JP4684537B2 - 湿性皮膚トリートメント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚に望ましい特性を付与し、皮膚の健康維持を支援し、皮膚を環境ストレスから保護するために入浴中に使用するように設計された湿性皮膚トリートメント組成物に関する。本発明は更に、このような組成物の製造方法、及び、該組成物を使用して潤い感を維持する方法及び/または乾燥感を軽減する方法に関する。
出願人らは、本文中に説明した試験で所定の基準に合格するような所定サイズ(例えば、重量平均サイズ20−500ミクロン)の特定構造化油相の水性分散液を使用することによって、水で活性化され皮膚に効率的に保持される組成物を得ることに成功した。これらの組成物は、これらの望ましい効果を皮膚に付与し、濡れた皮膚に速やかに吸収されることが知覚され、すすぎ後の皮膚に清潔感を与え脂性感を残さない。従って消費者は、洗液中の(処理中に形成された油滴から)油性有益成分の効果を得ることができるが、すすぎ後に有益成分にしばしば付随する“脂性”感は知覚されない。
入浴中の皮膚がまだ濡れているうちに効果的に皮膚に潤いを与えかつ皮膚を保護し得る組成物は便利で時間のかからない皮膚トリートメント手段になり得る。入浴という用語は、例えば、シャワーを浴びることも含めて身体及び顔面を清潔にするために常用されている任意の回数の処理を意味する。これらの組成物が真に効果的になるためには、すすぎ後及び/またはタオル乾燥後に適正レベルの有益成分が皮膚に保持されること、同時に、濡れた皮膚にも乾いた皮膚にも過度の油性感を与えないこと、また、皮膚に過度のてかりを残さないことが必要である。
一部の消費者に使用されているバスオイルは、皮膚に効率的に吸収されないため及び過剰量では極めて油っぽくまた汚れっぽくなるため、控え目な量で塗布されなければならない。更に、ライトバスオイル(即ち、皮膚に延び易い低粘度の油)はこの問題を克服するためにより速く吸収されるようにした製品であるが、より長く持続するという効果を与えることに関しては大して有効ではない。
乾燥肌に塗布するように設計された水中油エマルジョン型の従来のスキンローションまたはクリームは、耐水性の製品であっても、濡れた皮膚に塗布されたとき、以後のすすぎまたはタオル乾燥の後では皮膚に殆ど保持されていない。対照的に、乾燥肌に塗布するように設計された油中水型の従来のスキンローションは濡れた皮膚に極めて効率的に保持されるが、過度に脂っぽくまた汚れっぽくなり易く、また、迅速に吸収されることは知覚されない。
Starchの米国特許第5,578,299号及び米国特許第5,928,632号は、特定の油溶性コポリマー(エチレン/プロピレン/スチレン及びブチレン/エチレン/スチレン)によって鉱油をゲル化するゲル化鉱油組成物を目的としている。構造化剤が微細分割固体の網目構造を形成している構造化油について、また、このような網目構造のレオロジー特性または液滴サイズの重要性については全く言及されていない。更に、本発明に教示されているような製造方法及び/または潤い保持または乾燥抑制の方法については全く言及されていない。
更に、Starchの米国特許第5,578,299号及び米国特許第5,928,632号に記載された組成物は、皮膚に付着するが脂性感は相変わらず知覚される。
Grievesonらの米国特許第5,661,189号は、増粘させた有益成分の分散液を含有する水性の洗浄及び湿潤化組成物を目的としている。組成物が後述のゼイン溶解度試験によって測定される低刺激指数として特定の値(本質的に水に等しい)を有していなければならないことの重要性については全く言及されていない。更に、米国特許第5,661,189号の組成物が振盪試験によって測定される泡発生指数として臨界値以下のを有していなければならない(実質的に非発泡性)ことについて、また、増粘剤が本文中に定義した特性を有している微細分割固体の網目構造を特異的に形成する構造化剤に限定されなければならないことについては全く言及されていない。
同時係属出願である米国特許出願第09/796,150号は、“Process for Making Mild Moisturizing Liquids Containing Large Oil Droplet”という名称を有しており、該出願において出願人らはスクリーンを使用して大きい油滴を製造する方法を開示している。これらの組成物は界面活性剤を含有する必要があり(例えば、5%−35%の界面活性剤)、また、微細分割固体によって構造化された油を含有していない。
従って、濡れた皮膚に塗布することができ、迅速に吸収され、効果的な皮膚トリートメントであると知覚され、皮膚に自然な見掛け及び自然な感触を与えるような組成物(及び、それらの製造方法)が依然として要望されている。
本発明の1つの目的は、有益成分が濡れた皮膚に効率的に付着し、その後に皮膚をすすいで乾かしたときに高度に皮膚に保持される組成物及び方法を提供することである。
別の目的は、組成物を濡れた皮膚に塗布して擦り込むときに油相が迅速に吸収されることが知覚される組成物及び方法を提供することである。
別の目的は、皮膚の清潔感を維持しながら皮膚を湿潤化及び保護することが認められ、、自然な見掛け及び潤い感を与えるような組成物及び方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、入浴過程の一部として単一段階で簡便にかつ日常的に行うことができ、持続効果を与えるように皮膚を湿潤化及びトリートメントする便利な方法を提供することである。このような処理によって独立のトリートメントが不要になるであろう。
出願人らは、これらの目的及びその他の目的は、油相が微細分割固体粒子と構造化相とから成る網目構造を介して特異的に構造化されていること、及び、組成物が本文中に記載の試験に応じた特定の機能特性を有していること、を特徴とする水中油型組成物の使用によって実現できることを知見した。
本発明は、入浴中に使用するように設計されたスキンケアトリートメント組成物を提供する。組成物は、微細分割固体粒子の安定な網目構造によって構造化されている1種または複数の水不溶性皮膚適合油の水性分散液から成る。本発明は更に、このような組成物の製造方法を提供する。組成物が本文中に示した試験において特定の要件を満たしているならば、出願人らは、濡れた皮膚に速やかに吸収され、その効果を皮膚に与えることができ、すすぎ及び/または乾燥後の皮膚に脂性/油性感を残さない組成物を得たことになる。方法は、上述した種々の相を混合し、所定の篩目のスクリーンで濾過することから成る。
より詳細には、1つの実施態様において本発明は、
(a)水と分散液安定剤とから成る水相と、
(b)(i)液体状の皮膚適合性油と、
(ii)35℃よりも低い温度で液体状の皮膚適合性油中に微細分割固体の安定な網目構造を形成する構造化剤と、
から成る構造化油相と、
から成る組成物であって、
該構造化剤が25℃、1 sec−1で測定した該油相の粘度が100−5000ポアズとなるための十分な量で存在すること、
該油相が該水相に分散し該水相中で安定化されて重量平均液滴サイズ1−500ミクロンを有する水中油型エマルジョンを形成していること、
該構造化油相がすすぎ後にin−vitro皮膚保持試験で測定して少なくとも0.15という測定値の皮膚保持効率指数で皮膚に効率的に保持され得ること、
水中油型エマルジョンが、ゼイン溶解度試験で測定して0.3未満という測定値のゼイン溶解度を有していること、及び、溶液振盪試験で測定して5cc未満という泡量を有していることを特徴とする湿性皮膚トリートメント組成物を提供する。
第二の実施態様において本発明は、
(i)構造化油相と分散液安定剤含有水相とを混合して約100ミクロン好ましくは300ミクロンよりも大きく実際的には約5000ミクロン以下であるが理論的にはもっと大きい重量平均液滴サイズをもつ油混合物含有水溶液の液滴を形成する段階と、
(ii)混合物を約2000マイクロメーター以下の篩目をもつインラインスクリーンで濾過して約20−300ミクロンのサイズの油滴を形成する段階とから成る方法によって製造された上記のような組成物を包含する。
本文中に記載の本発明の組成物は、皮膚の洗浄後の皮膚がまだ濡れているうちに皮膚を本質的にトリートメントするために入浴過程の一部として使用するように設計されている。最大効果を上げるためには組成物が使用されたときに最適に挙動しなければならない。第一に、組成物は組成物の塗布後にその有益な成分を濡れた皮膚に速やかに付着させることができなければならない。有益成分は、実際の擦り込み中に必ず皮膚に付着しなければならない。そうでなければすべるという危険を生じる可能性がある。第二に、有益成分は、従来のローションが擦り込んで消えた後に乾いた皮膚に吸収されたと知覚されるのと全く同様に、濡れた皮膚によって速やかに吸収されたと知覚されなければならない。第三に、有益成分は、消費者が例えば余剰物質をすすぎ落とすために更にすすぎを行ったりまたは突然にわか雨に遭ったりした後でも皮膚に実質的に保持されていなければならない。最後に、組成物は数分間よりも長い時間持続する望ましい効果を皮膚に与え、同時に、入浴後に清潔で脂っぽくも/油っぽくもない感触及び外観を皮膚に与えなければならない。
“実質的な保持”及び“脂っぽくも/油っぽくもない感触”という用語は、個人の好みによって様々に違うので幾らかは相対的に変動することを理解されたい。例えば、一部の消費者、特に乾燥肌の消費者は極めて油性の皮膚感触を好むが、その他の消費者は(脂性肌の消費者)は少しでも油気の知覚を嫌う。更に、物質保持及び皮膚潤滑の最適レベルは皮膚の色及び皮膚の総合的状態にも左右される。従って、本発明の組成物は様々なタイプの消費者に合わせてそれぞれの要求及び好みを満たすように製造されるのが望ましく、このため、保持及び潤滑について必要以上の制限を設けることは実状に合わないし、もっと言うならば望ましくない。
