JP4686987B2 - 熱間圧延における加熱炉燃焼制御方法 - Google Patents

熱間圧延における加熱炉燃焼制御方法 Download PDF

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本発明は、熱間圧延ラインにおける連続式加熱炉の燃焼制御方法に関するものである。
従来、連続式加熱炉(以下、単に加熱炉という)と粗圧延機と仕上圧延機を備えた熱間圧延ラインにおいては、加熱炉からのスラブの抽出目標温度を、所望の仕上圧延機出口温度又は粗圧延機出口温度から圧延ライン温度降下モデルを用いて逆算し、各スラブが抽出予定時刻にその抽出目標温度となるように加熱炉の炉温設定を行うという加熱炉燃焼制御が実施されている(例えば、非特許文献1参照。)。
近年、粗圧延機と仕上圧延機との間に粗バー加熱装置を配置することによって、圧延能率の向上等を図った熱間圧延ラインが現われてきた(例えば、特許文献1参照。)。
これまでの粗バー加熱装置のない熱間圧延ラインにおいては、加熱炉抽出後の粗バー温度は、空冷抜熱、圧延時のロール抜熱、その他でスケーリングによる水冷抜熱などにより、受動的に下がっていく。一方、粗バー加熱装置は、粗バーの温度を昇温させるものであるが、昇温電力を自在に設定することにより能動的に粗バー温度を変更できる。前記非特許文献1に記載されている技術における圧延ライン温度降下モデルは、加熱炉抽出後、受動的に決定する粗バー温度を予測又は推定するのみであるので、能動的に粗バー温度を変更できる粗バー加熱装置を利用する時の抽出目標温度の決定方法は、前記非特許文献1に記載の方法とは自ずと異なってくる。
粗バー加熱装置を配置した熱間圧延ラインにおける加熱炉燃焼制御方法については、サイクルを構成する全てのスラブに対して、圧延素材に依存しない一定温度に加熱炉温度を設定し、加熱不足分を粗バー加熱装置で加熱し、所望の仕上圧延機入側温度又は仕上圧延機出側温度を確保するというものがある(例えば、特許文献2参照。)。
また、その改良技術として、混在する炉内スラブについて最も低い加熱温度指定のスラブに合わせて加熱し、その他のスラブの加熱不足分を粗バー加熱装置で加熱して、所望の仕上圧延機入側温度又は仕上圧延機出側温度を確保することによって、加熱炉における加熱エネルギーコストと粗バー加熱装置における加熱エネルギーコストとの合計が最小となるように加熱炉抽出温度を決定するというものがある(例えば、特許文献3参照。)。
特許第3284913号公報 特許第3275705号公報 特開2001−321818号公報 日本鉄鋼協会編、「わが国における最近のホットストリップ製造技術」、第2版、昭和62年8月10日、p92〜94
しかし、前記特許文献2及び特許文献3に記載された粗バー加熱装置を備えた場合の加熱炉の炉温設定方法では、圧延能率の変化あるいは装入スラブ温度の変化による必要加熱炉能力の変化に関する考慮が全くされていない。例えば、常温のスラブを1200℃まで加熱するためには、在炉時間が150分だと、炉内ではほぼ常時1300℃近い炉温が必要であるのに対して、在炉時間が200分以上あると、前半100分は1150℃程度、後半100分は1270℃程度という低い炉温でよい。一般に加熱炉は設定炉温が高いほど効率が低下(排ガスなどによる熱損失が増大)することが知られているので、十分な在炉時間を使ってできるだけ低い炉温で昇熱することは加熱エネルギーコスト面からは有利である。このように、在炉時間の違いによる必要加熱能力の差を考慮して加熱炉温度を設定することが大切である。
したがって、前記特許文献2及び特許文献3に記載された加熱炉温度の設定方法のように、各スラブ毎の在炉時間の違いによる必要加熱能力の差への考慮せずに加熱炉温度を設定し、生じた加熱不足分を粗バー加熱装置で加熱するという方法では、本来加熱炉によって安価な加熱が可能な場合でもいたずらに加熱エネルギーコストの高い粗バー加熱装置を使うことで、加熱炉と粗バー加熱装置を合わせた合計加熱エネルギーコストの増大を招いてしまう。
