JP4691718B2 - 分離装置、及びこれを用いた液体分溜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、気体中に浮遊する霧状の液滴、煙などの浮遊物質を凝集させて気体から分離する分離装置、及びこれを用いて被処理液中の成分を分溜する液体分溜装置に関する。
空気中に浮遊する霧状の液滴や煙を凝集させて、気体から分離する分離装置としては、霧状の液滴や煙を含む気体を冷却するもの、金属繊維からなるフィルタ(ワイヤデミスタ)を透過させるもの(例えば、特許文献1参照)、静電捕集方式などを用いた電気集塵によるもの(例えば、特許文献2参照)、旋回気流を用いたサイクロン方式などの手法が知られている。
特開平10−66818 特開平10−382号公報(図1)
しかしながら、これらの方法による浮遊物質の捕集効率は、必ずしも十分とは言えず、浮遊物質を適切に回収できなかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、効率よく浮遊物質を気体から分離することができる分離装置、及びこれを用いて被処理液から含まれている成分を効率よく分溜する液体分溜装置を提供することを目的とする。
その解決手段は、気体中に浮遊する浮遊物質を凝集させて上記気体から分離する分離装置であって、超音波振動を発生する超音波振動子と、上記浮遊物質を含む気体を導入する導入口、上記気体を排出する排出口、及び、上記導入口と排出口との間を結ぶ内部流通空間を画定する側壁部を含む流通路部材であって、上記浮遊物質を含む上記気体全体が、上記流通路部材内を流れる構成とされ、前記超音波振動子により上記側壁部に励起された超音波振動によって、上記側壁部から放射される空中超音波で上記内部流通空間に定在波音場を形成する流通路部材と、を備える分離装置である。
本発明の分離装置では、 浮遊物質を含む上記気体全体が、上記流通路部材内を流れる構成とされ、側壁部の超音波振動により流通路部材の内部流通空間に定在波音場が形成されると、導入口から内部流通空間内に導入された気体に含まれる霧状の液滴や煙等の浮遊物質は、その定在波音場の節部に集まると共に、浮遊物質同士が衝突して一体化し、次第に大きな粒子となる。すると、空中に浮遊していることができず、重力に従って落下し、流通路部材の側壁部に付着したり、別途設けた捕集容器へ落下する。
空中超音波は、気中での進行と共に急激に減衰するが、本発明の分離装置では、側壁部を超音波振動させ、この側壁部から空中超音波を放射させることにより、この側壁部の内側の内部流通空間において、側壁部のすぐ近くの気体中に浮遊する浮遊物質に空中超音波を照射し振動させることができるから、効率よく浮遊物質を凝集させることができる。
かくして、気体と浮遊物質とを効率よく分離することができる。
本発明の分離装置は、気体中から浮遊物質を回収し、有用な液体その他の物質を得たい場合、即ち液体回収装置や物質回収装置として用いるほか、気体中から浮遊物質を除去し、浮遊物質のない気体を得たい場合、即ち、浮遊物質除去装置としても用いることができる。
浮遊物質としては、気体中に浮遊し、互いに衝突することにより一体化して大きくなることができる粒子状の物質が挙げられ、例えば、霧状の水滴、油滴などの液滴や、たばこの煙、排気ガス等に含まれるパーティクルなどが挙げられる。さらに、霧状の液滴としては、この液滴を液体として回収すること、あるいは気体から除去することが望まれる液滴であればいずれのものでも良く、例えば、水、アルコール、水とアルコールの混合液、金属イオン等を含んだ水、有機溶剤、油などの液体の液滴が挙げられる。
また、超音波振動子としては、超音波振動を発生させるもので有ればいずれのものでも良く、圧電素子、磁歪素子などを用いた超音波振動子が挙げられる。特に、強力な超音波振動を生じさせるため、ボルト締め型ランジュバン型超音波振動子を用いると良い。超音波振動子は、超音波振動の振幅を大きくするためのホーンを有するものとすることもできる。
また、流通路部材としては、単一の管状(筒状)部材、互いに離間して配置された複数の管状部材のほか、複数本の管状部材が互いに接して束ねられ、それぞれの管状部材に霧状の液滴が導かれる形態の流通路部材、側壁部によって隔てられ、断面形状が三角、四角あるいは六角などの形状とされた多数の内部流通空間が、互いに隣接して配置されたハニカム形状の形態を有する流通路部材などが挙げられる。
この流通路部材には、使用する気体あるいは浮遊物質、加工の容易性、超音波振動の減衰の生じにくさ等を考慮して材質等を選定すればよいが、例えば、音響インピーダンスの高い、ステンレスなどの金属やアルミナ等のセラミックを用いるのが好ましい。
また、流通路部材の側壁部に超音波振動子を直接接続して、この側壁部を直接超音波振動子で超音波振動させるほか、他の部材を介して間接的に流通路部材の側壁部を超音波振動させても良い。
内部流通空間に形成される定在波音場としては、流通路部材の内部流通空間において、空中超音波の振動の大きな部分(腹部に相当)と小さな部分(節部に相当)とが形成されていれば良く、振動の小さな部分でも超音波振動の振幅が完全に無くなるとは限らない。一般に、振動の小さな部分(節部)に浮遊物質が集まりこの部分で凝集が起こりやすい。
浮遊物質が霧状の液滴である場合には、流通路部材の側壁部などに液滴が付着し液体化した後に、この液体を液流路を通じて回収すれば効率よく回収できる。例えば、側壁部を水平よりも傾けるあるいは鉛直線に平行にして、液体を側壁部に沿って移動させる手法が挙げられる。
さらに、上述の分離装置であって、前記流通路部材は、管状の流通管部材である分離装置とすると良い。
本発明の分離装置では、流通路部材を管状の流通管部材としている。従って、この流通管部材内に浮遊物質が浮遊する気体を導入すれば良く、取り扱いが容易である。