このような制約はあるものの、組成物が有益成分を皮膚に効率的に配給できるのが望ましい。
特定の機能基準を満たす構造化油の特定の水性分散液を使用する組成物によって上述のような最適挙動を得ることが可能である。
本発明の要素及びそれらの機能特性についてより詳細に以下に説明する。
水相は一般に組成物の50−約97重量%を構成し、主として水から成る。水相は構造化油相を分散させた本発明組成物の連続相である。水相は分散液安定剤(後述)を含有しており、場合によっては保存剤、湿潤剤、補助乳化剤及び種々の任意の有益成分(下記参照)を含有している。
構造化油相は2つの必須成分、皮膚適合性油と35℃未満の温度で安定な網目構造を形成できる構造化剤とから成る。
本文では適当な皮膚適合性油という用語を、入浴温度で液体であり、皮膚に反応性でないかまたは実際に有益であるため化粧品に使用するために安全であると考えられる油と定義する。本発明に最も有用な皮膚適合性油としては、エステル油、炭化水素油及びシリコーン油がある。
エステル油はその名前が示すようにその分子中に少なくとも1個のエステル基を有している。本発明に役立つ常用のエステル油の1種は脂肪酸モノ−及びポリエステル、例えば、セチルオクタノエート、オクチルイソナノアネート、ミリスチルラクテート、セチルラクテート、イソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルアジペート、ブチルステアレート、デシルオレエート、コレステロールイソステアレート、グリセロールモノステアレート、グリセロールジステアレート、グリセロールトリステアレート、アルキルラクテート、アルキルシトレート及びアルキルタータレート;スクロースエステル、ソルビトールエステルなどである。
第二の種類の有用なエステル油は主として、トリグリセリド及び改質トリグリセリドから成る。これらとしては、植物油、例えば、ホホバ油、ダイズ油、キャノーラ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、米ヌカ油、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、タデ油、ヒマシ油、ココヤシ油及びミンク油がある。合成トリグリセリドも室温で液体であるならば使用できる。改質トリグリセリドは、液体であるならばエトキシル化及びマレイン化したトリグリセリド誘導体のような物質を包含する。例えばFinetexによってFinsolvとして販売されているような特許権のあるエステルブレンドもエチルヘキサン酸グリセリドなので適当である。
第三の種類のエステル油はジカルボン酸とジオールとの反応によって形成された液体ポリエステルである。本発明に適したポリエステルの一例はExxonMobilから商標PURESYN ESTER(R)で販売されているポリエステルである。
本発明に適した第二のクラスの皮膚適合性油は液体炭化水素である。これらは、液体パラフィン、スクアレン、スクアラン、鉱油のような直鎖状及び分枝状の油、ExxonMobilによって商標PureSyn PAOで販売されているポリアルファオレフィン、商標PANALANEもしくはINDOPOLで販売されているポリブテンのような低粘度合成炭化水素である。高度に分枝化した軽い(低粘度)炭化水素油も適当である。
ペトロラタムは独特の炭化水素材料であり、本発明に有用な成分である。この物質は室温では一部だけが液体画分から成るので、単独で存在するときには“構造化油相”として扱い、別の皮膚適合性油と混用されたときには“構造化剤”として(後記参照)扱うのがより適切であろう。
有用な皮膚適合性油の第三のクラスはシリコーンを基剤とする。これらとしては、線状及び環状のポリジメチルシロキサン、オルガノ機能性シリコーン(アルキル及びアルキルアリール)及びアミノシリコーンがある。
構造化油相の第二成分は構造化剤である。構造化剤は2つの要件を満たしていなければならない。
第一に、構造化剤は35℃未満の温度で皮膚適合性油相中に微細分割固体の安定な網目構造を形成する能力を有していなければならない。構造化油が使用中に有効であるが粗粒感があると知覚されないようにするためにはこの特性が極めて重要である。我々は、微細分割固体という用語を約25ミクロン未満、好ましくは10ミクロン未満、最も好ましくは1ミクロン未満の重量平均サイズの粒子から主として構成された網目構造という意味で使用する。我々は、安定なという用語を25℃及び35℃で少なくとも1カ月の保存に耐える網目構造という意味で使用する。
第二の要件は、構造化剤が適正レオロジー特性をもつ構造化油相を形成しなければならないことである。皮膚に効果的に付着して保持されるためには、構造化油相が、同心円筒を使用するHaake回転粘度計を使用し25℃、1 Sec−1で測定して100−5000ポアズ、好ましくは200−3000ポアズ、最も好ましくは20−2000ポアズの範囲の粘度を有していなければならない。
また、皮膚に付着した後の油相の的確な擦り込みを助けるために油相が疑似可塑性であること、即ち、剪断減粘性挙動を有しているのが望ましい。従って、特に好ましい構造化剤は、上記の要件を満たし、更に、上述のようなHaake粘度計で25℃、10 sec−1で測定して30−200ポアズ、好ましくは10 sec−1で測定して40−150ポアズの範囲の粘度を有している構造化油相を形成し得る構造化剤である。
上記の要件を満たす構造化剤は選択された皮膚適合性油と共に、選択された油の粘度を増加させる三次元網目構造を形成し得る。このような構造化油相、即ち、三次元網目構造によって構成された油相は、入浴中に使用する湿性皮膚トリートメント組成物として極めて望ましい。これらの構造化油は濡れた皮膚に極めて効果的に付着して保持され、すすぎ及び乾燥後にも保持されて濡れた皮膚及び乾いた皮膚に過度の油性/脂性感を生じることなく洗浄後の皮膚に長期持続効果を与えることができる。このような構造化油の極めて望ましい使用特性及び使用後特性はそれらの剪断減粘性レオロジー特性及び弱い構造化性をもつ網目構造に起因すると考えられる。高い低剪断粘度を有しているので固体網目構造を形成した構造化油は皮膚コンディショナーの塗布中に皮膚に十分に粘着して保持される。結晶質網目構造は構造化性が弱くまた高剪断粘度が低いので皮膚に付着した後の網目構造は擦り込み中に容易に皮膚になじむ。
構造化剤は有機構造化剤でもよくまたは無機構造化剤でもよい。好ましい無機構造化剤は、1マイクロメーター未満の粒度をもつ疎水的に改質されたシリカまたは疎水的に改質されたクレーである。実例は、Rheox社のBentone 27V、Bentone 38VまたはBentoneゲルMIO V、及び、Cabot Corporation社のCab−O−Sil TS720またはCab−O−Sil MSである。
有機構造化剤は、5,000ドルトン未満、好ましくは3,000ドルトン未満の分子量をもつ結晶質固体または非晶質ゲルである。
好ましい有機構造化剤は35℃よりも高い値、好ましくは40℃よりも高い値の融点を有している。特に好ましい構造化剤は、それらの融点よりも高い温度で選択される皮膚適合性油と共に溶液を形成することができ、自由流動性透明溶液を形成するような構造化剤である。周囲温度に冷却すると、有機構造化剤が油相から析出して上述のような物理的特性を与える三次元の結晶質構造を形成する。
本発明に好適な有機増粘剤の例は、固体脂肪酸エステル、天然のまたは改質された脂肪、脂肪酸、脂肪アミン、脂肪アルコール、天然及び合成のワックス、及び、ペトロラタムである。ペトロラタムが好ましい有機構造化剤である。
特に好ましい有機構造化剤は固体脂肪酸エステル及びペトロラタムである。固体脂肪酸エステルの例は、パルミチン酸、ステアリン酸またはヒドロキシステアリン酸のモノ−、ジ−またはトリグリセリド誘導体;糖脂肪エステルまたはデキストリンの脂肪エステルである。このようなポリオール脂肪酸エステルの実例は、米国特許第5,427,704号、第5,472,728号、第6,156,369号、第5,490,995号及び欧州特許第398,409号に記載されている。これらの特許の記載内容は参照によって本発明に含まれるものとする。Rheox Corporation社から商標THIXCIN Rで販売されているトリヒドロキシステアリンはトリグリセリドエステル油を構造化するために特に有効であることが知見された。
構造化油層中に存在する構造化剤のレベルは1−90%の範囲であり、使用される構造化剤の種類及び皮膚適合性油の特性に左右される。トリヒドロキシステアリンのような固体有機構造化剤の場合、好ましいレベルは3−15%である。しかしながら、使用される正確なレベルは、25℃、1 Sec−1の剪断速度で測定して100−5000ポアズの範囲の望ましい粘度をもつ安定な網目構造を形成するような値でなければならない。当業者は最適なレベルを容易に実現し得る。
上述のような(1種または複数の)皮膚適合性油と(1種または複数の)構造化剤とからなる構造化油相は水相中に分散して約20−500ミクロン、好ましくは20−300ミクロンの範囲の重量平均液滴直径を有する液滴を形成する。
一般に、構造化油相は湿性皮膚トリートメント組成物中に3重量%−約50重量%、好ましくは4重量%−約35重量%、最も好ましくは5重量%−約25重量%のレベルで存在する。
