JP4691516B2 - パーキングロック装置の電動アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、車両の変速機に用いられるパーキングロック装置の電動アクチュエータに関する。
車両の変速機には、出力軸に設けたパーキングギヤにパーキングポールを噛み合わせることで停車時に駆動輪をロックできるように構成したものがある。例えば、特許文献1に開示されている従来のパーキングロック装置は、ディテントプレートの回動によってカムをパーキングポールに押し付けることで、パーキングギヤと噛み合わせている。ディテントプレートは、ディテント溝が刻まれることで山形に形成された位置決め機構部品であり、いずれか1つのディテント溝にディテントスプリングを係合させることで、カムの位置、すなわちパーキングポールの噛み合わせを制御している。駆動輪のロックを解除するときは、ディテントプレートを回動させ、ディテントスプリングをロック用のディテント溝からリリース用のディテント溝に移動させる。カムがパーキングポールから離脱し、パーキングギヤとの噛み合いが解消される。なお、ディテントスプリングは、ディテント溝の谷部分に向けて引き込む弾性力を作用させているので、駆動輪のロックとリリースを切り替えるときには、この弾性力に抗してディテント溝の突部を乗り越えるようにディテントプレートを回動させる必要がある。
ディテントプレートを回動させる手段としては、例えば、特許文献2に開示されている電動アクチュエータがある。この電動アクチュエータは、モータに結合された回転軸と、パーキングポールを押し引きするロッドが平行に配置されている。回転軸には、スライダがねじ結合されており、スライダとロッドが連結部材を介して係合されている。連結部材は、コイルバネによってスライダに面接触しており、回転軸の軸線方向に直交する方向に延びた後でロッドに固定されている。駆動輪をロックするときは、モータを回転させる。モータの回転は、スライダの直進運動に変換される。スライダに連結部材を介して連結されているロッドが同じ方向に直線運動し、パーキングポールがパーキングギヤに噛み合わされる。
さらに、この種の電動アクチュエータでは、モータを電動できないときに手動でロックを解除できるように手動ロック解除手段が設けられているものがある。手動ロック解除手段は、レバー操作でロッドを進退させるように構成されている。
特開2000−74211号公報 特開2000−85552号公報
しかしながら、手動でロックを解除するときには、ディテントスプリングの弾性力に抗してディテント溝の突部を乗り越えるように操作しなければならず、大きな操作荷重が必要であった。さらに、このような荷重にモータやボールネジの引き摺り抵抗が加わるので、より大きい操作荷重が必要であった。特許文献1に開示されているようにスプリングで付勢されている場合も、スプリングを圧縮する力が余分に必要であった。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電動アクチュエータを手動で駆動させるときに必要な操作荷重を低減させることを主な目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、車両の変速機に設けられたパーキングギヤにパーキングポールを噛み合わせて駆動輪をロックさせるパーキングロック装置に用いられ、前記パーキングポールを駆動させる電動アクチュエータであって、モータの出力軸に連結される回転軸にスライダが進退自在に取り付けられ、モータの回転を直線運動に変換する変換機構と、前記回転軸に略平行に配置され、かつ一端がディテントプレートを介して前記パーキングポールに連結され、前記ティテントプレートを介して前記パーキングポールを駆動させるロッドと、前記ロッドの他端に連結され、このロッドを手動操作可能な手動ロック解除レバーと、前記回転軸と前記ロッドのそれぞれに略直交する方向に延び、前記スライダと前記ロッドの間で推力を伝達可能なリンクアームとを備え、前記パーキングポールは、前記ディテントプレートの前記パーキングギヤに噛み合う位置に対応する箇所と、噛み合いを解除した位置に対応する箇所のそれぞれに形成された溝の一方に弾性付勢された係止部材が、前記溝の最も低い位置に収まるように係止されることで位置制御されており、前記モータは、前記係止部材の付勢力によって、前記溝の最も低い位置に係止部材が収まったときに停止するように駆動制御されており、前記リンクアームに前記ロッドが移動自在に通されており、前記ロッドには前記リンクアームを挟んで第一のストッパと第二のストッパとが前記リンクアームに当接可能に設けられ、これらストッパと前記リンクアームの間にクリアランスが形成されていることを特徴とするパーキングロック装置の電動アクチュエータとした。
