JP7356956B2 - 異常予兆診断装置およびその診断方法 - Google Patents

異常予兆診断装置およびその診断方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7356956B2
JP7356956B2 JP2020143046A JP2020143046A JP7356956B2 JP 7356956 B2 JP7356956 B2 JP 7356956B2 JP 2020143046 A JP2020143046 A JP 2020143046A JP 2020143046 A JP2020143046 A JP 2020143046A JP 7356956 B2 JP7356956 B2 JP 7356956B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sliding
valve
operations
sliding part
sound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020143046A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022038500A5 (ja
JP2022038500A (ja
Inventor
優治 杉谷
亮 久保田
賢司 小野寺
大助 平澤
芳久 清時
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi GE Nuclear Energy Ltd filed Critical Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority to JP2020143046A priority Critical patent/JP7356956B2/ja
Publication of JP2022038500A publication Critical patent/JP2022038500A/ja
Publication of JP2022038500A5 publication Critical patent/JP2022038500A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7356956B2 publication Critical patent/JP7356956B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Indication Of The Valve Opening Or Closing Status (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)

Description

本発明は、弁摺動部の異常予兆診断装置およびその診断方法に関する。
流体の流れを閉止する機能を持つ弁は、駆動部により弁体と弁座の間の流路を閉じることで、流体の流れを止めると共に、弁から流体が漏れ出ることを防いでいる。
例えば、電動弁では、モータの回転駆動力の方向を90°変化させるウォームギア、回転駆動力を直進駆動力に変換する弁棒のネジ部、直進運動する軸表面からの流体の漏洩を防止するグランドパッキン部、弁体と弁座の接触面であるシート部等から構成される要素が連動することで流体の流れを止めるが、それぞれの要素において摺動が発生している。これらの摺動部では、摩擦による摺動部の劣化が生じ、シート部からの漏洩のリスクおよび駆動力の損失が大きくなる。
また、空気作動弁では、ウォームギアの代わりに、ピストンシール部の摺動劣化が生じる。
上記の摺動部は作動回数に応じて摺動劣化が生じるため、分解点検により、摺動劣化が進む弁を抽出し、部品交換および整備を実施することで、弁の不具合発生を防止している。しかし、分解点検には多くの労力と費用が必要となる。
原子力発電設備においても、事故を未然に防止するために定期検査において、弁の分解点検が実施されているが、大口径弁の分解点検はクレーンを必要とし、膨大な労力、コストが必要となる。また、放射線量が高い系統に設置される弁の分解点検においては被ばく量が高くなる場合がある。
このため、駆動部のモータの電流値計測により弁の動作性を診断する装置(特許文献1)や、音響センサにより流体力による弁棒の損傷および疲労を診断する装置(特許文献2)が開発され、定期検査の工数や実施回数を減らしている。
特開2006-083928号公報 特開2014-521045号公報
上記の先行技術では、音響センサによる弁の異常検知または状態監視のシステムが、流量調節弁において流体の作用による振動や亀裂、変形に起因する音響放出を利用し、正常状態からの逸脱や疲労を検知することにより弁の故障について診断する。そのため、流量調節機能および弁の構造的欠陥の発生については診断できるが、弁(流体を閉止する機能)の診断は完全ではない。
本発明の目的は、弁を分解することなく、高い精度で弁の動的機能および流体を閉止する機能の劣化予兆診断を行えるようにすることにある。
前記課題を解決するため、本発明の異常予兆診断装置は、弁体と弁座の閉止時の接触面の摺動音を検出する少なくともひとつの音響センサの信号を処理する信号処理部と、前記信号処理部で処理され、前記音響センサにより検出した摺動音のスペクトル強度から前記摺動音を発する摺動部の漏洩量、面粗さ、または摩擦係数の状態を求める分析部と、前記分析部で求めた摺動部の漏洩量、面粗さ、または摩擦係数から弁の流体を閉止する機能および動的機能に関する正常か否かを含む劣化の予兆を判定して弁の分解を含むメンテナンス時期を予測する判定部と、を備え、前記分析部は、摺動部のそれぞれについて、実測した摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数の相関関係、実測した漏洩量と面粗さの相関関係、実測した摩擦係数と作動回数の相関関係、及び実測した面粗さと作動回数の相関関係を予め記憶しておき、摺動音のスペクトル強度から前記摺動部の漏洩量、面粗さ、または摩擦係数の状態を求めるようにした。
