JP4683836B2 - ダイヤモンド半導体素子及びその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド半導体素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電界効果トランジスタ、発光ダイオード及び各種センサに使用されるダイヤモンド半導体素子及びその製造方法に関する。
ダイヤモンドは、熱伝導率、バンドギャップ、飽和電子及びホール速度等の物性が優れているため、これらの特性を生かしたハイパワー素子、高周波素子及び高温又は放射線等に曝される過酷な環境下でも動作する半導体素子等への応用が期待されている。
従来、ダイヤモンド薄膜を使用した電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)としては、例えば、ゲート電極と動作層であるチャネル層との間に絶縁層を挿入した絶縁ゲート型FET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor:MISFET)がある(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のMISFETは、絶縁性ダイヤモンド単結晶基板上に半導体ダイヤモンド層が形成され、この半導体ダイヤモンド層上に局所的に絶縁層が形成されている。そして、半導体ダイヤモンド層上には、絶縁層を挟んでソース金属電極及びドレイン金属電極が形成されており、絶縁層上にはゲート金属電極が形成されている。また、半導体ダイヤモンド層の間に高抵抗ダイヤモンド層を設けた構造(以下、pip構造という)のFETも提案されている(特許文献2参照。)。
一方、このようなトランジスタの製造方法としては、例えば、エッチングによりダイヤモンド領域を分離してソース及びドレインを形成すると共に、チャネル領域となるダイヤモンドを露出させて、その上に絶縁層及びゲート電極等を形成する方法がある(特許文献3参照。)。また、エッチング、選択成長法又は選択的イオン注入法等によりダイヤモンド領域を分離してソース及びドレインを形成し、ギャップとその近傍を覆うようにダイヤモンド薄膜を選択成長させてチャネル領域とする製造方法も提案されている(特許文献4参照。)。更に、エッチングによりダイヤモンド領域を分離してソース及びドレインを形成した後、エッチングされた領域を埋めもどすようにダイヤモンド薄膜を選択成長させてチャネル領域とする製造方法も開発されている(特許文献5参照。)。
なお、ダイヤモンドをエッチングする方法としては、例えば、ダイヤモンドの表面にマスクを形成し、酸素原子を含む気体から生成するプラズマに被エッチング材を曝すプラズマエッチング法等が利用されている(例えば、特許文献6及び7参照。)。
特開平1−158774号公報 特許第3273985号公報 特開2000−114523号公報 特開2002−57167号公報 特開2002−76369号公報 特許第3104433号公報 特開2002−75960号公報
しかしながら、前述の従来の技術には以下に示す問題点がある。特許文献3及び4に記載の製造方法では、ダイヤモンド表面に対して垂直な方向からエッチングしているため、エッチングにより形成されたソース及びドレイン領域の端面が、素子表面に対して略垂直になる。このようにソース及びドレイン領域の端面が素子表面に対して垂直であると、絶縁層により隔てられたゲート電極とソース及びドレイン領域との間の電界が、それらの角近傍に集中して、絶縁層及びチャネル領域が絶縁破壊を起こしやすいという問題点がある。
また、絶縁層の不連続による短絡及びゲート電極の不連続による性能低下を起こしやすいという問題点もある。例えば、特許文献3に記載のトラジスタのように、蒸着法又はスパッタ法によりギャップ部分に絶縁層を成膜すると、蒸着源及びスパッタターゲットに対向する面には成膜できるが、蒸着源及びスパッタターゲットに対して垂直な面、即ち、ソース及びドレイン領域の端面には成膜されにくいため、側面の膜厚が薄くなってしまう。また、試料が少しでも傾いた状態で設置されると、ソース及びドレイン領域の端面は影になってしまうため、その上にはほとんど成膜されなくなる。更に、エッチング部分の底面、特に、ソース及びドレイン領域の端面との境界部分は、ソース及びドレイン領域の端面がエッチング部分の底面に対して略垂直であるため影になりやすく、絶縁層が成膜されない部分が生じやすい。このような絶縁層の成膜不良は、絶縁不良及び短絡の原因であり、素子の信頼性及び歩留まりが低下する。
上述の問題点は、ソース及びドレイン領域の端面を傾けることにより緩和できると考えられるが、制御された形状に再現性良く加工することは既存技術では非常に困難である。例えば、現時点では、機械的研磨法により、高硬度のダイヤモンド表面上に1μm以下の微細な斜面を形成することは困難であり、今後可能になったとしても、研磨による内部欠陥の発生等が顕著であることが予想されるため、半導体素子には不向きである。
また、エッチング法により、溝又は穴を形成する場合、一般的には、上述のように略垂直な側面形状になるか、又は、半球形を基本とした角の丸い形状になるかのいずれかであると考えられる。後者の場合、エッチングされた凹部の底に絶縁層を形成する場合の問題点は解決されるが、側面の表面近傍は依然切り立っているため、絶縁層を均一に形成できない。また、表面と側面との境界が直角に近い鋭い角となるため、この角部分に電界が集中しやすく、絶縁破壊等の問題点が残る。
シリコン半導体の製造方法においては、結晶面によってエッチング速度が異なることを利用した異方性エッチングが利用されている。この方法は、湿式のエッチングにおいて、適当な薬液を使用することにより、例えば、{100}面のエッチング速度より、{111}面のエッチング速度を遅くすることができる。このため、{100}面のエッチングしたくない部分に酸化シリコン膜等のマスクを形成して薬液に曝すと、露出した部分の端面に{111}面の斜面が残り、厚さ方向に対して平行な断面が逆台形である凹部を形成することができる。
しかしながら、ダイヤモンドはシリコンに比べて耐薬品性が極めて高いため、エッチング可能な薬液が存在しない。そこで、プラズマを使用したエッチング方法が検討されている。例えば、酸素を含むプラズマを使用して適当な条件を選択することにより、垂直にエッチングしたり、又は結晶面に依存した異方性エッチングしたりすることができると考えられるが、前者の垂直エッチングでは側面が傾斜するようにエッチングすることは困難である。
また、後者の結晶面方位に依存する異方性エッチングは、被エッチング材の内部に転位等の欠陥があるとエッチピットができやすいため、エッチングされた面に凹凸ができたり、階段状になったりしやすく、エッチング面を平坦に仕上げることは難しい。例えば、前述のシリコン半導体のように、{100}面より{111}面のエッチング速度を遅くした場合、{100}面中にわずかでも{111}面があると、その部分ではエッチング速度が落ちてピラミッド状に残ってしまう。また、エッチング開始時に{100}面が少しでも傾いていると、エッチング初期段階から{111}面が現れてしまうため、平坦なエッチング面が得られにくい。この現象は、プラズマエッチング法でも同様である。
更に、プラズマエッチングにより所望の形状を形成する場合、プラズマに曝された被エッチング部の表面近傍には、イオン衝撃及び不純物吸着等によって、その内部及び表面への欠陥導入が避けられない。欠陥は、電荷移動度の低下及び界面準位増大等を引き起こすため好ましくない。
