JP4683795B2 - レンズ移動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真用カメラや電子スチルカメラ等に用いられるレンズ移動装置に関し、さらに詳しくは、不使用時にレンズをカメラボディに沈胴させる収納位置に移動するレンズ移動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ズームレンズカメラを用いたカメラではその多くがレンズの沈胴機構を備え、不使用時にはレンズ鏡筒をカメラボディ内に収納して携帯性を図っている。収納位置にレンズ鏡筒を収納するときには、レンズ鏡筒に組み込まれた各レンズ群の間隔が広すぎると大きな収納スペースが必要となってカメラボディの厚みが厚くなる。このような不都合を解消するために、特許第2925197号公報に提案されている光学装置では、第1の駆動手段の駆動で全体の光学系を収納位置に移動するとともに、焦点調節動作のための第2の駆動手段の駆動で収納動作時に光学系を構成する第1のレンズユニットをこれよりも前方の光学系を構成する第2のレンズユニットに対し接近させ、各レンズ群を互いに干渉させずに収納位置まで一斉に移動させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した公報記載の光学装置では、収納動作時に第1の駆動手段とともに第2の駆動手段を駆動する。また、収納位置から撮影位置に移動させる撮影準備動作時にも逆に第1のレンズユニットを第2のレンズユニットから離すために第1及び第2の駆動手段とを駆動させる。このように両方の駆動手段をそれぞれ駆動すると、収納動作及び撮影準備動作時に電池の消耗が多くなる。
【0004】
本発明は上記の事情を考慮してなされたもので、レンズ鏡筒を沈胴させる収納スペースをできるだけ小さくするとともに、これに伴う電池の消耗を極力少なくすることができるレンズ移動装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のレンズ移動装置では、第1レンズ群を保持する第1保持枠と;前記第1保持枠に撮影光軸方向に移動自在に支持されており、前記第1レンズ群に対して被写体側、又は像面側に配されている第2レンズ群を保持する第2保持枠と;前記第1保持枠に支持されており、合焦時に前記第2保持枠を前記第1保持枠に対して間隔が変化するように移動させる第1の駆動手段と;変倍及び収納時に前記第1保持枠を撮影位置と収納位置との間で移動させるための第2の駆動手段と;を備えたレンズ移動装置において、前記第1の駆動手段を、合焦用モータと、前記合焦用モータの駆動により回転する送りネジと、前記送りネジの回転により撮影光軸と平行な方向に移動する移動台と、で構成し、前記第2保持枠に設けられており、前記移動台に撮影光軸の被写体側から当接する当接部と;前記当接部が前記移動台に当接するように前記第2保持枠を付勢する付勢手段と;前記第2保持枠よりも被写体側、又は像面側に設けられており、前記第2駆動手段の駆動により前記第1保持枠を収納位置に向けて移動する収納動作の過程で、前記第2保持枠に当接することで前記付勢手段の付勢に抗して前記当接部を前記移動台から離反させて第2保持枠を第1保持枠に向けて寄せる間隔詰め手段と;前記第1保持枠に支持されており、前記当接部が前記移動台に当接しているときに前記第1保持枠に対して撮影光軸上における前記第2保持枠の位置が予め設定した合焦用初期位置(フォーカス初期位置)にあるか否かを検出するとともに、前記第1保持枠を前記収納位置から前記撮影位置に移動したときに前記当接部が前記移動台に当接し、かつ前記合焦用初期位置にあるか否かを検出する初期位置検出手段と;を備えたものである。
【0006】
これによれば、第1の駆動手段の移動台と第2保持枠の当接部とを係脱自在に設け、変倍・収納用モータのみを駆動して光学系を収納位置に向けて一斉に移動する収納動作時に、間隔詰め手段が付勢手段の付勢に抗して当接部を移動台から離反させて第2保持枠を第1保持枠に向けて寄せて当接部と移動台との係合を解除する。
【0007】
第2保持枠を光学系の最も結像面側に配した場合には、第2保持枠の後方にある固定筒に設けたストッパーを間隔詰め手段とするのが望ましい。また、第2保持枠を第1保持枠の前に配した場合には、収納動作時に第2保持枠の前に配された前記光学系を構成する第3レンズ群を保持する第3保持枠が収納位置に移動し、その移動中に第3保持枠が第2保持枠に当接して第2保持枠を第1保持枠に向けて寄せることで移動台と当接部との係合が解除される。この場合には、間隔詰め手段が第3保持枠に相当する。