このパーキングロック装置の電動アクチュエータでは、ロッドを手動で進退させると、クリアランスの範囲内では、変換機構及びモータが駆動されずにロッドのみが進退する。
クリアランスの範囲を越えてロッドを進退させると、リンクアームを介して変換機構がロッドに連結され、変換機構のスライダがロッドと共に移動する。
また、ロッド側に設けられたストッパにリンクアームが当接するまでの間、ロッドを遊動させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のパーキングロック装置の電動アクチュエータにおいて、前記クリアランスは、前記係止部材が一方の前記溝から他方の前記溝に移動する際に発生する荷重のピークを越えるのに要する前記ロッドの移動量に相当することを特徴とする。
このパーキングロック装置の電動アクチュエータでは、係止部材を移動させるために必要な荷重のピークを越えるまでの間はロッドが変換機構に対して遊動し、ピークを越えた後にリンクアームを介して変換機構がロッドに連結され、変換機構のスライダがロッドと共に移動する。
本発明によれば、ロッドからスライダに至るまでの推力伝達経路中にクリアランスを設けたので、手動でロッドを操作するときにロッドを変換機構に対して遊動させることができる。したがって、パーキングポールを駆動させるのに必要な荷重を低減できる。
発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施の形態で、同じ構成要素には同じ符号を付してある。また、各実施の形態で重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1に電動アクチュエータを含むパーキングロック装置の全体構成を示す。パーキングロック装置1は、変速機2のケースに配設されたパーキング機構3と、パーキング機構3を駆動させるための電動アクチュエータ4とを主に含んで構成されている。
パーキング機構3は、変速機2のいずれかの出力軸に固定されたパーキングギヤ11に噛み合うパーキングポール12を有する。パーキングポール12は、基端部が支持軸13によって変速機2のケースに回動自在に取り付けられている。支持軸13には、パーキングポール12をパーキングギヤ11から離れる方向に付勢するスプリング14が装着されている。パーキングポール12は、支持軸13に支持されている基端部から延びる先端に爪12Aが突設されている。この爪12Aは、パーキングギヤ11の外周に等間隔に形成された凹部に係合可能である。さらに、爪12Aから支持軸13に至るまでの間で、爪12Aの突設位置と反対側の側部には、カム15に係合する突部12Bが形成されている。カム15は、支持軸16で変速機2に回動自在に取り付けられており、ロッド17を進退させると、支持軸16回りに回動する。ロッド17が引かれたときには、カム15が突部12Bを押圧してパーキングポール12をパーキングギヤ11に噛み合せることができる。ロッド17が押されたときには、カム15が突部12Bから離れる。これによって、パーキングポール12がスプリング14に付勢されて回動し、爪12Aがパーキングギヤ11から離れる。カム15の付いたロッド17の一端部は、ディテントプレート21に取り付けられている。
ディテントプレート21は、支持軸22で変速機2のケースに回動自在に支持されており、ロッド17が取り付けられた部分を越えて延びており、先端部には2つのディテント溝23,24が支持軸22を中心とする円周方向に並んで凹設されている。いずれか一方のディテント溝23,24には、弾性付勢された係止部材であるディテントスプリング25が常に係合されている。カム15側のディテント溝23は、パーキング時にディテントスプリング25が係合される。残りのディテント溝24は、ドライブ時にディテントスプリング25が係合される。ディテントプレート21の支持軸22は、ステー26で回転駆動が可能である。ステー26にはケーブル27の一端部が取り付けられており、ケーブル27を進退させることで、ディテントプレート21を回動させることができる。このケーブル27の他端部は、電動アクチュエータ4に連結されている。