また、特許文献3に記載された加熱炉温度の設定方法においては、加熱エネルギーコストの最小化のみを目的としており、圧延能率に関する考慮がなく、熱間圧延ライン全体の製造コストを低減するという観点が不充分である。すなわち、加熱エネルギーコストの最小化がなされたとしても、そのために圧延能率の低下が生じると、巨大な装置である熱間圧延ラインの固定費の占める割合が増加し、全体の製造コストの増加を招く危険性がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、粗バー加熱装置が配置された熱間圧延ラインにおいて、粗バー加熱装置の使用を必要最小限度にして加熱エネルギーコストを抑制しながら、圧延能率の最大化を図ることができ、熱間圧延ライン全体としての製造コストの低減を可能とする熱間圧延における加熱炉燃焼制御方法を提供することを課題とするものである。
まず、一般に、単位カロリーあたりの加熱エネルギーコストはガス炉である加熱炉より、電力を用いる粗バー加熱装置の方が高い。したがって、同じ仕上圧延機入側温度を得るためには、粗バー加熱装置を用いず加熱炉のみで加熱した方が、加熱エネルギーコスト面では有利である。
しかし、加熱炉の加熱能力よりも圧延機の圧延能力が上回っていて、圧延能率が加熱炉の加熱速度によって律されている状態、すなわち加熱律速の場合には、加熱炉のみで必要な抽出温度を確保するためには加熱待ちをせざるを得ず、圧延能率の低下を招く。熱間圧延ラインは建設費用が1000億円を超える巨大な装置であり、圧延能率の低下による固定費の増加は、粗バー加熱装置の使用による変動費の増加よりも大きくなってしまう。
したがって、圧延機の圧延能力よりも加熱炉の加熱能力が上回っていて、圧延能率が圧延機の圧延速度によって律されている状態、すなわち圧延律速の場合には、加熱炉のみで加熱するようにし、加熱炉の加熱能力よりも圧延機の圧延能力が上回っていて、圧延能率が加熱炉の加熱速度によって律されている状態、すなわち加熱律速の場合には、加熱炉と粗バー加熱装置とを用いて加熱するようにすることが、熱間圧延ライン全体の製造コストの面から有利である。
本発明は、上記の観点に基づいてなされており、前記の課題を解決するために、以下の特徴を有する。
[1]粗圧延機と仕上圧延機との間に粗バー加熱装置が設置された熱間圧延ラインにおける加熱炉の燃焼制御方法であって、粗バー加熱装置を用いないことを前提とした場合の加熱炉からのスラブ抽出目標温度(最高抽出目標温度)と、粗バー加熱装置を最大限用いることを前提とした場合の加熱炉からのスラブ抽出目標温度(最低抽出目標温度)とを求め、当該2つのスラブ抽出目標温度を用いて加熱炉の炉温設定とスラブの抽出予定時刻設定を行うこととし、
加熱炉内の各スラブについて、加熱炉への装入時に、そのスラブに先行して加熱炉から抽出されるスラブの圧延所要時間からそのスラブの抽出予定時刻を求め、最高抽出目標温度から演算した炉内各制御帯の設定炉温と、設備制約による上限炉温と、スラブ品質制約による上限炉温との3つの炉温を比較した中で、最も低い炉温を炉温設定値として、前記抽出予定時刻におけるそのスラブの抽出予定温度を計算し、
前記スラブの抽出予定温度が前記最低抽出目標温度以上の場合は、前記3つの炉温の比較で決めた炉温設定値を最終的な設定炉温に決定して、前記抽出予定時刻に当該スラブを加熱炉から抽出し、
前記スラブの抽出予定温度が前記最低抽出目標温度未満の場合は、抽出予定温度の演算値が前記最低抽出目標温度以上となるまで抽出予定時刻を遅らせて再演算を繰り返し、抽出予定温度の演算値が前記最低抽出目標温度以上になった時の抽出予定時刻を変更後の抽出予定時刻とするとともに、前記3つの炉温の比較で決めた炉温設定値を最終的な設定炉温に決定して、前記変更後の抽出予定時刻に当該スラブを加熱炉から抽出することを特徴とする熱間圧延の加熱炉燃焼制御方法。