本発明の第三の必要要素はエマルジョン安定剤(水相中に見出される)である。分散液安定剤は組成物に適正な貯蔵安定性を与えなければならない。分散した相(即ち、構造化油相)は20ミクロンよりも大きい値、典型的には20−300ミクロンの範囲の重量平均液滴サイズを有しているので、重力の作用下で分離し易い(即ち、その密度次第でクリーム化するかまたは沈降する)。本発明の分散した構造化油相はまた、互いに接着して融合し易い。この理論に固執するつりもりはないが、安定な固体網目構造は膜破壊を誘発する凹凸を提供することによって融合し易くすると考えられる。この特性は皮膚への効率的な付着に役立つが、この同じ特性が構造化相を貯蔵不安定にする。
従って最も効果的な分散液安定剤は、液滴を不動にするような適正な構造を水相に与え、これによって液滴と水相との重力的分離及び他の液滴との衝突を阻止するような安定剤である。
しかしながら分散液が過度に安定であるならば構造化油の液滴が皮膚に接近することが妨害され従って効果的に皮膚に付着することができない。従って、最も効果的な分散液安定剤は、ボトル中では優れた安定性を有しているが、濡れた皮膚に塗布されると構造化油を不動にする機能が除去されるような安定剤である。
本発明に有用な水性分散液安定剤は有機、無機または高分子安定剤でよい。より特定的には、界面活性組成物中の構造化油の大きい液滴に40℃で4カ月以上という物理的安定性を与えるために組成物が0.1−10重量%の有機、無機または高分子安定剤を含有している。
本発明に好適な無機分散液安定剤の非限定例はクレー及びシリカである。クレーの実例は、ベントナイト及びヘクトライト及びそれらの混合物から成るグループから選択されるスメクタイトクレーである。クレーを増粘させ得る電解質塩(例えば、ハロゲン化物、アンモニウム塩及び硫酸塩のようなアルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩)と共に使用される合成ヘクトライト(ラポナイト)クレーが特に有用である。ベントナイトはコロイド状の硫酸アルミニウムクレーである。シリカの実例は、ヒュームドシリカ及び沈降シリカ及びそれらの混合物から成るグループから選択された非晶質シリカである。
有機分散液安定剤は本文中で、一般的に1000ドルトンよりも小さい分子量を有しており分散した構造化油相を不動にする網目構造を水相中で形成する有機分子であると定義する。この網目構造は、非晶質固体、結晶または液体結晶相のいずれかから成る。本発明に好適な有機分散液安定剤は当業界で公知であり、その非限定例は数種類の長鎖アシル誘導体またはそれらの混合物のいずれかである。約14個−約22個の炭素原子を有しているグリコールモノ−、ジ−及びトリエステルが包含される。好ましいグリコールエステルはエチレングリコールモノ−及びジステアレート、グリセリルステアレート、パーム油グリセリド、トリパルミチン、トリステアリン及びそれらの混合物である。
有機分散液安定剤の別の例は、約14個−約22個の炭素原子を有しているアルカノールアミドである。好ましいアルカノールアミドはステアリックモノエタノールアミド、ステアリックジエタノールアミド、ステアリックモノイソプロパノールアミド、ステアリックモノエタノールアミドステアレート及びそれらの混合物である。
また別のクラスの有用な分散液安定剤は、ステアリルステアレート、ステアリルパルミテート、パルミチルパルミテート、トリヒドロキシステアリルグリセロール及びトリステアリルグリセロールのような長鎖脂肪酸エステルである。
別の種類の有機分散液安定剤は、セトステアリルアルコールとポリソルベート60、セトマクリオゴル(cetomacriogol)1000、セトリミド(cetrimide)との混合物、グリセロールモノステアレートとステアリックセッケンとの混合物、部分中和ステアリン酸(ステアレートゲルを形成する)のようないわゆる乳化性ワックスである。
適当な分散液安定剤のまた別の例は、約14個−約22個の炭素原子を有している長鎖アミンオキシドである。好ましいアミンオキシドはヘキサデシルジメチルアミンオキシド及びオクタデシルジメチルアミドオキシドである。
本発明に有用な適当な高分子分散液安定剤の実例は:セルロースガム、マイクロクリスタリンセルロース、セルロースゲル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシメチルカルボキシメチルセルロース、カラゲナン、ヒドロキシメチルカルボキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、グアーガム、カラヤガム、トラガントガム、アラビアガム、アカシアガム、寒天ガム、キサンタンガムのような糖質ガム及びそれらの混合物である。好ましい糖質ガムはセルロースガム及びキサンタンガムである。
特に好ましい種類の高分子分散液安定剤はアクリレート含有ホモ−及びコポリマーである。実例は、B.F.Goodrich社から商標CARBOPOLで販売されている架橋ポリアクリレート、B.F.Goodrich社から商標PEMULENで販売されている疎水的に改質された架橋ポリアクリレート、及び、Rohm and Haas社から商標ARYSOLまたはACULYNで販売されているアルカリ膨潤性アクリルラテックスポリマーである。
上記の分散液安定剤は単独使用されても混合物として使用されてもよく、組成物の約0.1重量%−約10重量%の量で存在し得る。
組成物は場合によっては様々な補助的有益成分を含有し得る。これらの補助成分としては、機能性皮膚有益成分、官能調整剤、精油のようなその他成分、及び、保存剤がある。
機能性皮膚有益成分は皮膚の状態をある程度改善する機能を有しており、以下のものがある:
(a)グリセロール、ソルビトール、グリコール、ポリオール、尿素及びそれらの混合物のような皮膚に水分を保持するために使用される保湿剤;
(b)コレステロール、コレステロールエステル、セラミド及びプソイドセラミドのような角質層の障壁脂質を強化し補充するために役立つ脂質障壁修復剤;
(c)天然及び合成のワックス並びにポリエチレンのような角質層に水分を保持するために使用される追加の密封剤;
(d)ビタミンA、B及びE及びビタミンアルキルエステル例えばビタミンCアルキルエステルのような皮膚を強化するために使用されるビタミン;
(e)α及びβヒドロキシ酸、レチノール及びレチノールエステルのような皮膚剥脱及び細胞回転刺激に使用される老化防止剤;
(f)オクチルメトキシシンナメート(Parsol MCX)及びブチルメトキシベンゾイルメタン(Parsol 1789)、超微細TiO、ZnO及びそれらの混合物のような有害な日光紫外線を遮断する日光遮断剤;
(g)ナイアシンアミドのような肌の色を明るくするために使用される皮膚美白剤;
(h)2−ヒドロキシ−4,2′,4′−トリクロロジフェニルエーテル(TriclosanまたはErgasan DP300)及び3,4,4′−トリクロロカルバニリド(TCC)のような抗菌剤;
(i)アスコルビルパルミテート、ビタミンEアセテート、ブチル化ヒドロキシアニソール及び2,6−di−tertiary−ブチルパラ−クレゾールのような過度の酸化による光損傷及び早期損傷を抑制するために使用される抗酸化剤;
(j)N,N−ジメチル−m−トルアミド、3−(N−ブチル−N−アセチル)−アミノプロピオン酸、エチルエステル及びジプロピルイソシンコメロネートのような昆虫忌避剤;
及び、上記成分のいずれかの混合物。
官能調整剤は配合物の美的特性を改善し、水相に添加する前の構造化油相に混合することもでき、または、水相に添加して溶液もしくは分散液を形成することもできる。
適当な官能調整剤としては以下のものがある:
(a′)皮膚に擦り込んだ後の組成物の感触を改善するために使用される皮膚緩和性油及び皮膚緩和性ワックス、例えば、シリコーン樹脂、カルナバ蝋、鯨蝋、蜜蝋、ラノリンとそれらの誘導体のような天然及び合成のワックス、高級脂肪酸及びアルコール;
(b′)濡れた皮膚及び乾いた皮膚に組成物によって与えられる感触を変化させ得る皮膚コンディショニング用ポリマー。このようなポリマーには、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンのような非イオン性ポリマー、ポリアスパルテート、ポリマレエート及びスルホネートのようなアニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー及びそれらの混合物がある。適当なカチオン性ポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、クオタニウム−19、−23、−40、−57、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド)、ポリ(ジメチルブテニルアンモニウムクロリド)−、w−ビス(トリエタノールアンモニウムクロリド)、ポリ(ジプロピルジアリルアンモニウムクロリド)、ポリ(メチル−ベータプロパニオジアリルアンモニウムクロリド)、ポリ(ジアリルピペリジニウムクロリド)、ポリ(ビニルピリジニウムクロリド)、第四級化ポリ(ビニルアルコール)、第四級化ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート)である。また、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリアルファオレフィン及びポリエステルのような水不溶性ポリマー並びにそれらの混合物は濡れた皮膚の感触を改善するために特に有効である;
(c′)使用中に芳香を発し皮膚に残り香を与えるために使用される香料;
(d′)湿性皮膚トリートメント組成物を身体に容易にかつ均等に塗り延ばすことを助け、摩擦抵抗を少なくするために使用される分配剤(湿潤剤とも呼ばれる)、例えば、アルキルベタイン、非イオン性界面活性剤、高分子量ポリエテンオキシド;