上述のような問題があるため、エッチング法によりソース及びドレインの端面に斜面を設けることにより機能を付加し、トランジスタ等の半導体部品の構成要素として利用して性能向上に貢献させることは実現不可能であると考えられている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、チャネル部及びゲート絶縁層における電界集中が緩和され、絶縁層が均一で、絶縁破壊を防ぎ、チャネル部及び絶縁層の界面近傍の欠陥を低減したダイヤモンド半導体素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本願第1発明に係るダイヤモンド半導体素子は、表面が{100}面又は{110}面により形成された基板と、この基板上に夫々局所的に形成された第1及び第2のダイヤモンド層と、前記第1及び第2のダイヤモンド層に夫々接触するソース及びドレイン電極と、前記第1及び第2のダイヤモンド層よりも不純物濃度が低く前記第1及び第2のダイヤモンド層間のチャネル領域となる第3のダイヤモンド層と、前記第3のダイヤモンド層の少なくとも前記チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜を介して前記第3のダイヤモンド層の少なくとも前記チャネル領域の上方に配置されたゲート電極と、を有し、前記第3のダイヤモンド層を経由して前記第1のダイヤモンド層から前記第2のダイヤモンド層に電荷が移送される半導体素子であって、前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部には、前記第1及び第2のダイヤモンド層を選択成長法により形成することにより、端部の結晶面選択した結果として斜面が形成されており、前記斜面は、{111}面若しくは{100}面又は基板表面と{100}面若しくは{111}面との間の遷移面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板に平行な面は、{111}面又は{100}面であることを特徴とする。なお、この遷移面とは、方位が異なる2種類の結晶面の中間の方位の面を指す。
本発明においては、前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部に結晶面の選択による斜面を形成し、基板表面に対して垂直な部分を低減することにより、前記第1及び第2のダイヤモンド層上に形成される第3のダイヤモンド層及び/又は絶縁層を均一に形成することができるため、前記第1のダイヤモンド層と前記第2のダイヤモンド層との間のチャネル部及びその上の絶縁層への電界集中が緩和され、これらの部分における絶縁破壊電圧が上昇する。その結果、トランジスタ及びメモリ素子等のダイヤモンド半導体素子の性能を向上させることができる。
前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記斜面は、前記基板表面に対して32乃至58°の角度で傾斜していることが好ましい。これにより、前記第3のダイヤモンド層に欠陥及び歪み等が発生することを抑制することができるため、電荷移動速度が向上し、高速及び高周波に対応可能な高性能半導体素子を実現することができると共に、前記第1又は第2のダイヤモンド層における直列抵抗の増加を防止することができる。
また、前記第1及び第2のダイヤモンド層における前記斜面と前記基板表面に平行な面との間に、曲面又は前記斜面の傾斜角度よりも傾斜角度が小さい平面が形成されていてもよい。これにより、前記第3のダイヤモンド層における欠陥の発生及び不純物の偏析を抑制することができると共に、前記第3のダイヤモンド層の上に形成される絶縁層の成膜不良及び電界集中による絶縁破壊電圧の低下等を防止することができる。
更にまた、前記基板表面が{110}面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板表面側の面における相互に対向する端部側の縁が延びる方向が<110>方向である場合、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記斜面は{111}面により形成されていることが好ましい。又は、前記基板表面が{110}面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板表面側の面における相互に対向する端部側の縁が延びる方向が<100>方向である場合、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記斜面は{100}面により形成されていることが好ましい。又は、前記基板表面が{100}面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板表面側の面における相互に対向する端部側の縁が延びる方向が<110>方向である場合、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記斜面は{111}面により形成されていることが好ましい。
これにより、前記斜面の対向方向と、前記斜面を形成する{111}面又は{100}面の法線方向のベクトルの基板表面に平行な成分ベクトルとが一致するため、前記相互に対向する端部に極めて直線度が高い縁を形成することができる。その結果、相互に対向する端部の縁同士の平行度が高くなり、第1及び第2のダイヤモンド層間に電圧を印加した際に、電界が均一にかかるため、動作が安定する。なお、基板表面の面方位及び前記基板表面と前記第1及び第2のダイヤモンド層との境界線が延びる方向が上述の組み合わせではない場合、前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部に、基板とのなす角度が58°を超える面が現れやすく、また、前記端部の縁の直線性が確保しにくくなるため、積層欠陥が増加すると共に絶縁耐圧が低下する。その結果、第1及び第2のダイヤモンド層間に電圧を印加した際に生じる電界が不均一になり、トランジスタ等の半導体素子の性能が低下する。
更にまた、前記第1乃至第3のダイヤモンド層の前記斜面の平均粗度は1nm以下であり、前記第3のダイヤモンド層における前記基板上に形成された部分の表面の平均粗度は5nm以下であることが好ましい。これにより、チャネル領域における電荷移動速度を安定化することができる。なお、前述の平均粗度は、JIS B 0601−2001で規定されている算術平均粗さ(Ra)である。
更にまた、前記ダイヤモンド半導体素子においては、前記第3のダイヤモンド層上に前記第1及び第2のダイヤモンド層が形成されていてもよい。
本願第2発明に係るダイヤモンド半導体素子は、表面が{100}面又は{110}面により形成されチャネル領域となる半導体基板と、この半導体基板上に夫々局所的に形成された第1及び第2のダイヤモンド層と、前記第1及び第2のダイヤモンド層に夫々接触するソース及びドレイン電極と、前記半導体基板の少なくとも前記チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜を介して前記半導体基板の少なくとも前記チャネル領域の上方に配置されたゲート電極と、を有し、前記半導体基板を経由して前記第1のダイヤモンド層から前記第2のダイヤモンド層に電荷が移送される半導体素子であって、前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部には、前記第1及び第2のダイヤモンド層を選択成長法により形成することにより、端部の結晶面選択した結果として斜面が形成されており、前記斜面は、{111}面若しくは{100}面又は基板表面と{100}面若しくは{111}面との間の遷移面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板に平行な面は、{111}面又は{100}面であることを特徴とする。
本願第3発明に係るダイヤモンド半導体素子の製造方法は、表面が{100}面又は{110}面により形成された基板上にソース又はドレインとなる第1及び第2のダイヤモンド層を夫々局所的に形成する工程と、前記第1及び第2のダイヤモンド層よりも不純物濃度が低く前記第1及び第2のダイヤモンド層間のチャネル領域となる第3のダイヤモンド層を形成する工程と、前記第1及び第2のダイヤモンド層に夫々接触するソース及びドレイン電極を形成する工程と、を有し、前記第1及び第2のダイヤモンド層の形成工程においては、前記第1及び第2のダイヤモンド層を選択成長法により形成することにより、端部の結晶面を選択した結果として前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部には斜面形成され、前記斜面は、{111}面若しくは{100}面又は基板表面と{100}面若しくは{111}面との間の遷移面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板に平行な面は、{111}面又は{100}面であることを特徴とする。
本発明者等は上述の問題点を解決するために鋭意検討を行った結果、エッチング法ではなく、選択成長法によりソース及びドレイン間の間隙、即ち、チャネル部を形成する方法を見出した。例えば、表面が{100}面であるダイヤモンド基板上に、ホモエピタキシャル成長によりダイヤモンド薄膜を積層すると、場合によってはその端部に{111}面が現れ、偶然斜面になることがある。従来、このような斜面の具体的な機能を明らかにし、その向き及び大きさ等を制御してトランジスタ等の半導体素子の性能向上に利用することは検討されていなかった。
