JP2003029408A - 感光性組成物およびこれを利用した感光性平版印刷版材料 - Google Patents

感光性組成物およびこれを利用した感光性平版印刷版材料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】オーバー層を必要とせず、酸素の影響を受けに
くい高感度な感光性組成物を提供すること。特に750
nm以上の波長範囲のレーザー光源に極めて高い感光性
を有する感光性組成物及び感光性平版印刷版を提供する
こと。 【解決手段】電子供与性置換基を有する縮合芳香族環を
有する有機ホウ素塩、750nm以上の波長に吸収極大
を有する増感色素、アルカリ可溶性バインダーおよび分
子内にラジカル付加可能なエチレン性二重結合を2個以
上有する化合物とを含有することを特徴とする感光性組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は近赤外線に感度を有
するネガ型の感光性組成物に関し、更にこれを利用した
感光性平版印刷版材料に関する。更に詳しくは、近赤外
線レーザー等の走査露光装置を用いて画像形成可能なネ
ガ型の感光性組成物および感光性平版印刷版材料に関す
る。更に、プリント配線基板作成用レジストや、カラー
フィルター、蛍光体パターンの形成等に好適な感光性組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューター上で作成したデジ
タルデータをもとにフィルム上に出力せずに直接印刷版
上に出力するコンピュータートゥープレート(CTP)技
術が開発され、出力機として種々のレーザーを搭載した
各種プレートセッターとこれらに適合する感光性平版印
刷版の開発が盛んに行われている。なかでも750nm
以上の近赤外領域に発光する半導体レーザーやYAGレ
ーザーを利用した出力機においては光源の出力が数10
0mWから数ワットクラスの高出力レーザーが搭載され
ているため、極めて高いエネルギーでの画像形成が可能
となっている。例えば、特開平6−186750号、同
6−199064号、同7−164773号公報等には
レーザー光照射による記録層のアブレーション(溶融除
去)を利用する画像記録方式に関する出願がなされてい
るが、アブレーションにより気散したカスが光学系を汚
染し、次第に記録層に到達するレーザー光強度が低下す
るなどの問題が発生し、むしろアブレーションを起こさ
ないことが出力機側から求められていた。
【0003】高出力近赤外半導体レーザーを利用する他
の画像記録方式として、例えば特開平7−20629
号、同7−271029号、同9−185160号、同
9−197671号、同9−222731号、同9−2
39945号、同10−142780号公報等には潜在
的酸発生剤と近赤外吸収色素の組み合わせにおいて光熱
変換により発生する熱を利用した潜在的酸発生剤の分解
と、このレーザー照射部において生成する酸を利用した
酸触媒熱架橋を用いてネガ型の画像形成方法が開示され
ている。これらの系においては、酸触媒架橋反応により
バインダー樹脂を架橋するためには、レーザー露光後に
オーブン等を用いて100数十度の加熱処理を施す必要
があり、重大な問題点として、この露光後の熱処理条件
を記録画像面全体にわたり均一に行う必要があることで
あり、熱処理が不十分であれば現像時に画像の欠落が発
生し、或いは、加熱処理温度が部分的に高い場合や、加
熱時間が長引くなどした場合には、現像進行性が低下
し、残膜残りや溶出不良の問題が発生した。実用的には
こうした熱処理を均一に行うことは、特に記録面積が広
い場合などでは極めて困難であり、露光後の加熱処理を
回避する手段が強く求められていた。
【0004】従来技術に於けるネガ型の記録材料に求め
られていたのは、アブレーションの発生がなく、高感度
でありかつ露光後の加熱処理が不要であるような材料で
あった。高感度化に関しては、上記の光熱変換を利用し
たヒートモード記録ではなく、従来からの高感度フォト
ポリマー技術の応用であるフォトンモード記録を近赤外
光に応用した系として、例えば特開2000−1222
74号、同2000−131833号、同2000−1
81059号、同2000−194124号公報などに
は光重合開始剤とエチレン性不飽和化合物を含むフォト
ポリマー系において、光重合開始剤を近赤外光において
分光増感する種々の色素を用いることにより高感度なネ
ガ型記録材料が与えられている。しかしながら、これら
の場合においても、従来技術の高感度フォトポリマーの
場合と同様に、感光層上部にポリビニルアルコール等を
用いた保護層(オーバー層)を形成し、重合連鎖反応を
阻害する酸素の影響を遮断する必要があった。しかしな
がら、こうした酸素バリヤー層は高湿度雰囲気下で水分
を吸収し、記録材料が重ねられている場合に容易にブロ
ッキングを発生し、記録材料同士あるいは記録材料間に
挿入される合紙等に張り付くことで、出力機への記録材
料の二重送りや合紙除去不良等のトラブルの発生原因と
もなっていた。さらには、オーバー層の存在によりレー
ザー露光の際に光の散乱等による画質の低下の問題や、
現像の際に、アルカリ現像に先立ってオーバー層除去の
ためのプレ水洗工程が必要となること、および製造にあ
たって感光層塗布後に更にオーバー層を塗布する工程が
必要である等の問題があった。
【0005】さらには、上記のような従来技術において
は、重合連鎖を利用するため、露光エネルギーと現像後
の残膜率との関係において軟調な画像再現が起こり易
く、感光特性が一般に軟調化であることから、特にレー
ザー走査露光においては細線や網部微小点のエッジ部分
がなだらかに再現されるため、コントラストが不足した
画像再現となり、これらを特に印刷版として使用した場
合に、印刷刷り枚数を重ねて行くと次第に細線が細り、
網%が減少する問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、オーバー層を必要とせず、酸素の影響を受けにくい
高感度なネガ型感光性組成物を提供することにある。特
に750nm以上の近赤外レーザー光源に充分高い感光
