】 本発明の光記録再生装置について一例を示す模式図である。
【図23】 従来の光ヘッドについて一例を示す模式図である。
【図24】 従来の光学素子についてセグメント電極の一例を示す模式図である。
【図25】 チルト角が1゜の場合における波面収差の一例を示すグラフである。
【図26】 従来の光学素子について電圧印加電極の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
10、110、130、170 光学素子
11 第1の基板
12 第2の基板
13、80、131、171 電圧印加電極
13a、80a セグメント電極部
13b、80b 電圧制御電極
14 対向電極
17 液晶(位相変化層)
111、116 反射防止膜
112、113、114、115 層間反射防止膜
132 分離部
172 遮光膜
180、180a 光ヘッド
181 光源
184 光学素子
186 チルトセンサー
189 光記録媒体
212 1/4波長板
220 光記録再生装置
221 モータ
222 処理回路
A、B、C、D、E、133a〜e セグメント電極
V1、V2、Va、Vb、Vc、Vd、Ve 電圧
d 液晶の厚さ
W 分離部の幅

Claims (17)

  1. 複数のセグメント電極を備える電圧印加電極と、
    前記電圧印加電極に対向するように前記電圧印加電極に略平行に配置された対向電極と、
    前記電圧印加電極と前記対向電極との間に配置された位相変化材料からなる位相変化層とを含み、
    前記電圧印加電極は導電性物質からなる電圧制御電極をさらに含み、
    前記電圧制御電極は、外部から印加された電圧を、前記導電性物質の抵抗によって分圧して前記複数のセグメント電極に印加し、
    前記電圧印加電極と前記対向電極との間の電圧差を変化させることによって、前記位相変化層に入射した光の位相を変化させる光学素子であって、
    前記電圧制御電極は、前記位相変化層と重ならない位置に配置されているとともに、前記複数のセグメント電極は、略対称に配置された複数の半円状の電極を含むことを特徴とする光学素子。
  2. 複数のセグメント電極を備える電圧印加電極と、
    前記電圧印加電極に対向するように前記電圧印加電極に略平行に配置された対向電極と、
    前記電圧印加電極と前記対向電極との間に配置された位相変化材料からなる位相変化層とを含み、
    前記電圧印加電極は導電性物質からなる電圧制御電極をさらに含み、
    前記電圧制御電極は、外部から印加された電圧を、前記導電性物質の抵抗によって分圧して前記複数のセグメント電極に印加し、
    前記電圧印加電極と前記対向電極との間の電圧差を変化させることによって、前記位相変化層に入射した光の位相を変化させる光学素子であって、
    前記電圧制御電極は、前記位相変化層と重ならない位置に配置されているとともに、前記複数のセグメント電極は、同心円状に分割された複数の電極を含むことを特徴とする光学素子。
  3. 前記位相変化材料が、前記電圧差によって屈折率が変化する材料である請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 前記位相変化材料が液晶である請求項に記載の光学素子。
  5. 前記位相変化材料が、前記電圧差によって体積が変化する材料である請求項1または2に記載の光学素子。
  6. 前記位相変化材料がPLZTである請求項に記載の光学素子。
  7. 前記電圧印加電極の厚さdaが、da=(2Na+1)λ/2na(ただし、λは入射する光の波長、Naは0以上の整数、naは前記電圧印加電極の屈折率)で表わされる厚さである請求項1ないし6のいずれかに記載の光学素子。
  8. 前記対向電極の厚さdbが、db=(2Nb+1)λ/2nb(ただし、λは入射する光の波長、Nbは0以上の整数、nbは前記対向電極の屈折率)で表わされる厚さである請求項1ないしのいずれかに記載の光学素子。
  9. 入射した光の反射を防止する反射防止膜をさらに含む請求項1ないしのいずれかに記載の光学素子。
  10. 前記電圧印加電極は分離部によって前記複数のセグメント電極に分割されており、
    前記分離部の幅は、前記分離部上に位置する前記位相変化層の全域が前記セグメント電極の影響を受ける幅である請求項1ないしのいずれかに記載の光学素子。
  11. 前記分離部の幅Wと前記位相変化層の厚さdとが、W≦3dの関係を満たす請求項10に記載の光学素子。
  12. 前記電圧印加電極は分離部によって前記複数のセグメント電極に分割されており、
    前記分離部を通過する光を遮光する遮光膜をさらに備える請求項1ないしのいずれかに記載の光学素子。
  13. 前記遮光膜は金属からなる請求項12に記載の光学素子。
  14. 光記録媒体に記録された情報を光によって読み出す光ヘッドであって、
    光源と、前記光記録媒体と前記光源との間に配置された光学素子とを含み、
    前記光学素子は、請求項1ないし13のいずれかに記載の光学素子であることを特徴とする光ヘッド。
  15. 前記光記録媒体と前記光学素子との間に配置されたN/4波長板(ただし、Nは1以上の奇数)をさらに含む請求項14に記載の光ヘッド。
  16. 光記録媒体に対して信号の記録または再生を行う光記録再生装置であって、
    前記光記録媒体に信号の記録または再生を行う光ヘッドを備え、
    前記光ヘッドは光源と、前記光記録媒体と前記光源との間に配置された光学素子とを含み、
    前記光学素子は、請求項1ないし13のいずれかに記載の光学素子であることを特徴とする光記録再生装置。
  17. 前記光記録媒体と前記光学素子との間に配置されたN/4波長板(ただし、Nは1以上の奇数)をさらに含む請求項16に記載の光記録再生装置。
JP35122299A 1998-12-15 1999-12-10 光学素子ならびにこれを用いた光ヘッドおよび光記録再生装置 Expired - Lifetime JP4695739B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35122299A JP4695739B2 (ja) 1998-12-15 1999-12-10 光学素子ならびにこれを用いた光ヘッドおよび光記録再生装置

