JP4695499B2 - ネガ型平版印刷版 - Google Patents

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Description

本発明は、感光性平版印刷版に関する。より詳しくは、デジタル信号に基づいてレーザー等の走査露光装置を用いて、画像形成可能な感光性平版印刷版に関する。
感光性組成物は、光反応によって分子構造が化学変化を起こし、その結果、物理現象(物性)に変化が生じる。この光の作用による化学変化としては、架橋・重合・分解・解重合・官能基変換などがあり、溶解度・接着性・屈折率・物質浸透性および相変化など多様である。このような感光性組成物は、印刷版、レジスト、塗料、コーティング剤、カラーフィルターなどの広い分野で実用化されている。さらに、写真製版技術(フォトリソグラフィ)を用いるフォトレジスト分野で活用され、発展してきた。フォトレジストは、光反応による溶解度の変化を利用したもので、高解像度の要求などからいっそうの精緻な材料設計が必要となっている。
広く用いられているタイプの平版印刷版は、アルミニウムベース支持体に塗布された感光性塗膜を有する。この塗膜は、露光された塗膜部分は硬化し、露光されなかった塗膜部分は現像処理で溶出される。このような版をネガ型印刷版という。平版印刷は印刷版表面に形成されたパターンと背景部のそれぞれの親油性、親水性の表面物性を利用し、平版印刷においてインクと湿し水を同時に印刷機上で版面に供給する際に、インクが親油性表面を有するパターン上に選択的に転移することを利用するものである。パターン上に転移したインクはその後ブランケットと呼ばれる中間体に転写され、これから更に印刷用紙に転写することで印刷が行われる。
上記した光反応による溶解度の変化を利用してレリーフ像を形成する感光性組成物は、従来から多くの研究が成されており、また実用化されている。例えば、側鎖にエチレン性不飽和結合を有する重合体と架橋剤と光重合開始剤を主体とする感光性組成物が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)これらは、400nm以下の紫外線領域を中心とした短波長の光に対して感光性を有するものである。
一方、近年、画像形成技術の進歩に伴い、可視光に対して高感度を示す感光性材料が求められるようになってきた。例えば、アルゴンレーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、赤色LED等を用いた出力機に対応した感光性材料及び感光性平版印刷版の研究も活発に行われている。
更に、半導体レーザーの著しい進歩によって700〜1300nmの近赤外レーザー光源を容易に利用できるようになったことに伴い、該レーザー光に対応する感光性材料及び感光性平版印刷版が注目されている。
赤外線レーザー露光による熱で過酸化物の重合開始剤を分解し重合を行う画像形成法の平版印刷用原版が開示されている。(例えば、特許文献2参照。)しかしながら、感度等の安定性、長期保存性を確保するのが難しいという問題があった。このために、感光層上部に酸素バリア性を高めるとともに表面の傷防止等を目的としたポリビニルアルコール等からなるオーバー層を設けられていた。このようなオーバー層の存在によりレーザー露光の際に光の散乱等による画質の低下の問題や、現像の際に、アルカリ現像に先立ってオーバー層除去のためのプレ水洗工程が必要となること、および製造にあたって感光層塗布後に更にオーバー層を塗布する工程が必要である等の問題があった。
上記の問題を解決するために、側鎖に複素環を含む連結基を介してビニル基が置換したフェニル基を有する重合体と光ラジカル発生剤を含有することを特徴とする感光性組成物が開示されている。(例えば、特許文献3参照。)この発明では、レーザー露光により発生したラジカルとの反応部位の構造が上記発明とは異なることから、オーバー層を必要とせず、またさらに、露光後に加熱処理を行わなくても、現像及び印刷に耐えられる画像を得ることができる。しかしながら、感光材料としての画質、保存性に課題を有するものであった。
特公平6−105353号公報 特開2001−166459号公報 特許3654422号公報
本発明の目的は、画質、保存性に優れたネガ型平版印刷版を提供することにある。
本発明の上記目的は、支持体上に少なくとも、ビニル基が置換したフェニル基を側鎖に有する重合体と、750〜1100nmの波長領域に吸収を有する増感剤と、10時間半減期温度が70℃以上200℃未満のアゾ系重合開始剤を含有する記録層を有し、オーバー層を有さないネガ型平版印刷版によって達成された。
本発明により、画質、保存性に優れたネガ型平版印刷版が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いられるバインダーポリマーは、ビニル基が置換したフェニル基を有する重合体であって、前記フェニル基は置換可能な基もしくは原子で置換されていても良く、また、前記ビニル基はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていても良い。上記したビニル基が置換したフェニル基を有する重合体とは、更に詳細には、下記化1で表される基を側鎖に有するものである。
Figure 0004695499
式中、Zは連結基を表し、R、R、及びRは、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。Rは置換可能な基または原子を表す。nは0〜1を表し、mは0〜4の整数を表し、kは1〜4の整数を表す。
