JP4695185B2 - 状態検出装置及び状態検出方法並びに状態検出用プログラム及び情報記録媒体 - Google Patents

状態検出装置及び状態検出方法並びに状態検出用プログラム及び情報記録媒体 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、状態検出装置及び状態検出方法並びに状態検出用プログラム及び情報記録媒体の技術分野に属し、より詳細には、直動転がり案内装置の動作中における当該直動転がり案内装置の動作状態を検出する状態検出装置及び状態検出方法並びに当該動作状態検出のための状態検出用プログラム及び当該状態検出用プログラムがコンピュータで読取可能に記録された情報記録媒体の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、レールと、当該レール上をその長手方向に移動する移動ブロックと、当該レールと当該移動ブロックとの間に介在してそれ自体が回転(自転)しつつ循環(公転)して当該移動ブロックを高精度に移動させる複数のボール(転動体)と、を含む、いわゆる直動転がり案内装置が広く一般化しており、具体的には、工作機械の作業台の三次元運動や、振り子電車における振り子運動を支持する部材、更には建物の免震構造にまで活用範囲が広がっている。なお、当該直動転がり案内装置としては、上述した移動ブロックとレールとにより構成されるものの他に、いわゆるボールねじと称されるものもある。
【0003】
そして、このような活用範囲の広がりに伴い、直動転がり案内装置における故障予防についても要求が高まっており、そのための動作状態の診断法についても高精度のものが求められている。
【0004】
ここで、直動転がり案内装置を除く従来の一般的な機械システム(例えばボールベアリングを含む回転用転がり軸受装置等)における動作状態の診断方法としては、例えば下記特許文献1等に示されるように、その機械システムにおける振動の発生状態を監視して動作状態の診断を行う振動検出法、その機械システムに用いられている潤滑油を取り出してその質を評価することで動作状態の診断を行う油評価法、その機械システム内において潤滑油を介して駆動されている部材間の電気抵抗を測定して動作状態の診断を行う電気抵抗法、又はその機械システム内において潤滑油を介して駆動されている部材の温度を、熱電対等を用いて測定して動作状態の診断を行う温度測定法等がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2004−93357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの診断方法を直動転がり案内装置に適用した場合、以下の如き問題点があった。
【0007】
すなわち、振動検出法を用いた場合は、直動転がり案内装置においては転動体としてのボールが自ら自転しつつ循環部内を公転することから、振動の発生源が多く、本来検出すべき上記動作状態の異常に起因する振動を正確に検出できないという問題点があった。
【0008】
また、油評価法を用いた場合は、診断対象である直動転がり案内装置における使用前の潤滑油と使用後の潤滑油を夫々にその装置自体から取り出して検査する必要があり、診断結果が得られるまでに余分な時間が必要となると共に直動転がり案内装置自体を一旦停止させて潤滑油の取り出し作業を行う必要があり、動作効率が低下するという問題点があった。
【0009】
更に、電気抵抗法及び温度測定法を用いた場合は、共に電気的な雑音に対して脆弱であると共に上記移動ブロックの移動速度が遅いときは測定ができない場合があるという問題点があった。
【0010】
従って、従来では、直動転がり案内装置の動作状態を実時間で(すなわち、リアルタイムに)正確に診断することは困難だった。
【0011】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題は、直動転がり案内装置における動作状態を実時間で正確に検出することにより、当該直動転がり案内装置における故障の発生予知を可能とし、且つ、当該直動転がり案内装置の使用者における整備性を向上させ、更にその長寿命化及び当該直動転がり案内装置を組み込んだ装置又は機器の性能保証並びにそれらの品質向上に資することが可能な状態検出装置及び状態検出方法並びに当該動作状態検出のための状態検出用プログラム及び当該状態検出用プログラムがコンピュータで読取可能に記録された情報記録媒体を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0012]
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、直動転がり案内装置における現在の動作状態を検出する状態検出装置であって、前記直動転がり案内装置に含まれる複数の転動体が自転しつつ循環部内を公転する際に生じる、当該直動転がり案内装置に含まれる転走面と前記転動体との衝突、当該転走面と当該転動体との接触部におけるすべり、又は当該転動体同士の衝突又は当該転動体同士の接触部におけるすべり、又は前記転動体又は前記転走面の少なくともいずれか一方に発生するクラックのいずれかに少なくとも起因して弾性的に発生する波動を検出し、当該検出した波動に対応する電気的な検出信号を生成するAE(Acoustic Emission)センサ等の検出手段と、前記生成された検出信号をサンプリングして得られる各計測データ群を構成し、前記データ群をフーリエ変換し、変換計測値を生成する変換手段とを備え、前記生成された変換計測値のうち、前記直動転がり案内装置の動作周波数に対応する周波数に相当する当該変換計測値のみを抽出する信号処理部等の抽出手段と、前記抽出された計測値に基づいて、前記波動の強度を示すパラメータを生成する信号処理部等の生成手段と、前記生成されたパラメータの値と、当該パラメータについて予め設定されている閾値と、を比較し、前記動作状態が正常であるか否かを判定する信号処理部等の判定手段と、を備える。
[0013]
よって、直動転がり案内装置の動作により弾性的に発生する上記波動の強度を示すパラメータを生成し、その値と、それに対応する閾値と、の比較により直動転がり案内装置の動作状態が正常であるか否かを判定するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、その動作状態が正常か否かを検出することができる。
[0014]
[0015]
また、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数に対応するもののみを抽出して生成手段に出力するので、簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項1に記載の状態検出装置において、前記生成された変換計測値のうち、前記直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ高い周波数以上の周波数幅に相当する当該計測値を除いた残りの当該変換計測値を、前記生成手段に出力するように構成される。
[0017]
よって、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ高い周波数以上の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を生成手段に出力するので、より簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0018】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項1に記載の状態検出装置において、前記生成された変換計測値のうち、前記直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ低い周波数以下の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を、前記生成手段に出力するように構成される。