前記最高抽出目標温度については、まず、同一炉に装入される各スラブについて最高抽出目標温度を求め、続いて、各スラブについて、そのスラブが加熱炉の制御帯の中央に位置した時に制御帯内に存在するスラブの最高抽出目標温度の平均値(移動平均値を求め、その平均値をそのスラブの最高抽出目標温度とすることを特徴とする前記[1]に記載の熱間圧延の加熱炉燃焼制御方法。
本発明に係る熱間圧延の加熱炉燃焼制御方法を用いることにより、熱間圧延ラインにおいて、粗バー加熱装置の使用を必要最小限度にして加熱エネルギーコストを抑制しながら、圧延能率の最大化を図ることができ、熱間圧延ライン全体としての製造コストの低減が可能となる。
本発明の一実施形態を以下に述べる。
この実施形態においては、まず、加熱炉からのスラブの抽出目標温度として、仕上圧延機出側目標温度又は仕上圧延機入側目標温度に対して、粗バー加熱装置による最大昇温を前提とした抽出目標温度(以下、最低抽出目標温度という)と、粗バー加熱装置を全く使用しないことを前提とした抽出目標温度(以下、最高抽出目標温度という)の2種類を求める。
次に、圧延能率が圧延機の圧延速度によって律されている圧延律速となっているのか、それとも、圧延能率が加熱炉の加熱速度によって律されている加熱律速となっているのかを調べる。
それには、まず、加熱炉内の各スラブが、加熱炉抽出装置、粗圧延機、仕上圧延機、コイラ等によってコイルに圧延されるまでの、それぞれのスラブの圧延所要時間を求める。
これより、加熱炉内の各スラブの抽出予定時刻は、
Figure 0004686987
となる。ここで
Z(n):抽出順がn本目のスラブの抽出予定時刻
Z(0):現在時刻
t(i):抽出順がi本目のスラブの圧延所要時間
である。
そして、抽出予定時刻時の抽出予定温度を求める。現在時刻の炉内スラブ温度は、例えば、前記非特許文献1に記載されているスラブ温度計算方法を用いて求めることができるので、抽出予定時刻時の抽出予定温度は、現在時刻を起点とし、現在から抽出予定時刻までの炉温設定値を、最高抽出目標温度から演算した炉内各制御帯の設定炉温(各帯最高炉温)と、設備制約による上限炉温(設備制約上限炉温)と、スラブ品質制約による上限炉温(品質制約上限温度)とを比較した中で、最も低い炉温にして、前記と同じスラブ温度計算方法を用いて求めることができる。
この抽出予定温度が、前記最高抽出目標温度より高い場合には、抽出予定時刻には最高抽出目標温度にまで加熱することが可能であり、圧延能率は圧延律速となっている。この場合には、適当な加熱炉の炉温設定によって、圧延能率を低下させることなく、また粗バー加熱装置を使うこともなく、仕上圧延に必要な抽出温度を得ることができる。
一方、抽出予定温度が、前記最高抽出目標温度より低い場合には、抽出予定時刻には最高抽出目標温度への加熱が不可能であるから、圧延能率は加熱律速となっている。
この時には、さらに、抽出予定温度を前記最低抽出目標温度と比較し、抽出予定温度が最低抽出目標温度以上の高い場合には、加熱炉による加熱不足分は粗バー加熱装置によって補うことが可能であるから、加熱炉内での加熱待ちは発生せず、圧延能率を低下させることはない。
もし、抽出予定温度が最低抽出目標温度を下回った場合には、粗バー加熱装置で加熱しても、仕上圧延に必要な温度を得ることができないので、加熱炉内で加熱待ちを行ってスラブを昇温させる。加熱待ちが発生した時には、加熱待ちを加味して抽出予定時刻を修正し、修正した抽出予定時刻における抽出予定温度が最低抽出目標温度以上となるように炉温設定値を定める。
以上がこの実施形態における基本的考え方である。
次に、上記の基本的考え方に基づいて、この実施形態に係る加熱炉燃焼制御方法を行う場合の詳細な説明を、図1と図2を参照しながら行う。図1は、この実施形態におけるフローチャートであり、図2は、この実施形態における制御システムの構成を示している。
