JP4688506B2 - 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
一般に、電子写真感光体は繰り返し使用された場合、帯電性の低下、画像特性の劣化、感光層と支持体との接着低下など、様々な不具合を生じるという技術的課題を抱えており、このような問題に対処するために各種の対策方法が提案されている。
この提案によれば、低湿度や高湿度における帯電性能の低下が抑制されるが、導電性支持体の粒界腐食に起因する画像欠陥の発生防止に対する有効性については記載はない。
この提案によれば、電子写真用感光体の初期における画像欠陥、電位の安定性、環境安定性は改善されるが、繰り返し使用時における導電性基体の粒界腐食に起因する画像欠陥の発生防止に対する有効性については記載はなく、またこの構成では導電性基体の粒界腐食に起因する画像欠陥への対応は難しい。
この提案によれば、帯電性の低下および繰り返し使用時の残留電位の上昇に伴う画像欠陥を抑制する効果が期待される。しかし、酸化チタン粒子はアルコール系溶媒中で分散安定性が低く、特に含有量が80〜99重量%では酸化チタン粒子の凝集が発生しやすいため、この溶液を用いて形成された下引き層を長期間使用した場合、塗膜欠陥が発生して良好な画像特性を得ることが難しくなるという問題がある。さらに、下引き層に用いるポリアミド系樹脂の溶解にアルコールと塩素系溶媒を使用しており、対環境対策上問題である。
この提案によれば、無機顔料を樹脂中に分散させた中間層を有する感光体の特性低下を防止する一定の効果が期待できるが、ポリアミド系樹脂として共重合ナイロン(例えば、CM8000:登録商標)を使用している。このため、環境依存性が大きく、特に低温低湿下での繰り返し使用において残留電位上昇が大きくなってしまうという難点がある。また、無機顔料とアルキド樹脂およびメラミン樹脂の硬化層の上にポリアミド系樹脂を設けているため、電子写真用感光体の露光時に電子が導電性基体側へ注入され難く、繰り返し使用時における露光後電位が上昇しやすい欠点がある。
この提案によれば、耐摩耗性と耐久性の向上を図ることができるが、導電性支持体上の下引き層中にメトキシメチル化ナイロンを架橋させるために添加する酒石酸等の酸が残存してしまうため、感光体の長期保管時において感度変動等の不具合を発生させてしまうという問題がある。
前記アルミニウム支持体と感光層との間にメトキシメチル化ナイロンからなる樹脂層、および無機顔料と熱硬化性樹脂からなる下引き層を支持体側から順次設け、
前記下引き層中の残留溶媒が10〜1000ppmであることを特徴とする電子写真感光体である。
ここで、前記鉄と銅の合計含有量が0.3〜10wt%であることが好ましい。
前記電子写真感光体は、上記いずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置に係るものである。
前記電子写真感光体は、上記いずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジに係るものである。
また、支持体の表面粗さ(Rz)、およびRzと樹脂層の膜厚(d)を制御することで、支持体と樹脂層との接着性を向上し、繰り返し使用時の塗膜欠陥に起因する画像欠陥(黒ポチ、白ポチ等)の発生が防止される。
さらに、下引き層にアルキッド樹脂とメラミン樹脂を熱硬化性樹脂組成分として用い、無機顔料(P)と熱硬化性樹脂(R)の重量比率(P/R)を4/1〜9/1に制御することで、繰り返し使用時における帯電低下が防止される。
本電子写真感光体の周りに、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段を少なくとも1つ以上当接するように配設した装置構成とすることで、小型化や、画質要求(中間調、ライン画像の再現性、ベタ部濃度など)を満たす画像形成装置が提供される。また、本電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段を一体に支持したプロセスカートリッジとすることで、ユニットの小型化、操作性、作業性(取り付け、取り外し)などが簡便化される。
以下、本発明の好適な実施の形態について図を参照して説明する。
図1に示すように本発明の電子写真感光体は、導電性基体であるアルミニウム支持体1上に樹脂層2、下引き層3、電荷発生層4、電荷輸送層5を順次積層した構成からなる。図1の例では、電荷発生層4と電荷輸送層5により感光層6が構成されている。また、図1の層構成において、さらに必要に応じて電荷輸送層上に保護層を設けることもできる。
鉄と銅を0.3wt%以上含有するこれらのアルミニウムは、JIS 1070等の不純物の含有量が少ないものに比べて同一熱処理条件において機械的強度が優れているため、支持体の薄膜軽量化が可能であるという利点を有している。しかし、アルミニウム中に鉄や銅などの金属不純物が存在すると粒界腐食を起しやすいという難点がある。そして、粒界腐食部ではアルミニウム支持体から感光層側へ電荷の注入が起りやすくなり、感光体の繰り返し使用によって、黒ポチ、微小な粒状地汚れ等が発生するという問題がある。
上述のように、アルミニウム中の鉄と銅の含有量が合計して0.3wt%以上であれば薄膜軽量化に必要な機械強度が得られ、特には鉄と銅の合計含有量が0.3〜10wt%であることが好ましい。10wt%を越えると、押し出し、インパクト加工、表面切削等の機械加工性に影響が出て薄膜軽量化が難しくなる。なお、アルミニウム支持体の表面粗さ(Rz)は、加工性、支持体の反射によるモアレ等を考慮すると0.2〜1.5μmが好ましい。
