JP4680910B2 - シール構造、流体機器、集積弁及びシール部材 - Google Patents

シール構造、流体機器、集積弁及びシール部材 Download PDF

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Description

本発明は、半導体薬液などの液体を流す流路上の接続部においてシール部材を挟み込でシールするシール構造に関し、特にそのシール部材によってできる液体の滞留部分をなくしたシール構造に関する。
半導体製造装置などでは弁の集積化のため、例えば図25に示すように、流路が形成された流路ブロック1101上に、上流側からポンプ上流バルブ、洗浄用液体ストップバルブ、ポンプ、ポンプ下流バルブ、フィルタ、フィルタの気泡抜き用バルブなどの流体機器1102を搭載した集積弁1001が構成される。そうした集積弁1001を構成するために、流体機器1102を搭載する場合には、図26に示すように、流路1111,1112同士の接続部分には液漏れを防止するためのOリング1103などのシール部材が入れられている。図27は、図26に破線D部分で囲んだシール部分を示した拡大図断面である。
流路ブロック1101と流体機器1102のボディ1121には流路1111,1112が形成され、両流路同士が接続される流路接続部分にはOリング1103を装填するためのスペースをもったシール保持部1130が形成され、流体機器1102を流路ブロック1101に連結する場合にはそこにOリング1103が挟み込まれる。Oリング1103はゴム材によって形成されたものであり、その形状は図27に破線で示すように円形であるが図示するように押し潰されて変形し、流路ブロック1101と流体機器1102のボディ1121に密着する。そのため、流路の接続部分が気密にシールされて流れる液体が漏れ出ないようになる。
米国特許第5505464号明細書
しかしながら、単にOリング1103を挟み込んだだけでは図27に示すように流路ブロック1101や流体機器1102のボディ1121とOリング1103との間に入り込んだ空間ができてしまい、そこが液体の流れを滞らせる滞留部1150となってしまう。そして、流路中にこうした滞留部1150ができると、例えばレジスト液を流した場合に液が滞留部1150に堆積してしまい、更にそのまま固着してしまう問題があった。
そこで本発明は、かかる課題を解決すべく、シール部分においてシール部材による滞留部が生じないようにしたシール構造、流体機器、集積弁及びシール部材を提供することを目的とする。
本発明のシール部材および該シール部材を備えるシール構造は、上記目的を達成するために、以下の構成を有する。
)流路接続部分に流路内側に開放して形成された環状のシール保持部に挟み込まれて弾性変形し、流路接続部分を気密にシールするシール部材において、前記シール保持部に密着してシール面を形成する第1側面と第2側面を有し、前記第1側面と前記第2側面の内側を接続する内側面に、前記第1側面から前記第2側面へと小径になるテーパが形成され、前記第1側面と前記第2側面の外側を接続する外側面に、係合部が前記第1側面寄りに突設されていることを特徴とする。
)()に記載の発明において、前記テーパの傾斜幅が、前記係合部の突出幅とほぼ同じ幅に設定されていることを特徴とする。
)()又は()に記載の発明において、前記第1側面と前記第2側面の内側面側端部が軸方向に最も張り出していることを特徴とする。
)()乃至()に記載の発明のいずれか一つにおいて、前記第1側面及び前記第2側面が内側面側端部から所定位置まで平ら状、テーパ状又は円弧状に形成されていることを特徴とする。
(1)乃至(4)に記載するシール部材のいずれか一つにおいて、
前記係合部にスリットが設けられていることを特徴とするシール部材。
(1)乃至(5)に記載するシール部材のいずれか一つを備えるシール構造において、
前記シール部材を前記シール保持部に挟み込んで前記係合部を押し潰した状態で配設すると、該シール部材が、内側面の第1側面側を内側に押し出し、外側面を外押え面に当接することを特徴とするシール構造。
本発明のシール構造は、シール部材を構成部品として組み上げたものであり、シール部材の形状等に特徴を有する。シール部材を装着したシール構造では、流路部材などを分解しなければ、シール部材の形状等を特定することができない。そのため、出願人らは、シール構造の他、シール部材についても権利取得を希望している。従って、シール部材は、実質的に、シール構造と同様の作用及び効果を有する。これを前提として本発明の作用及び効果を説明する。
なお、シール部材とは、流路接続部分をシールする部材であり、ゴム製のパッキンやガスケットのように弾性変形するものと、樹脂製や金属製のパッキンやガスケットのように塑性変形するものを含むものとする。
ここで、ゴム部材の外周に樹脂製の芯部材を設けたシール部材を使用するシール構造は、シール性能が優れているものの、材料費や加工費が嵩み、コスト高になる問題があった。これに対して、本発明のシール構造のように、シール保持部が、流路側の内側が開放して第1押え面と第2押え面と外押え面とを有し、シール部材が、第1押え面に当接する第1側面と、第2押え面に当接する第2側面とを有し、シール保持部の内側に位置する内側面に第1側面側から第2側面側に向かって小径となるテーパを形成され、外押え面側に位置する外側面の第1側面側寄りにシール保持部に係合する係合部を突設されており、シール部材をシール保持部に挟み込んで係合部を押し潰した状態で、シール部材が、内側面の第1側面側を内側に押し出し、外側面を外押え面に当接するように構成するようにすれば、シール部材の第1側面と第2側面の内側面側端部がシール保持部の開放側端部をシールし、シール部材とシール保持部の第1押え面と第2押え面との間に流体が入り込みにくく、滞留部や堆積部が発生しにくい。そして、このシール構造では、シール部材の外側面とシール保持部の外押え面との間で内側面に作用する圧力を支持するので、シール部材の剛性が向上し、たとえば、シール部材の内側面に高圧流体の圧力が作用した場合でも、シール面が位置ずれしない。さらに、シール部材は、単一材料で形成されているため、材料費や加工費が安価である。よって、本発明のシール構造によれば、安価なシール部材を用いて安定したシール性能を発揮することができ、滞留部や堆積部が発生しにくい。
また、本発明のシール構造によれば、シール部材は、第1側面及び第2側面の内側面側縁部が軸方向に最も張り出し、シール保持部に挟み込まれたシール状態で、第1側面及び第2側面の内側面側縁部が第1押え面及び第2押え面の流路面側端部に位置するように構成したことにより、第1側面と第2側面の内側面側端部がシール保持部の第1押え面と第2押え面の開放側端部に押し付けられてシールするので、シール保持部において第1押え面および第2押え面とシール部材の内側面とが連続する部分の液体の流れが良くなり滞留が生じ難い。
また、本発明のシール構造によれば、シール部材が、第1側面及び第2側面の第1押え面及び第2押え面にシールするシール面を平ら状、テーパ状又は円弧状に形成されており、係合部を押し潰してシール部材の第1側面側をシール保持部に挿入し、シール部材が第1側面側を内側へ移動させるように回転すると、第1側面のシール面の一部がシール保持部の第1押え面に押し付けられ、第1側面の内側面側端部がシール保持部の第1押え面から浮いた状態になるので、シール部材の第2側面側をシール保持部に挿入し、シール部材をシール保持部の間で挟み込むときに、シール部材の第1側面と第2側面の内側面側端部がシール保持部の第1押え面と第2押え面に垂直に押し付けることができ、シール力を効率よく発生させることができる。
また、本発明のシール構造では、シール部材が係合部にスリットを設けられているので、シール部材の第1側面とシール保持部の第1押え面との間、及び、シール部材の第2側面とシール保持部の第2押え面との間に形成される隙間をスリットを介して連通させ、さらに流路部材の接合面を介して外気に連通させるので、シール部材とシール保持部との間に形成された空気溜まりの空気を外気に積極的に排出し、空気が流路側に回り込んで気泡を発生させない。