(e′)加工中の表面張力を減少させるために特に有用な乳化剤及び分散剤、例えば、アルキルグリコシド、その他の非イオン性、カチオン性及び双イオン性界面活性剤;
(f′)清涼感を与えるメンソール及びその誘導体、並びに、当業界で公知のある種の精油のような快適な感覚を与えるために使用される官能刺激物質。
組成物はまた様々なその他成分を含有し得る。これらの物質としては、ジャスミン油、ショウノウ油、ベイヒ油、橙皮油、リュー(ryu)油、テレビン油、シナモン油、ベルガモット油、温州ミカン油、ショウブ油、松根油、ラベンダー油、月桂樹油、丁子油、ヒバ(hiba)油、ユーカリ油、レモン油、オーニソガラム油、タチジャコウソウ油、ハッカ油、バラ油、ヤクヨウサルビア油、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネラ、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、オオマツヨイグサ、チモール、スピラントール、ピネン、リモネン及びテルペノイド油がある。
別の有用な材料のクラスは、保存剤、キレート化剤及び抗酸化剤である。これらの材料はトリグリセリドエステル油を使用するときに特に重要である。本発明の組成物に好適な保存剤は、ジメチロールジメチルヒダントイン(glydant XL1000)、パラベン、ソルビン酸などである。適当なキレート化剤としては、商標VERSENE 100XLで販売されているエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(EDTA)、及び、商標Dequest 2010で販売されているヒドロキシエチリデン二ホスホン酸、またはそれらの混合物があり、0.01−1%、好ましくは0.01−0.05%の量で使用される。抗酸化剤の一例は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)である。キレート化剤はCa/Mgのような金属イオン及び遷移金属イオンを結合させるために役立つ。
更に別の有用な成分は、エタノールのような有機溶媒;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、TiO、EGMS(エチレグリコールモノステアレート)またはLytron 621(スチレン/アクリレートコポリマー)のような補助増粘剤、着色剤、乳白剤及び真珠光沢剤;である。これらはいずれも製品の外観または化粧品特性を向上させるのに役立つ。
上述の組成物は、入浴過程の最後から2番目の段階でまたは複数の最終段階の1つで濡れた皮膚に塗布するように製造されている。これらはまたそれらの有益成分の有意な部分を皮膚に接触させて維持するように製造されている。この点で最大効果を上げるためには組成物が3つの追加要件を満たしていなければならない。
第一の追加要件は、組成物が皮膚に対して極めて低刺激性でなければならないこと、完全にすすぎ落とさなければ皮膚に残って皮膚を刺激することが有り得る刺激の強い界面活性剤が存在してはならないことである。この要件は、水性組成物の低刺激性相関試験で組成物が確実に臨界値以下になるようにすることによって満たされる。このような試験は、組成物、特に界面活性物質を含有している組成物の潜在的刺激能力の迅速なスクリーンとして当業界で公知のゼイン溶解度試験(後出の方法の項で記載)である(W.Kastner and P.J.Frosh,Skin irritation of various anionic surfactants in the duhring−chamber−test on volunteers in comparison with in−vitro and aminal test methods,Fette Seifen Anstrichhmittel Volume 83,Pages 33−46(1981))。従って、本発明の使用に好適な湿性皮膚組成物はゼイン溶解度試験で測定して0.3重量%未満、好ましくは0.1重量%未満の低刺激性指数を有していなければならない。これは、約0.04−0.06重量%という純水のゼイン溶解度に本質的に近似の値である。
第二の追加要件は、組成物が本質的に非発泡性でなければならないことである。この要件の理由は経験に基づくヒトの行動に関連する。本文中に記載のトリートメント組成物には無駄な成分は極めて少ないが、入浴を終了する前の皮膚のすすぎの強さ(時間及び機械的作用)をできるだけ緩和することが重要である。泡は異物である洗浄剤が皮膚に塗布されていることを表し、泡を後に残さないためには強いすすぎによって泡を除去する必要がある。従って、本文中に記載の湿性皮膚トリートメント組成物は、後出の方法の項に後述する溶液振盪試験によって測定したときに5cc未満、好ましくは2cc未満、最も好ましくは1cc未満の泡量を有していなければならない。
最後の追加要件は、湿性皮膚トリートメント組成物が実際に効果を与えるに十分な物質を濡れた皮膚に付着させること、及び、この付着した物質がすすぎ後またはタオル乾燥後にも保持されることである。すすぎ中に皮膚に保持され得る組成物の能力を測定するために使用される方法は方法の項に記載したIn−vitro皮膚保持試験である。従って、効果的な湿性皮膚トリートメントを達成するためには組成物が少なくとも0.15、好ましくは0.25よりも大きい値、最も好ましくは0.5よりも大きい値の皮膚保持指数を有していなければならない。
上述したような組成物を製造するための本発明の方法によれば、水相(分散液安定剤を含む)を十分な撹拌を伴って構造化油相と混合し、100ミクロンよりも大きい値、好ましくは300ミクロンよりも大きい値で実際的には約500ミクロン以下である重量平均液滴サイズを有する油混合物含有水溶液の液滴を形成する。
次に、このように形成されたプレ分散液を約2000ミクロン以下の篩目を有している1つまたは複数のスクリーンで濾過する。
ミキシングタンクを使用し、構造化油を分散液安定剤含有水相と共にゆるやかに撹拌して油のプレ分散液を調製することによって、300ミクロンよりも大きい重量平均粒度をもつ大粒の水中油型分散液を形成させるのが好ましい。ゆるやかな撹拌条件で均一な水中油型分散液が得られるようにリサイクルループをもつミキシングタンクが好ましい。大粒の油のプレ分散液を次に、望ましい篩目をもつ1つまたは複数のスクリーンで濾過し、取り出してボトルに詰め、約20−300ミクロンのサイズの油滴とする。
第三の実施態様では、本発明が、好ましくは本発明の方法によって製造された本発明の組成物を使用して潤い感を保持する方法及び/または乾燥感を抑制する方法に関する。
試験方法
この項では湿性皮膚組成物の特性、特に組成物の潜在的刺激性を測定するために使用される試験方法を説明する。
ゼイン溶解度試験(潜在的刺激性)
ゼイン溶解度試験は、特に界面活性剤を含有する組成物についてその潜在的刺激性を知るための迅速で便利な鑑別方法である。試験手順は以下の通りである:
1.5gの洗浄剤を45gの脱イオン水と共に磁気撹拌器を使用して5−10分間掻き混ぜて均一溶液を形成する。
2.溶液のpHを記録する。
3.約5mlの溶液を取り出し、0.45マイクロメーターのフィルターで濾過してバイアルに集め、固体の%を測定する(この溶液をブランクとする)。
4.残りの溶液に約2gのゼインを添加し、磁気撹拌器を使用して60分間掻き混ぜる。混合物中に十分な未溶解ゼインが存在することを確認するために10分毎に溶液を点検する。殆どのゼインが溶解したとき、更に1gのゼインを溶液に添加し、ミキシングを継続する(ゼインを常に過剰量に維持するが、ゼインが膨潤すると溶液の濾過が難しくなるので過度の過剰量にならないようにする)。
5.ミキシング後、溶液を5分間沈降させる。5mlの上清をシリンジに採取し、0.45ミクロンのフィルターで濾過してバイアルに集め、サンプルとする。(上清が分離し難い場合には濾過の前に溶液を3,000rpmで5分間遠心する)。
6.アルミニウム皿に入れた3−4グラムの濾液を化学天秤で計量し濾液を75℃のオーブンで一夜乾燥することによってブランク及びサンプルの固体%を測定する。
7.希釈した液体溶液に溶解したゼインの固体%を以下の等式を使用して計算する。
溶解したゼインの固体%=サンプルの固体%−ブランクの固体%
溶液振盪試験(発泡性)
この試験は、組成物の泡形成能力を測定するための簡単で便利な方法である。試験方法は以下の通りである:
1 2gのコンディショナーを18gの脱イオン水と共に均一溶液が形成されるまで約2−3分間掻き混ぜる。
2.10ccの上記希釈コンディショナー溶液を50ccの円筒(高さ15cm、直径2.06cm)に加える。
3.円筒の上部を握り8−12秒で30回上下動させて振盪する。
4.振盪が終了してから60秒の経過後に泡を測定する。
5.溶液の表面から発泡カラムの頂部までの量と定義した泡量を測定する。
6.1つの特定製品について重複処理を実施し、2つの処理の平均を該製品の泡量とする。
以下の組成物を参考製品として使用した。
Figure 0004684537
in−vitro皮膚保持試験
このin−vitro試験は、組成物を清潔な濡れた皮膚に塗布したとき、水すすぎ及びタオル乾燥後に皮膚に保持される組成物の能力をシミュレートする。この手順を行うために、UV発色団Parsol MCXを被検化合物の油相に添加して検出プローブとして使用する。
試験手順は以下の通りであった:
基質の調製
基質として使用するブタ(3−4週齢の雌)の皮膚サンプルを15%のNaLES(エトキシ(3EO)硫酸ナトリウム)溶液で洗浄し、水道水ですすぎ、タルオで叩いて乾燥し、剃毛した。皮膚を約4cm×9cmの試験片に裁断し、後で使用するためにフリーザーに保管した。
