JP4693249B2 - ブラシレスモータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステータの構造を改良したブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和装置の室外ファン及び室内ファンを駆動させる駆動源として、ブラシレスモータを用いたものがある。このブラシレスモータは、内周に突設された複数のコアのそれぞれにコイルが巻回されてステータが構成され、このステータの内側にロータが回転可能に配設されたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなブラシレスモータでは、永久磁石からなるロータを回転させるために、ステータの各コイルに順次通電がなされる。ところが、このコイルへ流れる電流の変化によってステータのコアが振動してしまい、この振動に伴って騒音が発生する恐れがある。
【0004】
また、ステータにおける複数のコアに巻回された隣接するコイルは、相互に良好に絶縁されている必要がある。
【0005】
上述の事情を考慮し、請求項1または3に記載の発明の目的は、コイルが巻回されるステータのコアの振動を抑制して騒音を低減できるブラシレスモータを提供することにあり、また、請求項2または3に記載の発明の目的は、ステータの複数のコアのそれぞれに巻回される隣接するコイル同士の絶縁性を向上させることができるブラシレスモータ提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、内周に突設された複数のコアのそれぞれにコイルが巻回されて構成されたステータの内側に、ロータが回転可能に配設されたブラシレスモータにおいて、上記コアのそれぞれの間に、非磁性及び絶縁性を備えた材料から成り前記コアの基端から当該コアの先端のティースまで延び、それぞれが同一の基板に一体に構成された板状部材が、隣接する上記コアのティースの間に圧入して配置されたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記基板が、ステータのコイルに対向し且つ絶縁性を備えて構成されたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項1に記載の発明には、次の作用がある。
【0012】
ステータにおける隣接するコアの先端のティース間に、非磁性材料から成る板状部材が、隣接するティースに圧接して配置されたことから、コアのコイルに流れる電流の変化によってコアが振動しようとしても、隣接するコア先端のティースが板状部材により一体化されて剛性が高められるので、上記コアの振動が抑制されて、このコアの振動に伴い発生する騒音を低減できる。
【0013】
請求項1に記載の発明には、次の作用がある。
【0014】
隣接するコアのそれぞれに巻回されたコイル間に、非磁性及び絶縁性を備えた材料から成る板状部材が配置されたことから、この板状部材が絶縁隔壁となって、隣接するコイル同士の絶縁性を向上させることができる。
【0015】
請求項1に記載の発明には、次の作用がある。
【0016】
ステータにおける隣接するコアの先端のティース間、これらのコアに巻回されたコイル間に配置された複数の板状部材が基板に一体に構成されたことから、これらの板状部材を、隣接するティース間、隣接するコイル間に配置する作業を同時に実施できるので、作業性を向上させることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明には、次の作用がある。
【0018】
複数の板状部材を一体化する基板が、ステータのコイルに対向し且つ絶縁性を備えて構成されたことから、ステータのコイルに近接配置された金属部材とステータのコイルとを、上記基板にて良好に絶縁することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
【0020】
図1は、本発明に係るブラシレスモータの一実施の形態をを示す断面図である。このブラシレスモータ30は、分離型空気調和装置の室内機や室外機(ともに図示せず)に内蔵された室内ファンや室外ファンに適用される。図1に示すように、上記ブラシレスモータ30は、ステータ31の内側に、永久磁石からなるロータ32が回転可能に配設されて構成される。
【0021】
図4に示すように、ステータ31の内周面に複数のコア33が突設され、これらのコア33のそれぞれにコイル34が巻回されてステータ31が構成される。また、それぞれのコア33の先端部となるティース部35は、ロータのマグネットと対向し、このティース部35近傍に、ロータ32の回転位置を検出するホール素子等の回転センサ(不図示)が設置される場合もある。
【0022】
図1に示すように、ブラシレスモータ30は、上記回転センサや巻線の誘導電圧などにより検出されたロータ32の回転位置に応じて、インバータ等を用い、複数のコイル34へ順次通電することにより、磁力の作用でロータ32を回転させる。
【0023】
ところで、上述のようなブラシレスモータ30のステータ31には、ロータ32が組み込まれる前に、図5に示す振動抑制部品36が組み付けられる。
【0024】
この振動抑制部品36は、リング形状の基板37に、複数枚の板状部材38が、基板37の周方向に立設して一体に構成されたものである。これらの基板37及び板状部材38は、非磁性及び絶縁性を備えた材料、例えば樹脂から成る。
【0025】