なお、流通管部材の管の形態としては、円管とするのが好ましい。管の中心軸方向に向かって超音波を集中させることができるので、中心軸近傍に強力な定在波音場を形成できる。また、他の形状の管に比して、流通管部材に不要なモードの超音波振動が生じることが少ないからである。
さらに、請求項2に記載の分離装置であって、前記流通管部材は、径方向寸法に対して、管長方向寸法が長い形態を有する分離装置とすると良い。
本発明の分離装置では、流通管部材を長い管の形態としている。このため、流通管部材の側壁部から放射され、減衰しやすい空中超音波の強度も、管の径方向寸法が小さければ減衰はあまり大きくならない。また、管長方向の長い距離に亘って、霧状の液滴などの浮遊物質を管内の定在波音場に通すことができる。このため、より多くの浮遊物質を凝集させて気体と分離させることができる。
さらに、請求項2または請求項3に記載の分離装置であって、前記流通管部材を複数備え、前記超音波振動子により加振され、超音波振動を各々の上記流通管部材に伝える中継部材であって、互いに平行に配置された複数の上記流通管部材に囲まれて、各々の上記流通管部材に接続してなる中継部材を備える分離装置とすると良い。
本発明の分離装置では、中継部材とこれに接続する複数の流通管部材とを備えており、この中継部材が超音波振動子で加振される。このため、超音波振動子で複数の流通管部材を励振し、それぞれの流通管部材で気体と浮遊物質とを分離できすることができるから、効率よく多くの浮遊物質を気体から分離することができる。
さらに上述の分離装置であって、前記流通管部材をn本(nは2以上の整数)備え、前記中継部材は、軸線回りにn回回転対称な形状を有し、その径方向外側のn回回転対称の位置で上記流通管部材とそれぞれ接続してなる分離装置とすると良い。
本発明の分離装置では、中継部材がn回回転対称な形状を有し、n本の流通管部材がそれぞれn回回転対称の位置で中継部材に接続されている。従って、各流通管部材に均等に超音波エネルギーを配分して均等に励振し、均一に超音波振動させることができる。かくして、各流通管部材の特性を容易に揃えることができ、全体として効率よく浮遊物質を分離することができる。
あるいは、請求項1に記載の分離装置であって、前記流通路部材は、前記側壁部によって互いに隔てられ、所定形状の断面を有する多数の前記内部流通空間を含む多数内部流通空間構造を有する多空間流通路部材であり、前記超音波振動子により、上記多数の内部流通空間のうち少なくとも複数に定在波音場を形成する分離装置とすると良い。
本発明の分離装置は、側壁部で仕切られた多数の内部流通空間(単位内部流通空間)を含む多空間状流通部材を有している。しかも、多数の内部流通空間のうち少なくとも複数に定在波音場を形成する。従って、このような複数の内部流通空間で並行して浮遊物質を凝集させることができるから、効率よく浮遊物質を気体から分離できる。
なお、多数内部流通空間構造を有する多空間流通部材としては、例えば、断面三角形、四角形や六角形の単位内部流通空間を含むハニカム構造の流通部材が挙げられる。そのほか、なお、側壁部は、いずれも同じ厚さや形状である必要はなく、例えば、四角形状の単位内部流通空間をなす側壁部のうち、一辺をなす側壁部が他の辺をなす側壁部とは、異なる厚みや形状を持つ側壁部であっても良い。
本発明の分離装置では、超音波振動子に発生させる超音波振動の周波数を、できるだけ多くの単位内部流通空間で定在波音場ができる周波数に選択すると良い。
さらに、上述の分離装置であって、前記超音波振動子は、前記多空間流通路部材の側壁部またはこの側壁部に接して周囲を取り囲む枠体を、直接または間接に加振する分離装置とすると良い。
本発明の分離装置では、超音波振動子で多空間流通路部材の側壁部または枠体を加振するから、側壁部が効率よく加振されて、より強力な定在波音場を形成することができる。
さらに、他の解決手段は、超音波振動により被処理液を霧化して、前記霧状の液滴を放出する超音波霧化手段と、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の分離装置と、を備える液体分溜装置である。
本発明の液体分溜装置では、被処理液を超音波振動により霧化する。一般に、超音波振
動によって、被処理液を霧化すると、例えば水とアルコールの混液など被処理液中に含まれる比較的比重の軽い成分(アルコール)と比較的比重の重い成分(水)のうち、比較的比重の軽い成分が相対的に小さな液滴(ミスト)となって飛散すること、あるいは、液滴として飛散しやすい成分と飛散しにくい成分があること判ってきている。
従って、この液体分溜装置では、超音波霧化手段によって生成した霧状の液滴を、分離装置(液体回収装置)で適宜回収して液体を得れば、分離装置から所望の成分の濃度が被処理液よりも相対的に高くなった液体を得ることができる。あるいは、超音波霧化装置から、当初の被処理液よりも所望の成分の濃度が高くされた(所望成分が濃縮された)被処理液が得られる。
なお、このようにして分溜できる物質としては、成分の比重差などにより、超音波振動による霧化で、液滴(ミスト)中の成分比が被処理液水における成分比と異なる性質を有するもので有れば良い。
例えば、水とエチルアルコールの混液(酒、もろみ、発酵液など)を霧化することで、分離装置からアルコール濃度を高めた水とアルコールの混液を得ることができる。また、有機溶媒を含む廃水を霧化することで、分離装置から有機溶媒の濃度を高めた混液を得ることができる。また、柑橘類などの香り成分を溶かし込んだアルコールを霧化することで、分離装置でアルコールを回収すると共に、超音波霧化装置から香り成分の濃度が濃縮されたアルコールを得ることができる。また、醤油など香り成分やアミノ酸などを含む水溶液を霧化することで、超音波霧化装置と分離装置からは、それぞれ異なる成分が濃縮された水溶液が得られる。あるいは重い金属イオンと軽い金属イオンを含んだ水溶液を霧化することで、超音波霧化装置からは、重い金属イオンが濃縮された水溶液を、分離装置からは、軽い金属イオンが濃縮された水溶液を得ることができる。