また、本発明の弁の摺動部の状態を診断する異常予兆診断装置の診断方法は、弁体と弁座の閉止時の接触面の摺動音を検出する少なくともひとつの音響センサの信号を処理するステップと、弁体と弁座の摺動部のそれぞれについて、実測した摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数の相関関係、実測した漏洩量と面粗さの相関関係、実測した摩擦係数と作動回数の相関関係、及び実測した面粗さと作動回数の相関関係を予め記憶しておき、処理した摺動音のスペクトル強度から前記摺動音を発する摺動部の漏洩量、面粗さ、または摩擦係数の状態を求めるステップと、求めた摺動部の漏洩量、面粗さ、または摩擦係数から弁の流体を閉止する機能および動的機能に関する正常か否かを含む劣化の予兆を判定して弁の分解を含むメンテナンス時期を予測するステップと、を含むようにした。
本発明によれば、弁を分解することなく、高い精度で弁の動的機能および流体を閉止する機能の劣化予兆診断することができるので、弁および弁が組み込まれたプラントや機器の運用・保全の精度を向上できる。
電動仕切弁の断面と音響センサの設置位置を示す図である。 実施形態の異常予兆診断装置の構成を示す図である。 音響センサの検出信号の一例を示す図である。 波形抽出・分割部の処理フローを示す図である。 摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数の相関関係を示す図である。 面粗さと作動回数の相関関係を示す図である。 摩擦係数と作動回数の相関関係を示す図である。 漏洩量と面粗さの相関関係を示す図である。 保温材を装着したまま診断する音響センサの取付方法を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施形態の異常予兆診断装置は、電動仕切弁のウォームギア、弁棒ネジ部、弁棒とグランドパッキンの接触面、弁体と弁座の接触面等の摺動部のそれぞれについて、弁の開閉作動により発生するアコースティックエミッション(弾性波)を摺動音として音響センサにより測定し、測定した摺動音に基づいて、摺動部の面粗さ、摩擦係数、漏洩量を取得し、異常予兆、メンテナンス時期、および欠損を含む摺動部の状態を診断する。流体の流動音は、測定する摺動音のノイズとなるため、電動仕切弁が設置された設備の稼働を止めた状態で、実施形態の異常予兆診断装置は、診断を行うようにする。
実施形態の異常予兆診断装置の説明にあたり、まず、図1により診断対象の電動仕切弁への音響センサの設置について説明する。
図1は、電動仕切弁1(以下、弁1と記す)の断面と音響センサ2の設置位置を示す図である。
弁1のウォームギア24、弁棒ネジ部25、弁棒4とグランドパッキン28の接触面、および弁体29と弁座30の接触面では、弁1の開閉動作時に、摺動が発生する。このため、これらの摺動部近傍の、摺動音の直接波の伝播経路となる弁1の外表面の位置に、直接または聴針棒31を介して、音響センサ2をそれぞれ設置する。
また、弁1の開閉動作の際には、弁1の駆動部5であるモータ22または手動ハンドル23に音響センサ2を設置して、駆動部5の駆動状態の判定を行う。また、他の音響センサ2の検出時の雑音低減に利用する。
音響センサ2を摺動部近傍に直接設置する際には、音響センサ2と検出面の間に、音響伝達媒質としてカプラント21を介在させる。
音響センサ2を、聴針棒31を介して設置する場合には、音響センサ2と聴針棒31の間にカプラント21を介在させる。
カプラント21の材質は、グリス、ワックス、または接着剤等である。
音響センサ2、または、音響センサ2および聴針棒31の固定は、手持ちで押し当てる、または固定治具を用いて行う。この固定治具は、検出表面に対して磁石、接着剤、溶接、はんだによって取り付けられていても、地面に設置したアーム、三脚により固定されていてもよい。空気相を介することにより音の伝播が小さくなるため、同一部品に音響センサ2を取り付けることが好ましい。
音響センサ2には、アコースティックエミッションセンサまたは圧電センサ、超音波センサを適用することができる。
つぎに、実施形態の異常予兆診断装置20の構成を図2により説明する。
図2の異常予兆診断装置20は、図1において、弁1の駆動部5に設けた音響センサ2aによりウォームギア24の摺動音を検出し、音響センサ2bにより弁棒4とグランドパッキン28の接触面の摺動音を検出し、音響センサ2cにより弁体29と弁座30の接触面の摺動音を検出して、異常予兆診断を行う。なお、異常予兆診断装置20は、図2の音響センサ2a、2b、2cに限定されず、他の場所に設置した音響センサ2により検出した摺動音により異常予兆診断を行えることは言うまでもない。
異常予兆診断装置20は、少なくともひとつの音響センサ2で検出した摺動音の信号を処理する信号処理部9と、信号処理部9で取得した摺動部の摺動音に基づいて、摺動部の漏洩量値・面粗さ値・摩擦係数値等を求める分析部11と、分析部11に求めた分析結果に基づいて、弁1の漏洩発生までの作動回数・仕切能力の推定、および、異常判定を行う判定部16と、から構成される。
信号処理部9は、異常予兆診断装置20に接続する音響センサ2のそれぞれの検出信号を処理する処理部であり、検出信号を所定のレベルに増幅する増幅部6と、10~100kHz以下の周波数領域の弾性波をカットするハイパスフィルタ7と、音響センサ2の検出信号をデジタル変換するA/D変換器8と、から構成される。
また、信号処理部9は、さらにローパスフィルタや包絡線検波回路を備えて弾性波の信号弁別を高めるようにしてもよい。
分析部11は、信号処理部9で処理した少なくともひとつの音響センサ2で検出した摺動音から所定の摺動部の摺動音の波形を抽出あるいは分離する摺動音の波形抽出・分割部10と、摺動音の波形を周波数領域で解析するスペクトル分析部15と、スペクトル分析部15で求めた摺動音のスペクトル強度の時間変化から、漏洩量値、面粗さ値、摩擦係数値のそれぞれを求める漏洩量値取得部12と面粗さ値取得部13と摩擦係数値取得部14とを有する。
摺動音の波形抽出・分割部10と漏洩量値取得部12と面粗さ値取得部13と摩擦係数値取得部14の詳細については後述する。
判定部16は、漏洩量値取得部12と面粗さ値取得部13と摩擦係数値取得部14で取得した漏洩量、面粗さ、摩擦係数およびこれらの変化率に基づいて、摩擦損失の増大を含む異常の判定を行う異常判定部19と、漏洩発生までの作動回数を推定する漏洩発生までの作動回数推定部17と、駆動部の操作力情報とを組み合わせることで仕切能力を推定する仕切能力の推定部18と、を有する。