そこで、本発明においては、第1及び第2のダイヤモンド層を選択成長法により形成することによって、前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部の結晶面を選択して斜面を形成する。これにより、エッチピットがなく、平坦性が高いチャネル部を形成することができる。
前記ダイヤモンド半導体素子の製造方法においては、前記第1及び第2のダイヤモンド層を形成する際に使用するマスクは、前記第1及び第2のダイヤモンド層の最も厚い部分の(1/2)以上の厚さにすることが好ましい。選択成長法により前記第1及び第2のダイヤモンド層を形成する際に、前記第1及び第2のダイヤモンド層の厚さの(1/2)以下の厚さのマスクを使用すると、前記第1及び第2のダイヤモンド層がマスク上部を覆うようにはみ出して成長するため、この部分が庇状になる。庇の下に絶縁層を成膜することは困難であり、好ましくない。マスクの厚さを、前記第1及び第2のダイヤモンド層の厚さの(1/2)にしても、前記第1及び第2のダイヤモンド層に斜面を形成する場合には、斜面が形成されていない部分の厚さは全体の(1/2)程度の厚さになるため、マスク上部に前記第1及び第2のダイヤモンド層が形成されることはない。
また、前記第1及び第2のダイヤモンド層を形成した後、前記第1及び第2のダイヤモンド層を前記基板表面に垂直な方向にエッチングしてもよい。選択成長法により斜面を形成する場合、マスク側面に隣接したダイヤモンド層の下部には、切り立った面が形成されてしまうことがある。そこで、前記第1及び第2のダイヤモンド層を形成した後、選択成長法に使用したマスクと同じマスクを使用して、この切り立った面が形成されている部分の厚さ分だけ前記基板表面に垂直な方向にエッチバックを行う。これにより、チャネル部から切り立った面をなくすことができる。また、切り立った面を完全になくすことができなくても、部分的でもその切り立った面が形成されている部分を少なくすることができれば、第3のダイヤモンド層を形成した際に、切り立った面が存在することによる欠陥及び歪みの発生を少なくすることができる。
更に、前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部の下部に、前記基板に対して垂直な面が形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部の上部に形成された前記斜面上に前記第3のダイヤモンド層を形成する場合、前記第3のダイヤモンド層の厚さは、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記垂直な面が形成されている部分の厚さよりも厚くすることが好ましい。これにより、前記第3のダイヤモンド層に、基板に対して垂直な面が形成されることを防止することができる。
本願第4発明に係るダイヤモンド半導体素子の製造方法は、表面が{100}面又は{110}面により形成されチャネル領域となる半導体基板上にソース又はドレインとなる第1及び第2のダイヤモンド層を夫々局所的に形成する工程と、前記第1及び第2のダイヤモンド層に夫々接触するソース及びドレイン電極を形成する工程と、前記半導体基板の少なくとも前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を形成する工程と、このゲート絶縁膜上における前記半導体基板の少なくとも前記チャネル領域の上方にゲート電極を形成する工程と、を有し、前記第1及び第2のダイヤモンド層を選択成長法により形成することにより、端部の結晶面を選択した結果として前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部には斜面形成され、前記斜面は、{111}面若しくは{100}面又は基板表面と{100}面若しくは{111}面との間の遷移面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板に平行な面は、{110}面又は{100}面であることを特徴とする。
本発明によれば、選択成長法により、ソース及びドレインとなる第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部に斜面を形成することにより、チャネル部及び絶縁層の界面近傍の欠陥を低減し、均一な絶縁層を形成することができると共に、チャネル部及びゲート絶縁層への電界集中を緩和することができるため、絶縁破壊を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るダイヤモンド半導体素子について、添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1実施形態に係るダイヤモンド半導体素子について説明する。図2(c)は本実施形態のダイヤモンド半導体素子の構造を示す断面図である。本実施形態の半導体素子は、表面が{110}面であるダイヤモンドの単結晶基板1上に、ソースとなる高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及びドレインとなる高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3bが夫々局所的に形成されている。この高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bとダイヤモンド基板1との境界線の長さは、50乃至200μmである。即ち、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの相互に対向する端部は、紙面に垂直な方向に50乃至200μm形成されている。以下、この高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの相互に対向する端部が延びる方向(紙面に垂直な方向)を、端部の長手方向という。そして、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bは、相互に対向する端部の長手方向が、ダイヤモンド基板1表面における<110>方向又は<100>方向に一致するように形成されている。
また、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの相互に対向する端部上及びこれらの間には、アンドープダイヤモンド層5が形成されている。そして、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a上のアンドープダイヤモンド層5が形成されていない領域にはソース電極7が形成され、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3b上のアンドープダイヤモンド層5が形成されていない領域にはドレイン電極8が形成されている。更に、ソース電極7及びドレイン電極8の相互に対向する端部及びアンドープダイヤモンド層5を覆うように絶縁層9が形成されており、アンドープダイヤモンド層5上に形成された絶縁層9上にはゲート電極10が形成されている。即ち、ゲート電極10とアンドープダイヤモンド層5との間に、絶縁層9が設けられている。なお、アンドープダイヤモンド層5における高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bに挟まれた領域のうち少なくとも一部の領域がチャネルとなる。このように、本実施形態のダイヤモンド半導体素子は、半導体ダイヤモンド層である高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの間に、高抵抗ダイヤモンド層であるアンドープダイヤモンド層5が設けられたpip−FET素子である。