図2に示すように、この実施形態における制御システムは、粗バー加熱装置加熱能力演算装置11と、抽出目標温度演算装置12と、圧延能率演算装置13と、加熱炉燃焼制御装置14と、加熱炉計器制御装置15と、加熱炉抽出装置16を備えている。
粗バー加熱装置加熱能力演算装置11は粗バー加熱装置での最大加熱昇温量を演算し、その最大加熱昇温量等に基づいて、抽出目標温度演算装置12が最高抽出目標温度と最低抽出目標温度を演算する。一方、圧延能率演算装置13は、スラブの抽出予定時刻を演算する。加熱炉燃焼制御装置14は、最高抽出目標温度と最低抽出目標温度及び抽出予定時刻に基づいて、加熱炉各帯の炉温設定値を演算する。加熱炉計器制御装置15は、演算された各帯炉温設定値に基づいて、周期的に炉内温度対23で炉内ガス温度及び炉内スラブ表面温度等を計測しながら、燃料ガス流量調整弁21及び空気流量調整弁22を調整・制御する。加熱炉抽出装置16は、加熱炉計器制御装置15からの抽出指令に基づいて、加熱炉からスラブを抽出する。
上記のように構成された制御システムによって、加熱炉燃焼制御装置14が加熱炉の燃焼制御を行う手順を、図1に基づいて説明する。以下の説明及び図1では、各ステップをS1、S2・・のように記す。
S1では、過去時刻のスラブ温度の実績を取り込む。
S2では、現在の炉内温度の実績を取り込む。
S3では、過去時刻のスラブ温度の実績と、現在の炉内温度の実績から、現在時刻のスラブ温度を推定する。
S4では、スラブ圧延能率演算装置13が、加熱炉への装入時に、炉内の先行スラブの圧延所要時間に基づいて演算した抽出予定時刻と、抽出目標温度演算装置12が当該材の仕上圧延機出側目標温度や仕上圧延機入側目標温度等に基づいて演算した最高抽出目標温度を取り込む。
S5では、周期的に計測された炉内ガス温度や炉内スラブ表面温度等を取り込みながら、炉内スラブ温度推定を逐次行い、抽出予定時刻に最高抽出目標温度となるよう、炉内スラブ搬送に合わせて炉内各帯の炉温設定値を演算する。
S6では、炉内各スラブの抽出予定時刻と最高抽出目標温度がそれぞれ異なることから、同じ制御帯にあるスラブ間に、必要な炉温の干渉、競合が生じる可能性があるので、最高抽出目標温度を確実に達成するために、もし、同じ制御帯にあるスラブが異なる設定炉温を必要とした場合には、高い方の炉温をその制御帯の設定炉温とする。
S7では、S6で求めた各制御帯の設定炉温(最高炉温)と、設備制約による上限炉温と、品質制約による上限炉温を比較して、その中で最も低い炉温を設定炉温とする。
S8では、現在から抽出予定時刻まで各制御周期ごとに上記の設定炉温の計算を行い、求められた未来の炉温設定値を用いて、現在を起点にして抽出予定時刻における抽出予定温度を計算する。
S9では、S8で求めた抽出予定温度と、抽出目標温度演算装置12が粗バー加熱昇温量等に基づいて演算した最低抽出目標温度とを比較する。
ここで、S8で求めた抽出予定温度が最低抽出目標温度以上であればS10に進む。
S10では、S7で求めた設定炉温を最終的な設定炉温に決定する。そして、S4で取り込んだ抽出予定時刻に、当該スラブを加熱炉から抽出する。
なお、その際、抽出予定温度が最高抽出目標温度より低い場合には、その不足分は粗バー加熱装置によって補われる。
一方、S9において、抽出予定温度が最低抽出目標温度を下まわった場合には、S11に進む。
S11では、それまでの抽出予定時刻に、加熱待ち時間ΔTを加えて、抽出予定時刻を変更する。
S12〜S16では、前述のS5〜S9と同様のステップを行う。
そして、S15で求めた抽出予定温度が最低抽出目標温度以上になるまで、S11〜S16のステップを繰り返し、抽出予定温度が最低抽出目標温度以上になれば、S17に進む。
S17では、S14で求めた設定炉温を最終的な設定炉温に決定する。そして、S11で変更された抽出予定時刻に、当該スラブを加熱炉から抽出する。