なお、上記液体分溜装置において、前記分離装置の前記排出口から排出された気体を、前記超音波霧化装置に戻してなる液体分溜装置とするのが好ましい。
本発明の液体分溜装置では、液体分溜装置全体における気体の流れが閉回路となっていることで、気体に含まれている水蒸気や各成分の蒸気、回収しきれなかったミストなどが外気へ放出されるのを防止でき、より適切に被処理液から所望の成分を分離することができる。
本発明にかかる分離装置及びこれを用いた液体分溜装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。
第1の実施例にかかる液体分溜装置及び分離装置について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、本実施例1にかかる液体分溜装置100全体の構成を示す説明図である。図2は、本実施例1にかかる分離装置120の概略構成を示す説明図である。図3は、本実施例1にかかる分離装置120のうち、流通管部材130と超音波振動子140との関係を示す説明図である。
まず、本実施例1の液体分溜装置100について説明する。本実施例1の液体分溜装置100は、例えば、被処理液LQ1を分溜処理して、処理済み被処理液LQ2と、液化回収液LQ3とを得る装置である。例えば、水とエチルアルコールの混液(酒やもろみなど)を被処理液LQ1とした場合、相対的にエチルアルコール濃度が低い処理済み被処理液LQ2と、相対的にエチルアルコール濃度が高い液化回収液LQ3とに分溜する。
液体分溜装置100は、図1に示すように、主に、超音波霧化装置10と、分離装置120とからなる。超音波霧化装置10は、被処理液容器11とこの底部に設置された霧化用超音波振動子12とこれを駆動する霧化駆動回路13と被処理液容器11内のミストMIを圧送する圧送ファン14とを備える。
この超音波霧化装置10では、被処理液容器11の被処理液投入口11aから投入された被処理液LQ1に、被処理液容器11の底部に設置された霧化用超音波振動子12からの超音波振動を加える。すると被処理液LQ1は超音波が照射された部分が噴水状に盛り上がりその先端部が超音波によって細分化されて霧状の液滴であるミストMIが形成される。圧送ファン14で生じさせた気流により、このミストMIを、空気と共にミスト排出口11bから排出する。なお、被処理液容器11には、処理済み被処理液LQ2を排出する液排出口11cも備えている。
ミストMIは、次述する分離装置120に送られ、ここで液化されて液化回収液LQ3として回収される。
ただし、必要に応じて、図1に破線で示すように、分離装置120の前に、前処理装置WDを配置する場合がある。例えば、水とエチルアルコールの混液を分溜する場合において、超音波霧化装置10でミストMIを発生させた場合、一般的に、比重の軽いエチルアルコールは、相対的に粒子径の小さな(例えば、φ0.3μm程度の)ミストとなり易い。一方、比重の重い水は粒子径の大きな(例えば、φ3μm程度の)ミストあるいは液滴になりやすい。そこで、前処理装置WDにおいて、大きな粒子径のミストや液滴を除去するのが好ましい。例えば前処理装置WDとして、具体的には、入口と出口との間に大きな空間を設け、気中での大きな粒子の沈降を利用して軽い(径の小さな)粒子を選別する粒子選別室や、金属メッシュや多数の金属繊維内を通すワイヤデミスタなどを設けることができる。これらによって除去回収された液体は、廃棄するあるいは被処理液容器11に戻せば良い。また、必要に応じて、分離装置120に送られる前に、前処理装置WDとして、上述の大きなミストを除去する装置を用いることなく、あるいはこれらと共に、空気及びミストMIを冷却し、分離装置120における凝集を助けるための冷却器を設けることもできる。
分離装置120は、気体(本実施例1では空気)中に浮遊するミストMIを捕集し液体化して、ミストMIと気体(空気)とを分離する。本実施例1の分離装置120は、図2、図3に示すように、管状の流通管部材130とこれを超音波振動させる超音波振動子140を備える。
このうち、ステンレス材からなる流通管部材130は、軸線131AXを有する直棒円管形状の管部131と、この管部131の管軸線131AX方向のほぼ中央において、管軸線131AXに平行に、管部131から径方向外側に突出して設けられた連結突出部135と、を備える。連結突出部135は、板状で平面視台形状の部材からなり、管結合部135aにおいて、管部131の表面に溶接されている。管部131(側壁部)は、ミストMIを含む空気を導入する導入口131N、空気を排出する排出口131Tを有し、導入口131Nと排出口131Tとの間を結ぶ管内空間131I(内部流通空間)を画定する。
一方、超音波振動子140は、本体部141と、この本体部141で発生させた超音波振動の振幅を大きくするホーン151とを備えている。本体部141は、公知のボルト締めランジュバン型超音波振動子からなる。具体的には、複数枚(本例では2枚)の円環状の圧電素子142とこれを挟む電極板143とを、これらの内側に挿通された図示しないボルト及びナット146により、ステンレスなどの金属材からなる前面板144及び裏打ち板146で挟持してなる。この本体部141は、駆動回路PWにより適宜の周波数で駆動することにより、その軸線140AX方向の超音波振動を生じさせることができる。ホーン151は、径大部152,径小部153,及びテーパ部154を備える。このうち、前面板144に締結された径大部152と、これより径小の径小部153とでステップ型のホーンを構成する。さらに、これらの先端側(図3中、左側)には、基端側(図3中、右側)が径小部153よりも径大で、先端側ほど径小になるテーパ形状のテーパ部154(コニカルホーン)を備える。これにより、本体部141で発生させた超音波振動の振幅を数倍から数十倍程度増幅している。