【0008】
【発明の実施の形態】
カメラのズームレンズ10は、図1乃至図3に示すように、被写体側から順に第1乃至第3レンズ群11〜13との3群で構成されており、これらのレンズ群11〜13を保持し、また光軸Oの方向に移動させるために、固定筒14、カム筒15、第1レンズ保持枠16、第2レンズ保持枠17、及び第3レンズ保持枠18とが用いられている。
【0009】
第1レンズ保持枠16には第1レンズ群11が固定され、第2レンズ保持枠17には第2レンズ群12が固定されている。固定筒14には、光軸Oと平行に延びる直進ガイド開口19が形成されている。カム筒15の内周には、第1レンズ保持枠16を移動させるための第1カム溝20と、第2レンズ保持枠17を移動させるための第2カム溝21とがそれぞれ形成されている。
【0010】
固定筒14の外部には、変倍用モータ22が固定されている。変倍用モータ22は、光軸Oを中心とする周方向にカム筒15を回動させる。第1レンズ保持枠16には、直進ガイド開口19を通して第1カム溝20に係合する第1カムフォロアー23が光軸Oを中心とする3分割位置にそれぞれ設けられている。第2レンズ保持枠17には、直進ガイド開口19を通して第2カム溝21に係合する第2カムフォロアー24が光軸Oを中心とする3分割位置にそれぞれ設けられている。
【0011】
第1レンズ保持枠16は、変倍用モータ22の駆動により固定筒14から被写体側に突出する位置と、固定筒14の内部に収納される収納位置との間で移動する。なお、図示していないが、固定筒14は外周がカメラボディに覆われており、第1レンズ保持枠16は収納位置に移動したときにカメラボディ内に沈胴した状態となる。また、第2レンズ保持枠17は、変倍時には第1レンズ保持筒16に対して間隔を変え、また収納位置では結像面側に近寄る。なお、結像面は符号25で示しており、ここには例えばCCDイメージセンサ26が固定される。
【0012】
第2レンズ保持枠17には、光軸Oを中心とする周方向の3分割位置にそれぞれガイド棒27が固定されている。また第3レンズ保持枠18には3本のガイド棒27に係合する軸受け部28がそれぞれ設けられている。これにより、第2レンズ保持枠17は、第3レンズ保持枠18を光軸Oの方向に移動自在に支持する。
【0013】
第2レンズ保持枠17には、合焦用モータ30が固定されている。合焦用モータ30の軸には、送りネジ31が取り付けられている。送りネジ31は、移動台32に設けたネジ部33に螺合している。移動台32は、第3レンズ保持枠17に設けた回転止め用ガイド棒34に係合して回転止めされながら送りネジ31の回転により光軸Oの方向に移動する。
【0014】
移動台32は、第3レンズ保持枠18の当接部18aに係脱自在に連結されており、第3レンズ保持枠18を第2レンズ保持枠17に寄せる方向に向けて移動したときに当接部18aに片当たりして係合する。そして、第2レンズ保持枠17には、第3レンズ保持枠18を第2レンズ保持枠17から離す方向に、すなわち当接部18aを移動台32に押し当てる方向に向けて付勢する付勢バネ35がが設けられている。付勢バネ27は、圧縮コイルバネとなっており、複数のガイド棒27にそれぞれ挿入して配されている。これら付勢バネ35の付勢により常に移動台32と当接部18aとが係合した状態となり、合焦時には合焦用モータ30が駆動することで移動台32を介して第3レンズ保持枠18が第2レンズ保持枠17に対して間隔を変えるように移動してピント調節がなされる。
【0015】
固定筒14には、光軸O上の最も結像面側にストッパー枠36が形成されている。ストッパー枠36は、内部が被写体光を通過させるための露光用開口14aとなっており、収納動作時に被写体側の前面36aが第3レンズ保持枠18の後面18bに当接して第3レンズ保持枠18を付勢バネ35の付勢に抗して第2レンズ保持枠17に向けて寄せる。
【0016】
カム筒15の回転量は、カム筒回転位置検出部37で検出される。このカム筒回転位置検出部37は、カム筒15の外周に沿わして設けられたコード板37aと、コード板37aに摺動する摺動子37bとから構成されている。制御部38は、摺動子37bを介してコード板37aからカム筒15の回転位置に対応するコードを読み取ることで、ズームレンズの収納位置及び変倍位置を特定する。