なお、その際、抽出予定温度が最高抽出目標温度より低いので、その不足分は粗バー加熱装置によって補われる。
上記のようにして、この実施形態においては、まず、粗バー加熱装置を用いない場合を前提とした抽出目標温度を用いて加熱炉の炉温設定値を求め、その設定炉温で加熱すると、抽出予定温度が粗バー加熱装置を用いることを前提とした抽出目標温度に達しない場合に、抽出予定時刻を遅らせるようにしているので、むやみに粗バー加熱装置を用いず加熱エネルギーコストを最小化しながら、加熱炉での加熱待ちを少なくして、圧延能率の最大化を図ることができ、熱間圧延ライン全体としての製造コストの低減を可能としている。
なお、この実施形態において、最高抽出目標温度については、同一炉に装入されるスラブについての移動平均値を用いることが好ましい。平均化の対象となる前後スラブの本数は、加熱炉の制御帯の炉長方向の大きさとほぼ同一とするのがよい。例えば、一つの制御帯の大きさが炉長方向で10mの場合には、スラブ幅で前後5m内にあるスラブについて移動平均とするのがよい。なぜなら、これら前後5mのスラブは炉内で互いに加熱制御において干渉するために、あらかじめ目標温度の決定時に移動平均によって干渉を考慮したものとすることで、炉温設定時に実現困難な抽出目標温度となることを回避できる。移動平均化では、重み付けをしてもよい。
本発明の効果を確認するために、本発明の加熱炉燃焼制御方法を用いた場合と前記特許文献3に記載の従来技術を用いた場合との比較を行った。
図3は、従来技術を用いた比較例である。図3(a)は、横軸に、加熱炉からのスラブの抽出順、縦軸に、各スラブの抽出目標温度(粗バー加熱を使用しない場合の抽出目標温度を意味する)、抽出温度実績、待ち無し抽出予定温度(加熱炉で待ち時間無しとしたときの加熱予定温度を意味する)、粗バー加熱装置出力を示したものであり、図3(b)は、その際の加熱待ち時間を示したものである。
従来技術では、抽出目標温度に基づき、エネルギーコストを最小にするための加熱炉抽出温度(図3(a)中の抽出温度実績に該当)を算出、設定し、その温度まで加熱炉において加熱を行い、抽出目標温度に対して抽出温度実績が不足する温度は粗バー加熱を行うようにしている。したがって、図3(a)中で、待ち無し抽出予定温度が抽出温度実績を下回っている場合には、抽出温度実績に達するまで加熱炉での待ち時間が発生することになる。その結果として、発生する加熱待ち時間は、図3(b)の通りである。
図4は、本発明の加熱炉燃焼制御方法を用いた実施例である。図4(a)は、横軸に、加熱炉からのスラブの抽出順、縦軸に、各スラブの最高抽出目標温度、最低抽出目標温度、待ち無し抽出予定温度(加熱炉で待ち時間無しとしたときの加熱予定温度を意味する)、粗バー加熱装置出力を示す。ここで、最高抽出目標温度は、粗バー加熱装置を全く使わない場合の抽出目標温度であり、図3(a)における抽出目標温度と一致する。最低抽出目標温度は、粗バー加熱装置を最大能力で使用した場合の抽出目標温度である。図4(b)は、その際の加熱待ち時間を示したものである。
従来技術を用いた比較例では、図3(b)に示すように、圧延順13番〜17番、37番〜46番のスラブで、抽出予定時刻に抽出目標温度に達せず、合計で1205秒の加熱待ちが発生している。
これに対して、本発明の実施例では、図4(b)に示すように、圧延順13番〜17番のスラブで、待ち無し抽出予定温度が最高抽出目標温度を下回っているものの、最低抽出目標温度を上回っているため、粗バー加熱装置による加熱によって加熱炉での加熱能力不足を補うことができ、加熱炉での加熱待ちは発生せず、圧延能率の低下にはなっていない。ただし、圧延順44〜46番のスラブでは、待ち無し抽出予定温度が最低抽出目標温度を下回っているため、粗バー加熱装置を最大能力で使用しても、最終的な目標温度に達せず、加熱炉で最低抽出目標温度まで加熱するため、加熱待ちが発生している。