化1について更に詳細に説明する。連結基Z1は、複素環を含むものが好ましく、他の基や原子、例えば酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R)−、−C(O)−O−、−C(R)=N−、−C(O)−、スルホニル基、及び下記化2等が単独もしくは2以上が複合した状態で含まれていても良い。ここでR及びRは、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
Figure 0004695499
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、更にこれらの複素環には置換基が結合していても良い。化1で表される基の例を以下に示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 0004695499
Figure 0004695499
上記化1で表される基の中には好ましいものが存在する。即ち、R及びRが水素原子でRが水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)であるものが好ましい。kは1または2であるものが好ましい。
上記の例で示されるような基を有する重合体としては、アルカリ性水溶液に可溶性を有することが好ましく、そのためにカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として含む重合体であることが特に好ましい。この場合、共重合体組成に於ける化1で示される基の割合として、トータル組成100質量%中に於いて化1で示される基は1質量%以上95質量%以下であることが好ましく、これ以下の割合ではその導入の効果が認められない場合がある。また、95質量%以上含まれる場合に於いては、共重合体がアルカリ水溶液に溶解しない場合がある。さらに、共重合体中に於けるカルボキシル基含有モノマーの割合は同じく5質量%以上99質量%以下であることが好ましく、これ以下の割合では共重合体がアルカリ水溶液に溶解しない場合がある。
上記のような重合体の分子量については好ましい範囲が存在し、重量平均分子量で1000から100万の範囲であることが好ましく、さらに1万から30万の範囲にあることが特に好ましい。
本発明に係わる化1で示される基を有する重合体の例を下記に示す。式中、数字は共重合体トータル組成100質量%中に於ける各繰り返し単位の質量%を表す。
Figure 0004695499
Figure 0004695499
本発明の感光性組成物は、近赤外〜赤外光、即ち、750〜1100nmの波長領域のレーザー光を用いた走査露光に対して極めて好適に用いられる。このような近赤外に増感するために用いられる増感色素としてはシアニン、ポリメチン、スクアリリウム色素等を利用することができるが、以下の増感色素を利用することが好ましい。
Figure 0004695499
Figure 0004695499
上記で例示した増感色素の含有量は、感光性組成物1m当たり3〜300mg程度が適当である。好ましくは10〜200mg/mである。
本発明の重合開始剤としては、10時間半減期温度が70℃以上200℃未満の過酸化物およびアゾ化合物から選ばれる少なくとも1種を用いる。赤外線レーザー光を吸収した増感剤から発生する光もしくは熱でこれらの重合開始剤が分解し、ラジカルを発生することで画像を形成する。この10時間半減期温度以下では保存時に経時的に徐々に開始剤が分解し、性能低下が起こる。この範囲以上では、レーザー露光による光もしくは熱で重合開始剤が十分に分解しないために、良好な画像を得ることができない。
ここで、重合開始剤の半減期とは、重合開始剤の濃度が初期値の1/2になるのに要する時間を意味する。ある温度における重合開始剤の分解反応が一次反応であるとみなすことができるので、ある温度において、下式:
log(a/x)=(k/2.303)t
(式中、x:該開始剤の時間tにおける濃度(モル/リットル)、a:該開始剤の初期濃度(同)、k:温度により定まる分解速度定数、t:時間)
で表される関係がある。tに対してaをプロットすることにより、当該温度におけるkを求める。得られたkの値を下式:
t1/2(半減期)=(ln2)/k
に代入することでその温度での半減期を求めることができる。
過酸化物としては、例えば、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ−メチル2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α′ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等がある。
アゾ系重合開始剤としては、例えば、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2′−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等がある。
重合開始剤の添加量は感光性組成物トータル100質量部に対し、0.1〜50質量部、好ましくは0.2〜15質量部である。この範囲より少なすぎると感度が低くなり、多すぎると重合層の皮膜性が劣化する。
本発明の感光性組成物は、分子内に2個以上の重合性二重結合を有する多官能重合性モノマーもしくはオリゴマーの重合性化合物を含有するのが好ましい。かかる重合性化合物の分子量は1万以下で、好ましくは5000以下である。該化合物としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基が置換したフェニル基等の重合性二重結合を2個以上有する化合物が挙げられる。