すなわち、図1に示す樹脂層2に用いるメトキシメチル化ナイロンは、アルミニウム支持体から感光層側へ電荷の注入を防ぐと共に、感光体の帯電電位を安定化させるために設けられている。
用いられるメトキシメチル化ナイロンとしては限定するものではないが、例えば、6−ナイロンをホルムアルデヒドおよびメタノールと反応させてメトキシメチル化させることにより得られるものであり、反応触媒としてリン酸、リン酸ナトリウム等が用いられ、さらに中和処理にアンモニア等が用いられる。反応後、水洗、乾燥を行ったものを使用するが、樹脂中には、塩素イオン、硝酸イオン、アンモニウムイオン等が残留しており、その量は陰イオンで100〜300ppm、陽イオンで約100ppmである。この残留イオンがメトキシメチル化ナイロンの環境依存性を少なくしている。メトキシメチル化度は、10〜40%、重合度は100〜500が好ましい。
下引き層3は、熱硬化性樹脂と、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの無機顔料からなる微粉末を単独もしくは二種類以上を適宜選択し、ボールミル、サンドミル、アトライター等により分散調製した塗工液を用いて形成することができる。
ここで、活性水素を複数個含有する化合物としては、例えば、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ヒドロキシエチルメタアクリレート基等の活性水素を含有するアクリル系樹脂等が挙げられる。イソシアネート基を複数個含有する化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等とこれらのプレポリマー等が挙げられ、エポキシ基を複数有する化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられる。特に、アルキッド樹脂とアミノ樹脂、例えば、アルキッド樹脂(例えば、オイルフリーアルキド樹脂)とメラミン樹脂(例えば、ブチル化メラミン樹脂)等を熱重合させた熱硬化性樹脂が好ましい。
例えば、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノンおよびナフトキノン系顔料、シアニンおよびアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾ−ル系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。例えば、上記各種アゾ顔料に、その他の各種顔料を1種以上含有してもよい。
この場合、電荷発生層の電荷発生材料と樹脂との比率を重量比で1/1〜3/1とすることが好ましく、このように調製することによって感光層と下引層との接着性を向上し、露光後電位を安定化させることができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、ハイドロキノン系以外のモノフェノール系化合物、高分子フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類等の酸化防止剤も併用して使用してもよい。
〔モノフェノール系化合物〕:2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3-t-ブチル-4-ヒドロキシニソールなど。
〔ビスフェノール系化合物〕:2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
〔高分子フェノール系化合物〕:1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
〔パラフェニレンジアミン類〕:N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−tーブチル−p−フェニレンジアミンなど。
〔ハイドロキノン類〕:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
〔有機硫黄化合物類〕:ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
〔有機燐化合物類〕:トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
保護層の結着樹脂としては、可視、赤外光に対して透明で電気絶縁性、機械的強度、接着性に優れたもの望ましい。結着樹脂としては、例えば、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
一方、金属酸化物としては酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、TiO、TiN、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン等が挙げられる。
図2において、符号11は本発明の電子写真感光体(感光体ドラム)であり、感光体ドラムの周りに、帯電手段(接触帯電装置)12、現像手段14、転写手段(接触転写手段)16、クリーニング手段17を配設した装置構成となっている。