[0019]
よって、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ低い周波数以下の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を生成手段に出力するので、より簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0020】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の状態検出装置において、前記判定手段は、前記生成されたパラメータの値が前記閾値未満の値であるとき、前記動作状態が潤滑良好状態であると判定するように構成される。
[0021]
よって、パラメータの値が閾値未満の値であるとき、直動転がり案内装置の動作状態が潤滑良好状態であると判定するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、当該動作状態が潤滑良好状態であるか否かを検出することができる。
【0022】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、直動転がり案内装置における現在の動作状態を検出する状態検出方法であって、前記直動転がり案内装置に含まれる複数の転動体が自転しつつ循環部内を公転する際に生じる、当該直動転がり案内装置に含まれる転走面と前記転動体との衝突、当該転走面と当該転動体との接触部におけるすべり、又は当該転動体同士の衝突又は当該転動体同士の接触部におけるすべり、或いは前記転動体又は前記転走面の少なくともいずれか一方に発生するクラックのいずれかに少なくとも起因して弾性的に発生する波動を検出し、当該検出した波動に対応する電気的な検出信号を生成する検出工程と、前記生成された検出信号をサンプリングして得られる計測値の中から、前記直動転がり案内装置の動作に起因する計測値のみを抽出し、前記サンプリングして得られる計測値の各々を夫々フーリエ変換し、変換計測値を生成する変換工程を備え、前記生成された変換計測値のうち、前記直動転がり案内装置の動作周波数に対応する周波数に相当する当該変換計測値のみを抽出する抽出工程と、前記抽出された計測値に基づいて、前記波動の強度を示すパラメータを生成する生成工程と、前記生成されたパラメータの値と、当該パラメータについて予め設定されている閾値と、を比較し、前記動作状態が正常であるか否かを判定する判定工程と、を含む。
[0023]
よって、直動転がり案内装置の動作により弾性的に発生する上記波動の強度を示すパラメータを生成し、その値と、それに対応する閾値と、の比較により直動転がり案内装置の動作状態が正常であるか否かを判定するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、その動作状態が正常か否かを検出することができる。
【0024】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項に記載の状態検出方法において、前記判定工程においては、前記生成されたパラメータの値が前記閾値未満の値であるとき、前記動作状態が潤滑良好状態であると判定するように構成される。
[0025]
よって、パラメータの値が閾値未満の値であるとき、直動転がり案内装置の動作状態が潤滑良好状態であると判定されるので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、当該動作状態が潤滑良好状態であるか否かを検出することができる。
【0026】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から4のいずれか一項に記載の状態検出装置として機能させる。
[0027]
よって、当該コンピュータを請求項1に記載の状態検出装置として機能させる場合には、直動転がり案内装置の動作により弾性的に発生する上記波動の強度を示すパラメータを生成し、その値と、それに対応する閾値と、の比較により直動転がり案内装置の動作状態が正常であるか否かを判定するように当該コンピュータが機能するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、その動作状態が正常か否かを検出することができる。
[0028]
また、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数に対応するもののみを抽出するように当該コンピュータが機能するので、簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0029】
更に、当該コンピュータを請求項に記載の状態検出装置として機能させる場合は、当該コンピュータを請求項1に記載の状態検出装置として機能させる場合に加えて、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ高い周波数以上の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を生成するように当該コンピュータが機能するので、より簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0030】
更にまた、当該コンピュータを請求項に記載の状態検出装置として機能させる場合は、当該コンピュータを請求項1に記載の状態検出装置として機能させる場合に加えて、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ低い周波数以下の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を生成するように当該コンピュータが機能するので、より簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0031】
また、当該コンピュータを請求項に記載の状態検出装置として機能させる場合は、当該コンピュータを請求項1から3のいずれか一項に記載の状態検出装置として機能させる場合に加えて、パラメータの値が閾値未満の値であるとき、直動転がり案内装置の動作状態が潤滑良好状態であると判定するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、当該動作状態が潤滑良好状態であるか否かを検出することができる。
【0032】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項に記載の状態検出用プログラムが、前記コンピュータにより読取可能に記録されている。
[0033]
よって、当該状態検出用プログラムを当該コンピュータで読み出させて実行させることにより、当該コンピュータを請求項1に記載の状態検出装置として機能させる場合には、直動転がり案内装置の動作により弾性的に発生する上記波動の強度を示すパラメータを生成し、その値と、それに対応する閾値と、の比較により直動転がり案内装置の動作状態が正常であるか否かを判定するように当該コンピュータが機能するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、その動作状態が正常か否かを検出することができる。
[0034]
また、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数に対応するもののみを抽出するように当該コンピュータが機能するので、簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0035】