性を有する感光性組成物及び感光性平版印刷版を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、電
子供与性置換基を有する縮合芳香族環を有する有機ホウ
素塩、750nm以上の波長に吸収極大を有する増感色
素、アルカリ可溶性バインダーおよび分子内にラジカル
付加可能なエチレン性二重結合を2個以上有する化合物
とを含有することを特徴とする感光性組成物を用いるこ
とによって基本的に達成された。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる有機ホウ素塩は、ホウ素原子に3個
の縮合芳香族環と1個のアルキル基がそれぞれ独立に連
結し、かつ前記縮合芳香族環の少なくとも1個が電子供
与性置換基を有する化合物が好ましい。より好ましく
は、ホウ素原子に連結した3個の縮合芳香族環がそれぞ
れ電子供与性置換基を有する化合物である。前記縮合芳
香族環には、電子吸引性置換基は有しないのが好ましい
が、電子吸引性置換基を有している場合でも、置換基全
体としてのハメットの置換基定数σ値は負であることが
重要である。以下に本発明に用いられる有機ホウ素塩の
好ましい化合物の一般式を示す。
【0009】
【化2】
【0010】式中、D1,D2,D3は縮合芳香族環を表
す。R3,R4,及びR5は各々独立して置換可能な基も
しくは原子を表し、p、q、rは各々0または1以上の
整数を表すが、R3,R4,及びR5の内の少なくとも1
つは電子供与性置換基である。R6はアルキル基を表
し、A+はカチオンを表す。
【0011】上記において、縮合芳香族環とは2つ以上
の芳香族環が2個もしくは2個以上の原子を共有した形
で一体化している多環式化合物を指し、具体的にはナフ
タレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン
環等が挙げられる。電子供与性置換基とはハメット則に
おけるパラ位に置換した場合の置換基定数σ値が負であ
る置換基であり、アルキル基、アリール基、アルキルオ
キシ基、アルキルアミノ基等が好ましい例として挙げら
れ、これらには任意の置換基が更に結合していても良
い。
【0012】上記において、好ましくは、R3,R4,及
びR5がそれぞれ電子供与性置換基を含む場合である。
p、q、rが2以上の整数の場合、R3,R4,及びR5
はそれぞれ複数存在するが、この場合、置換可能な基も
しくは原子は同じであっても異なっていても良い。
3,R4,及びR5がそれぞれ複数存在する場合、R3
4,及びR5のそれぞれにおける置換基合計のハメット
置換規定数σ値は負であることが好ましい。本発明にお
いて特に好ましくは、R3,R4,及びR5がそれぞれ電
子供与性置換基のみで構成される場合である。
【0013】置換基が結合した有機ホウ素塩化合物に関
して、例えば特開平9−188686号公報にはハメッ
ト則における置換基定数σ値が正である電子吸引性基が
置換した芳香環が結合した有機ホウ素塩化合物により酸
基を有するバインダー中における該ホウ素塩化合物の安
定性が向上することが記載されており、あるいは、特開
2000−319283号公報には芳香環のオルト位に
電子供与性置換基を有し、かつ電子吸引性置換基を併せ
て導入することで置換基全体としての効果は上記σ値が
正の値を示し、電子吸引性である有機ホウ素塩化合物に
よる高感度化と保存安定性の両立が記載されている。ま
た、特開2001−75276号公報には同様に電子吸
引性置換基を有する有機ホウ素塩化合物と赤外吸収色素
を組み合わせた感光性組成物が記載されているが、感度
的には低く本発明が目的とする高感度レベルには到底到
達できないものであった。
【0014】上記のような従来技術で共通する事項はハ
メット置換基定数σ値が正である電子吸引性基が導入さ
れた芳香族環がホウ素原子に結合することで安定性が向
上することを示しているが、本発明との最大の相違点
は、本発明においてはσ値が負である電子供与性置換基
が結合した縮合芳香環がホウ素原子に結合した有機ホウ
素塩化合物を用いることであり、これにより感度が大幅
に向上することを見出したものである。加えて保存安定
性に関しては本発明の構成で使用する場合においては極
めて良好な安定性を示すことを見出したものである。
【0015】上記化2においてカチオンを表すA+とし
ては、アルカリ金属イオンおよびオニウム化合物が好ま
しく使用される。特に好ましい例は、オニウム塩とし
て、テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム
塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、
ジアリールヨードニウム塩等のヨードニウム塩、トリア
リールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙
げられる。本発明に関わる特に好ましい有機ホウ素塩の
例を下記に示す。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】上記のような本発明に関わる有機ホウ素塩
化合物の感光層中に於ける割合については好ましい範囲
が存在し、感光層を構成する全成分100重量部に対し
て、0.5重量部から50重量部の範囲で存在すること
が好ましく、さらには1重量部から30重量部の範囲で
含まれている場合が最も好ましい。
【0019】本発明の感光性組成物は、750nm以上
の赤外光の各種光源に対応できるように、750nm以
上の赤外光領域に吸収を有し、前述の有機ホウ素塩を分
光増感する色素を併せて含有する。このような増感色素
として、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、メロ
シアニン系色素、ポリフィリン系色素、ポリエン系色
素、アゾ系色素、トリフェニルアミン系色素、ポリメチ
ンアクリジン系色素、スチリル系色素、スクアリリウム
系色素、(チオ)ピリリウム系色素などが挙げられる。
本発明で用いることが出来る好ましい増感色素の例を以
