JP4687062B2 - 電動モータ駆動車両の制振制御装置 - Google Patents

電動モータ駆動車両の制振制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、電動モータによって駆動される車両におけるトルクの振動を抑制する技術に関する。
電動モータを駆動源とする車両におけるトルク振動を抑制する制振制御装置としては、例えば後記特許文献1に記載のものがある。
上記従来の制振制御装置においては、各種車両情報に応じて第1のトルク目標値を設定し、また、後述するモータトルク指令値を入力し、車両へのトルク入力とモータ回転速度との間の伝達特性のモデルGp(s)に相当する特性を有するフィルタを通すことによってモータ回転速度を推定し、その回転速度推定値と実際のモータ回転速度との偏差を求め、分母次数と分子次数との差分が、前記モデルGp(s)の分母次数と分子次数との差分以上となる伝達特性H(s)、つまり「H(s)の分母次数−分子次数≧Gp(s)の分母次数−分子次数」なる条件を満たす伝達特性H(s)を用いたモデルH(s)/Gp(s)のフィルタを備え、上記偏差を上記H(s)/Gp(s)なるフィルタに通することによって、第2のトルク目標値を算出し、第1のトルク目標値と第2のトルク目標値を加え合わせて前記モータトルク指令値とし、該モータトルク指令値に実モータの出力トルクを一致もしくは追従させるように制御している。
上記のような従来の制振制御における伝達特性H(s)を持つバンドパスフィルタの構成手段として、ローパス側、ハイパス側の減衰特性(dB/dec)を概略一致させ、駆動系のねじり共振周波数が対数軸上でH(s)の通過帯域の中央となるように構成する方法が知られている。これにより、理論上、不要な振動に対し、位相差0でキャンセルトルクを与えられるため、振動抑制に最大の効果を発揮することができている。
特開2003−09566号公報
前記のような従来の制振制御を適用すると、通過帯域近傍のゲインを最大に得るためには、ねじり共振周波数fpとハイパス側遮断周波数fcHとの比およびローパス側遮断周波数fcLとねじり共振周波数fpとの比の関係kfc、つまり
kfc=fp/fcH=fcL/fp
をなるべく大きくとる必要があり、結果として、本来ねじり振動をキャンセルするために通過させていた共振周波数以外の周波数成分をも通過させやすくしてしまうことにより、ブレーキをかけた際の制動トルクさえも低減させるトルクを発生させてしまうので、減速時に押し出され感が現れてしまう可能性があった。
また、こうした問題を軽減するため、帯域幅を絞るとフィードバックトルクが十分得られないことから、ギアのバックラッシュ等に起因して生ずる外乱トルク要素に対して、十分な制振効果を得ることができないという問題があった。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、電動モータ駆動車両における制振効果をより向上させた制振制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては、第2のトルク目標値設定手段における伝達特性H(s)のフィルタにおいて、ねじり共振周波数fpとハイパス側遮断周波数fcHとの比およびローパス側遮断周波数fcLとねじり共振周波数fpとの比の関係kfcを、
kfc=fp/fcH=fcL/fp=1 すなわち、
fcH=fcL=fp
なる関係に設定し、かつ、第2のトルク目標値を 1≦kfb≦2 なる範囲における任意のゲインkfb倍に増幅する増幅手段を備え、車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性のモデルGp(s)を2次振動系モデルで近似した場合に、前記第2のトルク目標値を増幅する増幅手段のゲインkfbを、
kfb=2・(1−ζp)
に設定するように構成している。
上記のように構成したことにより、通過帯域におけるゲイン/帯域幅比を最大とすることができ、ねじり共振周波数におけるフィードバックゲインを所定の大きさに保ったまま、不必要な帯域での減衰量を最大にすることができる。そして第2のトルク目標値を増幅する増幅器のゲインkfbを 1≦kfb≦2 の範囲内の任意の値に設定することにより、制振効果をより改善することが出来る。