本実施形態のダイヤモンド半導体素子は、ソースである高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3aの高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3b側の端部、及びドレインである高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3bの高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a側の端部に、外側に向かって厚さが薄くなる傾斜部が形成されている。即ち、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bのチャネル部側の端部には、斜面が形成されている。これにより、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bにおけるダイヤモンド基板1表面に対して垂直な部分を低減することができるため、これらの上に形成されるアンドープダイヤモンド層5及び絶縁層9を、均一な厚さで形成することができる。これはまた、チャネル部及びその上の絶縁層9におけるダイヤモンド基板1表面に対して垂直な部分を低減することにもなる。その結果、チャネル部及びその上の絶縁層9への電界集中が緩和され、この部分における絶縁破壊電圧が上昇し、トランジスタの性能を向上させることができる。
次に、本実施形態のダイヤモンド半導体素子の製造方法について説明する。図1(a)乃至(d)及び図2(a)乃至(c)は本発明の第1実施形態のダイヤモンド半導体素子の製造方法をその工程順に示す断面図である。先ず、図1(a)に示すように、表面が{110}面であるダイヤモンドの単結晶基板1上のダイヤモンドを成長させたくない領域に、マスク2として、例えば、厚さ180nmのアルミナ膜を形成する。
次に、2.45GHzのマイクロ波を使用したマイクロ波プラズマ法により、ダイヤモンド基板1上に、例えば、厚さ45nmの高濃度ホウ素ドープダイヤモンド膜を形成する。その際の成膜条件は、例えば、石英管を反応容器とする無機材研型の装置を使用し、反応ガスに水素にメタンを0.3乃至0.5体積%、ジボランを0.01乃至0.05体積%混合したものを使用し、反応圧力を6.67kPa(50Torr)、基板温度を750乃至800℃とする。これにより、高濃度ホウ素ドープダイヤモンドが、ダイヤモンド基板1上のマスク2が形成されていない領域にのみ選択的に成長し、図1(b)に示すように、マスク2の周囲に高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bが形成される。この高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bのマスク2側の端部は、ダイヤモンド基板1の表面から約10nmの厚さまではマスク2に接しており、ダイヤモンド基板1表面に対して垂直になっている。一方、10nmより厚い部分は、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの端部の長手方向を<110>方位とした場合には、ダイヤモンド基板1表面に対して35°傾いた{111}面が形成され、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの端部の長手方向を<100>方位とした場合には、ダイヤモンド基板1表面に対して45°傾いた{100}面が形成される。
次に、マスク2をりん酸及びフッ酸でエッチングして完全に除去した後、図1(c)に示すように、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの表面における相互に対向する端部を除いた領域に、マスク4としてアルミナ膜を形成する。そして、2.45GHzのマイクロ波を使用したマイクロ波プラズマ法により、例えば、厚さ30nmのアンドープダイヤモンド膜を成膜する。その際の成膜条件は、例えば、石英管を反応容器とする無機材研型の装置を使用し、反応ガスに水素にメタンを0.5乃至1.0体積%、酸素を0.25乃至1.00体積%混合したものを使用し、反応圧力を6.67kPa(50Torr)、基板温度を750乃至800℃とする。その後、第1のアルミナマスク2と同様の方法で、第2のアルミナマスク4を除去する。
これにより、図1(d)に示すように、基板表面の露出部1a及び高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの相互に対向する端部を覆うように、アンドープダイヤモンド層5が形成される。このとき、アンドープダイヤモンド層5にも、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの斜面と同じ結晶面からなる斜面を形成することにより、アンドープダイヤモンド層5中に、欠陥及び歪み等が発生することを抑制することができる。その結果、電荷移動速度が向上し、高速及び高周波に対応可能な高性能半導体素子を実現することができる。また、このアンドープダイヤモンド層5の表面には、格子定数レベルの極めて平坦性の高い面が形成され、例えば、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの斜面上に形成されている部分の表面の平均粗度(Ra)は1nm以下になり、基板表面の露出部1a上に形成されている部分の表面の平均粗度(Ra)は3nm以下になる。
次に、図2(a)に示すように、レジストマスク(図示せず)を使用し、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a上にソース電極7を、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a上にドレイン電極8を、夫々アンドープダイヤモンド層5と接触しない位置に形成する。その後、図2(b)に示すように、レジストマスクを(図示せず)使用して、ソース電極7とドレイン電極8との間、ソース電極7側のドレイン電極8の端面及び表面周縁部並びにドレイン電極8側のソース電極7の端面及び表面周縁部に、絶縁層9として、例えば、厚さ37nmのアルミナ膜を成膜する。そして、図2(c)に示すように、レジストマスク(図示せず)を使用し、アンドープダイヤモンド層5の上に形成された絶縁層9上に金を成膜し、ゲート電極10を形成する。
なお、選択成長法によりソース及びドレインとなる高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bを形成する場合、その間隙としたい部分に予めマスクを形成してから、ダイヤモンド成膜を行う方法が有効であるが、この方法では、ダイヤモンドはマスク部分には成長せず、その側面に接しながら成長するため、マスク側面の角度がダイヤモンドの端面形状にほぼ反映される。このため、マスクの側面が基板1表面に対して垂直であると、形成されるダイヤモンド膜の端面も垂直になってしまうことがある。この垂直な部分は、アンドープダイヤモンド層5を形成することによりほぼ消滅するが、この垂直な面が存在した部分には、不純物及び歪み等による欠陥が発生することがある。但し、この欠陥部6は、アンドープダイヤモンド層5の表面までは達せず、アンドープダイヤモンド層5の内部で終端する。
本実施形態のダイヤモンド半導体素子の製造方法においては、選択成長法により、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bを形成するため、相互に対向する端部の結晶面を選択しやすくなり、エッチピットがなく、平坦性が高いチャネル部を形成することができる。これにより、ダイヤモンド層と絶縁層とを介して形成された電極との間の絶縁性能を向上させ、界面準位及び欠陥を抑制することができるため、相互コンダクタンス及び周波数等が優れ、高耐電圧であると共に大パワーに対応可能な電界効果トランジスタを得ることができる。また、この原理は、ダイヤモンド半導体素子以外においても、選択成長において結晶面を選択しやすい結晶材料であれば適用可能である。
また、本実施形態のダイヤモンド半導体素子においては、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの端部に、ダイヤモンド基板1の表面に対して35°及び45°の傾斜角をもつ面が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、この高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層の相互に対向する斜面の角度は、ダイヤモンド基板1の表面に対して32乃至58°であればよい。また、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層の相互に対向する斜面の角度は必ずしも精密に同じである必要はない。このような傾斜角度の面は、選択成長法等により、斜面の面方位を{111}面又は{100}にすることによって形成することができる。なお、絶縁層9を均一な厚さで成膜するため及び絶縁層9への電界集中を緩和するためには、斜面の角度を小さくする方が好ましいが、例えば、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの膜厚を等しくした場合、斜面の角度が小さすぎると、この斜面が形成されている部分、即ち、膜厚が一定でない部分が多くなるため、ソース及びドレインである高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bにおける直列抵抗が増大する。このため、斜面の角度は、ダイヤモンド基板1の表面に対して32乃至58°であることが好適である。