電動アクチュエータ4は、ケース41の側方にモータ42が取り付けられている。モータ42は、ブラケット43とヨーク44の底部44Aのそれぞれに圧入されたベアリング45,46でアーマチュア47を回転自在に支持した構成を有し、ヨーク44の内周には永久磁石48が複数固定されている。アーマチュア47の回転軸49(出力軸)には、ステータコア50とコンミテータ51が固定されている。ステータコア50には、コイル52が巻装されており、コイル52の巻線は、コンミテータ51のセグメント51Aに接続されている。セグメント51Aは、周方向に複数配設されており、その外周面にブラケット43側に保持されたブラシ53が摺接している。ブラシ53は、ブラケット43に固定されたブラシホルダ54に収容されており、スプリング55でセグメント51Aに向けて付勢されている。モータ42の回転軸49は、ブラケット43を通ってケース41内に突出しており、ジョイント56を介してボールネジ61のボールネジ軸62の一端部に連結されている。
ボールネジ61は、回転軸となるボールネジ軸62にスライダ63をねじ係合させた構成を有し、モータ42の回転運動をスライダ63の直線運動に変換する変換機構である。ボールネジ軸62は、モータ42の回転軸49と平行に配置されており、その他端部はベアリング64を介してケース41に回転自在に支持されている。ベアリング64は、ケース41に圧入されており、外側からプレート65で閉塞されている。
スライダ63は、ベアリング64側から軸線L1の方向に沿って順番にナット部71と、ダンパー72と、リンクユニット73と、ダンパー74と、エンドプレート75を有する。ナット部71は、ボールネジ軸62にネジ込まれており、他の構成要素はナット部71に固定されている。具体的には、ボールネジ軸62を通した状態でナット部71側から挿入されたボルト76でナット部71に締め付けられている。なお、ダンパー72,74は、衝撃を吸収するもので、例えば、ウレタンなどの弾性部材から製造されている。
図3及び図4に示すように、リンクユニット73は、中央にボールネジ軸62を通す孔81が形成されており、この孔81を囲むようにボルト76を通す孔82が複数形成されている。これら孔81、82は、リンクユニット73の軸線L1の方向の一方の端部73Aから他方の端部73Bまで貫通しており、各端部A73A、73Bの端面には、スライダ63内での位置決め用の突部73Cが複数突設されている。
リンクユニット73の外周には、軸線L1の方向の両端部を残して幅を減少させるように凹部83が形成されている。凹部83は、幅方向に略直交する平面84(摺動面)を有している。また、凹部83によって幅方向に突出する両端部73A,73Bの壁面85A,85Bには、互いに対向するように推力伝達部である凸部86を膨出させてある。凸部86は、半円形の滑らかなカーブを有し、その頂点が図2に示すように側面視でスライダ63及びボールネジ軸62の軸線L1と略一致させてある。つまり、凸部86は、ボールネジ軸62を挟むように一対ずつ設けられており、端部73A側の2つの凸部86の頂点と、端部73B側の2つの凸部86の頂点と、ボールネジ61の軸線L1とが、平面84に直交する同一平面状に配置されている。
このようなリンクユニット73の凹部83には、リンクアーム91が挿入される。リンクアーム91は、ボールネジ軸62と平行に通された推力軸であるロッド92に通されたボス部93を有し、ボス部93からロッド92と略直交する方向に延びるアーム部94を有する。図5に示すように、リンクアーム91は、ボス部93にロッド92を通す孔93Aが形成されている。アーム部94は、幅方向に離間して延びる一対のアーム95を備える略U字形を有している。アーム95の配置間隔は、リンクユニット73の平面84間の距離に略等しく、アーム95の軸線方向の厚さは、リンクユニット73の凸部86の頂点間の距離に略等しい。このため、アーム95は、凸部86に挟まれ、進退方向のそれぞれで1箇所ずつ点接触している。なお、アーム部94の一方の側部には、凹部94Aが一箇所形成されている。この凹部94Aには、図2に示すスイッチプレート98が取り付けられている。スイッチプレート98は、リンクアーム91と共に軸線方向に移動可能であり、その移動経路上には、リンクアーム91の位置でパーキングギヤ11のロックとリリースを検出する接触式のスイッチ(不図示)が配設されている。
ロッド92は、ケース41を貫通しており、ケース41からモータ42側に突出する端部には、図1に示すケーブル99を介して手動ロック解除レバー100が連結されている。ケース41の反対側に突出するロッド92の端部は、図1に示すケーブル27が連結される。このロッド92は、ケース41内でリンクアーム91を挟むように2箇所でベアリング101によって軸線方向に移動自在に支持されている。各ベアリング101の外側には、オイルシール102が設けられており、ケース41の内部にオイルや異物などが進入しないようにしてある。