上記作用及び効果を奏するシール構造を備える流体機器又は集積弁によれば、流体の滞留部や堆積部の発生を低減することができる。
次に、本発明に係るシール構造の実施形態について以下に説明する。
(第1参考形態)
まず、本発明の第1参考形態について図面を参照して説明する。図1は、シール部材であるリング状のパッキンをシール部分に装着した状態を示した第1参考形態のシール構造の断面図である。このシール構造は、従来例と同様に図25に示す集積弁1001に設けられ、さらには図26に示すように集積弁1001を構成する流路ブロック1101上に流体機器1102を取り付ける場合のシール部分に構成されるものである。なお、この流路ブロック1101や流体機器1102のボディ1121は、四フッ化エチレン樹脂(PFA,PTFE)で形成され、パッキン(特許請求の範囲の「シール部材」に相当。)110は弾性を有する材料(FFKM(パーフロロゴム)等のゴム、未焼成PTFE(未焼成フッ素樹脂))で形成されたものである。この点、従来や第2参考形態のOリング1103も同じゴム(FFKMなど)で形成されたものである。
参考形態のシール構造は、流路ブロック1101側及び流体機器1102のボディ1121に形成された環状のシール保持溝はそのままでパッキン110に特徴を有する。パッキン110が装填されるシール保持部120は、図1に示すようにその断面は、シール保持溝が上下に重ね合わされた矩形形状をして、上押え面121と下押え面122との平行な2面と直交する奥行き方向にある外押え面123がある。ここで図2は、このシール保持部120内に装填されるパッキン110を示した断面図である。
パッキン110は、シール保持部120の上押え面121、下押え面122そして外押え面123に当接する上側面111、下側面112および外側面113と、更に流路150側に開放される内側面114とが異なる形状で形成されている。なお、装着状態を示した図1では、パッキン110が潰された変形後の状態が実線で記載されているが、図2に示す非装着時のパッキン110の形状を波線で示している。シール保持部では上押え面121と下押え面122とが同じ面積であるが、パッキン110では、下側面112の方が上側面111よりも当接面積が大きくなるように形成されている。
上側面111および下側面112の当接面積は、それぞれの面が切りかかれて調整され、上側面111では大きく切りかかれた段差部111aが形成され、下側面112では段差部111aよりも狭い幅で溝部112aが形成されている。こうして上側面111および下側面112の当接面積が異なるようにしているのは、例えばパッキン110の付け忘れを防止するためであり、具体的には、流体機器1102を交換等する際、流路ブロック1101から外したボディ1121にパッキン110が吸着してしまったのでは、外れた状態で流体機器1102を取り付けるおそれがあるからである。従って、本参考形態ではパッキン110が下押え面122を構成する流路ブロック1101に吸着保持されるように下側面112の当接面積を上側面111の当接面積より大きくしている。更に、ボディ1121側との吸着性を悪くするように上押え面121は接触面粗が粗く形成されている。
参考形態では、パッキン110におけるボディ1101側での吸着保持効果を更に上げるべく、外側面113にも特徴を有する。すなわち、シール保持部120は奥行き側の外押え面123が流路ブロック1101とボディ1121とが面一で形成されているが、そこに当接するパッキン110の外側面113は、流路ブロック1101とボディ1121との合せ面125の位置に段差部113aが形成され、合せ面125の下側すなわち流路ブロック1101側が外側に突き出ている。図1の波線で示すように流路ブロック1101に当接する下側に膨らみが形成され、ボディ1121に当接する上側は外押え面123に沿って平面になっている。
従って、シール保持部120にパッキン110が嵌め込まれる場合、段差部113aの膨らみ部分が内側(図面左側)に押しつぶされて変形し、下側面112とともに流路ブロック1101に吸着保持される。ところで、こうして段差部113aの膨らみ部分が内側に押されるとき、パッキン110の内側面114がシール保持部120から流路150にとび出さないように変形を吸収する必要がある。そのため、下側面112に形成された溝部112aが深く形成され、外側面113の変形が内側面114にあまり伝わらないようになっている。
そして、その流路150に面する内側面114は、外側に湾曲した凹みが形成されている。内側面114は本来ならば、流路150を構成する流路ブロック1101の流路面151などと面一なるように平面であることが理想である。しかし、押しつぶされて変形した場合、シール保持部120から流路150側にとびだしてしまわないようにする必要がある。内側面114が流路面151を超えて流路150内に飛び出すと、乱流が発生して流量損失が大きくなるからである。そこで、本参考形態では、滞留部をなくすとともにその凹み面自身が滞留部にならないように滑らかに湾曲している。
パッキン110は、上側面111及び下側面112と内側面114との間の角度が鋭角になっている。そして、この鋭角先端115が図示するように上押え面121および下押え面122の流路150側端部に重なるような状態が最も滞留部のない状態である。ただし、寸法差や押し付け具合によってパッキン110の変形量や位置などが微妙に異なってくる。そうした場合にでも、その鋭角先端115が上押え面121および下押え面122から流路150へ付き出ないようにする必要がある。また、図示するように内側面114全体を凹面とせず、中間位置の一部を凹面としてその上下には上押え面121および下押え面122と直交する面で形成するようにしてもよい。すなわち、滞留部を形成させないためには、上側面111及び下側面112と内側面114との間の角度が90度以内であることが望ましい。
パッキン110がシール保持部120において図1に示すように挟み込まれると、流路ブロック1101と流体機器1102のボディ1121によって上下方向に押しつぶされ、更に流路ブロック1101によって外側から内側に押しつぶされる。こうしてパッキン110はシール保持部120内に圧入された状態で装填され、特に上側面111より面積の大きい下側面112や外側面113で流路ブロック1101側により圧着している。そして、流路ブロック1101とボディ1121の流路面151に湾曲した凹みの内側面114が連続するようになる。
従って、本参考形態のシール構造では、矩形形状のシール保持部120に前述した断面形状のパッキン110を装填させるようにしたため、その内側面114によって流路150を流れる液体の滞留が低減され、シール保持部120に液体が堆積してしまったり、そこに固着してしまうことが解消された。
また、本参考形態のシール構造では、パッキン110が流路ブロック1101側により多くの面積で接触して圧着されているため、流体機器1102を取り外した場合にパッキン110が持って行かれることなく脱落が防止され、流体機器1102の交換などの際に起こり得るパッキン110の付け忘れが防止できる。
さらに、本参考形態のシール構造を設けた集積弁1001や流体機器1102は、流体の滞留部や堆積部の発生を低減することができる。
(第2参考形態)
次に本発明の第2参考形態について図面を参照して説明する。図3は、本参考形態のシール構造を示した断面図である。このシール構造は、シール部材として従来と同様に断面が円形のOリング1103が使用され、流路ブロック1101と流体機器1102のボディ1121に形成されたOリング1103を保持するシール保持部230の形状に特徴を有する。