重合性二重結合としてアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有する化合物としては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールグリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールエポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げられる。
分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上有する重合性化合物を使用した場合、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行うため、高感度で加熱処理を必要としないネガ型感光材料を作製することができる。重合性二重結合としてビニル基が置換したフェニル基を有する化合物は、代表的には下記一般式で表される。
Figure 0004695499
式中、Zは連結基を表し、R21、R22は水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基等を表す。R23は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていても良い。R24は置換可能な基または原子を表す。m2は0〜4の整数を表し、k2は2以上の整数を表す。m3が2以上の場合、R24はそれぞれ同じでも異なっていても良い。
上記一般式について更に詳細に説明する。Zの連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R25)−、−C(O)−O−、−C(R26)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR25及びR26は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらには置換基が結合していても良い。
上記一般式で表される化合物の中でも好ましい化合物が存在する。即ち、R21及びR22は水素原子でR23は水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(メチル基、エチル基等)で、k3は2〜10の化合物が好ましい。以下に具体例を示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 0004695499
Figure 0004695499
Figure 0004695499
上記した重合性化合物の添加量は、バインダー樹脂1質量部に対して0.01質量部から10質量部の範囲で含まれることが好ましく、さらに0.05質量部から1質量部の範囲で含まれることが特に好ましい。
重合促進剤として、アミンやチオール、ジスルフィド等に代表される重合促進剤や連鎖移動触媒等を加えることができる。具体例としては、例えば、N−フェニルグリシン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルアニリン等のアミン類、米国特許4,414,312号公報や特開昭64−13144号公報記載のチオール類、特開平2−29161号公報記載のジスルフィド類、米国特許3,558,322号公報や特開昭64−17048号公報記載のチオン類、特開平2−291560号公報記載のo−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類が挙げられる。重合促進剤の添加量は、好ましくは重合層全固形分の0.1〜5質量%である。この範囲より少なすぎると効果が期待できない。また多すぎると重合層の膜質を劣化させやすくなる。
本発明の感光性組成物は、上述した成分以外にも種々の目的で他の成分を添加することも好ましく行われる。特に、スチリル基の熱重合あるいは熱架橋を防止し長期にわたる保存性を向上させる目的で種々の重合禁止剤を添加することが好ましく行われる。この場合の重合禁止剤としては、ハイドロキノン類、カテコール類、ナフトール類、クレゾール類等の各種フェノール性水酸基を有する化合物やキノン類化合物等が好ましく使用され、特にハイドロキノンが好ましく使用される。この場合の重合禁止剤の添加量としては、該重合体100質量部に対して0.1質量部から10質量部の範囲で使用することが好ましい。
感光性組成物を構成する要素として、他に、画像の視認性を高める目的で種々の染料、顔料を添加することや、感光性組成物のブロッキングを防止する目的等で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
平版印刷版材料として使用する場合の感光層自体の厚みに関しては、支持体上に0.5ミクロンから10ミクロンの範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、さらに1ミクロンから5ミクロンの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために極めて好ましい。感光層は上述の3つの要素を混合した溶液を作成し、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。支持体については、例えばフィルムやポリエチレン被覆紙を使用しても良いが、より好ましい支持体は、研磨され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板である。