より具体的には、異常予兆診断装置20は、アンプやA/D変換器等のアナログ信号回路、内蔵するプログラムにより音響分析・判定を行うマイクロコンピュータ回路、分析結果や判定結果を表示する表示デバイス等から構成する。
異常予兆診断装置20は、弁1の点検時に、作動流体の流れを止めた状態で、弁1の駆動部5を駆動させ、弁棒4を上下または回転させることにより、弁1のウォームギア24、弁棒4とグランドパッキン28の接触面、および弁体29と弁座30の接触面を摺動する。異常予兆診断装置20は、音響センサ2a、2b、2cにより摺動音を検出して、異常の判定、仕切能力の推定、漏洩発生までの作動回数の推定を行う。
つぎに、摺動音の波形抽出・分割部10の処理の詳細を図3により説明する。
図3は、音響センサ2a、2b、2cのそれぞれの検出信号の時間変化の一例を示す図である。
音響センサ2aはウォームギア24の摺動音を検出し、音響センサ2bは弁棒4とグランドパッキン28の接触面の摺動音を検出し、音響センサ2cは弁体29と弁座30の接触面の摺動音をそれぞれ同期して検出する。
ウォームギア24の摺動音、弁棒4とグランドパッキン28の接触面の摺動音、弁体29と弁座30の接触面の摺動音のそれぞれの信号波形は、固有の特徴を持つ。例えば、音響センサ2aが検出するウォームギア24では、摺動音がハンマリングにより発生し、鋭く立ち上がりその後減衰する突発型の信号波形となる。音響センサ2cが検出する弁体29と弁座30の接触面の閉弁時の摺動音もハンマリングによる突発型の信号波形となる。また、音響センサ2bが検出する弁棒4とグランドパッキン28の摺動音は、駆動時に常時発生する連続型の信号波形となる。
また、駆動するモータ音またはエアの音の信号、一定の周期で発生するギアおよびネジ部に発生する摺動音の信号、閉止直前の弁体のぐらつきによる衝撃パルス、閉止時の弁体と弁座のシート部に発生する摺動音の信号、その他噛みこみなどによる異常なパルスは、それぞれ特有の発生音のパターンである。したがって、摺動音のパターンを分類することによって摺動部を判別することができる。
ところで、摺動音は、設置された音響センサ2だけでなく、他の音響センサ2にも伝播する。このため、音響センサ2は目的の摺動音だけでなく、他の摺動音も検出する。例えば、音響センサ2cは、弁体29と弁座30の接触面の摺動音だけでなく、弁棒4とグランドパッキン28の接触面の摺動音と、ウォームギア24の摺動音を検出する。つまり、音響センサ2cの検出信号には、弁棒4とグランドパッキン28の接触面の摺動音と、ウォームギア24の摺動音とが重畳している。
音響センサ2cが検出する弁体29と弁座30の接触面の摺動音は突発型の信号波形であり、信号の振幅期間が短い。これに対して、音響センサ2cが検出する弁棒4とグランドパッキン28の接触面の摺動音と、ウォームギア24の摺動音は、それぞれ、所定の遅延時間後の信号であり、また、伝播により、信号が減衰している。なお、図3は音響センサ2cの伝播信号を説明する図であり、全ての伝播信号を説明するものではない。
そこで、音響センサ2cが検出した信号においては、比較的振幅の大きい信号波形の所定期間を、弁棒4とグランドパッキン28の接触面の摺動音に特定し、他の期間の信号は、雑音として除去する。
より詳しくは、上記の弁体29と弁座30の閉止時の接触面の摺動音は、弁の設置状態によって変わる。
弁棒が直立している正立の状態では、弁体の自重による調心が行われるため、弁体の着座時に発生する摺動は調心による挙動のため複数回発生した後にシート面全体で摺動しながら着座し、流路を閉止する。このため、最後の着座による摺動音に着目することが好ましい。
また、正立の状態でない弁では、弁体と弁座の調心が行われず偏った着座面による摺動音が発生し、取得される摺動音の前半は偏った着座面の摺動であり、後半はシート部全体の摺動である。したがって、後半の摺動音に着目し、漏洩のポテンシャルを診断することが好ましい。
図4は、上記の処理を行う波形抽出・分割部10の処理フローを示す図である。
ステップS41で、波形抽出・分割部10は、A/D変換器8によりデジタル変換した音響センサ2の信号毎に、ステップS42からステップS46を繰り返す。
ステップS42で、波形抽出・分割部10は、信号波形は突発型の波形パターンか否かを判定し、突発型の場合にはステップS43に進み(S42のYes)、連続型等の突発型と異なる波形パターンの場合にはステップS44に進む(S42のNo)。
ステップS43で、波形抽出・分割部10は、音響センサ2の信号において、振幅が大きい所定期間の信号波形を抽出し、摺動音の信号波形に特定する(S45)。そして、ステップS46に進む。
ステップS44で、波形抽出・分割部10は、音響センサ2の信号において、全期間の信号波形を抽出し、摺動音の信号波形に特定する(S45)。そして、ステップS46に進む。
ステップS46で、波形抽出・分割部10は、ステップS42からステップS45を音響センサ2の数分繰り返す。
以後、実施形態の異常予兆診断装置20の分析部11における漏洩量値取得部12と面粗さ値取得部13と摩擦係数値取得部14の処理内容を説明する。
図5は、ウォームギア24の摺動音、弁棒4とグランドパッキン28の接触面の摺動音、弁体29と弁座30の接触面の摺動音のそれぞれにおける、摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数の相関関係を示す図である。
異常予兆診断装置20の分析部11は、摺動部のそれぞれについて、実測した摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数の相関関係を予め記憶しておく。
そして、分析部11は、摺動音を周波数分析するスペクトル分析部15により算出した、所定の音響センサ2で検出した摺動音のスペクトル強度に基づいて、図5に示した摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数の相関関係から、摺動音を検出した際の摺動部の使用開始時からの作動による劣化と流体力や経年等による劣化が加味された作動回数を求める。ここで、検出された摺動音のスペクトル強度から求められた作動回数は、実際の作動回数とは一致せず、求められた作動回数に相当する劣化を検出していることに留意する。