下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】上記のような本発明に関わる有機ホウ素塩
化合物を分光増感する近赤外吸収色素の感光層中に於け
る割合については好ましい範囲が存在し、感光層を構成
する全成分100重量部に対して、0.1重量部から3
0重量部の範囲で存在することが好ましく、さらには
0.1重量部から20重量部の範囲で含まれている場合
が最も好ましい。
【0023】本発明において使用されるアルカリ可溶性
バインダーとはアルカリ性水溶液に溶解もしくは除去可
能なバインダーであり、バインダーを構成する繰り返し
単位中に水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル
基、アンモニウム塩基などの置換基を有するバインダー
であることが好ましく、特にカルボキシル基を有するバ
インダーである場合が最も好ましく用いることが出来
る。
【0024】上記の特に好ましいカルボキシル基を有す
るアルカリ可溶性バインダーとしては、各種共重合体バ
インダーであることが好ましく、カルボキシル基を有す
るモノマーと他の任意の共重合可能なモノマーとの共重
合により得られるバインダーであることが最も好まし
い。共重合体中に於けるカルボキシル基含有モノマーの
割合は5重量%以上99重量%以下であることが好まし
く、これ以下の割合では共重合体がアルカリ水溶液に溶
解しない場合がある。カルボキシル基含有モノマーとし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−カル
ボキシエチルエステル、メタクリル酸2−カルボキシエ
チルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マ
レイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキル
エステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げ
られる。
【0025】本発明に於いて特に好ましい上記アルカリ
可溶性バインダーとして、上記のカルボキシル基を有す
る共重合体であり、かつ側鎖にラジカル付加可能なエチ
レン性二重結合を有するポリマーである場合に最も高感
度である感光性組成物を与えることから特に好ましい。
こうした側鎖に二重結合を有するポリマーの例として
は、例えば特公昭49−34041号、同平6−105
353号、特開2000−187322号公報などに記
載されるような種々のポリマーが好ましく使用される。
本発明に於いて好ましく使用されるポリマーの例を下記
に示す。式中、数字は共重合体トータル組成100重量
%中に於ける各繰り返し単位の重量%を表す。
【0026】
【化7】
【0027】上記のような側鎖に二重結合を有するポリ
マーの更に好ましい例として、該二重結合が下記化8に
示されるような特定の構造を有する場合が特に高感度で
且つ酸素の影響を受け難く、酸素遮断のためのオーバー
層を必要としないため極めて好ましい。
【0028】
【化8】
【0029】式中、R1は水素原子またはメチル基を表
し、R2は水素原子以外の置換可能な任意の原子または
基を表す。kは0から4までの整数を表す。
【0030】上記の側鎖に化8で示される置換基を有す
るポリマーとは、該置換基が直接もしくは連結基を介し
て主鎖と結合したものであり、連結基としては特に限定
されず、任意の基、原子またはそれらの複合した基が挙
げられる。上記した側鎖に化8で示される置換基を有す
る重合体とは、更に詳細には、下記化9で表される基を
側鎖に有するものである。
【0031】
【化9】
【0032】式中、Z1は連結基を表し、n1は0または
1を表し、m1は0〜4の整数を表し、k1は1〜4の整
数を表す。
【0033】化9について更に詳細に説明する。Z1
連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、
アルケニレン基、アリーレン基、−N(R3)−、−C
(O)−O−、−C(R4)=N−、−C(O)−、ス
ルホニル基、複素環基、及び下記化10で表される基等
の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここ
でR3及びR4は、水素原子、アルキル基、アリール基等
を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリ
ール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
【0034】
【化10】
【0035】上記複素環基としては、ピロール環、ピラ
ゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾ
ール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサ
ジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チア
ジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、イ
ンダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾ
ール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、
ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリ
ジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ト
リアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複
素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、更にこれ
らの複素環には置換基が結合していても良い。
【0036】化8で表される基の好ましい例を以下に示
すが、これらの例に限定されるものではない。