この超音波振動子140は、その振動面140S、具体的には、ホーン151のテーパ部154の先端面154Sにおいて、連結突出部135の振動子連結部135bに、図示しない貫通孔を通じて、接続ボルト155で締結されている。従って、この超音波振動子140の軸線140AXと、連結突出部135の平面方向とは直交し、また、管部131の管軸線131AXとも直交している。なお、ホーン151の先端面154Sと振動子連結部135bとの間に、超音波振動の波長λの半整数倍(λ/2,2λ/2,3λ/2…)の長さのダミーホーンを介在させても良い。
図3において矢印で示すように、超音波振動子140で連結突出部135が適切な周波数で加振されると、この超音波振動が管部131に伝わり、管部131において、例えば、一点鎖線及び破線で示すように、周方向に屈曲するような管定在波振動BUを生じる。すると、この管部131に生じた管定在波振動BUにより、管軸線131AXに向けて進行する空中超音波AUが放射され、管内空間131Iには、この空中超音波AUによる定在波音場SSが形成される。
特に、本実施例1では、流通管部材130の管部131は、円管であるので、管軸線131AXに向かって空中超音波AUを集中させることができるから、管軸線131AX近傍に強力な定在波音場を形成できる。
この定在波音場SSは、管内空間131I内に、空中超音波AUの振幅の大きな場所(腹部)と、相対的に振幅の小さな場所(節部)とを含んでいる。そこで、図2に示すように、流通管部材130の管部131内に、導入口131NからミストMIを含む空気をミスト通路121のミストノズル122を用いて吹き込むと、ミストMIは、定在波音場SSにより振動させられ、超音波浮遊の原理に従って節部に集められると共に、ミストMI同士が衝突して互いに一体化し、ミストMIの粒子径が大きくなる。すると、重力に逆らって空中を浮遊することができなくなり、落下して管部131の内周面131Sに付着することとなる。かくして、管部131の管軸線131AXを水平より傾けておけば、導入口131Nまたは排出口131Tから、回収容器124にミストMIを液化して得た液化回収液LQ3を溜めることができる。
本実施例1の分離装置120では、直管状で、直径Dに比して管軸線131AX方向の長さLが長い管部131を有する流通管部材130を使用した。一般に、空気中では、管部131から放射される空中超音波AUはその進行と共に急激に減衰する。しかし、本実施例1では、長さLに比して細径(直径D)の管部131を用いているので、減衰は少なく、管部131の内周面131Sのすぐ近くを通るミストMIに空中超音波AUを照射することができるから、ミストMIが大きく振動させられる。このため、ミストMIを効率よく凝集させ、液化して回収することができる。
しかも、管部131においては、直径Dに比して長さLが大きいから、管軸線131AX方向の長い距離に亘って、繰り返しミストMIに空中超音波AUを照射することができるから、さらに確実にミストMIを回収することができる。
かくして、この分離装置120においては、流通管部材130の管内空間131Iに導入されたミストMIを含んだ空気(気体)から、効率よくミストMIを回収し、空気とミストMIとを分離し、ミストMIから液化回収液LQ3を回収することができる。
ミストMIが分離された空気は、排出口131Tから排出される。この排出された空気は、外気(外界)へ放出することもできるが、図1に示す本実施例1の液体分溜装置100では、図示しない通路を通じて、再び圧送ファン14によって、超音波霧化装置10の被処理液容器11に戻す閉回路が構成されている。このような循環タイプの液体分溜装置100とすることで、例えば、空気中にミストではなく蒸気(気体)として含まれているアルコール、あるいは回収し切れなかったミストMIを、外気に放出することなく超音波霧化装置10に戻すことができ、放出によるロスを減少させることができる。
なお、図1に破線で示すように、必要に応じて、分離装置120の後に後処理装置HTを配置することもできる。例えば、前述のように冷却器を用いたためなどにより、超音波霧化装置10に戻される空気の気温が低くなりすぎている場合には、事前に空気を加熱するヒータを設けることができる。また、ヒータに代えて、駆動回路PWや超音波霧化装置10の霧化駆動回路13、前処理装置WDで用いた冷却器等から生じる廃熱を用いて、空気を加熱することもできる。
このように本実施例1の液体分溜装置100では、超音波霧化装置10のほか、流通管部材130の超音波振動子140で超音波振動させてミストMIを液化する分離装置120を用いた。このため、超音波霧化装置10で、被処理液LQ1からミストMIを生成する場合にも加熱等の熱によらず超音波により霧化することができる。また、分離装置120でも、加熱や冷却によらず、超音波によりミストMIを凝集させ液化した。従って、加熱や冷却によるエネルギーの消費が抑制され、効率よく被処理液を分溜することができる。さらに、処理済み被処理液LQ2のみならず、液化回収液LQ3にも熱的変化が生じにくいため、風味や香りを構成する成分など熱変化により破壊や変質が生じやすい成分を含む被処理液LQ1を分溜する場合にも、成分の変質を防ぐことができる。
なお、本実施例1では、分離装置120において、ミストMIを凝集させて、液化回収液LQ3を得た例を示した。しかし、分離装置120は、本実施例1のミストMI(液滴)のみならず、煙草などの煙微粒子や、自動車排気ガス中のパーティクルなど、互いに衝突させることで凝集させて大きな粒子にできる浮遊粒子を含めば、いずれのものでも空気から分離することができる。
また、本実施例1では、空気中にミストMIを浮遊させたが、酸化などによる変質を防止するべく、窒素などの不活性雰囲気、その他、被処理液LQ1等の性質に応じて、他の気体を用い、これを循環させることもできる。
(変形例1)