更に、本実施形態のダイヤモンド半導体素子は、斜面が{111}面又は{100}面により形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、基板表面と{100}面又は{111}面との間の遷移面により形成されていてもよい。また、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bにおける基板1の表面に平行な面は、{110}面又は{100}面により形成されていることが好ましい。これにより、斜面の傾斜角度を容易に調節することができる。なお、斜面の欠陥準位密度を低減するためには、より低指数面により形成されていることが望ましいが、低指数面間の遷移面である高指数面が存在していても、電界集中を緩和し、絶縁破壊電圧を向上させることができる。
更にまた、基板1の表面と平行な面を{110}面により形成することにより、斜面を{111}面又は{100}面にすることができ、一方、基板1の表面と平行な面を{100}面により形成することにより、斜面を{111}面にすることができる。これにより、所定の傾斜角度が容易に得られると共に選択成長法で斜面を容易に形成することができる。このとき、斜面の結晶面を{111}面又は{100}面にすると、基板1表面に対して35°又は45°傾斜した面を形成することができる。
例えば、基板表面と平行な面を{111}面により形成した場合、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bのいずれか一方の斜面が{100}面になり、他方の斜面はその法線の基板面と平行な成分ベクトルが、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの基板面に平行で長手方向に垂直な方向に対して±60°傾く。そこで、斜面が{100}面になった方をドレイン、斜面が傾いた方をソースにすると、ソースには鋸状の端面が形成され、その頂点にソース・ドレイン間電界が集中して閾値電圧が低下するため、閾値電圧を小さくする必要がある用途においては、このような形状が有効である。しかしながら、同時にアンドープダイヤモンド層5又はチャネル及び絶縁層9内に電界集中部が生じ、絶縁耐圧が低下する。更に、ソース端面の鋸状の形状は自然に任せて形成されるため、その刃に相当する部分の大きさは制御できない。従って、安定した動作が得られないため、総合的には好ましくない。
更に、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bにおける傾斜面と基板1表面に平行な面との境界部分には、曲面又は斜面の傾斜角度よりも傾斜角度が小さい緩斜面が形成されていることが好ましい。これにより、斜面とこの斜面に隣接する面との角度変化が少なくなり、電界集中の緩和効果を向上することができると共に、アンドープダイヤモンド層5中に、転位等による欠陥及び歪みが発生することを抑制することができる。
更にまた、本実施形態のダイヤモンド半導体素子は、アンドープダイヤモンド層5の斜面の平均粗度(Ra)が1nm以下、底面部の平均粗度(Ra)が3nm以下であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの斜面の平均粗度(Ra)が1nm以下であり、アンドープダイヤモンド層5における底面部表面の平均粗度(Ra)が5nm以下であればよい。これにより、チャネル部中の電荷移動速度を安定化することができる。
なお、等方的エッチング又は、主に結晶面に依存する類の異方性エッチングによりチャネル部を形成すると、制御外のエッチピットが発生し、チャネル部の粗度が大きくなってしまう。そこで、本実施形態のダイヤモンド半導体素子においては、チャネル部をこのようなエッチング方法ではなく、ダイヤモンドの成長により形成している。これにより、この部分に形成されるアンドープダイヤモンド層表面の平均粗度(Ra)が5nm以下になり、優れた平坦性が得られる。即ち、チャネル部に形成される各ダイヤモンド層の平坦性により、それらがどのような方法で形成されたかがわかる。
更にまた、本実施形態のダイヤモンド半導体素子の製造方法においては、マスクの厚さを高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの厚さよりも厚くしているが、マスクの厚さは、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの厚さの(1/2)以上であればよい。選択成長法より高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bを形成する際に、それらの厚さの(1/2)以下の厚さのマスクを使用すると、高濃度ホウ素ドープダイヤモンドがマスク上部を覆うようにはみ出して成長するため、この部分が庇状になる。庇の下に絶縁層9を成膜することは困難であるため、好ましくない。高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bにおける斜面が形成されていない部分の厚さは、斜面が形成されていない部分の厚さの(1/2)程度であるため、マスクの厚さを、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bの厚さの(1/2)以上にすることにより、マスク上に高濃度ホウ素ドープダイヤモンド膜が形成されることを防止できる。なお、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3a及び3bを形成している間に、マスクが減ってしまう場合には、その減少分を考慮した厚さを確保すればよい。
次に、本発明の第2実施形態に係るダイヤモンド半導体素子について説明する。図3(a)乃至(f)は、本実施形態のダイヤモンド半導体素子の製造方法をその工程順に示す断面図である。本実施形態のダイヤモンド半導体素子は、先ず、図3(a)に示すように、前述の第1実施形態と同様の方法及び条件で、ダイヤモンド基板21上に、アルミナマスク22を形成し、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層23a及び23bを形成する。次に、図3(b)に示すように、アルミナマスク22を残したままで、前述の特許文献7に記載の方法で、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層23a及び23bをエッチング、即ち、エッチバックする。これにより、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層23a及び23bは、基板1の表面に対して垂直な方向にエッチングされる。このエッチバックを、ダイヤモンド基板1の表面に垂直な面が形成されている部分の厚さ(約10nm)程度行う。これにより、斜面の角度及び幅を変化させずに、チャネル領域11a側の端面に形成されたダイヤモンド基板1の表面に垂直な面をなくすことができる。
その後、マスク22をりん酸及びフッ酸でエッチングして完全に除去し、図3(c)乃至(f)に示すように、前述の第1実施形態と同様の方法及び条件で、アンドープダイヤモンド層25、ソース電極27、ドレイン電極28、絶縁層29及びゲート電極30を形成し、pip−FETとする。