図6Aは、摺動部のそれぞれにおける、面粗さと作動回数の相関関係を示す図である。
分析部11は、実測した面粗さと作動回数の相関関係を予め記憶しておく。
面粗さ値取得部13は、音響センサ2で検出した摺動音に基づいて、摺動音を発する摺動部の面粗さ値を取得する。
詳しくは、面粗さ値取得部13は、まず、先に説明したように、音響センサ2で検出した摺動音のスペクトル強度に基づいて、摺動部の使用開始時からの作動回数を求める(図5)。そして、図6Aに示した面粗さと作動回数の相関関係から、作動回数に相当する摺動部の面粗さ値を取得する。
図6Bは、摺動部のそれぞれにおける、摩擦係数と作動回数の相関関係を示す図である。
分析部11は、実測した摩擦係数と作動回数の相関関係を予め記憶しておく。
摩擦係数値取得部14は、音響センサ2で検出した摺動音に基づいて、摺動音を発する摺動部の摩擦係数値を取得する。
詳しくは、摩擦係数値取得部14は、まず、先に説明したように、音響センサ2で検出した摺動音のスペクトル強度に基づいて、摺動部の使用開始時からの作動回数を求める(図5)。そして、図6Bに示した摩擦係数と作動回数の相関関係から、作動回数に相当する摺動部の摩擦係数値を取得する。
図6Cは、流体を封止する摺動部における、漏洩量と面粗さの相関関係を示す図である。
分析部11は、実測した漏洩量と面粗さの相関関係を予め記憶しておく。
漏洩量値取得部12は、音響センサ2で検出した摺動音に基づいて、摺動音を発する摺動部の漏洩量を取得する。
詳しくは、漏洩量値取得部12は、まず、先に説明したように、音響センサ2で検出した摺動音のスペクトル強度に基づいて、摺動部の使用開始時からの作動回数を求める(図5)。そして、図6Aに示した面粗さと作動回数の相関関係から、作動回数に相当する摺動部の面粗さ値を取得する。その後、図6Cに示した漏洩量と面粗さの相関関係から、取得した摺動部の面粗さ値に対応する漏洩量値を取得する。
つぎに、判定部16における漏洩発生までの作動回数推定部17と仕切能力の推定部18と異常判定部19とについて詳細に説明する。実施形態の異常予兆診断装置20は、この構成により、弁1の分解を含むメンテナンス時期を予測するか、または、弁1の流体を閉止する機能および動的機能に関する正常か否かを含む劣化の予兆の判定を行う。
漏洩発生までの作動回数推定部17は、漏洩量値取得部12で取得した漏洩量と、漏洩量と面粗さの相関関係と、面粗さと作動回数の相関関係とから、漏洩発生までの作動回数を推定する。
詳しくは、漏洩発生までの作動回数推定部17は、漏洩量値取得部12で取得した漏洩量が「0」の場合、つまり、漏洩していない場合に、漏洩量と面粗さの相関関係(図6C)から漏洩量が「0」より大きくなる摺動部の面粗さを求める。そして、面粗さと作動回数の相関関係(図6A)から漏洩量が「0」より大きくなる摺動部の面粗さに相当する作動回数を求める。漏洩発生までの作動回数推定部17は、上記で求めた作動回数から摺動音を検出した際の作動回数を減じて、漏洩発生までの作動回数とする。
漏洩発生までの作動回数推定部17は、算出した漏洩発生までの作動回数が所定の作動回数になるタイミングを弁1の分解を含むメンテナンス時期と予測する。
また、漏洩発生までの作動回数推定部17は、漏洩量値取得部12で取得した漏洩量が「0」の場合には、弁の流体を閉止する機能が「正常」と判定し、漏洩量が「0」より大きい場合には、弁の流体を閉止する機能が「正常でない(異常)」と判定する。
また、漏洩発生までの作動回数推定部17は、求めた漏洩発生までの作動回数が所定の作動回数より小さい場合に、弁の流体を閉止する機能に関する劣化の予兆があると判定する。
仕切能力の推定部18は、駆動部の操作力情報を組み合わせることで、仕切弁の弁体の閉止および開放を行う仕切能力を推定する。
詳しくは、仕切能力の推定部18は、摺動音の検出と同期して弁1の駆動部5の駆動電流を計測し、駆動力の変化率を求める。そして、摩擦係数値取得部14で取得した各摺動部の摩擦係数値の変化率を求める。仕切能力の推定部18は、駆動力の変化率と各摺動部の摩擦係数値の変化率を対比して、駆動力の変化率が大きくなった際に、摩擦係数値の変化率が大きくなった摺動部を、駆動力増加の原因箇所と予測する。
また、仕切能力の推定部18は、駆動力と作動回数の相関関係から駆動部5の最大駆動力に到達する作動回数を求め、弁仕切能力の限界の作動回数を予測する。この際の作動回数は、実測した摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数の相関関係から求めた作動回数を適用する。
異常判定部19は、摩擦係数値取得部14で取得した摩擦係数およびこれらの変化率に基づいて、摩擦損失の増大を含む異常の判定を行うか、または、面粗さ値取得部13で取得した面粗さおよびこれらの変化率に基づいて、面粗さ損失の増大を含む異常の判定を行う。
詳しくは、異常判定部19は、摩擦係数値取得部14で取得した摺動音から求めた各摺動部の摩擦係数値を取得する。また、面粗さ値取得部13で取得した摺動音から求めた各摺動部の面粗さを取得する。
そして、異常判定部19は、取得した各摺動部の摩擦係数の変化量と面粗さの変化量を算出する。
異常判定部19は、各摺動部における摩擦係数と作動回数の相関関係から摩擦係数が許容される最大値に達する作動回数を求め、摩擦係数の最大値に達する作動回数の所定値を弁1の分解を含むメンテナンスのタイミングと予測する。そして、各摺動部で最も早いタイミングをメンテナンス時期とする。さらに、各摺動部の摩擦係数の変化量のうち最大の値となる摺動部を異常が予測される摺動部とする。
また、異常判定部19は、各摺動部の面粗さと作動回数の相関関係から面粗さが許容される最大値に達する作動回数を求め、面粗さの最大値に達する作動回数の所定値を弁1の分解を含むメンテナンスのタイミングと予測する。そして、各摺動部で最も早いタイミングをメンテナンス時期とする。さらに、各摺動部の面粗さの変化量のうち最大の値となる摺動部を異常が予測される摺動部とする。
さらに、異常判定部19は、摩擦係数値取得部14で取得した摩擦係数が正常時の摩擦係数より大きい場合に、摩擦係数の変化量に応じて、弁の流体を閉止する機能および動的機能に関して正常か否かを判定すると共に、異常判定部19は、摩擦係数の変化量が所定値より大きい場合に、摺動部の劣化の予兆があると判定する。