ついで、上述の実施例1の第1の変形例について、図4を参照して説明する。上述の実施例1の液体分溜装置100のうち分離装置120においては、図3に示すように、流通管部材130の管部131は、断面が円(円環)状の円筒管を用いた。これに対し、本変形例1の液体分溜装置200の分離装置220では、断面が正方形状(矩形状)の角型の管部231を用いる点で異なる。従って、異なる部分について説明し、同様な部分については、説明を省略あるいは簡略化する。
本変形例1の液体分溜装置200において、超音波霧化装置10、前処理装置WD、後処理装置HTは、実施例1と同様である(図1参照)。一方、本変形例1における分離装置220は、その流通管部材230の管部231の形態が、図4に示すように、断面正方向の管部231であり、その一辺から板状の連結突出部235が突出して形成されている。この連結突出部235は、管部231の一辺(図4における下方辺)の中央から、その一辺に直交する姿勢で管結合部235aにおいて管部231に溶接されており、超音波振動子140とも、振動子結合部235bで結合している。
従って、本変形例1の分離装置220においても、超音波振動子140を超音波振動させることにより、連結突出部235を通じて、管部231に超音波振動を励起することができる。この管部231に生じた超音波振動により、その内周面231Sから管内空間231Iに向けて、空中超音波AUが放射され、管内空間231Iにおいて、定在波音場SSが形成される。
そこで、実施例1と同じく、ミスト通路121のミストノズル122から、流通管部材230の管部231内に、ミストMIを含む空気を吹き込む(図2参照)。すると、実施例1と同様に、ミストMIは、定在波音場SSによる振動で節部に集められると共に、ミストMI同士が衝突して粒子径が大きくなり、落下して管部231の内周面231Sに付着する。かくして、管部231からミストMIを液化した液化回収液LQ3を得ることができる。
なお、本変形例1においても、管部231の対角寸法D2(径方向寸法)に比して、管部231の長さL(図2参照)が大きくされているので、この管部231の軸線方向の長い距離に亘って、繰り返しミストMIに空中超音波AUを照射することができるから、さらに確実にミストMIを回収することができる。
かくして、本変形例1の分離装置220においても、流通管部材230の管内空間231Iに導入されたミストMIを含んだ空気(気体)から、効率よくミストMIを回収し、空気とミストMIとを分離し、ミストMIから液化回収液LQ3を回収することができる。
(変形例2)
ついで、上述の実施例1の第2の変形例について、図5を参照して説明する。実施例1及び変形例1の液体分溜装置100,200のうち分離装置120,220においては、図3に示すように、流通管部材130,230の管部131,231に対し、超音波振動子140,240は、連結突出部135,235を介して結合されていた。これに対し、本変形例2の液体分溜装置300の分離装置320では、超音波振動子140を、断面正方形状(矩形状)の角型の管部331の一辺に直接結合させた点で異なる。従って、実施例1及び変形例1と異なる部分について説明し、同様な部分については、説明を省略あるいは簡略化する。
本変形例2の液体分溜装置300において、超音波霧化装置10、前処理装置WD、後処理装置HTは、実施例1と同様である(図1参照)。一方、本変形例2における分離装置320は、その流通管部材330の管部330の形態が、図5に示すように、断面正方向の管部331である。さらに、この管部331のうち一辺(図5のうち右方辺)をなす壁面のうち振動子結合部1bにおいて、連結ボルト355により直接、超音波振動子140に結合している。
従って、本変形例2の分離装置320では、超音波振動子140を超音波振動させることにより、直接、管部331を超音波振動させる。従って、本変形例2では、実施例1等に比して、さらに強力な超音波振動を管部331に生じさせることができる。この管部331においても、変形例1と同じく、励起された超音波振動により、その内周面331Sから管内空間331Iに向けて、空中超音波AUが放射され、管内空間331Iにおいて、定在波音場SSが形成される。
そこで、実施例1と同じく、ミスト通路121のミストノズル122から、流通管部材330の管部331内に、ミストMIを含む空気を吹き込めば(図2参照)、ミストMIは、定在波音場SSの節部に集められると共に、ミストMI同士の衝突で大きな径の粒子に成長し、落下して管部331の内周面331Sに付着する。かくして、管部331からミストMIを液化した液化回収液LQ3を得ることができる。
なお、本変形例2においても、管部331の対角寸法D3(径方向寸法)に比して、管部331の長さL(図2参照)が大きくされているので、この管部231の軸線方向の長い距離に亘って、繰り返しミストMIに空中超音波AUを照射することができるから、さらに確実にミストMIを回収することができる。
かくして、本変形例2の分離装置320においても、流通管部材330の管内空間331Iに導入されたミストMIを含んだ空気(気体)から、効率よくミストMIを回収し、空気とミストMIとを分離し、ミストMIから液化回収液LQ3を回収することができる。
(変形例3)
さらに、前述の実施例1の第3の変形例について、図6を参照して説明する。実施例1の液体分溜装置100のうち分離装置120においては、図3に示すように、板状の連結突出部135を、管部131の管軸線131AX方向のほぼ中央において、管軸線131AXに平行に突出するように配置した。これに対し、本変形例3の液体分溜装置400の分離装置420では、板状の連結突出部435の平面が、管軸線431AXに直交するように、管部431から突出させている点で異なる。従って、異なる部分について説明し、同様な部分については、説明を省略あるいは簡略化する。