選択成長法により斜面を形成する場合、マスク側面に隣接したダイヤモンドの端面には、下部に切り立った面ができてしまう。そこで、本実施形態のダイヤモンド半導体素子の製造方法においては、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層23a及び23bを形成した後、選択成長法に使用したマスクと同じマスクを使用して、これらを切り立った面が形成されている部分の厚さ分だけ垂直方向にエッチバックを行う。これにより、この切り立った面を消滅させることができる。なお、切り立った面を完全になくすことができなくても、この切り立った面が形成されている部分を少なくすることができれば、その後、アンドープダイヤモンド層25を形成した際に、切り立った面が存在することによる欠陥及び歪みの発生を少なくすることができる。
次に、本発明の第3実施形態に係るダイヤモンド半導体素子について説明する。図4は本実施形態のダイヤモンド半導体素子の構造を示す断面図であり、図5はその変形例のダイヤモンド半導体素子の構造を示す断面図である。前述の第1及び第2実施形態のダイヤモンド半導体素子は、基板上にソース及びドレインとなる第1及び第2のダイヤモンド層として高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層が形成され、これらの上に第3のダイヤモンド層としてアンドープダイヤモンド層が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図4に示すダイヤモンド半導体素子のように、ダイヤモンド基板41上にアンドープダイヤモンド層42が形成されており、その上に、ソース及びドレインとなる高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a及び43bが夫々局所的に形成されていてもよい。
本実施形態のダイヤモンド半導体素子は、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a上にソース電極47が形成され、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43b上にドレイン電極48が形成されている。また、ソース電極47及びドレイン電極48の相互に対向する端部、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a及び43b、並びにアンドープダイヤモンド層42を覆うように絶縁層49が形成されている。そして、アンドープダイヤモンド層42の上に形成された絶縁層49上には、ゲート電極50が形成されている。このように、本実施形態のダイヤモンド半導体素子は、高抵抗ダイヤモンド層であるアンドープダイヤモンド層42の上に、半導体ダイヤモンド層である高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a及び43bが夫々局所的に設けられたpip−FET素子である。なお、本実施形態のダイヤモンド半導体素子においては、アンドープダイヤモンド層42における高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a及び43bとの間の領域、即ち、その上に高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a及び43bが形成されていない領域のうち少なくとも一部の領域がチャネルとなる。
また、図5に示すダイヤモンド半導体素子のように、ダイヤモンド基板41上に第1のアンドープダイヤモンド層42が形成され、その上に、ソース及びドレインとなる高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a及び43bが夫々局所的に形成され、更にこの高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a及び43bの相互に対向する端部上に、第2のアンドープダイヤモンド層46が形成されていてもよい。このダイヤモンド半導体素子は、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a上にソース電極47が形成され、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43b上にドレイン電極48が形成されている。また、ソース電極47及びドレイン電極48の相互に対向する端部及びアンドープダイヤモンド層45を覆うように絶縁層49が形成されている。そして、アンドープダイヤモンド層45上に形成された絶縁層49上にはゲート電極50が形成されている。なお、本変形例のダイヤモンド半導体素子には、前述の第1実施形態のダイヤモンド半導体素子と同様に、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a及び43bの端部に隣接するアンドープダイヤモンド層45中に、欠陥部46が発生することがあるが、この欠陥部46は、アンドープダイヤモンド層45の表面までは達せず、アンドープダイヤモンド層45の内部で終端する。
このように、本変形例のダイヤモンド半導体素子は、高抵抗ダイヤモンド層であるアンドープダイヤモンド層42の上に、半導体ダイヤモンド層である高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a及び43bが夫々局所的に設けられ、更に、それらの間に高抵抗ダイヤモンド層であるアンドープダイヤモンド層45が設けられたpip−FET素子である。このような構造のダイヤモンド半導体素子においては、アンドープダイヤモンド層45における高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a及び43bに挟まれた領域、並びにアンドープダイヤモンド層42における高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a及び43bとの間の領域のうち少なくとも一部の領域がチャネルとなる。
第3実施形態及びその変形例のダイヤモンド半導体素子においても、前述の第1及び第2実施形態のダイヤモンド半導体素子と同様に、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a及び43bの相互に対向する端部に斜面が形成されているため、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層43a及び43bにおけるダイヤモンド基板41表面に対して垂直な部分を低減することができる。その結果、チャネル部及びその上の絶縁層49への電界集中が緩和され、この部分の絶縁破壊電圧が上昇し、性能を向上させることができる。
なお、前述の第1乃至第3実施形態のダイヤモンド半導体素子においては、第3のダイヤモンド層としてアンドープダイヤモンド層が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、基板に半導体基板を使用して、この半導体基板上にソース及びドレインとなる高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層を形成してもよい。この場合、半導体基板を経由して電荷が移送されるので、第3のダイヤモンド層であるアンドープダイヤモンド層が不要になる。
以下、ダイヤモンド薄膜を使用した電界効果トランジスタを例に、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。先ず、本発明の実施例1に係るトランジスタについて説明する。本発明の実施例1として、前述の第1実施形態のダイヤモンド半導体素子と同様の方法及び条件でpip−FETを作製した。図6は本実施例のトランジスタの一部の断面構造を示すTEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)写真である。図6に示すように、本実施例のトランジスタにおいては、表面が{110}面であるダイヤモンド基板1上に、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3aを形成し、その上にアンドープダイヤモンド層5を形成した。更に、アンドープダイヤモンド層5の上に、絶縁層9及びゲート電極10を形成した。このトランジスタにおける高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3aの端部の長手方向は<110>方位であり、アンドープダイヤモンド層5の斜面5bの斜度は約35°であった。また、斜面5bと底面5cとの境界部には斜度が約16°の緩斜面5dが形成されていた。更に、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層3aの端部の垂直な面31aに隣接するアンドープダイヤモンド層5中には、欠陥部6が発生していた。そして、本実施例のトランジスタの各電極間に電圧を印加したところ、良好な絶縁性及びFET動作を示した。