この装置構成の場合、まず接触帯電装置12により、感光体ドラム11が帯電する。感光体ドラムが帯電された後、レーザー光によるイメージ露光13を受け、露光された部分で電荷が発生し、感光体ドラム表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム11表面に静電潜像を形成した後、現像手段14を介して現像剤と接触し、トナー像を形成する。感光体ドラム11表面に形成されたトナー像は、接触転写手段16により紙などの転写部材15へ転写され、定着手段19を通過してハードコピーとなる。感光体ドラム11上の残留トナーはクリーニングブレードからなるクリーニング手段17により除去され、残留電荷は除電手段18で除かれて、次の電子写真サイクルに移る。
接触転写手段16は、半導電性発泡ポリウレタン等の材質で構成され、トナー像を効率良く転写部材15に転写できるように工夫されている。接触転写手段16の長手方向両端には感光体ドラム11との接触圧を一定にするため樹脂製のコロ(図示せず)が設けられている。なお、このコロは、感光体ドラム11の長手方向両端部で感光層と接触する場合がある。特に、電荷輸送層端部がコロと接触する場合、下引き層と電荷輸送層の間に設けられた電荷発生層の樹脂種、または電荷発生層が樹脂を含まない場合、電荷輸送層端部が感光体ドラム11の繰り返し使用によって剥離してしまう。
上記構成により、小型で、しかも中間調、ライン画像の再現性、ベタ部濃度などの要求を満足する画像形成装置を提供することが可能となる。
φ30mm、長さ340mm、厚さ0.75mm、表面粗さ(Rz)1.1μmのJIS 3003系のアルミニウム製(Fe:0.7wt%、Cu:0.2wt%含有)支持体、すなわちアルミドラム上に、以下の手順で、樹脂層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順次形成して実施例1の電子写真感光体を作製した。
まず、アルミドラム上に、下記組成により調製した樹脂溶液を用いて浸漬塗布し、130゜Cで10分間乾燥して、膜厚0.5μmの樹脂層を形成した。
<樹脂溶液の組成>
メトキシメチル化ナイロン(FR−101:(株)鉛市製) 10.9部
メタノール 104.4部
ブタノール 28.9部
イオン交換水 14.9部
続いて、下記組成からなる混合物をボールミルポットに採り、φ10mmのアルミナボールを使用して120時間ボールミリングし、下引き層用のミリング液を調製した。
<下引き層用ミリング液の組成>
酸化チタン(CR−60:石原産業製) 60部
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50:
大日本インキ化学工業製;固形分50wt%) 18.5部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60:
大日本インキ化学工業製;固形分60wt%) 10.3部
メチルエチルケトン(関東化学製) 21部
シクロヘキサノン(関東化学製) 9部
ミリング液中の酸化チタンの平均粒径は遠心式粒度分布測定機(CAPA700:堀場製作所製)により測定したところ0.39μmであった。
次に、下記化学式(I)で表される電荷発生物質2部、固形分濃度2wt%のポリビニルブチーラール樹脂(BX−1:積水化学製)/ メチルエチルケトン溶液60部からなる混合物をボールミルポットに採り、φ2mmのYTZボールを使用して24時間ボールミリングを施し、電荷発生層用塗布液を調製した。
この塗布液を上記形成した下引き層上に浸漬塗布し、95℃で20分間乾燥し、厚さ0.1μmの電荷発生層を形成した。
次いで、下記組成により電荷輸送層用塗工液を調製し、この塗工液を用いて上記形成した電荷発生層上に浸漬塗布し、135℃で25分間乾燥し、厚さ31μmの電荷輸送層を形成した。
<電荷輸送層用塗工液の組成>
電荷輸送物質(下記化学式(II):リコー製) 7部
ポリカーボネート樹脂(TS−2050:帝人化成製) 10部
シリコーンオイル(KF−50:信越化学製) 0.002部
テトラヒドロフラン(関東化学製) 77.4部
実施例1においてアルミドラムの表面粗さ(Rz)を1.1μmから0.75μmに変え、また樹脂層の膜厚を0.5μmから0.8μmに変えた以外は実施例1と全く同様にして実施例2の電子写真感光体を作製した。
実施例1においてアルミドラムの表面粗さ(Rz)を1.1μmから1μmに変え、また樹脂層の膜厚を0.5μmから1μmに変えて樹脂層を形成した。
続いて、下記組成からなる混合物をボールミルポットに採り、φ10mmのアルミナボールを使用して96時間ボールミリングして下引き層用のミリング液を調製した。
<下引き層用ミリング液の組成>
酸化チタン(CR−60:石原産業製) 60部
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50:
大日本インキ化学工業製;固形分50wt%) 12部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンG821−60:
大日本インキ化学工業製;固形分60wt%) 6.7部
メチルエチルケトン(関東化学製) 21部
シクロヘキサノン(関東化学製) 9部
実施例3においてアルミドラムの表面粗さ(Rz)を1μmから0.6μmに変え、また樹脂層の膜厚を1μmから0.75μmに変えた以外は実施例3と全く同様にして実施例4の電子写真感光体を作製した。
実施例3においてアルミドラムの表面粗さ(Rz)を1μmから0.1μmに変えた以外は実施例3と全く同様にして実施例5の電子写真感光体を作製した。