【0017】
合焦用モータ30は、パルスモータとなっている。第3レンズ保持枠18の原点位置は、第2レンズ保持枠17から離れたフォーカス初期位置(ピント調節範囲のうちの無限大位置)となっている。この位置は、第3レンズ保持枠18に設けた遮光板39を第2レンズ保持枠17に設けたフォトセンサ40で検知することで特定することができる。
【0018】
制御部38には、カメラの外部に設けられた電源スイッチ41、シャッタボタン42、及びズームレバー43等が接続されている。シャッタボタン42の半押し操作でAF回路44が作動し、合焦動作が行われる。合焦動作時には、その時点の変倍位置とAF回路44から得られる被写体距離との組み合わせで決まる合焦位置を求め、その合焦位置に対応するパルス信号をドライバー45に送ることで合焦用モータ30を回転して、第3レンズ保持枠18をフォーカス初期位置から合焦位置に向けて移動させる。また、制御部38は、撮像完了後に合焦用モータ30を逆方向に回転して第3レンズ保持枠18をその時点の合焦位置からフォーカス初期位置に戻す。このような合焦動作のプログラムはメモリ46に記憶されている。
【0019】
電源スイッチ41をOFFすると、収納動作が行われる。収納動作は、変倍用モータ22のみを駆動してズームレンズ10を収納位置に移動させる。電源スイッチ41をONすると、撮影準備動作が行われる。撮影準備動作は、変倍用モータ22のみを駆動して第1及び第2レンズ保持枠16,17をそれぞれ固定筒14から被写体側に向けて繰り出し、ズームレンズ10を収納位置からワイド端にセットする。このような収納動作及び撮影準備動作のプログラムは、メモリ46に記憶されている。
【0020】
ズームレバー43は、例えばシーソー式に操作されるレバーからなり、テレ端側とワイド端側との何れか一方に操作される。制御部38は、ズームレバー43の操作に応答してドライバー47を介して駆動信号を送ることで変倍用モータ22の駆動時間及び回転方向を制御する。このような変倍動作のプログラムもメモリ46に記憶されている。
【0021】
図4は、カム筒15の回転位置に対する各レンズ群の動きを示している。ズームレンズ10は、収納位置とワイド位置との間で移動される。テレ位置は、収納位置とワイド位置との間に設定されている。ズームレンズ10が収納位置のときには、カム筒15の回転位置が初期位置となっている。レンズ繰出し方向に向けたカム筒15の回転は、初期位置から終端位置に向けた方向である。
【0022】
カム筒15の回転域は、変倍域と収納域とからなる。変倍域では、ズームレンズ10をテレ端とワイド端との間で変倍する。収納域は、撮影準備動作、又は収納動作のときにカム筒15が回転する域である。変倍域では、第1及び第2レンズ保持枠16,17が互いの間隔が異なるように光軸Oの方向にそれぞれ移動してズームレンズ10の焦点距離が連続的に変化する。
【0023】
収納域では、変倍位置にセットされた第1及び第2レンズ保持枠16,17が収納位置に向けてそれぞれ移動する。このとき、第3レンズ保持枠18は、第2レンズ保持枠17と一緒に収納位置に向けて移動し、その移動中にストッパー枠36に当接して第2レンズ保持枠17に向けて寄せられる。この第3レンズ保持枠18が寄るタイミングは、カム筒15が収納域のうちの回転位置Fに回転したときとなっている。
【0024】
収納動作時には、変倍用モータ22のみが連続的に駆動され、その駆動中に第3レンズ保持枠18がストッパー枠36に当接する。これにより、収納動作を短時間で行える。なお、収納動作時には、合焦用モータ30が駆動されることはない。収納動作が完了すると、第1及び第2レンズ保持枠16,17がそれぞれ収納位置J,Kに位置する。そして、第3レンズ保持枠18は、フォーカス初期位置のときよりも第2レンズ保持枠17に接近した位置Lとなっている。
【0025】
撮影準備動作時にも沈胴動作時と同じに、変倍用モータ22のみが連続的に駆動され、第1及び第2レンズ保持枠16,17が被写体側に向けて繰り出される。そして、第3レンズ保持枠18も第2レンズ保持枠17と一緒に移動し、カム筒15が回転位置Fに到達したときに第3レンズ保持枠18に移動台32が係合してストッパー枠36から離れる。移動台32が当接部18aに係合したときには、第3レンズ保持枠18が第2レンズ保持枠17に対するフォーカス初期位置となる。このため、撮影準備状態が迅速に行える。