試験手順
1.上記のように調製した4×9cmの皮膚サンプルを0.2−0.3グラムの15%NaLES溶液で30秒間洗浄し、温めた水道水で30秒間すすぐ。
2.計算量のシャワー用コンディショナー(1平方センチメートルあたり3マイクログラムの使用量)を塗布し、円を描くようにして30秒間皮膚に擦り込む。
3.次に毎秒13.5g−13.8gの流速の30℃の水道水で皮膚を30秒間すすぐ。
4.皮膚を紙タオルで叩いて乾かし、次いで5分間風乾する。
5.直径3cmのガラスリングを密着的に皮膚に載せる。
6.リングを密着的に保持しながら機械的ピペットで5mLのヘプタンをリングに注ぐ。
7.皮膚の上で転移ピペットによってヘプタンを混ぜる。このためにピペットの緩徐な吸排操作を2分30秒間繰り返す。
8.2分30秒後にヘプタンをリングから蓋付きの小バイアルに移す。
9.段階7−9を繰り返す。小バイアルに合計約10mLのヘプタンを集めることが必要である。
10.バイアルを計量し、ラベルを貼る。
11.ヘプタン抽出物中のParsol MCX濃度を、1cmのセル及び900−1900Nmの波長を用いるUV分光計(Biorad GS 700)で測定する。
12.ブタ皮膚1cm当たりのParsol MCXの抽出量を以下の等式によって算出する:
1cm当たりのMCX抽出量=ヘプタン中のMCXの重量%×抽出ヘプタンの全重量÷7cm
13.最後に、皮膚に保持された油のパーセントを以下の等式を使用して計算し、すすぎ後の油の保持%として記録する。
油保持指数=
ブタ皮膚1cmあたりのParsol MCXの抽出量/ブタ皮膚1cmあたりのParsol MCXの使用量
専門家パネルの官能評価
この評価プロトコルは湿性皮膚トリートメント組成物の官能特性を評価するために使用した。また、官能試験の専門家パネルを使用する。試験手順は、最初に提唱されたTragonの手順の変形であり、言語による記述段階を使用する。 手順は以下の通りである:
1.両手と前腕を流水で5秒間濡らす;
2.固形セッケンをつかみ、流水で濡らし、手の中で5回転がして泡立たせる;
3.セッケンを戻し、泡を前腕に塗り、前腕を5秒間洗う;
4.両手をすすぐ;
5.前腕を水道の流水で5秒間すすぐ;
6.シリンジから0.5ccに製品を前腕に出す;
7.前腕全体に製品を10秒間擦り込む;
8.手を使って前腕を流水下で7秒間すすぐ(製品のすすぎ特性及び濡れた皮膚の感触を評価する);次いで、
9.両手と前腕をタオルで叩いて乾かす(タオルで叩いて乾かした直後及び15−20分後の製品の皮膚感触を評価する)。
評価した主な特性とそれらの定義を以下に要約する:
主な特性 特性の定義
油性/脂性(触感) 滑り易い物質という知覚を表す。
軽いつるつる感(油性)から重いねばねば感(脂性)まで。
ろう状被膜 皮膚の上で指を動かすときに僅かな抵抗を感じさせる滑らかな被膜を
表す。
すすぎ適性 製品のすすぎ落としの容易さを表す。
粘着性/他着性 製品使用後の皮膚に対する抵抗性/密着性を表す。
摩擦抵抗性 皮膚上で指を移動させる能力を表す
(低摩擦抵抗性から高摩擦抵抗性)。
水和/湿潤 皮膚に水分が吸収される感触、皮膚のかさつきがない感触を表す。
柔軟性 皮膚表面が指の圧力に容易に降伏するかを表す。
滑らかさ 皮膚の表面に容易に指を滑らせることができるかを表す。
残留量 皮膚の表面に製品の残存が感じられるかを表す。
使用した水の硬度はCaCOのppmで表すと40ppmであった。
調節塗布乾燥試験
皮膚に対する洗浄剤の効果を測定するため、特に、皮膚を乾燥または湿潤させる洗浄剤の相対能力と皮膚障壁機能に関する洗浄剤の効果とを試験するために種々の調節塗布臨床試験方法が開発されている。これらの試験は湿性皮膚トリートメント組成物に容易に応用できる。その理由は、これらの組成物が本質的にリンスオフトリートメントであり、使用量及び泡立ちに関する配慮を除けば試験中に洗浄剤とほぼ同様の方法で塗布できるからである。試験は、主観的評価(専門の採点者による目視の皮膚状態評価)と、客観的測定、即ち、皮膚の障壁機能及び皮膚の水分保持能力に対してトリートメントが誘発した変化を定量的に評価する計器使用の生体物理学的測定とを併用する。選択可能な公知の幾つかの技術が、慎重に調節した塗布プロトコルを使用して乾燥、湿潤及び障壁機能を目視評価するために使用され得る。これらの技術としては、脚洗浄、腕洗浄及び前腕調節塗布試験プロトコルがある。これらのプロトコルについて以下に説明する。
修正した脚洗浄プロトコル
このプロトコルは、脚の乾燥に対する湿性皮膚トリートメント組成物の効果を試験するために使用した。試験の設計及び手順は以下の通りであった。
少なくとも15人の女性被験者(35−65歳)を試験に登録し、少なくとも13人が製品塗布段階を完了しなければならないことにした。製品塗布試験開始の6日前に全身洗浄用のDove(R)ビューティーバーを配給した。被験者は試験期間中の在宅洗浄にDoveの使用を継続するように指示された。
最初の製品塗布の当日に、型板を使用して被験者の脚を2つの54cm部位(上部/下部)に分割した。1−2日目は1日あたり2回のトリートメントセッション(午前、午後)を行い、3日目の午前中に1回の洗浄セッションを行った。洗浄及び/または評価は約4時間を隔てて行うように指示した。
被検製品塗布手順は以下の通りにした。被検部位をまず標準低刺激性洗浄剤溶液で30秒間洗浄し、次いで流水で15秒間すすいだ。次に湿性皮膚トリートメント組成物(250μL)を直ちに皮膚に塗布した。製品を試験部位に30秒間揉み込み、30秒間おいて、15秒間すすぎ、タオルで叩いて乾かした。被験者全員が製品塗布をすべて実施した。
評価方法
製品塗布段階の開始前及び各トリートメントセッションの直前に、その後の乾燥及び紅斑を評価するための基底値を目視評価した。臨床的な乾燥または紅斑の評点が>3.0になったときまたは被験者から要請があったときには試験部位の試験を中止した。一方の脚だけを中止しても、他方の脚は予定通りの洗浄を継続した。同一の被験者は試験期間を通じて変わらない条件下で全部の目視評価試験を行うであろう。試験部位の乾燥及び紅斑を評価するために表1に示す0−4の等級表を使用する。被験者が製品を特定できないブラインド試験とするために、目視評価は製品塗布場所から離れた別の場所で行われるであろう。
目視による乾燥の等級評価−脚洗浄に応用
(修正した腕洗浄プロトコルと同じ等級表の使用)
Figure 0004684537
データ分析
乾燥または紅斑の評点が≧3.0になったので試験部位の製品塗布を中止したときは、この被験者に対してはこの評価の際の全部のデータ(臨床的等級)を残りの時点に繰り越す。中止部位のデータは、分析の端点となる最後の合格読み取り値(即ち最後の公正な比較)を知るために使用する。中止部位の実際のデータは記録するが統計分析には含めない。
乾燥及び紅斑の等級表は順序カテゴリーデータとして処理した。従って、ノンパラメトリック統計法を使用した。各評価時点で、各製品の臨床的等級の差(評点から基底値を減算した差)は、Wilcoxon Signed−Rankテスト、Pratt−Lehmannバージョン(Lehmann,E.L.Nonparametrics;Statistical Methods Based on Ranks.San Francisco,CA:Holden Day,1975,pg.130)を使用して評価した。90%信頼レベル(p<0.10)で統計的有意性を決定した。これは、処理結果が統計的に有意であるか否かをそれらの基底値から示した。
各評価時点で各処理に関する全部の被験者の平均、中央値及び平均順位を計算し記録した。各評価時点で各被検製品の臨床的等級の差(評点−基底値)をWilcoxon Signed−Rankテスト、Pratt−Lehmannバージョンを使用して評価した。これは、製品が互いに統計的に有意な差(90%信頼レベル(p<0.10)を有しているか否かを示した。
計測データに関しては、パラメトリック統計法を使用して同じ比較を行った。被験者、試験部位及び試験セッションの各々毎に別々にTEWL及びコンダクタンスの測定値を平均化した。すべてのトリートメントについて、各評価時点のトリートメントの差をペアードt−テストを使用して統計的に比較した。統計的有意性を90%信頼レベル(p<0.10)で決定した。
また、1つのトリートメントが別のテストセルに比べてより高度に皮膚状態に影響を与えたか否かを判断するためにデータを中止の数によって評価した。サバイバル分析では、洗浄セッション全体にわたるトリートメントの性能を各特性毎に検査した。この分析には、試験中に被験者のトリートメント部位を実際に洗浄した洗浄セッション数を使用した。トリートメント部位の試験が中止されたとき、この部位のサバイバル時間はこの評価の際に決定した。各トリートメントグループについて評価したサバイバル関数のオーバーレイプロットを検討した。トリートメントグループの均質性を試験するためにログランク検定によって統計量を計算した。この試験は、各トリートメントグループでサバイバル関数が同じであるか否かを表す。また、試験中に1つのトリートメント部位で継続された(該部位の試験が中止される前の)洗浄セッションの回数を複数のトリートメント間で比較するために、被験者をブロックとして扱うペアードt−テストを使用した。
また、各評価で乾燥及び紅斑の順位点を付ける場合には、被験者をブロックとして扱って、順位にフリードマンの検定を適用することによってトリートメントを順位点に関して比較した[Hollander,Myles and Douglas A.Wolfe.Nonparametric Statistical Methods.New York,NY.John wiley & Sons,1973,pp.139−146参照]。