特に、kfb=2に設定した場合は、フィードバックトルクをゲイン0dBで減衰なく第2のトルク目標値としてフィードバック可能となるので、ギアのバックラッシュ等に起因して生じる外乱トルクに対しても、効果的に振動を抑制することが可能になる、という効果が得られる。
図1は本発明の一実施の形態を示すブロック図である。
図1において、1は車両のアクセル操作量を検出するアクセル開度センサ、2はモータトルク設定部、3は制振制御部、4はモータトルク制御部(何れも詳細後述)であり、モータトルク制御部の出力信号に応じてモータ5を制御する。6はモータ5の回転速度を検出するためのモータ回転角センサ、7はモータ5の回転を車輪8、9に伝達する駆動軸である。
モータトルク設定部2は、アクセル開度センサ1で検出したアクセル開度とモータ回転角センサ6から検出したモータ回転速度とに基づいてモータトルクの目標値(第1のトルク目標値T1)を設定する。この第1のトルク目標値T1は、例えばアクセル開度とモータ回転速度とに対応したトルク目標値のマップを予め記憶しておき、そのときのアクセル開度とモータ回転速度とに応じた値を読み出し、その値をGm(s)/Gp(s)なる伝達特性を有するフィルタを通すことによって算出する。なお、アクセル開度とモータ回転速度とから求める代わりに上位コントローラからのトルク指令値を用いてもよい。
上記のGm(s)は車両へのトルク入力とモータ回転速度の応答目標を示すモデル(理想モデル)であり、Gp(s)は車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性を示すモデルである。
制振制御部3は、第1のトルク目標値T1とモータ回転速度とを入力し、後述する演算を行って第1のトルク目標値T1と第2のトルク目標値T2とを加算したモータトルク指令値Tを出力する。
モータトルク制御部4は、上記モータトルク指令値Tにモータ5の出力トルクを一致もしくは追従させるように制御する。
上記モータトルク設定部2、制振制御部3およびモータトルク制御部4は、例えばマイクロコンピュータで構成されており、また、モータ5の駆動は、例えばトルク指令値Tに対応するPWM信号によって駆動されるインバータを用いて駆動する。
(第1の実施例)
図2は本発明の動作説明のためのモータ制御系のモデル構成を示すブロック図であり、図3および図4は本発明による制振制御のフィルタH(s)の通過帯域を示すボード線図、図5は本発明による第1の実施例の構成を示すブロック図、図6は第1の実施例のシミュレーションによる出力結果を示す図である。
図2において、トルク目標値設定手段101は、Gm(s)/Gp(s)の前置フィルタからなり、入力した上位コントローラからのトルク指令値100(または図1に示したように各種車両情報:例えばアクセル開度やモータ回転速度)に応じて第1のトルク目標値102を設定する。このトルク目標値設定手段101は図1のモータトルク設定部2に相当する。
モータ回転速度推定手段110は、車両へのトルク入力とモータ回転速度との伝達特性のモデルGp(s)に相当する特性を有するフィルタで構成され、入力した第1のトルク目標値102からモータ回転速度推定値109を算出する。
減算手段116は、モータ回転速度推定値109と実際のモータ回転速度検出値106との偏差111を求める。
第2のトルク目標値設定手段113は、分母次数と分子次数との差分が、モデルGp(s)の分母次数と分子次数との差分以上となる伝達特性H(s)、つまり「H(s)の分母次数−分子次数≧Gp(s)の分母次数−分子次数」なる条件を満たす伝達特性H(s)を用いたH(s)/Gp(s)のフィルタで構成され、前記減算手段で算出された偏差を入力し、第2のトルク目標値114を設定する。
増幅手段112は、第2のトルク目標値114に1≦kfb≦2なる任意のゲインkfbを掛け合わせて増幅後の第2のトルク目標値103を出力する。
加算手段115は、前記第1のトルク目標値102と増幅後の第2のトルク目標値103とを加え合わせてモータトルク指令値104とし、このモータトルク指令値104でモータ105(伝達特性をGp'(s)とする)を駆動制御する。つまり、前記モータトルク指令値104にモータ105の出力トルクを一致もしくは追従させるように制御する。なお、121は外部から加えられる外乱トルクである。