【0026】
次に、上記実施形態の作用を説明する。カメラの不使用状態では、ズームレンズ10が収納位置の状態となっている。収納位置では、図1及び図5に示すように、第1レンズ移動筒16が固定筒14の内部に繰り込んだ収納位置Jに、また、第2レンズ保持枠17が第1レンズ保持枠16に接近した収納位置Kに、さらに、第3レンズ保持枠18は後面18bがストッパー枠36の前面36aに当接し、第2レンズ保持枠17に接近した収納位置Lにそれぞれセットされている。
この状態では、移動台32と当接部18aとの係合が解除されている。
【0027】
カメラを使用するときには、電源スイッチ41をONにする。制御部38は、電源スイッチ41のONに応答してドライバ47を介して変倍用モータ22のみを駆動する。この変倍用モータ22の駆動は、カム筒15に伝達され、カム筒15が初期位置から終端位置に向けて回転する。カム筒15が回転すると、第1レンズ保持枠16は、第1カム溝20の光軸Oの方向に沿った変位に応じて、また第2レンズ保持枠17は第2カム溝21の光軸Oの方向に沿った変位に応じてそれぞれ被写体側に向けて繰り出される。
【0028】
第2レンズ保持枠17は、合焦用モータ30、送りネジ31、移動台32、付勢バネ35,及びガイド棒27,34とを一緒に移動させる。そして、第3レンズ保持枠18は、カム筒15が回転位置Fに達するまでは付勢バネ35の付勢によりストッパー枠36に当接した状態でガイド棒27にガイドされながらその位置で維持され、またカム筒15が回転位置Fに達したときに当接部18aが移動台32に係合して第2レンズ保持枠17と一緒に移動する。当接部18aが移動台32に係合したときには、第3レンズ保持枠18がフォーカス初期位置となる。
【0029】
制御部38は、カム筒回転位置検出部37からの信号を監視し、カム筒15がテレ端位置を通過しワイド端位置に達したことを識別すると、変倍用モータ22の駆動を停止する。これによりズームレンズ10は、撮影準備動作が完了した状態となる。
【0030】
撮影するときには、ズームレバー43を操作してズーミングを行う。この操作のときには、制御部38がズームレバー43の操作方向及び時間を監視し、これらに応じた回転方向及び時間で変倍用モータ22の駆動を制御する。これにより、カム筒15が変倍域内で回動してズームレンズ10が所望の変倍位置にセットされる。このとき、第3レンズ保持枠18は、第2レンズ保持枠17と一緒に移動することでその時点の変倍位置に対応したフォーカス初期位置となる。
【0031】
撮影を行うときには、シャッタボタン42の半押し操作に応答して制御部38は、AF回路44を駆動し、AF回路44から得られた被写体距離の情報とその時点の変倍位置の情報との組み合わせから予めメモリ46に記憶されたテーブルを参照して第3レンズ保持枠18の移動量を求める。
【0032】
制御部38は、その移動量に対応したパルス信号をドライバ45に送って合焦用モータ30の駆動を制御する。これにより、第3レンズ保持枠18は、その時点の変倍位置に対応したフォーカス初期位置から第2レンズ保持枠17に対して接近する方向に移動し、ズームレンズ10のピントが被写体に合焦する。そして、半押し操作から引き続いてシャッタボタン42の全押し操作が行われることで、CCDイメージセンサ26での撮像が行われる。そして撮像完了後には、合焦用モータ30のみを駆動して第3レンズ保持枠18をフォーカス初期位置に戻す。
【0033】
なお、CCDイメージセンサ26の撮像により得られた画像データは、データ処理回路に取り込まれる。データ処理回路は、画像データに対してホワイトバランス調節、ガンマ補正などの各種データ処理を行う。また、データ処理回路からの画像データは、AE処理回路にも送られる。このAE処理回路は、入力される各画像データと、その時点でCCDドライバにセットされているCCDイメージセンサの電荷蓄積時間、すなわち電子シャッタのシャッタ秒時とに基づいてCCDイメージセンサの被写体輝度の測光値を算出する。そして、制御部38は、この測光値に基づいて新たな電子シャッタのシャッタ秒時を決定し、このシャッタ秒時をCCDドライバにフィードバックする、これにより、CCDイメージセンサ26の駆動が調節され、AE制御が行われる。