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】上記化9における連結基としては複素環を
含むものが好ましく、k1は1または2であるものが好
ましい。
【0041】上記の種々の例で示されるような二重結合
を有するポリマーとしては、アルカリ性水溶液に可溶性
を有することが好ましく、そのためにカルボキシル基含
有モノマーを共重合成分として含む重合体であることが
特に好ましい。この場合、共重合体組成に於ける二重結
合の割合として、トータル組成100重量%中に於いて
化8で示されるような二重結合を有する基の割合は1重
量%以上95重量%以下であることが好ましく、これ以
下の割合ではその導入の効果が認められない場合があ
る。また、95重量%以上含まれる場合に於いては、共
重合体がアルカリ水溶液に溶解しない場合がある。さら
に、共重合体中に於けるカルボキシル基含有モノマーの
割合は同じく5重量%以上99重量%以下であることが
好ましく、これ以下の割合では共重合体がアルカリ水溶
液に溶解しない場合がある。
【0042】上記のカルボキシル基含有モノマーとして
は、先に述べたようにアクリル酸、メタクリル酸、アク
リル酸2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸2
−カルボキシエチルエステル、クロトン酸、マレイン
酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマ
ル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等
のような例が挙げられる。
【0043】カルボキシル基を有するモノマー以外にも
共重合体中に他のモノマー成分を導入して多元共重合体
として合成、使用することも好ましく行うことが出来
る。こうした場合に共重合体中に組み込むことが出来る
モノマーとして、スチレン、4−メチルスチレン、4−
ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カ
ルボキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチル
スチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メ
タクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタク
リル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステ
ル類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエ
チレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシ
ポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポ
リプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオ
キシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸
2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチル
アミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル
類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメ
タクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有
するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリ
ルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー
類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルス
ルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその
塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等の
スルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジ
ン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N
−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマ
ー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーと
して4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアク
リルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビ
ニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、
4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いは
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリル
アミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、
ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルア
ミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−
ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミド
もしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒ
ドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン
酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、また
メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニ
ルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリ
ロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレ
ート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコー
ル、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレ
ート等各種モノマーを適宜共重合モノマーとして使用す
ることが出来る。これらのモノマーの共重合体中に占め
る割合としては、先に述べた共重合体組成中に於ける化
8で示すような二重結合を有する基およびカルボキシル
基含有モノマーの好ましい割合が保たれている限りに於
いて任意の割合で導入することが出来る。
【0044】上記のようなポリマーの分子量については
好ましい範囲が存在し、重量平均分子量で1000から
100万の範囲であることが好ましく、さらに1万から
30万の範囲にあることが特に好ましい。
【0045】上記のような本発明のポリマーの感光層中
に於ける割合については好ましい範囲が存在し、感光層
を構成する全成分100重量部に対して、10重量部か
ら80重量部の範囲で存在することが好ましく、さらに
は20重量部から80重量部の範囲で含まれている場合
が最も好ましい。
【0046】本発明に係わる化8で示される基を有する
ポリマーの例を下記に示す。式中、数字は共重合体トー
タル組成100重量%中に於ける各繰り返し単位の重量
%を表す。
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】
【化17】
【0051】
【化18】
【0052】本発明は、上記した重合体と併せて、分子
内にラジカル付加可能なエチレン性二重結合を2個以上
有する化合物を含有する。好ましい化合物の例として
は、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌ
レート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールグリセロールトリアクリレート、グリ
セロールエポキシトリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート
等の多官能アクリル系モノマー、或いは、アクリロイル
基、メタクリロイル基を導入した各種重合体としてポリ
エステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アク
リレート、エポキシ(メタ)アクリレート等も同様に使
用される。
【0053】上記したようなアクリレート系化合物と、
本発明の重合体の比率に関しては好ましい範囲が存在
し、該重合体1重量部に対してアクリレート系化合物は
1重量部から100重量部の範囲で含まれることが好ま
しく、さらに5重量部から100重量部の範囲で含まれ
ることが好ましい。
【0054】分子内にラジカル付加可能なエチレン性二
重結合を2個以上有する化合物のより好ましい例とし
て、前記化8で示す置換基を分子内に2個以上有する低
分子化合物(以降、本発明のモノマーと称し、分子量は
数千以下である)を含有することでより高感度で硬調な
調子再現性を示す感光性組成物を与えることから好まし
い。本発明のモノマーを使用した場合、本発明の重合体
と併せて用いることにより、有機ホウ素塩化合物の光分
解により発生するラジカルが付加することで生成するス
チリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行う
ため、高感度のネガ型感光材料を作成することができ
る。本発明のモノマーは、代表的には下記一般式で表さ
れる。
【0055】
【化19】
【0056】式中、Z2は連結基を表す。R7は水素原子
またはメチル基を表す。R8は置換可能な基または原子
を表す。k2は2以上の整数を表し、m2は0〜4の整数
を表す。
【0057】化19について更に詳細に説明する。Z2
の連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン
基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R5)−、
−C(O)−O−、−C(R6)=N−、−C(O)
−、スルホニル基、複素環基等の単独もしくは2以上が
複合した基が挙げられる。ここでR5及びR6は、水素原
子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した
連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等
の置換基を有していてもよい。
【0058】上記複素環基としては、ピロール環、ピラ
ゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾ
ール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサ
ジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チア
ジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、イ
ンダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾ
ール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、
ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリ
ジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ト
リアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複
素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらに
は置換基が結合していても良い。
【0059】上記化19で表される化合物の中でも好ま
しい化合物が存在する。以下に化19で表される化合物
の好ましい具体例を示すが、これらの例に限定されるも
のではない。
【0060】
【化20】
【0061】
【化21】
【0062】
【化22】
【0063】上記した本発明のモノマーの添加量は、本
発明の重合体100重量部に対して1重量部から200
重量部の範囲で含まれることが好ましく、さらに5重量
部から100重量部の範囲で含まれることが特に好まし
い。さらには、本発明のモノマーに加えて、上述した種
々のアクリレート系化合物を併せて用いることも好まし
く行われる。この場合の本発明のモノマーとアクリレー
ト系化合物の比については1:0から1:10の範囲で
含まれる場合が好ましい。
【0064】本発明に関わる前記有機ホウ素塩化合物に
加えて、他の公知である各種光重合開始剤を併せて用い
ることでより感度の向上した感光性組成物が与えられる
ことがある。こうした目的で使用することが可能な他の
光重合開始剤の例としては、(a)芳香族ケトン類、
(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、
(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(e)ケ
トオキシムエステル化合物、(f)アジニウム化合物、
(g)活性エステル化合物、(h)トリハロアルキル置
換化合物等が挙げられる。
【0065】本発明において、上記の例において有機ホ
ウ素塩化合物とともに併用することが好ましい光重合開
始剤として特にトリハロアルキル置換化合物が挙げられ
る。トリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリ
クロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアル
キル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であ
り、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒
素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導
体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、
該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環
或いは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホ
ニル化合物が挙げられる。
【0066】トリハロアルキル置換した含窒素複素環化
合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好まし
い例を化22および化23に示す。
【0067】
【化23】
【0068】
【化24】
【0069】上記のようなトリハロアルキル置換化合物
を有機ホウ素塩化合物とともに使用する場合には、前者
の感光層中に於ける割合については好ましい範囲が存在
し、感光層を構成する全成分100重量部に対して、
0.5重量部から50重量部の範囲で存在することが好
ましく、さらには1重量部から30重量部の範囲で含ま
れている場合が最も好ましい。
【0070】最も好ましい系として、本発明のポリマー
および本発明のモノマーと該有機ホウ素塩化合物を組み
合わせて用いることにより、従来技術である通常のバイ
ンダーと多官能性アクリレート化合物との組み合わせに
よる系と比較して、保存性を向上させるために添加され
る重合禁止剤による感度低下の影響を受け難く、酸素に
よる阻害も受けにくい為に光硬化が極めて効率的に生じ
るため、感度が飛躍的に向上することが挙げられる。
【0071】従来のような光ラジカル重合を利用する場
合には、大気中の酸素の影響を受けやすく、一般に酸素
バリヤ性を有するポリビニルアルコールのような樹脂を
感光層の表面にオーバー層として設ける必要がった。ま
た、露光後に重合を促進あるいは完結させるため100
℃前後の温度で数分間程度加熱処理を行う必要があっ
た。
【0072】これに対して、本発明の重合体および本発
明のモノマーを併せて使用する場合には、上記のような
オーバー層を設けなくとも十分に光硬化する系を与え、
かつ、露光後に加熱処理を行う必要がないことが特徴で
あり、さらに近赤外吸収色素と有機ホウ素塩化合物ある
いはこれらとトリハロアルキル置換化合物などの増感剤
を組み合わせて用いることによって高感度の感光性組成
物が得られる点が特徴として挙げられる。また、本発明
の感光性組成物は、潜像退行の極めて小さいことが特徴
として挙げられる。
【0073】本発明の効果の一つとして重要な点は、感
光特性として硬調な画像再現を与えることであり、レー
ザー走査露光用感光性組成物として特に好ましく用いる
ことが出来る点である。特に光源として750nm以上
に発光する近赤外レーザーを光源として用いた場合に、
画像のエッジ部が先鋭に再現され、高解像度の画質を与
えることから極めて好ましく使用することが出来る。
【0074】さらには、感光体の感度保存性の点におい
ても、本発明の重合体およびモノマーの使用により有機
ホウ素塩化合物の相溶性が向上すると共に、感光体中で
の各成分の拡散が低下(マトリックスのガラス転移温度
が高い)するためと推測されるが、高温高湿度下での保
存においても安定した感度を示すことが特徴の一つであ
る。
【0075】本発明の感光性組成物は、上述した成分以