更に、当該状態検出用プログラムを当該コンピュータで読み出させて実行させることにより、当該コンピュータを請求項に記載の状態検出装置として機能させる場合は、当該コンピュータを請求項1に記載の状態検出装置として機能させる場合に加えて、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ高い周波数以上の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を生成するように当該コンピュータが機能するので、より簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0036】
更にまた、当該状態検出用プログラムを当該コンピュータで読み出させて実行させることにより、当該コンピュータを請求項に記載の状態検出装置として機能させる場合は、当該コンピュータを請求項1に記載の状態検出装置として機能させる場合に加えて、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ低い周波数以下の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を生成するように当該コンピュータが機能するので、より簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0037】
また、当該状態検出用プログラムを当該コンピュータで読み出させて実行させることにより、当該コンピュータを請求項に記載の状態検出装置として機能させる場合は、当該コンピュータを請求項1から3のいずれか一項に記載の状態検出装置として機能させる場合に加えて、パラメータの値が閾値未満の値であるとき、直動転がり案内装置の動作状態が潤滑良好状態であると判定するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、当該動作状態が潤滑良好状態であるか否かを検出することができる。
【発明の効果】
[0038]
請求項1に記載の発明によれば、直動転がり案内装置の動作により弾性的に発生する上記波動の強度を示すパラメータを生成し、その値と、それに対応する閾値と、の比較により直動転がり案内装置の動作状態が正常であるか否かを判定するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、その動作状態が正常か否かを検出することができる。
[0039]
従って、直動転がり案内装置における故障の発生を予知できることともなり、当該直動転がり案内装置の使用者における整備性が向上すると共に、その長寿命化及び当該直動転がり案内装置を用いて製造された装置又は機器の品質向上に資することもできる。
[0040]
また、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数に対応するもののみを抽出して生成手段に出力するので、簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0041】
請求項に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ高い周波数以上の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を生成手段に出力するので、より簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0042】
請求項に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ低い周波数以下の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を生成手段に出力するので、より簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0043】
請求項に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、パラメータの値が閾値未満の値であるとき、直動転がり案内装置の動作状態が潤滑良好状態であると判定するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、当該動作状態が潤滑良好状態であるか否かを検出することができる。
【0044】
請求項に記載の発明によれば、直動転がり案内装置の動作により弾性的に発生する上記波動の強度を示すパラメータを生成し、その値と、それに対応する閾値と、の比較により直動転がり案内装置の動作状態が正常であるか否かを判定するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、その動作状態が正常か否かを検出することができる。
[0045]
従って、直動転がり案内装置における故障の発生を予知できることともなり、当該直動転がり案内装置の使用者における整備性が向上すると共に、その長寿命化及び当該直動転がり案内装置を用いて製造された装置又は機器の品質向上に資することもできる。
【0046】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明の効果に加えて、パラメータの値が閾値未満の値であるとき、直動転がり案内装置の動作状態が潤滑良好状態であると判定されるので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、当該動作状態が潤滑良好状態であるか否かを検出することができる。
【0047】
請求項に記載の発明によれば、コンピュータを請求項1に記載の状態検出装置として機能させる場合には、直動転がり案内装置の動作により弾性的に発生する上記波動の強度を示すパラメータを生成し、その値と、それに対応する閾値と、の比較により直動転がり案内装置の動作状態が正常であるか否かを判定するように当該コンピュータが機能するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、その動作状態が正常か否かを検出することができる。
[0048]
従って、直動転がり案内装置における故障の発生を予知できることともなり、当該直動転がり案内装置の使用者における整備性が向上すると共に、その長寿命化及び当該直動転がり案内装置を用いて製造された装置又は機器の品質向上に資することもできる。
[0049]
また、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数に対応するもののみを抽出するように当該コンピュータが機能するので、簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0050】
更に、当該コンピュータを請求項に記載の状態検出装置として機能させる場合は、当該コンピュータを請求項1に記載の状態検出装置として機能させる場合の効果に加えて、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ高い周波数以上の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を生成するように当該コンピュータが機能するので、より簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0051】
更にまた、当該コンピュータを請求項に記載の状態検出装置として機能させる場合は、当該コンピュータを請求項1に記載の状態検出装置として機能させる場合の効果に加えて、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ低い周波数以下の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を生成するように当該コンピュータが機能するので、より簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0052】