各評価の際に、トリートメント効果を検査するフリードマンの検定がp値を0.05または予め選定した別のレベルにしたときに有意であったときには、トリートメントを一対ずつ比較する重比較試験を行った。可能なすべてのトリートメント対を比較するために、Hollander and Wolfe pp.151−155に記載されている手順を使用した。この試験はフリードマンの順位和に基づく。トリートメントと対照とを比較するために、Hollander and Wolfe pp.155−158に記載されている手順を使用した。
修正した標準腕洗浄プロトコル
この試験については、洗浄剤に使用した場合をSharkoらが詳細に記載し且つその有効性も検査しているが、リンスオフ型の湿性皮膚トリートメント組成物にも容易に応用できた(Arm wash evaluation with instrumental evaluation−A sensitive technique for differentiating the irritation potential of personal washing products,J.Derm.Clin.Eval.Soc.2,19(1991))。プロトコルを以下に記載する。
被験者は試験のコンディショニング段階について試験施設に報告する。コンディショニング段階は、選んだ普通の市販身体用洗浄剤を製品塗布段階開始前の4日以内に在宅で使用することから成る。製品塗布段階の初日に、被験者の資格を認定するための目視評価を行う。被験者は乾燥評点≦1.0及び紅斑評点≦0.5でなければならない。また、製品塗布段階に使用される試験部位自体または該部位の近傍に切り傷や擦過傷を有していてはならない。製品塗布段階に参加できる資格が認定された被験者は、試験訪問中に使用される皮膚洗浄試験配合物以外には、前腕の内側にコンディショニング製品及びその他のスキンケア製品を使用することを中止するように指示されるであろう。試験製品の塗布を行う5日間の段階中は、各洗浄セッションの前に乾燥及び紅斑を目視評価する。最初の4日間は洗浄セッションをほぼ1.5時間ずつの間隔をおいて1日あたり4回行う。最終日には、2回の洗浄セッションを行い、最終洗浄の3時間後に最終目視評価を行う。各塗布は、リンスオフトリートメント組成物の1回の塗布から成る。このプロトコルで合計18回の洗浄及び19回の評価を行った。計器測定では、基底値、並びに、塗布及びすすぎ段階後の種々の時点で測定値を採取する。
塗布手順
1.タイマーを指定の塗布時刻にセットする;
2.左腕の試験部位(左腕の前腕)を対照洗浄剤で(例えば、1分間)洗浄し、湯(華氏90−100度)ですすぐ;
3.トリートメント製品を試験部位に出し、タイマーを始動させる;
4.この部位で毎秒1行程の往復運動(1行程は肘の内側から手首までの往路、次いで肘の内側まで戻る復路から成る)を指定された時間だけ行う;
5.塗布の中間時点、即ち、1分間の塗布では30秒の経過後に指先を再び濡らす;
6.この部位を温かい流水ですすぎ、タオルで叩いて乾かす;
7.右腕の試験部位に上記の手順(1−6)を繰り返す。
評価方法
製品塗布段階の開始前及び各トリートメントセッションの直前に、乾燥を評価するための基底値を目視評価した。同一の被験者は試験期間を通じて変わらない条件下で全部の目視評価試験を行った。試験部位の乾燥を評価するために、上述の脚洗浄プロトコルに関して記載し表に示した等級表と本質的に等しい0−4の等級表を使用した。被験者が製品を特定できないブラインド試験とするために、目視評価は製品塗布場所から離れた別の場所で行った。
Servomed Evaporimeter EP1及び/またはEP2を使用し、各試験部位の障壁の完全性を表す経皮減水量(Transepidermal Water Loss,TEWL)を試験開始時(基底値)及び製品塗布後の種々の時点及び試験の終了時に測定した。各回のTEWL評価では試験部位毎に連続する2つの読み取り値を採取した。読み取り値は30秒の平衡期間後に15秒間採取した(後出の方法の説明参照)。
試験の開始時(基底値)及び製品塗布段階の終了時または中止時(最終値)にMT−8Cプローブの付いたSKICON−200計器を使用して皮膚コンダクタンスを測定し、及び/または、コルネオメーター(Corneometer)を使用してキャパシタンスを測定した。これらの方法は角質層の水和に関する客観的測定値を与えた。各試験部位毎に連続する3つの読み取り値を採取し、平均化した(後出の方法の説明参照)。
データ分析
乾燥は順序カテゴリーデータとして処理した。従って、ノンパラメトリック統計法を使用した。各評価時点で、各製品の臨床的等級の差(評点から基底値を減算した差)は、Wilcoxon Signed−Rankテスト、Pratt−Lehmannバージョン(Lehmann,E.L.Nonparametrics;Statistical Methods Based on Ranks.San Francisco,CA:Holden Day,1975,pg.130)を使用して評価した。90%信頼レベル(p<0.10)で統計的有意性を決定した。これは、処理結果が統計的に有意であるか否かをそれらの基底値から示した。
各評価時点で各処理に関する全部の被験者の平均、中央値及び平均順位を計算し記録した。各評価時点で各被検製品の臨床的等級の差(評点−基底値)をWilcoxon Signed−Rankテスト、Pratt−Lehmannバージョンを使用して評価した。これは、製品が互いに統計的に有意な差(90%信頼レベル(p<0.10)を有しているか否かを示した。
計測データに関しては、パラメトリック統計法を使用して同じ比較を行った。被験者、試験部位及び試験セッションの各々毎に別々にTEWL及びコンダクタンスの測定値を平均化した。すべてのトリートメントについて、各評価時点のトリートメントの差をペアードt−テストを使用して統計的に比較した。統計的有意性を90%信頼レベル(p<0.10)で決定した。
また、1つのトリートメントが別のテストセルに比べてより高度に皮膚状態に影響を与えたか否かを判断するためにデータを中止の数によって評価した。サバイバル分析では、洗浄セッション全体にわたるトリートメントの性能を各特性毎に検査した。この分析では、試験中に被験者のトリートメント部位を実際に洗浄した洗浄セッション数を使用した。
また、各評価で乾燥の順位点を付ける場合には、被験者をブロックとして扱って、順位にフリードマンの検定を適用することによってトリートメントを順位点に関して比較した[Hollander,Myles and Douglas A.Wolfe.Nonparametric Statistical Methods.New York,NY.John wiley & Sons,1973,pp.139−146参照]。
各評価の際に、トリートメント効果を検査するフリードマンの検定がp値を0.05または予め選定した別のレベルにしたときに有意であったときには、トリートメントを一対ずつ比較する重比較試験を行った。可能なすべてのトリートメント対を比較するために、Hollander and Wolfe pp.151−155に記載されている手順を使用した。この試験はフリードマンの順位和に基づく。トリートメントと対照とを比較するために、Hollander and Wolfe pp.155−158に記載されている手順を使用した。この試験はフリードマンの順位和に基づく。トリートメントと対照とを比較するために、Hollander and Wolfe pp.155−158に記載されている手順を使用した。
上述の修正腕洗浄プロコトルはまた、2部位でなく4部位(片腕毎に2部位)を使用するように容易に修正できる。
経皮減水量試験(TEWL)
Murahataらによって概説された手順(“The use of transepidermal water loss to measure and predict the irritation response to surfactants”Int.J.Cos.Science 8,225(1986))と同様の手順に従って経皮減水量を測定するためにDerma Lab Model #CR 200001−140を使用した。TEWLは角質層障壁機能の完全性及び洗浄剤の相対効果を表す定量的測定値である。
計器の操作原理は以下の等式で表されるフィックの法則に基づく:
(1/A)(dm/dt)=−D(dp/dx)
式中の、
A=表面の面積(m
m=運搬された水の重量(g)
t=時間(時)
D=水の拡散係数に関する定数0.0877g−1−1(mmHg)−1
p=空気中の水蒸気分圧(mmHg)
x=皮膚の表面からセンサまでの距離(m)
を表す。
蒸発速度dm/dtは分圧勾配dp/dxに比例する。蒸発速度は、皮膚表面から既知の異なる距離を隔てておりこの距離が皮膚表面から15−20mmの範囲内であるような2つの点の分圧を測定することによって測定できる。
一般的な臨床要件は以下の通りであった:
1.パネリスト全員が測定を行う前に温度及び相対湿度を管理した試験室に少なくとも15分間は滞在して平衡状態を保つ。
2.トリートメントの前後の測定値を皮膚のほぼ同じ場所で採取できるように試験部位を計測してしマークを付ける。
3.最小圧力を使用してセンサが試験部位に垂直になるようにプローブを取り付ける。
計器を備えた校正セット(No.2110)でプローブの校正を行う。計測プローブ及び校正フラスコの周囲で均等な温度分布を確保するためにキットを熱絶縁ボックスに収納しなければならない。