外にも種々の目的で他の成分を添加することも好ましく
行われる。特に、スチリル基の熱重合あるいは熱架橋を
防止し長期にわたる保存性を向上させる目的で種々の重
合禁止剤を添加することが好ましく行われる。この場合
の重合禁止剤としては、ハイドロキノン類、カテコール
類、ナフトール類、クレゾール類等の各種フェノール性
水酸基を有する化合物やキノン類化合物、N−ニトロソ
フェニルヒドロキシルアミン塩類等が好ましく使用され
る。この場合の重合禁止剤の添加量としては、該重合体
100重量部に対して0.1重量部から10重量部の範
囲で使用することが好ましい。
【0076】感光性組成物を構成する要素として、他
に、画像の視認性を高める目的で種々の染料、顔料を添
加することや、感光性組成物のブロッキングを防止する
目的等で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加する
ことも好ましく行われる。
【0077】平版印刷版材料として使用する場合の感光
層自体の厚みに関しては、支持体上に0.5ミクロンか
ら10ミクロンの範囲の乾燥厚みで形成することが好ま
しく、さらに1ミクロンから5ミクロンの範囲であるこ
とが耐刷性を大幅に向上させるために極めて好ましい。
感光層は上述の3つの要素を混合した溶液を作成し、公
知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥され
る。支持体については、例えばフィルムやポリエチレン
被覆紙を使用しても良いが、より好ましい支持体は、研
磨され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板である。
【0078】上記のようにして支持体上に形成された感
光層を有する材料を印刷版として使用するためには、こ
れに密着露光あるいはレーザー走査露光を行い、露光さ
れた部分が架橋することでアルカリ性現像液に対する溶
解性が低下することから、後述するアルカリ性現像液に
より未露光部を溶出することでパターン形成が行われ
る。
【0079】アルカリ性現像液としては、本発明の重合
体を溶解する液で有れば特に制限は無いが、好ましく
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウ
ム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリ
ウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、トリエチルアンモニウムハイドロ
キサイド等のようなアルカリ性化合物を溶解した水性現
像液が良好に未露光部を選択的に溶解し、下方の支持体
表面を露出出来るため極めて好ましい。さらには、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、グリセリン、ベンジルアルコール等の各種アルコ
ール類をアルカリ性現像液中に添加することも好ましく
行われる。こうしたアルカリ性現像液を用いて現像処理
を行った後に、アラビアゴム等を使用して通常のガム引
きが好ましく行われる。
【0080】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0081】実施例1〜4および比較例1〜4 厚みが0.24mmである砂目立て処理を行った陽極酸
化アルミニウム板を使用して、この上に下記の処方で示
される感光性塗工液を乾燥厚みが2.0ミクロンになる
よう塗布を行い、75℃の乾燥器内にて6分間乾燥を行
った。 <感光性塗工液> 本発明の重合体(P−1) 12重量部 有機ホウ素塩化合物(表1) 1重量部 トリハロアルキル置換化合物(T−4) 0.7重量部 近赤外吸収色素(表1) 0.3重量部 10%フタロシアニン分散液(着色剤) 0.6重量部 ジオキサン 70重量部 シクロヘキサノン 20重量部
【0082】
【表1】
【0083】
【化25】
【0084】得られた感光材料を次のようにして露光を
行った。即ち、色温度3100Kのハロゲンランプを光
源とし、780nm以下の波長の光をカットする光学フ
ィルターを透過する光量が2mW/cm2になるように
光量を調整し、濃度差0.15間隔のステップウェッジ
を有するコントロールウェッジ(富士写真フィルム製)
を通して10秒間露光を行った。露光後、ケイ酸カリウ
ムを1重量%および水酸化カリウム2重量%、ノニオン
性界面活性剤0.1重量%を含有するアルカリ性現像液
で現像を行った。現像処理後に、アルミ板上に形成され
たステップウェッジのパターンにおいて、画像として残
る最大のステップ段数(S1)および画像濃度が飽和値
になるまでのステップ段数(S2)を感度として求め
た。これらの数値が大きいほど感度が高いことを表し、
両者の数値の差が小さいほど調子再現性が硬調であるこ
とを表す。それらの結果を表3にまとめた。比較例3に
おいては明瞭な画像は形成されなかった。比較例1およ
び2においては画像は形成されたが、残存する画像の反
射濃度は現像前と比べ大きく低下しており飽和濃度に達
するS2の値は求められなかったが、階調性は軟調であ
った。比較例4においては比較的高感度である結果が得
られたが、実施例との比較に於いては感度は低く、調子
もやや軟調であった。
【0085】
【表2】
【0086】実施例5〜7 上記実施例1〜3で作成した試料を用いて、波長830
nmの半導体レーザー(出力1W)を利用し、外面ドラ
ム型走査露光装置を使用してレーザースポット径20ミ
クロンに調整し、版面パワーを変化させて走査露光を行
った。現像は先の実施例と同様に行い、画像が現像後に
形成される最小の版面エネルギーを求め、下記の表のよ
うな結果が得られた。
【0087】
【表3】
【0088】実施例8、9および比較例9 下記の配合処方からなる感光塗液を作成し、グラビアコ
ーターにて陽極酸化処理済みアルミベースコイル(厚み
0.24mm)を使用して、400mm幅で長さ200
mにわたり塗布を行った。乾燥ゾーンの長さは10mで
あり、乾燥温度は70℃に設定した。塗布速度は10m
/分で行った。塗布量は乾燥塗布量において実測値2.