また、当該コンピュータを請求項に記載の状態検出装置として機能させる場合は、当該コンピュータを請求項1から3のいずれか一項に記載の状態検出装置として機能させる場合の効果に加えて、パラメータの値が閾値未満の値であるとき、直動転がり案内装置の動作状態が潤滑良好状態であると判定するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、当該動作状態が潤滑良好状態であるか否かを検出することができる。
【0053】
請求項に記載の発明によれば、当該状態検出用プログラムを当該コンピュータで読み出させて実行させることにより、当該コンピュータを請求項1に記載の状態検出装置として機能させる場合には、直動転がり案内装置の動作により弾性的に発生する上記波動の強度を示すパラメータを生成し、その値と、それに対応する閾値と、の比較により直動転がり案内装置の動作状態が正常であるか否かを判定するように当該コンピュータが機能するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、その動作状態が正常か否かを検出することができる。
[0054]
従って、直動転がり案内装置における故障の発生を予知できることともなり、当該直動転がり案内装置の使用者における整備性が向上すると共に、その長寿命化及び当該直動転がり案内装置を用いて製造された装置又は機器の品質向上に資することもできる。
[0055]
また、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数に対応するもののみを抽出するように当該コンピュータが機能するので、簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0056】
更に、当該状態検出用プログラムを当該コンピュータで読み出させて実行させることにより、当該コンピュータを請求項に記載の状態検出装置として機能させる場合は、当該コンピュータを請求項1に記載の状態検出装置として機能させる場合の効果に加えて、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ高い周波数以上の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を生成するように当該コンピュータが機能するので、より簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0057】
更にまた、当該状態検出用プログラムを当該コンピュータで読み出させて実行させることにより、当該コンピュータを請求項に記載の状態検出装置として機能させる場合は、当該コンピュータを請求項1に記載の状態検出装置として機能させる場合の効果に加えて、フーリエ変換後の変換計測値から、直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ低い周波数以下の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を生成するように当該コンピュータが機能するので、より簡易な構成で必要な変換計測値を抽出することができる。
【0058】
また、当該状態検出用プログラムを当該コンピュータで読み出させて実行させることにより、当該コンピュータを請求項に記載の状態検出装置として機能させる場合は、当該コンピュータを請求項1から3のいずれか一項に記載の状態検出装置として機能させる場合の効果に加えて、パラメータの値が閾値未満の値であるとき、直動転がり案内装置の動作状態が潤滑良好状態であると判定するので、当該直動転がり案内装置の動作中に、実時間で、当該直動転がり案内装置を分解することなく、当該動作に起因する振動や外部駆動装置に起因する振動等の影響を排除しつつ、当該動作状態が潤滑良好状態であるか否かを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、本発明の原理を説明する図であり、(a)及び(b)は実施形態に係る拡張AE波の発生を示し図であり、(c)は拡張AE波に対応する包絡線検波波形の例である。
【図2】図2は、実施形態の状態検出装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、実施形態のAEセンサの構成を示す縦断面図である。
【図4】図4は、実施形態のAEセンサの設置態様を示す図(I)であり、(a)は移動ブロックを含むLMセンサの構造を斜視図であり、(b)は当該LMセンサにAEセンサを設置する場合の位置の例を示す外観側面図である。
【図5】図5は、実施形態の移動ブロックを含むLMシステムの側面図である。
【図6】図6は、実施形態のAEセンサの設置態様を示す図(II)であり、(a)はボールねじを含むLMシステムの構造を斜視図であり、(b)は当該LMシステムにAEセンサを設置する場合の位置の例を示す外観側面図である。
【図7】図7は、実施形態の動作状態検出処理の全体を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施形態及び変形形態の動作状態検出処理の細部を示すフローチャートであり、(a)は実施形態に係るパラメータ演算処理を示すフローチャートであり、(b)は変形形態に係るパラメータ演算処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1 AEセンサ、2 波形整形部、2A BPF、2B 包絡線検波部、3 A/Dコンバータ、4 信号処理部、5 表示部、10 接触部、11 筺体、12,14 銀蒸着膜、13 圧電素子、15 外部線、20,LM レール、21,C 移動ブロック、22,43,B ボール、S 状態診断装置、G 転走面、TR リテーナ、Sae 検出信号、Sw 包絡線信号、Sdw ディジタル包絡線信号、Sdp 判定信号。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
次に、本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0062】
なお、以下に説明する実施の形態は、直動転がり案内装置(以下、単にLM(Linear Motion)システムと称し、具体的にはいわゆるLMガイド、ボールスプライン等の直動システムを含むものとする)における動作状態の検出及び診断について本発明を適用した場合の実施形態である。
【0063】
(I)本発明の原理
先ず、本発明の実施形態について具体的に説明する前に、本発明の原理について、図1及び図2を用いて説明する。
【0064】
上述した如きLMシステムの動作状態の診断方法を研究するに当たり、本発明の発明者は、従来から回転用転がり軸受け装置に対する故障診断等に用いられている、いわゆるAE現象を、当該LMシステムの動作状態の診断にも用いることが可能であることを発見した。
【0065】
すなわち、LMシステムにおいて発生する種々の異常動作状態(具体的には、潤滑不良状態、フレーキング発生の原因となるクラック(表面クラックと内部クラックの双方を含む。以下、同じ。)が発生している状態又は潤滑剤以外の液体が潤滑剤に混入して潤滑不良となっている状態のいずれかを言う。以下、同じ。)の夫々につき、異なった態様のAE現象が生起し、これにより夫々の異常動作状態が発生した場合に相互に異なったAE波が発生することを、本発明の発明者は実験的に確認したのである。
【0066】
ここで、「潤滑不良状態」とは、潤滑剤自体が不足している状態又は当該潤滑剤の特性が劣化している状態を言う。また、「フレーキング」とは、LMシステムに含まれる転動体としてのボール表面又はそのボールが接触する転走面としてのガイド表面等が剥がれる現象のことを言い、「潤滑剤以外の液体」とは、例えば、本発明に係るLMシステムを使用した切削装置に用いられる冷却用液体(クーラント)等を言うものとする。
【0067】