また、本実施例の比較例として、選択成長法ではなく、前述の特許文献4の第2実施例に記載のエッチング法により、ソース及びドレインとなる高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層を形成し、それらの端面が基板表面に対して垂直であるトランジスタを作製した。その際、各領域の膜厚等、形状以外の要素は本実施例のトランジスタと同様にした。そして、この比較例のトランジスタの特性と本実施例のトランジスタの特性とを比較したところ、本実施例のトランジスタは、この従来法で製造した比較例のトランジスタに比べて、絶縁耐圧が約4倍、相互コンダクタンスが約20倍、出力が約80倍、遮断周波数が約20倍であった。
次に、本発明の実施例2に係るトランジスタについて説明する。本発明の実施例2として、前述の実施例1と同様の方法でpip−FETを作製した。その際、基板表面は{100}面とした。また、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層の厚さは共に55nmとし、その相互に対向する端部の長手方向を<100>方位とした。図7はこのトランジスタの一部の断面構造を示すTEM写真である。図7に示すように、本実施例のトランジスタには、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層の相互に対向する端部に、ダイヤモンド基板11の表面から20nmの位置までほぼ垂直な面が形成されていたが、その上に、アンドープダイヤモンド層15を形成することにより、このダイヤモンド基板11表面に対して垂直な面は消滅した。但し、この面に隣接したアンドープダイヤモンド層15中には、深さ5nm以下の窪み16aが生じていた。これは、垂直な面32a付近はダイヤモンド成長がやや遅いため、この部分が埋まりきらなかったものと考えられる。また、本実施例のトランジスタにおけるアンドープダイヤモンド層15の斜面15aは{100}面となっており、その斜度は約45°であり、斜面15aと上面との境界部には斜度約33°の緩斜面15cが形成されていた。そして、本実施例のトランジスタの各電極間に電圧を印加したところ、良好な絶縁性及びFET動作を示した。
また、本実施例の比較例として、選択成長法ではなく、前述の特許文献4の第2実施例に記載のエッチング法により、ソース及びドレインとなる高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層を形成し、それらの端面に斜面が形成されていないトランジスタを作製した。その際、各領域の膜厚等、形状以外の要素は本実施例のトランジスタと同じにした。そして、この比較例のトランジスタの特性と本実施例のトランジスタの特性とを比較したところ、本実施例のトランジスタは、従来法で製造した比較例のトランジスタに比べて、絶縁耐圧が約3倍、相互コンダクタンスが約10倍、出力が約40倍、遮断周波数が約10倍であった。
次に、本発明の実施例3に係るトランジスタについて説明する。本発明の実施例3として、前述の実施例1及び2と同様の方法でpip−FETを作製した。図8はこのトランジスタの一部の断面構造を示すTEM写真である。本実施例のトランジスタにおいては、基板表面を{110}面、高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層が相互に対向する端部の長手方向を<100>方位とした。図8に示すように、本実施例のトランジスタには、アンドープダイヤモンド層25に約45°、即ち、{100}面により斜面25bが形成されており、この斜面25bと上面25aとの境界部には斜度が29°の緩斜面25dが形成され、底面25cとの境界部には斜度が16°の緩斜面25eが形成されていた。また、このアンドープ層25には欠陥部は発生していなかった。そして、本実施例のトランジスタの各電極間に電圧を印加したところ、良好な絶縁性及びFET動作を示した。
また、本実施例の比較例として、選択成長法ではなく、前述の特許文献4の第2実施例に記載のエッチング法により、ソース及びドレインとなる高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層を形成し、それらの端面に斜面が形成されていないトランジスタを作製した。その際、各領域の膜厚等、形状以外の要素は本実施例のトランジスタと同じにした。そして、この比較例のトランジスタの特性と本実施例のトランジスタの特性とを比較したところ、本実施例のトランジスタは、従来法で製造した比較例のトランジスタに比べて、絶縁耐圧が約4倍、相互コンダクタンスが約40倍、出力が約160倍、遮断周波数が約40倍であった。
(a)乃至(d)は本発明の第1実施形態のダイヤモンド半導体素子の製造方法をその工程順に示す断面図である。 (a)乃至(c)は、同じく、本発明の第1実施形態のダイヤモンド半導体素子の製造方法であって、図1(a)乃至(d)に示す工程の次の工程をその工程順に示す断面図である。 (a)乃至(f)は本発明の第2実施形態のダイヤモンド半導体素子の製造方法をその工程順に示す断面図である。 本発明の第3実施形態のダイヤモンド半導体素子の構造を示す断面図である。 本発明の第3実施形態の変形例のダイヤモンド半導体素子の構造を示す断面図である。 本発明の実施例1のトランジスタの一部の断面構造を示す図面代用写真である(TEM写真:倍率30万倍)。 本発明の実施例2のトランジスタの一部の断面構造を示す図面代用写真である(TEM写真:倍率35万倍)。 本発明の実施例3のトランジスタの一部の断面構造を示す図面代用写真である(TEM写真:倍率35万倍)。
符号の説明
1、11、21、41;ダイヤモンド基板
1a、21a;基板露出部
2、4、22;マスク
3a、3b、13a、23a、23b、43a、43b;高濃度ホウ素ドープダイヤモンド層
5、15、25、42、45;アンドープダイヤモンド層
5a、25a;上面
5b、15a、25b、31b;斜面
5c、15b、25c;底面
5d、15c、25d、25e;緩斜面
6、16、46;欠陥部
7、27、47;ソース電極
8、28、48;ドレイン電極
9、19、29、49;絶縁層
10、20、30、50;ゲート電極
16a;窪み
31a、32a、33a;垂直な面

Claims (19)

  1. 表面が{100}面又は{110}面により形成された基板と、この基板上に夫々局所的に形成された第1及び第2のダイヤモンド層と、前記第1及び第2のダイヤモンド層に夫々接触するソース及びドレイン電極と、前記第1及び第2のダイヤモンド層よりも不純物濃度が低く前記第1及び第2のダイヤモンド層間のチャネル領域となる第3のダイヤモンド層と、前記第3のダイヤモンド層の少なくとも前記チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜を介して前記第3のダイヤモンド層の少なくとも前記チャネル領域の上方に配置されたゲート電極と、を有し、前記第3のダイヤモンド層を経由して前記第1のダイヤモンド層から前記第2のダイヤモンド層に電荷が移送される半導体素子であって、前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部には、前記第1及び第2のダイヤモンド層を選択成長法により形成することにより、端部の結晶面選択した結果として斜面が形成されており、前記斜面は、{111}面若しくは{100}面又は基板表面と{100}面若しくは{111}面との間の遷移面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板に平行な面は、{111}面又は{100}面であることを特徴とするダイヤモンド半導体素子。
  2. 前記第3のダイヤモンド層は前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記斜面上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド半導体素子。
  3. 前記第3のダイヤモンド層上に前記第1及び第2のダイヤモンド層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド半導体素子。