上記のモータ回転速度推定手段110、増幅手段112、第2のトルク目標値設定手段113、加算手段115および減算手段116の部分が前記図1の制振制御部3に相当する。なお、図1のモータトルク制御部4は、伝達特性的には影響がないので図2には表示していないが、外乱トルク121とモータ105との間に存在する。以上が本発明を適用するモータ制御系のモデル構成である。
図5に示した第1の実施例においては、図2における車両モデルのモータ回転速度推定値109と実際のモータ回転速度検出値106との偏差を求める際に、積分偏差が生じることを防ぐため、図2の制御ブロック構成を等価変換して図5に示すような構成とする。図5において、トルク目標値設定手段501は、Gm(s)/Gp(s)の前置フィルタからなり、入力した上位コントローラからのトルク指令値500(または各種車両情報:例えばアクセル開度やモータ回転速度)に応じて第1のトルク目標値502を設定する。
モータ505へのモータトルク指令値504は、駆動系のねじり共振周波数を中心周波数fpとするバンドパスフィルタ510を通過することにより、モータトルク指令値のねじり共振周波数成分509となる。上記バンドパスフィルタ510の遮断周波数はfcH=fcL=fpに設定されている。ただし、fcHはハイパス側の遮断周波数、fcLはローパス側の遮断周波数である。
また、モータ505の実際のモータ回転速度検出値506は、H(s)/Gp(s)なるフィルタ507を通して電動モータにかかるトルクのねじり共振周波数成分508に変換される。
減算手段516は、前記モータトルク指令値のねじり共振周波数成分509と、モータ505にかかるトルクのねじり共振周波数成分508との偏差511を求める。
増幅手段512は、上記の偏差を、1≦kfb≦2なる範囲の値(後述するように図2ではkfb=2とする)を有する任意のゲインkfb倍に増幅し、第2のトルク目標値503とする。
加算手段515は、前記第1のトルク目標値502と増幅後の第2のトルク目標値503とを加え合わせてモータトルク指令値504とし、このモータトルク指令値504によってモータ505を駆動制御する。つまり、前記モータトルク指令値504にモータ505の出力トルクを一致もしくは追従させるように制御する。
なお、図5のフィルタ507におけるH(s)/Gp(s)の特性は、図2の第2のトルク目標値設定手段113における「H(s)の分母次数−分子次数≧Gp(s)の分母次数−分子次数」なる条件を満たす伝達特性H(s)を用いたH(s)/Gp(s)と同じである。
上記のように、第1の実施例においては、バンドパスフィルタ510の遮断周波数がfcH=fcL=fpと設定されているので、そのままでは中心周波数fpにおける通過損失が−6dBになる。そのため増幅手段512によってこれを補償するように、増幅手段512のゲインkfbを2(つまり+6dB)に設定する。
これにより、バンドパスフィルタ510の通過損失を受けずに、第2のトルク日標値511をフィードバック可能にすることが出来る。
図3は、バンドパスフィルタ510における通過ゲイン特性を示すボード線図である。図3において、201は遮断周波数をfcH=fcL=fpに設定した場合の通過ゲイン特性、202は遮断周波数をfcH=fcL=fpに設定した場合の位相特性を示す。
図4は、バンドパスフィルタ510におけるゲイン/通過帯域幅比を示すボード線図である。図4において、301は遮断周波数をfcH=fcL=fpに設定した場合のゲイン/通過帯域幅比、302、303は遮断周波数がfp/fcH=fcL/fp≠1の場合におけるゲイン/通過帯域幅比を示す。
図6は、モータ505に対して、外乱トルク521としてステップ状のトルク外乱601を与えた場合におけるモータ505の出力回転速度(モータ回転速度検出値)506の応答波形を示す図であり、(a)はトルク外乱601の波形、(b)は前記特許文献1に記載した従来の制振制御による応答波形、(c)は本発明の第1の実施例における応答波形を示す。
図6から判るように、制振制御を行わない場合の回転速度応答602、604は、外乱トルク601の影響を受けてねじり共振周波数で大きな振幅をもって振動している。そして、前記特許文献1に記載した従来の制振制御によると第2のトルク目標値がバンドパスフィルタの通過ロスによって減衰されるため、完全な制振効果が得られず、出力回転速度は603に示すように、ねじり振動がかなり残っている。