また、異常判定部19は、面粗さ値取得部13で取得した面粗さが正常時の面粗さより大きい場合に、面粗さの変化量に応じて、弁の流体を閉止する機能および動的機能に関して正常か否かを判定すると共に、異常判定部19は、面粗さの変化量が所定値より大きい場合に、摺動部の劣化の予兆があると判定する。
異常判定部19は、弁の流体を閉止する機能および動的機能に関して正常か否かを判定する際、または、摺動部の劣化の予兆を判定する際に、少なくとも摩擦係数値取得部14で取得した摩擦係数と面粗さ値取得部13で取得した面粗さの一方により、判定すればよい。
上記の実施形態の異常予兆診断装置20では、複数の摺動部のそれぞれ摺動音を複数の音響センサ2で検出し、音響センサ2が検出した目的の摺動音以外の摺動音を摺動音の波形抽出・分割部10で除去して劣化予兆診断を行うことを説明した。
しかし、これに替えて、波形抽出・分割部10で音響センサ2が検出した摺動音のパターンを分析して摺動部毎に分類するようにしてもよい。この際に、摺動音は伝播減衰するため、劣化予兆診断する摺動部の近くに音響センサを配置する。
具体的には、図1において弁棒4とグランドパッキン28の摺動音を検出する音響センサ2を設け、波形抽出・分割部10により摺動音を抽出すると共に、伝播信号として、弁1の駆動部5であるモータ22、弁1のウォームギア24、弁棒ネジ部25、および弁体29と弁座30の摺動面の摺動音を音響センサ2で検出して波形抽出・分割部10により波形パターンに応じてそれぞれの摺動音を分割する。
ところで、モータ22を駆動している場合には、モータにより連続音が発生し、他の摺動音が埋もれてしまう可能性がある。このため、手動ハンドル23により弁1を操作して摺動音を検出するとよい。
また、弁1の操作開始時には、ハンマリングによるパルスが発生するため、弁体29と弁座30との摺動音と混同しないように、開操作よりも閉操作の方が好ましい。
この場合には、初期のハンマリングによる摺動音、駆動時に常時発生するグランドパッキン28の摺動音、一定の周期で発生する手動ハンドル23のギア(不図示)の摺動音、ウォームギア24および弁棒ネジ部25に発生する摺動音、閉止直前の弁体29のぐらつきによる衝撃音、閉止時の弁体29と弁座30のシート部に発生する摺動音、その他噛みこみなどによる異常なパルス音が異なるパターンの摺動音として取得できる。
波形抽出・分割部10が、摺動音の信号パターンに応じて摺動音を分類することにより、異常予兆診断装置20は、単一の音響センサ2においても、複数の摺動部の状態を診断することができる。
なお、音響センサ2は、最も診断を優先するべき摺動箇所の近傍、または摺動音の振幅が小さいグランドパッキン28の近傍に設置することが好ましい。
上記の実施形態では、仕切弁を有する弁1について説明したが、弁の型式はこれに限定されず、玉弁、バタフライ弁、ボール弁においても同様の診断が可能である。
弁では、仕切弁と同様に弁体と弁座の接触面であるシート部において、開閉作動時に摺動が生じる。仕切弁と比較して、作動時間および摺動距離が短いが、衝突音が発生した後に短い摺動音の信号を得ることができる。この摺動音の信号により、シート部の状態の診断が可能となる。
また、バタフライ弁、ボール弁では、弁棒および弁体が回転することで、流路を閉止しているが、上記の仕切弁と同様の摺動が発生するため、摺動音の信号による診断が可能となる。
さらに、上記の実施形態では、弁1の駆動方式が電動弁の場合を説明したが、空気作動弁においても同様の診断を行うことができる。空気作動弁においては、電動弁の駆動部5の摺動に代わり、ピストンの上下運動により、摺動が発生する。この摺動音を音響センサ2によって取得することにより、電動弁の場合と同様の診断を行う。
つぎに、実施形態の異常予兆診断装置20を原子力発電設備に適用する場合について説明する。
原子力発電設備に設置される弁は、高温な弁、流体が常時弁内部を通過している弁、雰囲気の放射線量が高い場所に設置される弁、運転中の騒音が大きい場所に設置される弁など様々存在する。そのため、原子力発電設備へ適用する場合には定期検査時のような常温であり、系統が停止しており、放射線量が高くなく、静かな状態にて実施することが好ましい。
原子力発電設備の運転時に高温になる弁は保温材33に覆われているものが多く、図1に示した弁体29と弁座30の接触面近傍への音響センサ2の設置が困難である。保温材33は通常取り外せる仕様になっているが、検査期間を短くする目的もあるため、保温材33を装着したまま診断することが望ましい。
図7は、保温材33を装着したまま診断する音響センサ2の取付方法を示す図である。
弁箱3の保温材33には、保温効果に影響が出ない程度の筒状のアクセス通路が備えており、診断の際には、そのアクセス通路に筒状の取付治具34が備わった聴針棒31を差し込む。ここで、保温材33の綿等の内部物質と聴針棒31が接触しないようになっていることが重要であり、これが達成される構造であれば、他の構造であってもよい。
聴針棒31は、音響センサ2と弁箱3以外接触しない構造であるため、弁体29と弁座30の摺動部から発生する信号が聴針棒31中で分散することなく、また、聴針棒31中でノイズが発生することもないため、より精度の高い診断が可能となる。
これにより、原子力発電設備おいて、弁の分解点検の物量、労力、コスト、被ばく量の低減および検査期間の縮小による稼働率の向上を実現できる。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明で分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
1 電動仕切弁(弁)
2、2a、2b、2c 音響センサ
6 増幅部(信号処理部)
7 ハイパスフィルタ(信号処理部)
8 A/D変換器(信号処理部)
9 信号処理部
10 摺動音の波形抽出・分割部(分析部)
11 分析部
12 漏洩量値取得部(分析部)
13 面粗さ値取得部(分析部)
14 摩擦係数値取得部(分析部)
15 スペクトル分析部(分析部)
16 判定部
17 漏洩発生までの作動回数推定部(判定部)
18 仕切能力の推定部(判定部)
19 異常判定部(判定部)
20 異常予兆診断装置

Claims (15)

  1. 弁体と弁座の閉止時の接触面の摺動音を検出する少なくともひとつの音響センサの信号を処理する信号処理部と、