本変形例3の液体分溜装置400において、超音波霧化装置10、前処理装置WD、後処理装置HTは、実施例1と同様である(図1参照)。一方、本変形例3における分離装置420では、図2と対比すると容易に理解できるように、その流通管部材430において、板状の連結突出部435が、図4に示すように、その平面が管軸線431AXに直交する形態で管部431から突出して設けられている。具体的には、この連結突出部435は、管部431の管軸線431AX方向の中央(つまり長さのほぼ半分の位置)から、管軸線431AXに直交する姿勢で、管結合部435aにおいて管部431に溶接されており、超音波振動子140とも振動子結合部435bで結合している。
なお、超音波振動子140は、実施例1等では、その軸線140AXが管軸線131AXに直交する形態に配置されていた。これに対し、本変形例3では、連結突出部435を上述のように配置したため、管軸線431AXに対して、超音波振動子140がその軸線140AXが平行になるように配置されている。
本変形例3の分離装置420でも、超音波振動子140を超音波振動させることにより、連結突出部435を介して、管部431を超音波振動させることができる。この管部431においても、励起された超音波振動により、その内周面431Sから管内空間431Iに向けて、空中超音波AUが放射され、この管内空間431Iにおいて、定在波音場SSが形成される。
そこで、実施例1と同じく、ミスト通路121のミストノズル122から、流通管部材430の管部431内に、ミストMIを含む空気を吹き込めば(図2参照)、ミストMIは、定在波音場SSの節部に集められると共に、ミストMI同士の衝突で大きな径の粒子に成長し、落下して管部431の内周面431Sに付着する。かくして、管部431からミストMIを液化した液化回収液LQ3を得ることができる。
なお、本変形例3においても、管部331の直径D(径方向寸法)に比して、管部431の長さL(図2参照)が大きくされているので、この管部331の軸線方向の長い距離に亘って、繰り返しミストMIに空中超音波AUを照射することができるから、さらに確実にミストMIを回収することができる。
かくして、本変形例3の分離装置420においても、流通管部材430の管内空間431Iに導入されたミストMIを含んだ空気(気体)から、効率よくミストMIを回収し、空気とミストMIとを分離し、ミストMIから液化回収液LQ3を回収することができる。
ついで、第2の実施例にかかる液体分溜装置及び分離装置について、図7を参照して説明する。前述した実施例1の液体分溜装置100のうち分離装置120においては、図3に示すように、1本の管部131を有する流通管部材130を用いた例を示した。これに対し、本実施例2の液体分溜装置500の分離装置520では、多数の流通管部材を有し、これらを1つの超音波振動子で駆動する点で異なる。従って、異なる部分について説明し、同様な部分については、説明を省略あるいは簡略化する。
本実施例2の液体分溜装置500において、超音波霧化装置10、前処理装置WD、後処理装置HTは、実施例1と同様である(図1参照)。一方、図2,図3と対比して、図7(a),(b)を参照すれば容易に理解できるように、本実施例2における分離装置520は、6つの流通管部材530A,530B,530C,530D,530E,530Fを備える。6つの流通管部材530A等は、実施例1における流通管部材130とほぼ同様の形状を有する。即ち、流通管部材530A等は、それぞれ長い直円管状の管部531A等と、各管部531A等の長さLのほぼ中央において、管軸線531AAX等にそれぞれ平行に、管部531A等から径方向外側に突出して設けられた連結突出部535A等と、を備える。各々の連結突出部535A等は、板状で平面視したとき台形状の部材からなり管部531A等の表面にそれぞれ溶接されている。それぞれの管部531A等は、ミストMIを含む空気を導入する導入口531AN等、空気を排出する排出口531AT等を有し、これらの間を結ぶ管内空間531AI等を画定する。
さらに本実施例2の分離装置520では、超音波振動子140と6つの流通管部材530との間に介在する中継板537を備える。この中継板537は、正六角形状であり、その平面方向中央において、超音波振動子140の先端に結合している。また、この中継板537は、その周縁537Pの各辺中央において、上述の連結突出部535A等の端部に位置する中継板結合部535Ab等とそれぞれ溶接により接続している。各々の管部531A等が互いに平行になるように配置されている。
従って、図7(a),(b)を参照すれば容易に理解できるように、本実施例2の分離装置520では、中継板537がその中心(超音波振動子の軸線140AXに一致する)の回りに6回回転対称の形態を有している。さらに、この中継板537の回りに、6本の流通管部材530A等がそれぞれ6回回転対称の位置で接続されている。
従って、超音波振動子140を駆動回路PWを用いて振動させると、その振動は、中継板537を介して、さらに、連結突出部535A等を介して、6本の管部531A等にそれぞれ均等に伝えられる。このため、各々の管部531A等は、実施例1と同様に超音波振動させられ、例えば、図7(a)に示すように、管部531A,531Dにおいてそれぞれ、管内空間531AI,531DIに定在波音場SSを形成することができる。
そこで、六股に別れたミスト通路521を用いて、各導入口531AN,531DN等から、各流通管部材530A等の管部531A等の管内空間531A等の中に、ミストMIを含む空気を吹き込む(図7(a)参照)。すると、実施例1と同様に、ミストMIは、定在波音場SSによる振動で節部に集められると共に、ミストMI同士が衝突して粒子径が大きくなり、落下してそれぞれの管部531A等の内周面に付着する。かくして、各管部531A等のそれぞれから、回収口524A,524D等を通じて回収容器524に、ミストMIを液化した液化回収液LQ3を回収することができる。
しかも、6組の流通管部材530は、均等に超音波振動させられるから、管部531A等の各々について、特性のバラツキが少ない。従って、この点でも、均等に効率よくミストMIから液化回収液LQ3を回収することができる