先ず、従来のようにOリング1103を単に上下から押しつぶすと、その断面は図27に示すように楕円形になる。そのため、シール保持部230の流路150側開放部分が広いと、楕円形状に弾性変形したOリング1103の先端部分との間が大きく空いた滞留部1150(図27参照)ができてしまう。そこで本参考形態では、上下に押しつぶされるOリング1103の弾性変形形状に対応させてシール保持部230の流路150側を狭くするように、上押え面231と下押え面232には流路ブロック1101とボディ1121との両方にテーパ面235が形成されている。
従って、流路ブロック1101とボディ1121とに挟み込まれたOリング1103は、上下につぶされて変形し、更に図27に示すようにこれまでは加圧されなかった部分がテーパ面235によって押しつぶされて密着する。従って、テーパ面235によって狭くなったところにOリング1103が密着して流路150側開放部に空間ができないようになった。
テーパ面235の先端部分とOリング1103との僅かな隙間は流路150の一部となるため、本来ならば流路面152と面一なることが望ましいが、断面が円形のOリング1103であるため僅かに凹みができてしまう。しかしながら本参考形態のシール構造によれば、その凹みに液体が入り込んだとしても液体の流れによって押し流されて滞留してしまうことはない。
(第3参考形態)
次に本発明の第3参考形態について図面を参照して説明する。
参考形態のシール構造及びシール部材は、第1参考形態のシール構造及びパッキン110を改良したものである。第1参考形態のシール構造及びパッキン110の耐圧性を出願人らが測定したところ、流体圧が例えば、0.1MPa以上の高圧になると、流体漏れを生じることが判明した。これは、パッキン110が段差部111aと溝部112aを形成され、内側面114に高圧流体の圧力が作用すると、パッキン110が径方向外側に向かって歪んでシール保持部120内に入り込み、シール面を位置ずれさせるためと考えられる。内側面114の加圧を繰り返すと、シール面が内径方向及び外径方向の移動を繰り返し、流体をシール面の外部に掻き出して流体漏れを生じさせるおそれがある。また、シール面が外径方向へ移動すると、流路面151上に段差が生じて滞留部を発生させ、シール性能を低下させるおそれがある。そこで、本参考形態は、ゴム部材312の外周に樹脂製の芯部材を一体成形したガスケット(「シール部材」に相当。)310を流路シール構造(「シール構造」に相当。)301に用いた点に特徴を有する。
図4は、ガスケット310をシール部分に装着した状態を示した流路シール構造301の断面図である。
参考形態の流路シール構造301は、従来例と同様に図25に示した集積弁1001に設けられ、さらには図26に示すように、集積弁1001を構成する流路ブロック1101上に流体機器1102を取り付ける場合のシール部分に構成されるものである。流路シール構造301は、第1流路ブロック302と第2流路ブロック303との間でガスケット310を狭持して、流体漏れを防止する構造をなす。なお、本参考形態では、第1流路ブロック302が流体機器1102のボディ1121(図26参照)に相当し、第2流路ブロック303が流路ブロック1101(図26参照)に相当するものとする。
第1流路ブロック302と第2流路ブロック303は、フッ素樹脂(PFA、PTFE)によって形成されている。第1流路ブロック302には、第1流路304が穿設され、第1流路304の周りにガスケット310を収納するための第1ガスケット凹部(特許請求の範囲の「第1シール保持凹部」に相当。)305が形成されている。また、第2流路ブロック303は、第2流路306が穿設され、第2流路306の周りにガスケット310を収納するための第2ガスケット凹部(特許請求の範囲の「第2シール保持凹部」に相当。)307が第1ガスケット凹部305より浅く形成されている。第2ガスケット凹部307を第1ガスケット凹部305より浅くするのは、ガスケット310の取り付け方向をわかりやすくするためである。第1ガスケット凹部305と第2ガスケット凹部307は、重ね合わされて、一方に開放する断面矩形状のシール保持部308を構成する。
図5は、ガスケット310の平面図である。図6は、図5のA−A断面図である。
ガスケット310は、樹脂製の芯部材311と、芯部材311の内周にインサート成形によって成形されたゴム部材312とを備える。芯部材311の内周にゴム部材312を設けるのは、接液面に弾性力のあるゴム部材312を配置して、シール性を確保するためである。ガスケット310は、環状をなし、第1,第2流路304,306(図4参照)の位置合わせをするために、外径が第1,第2ガスケット凹部305,307の直径と略同径に設定される一方、ゴム部材312が第1,第2ガスケット凹部305,307の間で狭持されたときに第1,第2流路304,306側にはみ出すことを防止するために、ゴム部材312の潰し量を考慮して、内径が第1,第2流路304,306より大きく設定されている。
図6に示すように、芯部材311は、PFAやPPSなどの樹脂を特殊形状に射出成形したものであって、外周位置決め部313、係止突起314、中央支持部315を備える。外周位置決め部313は、外周面が第1,第2ガスケット凹部305,307の外側面305a,307a(図4参照)に当接するものであり、円筒形状をなす。外周位置決め部313は、耐圧性を確保しうる肉厚に設定されている。例えば、本参考形態では、外周位置決め部313の肉厚を第1,第2ガスケット凹部305,307の径方向幅の約半分に設定している(図4参照)。外周位置決め部313は、軸方向へのがたつきを防止するために、軸方向の長さがシール保持部308の軸方向高さとほぼ同程度に設定されている。また、外周位置決め部313は、図中上端面を切りかかれて、円弧状の係止突起314が複数設けられている。係止突起314を断続的に設けるのは、ゴム部材312をインサート成形し易くするためである。さらに、外周位置決め部313は、中央支持部315が内周面中央付近から内向きに突き出し、環状に設けられている。なお、中央支持部315は、先端部が半球状に形成され、加圧時にゴム部材312に応力が集中するのを防止している。
一方、ゴム部材312は、弾性を有する材料(例えば、パーフロロエラストマー(FFKM)等)をインサート成形により特殊形状に形成し、芯部材311と一体化したものである。ゴム部材312は、第1ガスケット凹部305に当接する上側面316と、第2ガスケット凹部307に当接する下側面317が平行に形成され、内側面318が上下側面316,317に対して垂直に設けられている。ゴム部材312は、略中央部が芯部材311の中央支持部315に支持され、中央支持部315を挟んでほぼ上下対称な形状を有する。すなわち、ゴム部材312は、上側面316と下側面317に大きく切りかかれた段差部319,320を備え、上側面316と下側面317が第1,第2ガスケット凹部305,307にほぼ同程度の面積でシールするようにしている。段差部319,320は、芯部材311の端面と同一平面となるように設けられ、ゴム部材312を外径方向に膨らみにくくしている。そのため、ゴム部材312は、第1ガスケット凹部305と第2ガスケット凹部307(図4参照)との間に挟まれると、内側面318側に膨らむが、その際、ゴム部材312が第1,第2流路304,306側にはみ出すことを防止するために、環状の溝部321,322を形成して、ゴム部材312の変形を吸収するようにしている。
かかるガスケット310は、上側面316と下側面317のシール力がほぼ均一であるため、第1流路ブロック302と第2流路ブロック303を分離したときに、何れに吸着するか定まらない。これは、ガスケット310の付け忘れを誘発するおそれがあり、好ましくない。そのため、ガスケット310は、第1ガスケット凹部305を構成する第1流路ブロック302側に吸着保持されるように、段差部319の外縁部を外向きに延長した係合部323が複数設けられている。係合部323は、係止突起314の間を介してゴム部材312の内側面318側と接続し、インサート成形時にゴム部材312と一体的に形成されている。また、係合部323の間には、スリット325が設けられている。