ここで、当該AE現象については、従来では、「固体材料の破壊や変形に伴って、弾性エネルギーが解放され音波(AE波)が発生する現象」或いは「材料内部での塑性変形又はクラック等の発生に付随して弾性波が発生する現象」と定義付けられていたのであるが、本発明の発明者は、これらに加えて、ボール表面又はガイド面には塑性変形やクラック等が発生していないが当該ボール内部やガイド内部にクラックが発生している場合や、LMシステムが正常に動作することにより生起するボール同士の衝突のみによってもAE波が発生することを確認している。
【0068】
より具体的には、移動ブロックを用いたLMシステムの場合について図1(a)に示すように、移動ブロックC内に形成されている転走路内をボールBが自転しつつ公転する場合に、そのボールB同士が接触部位R1において衝突するとき、無負荷状態であったボールBと移動ブロックCとの間で接触部位R2において衝突又は滑りが発生するとき、負荷状態のボールBと移動ブロックCとが接触部位R3において接触するとき、無負荷状態であったボールBと転走面Gとの間で接触部位R4において接触又は滑りが発生するとき、或いは負荷状態のボールBが転走面Gとが接触部位R5において接触するとき、の夫々においてAE波が発生することが確認されている。
【0069】
なお、図1(b)に示すように、移動ブロックを用いたLMシステムの場合について、その転走路内にボールBだけでなくいわゆるリテーナTRが設けられている場合であっても、その移動ブロックC内の転走路内をボールBが自転しつつ公転する場合に、無負荷状態であったボールBと移動ブロックCとが接触部位R6において衝突するとき、負荷状態のボールBと移動ブロックCとが接触部位R7において接触するとき、無負荷状態であったボールBと転走面Gとが接触部位R8において衝突するとき、或いは負荷状態のボールBが転走面Gとが接触部位R9において接触するとき、の夫々においてAE波が発生することが確認されている。
【0070】
そして、本発明の発明者は、このAE波の発生態様が、上述した異常動作状態の種類によって相互に異なっていることを発見したのである。より具体的には、例えば上記「潤滑不良状態」とAE波との関係で言えば、潤滑状態が悪化するほど強いAE波が発生することが確認されている。
【0071】
なお、上述した如く、本発明においては、従来からの定義に則ったAE現象よりも広い範囲でのAE現象の発生を前提とするため、以下の説明においては、特に本発明に適用されるAE現象を拡張AE現象と称し、当該拡張AE現象により発生するAE波を拡張AE波と称する。
【0072】
このとき、拡張AE波に対応する電気信号は、LMシステムが動作する際に一般的に発生する振動よりも高い周波数を有するものであるため、例えば図1(c)に示すように、後述の図2に示すバンドパスフィルタによりこれを当該振動から分離して検出することが可能であり、これによりLMシステムの動作中に実時間でその動作状態を検出することが可能となったのである。
【0073】
そこで、本発明の発明者は、上記種々の異常動作状態のうち、もっとも発生頻度の高い当該異常動作状態である「潤滑不良状態」を、本発明に係る拡張AE波を用いて自動的に検出することを試みた。
【0074】
より具体的には、先ず、上記電気信号をサンプリングして得られる各計測データを用いて、ある測定期間に対応するN個の計測データをもって一つの計測データ群を構成する。そして、その計測データ群の夫々に含まれている各計測データに対していわゆるフーリエ変換処理(すなわち、周波数領域への変換処理)を夫々施し、更に当該フーリエ変換後の各計測データから、検査対象であるLMシステムの動作周波数(より具体的には、例えば図1(a)に例示するガイド面上の一点に対するボールBの通過周波数)に対応する計測データのみを抽出し、その抽出された計測データと当該計測データに対応する高調波成分に相当するデータとを加算し、その加算後の値を本発明に係るパラメータの値として当該値と予め実験的に求めた閾値THとを比較する。この結果、当該パラメータの値が当該閾値THよりも小さいときは、拡張AE波自体の生成が少ないことから検査対象であるLMシステムにおける潤滑状態が良好である判定することとしたのである。
【0075】
(II)実施形態
次に、上述した原理に基づいた本発明の実施形態について、具体的に図2乃至図8(a)を用いて説明する。
【0076】
なお、図2は実施形態に係る状態診断装置の概要構成を示すブロック図であり、図3は実施形態に係る拡張AE波を検出するAEセンサの概要構成を示す縦断面図であり、図4乃至図6は本発明が適用されるLMシステムを説明するための図であり、図7及び図8(a)は実施形態に係る状態診断装置において実行される動作状態の検出処理を示すフローチャートである。
【0077】
図2に示すように、実施形態に係る状態診断装置Sは、検出手段としてのAEセンサ1と、上記BPF(Band Pass Filter)2A及び包絡線検波部2Bを含む波形整形部2と、A/D(Analog/Digital)コンバータ3と、抽出手段及び判定手段としての信号処理部4と、液晶ディスプレイ等よりなる告知手段としての表示部5と、により構成されている。
【0078】
次に動作を説明する。
【0079】
先ず、AEセンサ1は、診断対象となるLMシステムの任意の場所、例えば、レールの末端部又は移動部材としての移動ブロック上等に設置されるものであり、後述する(図3)接触部を上記いずれかの場所に接触させて配置される。そして、当該LMシステムの動作により発生する上記拡張AE波を検出し、これを電圧信号である検出信号Saeに変換して波形整形部2へ出力する。
【0080】
次に、波形整形部2内のBPF2Aは、図示しない増幅部において必要な増幅率(具体的には、例えば40デシベル乃至60デシベル程度)で増幅された後の検出信号Saeを拡張AE波以外の周波数成分を除去して包絡線検波部2Bへ出力する。ここで、当該BPF2Aにおける検出信号Saeに対する通過周波数帯域として具体的には、例えば100kHz以上1MHz以下の周波数成分を通過させるBPFを、BPF2Aとして用いることが望ましい。
【0081】
そして、包絡線検波部2Bは、当該検出信号Saeに対して包絡線検波処理を抽出し、包絡線信号Swを生成してADコンバータ3へ出力する。
【0082】
次に、ADコンバータ3は、アナログ信号である包絡線信号Swをディジタル化し、ディジタル包絡線信号Sdwを生成して信号処理部4へ出力する。
【0083】
そして、信号処理部4は、当該ディジタル包絡線信号Sdwに基づいて図8に示す後述の動作状態検出処理により診断対象のLMシステムにおける現在の動作状態を判定し、その結果を示す判定信号Sdpを生成して表示部5へ出力する。
【0084】
これにより、表示部5は、当該判定信号Sdpに基づいてその内容を示す表示を行う。この表示により、LMシステムの使用者がその動作状態を把握することが可能となる。
【0085】
次に、上記AEセンサ1の構造等並びに診断対象であるLMシステムへのその設置態様について、具体的に図3乃至図6を用いて説明する。
【0086】
先ず、AEセンサ1の内部構造について、図3を用いて説明する。
【0087】
図3に示すように、AEセンサ1は、全体としては円筒形状を成しており、具体的には、LMシステム内のレールLM等に接触して配置される接触部10と、筺体11と、ピエゾ素子等より成る圧電素子13と、当該圧電素子13の上面及び下面に形成された銀蒸着膜12及び14と、上記検出信号Saeを導通して波形整形部2へ出力する外部線15と、により構成されている。
【0088】
そして、LMシステム内で発生した拡張AE波が接触部10及び銀薄膜14を介して圧電素子13に伝送されると、当該拡張AE波により圧電素子13の形状が微小ながら変形し、これにより銀薄膜12と14との間に電位差が発生することで外部線15上に上記検出信号Saeが発生することとなる。
【0089】