なお、本実施例2においても、管部531A等の直径Dに比して、管軸線531AAX等の方向の長さLが大きくされているので、この管部531A等の軸線方向の長い距離に亘って、繰り返しミストMIに空中超音波AUを照射することができるから、さらに確実にミストMIを回収することができる。
かくして、本実施例2の分離装置520を用いれば、1つの超音波振動子を用いて、多数(本実施例2では6組)の流通管部材530A等により、並行して効率よくミストMIを回収することができる。従って、実施例1等に比して、さらに大量の空気とミストMIとを分離し、大量のミストMIから多くの液化回収液LQ3を回収することができる。
ついで、第3の実施例にかかる液体分溜装置及び分離装置について、図8を参照して説明する。前述した実施例1,2及び変形例1〜3の液体分溜装置100等の分離装置120等においては、例えば、図3に示すように、管部131を有する流通管部材130を用いた例を示した。これに対し、本実施例3の液体分溜装置600の分離装置620では、ミストMIを含む空気が流通する流通路が多数形成された多空間流通路部材、具体的には、ハニカム流通路部材を用い、これを超音波振動子で加振する点で異なる。従って、異なる部分について説明し、同様な部分については、説明を省略あるいは簡略化する。
本実施例3の液体分溜装置600において、超音波霧化装置10、前処理装置WD、後処理装置HTは、実施例1と同様である(図1参照)。一方、図8を参照すれば容易に理解できるように、本実施例3における分離装置620は、断面が六角形のハニカム構造壁631と、このハニカム構造壁631をその長手方向(図8において、右上−左下方向)に平行に接触しつつこれを囲むロ字型の枠体632とを有するハニカム流通路部材630を備える。このハニカム流通路部材630は、ステンレスからなり、ハニカム構造壁631は、ミストMIを含む空気を導入する多数の導入口631Nと、空気を排出する多数の排出口631Iとを有し、これらの間をそれぞれ結ぶ多数の単位空間631I(内部流通空間)を画定する。
さらに本実施例3の分離装置620では、超音波振動子140が、ロ字形の枠体632のうちの一辺をなす面に結合されている。具体的には、超音波振動子140の振動端面140S、即ち、テーパ部154の先端面154Sが、枠体632に当接した形態に結合されている。このため、超音波振動子140を駆動回路PWを用いて振動させると、その振動は、枠体632を介し、ハニカム構造壁631に伝えられる。また、ハニカム構造壁631同士がハニカム構造をなして互いに結合しているので、一方のハニカム構造壁631から他方のハニカム構造壁631に次々に超音波振動が伝えられる。かくして、ハニカム構造壁63が超音波振動し、これにより、図8(b)に示すように、それぞれのハニカム構造壁631から単位空間631I内に空中超音波AUが放射される。かくして、単位空間631I内にそれぞれ定在波音場SSを形成することができる。
そこで、実施例1と同じく、ミストMIを含む空気を、各々の導入口631Nから単位空間631Iに吹き込めば、ミストMIは、定在波音場SSの節部に集められると共に、ミストMI同士の衝突で大きな径の粒子に成長し、落下してハニカム構造壁631に付着する。かくして、ハニカム流通路部材630からミストMIを液化した液化回収液LQ3を回収容器624に得ることができる。
本実施例3の分離装置620では、多数の単位空間631Iを用いて、それぞれで並行してミストMIと空気とを分離しているため、1つの超音波振動子140を用いて、効率よくミストMIを回収することができる。従って、実施例1等に比して、さらに大量の空気とミストMIとを分離し、大量のミストMIから多くの液化回収液LQ3を回収することができる。
なお、本実施例3において、導入口631N及び排出口631Tの対角径に比して、単位空間631Iの長さを長くしておくと良いことは、実施例1等と同じである。
以上において、本発明を実施例1,2,3及び変形例1,2,3に即して説明したが、本発明は上述の実施例等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1においては、流通管部材130として、まっすぐな直管状の管部131を有するものを用いた例を示したが、ミストMIを含む空気が流通でき、管部に所望の超音波振動を生じさせることができる形態であれば良い。従って、流通管部材としては、管部が適宜曲がっていても良く、例えば螺旋状の形態とすることもできる。
また、実施例1,2等では、1つの超音波振動子140で、流通管部材130等を加振したが、2つ以上の超音波振動子を用いて、加振することもできる。例えば、管部131の導入口131N付近と、排出口131T付近に超音波振動子をそれぞれ結合させて、同一周波数で加振し、管部に超音波振動を生じさせるようにしても良い。
また、変形例1においては、断面正方形状の管部231を有する分離装置220を示したが、その他、断面が長方形状、六角形、八角形などの多角形としても良い。但し、角部付近では超音波を放射しにくくなり易いため、実施例1の如く断面が円形の管を用いるのが好ましい。
また、変形例2においても、断面正方形状の管部331を有する分離装置320を示したが、その他、断面が長方形状、六角形、八角形などの多角形としても良い。また、実施例1の如く断面が円形の管を用いても良い。
さらに、変形例3においては、管部431として、実施例1と同様の円管を用いた例を示したが、変形例1と同様に、断面正方向などの角型の管部を用いても良い。
さらに、実施例2においても、流通管部材530A等として、実施例1と同様の同様の円管を用いた例を示したが、変形例1と同様に、断面正方向などの角型の管部を用いても良い。
また、実施例2においては、6組の流通管部材530A等を、六角形の中継板を用いて1つの超音波振動子140で駆動した例を示したが、4,5,8組など適宜の数の流通管部材を組み合わせて使用することもできる。