ところで、ガスケット310は、芯部材311とゴム部材312が別部材であるため、ゴム部材312が変形を繰り返すと、芯部材311とゴム部材312が分離し、シール面の位置がずれるおそれがある。そこで、ガスケット310は、芯部材311の中央支持部315に複数の貫通穴324を円周方向に等間隔に設け、ゴム部材312を芯部材311の貫通穴324に入り込ませて、芯部材311とゴム部材312とを物理的に一体化している。なお、ガスケット310は、係止突起314の間を伝わる力を吸収するために、貫通穴324が係止突起314の間に対応する位置に設けられている。
かかるガスケット310は、次のようにして第1,第2流路ブロック302,303に取り付けられる。図7〜図9は、ガスケット310の取付方法を示す図である。
図7に示すように、第1流路ブロック302の第1ガスケット凹部305にガスケット310を嵌め合わせてから、第1流路ブロック302を第2流路ブロック303に取り付ける。すなわち、係合部323を第1ガスケット凹部305との間で撓ませながら、外周位置決め部313を第1ガスケット凹部305に嵌め合わせ、ガスケット310を第1ガスケット凹部305内に挿入する。ガスケット310は、外周位置決め部313の外周面を第1ガスケット凹部305の外側面305aに当接させて位置決めされた後、ゴム部材312の上側面316を第1ガスケット凹部305の所定位置に当接させ、その後、係止突起314を第1ガスケット凹部305の底面に突き当てるように押し込まれてゴム部材312を変形させる。この場合、ゴム部材312は、係止突起314によって係止突起314の外側と内側とに力を伝え難くなっているため、第1ガスケット凹部305から上側面316に伝わる力は、係止突起314に遮られて、内側面318側に作用し、図8に示すように、ゴム部材312が内側面318側に膨らむように変形する。ただし、この時点ではまだ、内側面318は第1流路304の流路面と連続しておらず、第1ガスケット凹部305とガスケット310との間に段差がある。
ここで、ガスケット310は、係合部323が係止突起314と第1ガスケット凹部305の外側面305aとの間で圧縮されて反発力を生じ、第1流路ブロック302に吸着保持されて脱落しない。このとき、第1ガスケット凹部305の外側面305aから係合部323に作用する内向きの力が係止突起314に遮られ、内側面318側にあまり伝わらないため、ゴム部材312を第1,第2流路304,306側にはみ出させることに影響しにくい。
次に、図8に示すように、外周位置決め部313を第2ガスケット凹部307に嵌め合わせるようにして、ガスケット310を第2ガスケット凹部307内に挿入する。すなわち、ガスケット310は、外周位置決め部313の外周面を第2ガスケット凹部307の外側面307aに当接させて位置決めされた後、ゴム部材312の下側面317を第2ガスケット凹部307の所定位置に当接させ、その後、外周位置決め部313を第2ガスケット凹部307の底面に突き当てるように押し込まれてゴム部材312を変形させる。この場合、ゴム部材312は、外周位置決め部313によって外側に力を伝えることができないため、第2ガスケット凹部307から下側面317に伝わる力は、外周位置決め部313に遮られて、内側面318側に作用し、図9に示すように、ゴム部材312が内側面318側に膨らむように変形する。このとき、上側面316も第1ガスケット凹部305に押し付けられるため、上側面316側も内側面318側に膨らむように変形する。これにより、ガスケット310は、内側面318が第1,第2流路304,306側に押し出されて、中央部を外側に凹ませるように円弧状に変形し、第1,第2流路304,306の流路面と連続する。
ここで、ガスケット310は、外周位置決め部313の外周面が第1,第2ガスケット凹部305,307の外側面305a,307aに当接して、第1流路304と第2流路306を位置合わせしている。すなわち、ガスケット310は、第1流路ブロック302と第2流路ブロック303の軸ずれを防止する軸の機能を有する。ガスケット310は、芯部材311とゴム部材312の別部材からなるものの、樹脂を射出成形して精度良く製造された芯部材311に対してゴム部材312をインサート成形によって一体化するため、一部品相当の寸法精度で製作されている。そのため、流路シール構造301では、第1,第2流路304,306、ガスケット310のシール面、外周位置決め部313の外周面と第1,第2ガスケット凹部305,307の外側面305a,307aの精度を出しやすい。
従って、本参考形態の流路シール構造301、及びガスケット310では、流体を第2流路ブロック303の第2流路306から第1流路ブロック302の第1流路304側へと流すと、ガスケット310の内側面318が第1,第2流路304,306と連続するため、シール部分に滞留部や乱流部を発生しにくい。
流体が、例えば0.3MPaの高圧である場合でも、樹脂製の芯部材311の内周にゴム部材312を設けたため、ゴム部材312が流体圧を受けて外向きに変形しようとしても、芯部材311がゴム部材312と第1,第2ガスケット凹部305,307の外側面305a,307aとの間で突っ張ってゴム部材312の変形を防止する。そのため、ガスケット310は、上側面316と下側面317が第1,第2ガスケット凹部305,307にシールするシール面の位置がずれにくく、ゴム部材312を第1,第2流路304,306の流路面に連続させた状態で安定して保持される。しかも、ガスケット310は、ゴム部材312を芯部材311にインサート成形で一体的に形成しているので、一部品の寸法精度で安価に製作され、寸法精度がシール面に与える影響が小さい。
よって、本参考形態の流路シール構造301、及びガスケット310によれば、ゴム部材312が流体圧で外向きに変形するのを芯部材311が制限し、ガスケット310を第1,第2ガスケット凹部305,307の間で安定して保持するため、加圧時のシール信頼性を向上させることができる。
特に、ガスケット310は、内側面318を円弧状に凹ませた状態で第1,第2ガスケット凹部305,307の間に装着され、中心部に流体圧が作用しやすいが、芯部材311の中央支持部315がゴム部材312の略中央部分を支持しているため、内側面318が外径方向に膨らんで変形しにくく、シール面の位置がより一層ずれにくい。
また、ガスケット310の芯部材311が、外周に第1ガスケット凹部305と第2ガスケット凹部307と嵌合することにより、第1流路304と第2流路306を位置決めする外周位置決め部313を備えたことにより、樹脂成形品である芯部材311、第1,第2流路ブロック302,303を互いに当接させて位置決めするため、第1流路304、第2流路306、ガスケット310のシール面、第1ガスケット凹部305の外側面305a、第2ガスケット凹部307の外側面307a、外周位置決め部313の外周面の精度を出しやすく、製品間のシール信頼性を向上させることができる。しかも、第1,第2流路ブロック302,303がガスケット310の外周位置決め部313に位置決めされるので、軸ズレによってガスケット310のシール面の一部を第1,第2流路304,306側にはみ出させて滞留部や乱流などを発生させたり、シール面積の減少によってシール性能を低下させることがない。
そして、ガスケット310は、ゴム部材312が、弾性変形で第1ガスケット凹部305に係合する係合部323を備えるため、例えば、第1流路ブロック302と第2流路ブロック303とを分離させたときに、ガスケット310が第1ガスケット凹部305から脱落せず、作業性を向上させることができる。
また、係合部323にスリット325が設けられているので、ガスケット310と第1,第2シール保持凹部305,307との間に形成される隙間がスリット325を介して連通し、隙間に溜まった空気を第1,第2流路ブロック302,303の接合面から外部に逃がすため、空気溜まりの空気が流路側に回って流体に気泡を発生させることがない。