校正に使用した3つの塩溶液は、LiCl、[MgNO及びKSOである。予め計量した量の高純度の塩をキット計器に供給する。溶液濃度は、3つの溶液が21℃でそれぞれ〜11.2%、〜54.2%及び〜97%のRH(相対湿度)を与えるような濃度である。
計器の一般的な使用方法は以下の通りである:
1.標準的な試験では、1−100g/m時の範囲に設定されたセレクタースイッチで計器の読み取りを行う。
2.プローブから保護キャップを外し、テフロンカプセルが評価部位に垂直に取り付けられてプローブヘッドから作用する圧力が確実に最小圧力となるように測定ヘッドを配置する。ゼロ点からできるだけずれないようにプローブヘッドを付属のゴム絶縁ストッパーによって保持する必要がある。
3.評価を行う前の被験者の平衡時間は温度/湿度管理室に15分間である。
4.データ採取の前にプローブを試験部位で少なくとも30秒間は安定させる。隙間風があり障壁損傷が多いときには安定化時間の延長が勧告される。
5.安定化時間後の15秒間のデータを採取する。
皮膚水和試験
コルネオメーターCM820PC(Courage & Khazaha,Kohl,Germany)は化粧品業界で広く使用されている装置である。この装置は、電極を介して皮膚表面に印加された高周波交流電圧で皮膚キャパシタンスを安全に測定し得る。測定されたパラメーターは皮膚の水和に伴って変化することが知見された。しかしながら、これらのパラメーターはまた、皮膚の温度、汗腺の活動及び塗布された製品の組成のような別の多くの要因に伴って変化し得る。コルネオメーターは好ましい環境下の上部角質層の含水量の方向性変化を表すだけであり、これに関して量的な判断を下すことは間違いを生み易いことがわかるであろう。
広く使用されている代替装置はSkicon皮膚コンダクタンス計(I.B.S.Co Ltd.Shizuoka−ken,Japan)である。
いずれの計器に対してもパネリストに対する要件は以下の通りである:
1.被験者は両腕を露出した状態で一定の温度及び相対湿度に維持した室内に少なくとも15分間は滞在して室内条件に平衡しなければならない。隙間風はできるだけ少なくしなければならない。
2.例えば、喋る、歩き回る、などのような身体的及び心理的な気晴らしをできるだけ少なくしなければならない。
3.測定の少なくとも1時間前から熱い飲み物やカフェイン含有製品の摂取を控えなければならない。
4.パネリストは測定の少なくとも30分前から喫煙を控えなければならない。
処理手順
1.外側ケーシングによって皮膚表面ができるだけ圧迫されないようにプローブをそっと取り付ける。測定表面はばねで押されており、従ってプローブは黒い円筒が外側ケーシング内部に完全に隠れる十分な圧力で取り付けられなければならない。
2,プローブは皮膚表面に垂直に保持されなければならない。
3.オペレーターは測定部位の毛髪をプローブに接触させてはならない。
4.計器の信号発信機が鳴り出すまで(約1秒間)プローブを皮膚に接触させて維持し、次いで離す。プローブ表面が清潔になったことがわかり次第、直ちにその後の測定を行うことができる。
5.試験区域の別々の点で少なくとも3つの測定値を採取し、その平均を該部位の平均水和として表す。
6.読み取り作業間のプローブの清浄化には乾いた薄葉紙を使用しなければならない。
分散相が構造化油であるときの油の保持
この実施例は、皮膚適合性油を網目構造によって構造化すると、すすぎ後に濡れた皮膚に保持される油の能力が劇的に改善されることを示す。該実施例はまた、入浴中に濡れた皮膚にしばしば塗布される慣用の組成物であるベビーオイルの使用に比べて本発明の組成物が高い保持効率を有することを示す。
付着効率に対する油粘度の効果を示すために、表1に示した組成をもつ4つのサンプルを調製した。全部のサンプルが2−300ミクロンの範囲の液滴サイズをもつ油を同量(15重量%)ずつ含有している。以下に記載の方法を使用してサンプルを調製した。配合組成中のすべての皮膚緩和油(ヒマワリ種油、Parsol MCX、ペトロラタム、ポリブテンまたはトリヒドロキシステアリン)を含有する油プレミックスを調製するために、これらの油を70−85℃で透明な均一混合物が形成されるまで掻き混ぜる。次に、油混合物を40℃よりも低温に冷却して粘性の油混合物を形成させた後、配合物に加える。
別のミキサーで、水溶性ポリマー(キサンタンガムまたはCarbopol)、界面活性剤、グリセリン、香料及びGlydant plusを含有する6.5−7.0の範囲のpHをもつ増粘水溶液を調製した。次に、シリンジを使用して15部の油プレミックスを85部の増粘水溶液に注入した。油混合物の塊を含有する水溶液を次にスクリーンで濾過して20−300ミクロンの範囲のサイズをもつ大きい油滴を含有する最終製品を製造した。実施例1B、1C及び1Dでは200マイクロメーターの篩目をもつスクリーンを使用した。実施例1Aには1000マイクロメーターの篩目をもつスクリーンを使用した。実施例1Aは、ヒマワリ種油とParsol MCXとの混合物から成り、1 rpsで200センチストークス未満の粘度をもつ低粘度油の液滴を含有していた。実施例1B、1C及び1Dは、1 rpsで20,000センチストークスよりも高い粘度をもつ粘性油を含有していた。低粘度油の混合物(Parsol MCXとヒマワリ種油)がトリヒドロキシステアリン(実施例1D)またはペトロラタム(実施例1B及び1C)によって増粘されていた。また、比較のためにParsol MCXと混合した純ヒマワリ種油を含有する比較実施例(比較実施例1)を使用した。
Figure 0004684537
付着プロトコルの項に記載した方法を使用して測定したこれらのサンプルの付着効率を上の表にまとめる。結果は、湿性皮膚トリートメント組成物の油保持は、油相が固体網目構造によって構造化されているとき及び分散した構造油相が本文中に特定した粘度及び液滴サイズを有しているときに顕著に向上することを示す。対照的に、非構造化油相(Parsol MCXまたはヒマワリ種油から成る)は適正な液滴サイズを有するときであっても効率的に付着しない。サンプル1B、1C及び1Dをサンプル1Aに比較するとよい。大きい液滴の構造化油相を含有する全ての組成物ではその皮膚保持効率が0.35よりも高い値であり、分散液を含有する非構造化油相の10倍以上であり、シャワートリートメントに広く使用されているベビーオイルを使用した比較例の3−5倍以上である。
油保持に対する構造化油相の粒度の影響
この実施例は、好ましい粒度範囲内の分散相をもつ湿性皮膚トリートメント組成物の皮膚保持を示す。
すすぎ後の油保持に対する粒度の影響を示すために、実施例1の実施例1Bと同じ組成をもつが異なる粒度を有している4つのサンプルを調製した。粒度はMalvern Mastersizer Xを使用して測定した。油保持に対する液滴サイズの影響を以下の表にまとめる。粒度は粘性油滴の油保持に多大な影響を与える。最高の皮膚保持効率を達成するためには、湿性皮膚トリートメント組成物の構造化油相が1ミクロンよりも大きい値、好ましくは5ミクロンよりも大きい値の油滴サイズを有していなければならない。
Figure 0004684537
知覚された官能特性に対する油の粘度及び組成の効果
この実施例は、本文中に開示した構造化油技術を使用する湿性皮膚トリートメント組成物の重要な特性を証明する。即ち、この技術は過度の脂性感/油性感を与えることなく皮膚に潤いを与えることが認められる。
本発明の組成物の代表として表3に示す組成を有している3つの実施例を調製した。実施例3A及び3Bは、Thixcin Rによって構造化したヒマワリ種油をそれぞれ7.5%及び15%含有している。実施例3Cはペトロラタム、脂肪酸及びSuperhartolanで構造化したヒマワリ種油を7.5%含有している。2つの比較実施例及び1つの市販シャワー用コンディショナーを比較のために使用する。比較実施例3Dは7.5%の非構造化ヒマワリ種油を含有する組成物であり、比較実施例3Eは油非含有でありそれ以外は実施例3のその他の組成物に等しい対照サンプルである。全部の組成物は実施例1に記載の方法を使用して調製した。
Figure 0004684537
試験方法の項に記載した標準条件下で官能試験の専門家パネルが上記組成物の官能特性を評価した。2つの重要な官能特性、即ち、すすぎ中の濡れた皮膚の感触(油性感−脂性感)と、皮膚が乾いた後の皮膚の感触(潤い感)とを評価した。官能試験の専門家パネルによって知覚されたこれらの6つのサンプルの特性を表3の末尾にまとめる。本文中に開示した範囲の液滴サイズの構造化油相を含有している3つの組成物はすすぎ中に過度の油性肌になることなく中レベルから高レベルの潤いを与えることが知覚された(実施例3 A−C)。
比較実施例3D及び3Eは乾いた皮膚に知覚できる湿潤化効果を与えることができない。これもまた、適正な液滴サイズの分散構造化油相の存在がが組成物の性能に必須であることを証明する。
当業界で知られている市販組成物との比較
この実施例は、本文中に開示された湿性皮膚トリートメント組成物が従来技術の組成物よりも優れている1つの利点、即ち、使用中に過度の脂性感を伴うことなく潤いを与えるという利点を示す。
実施例3Bの組成物(表3)を、ブチレン/エチレン/スチレンコポリマーとエチレン/プロピレン/スチレンコポリマーとの組合せによって増粘した鉱油を含有する米国特許第5,928,632号に開示された組成物に比較することによって専門家による官能評価を行った。結果を表4に示す。
ポリマーで増粘された鉱油を含有する組成物は、乾燥後の15−20分間は皮膚に中程度の潤い感を与えることはできたが、濡れた皮膚では極度の油性感/脂性感が知覚され、また、すすぎが困難であった。対照的に、実施例3Bはもっと高いレベルの湿潤効果を与え、しかも、すすぎが容易で過度の油性感/脂性感も知覚されなかった。