【0034】
カメラを不使用状態にするには、電源スイッチ41をOFFに操作する。制御部38は、電源スイッチ41のOFFに応答して変倍用モータ22のみを逆転駆動する。この駆動によってカム筒15が初期位置に向けて回転する。この回転により第1及び第2のカム溝20,21の光軸Oの方向に沿った変位に従って第1及び第2レンズ保持枠16,17がそれぞれ結像面側に向けて繰り込まれる。このとき第3レンズ保持枠18は、付勢バネ35の付勢により当接部18aが移動台32に係合した状態であるため第2レンズ保持枠17と一緒に移動する。そして、カム筒15の回転位置が回転位置Fに達したときに、第3レンズ保持枠18の後面18bがストッパー枠36の前面36aに当接してその移動が止められる。このとき、第2レンズ保持枠17の結像面側に向けての移動が継続されているため、第3レンズ保持枠18は付勢バネ35の付勢に抗して第2レンズ保持枠17に向けて寄せられ、当接部18aと移動台32との係合が解除される。
【0035】
カム筒15が初期位置に到達したときには、変倍用モータ22の駆動が停止される。これにより、第1及び第2レンズ保持枠16,17が収納位置J,Kにそれぞれ位置する。そして、第3レンズ保持枠18は、移動台32との係合が解除された状態で第2レンズ保持枠17に対し接近した収納位置Lに位置する。
【0036】
ここで、上記実施形態の第2レンズ保持枠17が本発明の第1保持枠に、また、上記実施形態の第3レンズ保持枠18が本発明の第2保持枠に、さらに、上記実施形態の変倍用モータ22が本発明の変倍・収納用モータに、それぞれ相当する。また、上記実施形態のストッパー枠36が本発明の間隔詰め手段に、さらに、上記実施形態の付勢バネ35が本発明の付勢手段に、さらにまた、上記実施形態のフォトセンサ40が本発明の初期位置検出手段に、それぞれ相当する。
【0037】
上記実施形態では、合焦用モータ30を合焦時のみに駆動するモータとしているが、本発明ではこれに限らず変倍時にも第3レンズ保持枠18を移動するための変倍兼用の合焦用モータとしてもよい。また、第1及び第2レンズ保持枠16,17をカム機構により進退させる構造としているが、本発明ではこれに限らずヘリコイド機構など周知の機構であればいずれの機構を用いることができる。
【0038】
また、上記実施形態では、カム筒15の回転位置で変倍位置を識別しているが、本発明ではこれに限らず、カム筒15の回転量で識別してもよいし、また、第1又は第2レンズ保持枠16,17の移動量又は移動位置で識別してもよい。
【0039】
上記実施形態では、3群構成のズームレンズとしているが、本発明ではこれに限らず、2群構成でもよいし4群以上の構成でもよい。また、被写体側から順に第1乃至第3レンズ保持枠16〜18を配置しているが、本発明ではこの順番に限ることはなく、例えば第2レンズ保持枠17の被写体側に第3レンズ保持枠18を移動自在に支持してもよい。この場合には、収納動作時に結像面側に移動してくる第1レンズ保持枠16に第3レンズ保持枠18を当接させて第3レンズ保持枠18を第2レンズ保持枠17に対し接近した位置に寄せる構造にすればよい。この例では、第3レンズ保持枠18の前方に位置する第1レンズ保持枠16の後面で第3レンズ保持枠18を寄せるため、第1レンズ保持枠16の後面が間隔詰め手段となる。
【0040】
さらに、上記実施形態では、ズームレンズカメラとしているがこれに限らず、例えばテレ位置、ワイド位置、及び収納位置とに切り換わる2焦点カメラにも本発明を適用することができる。さらにまた、収納位置とワイド位置との間にテレ位置を設定しているが、収納位置とテレ位置との間にワイド位置を設定することも可能である。この場合には、変倍用案内域と収納用案内域との境界がワイド位置となる。さらに、上記実施形態のズームレンズでは、カメラボディの内部に沈胴した位置を収納位置としているが、本発明の収納位置としてはカメラボディに沈胴する位置に限らず、カメラボディの前面に設けたレンズフードに入り込む位置としてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、電源スイッチ41の操作に応答して撮影準備動作又は収納動作を行うように構成しているが、本発明ではこれに限らず、例えば、撮影レンズを保護する保護カバーをカメラの前面に開閉自在に設け、保護カバーの開閉操作に応答して撮影準備動作又は収納動作を行うように構成してもよい。