ここで、ロッド92には、リンクアーム91がスライド自在に通されているが、リンクアームの移動を規制する第一のストッパ103と、第二のストッパ104がリンクアーム91に当接可能に突設されている。両ストッパ103,104は、所定の間隔を持ってロッド92に固定されており、ストッパ103,104の間でリンクアーム91が移動可能な区間が推力伝達経路中に設けられたクリアランスC1となる。推力伝達経路とは、ボールネジ61のスライダ63で発生した軸線方向の推力がリンクアーム91を伝ってロッド92に伝達するまでの経路である。
なお、ケース41内には、ボールネジ61、リンクアーム91、スイッチプレート98、ロッド92が駆動するのに十分なスペースが形成されている。
次に、この実施の形態の作用について図1から図5を参照して説明する。
車両を駐車させる場合など、運転者がシフトレバーや、シフトチェンジ用のスイッチなどを操作してパーキングに切り替えると、パーキングロック装置1が駆動輪をロックする。この際、電動アクチュエータ4には、シフト装置110に設けられたセンサ111からモータ42のドライバ回路112に対して駆動指令が入力される。ドライバ回路112は、モータ42を予め定められた方向に所定量だけ回転させる。モータ42の回転軸49に連結されたボールネジ軸62が回転させられ、ボールネジ軸62に装着されているスライダ63が軸線方向に移動する。スライダ63のリンクユニット73には、凸部86の頂点を介してリンクアーム91の一対のアーム95が点接触しており、この点を介して推力がリンクアーム91に伝達される。凸部86は、ボールネジ61の軸線L1を通り、リンクアーム91の長さ方向に直交する平面上で、かつ軸線L1を跨ぐように対になって配置されているので、リンクアーム91に均等に荷重がかかる。
このとき、リンクアーム91は、第一のストッパ103に当接しているので、リンクアーム91に第一のストッパ103を介してロッド92が係合して推力が伝達され、ロッド92が同じ方向に同じ量だけ移動し始める。ロッド92の移動によってケーブル27が押し込まれて、ディテントプレート21が回転し、ディテントスプリング25がパーキングの位置に設けられたディテント溝23に係合する。この際に、ロッド17が引っ張られてカム15がパーキングポール12を押圧して爪12Aをパーキングギヤ11の凹部に噛み合させる。これによって、変速機2の出力軸がロックされるので、駆動輪が確実に停止する。
なお、ディテント溝23とディテント溝24の間の突部を越えてディテントスプリング25がディテント溝23側に侵入すると、ロッド92はディテント溝23の最も低い位置にディテントスプリング25が収まるときの引き込み荷重によって引き込まれる。ロッド92とリンクアーム91の間にはクリアランスを有するので、モータ42によるリンクアーム91の移動よりも早くロッド92が引き込まれ、図6に示すように第二のストッパ104がリンクアーム91に当接して止まる。この段階で、ディテントスプリング25は、ディテント溝23に収まったので、モータ42を停止させる。
駐車中の車両を発進させるときなど、運転者がシフトレバーや、シフトチェンジ用のスイッチなどを操作してドライブに切り替えると、シフト装置110の駆動指令を受けたドライバ回路112がロック時と反対方向にモータ42を回転させる。スライダ63の軸線の高さで凸部86と点接触するリンクアーム91が同じ方向に同じ距離だけ移動する。図6に示す初期状態では、リンクアーム91が第二のストッパ104に当接しており、第二のストッパ104を介してリンクアーム91とロッド92が係合している。したがって、ロッド92が、同じ方向に同じ量だけ移動し始める。そして、ロッド92が引き戻されることで、ディテントプレート21が回動してドライブの位置に設けられたディテント溝24にディテントスプリング25が係合する。カム15がパーキングポール12から離れ、爪12Aとパーキングギヤ11の噛み合いが解消される。これによって、変速機2の出力軸がフリーになるので、駆動輪を駆動できるようになる。
この場合も、ディテント溝23とディテント溝24の間の突部を越えてディテントスプリング25がディテント溝24側に侵入するときに、ロッド92がリンクアーム91の移動より速く押し込まれ、図1に示すように第一のストッパ103がリンクアーム91に当接して止まる。この段階で、ディテントスプリング25は、ディテント溝24に収まったので、モータ42を停止させる。