4g/m2であった。 <感光性塗工液> 本発明の重合体(P−1) 11重量部 本発明のモノマー(C−1) 4重量部 有機ホウ素塩化合物(表4) 1.2重量部 トリハロアルキル置換化合物(T−2) 0.6重量部 近赤外吸収色素(表1) 0.4重量部 10%フタロシアニン分散液(着色剤) 0.5重量部 ジオキサン 70重量部 シクロヘキサノン 20重量部
【0089】
【表4】
【0090】上記のようにして作成した試料を400m
m×560mmのサイズに裁断し、プレートセッターと
して大日本スクリーン製造(株)製PT−R4000
(830nmLD搭載)を使用して露光を行った。露光
条件として、ドラム回転速度1000rpm、露光エネ
ルギーとして実施例8および9では10mJ/cm2
比較例9では70mJ/cm2になるように露光を行っ
た。露光後のプレートはPS版用自動現像装置PD−9
12−M(大日本スクリーン製造(株)製)を使用して
先の実施例で使用した現像液を用いて現像を行った。何
れの場合もプレート上の画像は20ミクロン細線が明瞭
に再現されており、走査型電子顕微鏡観察においても画
線のエッジ部分が切り立った形で先鋭な画線プロファイ
ルを示していた。このものを通常のオフセット印刷を行
うため、印刷機はRyobi−560を使用し、印刷イ
ンキは大日本インキ(株)製Fグロス墨Bを使用し、湿
し水は市販の湿し水を希釈して使用した。印刷評価項目
として刷り始めからの紙へ転写するインキ濃度が十分で
かつ安定化するまでの刷り枚数を以てインキ乗りとし、
この枚数が少ないほど良好と評価した。また耐刷性につ
いてはテスト画像中の微小網点および細線が欠落し始め
るまでの刷り枚数を以て評価を行った。また、地汚れの
有無は印刷物上の地汚れの有無を以て目視判定を行っ
た。結果として実施例8および9で作成した感光性平版
印刷版を使用した場合には、インキ乗りはいずれも5枚
以下で良好であり、耐刷性に関しては20万枚の印刷に
おいても良好な印刷物が得られた。また、地汚れの発生
もなく良好な結果が得られた。一方、比較例9で得られ
た印刷版についてはインキ乗り枚数は20枚であり、耐
刷性に関しては7万枚で、劣った結果となった。尚、全
ての実施例に於いて、試料を50℃相対湿度80%の雰
囲気下で2週間保存した後、同様に露光および現像を行
ったところ、感度および現像性において変化は認められ
ず、良好な保存安定性を示した。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、オーバー層を必要とせ
ず、酸素の影響を受けにくい高感度な感光性組成物が得
られる。特に750nm以上の波長範囲のレーザー光源
に極めて高い感光性を有する感光性組成物及び感光性平
版印刷版が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/029 G03F 7/029 7/031 7/031 Fターム(参考) 2H025 AA01 AB03 AB13 AB15 AC01 AC08 AD01 BC17 BC31 BC51 BC85 CA14 CA28 CA41 CA50 CB10 CB14 CB43 CB52 FA03 FA17 2H096 AA07 AA26 AA28 BA05 BA06 BA20 EA04 GA08 4J011 AA05 QA12 QA19 QA22 QA23 QA24 QA25 QA26 QA39 QA40 QB02 QB12 QB19 QB24 SA87 SA88 UA06 4J027 AA01 AB01 AC03 AC04 AE01 AG01 BA01 BA17 BA19 BA21 BA23 BA24 BA26 BA27 CB10 CC04 CD10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性置換基を有する縮合芳香族環
    を有する有機ホウ素塩、750nm以上の波長に吸収極
    大を有する増感色素、アルカリ可溶性バインダーおよび
    分子内にラジカル付加可能なエチレン性二重結合を2個
    以上有する化合物とを含有することを特徴とする感光性
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ可溶性バインダーとして、
    側鎖にラジカル付加可能なエチレン性二重結合を有し、
    かつカルボキシル基を有するポリマーである請求項1に
    記載の感光性組成物。
  3. 【請求項3】 前記バインダーとして側鎖に化1で示さ
    れる置換基を有し、かつカルボキシル基を有するポリマ
    ーである請求項1に記載の感光性組成物。 【化1】 式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は置換
    可能な任意の原子または基を表す。kは0から4までの
    整数を表す。
  4. 【請求項4】 請求項1における分子内にラジカル付加
    可能なエチレン性二重結合を2個以上有する化合物とし
    て、分子内に前記化1で示される置換基を2個以上有す
    る低分子化合物である請求項1に記載の感光性組成物。
  5. 【請求項5】 更にハロアルキル置換化合物を含むこと
    を特徴とする請求項1〜4に記載される感光性組成物。
  6. 【請求項6】 750nm以上に発光する近赤外半導体
    レーザー用である請求項1〜5に記載の感光性組成物。
  7. 【請求項7】 前記請求項のいずれか1つに記載の感光
    性組成物を利用したことを特徴とする感光性平版印刷版
    材料。
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