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1998355677 1998-12-15
JP10-355677 1998-12-15
JP35567798 1998-12-15
JP36054598 1998-12-18
JP10-360545 1998-12-18
JP1998360545 1998-12-18
JP35122299A JP4695739B2 (ja) 1998-12-15 1999-12-10 光学素子ならびにこれを用いた光ヘッドおよび光記録再生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000235727A JP2000235727A (ja) 2000-08-29
JP4695739B2 true JP4695739B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=27341368

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35122299A Expired - Lifetime JP4695739B2 (ja) 1998-12-15 1999-12-10 光学素子ならびにこれを用いた光ヘッドおよび光記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4695739B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3885921B2 (ja) * 2000-03-07 2007-02-28 パイオニア株式会社 収差補正光学装置
KR100748574B1 (ko) * 1999-12-24 2007-08-10 코닌클리케 필립스 일렉트로닉스 엔.브이. 광학 파면 변형기
US20020036958A1 (en) 2000-07-24 2002-03-28 Hidenori Wada Optical element, optical head, optical recording/reproducing apparatus and optical recording/reproducing method
JP2002090784A (ja) * 2000-09-04 2002-03-27 Samsung Electro Mech Co Ltd 光制御素子及びそれを用いた情報記録再生装置並びに情報再生装置
JP2002184017A (ja) * 2000-10-06 2002-06-28 Asahi Glass Co Ltd 光ヘッド装置
WO2002056099A1 (de) * 2001-01-12 2002-07-18 Thomson Licensing S.A. Optisches kompensationselement
JP4547118B2 (ja) * 2001-10-12 2010-09-22 旭硝子株式会社 光ヘッド装置
JP4796343B2 (ja) * 2005-07-05 2011-10-19 シチズンホールディングス株式会社 液晶光学素子及びそれを用いたカメラ、光学的ピックアップ装置
CN110320671A (zh) * 2018-03-30 2019-10-11 京东方科技集团股份有限公司 立体显示装置和立体显示装置的控制方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998012597A1 (en) * 1996-09-20 1998-03-26 Hitachi, Ltd. Liquid crystal display device, production method thereof and mobile telephone

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6318533A (ja) * 1986-07-09 1988-01-26 Hamamatsu Photonics Kk 光デイスクピツクアツプ用レンズ
JP3047082B2 (ja) * 1991-08-27 2000-05-29 株式会社日立製作所 合焦点機構
JP3427648B2 (ja) * 1995-03-22 2003-07-22 凸版印刷株式会社 電極板およびこれを用いた液晶表示装置
JP3795998B2 (ja) * 1996-04-30 2006-07-12 パイオニア株式会社 波面収差補正ユニット、波面収差補正装置及び光ピックアップ
JPH1031200A (ja) * 1996-07-17 1998-02-03 Seiko Epson Corp 液晶駆動用分割電圧発生器
JPH10269611A (ja) * 1997-03-27 1998-10-09 Pioneer Electron Corp 光ピックアップ及びそれを用いた多層ディスク再生装置
JP3538520B2 (ja) * 1997-04-16 2004-06-14 パイオニア株式会社 収差補正用液晶パネル、光ピックアップ及び情報再生装置
JPH11203717A (ja) * 1998-01-09 1999-07-30 Ricoh Co Ltd 光ピックアップ装置及び光ディスク装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998012597A1 (en) * 1996-09-20 1998-03-26 Hitachi, Ltd. Liquid crystal display device, production method thereof and mobile telephone

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000235727A (ja) 2000-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4835437B2 (ja) 液晶レンズ素子および光ヘッド装置
US7034980B2 (en) Optical element, optical head, optical recording reproducing apparatus and optical recording/ reproducing method
US6480454B1 (en) Optical element, optical head using the optical element, and optical recording and reproducing apparatus using the optical element
US6532202B1 (en) Optical element, optical head and optical recording reproducing apparatus
JP4501611B2 (ja) 液晶レンズ素子および光ヘッド装置
JP5042352B2 (ja) 光記録再生装置用光ヘッド
JP4695739B2 (ja) 光学素子ならびにこれを用いた光ヘッドおよび光記録再生装置
JP4733868B2 (ja) 光ヘッドと光記録再生装置
JP3493335B2 (ja) 光学素子、光ヘッド及び光記録再生装置
JP2001143303A (ja) 光ヘッド装置
JP2001176114A (ja) ピックアップ装置及び情報記録再生装置
JP2002319172A (ja) 光ヘッド装置
KR100603871B1 (ko) 광 픽업 장치
JP4082072B2 (ja) 光ヘッド装置
JP4207550B2 (ja) 光ヘッド装置
JP4082085B2 (ja) 光ヘッド装置
JP4085527B2 (ja) 光ヘッド装置
JP4211140B2 (ja) 光学素子、光学ピックアップ、及び光ディスク装置
JP2009009617A (ja) 光ヘッドと光情報装置とコンピュータと映像記録再生装置と映像再生装置とサーバーとカーナビゲーションシステム
JPH10172171A (ja) 開口制限素子及びこれを利用した光へッド装置
JP2004296082A (ja) 光記録媒体
WO2007043579A1 (ja) 光ヘッド、光ヘッドの組立方法及び光記録再生装置
JP2002352470A (ja) 光記録媒体
JP2001141992A (ja) 光学素子と光ヘッドと光記録再生装置
JP2002014314A (ja) 光学素子および光ヘッドおよび光記録再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061012

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090521

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100309

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101019

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110117

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110208

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110228

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140304

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4695739

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

EXPY Cancellation because of completion of term