これに対し、図6(c)に示した本発明の特性においては、第2のトルク目標値511が減衰されずにフィードバックされるので、波形605に示したように出力回転速度は振動がほぼ収まって滑らかに変化していることが判る。
ここで前記した車両のトルク入力とモータ回転速度の伝達特性Gp(s)について説明する。
図10は車両の駆動ねじり振動系の運動方程式を説明するための図であり、図10における各符号は以下に示すとおりである。
Jm:モータのイナーシャ
Jw:駆動輪のイナーシャ
M:車両の重量
KD:駆動系のねじり剛性
KT:タイヤと路面の摩擦に関する係数
N:オーバーオールギヤ比
r:タイヤの加重半径
ωm:モータの角速度
Tm:モータのトルク
TD:駆動輪のトルク
F:車両に加えられる力
V:車両の速度
ωW:駆動輪の角速度
図10より、以下の運動方程式を導くことが出来る。
Jm・ωm=Tm−TD/N
2Jw・ωW=TD−rF
MV=F
TD=KD ∫(ωm/N−ωW)
F=KT(rωW−V)
なお、上記の各数式において、符号の右上に付されている「*」は、時間微分を示す。 上記の各運動方程式に基づいて、モータトルクからモータ回転速度の伝達特性Gp(s)を求めると下記(数2)式のようになる。
Gp(s)=(b+b+bs+b)
/s(a+a+as+a) …(数2)
ただし、
=2Jm・Jw・M
=Jm(2Jw+Mr)KT
={Jm+(2Jw/N〕}M・KD
={Jm+(2Jw/N)+(Mr/N)}KD・KT
=2Jw+M
=(2Jw+Mr)KT
=M・KD
=KD・KT
上記(数2)式に示した伝達関数の極と零点を調べると、一つの極と一つの零点とは極めて近い値を示す。これは下記(数3)式におけるαとβが極めて近い値を示すことに相当する。
Gp(s)=(s+β)(b's+b's+b')
/s(s+α)(a's+a's+a') …(数3)
したがって上記(数3)式における極零相殺(α=βと近似する)を行うことにより、下記(数4)式に示すように、(2次)/(3次)の伝達特性Gp(s)が得られる。
Gp(s)=(b's+b's+b')/s(a's+a's+a') …(数4)
上記の(数4)式をマイコン処理によって具現化するため、例えば下記(数5)式を用いてZ変換し、離散化する。
s=(2/T)・{(1−Z−1)/(1+Z−1)} …(数5)。
次に、伝達特性H(s)について説明する。
H(s)は、バンドパスフィルタとした場合に、振動のみを低減するフィードバック要素となる。このバンドパスフィルタのフィルタ特性は例えば図11に示すように、ローパス側およびハイパス側の減衰特性がほぼ一致し、かつ、駆動系のねじり共振周波数fpが対数軸(logスケール)上で、通過帯域の中央部近傍となるように設定されている。なお、fcLはローパス側遮断周波数、fcHはハイパス側遮断周波数である。
第1の実施例においては、前記図3、図4に示したように、fp=fcL=fcHに設定している。つまり通過帯域の中央が駆動系のねじり共振周波数fpになり、かつ、ハイパス側もローパス側も中央のfpから直ちに減衰を開始する特性となっている。
(第2の実施例)
図7は第2の実施例の構成を示す機能ブロック図、図8は第2の実施例のシミュレーションによる出力結果を示す図、図9は第2の実施例の動作を説明するためのブロック図である。
図7において、トルク目標値設定手段701は、Gm(s)/Gp(s)の前置フィルタからなり、入力した上位コントローラからのトルク指令値700(または各種車両情報:例えばアクセル開度やモータ回転速度)に応じて第1のトルク目標値702を設定する。
モータ705へのモータトルク指令値704は、駆動系のねじり共振周波数を中心周波数fpとするバンドパスフィルタ710を通過することにより、モータトルク指令値のねじり共振周波数成分709となる。上記バンドパスフィルタ710の遮断周波数はfcH=fcL=fpに設定されている。ただし、fcHはハイパス側の遮断周波数、fcLはローパス側の遮断周波数である。
また、モータ705の実際のモータ回転速度検出値706は、H(s)/Gp(s)なるフィルタ707を通して電動モータにかかるトルクのねじり共振周波数成分708に変換される。
減算手段716は、前記モータトルク指令値のねじり共振周波数成分709と、モータ705にかかるトルクのねじり共振周波数成分708との偏差711を求める。