図5は、その加熱待ちが発生した圧延順44番のスラブの抽出温度実績と、抽出予定時刻、加熱待ち時間との関係を示したものである。このスラブは、設定炉温を設備能力上限の1250℃とするものの、抽出予定時刻に最低抽出目標温度に達することができない。そのため、加熱待ちを行ってスラブの加熱時間を延長して、最低抽出目標温度に達した後、抽出している。なお、このスラブは、加熱炉から抽出された後、粗バー加熱装置による最大加熱によって所望の仕上圧延機出口温度が確保される。
以上の結果、本発明の実施例では、加熱待ち時間の合計は114秒であり、比較例に比べて非常に少ない。
前述したように、加熱待ち時間とは、熱間圧延ラインが次材の圧延準備が完了しているにもかかわらず、加熱炉においてスラブが抽出目標温度に達していないために、そのスラブの加熱完了を待つ時間のことであり、この加熱待ち時間の発生は圧延能率の低下を招くので、建設費用が1000億円を超える熱間圧延ラインにおいては、大きな問題である。
したがって、本発明の実施例で示したように、加熱待ち時間を低減して圧延能率を維持することの効果は極めて大きい。
本発明の一実施形態における加熱炉燃焼制御のフローチャートである。 本発明の一実施形態における制御システムの構成図である。 従来技術を用いた比較例での結果を示すものである。 本発明の実施例での結果を示すものである。 本発明の実施例における加熱待ちの説明図である。
符号の説明
11 粗バー加熱装置加熱能力演算装置
12 抽出目標温度演算装置
13 圧延能率演算装置
14 加熱炉燃焼制御装置
15 加熱炉計器制御装置
16 加熱炉抽出装置
21 燃料ガス流量調整弁
22 空気流量調整弁
23 炉内温度対

Claims (2)

  1. 粗圧延機と仕上圧延機との間に粗バー加熱装置が設置された熱間圧延ラインにおける加熱炉の燃焼制御方法であって、粗バー加熱装置を用いないことを前提とした場合の加熱炉からのスラブ抽出目標温度(最高抽出目標温度)と、粗バー加熱装置を最大限用いることを前提とした場合の加熱炉からのスラブ抽出目標温度(最低抽出目標温度)とを求め、当該2つのスラブ抽出目標温度を用いて加熱炉の炉温設定とスラブの抽出予定時刻設定を行うこととし、
    加熱炉内の各スラブについて、加熱炉への装入時に、そのスラブに先行して加熱炉から抽出されるスラブの圧延所要時間からそのスラブの抽出予定時刻を求め、最高抽出目標温度から演算した炉内各制御帯の設定炉温と、設備制約による上限炉温と、スラブ品質制約による上限炉温との3つの炉温を比較した中で、最も低い炉温を炉温設定値として、前記抽出予定時刻におけるそのスラブの抽出予定温度を計算し、
    前記スラブの抽出予定温度が前記最低抽出目標温度以上の場合は、前記3つの炉温の比較で決めた炉温設定値を最終的な設定炉温に決定して、前記抽出予定時刻に当該スラブを加熱炉から抽出し、
    前記スラブの抽出予定温度が前記最低抽出目標温度未満の場合は、抽出予定温度の演算値が前記最低抽出目標温度以上となるまで抽出予定時刻を遅らせて再演算を繰り返し、抽出予定温度の演算値が前記最低抽出目標温度以上になった時の抽出予定時刻を変更後の抽出予定時刻とするとともに、前記3つの炉温の比較で決めた炉温設定値を最終的な設定炉温に決定して、前記変更後の抽出予定時刻に当該スラブを加熱炉から抽出することを特徴とする熱間圧延の加熱炉燃焼制御方法。
  2. 前記最高抽出目標温度については、まず、同一炉に装入される各スラブについて最高抽出目標温度を求め、続いて、各スラブについて、そのスラブが加熱炉の制御帯の中央に位置した時に制御帯内に存在するスラブの最高抽出目標温度の平均値(移動平均値)を求め、その平均値をそのスラブの最高抽出目標温度とすることを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延の加熱炉燃焼制御方法。
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