上記のようにして支持体上に形成された感光層を有する材料を印刷版として使用するためには、これに密着露光あるいはレーザー走査露光を行い、露光された部分が架橋することでアルカリ性現像液に対する溶解性が低下することから、後述するアルカリ性現像液により未露光部を溶出することでパターン形成が行われる。
アルカリ性現像液としては、本発明に係わるバインダーを溶解する液で有れば特に制限は無いが、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアンモニウムハイドロキサイド等のようなアルカリ性化合物を溶解した水性現像液が良好に未露光部を選択的に溶解し、下方の支持体表面を露出出来るため極めて好ましい。さらには、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等の各種アルコール類をアルカリ性現像液中に添加することも好ましく行われる。こうしたアルカリ性現像液を用いて現像処理を行った後に、アラビアゴム等を使用して通常のガム引きが好ましく行われる。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
厚みが0.24mmである砂目立て処理を行った陽極酸化アルミニウム板を使用して、この上に下記の処方で示される感光性塗工液を乾燥厚みが2.0ミクロンになるよう塗布を行い、75℃の乾燥器内にて6分間乾燥を行った。作製直後、および、40℃にて1ヶ月保存した後のものをサンプルとして使用した。
<感光性塗工液>
重合体(P−1) 12質量部
重合開始剤 1質量部
重合性化合物(C−5) 3質量部
増感色素(S−1) 0.5質量部
ジオキサン 70質量部
シクロヘキサン 20質量部
上記感光性塗工液の重合開始剤の種類を表1のように変化して、参考例の各種感光材料を作製した。
830nm半導体レーザーを搭載した外面ドラム方式プレートセッター、大日本スクリーン製造株式会社製PT−R4000を使用して、ドラム回転速度1000rpm解像度2400dpi、レーザー照射エネルギー100mJ/cmの条件で、作製したサンプルに50%平網露光を行った。露光後に自動現像機として大日本スクリーン製造株式会社製PS版用自動現像機PD−1310を使用し、現像液で現像を行った。現像液は、下記組成のものを使用した。
<現像液>
水酸化カリウム 20g
珪酸カリウム 20g
ペレックスNBL 60g
水 1L
上記のようにして作製した平版印刷版について、網点ドットのエッジ部のシャープさを観察し下記評価基準で画質の評価を行った。結果を表1に示した。
○:画像のエッジ部がシャープで均一な網画像を形成している。
×:画像のエッジ部に凹凸が見られ不均一な網画像を形成している。
Figure 0004695499
実施例1の重合開始剤を表2のものに置き換えて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2にまとめた。
Figure 0004695499
(比較例1)
厚みが0.24mmである砂目立て処理を行った陽極酸化アルミニウム板を使用して、この上に下記の処方で示される感光性塗工液を乾燥厚みが2.0ミクロンになるよう塗布を行い、75℃の乾燥器内にて6分間乾燥を行った。作製直後、および、40℃にて1ヶ月保存した後のものをサンプルとして使用した。
<感光性塗工液>
重合体(P−1) 12質量部
重合開始剤 1質量部
重合性化合物(C−5) 3質量部
増感色素(S−1) 0.5質量部
ジオキサン 70質量部
シクロヘキサン 20質量部
上記感光性塗工液の重合開始剤の種類を表3のように変化して、各種感光材料を作製した。
830nm半導体レーザーを搭載した外面ドラム方式プレートセッター、大日本スクリーン製造株式会社製PT−R4000を使用して、ドラム回転速度1000rpm解像度2400dpi、レーザー照射エネルギー100mJ/cmの条件で、作製したサンプルに50%平網露光を行った。露光後に自動現像機として大日本スクリーン製造株式会社製PS版用自動現像機PD−1310を使用し、現像液で現像を行った。現像液は、下記組成のものを使用した。
<現像液>
水酸化カリウム 20g
珪酸カリウム 20g
ペレックスNBL 60g
水 1L
上記のようにして作製した平版印刷版について、網点ドットのエッジ部のシャープさを観察し下記評価基準で画質の評価を行った。結果を表3に示した。
○:画像のエッジ部がシャープで均一な網画像を形成している。
×:画像のエッジ部に凹凸が見られ不均一な網画像を形成している。
Figure 0004695499
(比較例2)
比較例1の重合開始剤を表4のものに置き換えて、比較例1と同様の評価を行った。結果を表4にまとめた。
Figure 0004695499
表1から4までの結果から明らかなように、10時間半減期温度が70℃以上200℃未満の過酸化物もしくはアゾ系重合開始剤を用いることにより、高画質で、保存性の優れた平版印刷版が得られる。
本発明の活用例として、平版印刷の刷版として利用することが挙げられる。保存性に優れることから、取り扱いやすく、さらに画質が良いので多くの印刷物に利用可能である。

Claims (1)

  1. 支持体上に少なくとも、ビニル基が置換したフェニル基を側鎖に有する重合体と、750〜1100nmの波長領域に吸収を有する増感剤と、10時間半減期温度が70℃以上200℃未満のアゾ系重合開始剤を含有する記録層を有し、オーバー層を有さないネガ型平版印刷版。
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