増幅手段712は、上記の偏差711を、k=2・(1−ζp)なるゲイン倍に増幅し、第2のトルク目標値703とする。
加算手段715は、前記第1のトルク目標値702と増幅後の第2のトルク目標値703とを加え合わせてモータトルク指令値704とし、このモータトルク指令値704によってモータ705を駆動制御する。つまり、前記モータトルク指令値704にモータ705の出力トルクを一致もしくは追従させるように制御する。ただし、721は外乱トルクである。
ここで、図9を用いて第2の実施例の動作を説明する。
図9において、外部から入力したトルク指令値をu、出力回転速度をY、外乱入力トルクをdとして、中間ノードの演算結果をそれぞれx1、x2、x3、x4、x5と置くと、下記の(数6)式に示す連立方程式が求められる。
Y=Gp'(s)・(x1+d)
x1=x5+u
x2=H(s)・x1 …(数6)
x3={H(s)/Gp(s)}・Y
x4=x2−x3
x5=k(x2−x3)
また、下記(数7)式〜(数10)式に示す関係がある。
Figure 0004687062
Figure 0004687062
Figure 0004687062
Figure 0004687062
上記それぞれの関係から入出力の伝達関数を解くと、(数11)式が得られる。
Figure 0004687062
本発明による制振制御は、入力トルク指令値uに対しては、モータの応答をモデル化した応答Gp(s)・uとなるように作用し、かつ外乱入力トルクdに対して規範応答Gm(s)・dとなるように作用することにより、モータのギアのバックラッシュ等に起因する外乱要素に対してもロバストな制振効果を得られるようにするものであり、従って(数11)式の第2項が下記(数12)式に示すようにGm(s)・dとなるようなゲインkを選ぶことにより、完全な制振効果を得ることが可能となる。
Figure 0004687062
このときのkの値を下記(数13)式、(数14)式に示すようにして求めると、(数15)式に示すように、k=2・(1−ζp)となる。ただし、ζpは車両によって決まる定数(減衰係数)である。
Figure 0004687062
Figure 0004687062
Figure 0004687062
図7に示した第2の実施例は、増幅手段712におけるゲインkを上記の値に設定したものである。
つまり第2の実施例においては、車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性のモデルGp(s)を下記(数16)式(=数1式)に示す2次振動系モデルで近似した場合に、前記第2のトルク目標値を増幅する増幅手段のゲインkfbを、
kfb=2・(1−ζp)
に設定したものである。
Figure 0004687062
ただし、ζp:車両によって決まる定数(減衰係数)
Js :車両慣性
:定数
:定数
上記のように、k=2・(1−ζp)に設定することにより、実際の電動モータGp'(s)の出力と車両振動モデルGp(s)の出力とが完全に一致するように第2のトルク目標をフィードバックすることが可能となり、理論的には外乱によるねじり共振周波数での振動を零に抑制することが可能となる。
図8は、モータ705に対して、外乱トルクd721としてステップ状のトルク指令801を与えた場合におけるモータ705の出力回転速度706の応答波形を示す図である。
図8において、(a)は外乱トルク波形、(b)は前記特許文献1に記載した従来の制振制御による応答波形、(c)は本発明の応答波形を示す。
図8に示した制振制御を行わなかった場合の回転速度応答802、804は、外乱トルクd801を受けてねじり共振周波数で大きな振幅をもって振動している。これに対して本発明による制振制御を行った場合は、第2のトルク目標値711が外乱トルクd801に対してGm(s)・dとなるようにフィードバックがかかることにより、(c)に示すように、回転速度出力波形805には、全く振動が生じていないことがわかる。
本発明の一実施の形態を示すブロック図。 本発明の動作説明のためのモータ制御系のモデル構成を示すブロック図。 バンドパスフィルタH(s)における通過ゲイン特性を示すボード線図。 バンドパスフィルタH(s)におけるゲイン/通過帯域幅比を示すボード線図。 本発明による第1の実施例の構成を示すブロック図。 第1の実施例のシミュレーションによる出力結果を示す図。 第2の実施例の構成を示す機能ブロック図。 第2の実施例のシミュレーションによる出力結果を示す図。 第2の実施例の動作を説明するためのブロック図。 車両の駆動ねじり振動系の運動方程式を説明するための図。 バンドパスフィルタH(s)のフィルタ特性図。