    前記信号処理部で処理され、前記音響センサにより検出した摺動音のスペクトル強度から前記摺動音を発する摺動部の漏洩量、面粗さ、または摩擦係数の状態を求める分析部と、
    前記分析部で求めた摺動部の漏洩量、面粗さ、または摩擦係数から弁の流体を閉止する機能および動的機能に関する正常か否かを含む劣化の予兆を判定して弁の分解を含むメンテナンス時期を予測する判定部と、
    を備え
    前記分析部は、摺動部のそれぞれについて、実測した摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数の相関関係、実測した漏洩量と面粗さの相関関係、実測した摩擦係数と作動回数の相関関係、及び実測した面粗さと作動回数の相関関係を予め記憶しておき、摺動音のスペクトル強度から前記摺動部の漏洩量、面粗さ、または摩擦係数の状態を求める
    ことを特徴とする異常予兆診断装置。
  2. 請求項1に記載の異常予兆診断装置において、
    前記信号処理部は、弁の弁体と弁座との摺動部、グランドパッキンと弁棒との摺動部、弁棒のネジ部の摺動部、電動弁のウォームギアの摺動部、または空気作動弁のピストン部の摺動部で発生する摺動音を検出した音響センサの信号を処理する
    ことを特徴とする異常予兆診断装置。
  3. 請求項2に記載の異常予兆診断装置において、
    前記分析部が、弁棒が直立している正立の状態の前記弁の弁体と弁座との摺動部においては、弁体の着座時に複数回発生する摺動音のうち最後の摺動音に基づいてメンテナンス時期を予測し、正立していない前記弁の弁体と弁座との摺動部においては、前半の偏った着座面の摺動音と後半の着座面全体の摺動音に基づいてメンテナンス時期を予測する
    ことを特徴とする異常予兆診断装置。
  4. 請求項1に記載の異常予兆診断装置において、
    前記信号処理部は、アコースティックエミッションセンサ、圧電センサ、または超音波センサのいずれかの音響センサの信号を処理する
    ことを特徴とする異常予兆診断装置。
  5. 請求項2に記載の異常予兆診断装置において、
    前記信号処理部は、前記弁体と弁座の摺動部、前記弁棒とグランドパッキンの摺動面、前記弁棒のネジ部の摺動部、前記電動弁のウォームギアの摺動部、または前記空気作動弁のピストン部の摺動部の摺動音の直接波の伝播経路となる弁外表面の位置に直接または聴針棒を介して設置される音響センサの信号を処理する
    ことを特徴とする異常予兆診断装置。
  6. 請求項5に記載の異常予兆診断装置において、
    前記音響センサは、組込みまたは取り外し可能な設置治具または接着剤またははんだ付けまたは手持ちにより設置され、
    前記取り外し可能な設置治具は磁石、吸盤、万力、ボルトのうちひとつまたは複数により、弁外表面に直接設置されるか、または地面に設置された三脚または柱や他の機器から伸びたアームにより設置される
    ことを特徴とする異常予兆診断装置。
  7. 請求項5に記載の異常予兆診断装置において、
    前記弁が断熱材や壁で覆われている場合、前記断熱材や壁に開閉可能な筒状のアクセス通路を確保し、そこに前記聴針棒と一体となった筒状の取付治具が差し込まれ、前記聴針棒が前記音響センサおよび前記弁以外に接触しないよう設置される
    ことを特徴とする異常予兆診断装置。
  8. 請求項2に記載の異常予兆診断装置において、
    前記分析部は、前記弁の閉操作時における音響センサの信号を、信号パターンに応じて、ハンマリングの摺動音、グランドパッキンの摺動部の摺動音、駆動部のモータ音もしくはエア音、ギアおよびネジ部の摺動音、閉止直前の弁体のぐらつきによる衝撃音、閉止時の弁体と弁座の摺動音、またはその他噛みこみなどによる異常音に分類する摺動音の波形抽出・分割部を有する
    ことを特徴とする異常予兆診断装置。
  9. 弁体と弁座の閉止時の接触面の摺動音を検出する少なくともひとつの音響センサの信号を処理する信号処理部と、
    摺動部のそれぞれについて、実測した摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数の相関関係、及び実測した摩擦係数と作動回数の相関関係を予め記憶しておき、前記信号処理部で処理され、前記音響センサにより検出した摺動音のスペクトル強度から前記摺動音を発する摺動部の摩擦係数の状態を求める分析部と
    記分析部で取得した摺動部の摩擦係数が正常時の摩擦係数より大きい場合に、摩擦係数の変化量に応じて、弁の流体を閉止する機能および動的機能に関して正常か否かを判定すると共に、摩擦係数の変化量が所定値より大きい場合に、摺動部の劣化の予兆があると判定する判定部と、
    を備えることを特徴とする異常予兆診断装置。
  10. 弁体と弁座の閉止時の接触面の摺動音を検出する少なくともひとつの音響センサの信号を処理する信号処理部と、
    摺動部のそれぞれについて、実測した摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数の相関関係、及び実測した面粗さと作動回数の相関関係を予め記憶しておき、前記信号処理部で処理され、前記音響センサにより検出した摺動音のスペクトル強度から前記摺動音を発する摺動部の面粗さの状態を求める分析部と、
    記分析部で取得した面粗さが正常時の面粗さより大きい場合に、面粗さの変化量に応じて、弁の流体を閉止する機能および動的機能に関して正常か否かを判定すると共に、面粗さ値の変化量が所定値より大きい場合に、摺動部の劣化の予兆があると判定する判定部とを備える
    ことを特徴とする異常予兆診断装置。
  11. 弁体と弁座の閉止時の接触面の摺動音を検出する少なくともひとつの音響センサの信号を処理する信号処理部と、
    摺動部のそれぞれについて、実測した摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数の相関関係、実測した摩擦係数と作動回数の相関関係、及び実測した面粗さと作動回数の相関関係を予め記憶しておき、摺動音のスペクトル強度から前記摺動部の面粗さ、または摩擦係数の状態を求める分析部と、
    記分析部で取得した摺動部の摩擦係数が正常時の摩擦係数より大きい場合に、摩擦係数の変化量に応じて、弁の流体を閉止する機能および動的機能に関して正常か否かを判定すると共に、摩擦係数の変化量が所定値より大きい場合に、摺動部の劣化の予兆があると判定するか、または、