手動でロックを解除するときは、手動ロック解除レバー100を手動で引いて、ロッド92をケース41に対して引き戻す。図6に示すロック位置からロッド92が押されると、図2に示すように、リンクアーム91と第一のストッパ103が当接するまで、つまりクリアランスC1に相当する距離だけリンクアーム91やボールネジ61、モータ42を引きずることなくロッド92を押し込める。
ここで、図7に示すように、ディテント溝23,24の形状は、ディテントスプリング25が移動を開始した直後に大きい荷重が必要になるように構成されている。図7は、ロック状態から解除状態に切り替えるときに必要な操作荷重を示している。横軸はロッド92の進退量、縦軸はロッド92の操作荷重になっている。ラインL1は、ディテント溝23からディテント溝24にディテントスプリング25を移動させるときに要する荷重が、ロッド92の引き量によって変化する過程を示している。これに対して、ラインL2は、ディテントスプリング25によって必要な荷重に、モータ42及びボールネジ61の抵抗に相当する荷重を付加したものが示されている。ラインL3は、本実施の形態において、実際に手動操作するときに必要な荷重が示されている。ラインL3に示すように、ロッド92の引き込みを開始してから、ディテントスプリング25による荷重のピークを越えるまでは、モータ42等による荷重が発生せず、ピークを過ぎたところでモータ42等の荷重が付加されている。ピークを過ぎて荷重が立ち上がったところが、リンクアーム91が第一のストッパ103に当接したところに相当する。つまり、クリアランスC1は、引き量がゼロのところから、ディテントスプリング25による荷重のピークを越えるまでの距離に設定されている。クリアランスC1を越えた後は、ボールネジ61やモータ42のフリクションがロッド92に加わるが、この段階ではディテント溝23側の荷重のピークは過ぎているので、全体としての荷重はラインL2に示すときのピークよりも減っている。なお、クリアランスC1は、ラインL3の最大値がラインL2のピークを越えない距離に設定することが好ましい。
また、手動でロックするときは、手動ロック解除レバー100を手動で押して、ロッド92をケース41に対して押し込む。図2に示す位置からロッド92が押されると、リンクアーム91と第二のストッパ104が当接するまでは、リンクアーム91やボールネジ61、モータ42を引きずることなくロッド92を引き込める。ディテント溝23とディテント溝24は対象な形状をしており、ディテントスプリング25を移動させるのに要する荷重は、図7に示すL1と略同様のラインになっている。したがって、前記と同様に、ディテントスプリング25による荷重がピークを越えるまでは、リンクアーム91が第二のストッパ104が当接せずに、モータ42等による荷重分だけ、操作荷重を低減できる。つまり、駆動輪をロックする方向に手動操作するときも、クリアランスC1は、引き量がゼロのところから、ディテントスプリング25による荷重のピークを越えるまでの距離に設定されている。クリアランスC1を越えた後は、ボールネジ61やモータ42のフリクションがロッド92に加わるが、この段階ではディテント溝24側の荷重のピークは過ぎているので、全体としての荷重はラインL2に示すときのピークよりも減っている。なお、クリアランスC1は、駆動輪を手動でロックする際に必要な荷重が、ディテントスプリング25の荷重とモータ42等の荷重の合計値を越えないように設定されることが好ましい。
なお、手動操作時にロッド92を進退させるために必要な操作荷重Fは、F=2π×T/(L×η)から算出できる。Tは駆動トルクで、モータ42の駆動トルクとボールネジ61の駆動トルクと、その他ロストルクの和である。Lはボールネジ61のリードで、ηはボールネジ61の逆効率である。この実施の形態では、リードLが2.5mmで与圧のないボールネジ61を使用することで必要な操作荷重Fを低減させている。なお、リードLは、1〜10mmの範囲であれば、手動操作時の荷重低減が図れる。ボールネジ61の与圧は、軸方向の隙間が0〜0.02mmの間であれば、手動操作時の荷重低減が図れる。