さらに、本参考形態のシール構造301を設けた集積弁1001や流体機器1102は、流体の滞留部や堆積部の発生を低減することができる上に、高圧流体を制御する場合でも、シール面の位置ずれを防止して、流体漏れを防止することができる。
(第4参考形態)
次に本発明の第4参考形態について図面を参照して説明する。図10は、ガスケット410の平面図である。図11は、図10のB−B断面図である。
参考形態のシール構造は、芯部材411に係合部430を設けたガスケット410を使用する点で、ゴム部材312に係合部323を設けた第3参考形態のシール構造301と相違し、その他の点は第3参考形態と共通している。よって、ここでは、第3参考形態と相違する点を詳細に説明し、共通する点については、図面に第3参考形態と同一符号を付し、適宜説明を省略する。
ガスケット410は、第3参考形態の流路シール構造301と同様に、第1流路ブロック302と第2流路ブロック303のシール部分をシールする。ガスケット410は、樹脂製の芯部材411と、芯部材411の内周にインサート成形によって形成されたゴム部材412とを備える。
図11に示すように、芯部材411は、PPAなどの樹脂を射出成形したものであり、外周位置決め部313と中央支持部315を備えるが、第3参考形態の芯部材311と異なり、係止突起314が設けられていない。外周位置決め部313の上端部外周には、係合部430が外向きに突き出している。
また、ゴム部材412は、上側面316、下側面317、内側面318、段差部319,320、環状溝321,322が設けられている。ゴム部材412は、芯部材411に係止突起314が設けられていないため、外周面が芯部材411の外周位置決め部313により外向きに変形できないようになっている。
このようなガスケット410は、上側面316側から第1ガスケット凹部305内に圧入される。これにより、係合部430が外周位置決め部313と第1ガスケット凹部305の外側面305aとの間で圧縮され、第1ガスケット凹部305との間で吸着保持される。この場合、芯部材411がゴム部材412より硬度が大きいため、係合部430を押し潰しても、内側面側に膨らんでゴム部材412の内側面318を内側に膨らむように変形させにくい。そして、外周位置決め部313の外周面をガイドとして、ガスケット410を第2ガスケット凹部307に嵌め合わせる。このとき、ゴム部材412が、第1ガスケット凹部305と第2ガスケット凹部307との間で押しつぶされて、内側面318が外向きに円弧状に凹み、第1,第2流路304,306の内側面と連続する。内側面318を加圧したときの作用効果は、第3参考形態と同様であるため、説明を省略する。
従って、本参考形態の流路シール構造301、及びガスケット410によれば、芯部材411が、外周に第1ガスケット凹部305に圧入して係合される係合部430を備えたため、例えば、第1流路ブロック302と第2流路ブロック303を分離したときに、ガスケット410が脱落することを防止し、作業性を向上させることができる。また、ガスケット410に係合部430を設けていないため、第3参考形態のガスケット310と比較して、ゴム部材412に使用する特殊シール材料(例えば、FFKM等)の使用量を削減し、コストダウンを図ることができる。
(第実施形態)
次に本発明の第実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態のシール構造501は、第3参考形態のシール構造301を改良したものである。第3参考形態のシール構造301に使用されるガスケット310は、内側面318に高圧が作用した場合でも、芯部材311がその圧力を受けてゴム部材312の変形を抑えるため、シール面が位置ずれせず、優れたシール性能を発揮する利点があるものの、ガスケット310の材料費や加工費が嵩み、コスト高になる欠点があった。そこで、本実施形態のシール構造501は、単一材料のみからなるガスケット(特許請求の範囲の「シール部材」に相当。)510の形状を工夫して耐圧性を確保している点に特徴を有する。
図12は、シール部材510をシール部分に装着したシール構造501の断面図である。
シール構造501は、従来例と同様に図25に示す集積弁1001に設けられ、さらには、図26に示すように集積弁1001を構成する流路ブロック1101上に流体機器1102を取り付ける場合のシール部分に構成されるものである。ガスケット510が装填されるシール保持部120は、図12に示すようにその断面は、シール保持溝が上下に重ね合わされた矩形形状をして、上押え面(特許請求の範囲の「第1押え面」に相当。)121と下押え面(特許請求の範囲の「第2押え面」に相当。)122との平行な2面と直交する奥行き方向にある外押え面123がある。ガスケット510は、シール保持部120に挟み込まれて弾性変形し、流路接続部分をシールしている。
図13は、ガスケット510の平面図である。図14は、図13のC−C断面図である。
ガスケット510は、弾性を有する材料(FFKM(パーフロロゴム)等のゴムや、未焼成PTFE(未焼成フッ素樹脂))を射出成形により図13及び図14に示す特殊形状に形成したものである。ガスケット510は、図13に示すように環状をなす。ガスケット510は、図14に示すように、断面が略矩形状をなし、上押え面121に当接してシール面を形成する上側面511(特許請求の範囲の「第1側面」に相当。)と、下押え面122に当接してシール面を形成する下側面512(特許請求の範囲の「第2側面」に相当。)と、上下側面511,512の内側を接続する内側面513と、上下側面511,512の外側を接続する外側面514とを備える。
図13に示すように、ガスケット510は、シール保持部120からの脱落を防止するために、係合部515が外径方向に張り出すように設けられ、複数の係合部515に4個のスリット516が円周方向に等間隔に形成されている。従って、ガスケット510は、シール保持部120に係合部515を挿入すると、4カ所で密着保持される。
図14に示すように、係合部515は、外側面514の上側面511側寄りに設けられている。例えば、流路ブロック1101から流体機器1102のボディ1121を取り外して交換等するときに、常にボディ1121側にガスケット510を吸着保持させ、ガスケット510の付け忘れを防止するためである。係合部515を備えるガスケット510は、係合部515を押し潰すようにシール保持部120に装着すると、ガスケット510が内側面513の上側面511側開口部を内側へ移動させるように回転を与えられる。そのため、ガスケット510をシール保持部120に装着したときに、内側面513が流路面に飛び出さないように工夫する必要がある。
図15は、ガスケットの第1比較例510Aを示す断面図である。図16は、ガスケットの第2比較例510Bを示す断面図である。
例えば、図15に示す第1比較例510Aのように、内側面517を同一幅の円筒形状にした場合には、係合部515をシール保持部120に挿入すると、内側面51の図中上側面側開口部が内側に膨らむように変形する。そのため、第1比較例510Aは、シール面の外側に段差部518を設け、変形の一部を外側に逃がすように構成している。ところが、段差部518を設けるだけでは、第1比較例510Aをシール保持部120に挟み込んだときに、内側面513の図中上側面側端部が流路側にはみ出し、シール部分に滞留部や乱流部を発生した。
そこで、図16に示す第2比較例510Bのように、段差部518上に環状溝519を設け、変形の吸収率を向上させることも考えられる。ところが、第2比較例510Bをシール保持部120に挟み込んで装着した後、高圧流体を流したところ、流体が外部に漏れることがわかった。これは、環状溝519を形成したことにより外向きの圧力に対する耐圧性が低くなり、シール面が位置ずれしやすくなったためと考えられる。
従って、外向きの圧力に対する耐圧性を確保しつつ、ガスケット510をシール保持部120に挟み込んだときに、内側面513が流路側に飛び出さないようにする形状を考える必要がある。