実施例1において下引き層用ミリング液の組成を下記組成に変えて96時間ボールミリングした。
<下引き層用ミリング液の組成>
酸化チタン(CR−60:石原産業製) 60部
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50:
大日本インキ化学工業製;固形分50wt%) 7.2部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60:
大日本インキ化学工業製;固形分60wt%) 4部
メチルエチルケトン(関東化学製) 21部
シクロヘキサノン(関東化学製) 9部
実施例1において樹脂層を設けなかった以外は実施例1と全く同様にして比較例1の電子写真感光体を作製した。
実施例1において下引き層を設けなかった以外は実施例1と全く同様にして比較例2の電子写真感光体を作製した。
実施例3においてJIS 3003系のアルミドラムからJIS 1080系(Fe:0.15wt%、Cu:0.03wt%含有)のアルミドラムに変え、樹脂層を設けず、下引き層を浸漬塗布し、130℃で20分間乾燥した以外は実施例3と全く同様にして比較例3の電子写真感光体を作製した。
実施例1において下引き層の乾燥条件を120゜Cで10分に変更した以外は実施例1と全く同様にして比較例1の電子写真感光体を作製した。
また、実施例1〜6および比較例1〜3の電子写真感光体については、50゜Cの環境下で6ヶ月間保存した後、上記反転現像方式のデジタル複写機に取り付け、帯電電位および露光後電位を測定した。さらに、常温常湿の環境で4万枚、30゜C、85%、および10゜C、15%の環境で各0.5万枚、合計5万枚のコピーを行ない、5万枚コピー後の帯電電位および露光後電位を測定し、併せて画像品質(粒状地汚れ、細線の再現性)を評価した。これらの結果を下記表1に示す。比較例4に関しては、初期特性のみについて測定した。
なお、黒ポチの評価は、カラーイメージプロセッサーSPICCA(日本アビオニクス社製)を用いて黒ポチの大きさと個数を測定し、φ0.05mm以上の黒ポチの個数(1cm2当たり)により判定した。黒ポチ評価の判定基準を下記表2に示す。表2の判定において、◎、○、△の場合には実用上特に問題のないことを示し、×の場合には実用に適さないことを示す。また、細線の再現性は、1ドットライン画像から評価した。
一方、実施例1〜6および比較例1〜4における下引き層用ミリング液を用い、各実施例と比較例における前記処理条件と同じにしてそれぞれアルミドラムに塗布した下引き層のみのサンプルを作成し、熱分解−ガスクロマトグラフ(GC−15A:島津製作所製)により下引き層中の残留溶媒量を測定した。検出されたメチルエチルケトン、シクロヘキサノンの合計を残留溶媒量とした。結果を同様に下記表1に併記する。
2 樹脂層
3 下引き層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6 感光層
11 感光体ドラム
12 帯電手段(接触帯電装置)
13 イメージ露光
14 現像手段
15 転写部材
16 転写手段(接触転写手段)
17 クリーニング手段
18 除電手段
19 定着手段
Claims (6)
- 鉄と銅を合計して0.3wt%以上含有するアルミニウム支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体であって、
前記アルミニウム支持体と感光層との間にメトキシメチル化ナイロンからなる樹脂層、および無機顔料と熱硬化性樹脂からなる下引き層を支持体側から順次設け、
前記下引き層中の残留溶媒が10〜1000ppmであることを特徴とする電子写真感光体。 - 前記鉄と銅の合計含有量が0.3〜10wt%であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記アルミニウム支持体の表面粗さ(Rz)が0.2〜1.5μmであり、メトキシメチル化ナイロンからなる樹脂層の膜厚(d)が0.5〜1.5μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記下引き層中の熱硬化性樹脂がアルキッド樹脂とメラミン樹脂からなり、かつ無機顔料(P)と熱硬化性樹脂(R)の比(P/R)が重量比率で4/1〜9/1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体の周りに帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段が配設され、かつ該各手段のうち少なくとも1つ以上の手段が該電子写真感光体に当接している画像形成装置であって、
前記電子写真感光体は、請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。 - 電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段が一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在とされたプロセスカートリッジにおいて、
前記電子写真感光体は、請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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