符号の説明
1…アクセル開度センサ 2…モータトルク設定部
3…制振制御部 4…モータトルク制御部
5…モータ 6…モータ回転角センサ
7…駆動軸 8、9…車輪
100、500、700…上位コントローラからのトルク指令値
101、501、701…前置フィルタ
102、502、702…第1のトルク日標値
103、503、703…増幅後の第2のトルク目標値
104、504、704…モータへのトルク指令値
105、505、705…モータ
106、、506、706…モータの出力回転速度
113、507、707…トルク演算器
508、708…モータにかかる振動トルク
109…推定回転速度
509、709…指令トルクのねじり振動数成分
510、710…バンドパスフィルタ
111…回転速度偏差
511、711…トルク偏差
121、521、721…外乱トルク
201…fp=fcH=fcLの際の通過ゲイン特性
202…fp=fcH=fcLの際の位相特性
301…fp=fcH=fcLの際のゲイン/帯域幅比
302、303…fp/fcH=fcL/fp≠1のときのゲイン/帯域幅比
601、801…外乱トルク
602、604、802、804…制振制御無しの場合における回転速度応答
603、803…fp=fcH=fcLの際の回転速度応答
605…fp=fcH=fcLかつkfb=2の際の回転速度応答
805…fp=fcH=fcLかつkfb=2・(1−ζp)の際の回転速度応答

Claims (1)

  1. 電動モータを駆動源とする車両において、
    前記電動モータの実回転速度またはそれに相当する値を検出するモータ回転速度検出手段と、
    外部からの指令値または各種車両情報に応じて第1のトルク目標値を設定する第1のトルク目標値設定手段と、
    分母次数と分子次数との差分が、車両へのトルク入力とモータ回転速度との伝達特性のモデルGp(s)の分母次数と分子次数との差分以上となる伝達特性H(s)を有するバンドパスフィルタH(s)を備え、後述するモータトルク指令値を入力して、上記バンドパスフィルタH(s)を通過させることにより、モータトルク指令値のねじり共振周波数成分を出力する手段と、
    前記実回転速度をH(s)/Gp(s)なる特性を有するフィルタを通すことによって電動モータにかかるトルクのねじり共振周波数成分を出力する手段と、
    前記モータトルク指令値のねじり共振周波数成分と、前記電動モータにかかるトルクのねじり共振周波数成分との偏差を求めて第2のトルク目標値とする偏差演算手段と、
    前記第1のトルク目標値と第2のトルク目標値を加え合わせて前記モータトルク指令値とするモータトルク指令値演算手段と、
    を備え、前記モータトルク指令値に前記電動モータの出力トルクを一致もしくは追従させるように制御し、
    かつ、前記バンドパスフィルタH(s)の遮断周波数を、駆動系のねじり共振周波数fpとハイパス側遮断周波数fcHとの比およびローパス側遮断周波数fcLと駆動系のねじり共振周波数fpとの比の関係がそれぞれ、
    kfc=fp/fcH=fcL/fp=1
    になるように、つまりfp=fcH=fcLに設定し、かつ、前記第2のトルク目標値を
    1≦kfb≦2
    なる範囲における任意のゲインkfb倍に増幅する増幅手段を備え、
    車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性のモデルGp(s)を下記(数1)式に示す2次振動系モデルで近似した場合に、前記第2のトルク目標値を増幅する増幅手段のゲインkfbを、
    kfb=2・(1−ζp)
    に設定したことを特徴とする電動モータ駆動車両の制振制御装置。
    Figure 0004687062
    ただし、ζp:車両によって決まる定数(減衰係数)
    Js:車両慣性
    :定数
    :定数
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