  4. 前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記斜面は、前記基板表面に対して32乃至58°の角度で傾斜していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のダイヤモンド半導体素子。
  5. 前記第1及び第2のダイヤモンド層における前記斜面と前記基板表面に平行な面との間に、曲面又は前記斜面の傾斜角度よりも傾斜角度が小さい平面が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のダイヤモンド半導体素子。
  6. 前記基板表面が{110}面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板表面側の面における相互に対向する端部側の縁が延びる方向が<110>方向であり、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記斜面が{111}面により形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のダイヤモンド半導体素子。
  7. 前記基板表面が{110}面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板表面側の面における相互に対向する端部側の縁が延びる方向が<100>方向であり、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記斜面が{100}面により形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のダイヤモンド半導体素子。
  8. 前記基板表面が{100}面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板表面側の面における相互に対向する端部側の縁が延びる方向が<110>方向であり、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記斜面が{111}面により形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のダイヤモンド半導体素子。
  9. 前記第1乃至第3のダイヤモンド層の前記斜面の平均粗度は1nm以下であり、前記第3のダイヤモンド層における前記基板上に形成された部分の表面の平均粗度は5nm以下であることを特徴とする請求項2及び4乃至のいずれか1項に記載のダイヤモンド半導体素子。
  10. 表面が{100}面又は{110}面により形成されチャネル領域となる半導体基板と、この半導体基板上に夫々局所的に形成された第1及び第2のダイヤモンド層と、前記第1及び第2のダイヤモンド層に夫々接触するソース及びドレイン電極と、前記半導体基板の少なくとも前記チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜を介して前記半導体基板の少なくとも前記チャネル領域の上方に配置されたゲート電極と、を有し、前記半導体基板を経由して前記第1のダイヤモンド層から前記第2のダイヤモンド層に電荷が移送される半導体素子であって、前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部には、前記第1及び第2のダイヤモンド層を選択成長法により形成することにより、端部の結晶面選択した結果として斜面が形成されており、前記斜面は、{111}面若しくは{100}面又は基板表面と{100}面若しくは{111}面との間の遷移面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板に平行な面は、{111}面又は{100}面であることを特徴とするダイヤモンド半導体素子。
  11. 前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記斜面は、前記基板表面に対して32乃至58°の角度で傾斜していることを特徴とする請求項10に記載のダイヤモンド半導体素子。
  12. 前記第1及び第2のダイヤモンド層における前記斜面と前記基板表面に平行な面との間に、曲面又は前記斜面の傾斜角度よりも傾斜角度が小さい平面が形成されていることを特徴とする請求項10又は11に記載のダイヤモンド半導体素子。
  13. 表面が{100}面又は{110}面により形成された基板上にソース又はドレインとなる第1及び第2のダイヤモンド層を夫々局所的に形成する工程と、前記第1及び第2のダイヤモンド層よりも不純物濃度が低く前記第1及び第2のダイヤモンド層間のチャネル領域となる第3のダイヤモンド層を形成する工程と、前記第1及び第2のダイヤモンド層に夫々接触するソース及びドレイン電極を形成する工程と、を有し、前記第1及び第2のダイヤモンド層の形成工程においては、前記第1及び第2のダイヤモンド層を選択成長法により形成することにより、端部の結晶面を選択した結果として前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部には斜面形成され、前記斜面は、{111}面若しくは{100}面又は基板表面と{100}面若しくは{111}面との間の遷移面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板に平行な面は、{111}面又は{100}面であることを特徴とするダイヤモンド半導体素子の製造方法。
  14. 前記第1及び第2のダイヤモンド層を形成する際に使用するマスクは、前記第1及び第2のダイヤモンド層の最も厚い部分の(1/2)以上の厚さにすることを特徴とする請求項13に記載のダイヤモンド半導体素子の製造方法。
  15. 前記第1及び第2のダイヤモンド層を形成した後、前記第1及び第2のダイヤモンド層を前記基板表面に垂直な方向にエッチングすることを特徴とする請求項13又は14に記載のダイヤモンド半導体素子の製造方法。
  16. 前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部の下部に、前記基板に対して垂直な面が形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部の上部に形成された前記斜面上に前記第3のダイヤモンド層を形成する場合、前記第3のダイヤモンド層の厚さは、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記垂直な面が形成されている部分の厚さよりも厚くすることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載のダイヤモンド半導体素子の製造方法。
  17. 表面が{100}面又は{110}面により形成されチャネル領域となる半導体基板上にソース又はドレインとなる第1及び第2のダイヤモンド層を夫々局所的に形成する工程と、前記第1及び第2のダイヤモンド層に夫々接触するソース及びドレイン電極を形成する工程と、前記半導体基板の少なくとも前記チャネル領域上にゲート絶縁膜を形成する工程と、このゲート絶縁膜上における前記半導体基板の少なくとも前記チャネル領域の上方にゲート電極を形成する工程と、を有し、前記第1及び第2のダイヤモンド層を選択成長法により形成することにより、端部の結晶面を選択した結果として前記第1及び第2のダイヤモンド層の相互に対向する端部には斜面形成され、前記斜面は、{111}面若しくは{100}面又は基板表面と{100}面若しくは{111}面との間の遷移面により形成されており、前記第1及び第2のダイヤモンド層の前記基板に平行な面は、{110}面又は{100}面であることを特徴とするダイヤモンド半導体素子の製造方法。
  18. 前記第1及び第2のダイヤモンド層を形成する際に使用するマスクは、前記第1及び第2のダイヤモンド層の最も厚い部分の(1/2)以上の厚さにすることを特徴とする請求項17に記載のダイヤモンド半導体素子の製造方法。
  19. 前記第1及び第2のダイヤモンド層を形成した後、前記第1及び第2のダイヤモンド層を前記基板表面に垂直な方向にエッチングすることを特徴とする請求項17又は18に記載のダイヤモンド半導体素子の製造方法。
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