次に、図3に示す内部構造を備えるAEセンサ1のLMシステムへの設置態様について、図4乃至図6を用いて説明する。なお、図4及び図5は、診断対象であるLMシステムとして移動ブロックが用いられているLMシステムにAEセンサ1を設置する場合のその態様を示す図であり、図6は、診断対象であるLMシステムとしていわゆるボールねじが用いられているLMシステムにAEセンサ1を設置する場合のその態様を示す図である。
【0090】
始めに、移動ブロックを用いたLMシステムに対してAEセンサ1を設置する場合について、図4及び図5を用いて説明する。
【0091】
図4(a)に示すLMシステムは、長手方向に沿って後述のボール22を転走させるボール転走溝20a及び20bが形成されたレール20と、多数の上記ボール22を介してこのレール20に係合すると共に内部にボール22の無限循環路を備えた移動ブロック21と、この移動ブロック21の移動方向の前後両端面に装着されると共にレール20の上面及び両側面に密着するシール部材23とから構成されており、かかるボール22の循環に伴って上記移動ブロック21がレール20上を往復運動するように構成されている。
【0092】
これらの図に示されるように、上記レール20は断面略矩形状に形成されており、固定ボルトを挿通させるための取り付け孔24が長手方向に適宜間隔をおいて貫通形成されている。また、レール20の上面には上記取り付け孔24を挟むようにして2条のボール転走溝20aが形成される一方、両側面にも2条のボール転走溝20bが夫々形成されており、これら4条のボール転走溝はボール22の球面の曲率よりも僅かに大きな曲率で深溝状に形成されている。
【0093】
一方、上記移動ブロック21は、後述するテーブル30等の可動体の取付け面25を備えた稼動ブロック本体26と、この稼動ブロック本体26の前後両端面に固定された一対のエンドプレート27,27とから構成されており、軌道レール20の上部が遊嵌する凹所を下面側に備えて断面略サドル状に形成されている。
【0094】
このとき、図5に示すように、上記稼動ブロック本体26は、上記取付け面25が形成された基部及びこの基部の両端から垂下する一対のスカート部を備えて断面略サドル状に形成されており、各スカート部の内側面及び基部の下面側にはレール20のボール転走溝20a及び20bと夫々対向する4条の負荷転走溝28が形成されている。ボール22はこの負荷転走溝28とレール20のボール転走溝20a及び20bとの間で荷重を負荷しながら転走し、これによって移動ブロック21がレール20上を移動することになる。
【0095】
次に図4(a)に戻って、稼動ブロック本体26の基部及び各スカート部には各負荷転走溝28に対応するボール戻し孔29が夫々穿設されており、これらボール戻し孔29は上記エンドプレート27に形成された略U字型の方向転換路(図示せず)によって負荷転走溝28と連通連結されている。すなわち、この方向転換路は稼動ブロック本体26の負荷転走溝28を転走し終えたボール22を掬い上げて上記ボール戻し孔29へ送り込む一方、このボール戻し孔29から負荷転走溝28へボール22を送り出すように構成されている。従って、これらエンドプレート27を取付ボルト27aを用いて稼動ブロック本体26に固定することにより、上記移動ブロック21にボール22の無限循環路が形成されるようになっている。
【0096】
そして、図4(a)に示したLMシステムに対して実施形態のAEセンサ1を設置する場合には、図4(b)にその外観側面図を示すように、例えば軌道レール20上を直線運動する複数の移動ブロック21上に上記テーブル30が設置されているとき、その軌道レール20における移動ブロック21の移動範囲外の位置に設置される。
【0097】
次に、ボールねじを用いたLMシステムに対してAEセンサ1を設置する場合について、図6を用いて説明する。
【0098】
図6(a)に示すように、ボールねじ40は、外周面に螺旋状のボール転走溝41aを有するねじ軸41と、内周面にボール転走溝41aと対向する螺旋状の負荷転走溝42aを有するナット部材42と、ボール転走溝41aと負荷転走溝42a間を転動するボール43…とを備える。ねじ軸41のボール転走溝41aとナット部材42の負荷転走溝42aとの間で負荷転走路が構成される。ナット部材42には、例えば2つの循環部品としてのリターンパイプ44が取付けられる。リターンパイプ44は、負荷転走路の一端と他端を連結して無負荷戻し通路を構成する。リターンパイプ44は略門形に形成され、中央部44aと中央部44aの両側に設けられた一対の脚部44b,44bとを有する。一対の脚部44b,44bは負荷転走路内に数ピッチの間隔を開けて、嵌入される。リターンパイプ44は、ボルト45等の結合手段によってナット部材42に固定される。
【0099】
ねじ軸41には、その周囲に螺旋状の一定のリードを備えた略断面半円状のボール転走溝41aが研削加工または転造加工等によって形成される。ナット部材42は略円筒状をなし、その端面にボールねじ40を機械等に取付けるためのフランジ46を有する。ナット部材42の内周面には、ねじ軸41のボール転走溝41aに対向する略断面半円状の負荷転走溝42aが形成される。ナット部材42には、その上面が一部平取りされた平面部47が形成される。平面部47には、リターンパイプ44の脚部44b,44bが挿入されるリターンパイプ嵌合穴が数箇所開けられる。
【0100】
そして、図6(a)に示したLMシステムに対して実施形態のAEセンサ1を設定する場合には、図6(b)にその外観側面図を示すように、例えば台49に回転可能に支持されたねじ軸41がモータ48により回転されるボールねじ40に対してブラケット50を介してテーブル51が固定されているとき、そのボールねじ40における上記フランジ46の、ボールねじ40の中心軸に垂直な面に設置される。
【0101】
次に、主として信号処理部4を中心として実行される実施形態に係る動作状態検出処理について、図1及び図2並びに図7及び図8(a)を用いて説明する。
【0102】
図7に示すように、診断対象であるLMシステムの動作中において実施形態に係る動作状態検出処理を実行する場合には、初めに、検査対象であるLMシステムにおける動作周波数を周知の方法により又は使用者による入力操作により取得する(ステップS1)と共に、実施形態に係る動作状態検出処理において検査対象であるLMシステム以外の装置から発生される可能性のある雑音信号(より具体的には、拡張AE波として検出される雑音信号)の発生周波数を周知の方法により又は使用者による入力操作により取得する(ステップS2)。
【0103】
ここで、当該雑音信号についてより具体的には、例えば、移動ブロック21(図4又は図5参照)を含むLMシステムと、ボールねじ40(図6参照)を含むLMシステムと、が近接して動作している直動転がり案内装置がある場合において、当該移動ブロック21を含むLMシステムのみを実施形態に係る動作状態検出処理の対象とする場合、ボールねじ40を含むLMシステムからその動作に起因して発生して伝播されて来る拡張AE波は、実施形態に係る動作状態検出処理においては上記雑音信号となる(上記ステップS2参照)。
【0104】
上記ステップS1及びS2の処理において各周波数が取得されたならば、次に、これらの周波数が等しいか否かを確認する(ステップS3)。そして、両者が予め設定されている周波数範囲内にある場合は(ステップS3;=)、以下に説明するフーリエ変換処理を伴う実施形態に係る動作状態検出処理では両者を峻別することが不可能であるため、動作状態の検出が不可能である旨のエラー情報を表示部5において行い(ステップS17)、実施形態に係る動作状態検出処理を終了する。
【0105】
一方、ステップS3の判定において、両者が上記予め設定されている周波数範囲を越えて異なっているときは(ステップS3;≠)、次に、本発明に係るパラメータに対応して実施形態のLMシステムにおける潤滑状態が正常であるか否かの判定基準として予め実験的に設定される閾値THを取得して信号処理部4内の図示しないメモリ内に記憶させつつ(ステップS4)、必要な初期設定処理等を行い、更に、AEセンサ1において検査対象であるLMシステムの動作中に生じる拡張AE現象に起因して発生する拡張AE波を検出し(ステップS5)、これに対応する検出信号Saeに対して波形整形部2において波形整形処理等の波形処理を施し(ステップS6)、上記包絡線信号Swを生成してA/Dコンバータ3を介してディジタル包絡線信号Sdwとして信号処理部4へ出力する。