Figure 0004684537
a)油相は、鉱油とオクチルイソナノエートとブチレン/エチレン/スチレンコポリマー及びエチレン/プロピレン/スチレンコポリマーとから構成されていた。
濡れた皮膚の感触に対する油組成物の効果
この実施例は、種々の皮膚適合性油を用いて調製された本発明の組成物によって知覚される濡れた皮膚の感触を変化させるための官能調整剤の使用を示す。これらの実施例では、濡れた皮膚に付着した粘性油の感触を変化させるためにポリブテン(Indopol H1500)を使用した。全部のサンプルを実施例1に記載の手順で調製した。水相に添加する前の構造化油相にポリブテンを予め混合した。表5に示す結果は、全構造化油相の30重量%をポリブテンで代替することによってトリートメント組成物によって与えられる濡れた皮膚の感触が油性感/脂性感から非油性/非脂性で極めて摩擦抵抗性のすすぎ感に変化できることを明らかに示す。濡れた皮膚に最も望ましい皮膚感触を与えるために好ましいポリブテンのレベル及びタイプは消費者の入浴習慣及び期待度に依存しており、当業者は最も少ない実験で期待に応える選択を行うことができる。
Figure 0004684537
この実施例は本文中に開示された様々な好ましいクラスの皮膚適合性油と共に使用できる多様な種類の構造化剤を示す。全部の実施例を調製するために実施例1に記載した手順と同じ手順を使用した。carbopolで構造化された水相である相Aと増粘された油プレミックスである相Bとを先ず調製した。次に、シリンジを使用して相Bを相Aに注入し、200マイクロメーターの篩目をもつスクリーンで2回濾過して5マイクロメーターよりも大きい平均粒度をもつ油滴を含有するシャワー用コンディショナーを製造した。全部のサンプルがすすぎ落ち容易であり、洗浄後の皮膚は極めて良質の柔軟で滑らかな潤い感を有していた。
Figure 0004684537
UV防御効果を与える湿性皮膚トリートメント組成物
この実施例は、本文中に開示された原理に従っておりかつ湿潤化に加えて追加の機能性スキンケア効果、即ち、UV防御効果を与える湿性皮膚トリートメント組成物を示す。表7に示す組成をもつ実施例7を調製するために実施例1の手順を使用した。実施例7は、水相に分散させる前にペトロラタムで構造化しておいたParsol MCXを常用の有機炭化水素UVサンスクリーンとして含有している。日光防御係数は標準in−vivoプロトコルによって測定した。結果は、実施例7の組成物が4%のParsol MCXを含有し、2.2に等しいSPFを与えたことを示す。
Figure 0004684537
種々の組成物
本発明の代表的な追加組成物を表8に示す。全部の組成物が20−200ミクロンの範囲の液滴サイズを有しており、構造化油相は1 Sec−1の剪断速度で200−2000ポアズの範囲の粘度を有している。
Figure 0004684537
見掛けの乾燥に対する湿性皮膚トリートメント組成物の効果
この実施例は、湿性皮膚トリートメント組成物が皮膚の乾燥に対して有意な持続性抑制効果を与えることを示す。表9に示す組成を有している実施例9A−9Cを実施例1の手順に従って調製した。これらの組成物を方法の項に記載した調節塗布脚乾燥試験によって評価した。塗布の4時間後に乾燥度を評価した。初期基底値に比べて乾燥度が減少していることが表9の最終行に示されている。実施例9B、9C及び9Dは4時間後に乾燥度の有意な低下を与えた。これらの組成物によって生じた乾燥度の減少量は構造化油相を有していなかった対照組成物(9A)の2倍であった。
Figure 0004684537
経皮減水量(TEWL)に対する湿性皮膚トリートメント組成物の効果
この実施例は、本文中に開示した湿性皮膚トリートメント組成物が経皮減水量(TEWL)の抑制に関して有意な持続性効果を与えることを示す。
製品塗布の前にTEWLの基底値を測定した。20マイクロリットルの製品を濡れた試験部位(4cm)に30秒間塗布し、更に30秒間放置した。次に絞り出しボトルを使用してこの部位を15秒間すすぎ、タオルで叩いて乾かした。製品塗布の1時間後にTEWLの値を再度測定した。3人の被験者を試験し、平均結果を表10にまとめる。
表10に示す組成をもつ実施例10A−10Cを調製し、前述のような経皮減水量試験によって評価した(詳細については方法の項参照)。実施例10A及び10Bは本発明の好ましい組成物、即ち、carbopol構造化水性ゲル中に結晶質増粘ヒマワリ種油が分散した大きい油滴の分散液を含有している。実施例10Cは対照として脱イオン水を使用した。塗布の1時間後にTEWLを評価した。室内の温度及び相対湿度はそれぞれ21℃及び23%RHであった。初期基底値に比べてTEWLが減少していることが表の最終行に示されている。実施例10A及び10Bでは1時間後にTEWLが減少しており、これらの効果は水よりも大きい(10C)。
Figure 0004684537
皮膚の水和に対する湿性皮膚トリートメント組成物の効果
この実施例は、本文中に開示した湿性皮膚トリートメント組成物が皮膚の水和に関して有意な持続性の改善効果を与えることを示す。
製品塗布の前に試験部位の基底値をコルネオメーターで読み取った。20マイクロリットルの製品を試験部位(4cm)に30秒間塗布して濡らし、更に30秒間放置した。次に絞り出しボトルを使用して該部位を15秒間すすぎ、タオルで叩いて乾かした。製品塗布の1時間後、乾いた薄葉紙で試験部位を拭って表面の油を除去した。3人の被験者を試験し、平均結果を表11にまとめる。
表11に示す組成をもつ実施例11A−11Cを調製し、方法の項に記載のコルネオメーター試験によって評価した。実施例11A及び11Bは本発明の好ましいシャワー用皮膚コンディショナーである。この実施例でも、11Cは対照として脱イオン水を使用した。塗布の1時間後にコルネオメーターの値を評価した。室内の温度及び相対湿度はそれぞれ21℃及び23%RHであった。コルネオメーターの読み取り値が初期基底値に比べて増加していることが表11の最終行に示されている。実施例11A及び11Bでは1時間後にコルネオメーターの読み取り値が増加しており、これらの効果は水よりも大きい(11C)。
Figure 0004684537

Claims (10)

  1. (a)水と、無機分散液安定剤、1000ドルトンよりも小さい分子量を有しかつ分散した構造化油相を不動にする網目構造を水相中で形成する有機分散液安定剤、高分子安定剤及びそれらの混合物から成るグループから選択された分散液安定剤とから成る水相と、
    (b)(i)構造化油相の全重量に対して20重量%から95重量%の、トリグリセリド、改質トリグリセリド及びそれらの混合物から選択された皮膚適合性油と、
    (ii)35℃よりも低い温度で液体状の皮膚適合性油中に25ミクロン未満の粒子サイズを有し、皮膚適合性油の粘度を増加させる微細分割固体粒子の安定な三次元網目構造を形成する、1重量%から90重量%の、ペトロラタム、トリヒドロキシステアリン及びそれらの混合物から成るグループから選択された構造化剤と、
    から成り、25℃、1sec −1 で測定した粘度が100−5000ポアズとなる構造化油相と、
    から成る、付着させた後にすすいで使用する湿性皮膚トリートメント組成物であって、
    構造化油相が水相に分散して重量平均液滴サイズ1−500ミクロンを有する水中油型エマルジョンを形成していること、
    付着させた後にすすいで使用する湿性皮膚トリートメント組成物の構造化油相が、すすいだ後に、in−vitro皮膚保持試験で測定して少なくとも0.15という測定値の皮膚保持効率指数で皮膚に保持されること、
    水中油型エマルジョンが、アニオン性界面活性剤を含有せず、かつゼイン溶解度試験で測定して0.1未満という測定値のゼイン溶解度で表される低刺激性ポテンシャルを有していること、及び、
    エマルジョンが溶液振盪試験で測定してcc未満という測定値の泡量で表される低い発泡性を有していることを特徴とする、付着させた後にすすいで使用する湿性皮膚トリートメント組成物。
  2. トリグリセリドが、ホホバ油、ダイズ油、キャノーラ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、米ヌカ油、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、ヒマシ油及びココヤシ油から成るグループから選択された植物油であることを特徴とする請求項1に記載の組成物
  3. 重量平均液滴サイズが5−500ミクロンであることを特徴とする請求項に記載の組成物。
  4. 構造化油相が20−200ミクロンの範囲の重量平均液滴サイズを有していることを特徴とする請求項に記載の組成物。
  5. 構造化油相が1sec−1の剪断速度及び25℃の温度で200−2000ポアズの範囲の粘度を有していることを特徴とする請求項に記載の組成物。
  6. 更に、保湿剤、密封剤、脂質障壁修復剤、UV遮断剤、ビタミン、皮膚美白剤、抗菌剤、抗酸化剤及びそれらの混合物から成るグループから選択される補助的有益成分を含むことを特徴とする請求項に記載の組成物。
  7. 更に、皮膚緩和剤、皮膚コンディショニング剤、香料、分配剤、官能刺激物質及びそれらの混合物から成るグループから選択される官能調整剤を含むことを特徴とする請求項に記載の組成物。
  8. 更に、化学的保存剤を含むことを特徴とする請求項に記載の組成物。
  9. 更に、キレート化剤を含むことを特徴とする請求項に記載の組成物。
  10. 水相が、界面活性剤を含有しないことを特徴とする請求項1に記載の組成物
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