この要求に応えるために、ガスケット510は、上側面511側から下側面512側へと小径となるテーパを内側面513に設けている。テーパは、その傾斜幅H1が係合部515の突出幅H2とほぼ同一幅に設定することが望ましい。係合部515を押し潰したときに内側面513が内側へ膨らむ分だけ傾斜を設ければ、ガスケット510をシール保持部120に挟み込んでシール状態にしたときに、上下側面511,512の内側面側端部を上下押え面121,122の開放側端部に位置合わせするために必要なガスケット510の潰し量を容易に管理できるからである。より具体的には、ゴム製のガスケット510であれば、テーパの傾斜幅H1は、係合部515の突出幅H2に対して85〜95%に設定することが望ましい。テーパの傾斜幅H1と係合部515の突出幅H2は等しくすることが望ましいが、ゴムのポアソン比が約0.5であることを考慮すると、内外径の違いで、傾斜幅H1=95%×突出幅H2とすることが望ましく、寸法公差が10%程度とすると、85〜95%の範囲にすることが望ましいからである。また、樹脂製のガスケット510であれば、テーパの傾斜幅H1は、係合部515の突出幅H2に対して75〜85%に設定することが望ましい。樹脂の場合、ポアソン比が0.45位で、ゴムに比べ、10%位の変形を樹脂ガスケット内部で吸収しうるからである。
もっとも、係合部515の突出幅H2が大きすぎると、ガスケット510をシール保持部120に組み付けたときに、シール保持部120の外押え面123とガスケット510の外側面514との間に形成される隙間が大きくなる。この場合に、ガスケット510の内側面513に高圧の流体圧が作用すると、その圧力を係合部515のみで支持するため、ガスケット510のシール面が外径方向にずれるおそれがある。シール面が外径方向にずれると、流路150とシール保持部120との間に段差が生じて滞留部や堆積部の発生要因になるため、好ましくない。そこで、係合部515の突出幅H2は、ガスケット510をシール保持部120に挟み込んだシール状態で、外側面514がシール保持部120の外押え面123に当接しうる程度に設定されている。より具体的には、ゴム製のガスケット510であれば、係合部515の突出幅H2は、肉厚H3に対して10〜20%に設定することが望ましい。基本的には、突出幅H2は肉厚H3の10%程度にすると、ガスケット510をシール保持部120に装着したときに最適に当接するが、寸法公差が10%程度とすると、10〜20%とすることが望ましいからである。また、樹脂製のガスケット510であれば、係合部515の突出幅H2は、肉厚H3に対して10〜30%に設定することが望ましい。樹脂の場合、ゴムと比べて剛性があるため、シール保持部120との間に多少隙間があっても耐圧性を確保でき、寸法公差を20%程度に設定しうるからである。
本実施形態では、ガスケット510は、FFKMを材質とし、外側面514の外径φを6.85mm、肉厚H3を2.7mm、テーパの傾斜幅H1を0.4mm、係合部515の突出幅H2を0.45mmに設定されている。
なお、ガスケット510をシール保持部120に装着したときに、ガスケット510の外側面514をシール保持部120の外押え面123に当接させるためには、ガスケット510のみならず、図12に示すシール保持部120の寸法も厳密に管理する必要がある。シール保持部120を構成するシール保持溝は、樹脂を射出成形した流路ブロック1101とボディ1121の側面から有底円筒状に穿設することにより形成されている。但し、ガスケット510を装着する流路部材が均一な肉厚を有する場合には、シール保持溝は、流路部材の射出成形時に精度良く形成できるので、穿設加工を施さなくてもよい。
図12に示すように、ガスケット510は、シール保持部120の上押え面121と下押え面12との間で挟み込まれてシールする。そのため、ガスケット510の内側面513にテーパを形成しても、ガスケット510を上押え面121と下押え面122の間で挟み込むときに、ガスケット510の内側面51が流路150側に膨らんで突出するおそれがある。
そのため、ガスケット510は、図14に示すように、上側面511と下側面512に傾斜面511b,512bを形成している。上側面511と下側面512は、内側面開口部から外向きに所定量入った所定位置(本実施形態では1.2mm)まで平ら状に形成され、シール面511a,512aを環状に形成している。ここで、「所定位置」とは、設定ガスケット体積になるように算出された寸法(位置)をいう。設定ガスケット体積は、溝体積に0.9を乗じて算出される(設定ガスケット体積=90%×溝体積)。この場合、シール保持部120内には、残り10%程度の空間があるが、流体圧力がかかっても、シール面が外径方向にずれないところにあるので、問題はない。但し、100%を超えると、ガスケット510がはみ出す点に留意する。上側面511と下側面512は、所定位置から外側面514に向かってなだらかに傾斜する傾斜面511b,512bが形成されている。シール面511a,512aは、同一面積を有し、一定のシール力を発揮するようにされている。シール面511a,512aを加圧すると、ガスケット510が押し潰されて弾性変形するが、その弾性変形は傾斜面511b,512b側にも一部を逃がされるため、ガスケット510の内側面513が流路150側に膨らみすぎない。
次に、本実施形態のガスケット510と従来のOリング1103の耐久試験結果について説明する。図17は、耐久試験の試験方法を示す図である。
この耐久試験では、第1流路ブロック551と第2流路ブロック552との間に形成したシール保持部553に試供品となるガスケット510又はOリング1103をセットし、第1,第2流路ブロック551,552の両側にエンドブロック554,555を取り付けて治具556で固定することにより、試験装置を構成した。試験は、入口ポート557から浸透性の高い試験流体を供給して流路558内を繰り返し加圧し、一定回数加圧する毎に、外部への漏れをチェックした。これを1サイクルとして規定サイクル数の試験を行った後、治具556を取り外してシール面より外部への漏れをチェックした。
この結果、ガスケット510は、第1流路ブロック551と第2流路ブロック552のいずれも、シール面より外部に試験流体が付着せず、流体漏れが確認されなかった。しかも、ガスケット510は、シール面より内部にも試験流体が殆ど付着しなかった。
一方、Oリング1103は、第1流路ブロック551と第2流路ブロック552のいずれも、シール面より外部に試験流体が付着し、流体漏れが確認された。また、Oリング1103は、シール面より内部にも試験流体が付着していた。
この試験により、ガスケット510は浸透性の高い流体でもシールすることができ、Oリング1103と比べてシール信頼性が高いことが判明した。また、ガスケット510は、Oリング1103より内径側でシールでき、滞留部や堆積部が発生しにくいことが判明した。
そこで、出願人らは、ガスケット510とOリング1103をシール保持部120に挟み込んだ場合の最大面圧勾配を調べた。図18は、本実施形態のシール構造501における最大面圧勾配測定結果を示す図であり、縦軸に面圧(MPa)を示し、横軸に内径側からの位置(mm)を示す。また、図19は、Oリング1103を使用したシール構造における最大面圧勾配測定結果を示す図であり、縦軸に面圧(MPa)を示し、横軸に内径側からの位置(mm)を示す。
図18に示すように、ガスケット510は、流路ブロック1101(ボディ2)に対しては、ガスケット510の内側面513から約0.05mmの位置で約1.15MPaの最大面圧を発生し、さらに、内側面513から約0.3mmの位置で約1.05MPaの面圧を発生している。また、ガスケット510は、ボディ1121(ボディ1)に対しては、ガスケット510の内側面513側から約0.05mmの位置で約0.90MPaの最大面圧を発生し、さらに、内側面513から約0.4mmの位置で約0.90MPaの面圧を発生している。