【0042】
さらに、本発明は、電子スチルカメラ以外に、例えば写真用カメラにも採用することができる。また、AF回路44としては、投光器及び受光器を内蔵したアクティブオートフォーカス回路やCCDイメージセンサから得られる像のコントラストを利用して合焦か否かを判断するコントラスト法を用いた回路を利用することができる。
【0043】
また、上記実施形態では、第3レンズ保持枠18のファーカス初期位置を調整することができるように構成しておくのが好適である。この場合、フォトセンサ40の位置をずらす方法や第3レンズ保持枠18に対し第3レンズ群13を光軸方向にずらす方法、及び遮光板39をフォトセンサ40で検出してから所定パルスの分だけモータ30を駆動して電気的に初期位置をずらす方法などを採用することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明のレンズ移動装置では、第2の駆動手段のみを駆動して第1保持枠と一緒に第2保持枠を収納位置に向けて移動する収納動作時に、間隔詰め手段が第2保持枠に当接することで前記移動台と当接部とを離して第2保持枠を第1保持枠に向けて寄せるようにしたから、収納動作時に第2の駆動手段の駆動のみで第1及び第2保持枠との間隔を詰めることができる。これにより、収納動作時に第1の駆動手段を構成する合焦用モータを駆動する必要がなくなり、よって収納動作時及び撮影準備動作時の電池の消耗を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズ移動装置を利用したズームレンズを示した端面図であり、収納位置の状態を示している。
【図2】テレ位置のときのズームレンズを示した端面図である。
【図3】ワイド位置のときのズームレンズを示した端面図である。
【図4】カム筒の回転量に対するズームレンズの光軸方向への移動量を示した説明図である。
【符号の説明】
14 固定筒
15 カム筒
16 第1レンズ移動筒
17 第2レンズ保持枠
18 第3レンズ保持枠
18a 当接部
22 変倍用モータ
30 合焦用モータ
32 移動台
Claims (2)
- 第1レンズ群を保持する第1保持枠と、
前記第1保持枠に撮影光軸方向に移動自在に支持されており、前記第1レンズ群に対して被写体側、又は像面側に配されている第2レンズ群を保持する第2保持枠と、
前記第1保持枠に支持されており、合焦時に前記第2保持枠を前記第1保持枠に対して間隔が変化するように移動させる第1の駆動手段と、
変倍及び収納時に前記第1保持枠を撮影位置と収納位置との間で移動させるための第2の駆動手段と、を備えたレンズ移動装置において、
前記第1の駆動手段を、合焦用モータと、前記合焦用モータの駆動により回転する送りネジと、前記送りネジの回転により撮影光軸と平行な方向に移動する移動台と、で構成し、
前記第2保持枠に設けられており、第1保持枠が収納位置から撮影位置に移動したときに前記移動台に撮影光軸方向から当接する当接部と、
前記当接部が前記移動台に当接するように前記第2保持枠を付勢する付勢手段と、
前記第2保持枠よりも被写体側、又は像面側に設けられており、前記第2駆動手段の駆動により前記第1保持枠を前記収納位置に向けて移動する収納動作の過程で、前記第2保持枠に当接することで前記付勢手段の付勢に抗して前記当接部を前記移動台から離反させて第2保持枠を第1保持枠に向けて寄せる間隔詰め手段と、
前記第1保持枠に支持されており、前記当接部が前記移動台に当接しているときに前記第1保持枠に対して撮影光軸上における前記第2保持枠の位置が予め設定した合焦用初期位置にあるか否かを検出するとともに、前記第1保持枠を前記収納位置から前記撮影位置に移動したときに前記当接部が前記移動台に当接し、かつ前記合焦用初期位置にあるか否かを検出する初期位置検出手段と、
を備えたことを特徴とするレンズ移動装置。 - 前記第1及び第2レンズ群は、複数のレンズ群からなる光学系に含まれており、前記第2保持枠を前記光学系のうちの最も結像面側に配し、前記間隔詰め手段を、前記光学系を支持する固定筒に設けたストッパーとしたことを特徴とする請求項1記載のレンズ移動装置。
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