    前記分析部で取得した面粗さが正常時の面粗さより大きい場合に、面粗さの変化量に応じて、弁の流体を閉止する機能および動的機能に関して正常か否かを判定すると共に、面粗さ値の変化量が所定値より大きい場合に、摺動部の劣化の予兆があると判定する判定部とを備える
    ことを特徴とする異常予兆診断装置。
  12. 弁体と弁座の閉止時の接触面の摺動音を検出する少なくともひとつの音響センサの信号を処理する信号処理部と、
    摺動部のそれぞれについて、実測した摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数または/かつ経過時間の相関関係、及び実測した摩擦係数と作動回数または/かつ経過時間の相関関係を予め記憶しておき、摺動音のスペクトル強度から前記摺動部の摩擦係数の状態を求める分析部と、
    記分析部で取得した摺動部の摩擦係数と作動回数または/かつ経過時間との相関関係から摩擦係数が許容される最大値に達する作動回数または/かつ経過時間を求め、摩擦係数の最大値に達するまでの作動回数または/かつ経過時間が所定の作動回数または/かつ経過時間になるタイミングを弁の分解を含むメンテナンス時期と予測する判定部とを備える
    ことを特徴とする異常予兆診断装置。
  13. 弁体と弁座の閉止時の接触面の摺動音を検出する少なくともひとつの音響センサの信号を処理する信号処理部と、
    摺動部のそれぞれについて、実測した摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数の相関関係、及び実測した摩擦係数と作動回数の相関関係を予め記憶しておき、摺動音のスペクトル強度から前記摺動部の摩擦係数の状態を求める分析部と、
    動音の検出と同期して弁の駆動部の駆動電流を計測し、駆動力の変化率を求めると共に前記分析部で取得した各摺動部の摩擦係数値の変化率を求め、前記駆動力の変化率と各摺動部の摩擦係数値の変化率を対比して、駆動力の変化率が大きくなった際に、摩擦係数値の変化率が大きくなった摺動部を、駆動力低下の原因箇所と予測するとともに、
    動力と作動回数の相関関係から駆動部の最大駆動力に到達する作動回数を求め、弁仕切能力の限界の作動回数を予測する判定部とを備える
    ことを特徴とする異常予兆診断装置。
  14. 弁体と弁座の閉止時の接触面の摺動音を検出する少なくともひとつの音響センサの信号を処理する信号処理部と、
    摺動部のそれぞれについて、実測した摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数または/かつ経過時間の相関関係、実測した漏洩量と面粗さの相関関係、及び実測した面粗さと作動回数または/かつ経過時間の相関関係を予め記憶しておき、前記信号処理部で処理され、前記音響センサにより検出した摺動音のスペクトル強度から前記摺動部の漏洩量、及び面粗さの状態を求める分析部と、
    動部の漏洩量と面粗さの相関関係から漏洩が発生する面粗さを求め、面粗さと作動回数または/かつ経過時間との相関関係から前記漏洩が発生する面粗さに相当する作動回数または/かつ経過時間を求め、前記漏洩が発生する作動回数または/かつ経過時間から漏洩が無い状態において摺動音を検出した際の作動回数または/かつ経過時間を減じて漏洩発生までの作動回数または/かつ経過時間を算出し、算出した漏洩発生までの作動回数または/かつ経過時間が所定の作動回数または/かつ経過時間になるタイミングを弁の分解を含むメンテナンス時期と予測する判定部とを備える
    ことを特徴とする異常予兆診断装置。
  15. 弁の摺動部の状態を診断する異常予兆診断装置の診断方法であって、
    弁体と弁座の閉止時の接触面の摺動音を検出する少なくともひとつの音響センサの信号を処理するステップと、
    弁体と弁座の摺動部のそれぞれについて、実測した摺動音のスペクトル強度と摺動部の作動回数の相関関係、実測した漏洩量と面粗さの相関関係、実測した摩擦係数と作動回数の相関関係、及び実測した面粗さと作動回数の相関関係を予め記憶しておき、処理した摺動音のスペクトル強度から前記摺動音を発する摺動部の漏洩量、面粗さ、または摩擦係数の状態を求めるステップと、
    求めた摺動部の漏洩量、面粗さ、または摩擦係数から弁の流体を閉止する機能および動的機能に関する正常か否かを含む劣化の予兆を判定して弁の分解を含むメンテナンス時期を予測するステップと、
    を含むことを特徴とする診断方法。
JP2020143046A 2020-08-26 2020-08-26 異常予兆診断装置およびその診断方法 Active JP7356956B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020143046A JP7356956B2 (ja) 2020-08-26 2020-08-26 異常予兆診断装置およびその診断方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020143046A JP7356956B2 (ja) 2020-08-26 2020-08-26 異常予兆診断装置およびその診断方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2022038500A JP2022038500A (ja) 2022-03-10
JP2022038500A5 JP2022038500A5 (ja) 2022-08-17
JP7356956B2 true JP7356956B2 (ja) 2023-10-05

Family

ID=80498966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020143046A Active JP7356956B2 (ja) 2020-08-26 2020-08-26 異常予兆診断装置およびその診断方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7356956B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001050493A (ja) 1999-08-04 2001-02-23 Miyawaki Inc スチームトラップ性能検出装置