一方、図19に示すように、Oリング1103は、流路ブロック1101とボディ1121の何れに対しても、面圧が放物線状に変化しており、内径側から約0.5mmの位置で約1.40MPaの最大面圧を発生している。
よって、本測定結果より、ガスケット510の最大面圧勾配M1(図18参照)は、Oリング1103の最大面圧勾配M2(図19参照)より大きく、ガスケット510がOリング1103より内径側でシールできることが判明した。そのため、ガスケット510は、Oリング1103のように上押え面121と下押え面122との間に鋭角な隙間(図27参照)ができにくく、流体の滞留部や堆積部を発生しにくいと考えられる。
また、本測定結果より、ガスケット510は、内側面513の極近傍位置とその外側位置との2カ所でダブルシールするのに対して、Oリング1103は、頂部付近の1カ所でシールすることが判明した。そのため、Oリング1103は、ガスケット510より最大面圧が大きくても、何らかの要因で流体漏れが生じると、その流体が外部に漏れてしまうが、ガスケット510は、たとえ、内径側のシール面から外部に流体が漏れたとしても、その外側のシール面で流体漏れを防止するので、流体が外部に漏れにくいと考えられる。
上記の通り、ガスケット510は、Oリング1103より優れたシール性能を発揮するが、その理由は、ガスケット510の組立時の変形特性によるものと考えられる。図20〜21は、ガスケット510の変形状態を解析した解析結果を示す図である。
図20に示すように、ガスケット510の上側面511をボディ1121のシール保持溝に挿入すると、図21に示すように、係合部515が押し潰される。ガスケット510は、係合部515の反発力を受けて、上側面511側を内側に傾かせるように回転を与えられる。テーパの傾斜幅H1と係合部515の突出幅H2は略同一幅であるため、係合部515の弾性変形に伴って、内側面513の上側面511側開口部の位置が下側面512側開口部の位置に対応する位置に合わせられる。つまり、ガスケット510は、内側面513がテーパを解消して、略円筒状になる。この時点では、上側面511は、シール面511aと傾斜面511bとの接続部分が上押え面121に押し付けられて位置決めされ、内側面側端部が上押え面121から離れている。
ガスケット510に回転を与えたことにより、下側面512も内側面側端部を下方に突き出すように若干傾く。ガスケット510の下側面512に流路ブロック1101のシール保持溝を装着すると、ガスケット510は、下側面512の内側面側端部を最初に下押え面122に当接させた後、シール面512aを少しずつ下押え面122に当接させて加圧する。この加圧力によって、ガスケット510は、上側面511がボディ1121の上押え面121に押し付けられ、シール面511aを上押え面121に密着させる。このとき、上側面511の内側面側端部は、上押え面121から浮いていたため、下側面512側からの加圧により上押え面121に対してほぼ垂直に押し付けられる。しかも、下側面512の内側面側端部が最初に下押え面122に当接して強く加圧されるため、上側面511の内側面側端部も上押え面121に強く押し付けられる。よって、ガスケット510は、最大面圧勾配が大きくなる。
また、ガスケット510は、下側面512を流路ブロック1101にはめるときに、上側面511のシール面511aと傾斜面511bの接続部分が上押え面121に当接してシール位置を位置決めしており、その接続部分に荷重がかかりやすい。上側面511のシール面511aと傾斜面511bの接続部分に作用する力は、反作用で下側面512のシール面512aと傾斜面512bの接続部分にも作用する。よって、ガスケット510の上下側面511,512は、内径側近傍のみならず、その外側においても面圧の大きいシール面を構成する。
図22に示すように、シール保持部120に挟み込まれたガスケット510は、上押え面121と下押え面122との間で挟み込まれて押し潰され、径方向に変形する。ガスケット510は、上下側面511,512に傾斜面511b,512bを備えるため、変形を外側面514側に逃がし、外側面514をシール保持部120の外押え面123に当接させる。このように、ガスケット510は、係合部515の他に、外側面514も外押え面123に当接し、内側面513に受ける流体圧を外側面514と外押え面123との間で支持する。しかも、ガスケット510は、上下側面511,512のシール面511a,512aと傾斜面511b,512bがなだらかに接続する簡単な形状であるため、シール保持部120内ではブロック状になる。よって、ガスケット510は、第3参考形態のガスケット310のように芯部材311を用いなくても、耐圧性を確保しうる。
ここで、例えば流体を断続的に制御する場合などには、ガスケット510の内側面513に流体圧が断続的に作用する。シール保持部120とガスケット510の間には、隙間があり、ガスケット510の内側面513を断続的に加圧すると、空気溜まりが流路150側に回って流体に気泡を発生させるおそれがある。しかし、ガスケット510は、ガスケット510の上側面511とシール保持部120の上押え面121との間の隙間と、ガスケット510の下側面512とシール保持部120の下押え面122との間の隙間がスリット516を介して相互に連通する。流路ブロック1101とボディ1121との接合面が外部に連通しているため、ガスケット510のシール保持部120との間に発生した空気溜まりは、流路ブロック1101とボディ1121との接合面を介して外気に積極的に放出される。よって、上下側面511,512と上下押え面121,122との間の空気溜まりの空気が流路150側に回り込みにくく、流体に気泡を発生させにくい。
さらに、ガスケット510は、係合部515をボディ1121のシール保持溝に挿入したときに、テーパ状の内側面513を円筒状に変形させた後、シール保持部120に挟み込まれる。そのため、ガスケット510は、シール保持部120に挟み込まれてシール状態にされると、内側面513が外向きに凸状となるなだらかな円弧状に湾曲し、内側面513の上側面側開口部が上押え面121の開放側端部に位置し、内側面513の下側面側開口部が下押え面122の開放側端部に位置する。つまり、ガスケット510は、内側面513が流路面151と連続し、シール保持部120の開放側端部との間に隙間を作りにくい。
従って、本実施形態のシール構造501によれば、上記構成を有するガスケット510をシール保持部120に装填するようにしたことにより、ガスケット510の上側面511と下側面512の内側面側端部がシール保持部120の開放側端部をシールし、ガスケット510とシール保持部120の上押え面121と下押え面122との間に流体が入り込みにくくしたため、滞留部や堆積部が発生しにくい。そして、このシール構造501では、ガスケット510の外側面514とシール保持部120の外押え面123との間で内側面513に作用する圧力を支持するので、ガスケット510の剛性が向上し、たとえば、ガスケット510の内側面513に高圧流体の圧力が作用した場合でも、シール面が位置ずれしない。さらに、ガスケット510は、単一材料で形成されているため、材料費や加工費が安価である。よって、本実施形態のシール構造501によれば、安価なガスケット510を用いて安定したシール性能を発揮することができ、滞留部や堆積部が発生しにくい。
また、本実施形態のシール構造501では、上側面511及び下側面512の内側面側縁部が軸方向に最も張り出し、ガスケット510をシール保持部120に挟み込んだシール状態で、上側面511及び下側面512の内側面側縁部が上押え面121及び下押え面122の流路面側端部に押し付けられてシールするので、シール保持部120において上押え面121および下押え面122とガスケット510の内側面513とが連続する部分の液体の流れが良くなり滞留が生じ難い。