【0106】
そして、上記計測データを取得するタイミングとして予め設定されているタイミング(例えば、図4に示すLMシステムの場合は、移動ブロック21がレール20の一方の端部に近接したタイミング)に対応するトリガ信号が信号処理部4内において生成されたか否かを確認し(ステップS7、S7;NO)、当該トリガ信号が生成されたタイミングで(ステップS7;YES)上記ディジタル包絡線信号Sdwをそのタイミングtiに対応する上記計測データXiとして取り込む。
【0107】
その後、当該拡張AE波の検出処理(ステップS5)、波形整形処理(ステップS6)並びに計測データとしての取得処理を必要な検査時間だけ繰返して上記ディジタル包絡線信号Sdwとしての計測データを信号処理部4内の図示しないメモリに蓄積し(ステップS8)、その蓄積した計測データに基づいてパラメータを演算し、上記メモリ内に蓄積する(ステップS9、S10)。
【0108】
次に、当該取り込んだ計測データ(ti、Xi)について実行される、上記フーリエ変換処理を含むパラメータ演算処理(ステップS9)について、具体的に図8(a)を用いて説明する。
【0109】
当該ステップS9においては、先ず、上記検査時間に相当する数の計測データ(ti、Xi)が取得されると(ステップS91)、それら全てに対してフーリエ変換処理(より具体的には、いわゆるパワースペクトラム変換処理)を施し(ステップS92)、上記各計測データ(ti、Xi)に対応した変換計測データ(Fj、Yj)を算出する。
【0110】
次に、当該各変換計測データ(Fj、Yj)において極大値となるデータYiを有する変換計測データ(Fj、Yj)の中から、上記ステップS1の処理において取得していたLMシステムにおける動作周波数(例えばボールBの通過周波数)に最も近い周波数の極大値を有する変換計測データ(Fm、Ym)を抽出する(ステップS93)。
【0111】
ここで、当該抽出した変換計測データ(Fm、Ym)における拡張AE波の強度に相当するデータYmは、検査対象であるLMシステムの動作周波数に相当する拡張AE波の強度を示すデータであることになるので、当該動作周波数の高調波成分に相当する変換計測データ(F2m、Y2m)、(F3m、Y3m)、(F4m、Y4m)、…、におけるデータY2m、Y3m、Y4m、…、と上記データYmとを全て加算して実施形態に係るパラメータP(=Ym+Y2m+Y3m+Y4m+…)とし(ステップS94)、図7に示すステップS10の処理に移行する。
【0112】
そして、パラメータPの演算並びにその蓄積が終了すると、計測を終了するか否かを確認し(ステップS11)、継続するならば上記ステップS7に戻って次の検査時間について上記ステップS7乃至S11の処理を繰り返し、一方計測を終了するときは(ステップS11;YES)、次に、信号処理部4において上記閾値TH(上記ステップS4参照)を図示しないメモリ内から読み出し(ステップS12)、更に当該読み出した閾値THとその時に記憶されているパラメータPの値とを比較する(ステップS13)。
【0113】
そして、当該パラメータPの値が閾値TH未満であるときは(ステップS14;閾値未満)、検査対象のLMシステムにおけるそのときの潤滑状態は正常であると判定し(ステップS14)、表示部5を用いてその旨を表示し(ステップS16)、一連の動作状態検出処理を終了する。
【0114】
一方、上記ステップS13の判定において、パラメータPの値が閾値TH以上であるときは(ステップS13;閾値以上)、当該LMシステムにおけるそのときの潤滑状態は不良であると判定し(ステップS15)、表示部5を用いてその旨を表示し(ステップS16)、一連の動作状態検出処理を終了する。
【0115】
なお、上述した一連の動作状態の検出結果については、これを表示すると共に信号処理部4内の上記メモリに蓄積して統計的に処理することで、動作状態の悪化を検出して故障の発生を未然に防ぐことができることとなる。
【0116】
以上説明したように、実施形態に係る状態診断装置Sの動作によれば、LMシステムの動作により発生する拡張AE波を検出して上記パラメータPを生成し、その値が閾値TH未満の値であるとき、当該LMシステムにおける潤滑状態が正常であると判定するので、当該LMシステムの動作中に、実時間で、当該LMシステムを分解することなく、当該動作に起因する振動の影響を排除しつつ、その潤滑状態が正常か否かを検出することができる。
【0117】
従って、LMシステムにおける故障の発生を予知できることともなり、当該LMシステムの使用者における整備性が向上すると共に、その長寿命化及び当該LMシステムを用いて製造された装置又は機器の品質向上に資することもできる。
【0118】
また、フーリエ変換後の変換計測データ(fi、Yi)から、検査対象であるLMシステムの動作周波数に対応するもののみを抽出するので、簡易な構成で必要な変換計測データを抽出することができる。
【0119】
更に、判定結果を表示部5により表示するので、検査対象のLMシステムの使用者が直ちにその潤滑状態を具体的に認識することができる。
【0120】
(III)変形形態
次に、本発明に係る変形形態について、図8(b)を用いて説明する。なお、図8(b)に示すフローチャートにおいて、上記図8(a)に示すフローチャートと同一の処理については、同一のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0121】
上述した実施形態におけるパラメータ演算処理(図7ステップS9及び図8(a)参照)においては、そのステップS93において、各変換計測データ(Fj、Yj)において極大値となるデータYjを有する変換計測データ(Fj、Yj)の中から、図7ステップS1の処理において取得していたLMシステムにおける動作周波数に最も近い周波数の極大値を有する変換計測データ(Fm、Ym)を抽出する処理を行ったが、これに限らず、検査対象となるLMシステムの動作周波数と上記雑音信号(図7ステップS2参照)の周波数との間に大きな格差がある場合、より具体的には、例えば当該雑音信号の周波数が当該動作周波数の数倍程度高いときは、図8(b)にステップS100として示すように、各変換計測データ(Fj、Yj)において極大値となるデータYiを有する変換計測データ(Fj、Yj)の中から、図7ステップS1の処理において取得していたLMシステムにおける動作周波数よりも高い(雑音信号の周波数が動作周波数より高いとき)周波数に対応する変換計測データ(Fm、Ym)を全て除去した上で、その残りを次のパラメータPの演算処理(ステップS94)に供させるように構成することもできる。
【0122】
なおこの場合、雑音信号の周波数が動作周波数の数分の一程度である場合には、上記ステップS100の処理としては、各変換計測データ(Fj、Yj)において極大値となるデータYiを有する変換計測データ(Fj、Yj)の中から、図7ステップS1の処理において取得していたLMシステムにおける動作周波数よりも低い周波数に対応する変換計測データ(Fm、Ym)を全て除去した上で、その残りを次のパラメータPの演算処理(ステップS94)に供させることになる。
【0123】
ここで、上記した「雑音信号の周波数が動作周波数の数分の一程度である場合」とは、具体的には、例えば、移動ブロック21を含むLMシステムと、ボールねじ40を含むLMシステムと、が近接して動作している直動転がり案内装置がある場合において、当該ボールねじ40を含むLMシステムのみを実施形態に係る動作状態検出処理の対象とする場合が考えられる。
【0124】