この実施の形態では、リンクアーム91とロッド92の間にロッド92とボールネジ61の間で推力の伝達しないようなクリアランスC1を設けたので、この区間ではロッド92を小さい荷重で進退させることができる。クリアランスC1を、ディテント溝23,24を切り替えるための荷重のピークを越える距離に設定したので、ディテント位置を切り替えるときにディテント溝23,24によって発生する荷重が最も大きくなる区間では、モータ42やボールネジ61を引きずらなくてもロッド92を進退できるようになる。このため、手動時に必要な力の最大値を減少させることができる。
(第2の実施の形態)
図8に示すように、この実施の形態は、スライダ63とリンクアーム91の間にクリアランスを設けていることを特徴とする。リンクアーム91は、ロッド92に固定されており、一対のアーム95の軸線方向の厚さが、スライダ63のリンクユニット121における凸部86間の長さより小さくなっている。リンクユニット121は、端部73A,73B間の距離が異なるのみで第1の実施の形態のリンクユニット73と同じ構成を有する。
リンクアーム91は、リンクユニット121に対して軸線方向に摺動自在に挿入されている。ここで、軸線L1に沿って対向して配置される一対の凸部86とリンクアーム91の間に形成される隙間が、スライダ63とロッド92の間で推力を伝達する際のクリアランスC2になっている。
電動で駆動輪をロックするときは、端部73B側の凸部86でリンクアーム91を押圧する。リンクアーム91は、偏荷重を発生させることなく、ロッド92に推力を伝達する。その結果、ロッド92が同じ方向に同じ量だけ移動し、ディテントプレート21が回動して、パーキングポール12がパーキングギヤ11に噛み合って駆動輪がロックされる。ディテントスプリング25がディテント溝23に収まるときに発生する引き込み荷重で、ロッド92がスライダ63より早く移動し、図9に示すように、リンクアーム91が反対側の端部73Aの凸部86に当接した位置で停止する。
電動で駆動輪のロックを解除するときは、端部73A側の凸部86でリンクアーム91を押圧する。リンクアーム91に固定されているロッド92が同じ方向に同じ量だけ移動し、ディテントプレート21が回動して、パーキングポール12がパーキングギヤ11から離れてロックが解除される。ディテントスプリング25が溝24に収まるときに発生する引き込み荷重で、ロッド92がスライダ63より早く移動し、図8に示すように、リンクアーム91が反対側の端部73Bの凸部86に当接した位置で停止する。
手動で駆動輪をロックするときは、図8に示す位置から手動ロック解除レバー100を手動で押して、ロッド92をケース41に対して押し込む。ロッド92と共にリンクアーム91が移動するが、アーム95が端部73Aの凸部86に当接するまでの間、つまりリンクアーム91がクリアランスC2に相当する距離移動するまでの間は、ボールネジ61及びモータ42を引きずることなくロッド92を移動できる。クリアランスC2は、図7に示すように、ディテントスプリング25による荷重のピークを越える距離に設定されているので、ラインL2に示すように全体としての操作荷重が低減される。
手動で駆動輪のロックを解除するときは、図9に示す位置から手動ロック解除レバー100を手動で引いて、ロッド92をケース41に対して引き戻す。ロッド92と共にリンクアーム91が移動するが、アーム95が端部73Bの凸部86に当接するまでの間、つまりリンクアーム91がクリアランスC2に相当する距離移動するまでの間は、ボールネジ61及びモータ42のフリクションを受けずに移動できる。クリアランスC2は、ディテントスプリング25による荷重のピークを越える距離に設定されているので、全体としての操作荷重が低減される。
この実施の形態では、リンクアーム91とリンクユニット121の間にロッド92とボールネジ61の間で推力の伝達しないようなクリアランスC2を設けたので、この区間ではロッド92を小さい荷重で進退させることができる。クリアランスC2を、ディテント溝23,24を切り替えるための荷重のピークを越える距離に設定したので、ディテント位置を切り替えるときにディテント溝24,25によって発生する荷重が最も大きくなる区間では、モータ42やボールネジ61を引きずらなくてもロッド92を進退できるようになる。このため、手動時に必要な力の最大値を減少させることができる。
ここで、リンクアーム91とリンクユニット121の摺動抵抗をさらに低減させると、手動での操作がさらに容易になる。例えば、一対のアーム95の外面を除く周面と、リンクユニット73の凹部83の平面84のそれぞれに、摺動性を向上させるコーティングを施すと、摩擦係数が下がって、両者の間のフリクションを低減できる。