また、本実施形態のシール構造501では、ガスケット510が、上側面511及び下側面512の上押え面121及び下押え面122にシールするシール面511a,512aを平ら状に形成されており、係合部515を押し潰してガスケット510の上側面51側をシール保持部120に挿入し、ガスケット510が上側面511側を内側へ移動させるように回転すると、上側面511のシール面511aの一部がシール保持部120の上押え面121に押し付けられ、上側面121の内側面側端部がシール保持部120の上押え面121から浮いた状態になるので、ガスケット510の下側面121側をシール保持部120に挿入し、ガスケット510をシール保持部120の間で挟み込むときに、上側面511と下側面512の内側面側端部がシール保持部120の上押え面121と下押え面122に垂直に押し付けることができ、シール力を効率よく発生させることができる。
また、本実施形態のシール構造501では、ガスケット510が係合部515にスリット516を設けられているので、ガスケット510の上側面511とシール保持部120の上押え面121との間、及び、ガスケット510の下側面512とシール保持部120の下押え面122との間に形成される隙間をスリット516を介して連通させ、さらに流路ブロック1101とボディ1121の接合面を介して外気に連通させるので、ガスケット510とシール保持部120との間に形成された空気溜まりの空気を外気に積極的に排出し、空気が流路150側に回り込んで気泡を発生させない。
さらに、本実施形態のシール構造501を設けた集積弁1001及び流体機器1102は、安価で耐圧性の高いガスケット510を各シール部分に用いることにより、流体の滞留部や堆積部の発生を低減することができるとともに、コストダウンを図ることができる。
なお、本発明は前記第1実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、上記第実施形態では、ガスケット510の上下側面511,512に平ら状のシール面511a,512aを設けた。これに対して、図23に示すように円弧状のシール面520を上下側面511,512に設けてもよいし、図24に示すようにテーパ状のシール面521を上下側面511,512に設けても良い。
例えば、上記第実施形態では、スリット516を円弧状に切り欠いて形成した。これに対して、係合部を打ち抜いて貫通穴を形成し、スリットを設けてもよい。
例えば、上記第1実施形態では、流路ブロック1101と流体機器1102のボディ1121との間のシール部分にシール構造を設けた。これに対して、上記第1実施形態のシール構造を流路ブロック間のシール部分に設けてもよいし、配管のシール部分に設けても良い。
例えば、上記第1実施形態では、シール部材として弾性変形するゴム製や塑性変形する樹脂製のパッキンやガスケットを用いたが、金属製のパッキンやガスケットを用いてもよい。
例えば、上記第1実施形態では、シール構造を中心に説明したが、それらのシール構造はガスケット510などのシール部材に特徴を有する。シール部材を装着したシール構造では、流路部材(流路ブロック1101,ボディ1121など)を分解しなければ、シール部材の形状等を特定することができない。そのため、出願人らは、シール構造の他、シール部材についても権利取得を希望している。従って、シール部材は、実質的に、シール構造と同様の作用及び効果を有するものとする。
シール部材をシール部分に装着した状態を示した第1参考形態のシール構造の断面図である。 第1参考形態のシール構造を構成するパッキンを示した断面図である。 シール部材をシール部分に装着した状態を示した第2参考形態のシール構造の断面図である。 シール部材をシール部分に装着した状態を示した第3参考形態のシール構造の断面図である。 第3参考形態のシール構造を構成するガスケットの平面図である。 同じく、図5のA−A断面図である。 同じく、ガスケットの取付方法を示す図である。 同じく、ガスケットの取付方法を示す図である。 同じく、ガスケットの取付方法を示す図である。 第4参考形態のシール構造を構成するガスケットの平面図である。 同じく、図10のB−B断面図である。 シール部材をシール部分に装着した状態を示した第実施形態のシール構造の断面図である。 実施形態のシール構造を構成するガスケットの平面図である。 図13のC−C断面図である。 ガスケットの第1比較例を示す断面図である。 ガスケットの第2比較例を示す断面図である。 耐久試験の試験方法を示す図である。 実施形態のシール構造における最大面圧勾配測定結果を示す図であり、縦軸に面圧(MPa)を示し、横軸に内径側からの位置(mm)を示す。 Oリングを使用したシール構造における最大面圧勾配測定結果を示す図であり、縦軸に面圧(MPa)を示し、横軸に内径側からの位置(mm)を示す。 実施形態のガスケットの変形状態を解析した解析結果を示す図である。 実施形態のガスケットの変形状態を解析した解析結果を示す図である。 実施形態のガスケットの変形状態を解析した解析結果を示す図である。 ガスケットの第1変形例を示す図である。 ガスケットの第2変形例を示す図である。 半導体製造装置などで使用される集積弁の一例を示す図である。 集積弁を構成する流路ブロック上に流体機器を搭載した図を示した一部断面図である。 図26に破線D部分で囲んだシール部分を示した拡大断面図である。
符号の説明
110 パッキン
111 上側面
112 下側面
113 外側面
114 内側面
120 シール保持部
121 上押え面
122 下押え面
123 外押え面
150 流路
151 流路面
301 シール構造
302 第1流路ブロック
303 第2流路ブロック
304 第1流路
305 第1ガスケット凹部
306 第2流路
307 第2ガスケット凹部
310,410 ガスケット
311,411 芯部材
312,412 ゴム部材
313 外周位置決め部
315 中央支持部
323,430 係合部
325 スリット
501 シール構造
510 ガスケット
511 上側面
511a シール面
512 下側面
512a シール面
513 内側面
514 外側面
515 係合部
516 スリット
1001 集積弁
1102 流体機器
1101 流路ブロック
1121 ボディ

Claims (6)

  1. 流路接続部分に流路内側に開放して形成された環状のシール保持部に
    挟み込まれて弾性変形し、流路接続部分を気密にシールするシール部材に
    おいて、
    前記シール保持部に密着してシール面を形成する第1側面と第2側面を有し、
    前記第1側面と前記第2側面の内側を接続する内側面に、前記第1側面から前記第2側面へと小径になるテーパが形成され、
    前記第1側面と前記第2側面の外側を接続する外側面に、係合部が前記第1側面寄りに突設されていることを特徴とするシール部材。
  2. 請求項に記載するシール部材において、
    前記テーパの傾斜幅が、前記係合部の突出幅とほぼ同じ幅に設定されていることを特徴とするシール部材。
  3. 請求項又は請求項に記載するシール部材において、
    前記第1側面と前記第2側面の内側面側端部が軸方向に最も張り出していることを特徴とするシール部材。
  4. 請求項乃至請求項に記載するシール部材のいずれか一つにおいて、
    前記第1側面及び前記第2側面が内側面側端部から所定位置まで平ら状、テーパ状又は円弧状に形成されていることを特徴とするシール部材。
  5. 請求項1乃至請求項4に記載するシール部材のいずれか一つにおいて、
    前記係合部にスリットが設けられていることを特徴とするシール部材。
  6. 請求項1乃至請求項5に記載するシール部材のいずれか一つを備えるシール構造において、
    前記シール部材を前記シール保持部に挟み込んで前記係合部を押し潰した状態で配設すると、該シール部材が、内側面の第1側面側を内側に押し出し、外側面を外押え面に当接することを特徴とするシール構造。
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