振動抑制部品36をステータ31に組み付けたときには、図1及び図2に示すように、振動抑制部品36の板状部材38が、ステータ31における隣接するコア33の先端のティース部35間に圧入される。このとき、振動抑制部品36における板状部材38の内側部分38Aが、ステータ31における隣接するティース部35に圧接されて配置され、これら隣接するティース部35が一体化されてコア33の剛性が高められる。また、板状部材38の外側部分38Bは、ステータ31における隣接するコイル34間に配置されて絶縁隔壁として機能する。
【0026】
振動抑制部品36がステータ31に組み付けられたときには、図3に示すように、振動抑制部品36の基板37がステータ31のコイル34に対向して位置付けられる。これにより、ステータ31及びロータ32を覆う金属部材としてのブラケット39が、ステータ31のコイル34に近接配置されたとき、このブラケット39とステータ31のコイル34との絶縁が良好になされる。
【0027】
従って、上記実施の形態のブラシレスモータ30によれば、次の効果▲1▼〜▲4▼を奏する。
【0028】
▲1▼ステータ31における隣接するコア33の先端部となるティース部35間に、非磁性材料から成る振動抑制部品36の板状部材38の内側部分38Aが、隣接するティース部35に圧接して配置されたことから、コア33に巻回されたコイル34に流れる電流の変化によってコア33が振動しようとしても、隣接するコア33のティース部35が板状部材38の内側部分38Aにより一体化されて、コア33の剛性が高められるので、ステータ31のコア33の振動が抑制されて、このコア33の振動に伴い発生する騒音を低減できる。
【0029】
▲2▼ステータ31における隣接するコア33のそれぞれに巻回されコイル34間に、非磁性及び絶縁性を備えた材料から成る振動抑制部品36の板状部材38の外側部分38Bが配置されたことから、この板状部材38の外側部分38Bが絶縁隔壁となって、ステータ31における隣接するコイル34同士の絶縁性を向上させることができる。
【0030】
▲3▼ステータ31における隣接するコア33の先端部となるティース部35間、これらのコア33に巻回されたコイル34間に配置された振動抑制部品36の複数の板状部材38が基板37に一体に構成されたことから、これらの板状部材38を、ステータ31の隣接するティース部35間、隣接するコイル34間に配置する作業を同時に実施できるので、振動抑制部品36をステータ31に組み付ける作業性を向上させることができる。
【0031】
▲4▼振動抑制部品36における複数の板状部材38を一体化する基板37が、ステータ31のコイル34に対向し且つ絶縁性を備えて構成されたことから、ステータ31のコイル34に近接配置されたブラケット39とステータ31のコイル34とを、基板37にて良好に絶縁することができる。
【0032】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明に係るブラシレスモータによれば、内周に突設された複数のコアのそれぞれにコイルが巻回されて構成されたステータの内側に、ロータが回転可能に配設されたブラシレスモータにおいて、隣接する上記コアの先端のティース間に、非磁性材料から成る板状部材が、隣接する上記ティースに圧接して配置されたことから、コイルが巻回されるステータのコアの振動を抑制して騒音を低減できる。
【0034】
請求項2に記載の発明に係るブラシレスモータによれば、内周に突設された複数のコアのそれぞれにコイルが巻回されて構成されたステータの内側に、ロータが回転可能に配設されたブラシレスモータにおいて、隣接する上記コアの上記コイル間に、非磁性及び絶縁性を備えた材料から成る板状部材が配置されたことから、ステータの複数のコアのそれぞれに巻回される隣接するコイル同士の絶縁性を向上させることができる。
【0035】
請求項3に記載の発明に係るブラシレスモータによれば、内周に突設された複数のコアのそれぞれにコイルが巻回されて構成されたステータの内側に、ロータが回転可能に配設されたブラシレスモータにおいて、隣接する上記コアの先端のティース間、及びこれらのコアのそれぞれの上記コイル間に、非磁性及び絶縁性を備えた材料から成る板状部材が、隣接する上記ティースに圧接して配置されたことから、コイルが巻回されるステータのコアの振動を抑制して騒音を低減できると共に、ステータの複数のコアのそれぞれに巻回される隣接するコイル同士の絶縁性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブラシレスモータの一実施の形態を示し、図3のI−I線に沿う断面図である
【図2】図1のII部を拡大して示す拡大断面図である。
【図3】図2のIII− III線に沿う断面図である。
【図4】図1のステータを示す正面図である。
【図5】図1の板状部材を備えた振動抑制部品を示し、(A)がその正面図、(B)がその側面図である。
【符号の説明】
30 ブラシレスモータ
31 ステータ
32 ロータ
33 コア
34 コイル
35 ティース部
36 振動抑制部品
37 基板
38 板状部材
38A 内側部分
38B 外側部分
Claims (2)
- 内周に突設された複数のコアのそれぞれにコイルが巻回されて構成されたステータの内側に、ロータが回転可能に配設されたブラシレスモータにおいて、
上記コアのそれぞれの間に、非磁性及び絶縁性を備えた材料から成り前記コアの基端から当該コアの先端のティースまで延び、それぞれが同一の基板に一体に構成された板状部材が、隣接する上記コアのティースの間に圧入して配置されたことを特徴とするブラシレスモータ。 - 上記基板が、ステータのコイルに対向し且つ絶縁性を備えて構成されたことを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
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