JP3277938B2 (ja) 1991-02-21 2002-04-22 ミサワホーム株式会社 屋根パネルユニット
JP2010117330A (ja) 2008-11-14 2010-05-27 Kanto Chem Co Inc エアオペレートバルブ診断方法、エアオペレートバルブ診断装置、及びエアオペレートバルブ
JP2013029422A (ja) 2011-07-28 2013-02-07 Air Liquide Japan Ltd 運動体の異常診断装置
JP2015175732A (ja) 2014-03-14 2015-10-05 三菱重工業株式会社 音響評価システム及び音響評価方法
JP2015184029A (ja) 2014-03-20 2015-10-22 原子燃料工業株式会社 スイング逆止弁の診断方法
US20200132222A1 (en) 2017-06-30 2020-04-30 Vat Holding Ag Vacuum valve with acoustic sensor

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03277938A (ja) * 1990-03-28 1991-12-09 Hitachi Ltd 電動弁余寿命診断エキスパートシステム
JPH04235390A (ja) * 1991-01-10 1992-08-24 Toshiba Corp 原子力プラントの配管系の異常診断装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3277938B2 (ja) 1991-02-21 2002-04-22 ミサワホーム株式会社 屋根パネルユニット
JP2001050493A (ja) 1999-08-04 2001-02-23 Miyawaki Inc スチームトラップ性能検出装置
JP2010117330A (ja) 2008-11-14 2010-05-27 Kanto Chem Co Inc エアオペレートバルブ診断方法、エアオペレートバルブ診断装置、及びエアオペレートバルブ
JP2013029422A (ja) 2011-07-28 2013-02-07 Air Liquide Japan Ltd 運動体の異常診断装置
JP2015175732A (ja) 2014-03-14 2015-10-05 三菱重工業株式会社 音響評価システム及び音響評価方法
JP2015184029A (ja) 2014-03-20 2015-10-22 原子燃料工業株式会社 スイング逆止弁の診断方法
US20200132222A1 (en) 2017-06-30 2020-04-30 Vat Holding Ag Vacuum valve with acoustic sensor

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022038500A (ja) 2022-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5008841A (en) Non-invasive system and method for inspection of valves
JP4430316B2 (ja) 状態検出装置及び状態検出方法並びに状態検出用プログラム及び情報記録媒体
JP4771334B2 (ja) 状態検出装置及び状態検出方法並びに状態検出用プログラム及び情報記録媒体、状態表示装置及び状態表示方法並びに状態表示用プログラム及び情報記録媒体
JP4695185B2 (ja) 状態検出装置及び状態検出方法並びに状態検出用プログラム及び情報記録媒体
US5154080A (en) Integrated check valve testing system
US7366590B2 (en) Impending failure and failure annunciation systems for actuators and drive train components
JP7332420B2 (ja) 振動センサによって内燃機関の構成要素のメンテナンスを予測するための方法
JP6508017B2 (ja) 機械設備の評価方法
JP5399687B2 (ja) エアオペレートバルブ診断方法及びエアオペレートバルブ
JP2010054434A (ja) 弁診断方法及び弁診断装置
JP6714806B2 (ja) 状態監視装置及び状態監視方法
US4571994A (en) Acoustical testing of hydraulic actuators
JPH10281859A (ja) 異常診断方法および装置
JP6289196B2 (ja) スイング逆止弁の診断方法
JP7356956B2 (ja) 異常予兆診断装置およびその診断方法
JP2002181038A (ja) 異常診断装置
JP5476413B2 (ja) 回転機械の健全性診断方法
JP2002188411A (ja) 異常診断装置
JP2713967B2 (ja) 空気作動機器の診断装置
JP2023115776A (ja) 異常予兆診断システム、異常予兆診断装置およびその診断方法
JPH07119862A (ja) 空気圧式作動弁の診断装置
JP2023124723A (ja) 異常予兆診断システム
Alekseev et al. Data measurement system of compressor units defect diagnosis by vibration value
JP2022038500A5 (ja)
JPH04337180A (ja) 電動弁診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220808

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230925

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7356956

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150