以上説明した変形形態によれば、フーリエ変換後の変換計測データ(Fm、Ym)から、検査対象のLMシステムの動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ高い周波数以上の周波数幅に相当する当該変換計測データ(Fm、Ym)、又は当該動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ低い周波数以下の周波数幅に相当する当該変換計測データ(Fm、Ym)を除いた残りの変換計測データ(Fm、Ym)を用いてパラメータPを演算するので、より簡易な構成で必要な変換計測データ(Fm、Ym)を抽出することができる。
【0125】
なお、上記図7及び図8に示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得して記録しておき、汎用のマイクロコンピュータによりこれらを読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータを実施形態の信号処理部4として機能させることも可能である。この場合には、上記AEセンサ1、波形整形部2及びA/Dコンバータ3は、当該マイクロコンピュータに対して外付けの装置により構成されることとなる。
【0126】
また、上述した実施形態及び変形形態では、図2に示す構成の状態検出装置Sを一つの装置として構成する場合について説明したが、この実施形態は、具体的には当該状態診断装置Sを診断対象であるLMシステムが設置・使用されている工場等に携行し、その場でそのLMシステムの動作状態を検出して診断する場合に適用されるものである。
【0127】
そして、実施形態及び変形形態に係る状態検出装置Sは、上述した態様以外に、状態診断装置Sをその診断対象となるLMシステムが設置・使用されている工場等に常備し、その状態診断装置Sを電話回線等により診断員が離隔した場所から遠隔操作することで、当該LMシステムの動作状態の検出及びその診断を行う場合に適用することもできる。
【0128】
更に、状態診断装置Sをその診断対象となるLMシステムが設置・使用されている工場等に常備し、その状態診断装置Sにおいて自動的に診断対象のLMシステムの動作状態の検出及びその診断を行い、これと並行してその検出結果を他の場所に伝送して蓄積し、累積的な故障診断をその蓄積した検出結果を元に行う場合に本発明を適用することも可能である。
【0129】
更にまた、上述した実施形態では、一のAEセンサ1に対して波形整形部2、ADコンバータ3、信号処理部4及び表示部5を夫々一ずつ用いて状態検出装置Sを構成する場合について説明したが、これ以外に、複数のAEセンサ1からの検出信号Saeをスイッチング回路を介して一の波形整形部2に入力させ、複数のAEセンサ1からの検出信号Saeを夫々一の波形整形部2、ADコンバータ3、信号処理部4及び表示部5を用いて処理するように構成することもできる。この場合は、波形整形部2、ADコンバータ3、信号処理部4及び表示部5を用いた検出処理の実行タイミングと、対応するAEセンサ1からの検出信号Saeの取り込みタイミングと、を同期させることが必要となる。
【産業上の利用可能性】
【0130】
以上説明したように、本発明はLMシステムにおける動作状態の判定の分野に利用することが可能であり、特にLMガイドやボールスプライン等の直動システムにおける動作状態の判定の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。

Claims (8)

  1. 直動転がり案内装置における現在の動作状態を検出する状態検出装置であって、
    前記直動転がり案内装置に含まれる複数の転動体が自転しつつ循環部内を公転する際に生じる、当該直動転がり案内装置に含まれる転走面と前記転動体との衝突、当該転走面と当該転動体との接触部におけるすべり、又は当該転動体同士の衝突又は当該転動体同士の接触部におけるすべり、或いは前記転動体又は前記転走面の少なくともいずれか一方に発生するクラックのいずれかに少なくとも起因して弾性的に発生する波動を検出し、当該検出した波動に対応する電気的な検出信号を生成する検出手段と、
    前記生成された検出信号をサンプリングして得られる計測値の中から、前記直動転がり案内装置の動作に起因する計測値のみを抽出し、前記サンプリングして得られる計測値の各々を夫々フーリエ変換し、変換計測値を生成する変換手段とを備え、前記生成された変換計測値のうち、前記直動転がり案内装置の動作周波数に対応する周波数に相当する当該変換計測値のみを抽出する抽出手段と、
    前記抽出された計測値に基づいて、前記波動の強度を示すパラメータを生成する生成手段と、
    前記生成されたパラメータの値と、当該パラメータについて予め設定されている閾値と、を比較し、
    前記動作状態が正常であるか否かを判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする状態検出装置。
  2. 請求項1に記載の状態検出装置において、
    前記生成された変換計測値のうち、前記直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ高い周波数以上の周波数幅に相当する当該計測値を除いた残りの当該変換計測値を、前記生成手段に出力することを特徴とする状態検出装置。
  3. 請求項1に記載の状態検出装置において、
    前記生成された変換計測値のうち、前記直動転がり案内装置の動作周波数よりも予め設定された周波数幅だけ低い周波数以下の周波数幅に相当する当該変換計測値を除いた残りの当該変換計測値を、前記生成手段に出力することを特徴とする状態検出装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の状態検出装置において、
    前記判定手段は、前記生成されたパラメータの値が前記閾値未満の値であるとき、前記動作状態が潤滑良好状態であると判定することを特徴とする状態検出装置。
  5. 直動転がり案内装置における現在の動作状態を検出する状態検出方法であって、
    前記直動転がり案内装置に含まれる複数の転動体が自転しつつ循環部内を公転する際に生じる、当該直動転がり案内装置に含まれる転走面と前記転動体との衝突、当該転走面と当該転動体との接触部におけるすべり、又は当該転動体同士の衝突又は当該転動体同士の接触部におけるすべり、或いは前記転動体又は前記転走面の少なくともいずれか一方に発生するクラックのいずれかに少なくとも起因して弾性的に発生する波動を検出し、当該検出した波動に対応する電気的な検出信号を生成する検出工程と、
    前記生成された検出信号をサンプリングして得られる計測値の中から、前記直動転がり案内装置の動作に起因する計測値のみを抽出し、前記サンプリングして得られる計測値の各々を夫々フーリエ変換し、変換計測値を生成する変換工程を備え、前記生成された変換計測値のうち、前記直動転がり案内装置の動作周波数に対応する周波数に相当する当該変換計測値のみを抽出する抽出工程と、
    前記抽出された計測値に基づいて、前記波動の強度を示すパラメータを生成する生成工程と、
    前記生成されたパラメータの値と、当該パラメータについて予め設定されている閾値と、を比較し、前記動作状態が正常であるか否かを判定する判定工程と、
    を含むことを特徴とする状態検出方法。
  6. 請求項に記載の状態検出方法において、
    前記判定工程においては、前記生成されたパラメータの値が前記閾値未満の値であるとき、前記動作状態が潤滑良好状態であると判定することを特徴とする状態検出方法。
  7. コンピュータを、請求項1から4のいずれか一項に記載の状態検出装置として機能させることを特徴とする状態検出用プログラム。
  8. 請求項に記載の状態検出用プログラムが、前記コンピュータにより読取可能に記録されていることを特徴とする情報記録媒体。
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