また、図5に示すように、リンクユニット121の平面84のコーナー部分84Aに面取りを行って曲面形状にすることも摺動低減に寄与する。これは、ボールネジ61を駆動させたときに、ボールネジ軸62にねじ込まれているスライダ63には、軸線回りに回転する力が作用するので、平面84のコーナー部分84Aとリンクアーム91とが線接触することがある。このため、コーナー部分に角があると、リンクアーム91が引っ掛かったり、食い込んだりして摺動抵抗になるので、面取りを行うことで摺動抵抗を低減できる。この実施の形態では、アーム95は、平面84より長く延びているので、平面84のコーナー部分84Aのみを面取りすれば良いが、アーム95が平面84より短い場合には、アーム95の端部95Aの内側の隅部も面取りによる曲面形状を形成すると良い。面取りの断面形状は、直線状でも良いし、円弧状、その他の曲面でも良い。
なお、本発明は、前記した各実施の形態に限定されずに広く応用することができる。
例えば、凸部86を設けずにリンクユニット73,121と一対のアーム95のそれぞれを面接触させても良い。推力伝達部は、半球形状に限定されない。
本発明の実施の形態に係るパーキングロック装置の電動アクチュエータを含むシステムの概略を示す図である。 リンクアームとロッドの間にクリアランスを有する電動アクチュエータの構成を示す図であって、側部を断面にした図である。 リンクユニットの側面図である。 図3のA−A線に沿った断面図である。 リンクアームの構成と、リンクアームにリンクユニットを挿入させた状態を示す図である。 電動で駆動輪をロックしたときの配置を示す断面図である。 ディテント溝を変更するのに必要な荷重を説明するグラフである。 スライダとリンクアームの間にクリアランスを有する電動アクチュエータの構成を示す図であって、側部を断面にした図である。 電動で駆動輪をロックしたときの配置を示す断面図である。
符号の説明
1 パーキングロック装置
4 電動アクチュエータ
11 パーキングギヤ
12 パーキングポール
23,24 ディテント溝
21 ディテントプレート
25 ディテントスプリング(係止部材)
42 モータ
49 回転軸
61 ボールネジ(変換機構)
62 ボールネジ軸(回転軸)
63 スライダ
73,121 リンクユニット
73A,73B 端部
83 凹部
84 平面(摺動面)
84A コーナー部分
86 凸部(推力伝達部)
91 リンクアーム
92 ロッド
100 手動ロック解除レバー
103 第一のストッパ
104 第二のストッパ
C1,C2 クリアランス

Claims (2)

  1. 車両の変速機に設けられたパーキングギヤにパーキングポールを噛み合わせて駆動輪をロックさせるパーキングロック装置に用いられ、前記パーキングポールを駆動させる電動アクチュエータであって、
    モータの出力軸に連結される回転軸にスライダが進退自在に取り付けられ、モータの回転を直線運動に変換する変換機構と、
    前記回転軸に略平行に配置され、かつ一端がディテントプレートを介して前記パーキングポールに連結され、前記ティテントプレートを介して前記パーキングポールを駆動させるロッドと、
    前記ロッドの他端に連結され、このロッドを手動操作可能な手動ロック解除レバーと、
    前記回転軸と前記ロッドのそれぞれに略直交する方向に延び、前記スライダと前記ロッドの間で推力を伝達可能なリンクアームとを備え、
    前記パーキングポールは、前記ディテントプレートの前記パーキングギヤに噛み合う位置に対応する箇所と、噛み合いを解除した位置に対応する箇所のそれぞれに形成された溝の一方に弾性付勢された係止部材が、前記溝の最も低い位置に収まるように係止されることで位置制御されており、
    前記モータは、前記係止部材の付勢力によって、前記溝の最も低い位置に係止部材が収まったときに停止するように駆動制御されており、
    前記リンクアームに前記ロッドが移動自在に通されており、
    前記ロッドには前記リンクアームを挟んで第一のストッパと第二のストッパとが前記リンクアームに当接可能に設けられ、これらストッパと前記リンクアームの間にクリアランスが形成されていることを特徴とするパーキングロック装置の電動アクチュエータ。
  2. 前記クリアランスは、前記係止部材が一方の前記溝から他方の前記溝に移動する際に発生する荷重のピークを越えるのに要する前記ロッドの移動量に相当することを特徴とする請求項1に記載のパーキングロック装置の電動アクチュエータ。
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