また実施例2では、正六角形の中継板537を用い、6回回転対称の形態に6組の流通管部材530A等を配置したが、ミストMIを回収するのには、必ずしも回転対称の形態に配置しなくても良い。但し、複数の流通管部材の特性を均一にするには、回転対称の形態をするのが容易であり好ましい。
さらに、実施例3においては、断面六角形のハニカム構造壁631を備えるハニカム流通路部材630を用いたが、断面が三角、四角などのハニカム構造壁を備えるハニカム流通路部材を用いても良い。さらに、ハニカム構造壁でなくとも、側壁によって多数の内部流通空間を構成するように構成された構造体を用いれば良い。
実施例1,2,3及び変形例1,2,3に係る液体分溜装置の概要を示す説明図である。 実施例1にかかる液体分溜装置のうち、分離装置の概要を示す説明図である。 実施例1にかかる分離装置のうち、流通管部材と超音波振動子との関係を示す説明図である。 変形例1にかかる分離装置のうち、流通管部材と超音波振動子との関係を示す説明図である。 変形例2にかかる分離装置のうち、流通管部材と超音波振動子との関係を示す説明図である。 変形例3にかかる分離装置のうち、流通管部材と超音波振動子との関係を示す説明図である。 実施例2にかかる分離装置のうち、複数の流通管部材と中継板と超音波振動子との関係を示す説明図であり、(a)は流通管部材の側方から見た図、(b)はB−B’矢視断面図である。 実施例3にかかる分離装置のうち、ハニカム型の多数流通路部材と超音波振動子との関係を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は単位空間の様子を示す部分拡大説明図である。
100,200,300,400,500,600 液体分離装置
10 超音波霧化装置
11 被処理液容器
12 霧化用超音波振動子
LQ1 被処理液
LQ2 処理済み被処理液
LQ3 液化回収液
MI ミスト(霧状の液滴)
120,220,320,420,520,620 分離装置
130,230,330,430 流通管部材(流通路部材)
131,231,331,431 管部(側壁部)
131AX,431AX 管軸線
131N 導入口
131T 排出口
131I,231I,331I,431I 管内空間(内部流通空間)
131S,231S,331S,431S (管部の)内周面
L (管部の軸線方向)長さ(管長方向寸法)
D (管部の)直径(径方向寸法)
D2,D3 (管部の)対角寸法(径方向寸法)
SS 定在波音場
530A,530B,530C,530D,530E,530F 流通管部材
531A,531B,531C,531D,531E,531F 管部(側壁部)
531AN,531DN 導入口
531AT,531DT 排出口
531AI,531DI 管内空間(内部流通空間)
537 中継板(中継部材)
630 ハニカム流通路部材(多空間流通路部材、流通路部材)
631 ハニカム構造壁(側壁部)
631N 導入口
631T 排出口
631I 単位空間(内部流通空間)
140 超音波振動子(超音波振動子)
140AX (超音波振動子の)軸線
151 ホーン
AU 空中超音波

Claims (8)

  1. 気体中に浮遊する浮遊物質を凝集させて上記気体から分離する分離装置であって、
    超音波振動を発生する超音波振動子と、
    上記浮遊物質を含む気体を導入する導入口、上記気体を排出する排出口、及び、上記導入口と排出口との間を結ぶ内部流通空間を画定する側壁部を含む流通路部材であって、
    上記浮遊物質を含む上記気体全体が、上記流通路部材内を流れる構成とされ、
    前記超音波振動子により上記側壁部に励起された超音波振動によって、上記側壁部から放射される空中超音波で上記内部流通空間に定在波音場を形成する
    流通路部材と、を備える
    分離装置。
  2. 請求項1に記載の分離装置であって、
    前記流通路部材は、管状の流通管部材である
    分離装置。
  3. 請求項2に記載の分離装置であって、
    前記流通管部材は、
    径方向寸法に対して、管長方向寸法が長い形態を有する
    分離装置。
  4. 求項2または請求項3に記載の分離装置であって、
    前記流通管部材を複数備え、
    前記超音波振動子により加振され、超音波振動を各々の上記流通管部材に伝える中継部材であって、
    互いに平行に配置された複数の上記流通管部材に囲まれて、各々の上記流通管部材に接続してなる
    中継部材を備える
    分離装置。
  5. 請求項4に記載の分離装置であって、
    前記流通管部材をn本(nは2以上の整数)備え、
    前記中継部材は、
    軸線回りにn回回転対称な形状を有し、その径方向外側のn回回転対称の位置で上記流通管部材とそれぞれ接続してなる
    分離装置。
  6. 請求項1に記載の分離装置であって、
    前記流通路部材は、
    前記側壁部によって互いに隔てられ、所定形状の断面を有する多数の前記内部流通空間を含む多数内部流通空間構造を有する
    多空間流通路部材であり、
    前記超音波振動子により、上記多数の内部流通空間のうち少なくとも複数に定在波音場を形成する
    分離装置。
  7. 請求項6に記載の分離装置であって、
    前記超音波振動子は、前記多空間流通路部材の側壁部またはこの側壁部に接して周囲を取り囲む枠体を、直接または間接に加振する
    分離装置。
  8. 超音波振動により被処理液を霧化して、前記霧状の液滴を放出する超音波霧化手段と、
    請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の分離装置と、を備える
    液体分溜装置。
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