JP4678135B2 - ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、ピストンあるいはダイアフラム等の可動壁により、ポンプ室内の容積を変更して作動流体の移動を行うポンプに関し、特に、小型高出力のポンプに関する。
従来、この種のポンプとしては、入口流路及び出口流路と容積が変更可能なポンプ室との間に、それぞれ逆止弁が取り付けられている構成のものが一般的である。また、液体を送ることを目的とする場合には、ポンプ室の上流側や下流側の流路に薄肉部を設け、間欠駆動される液体による脈動を流路の変形によって低減する構造もあった(例えば、特許文献1参照)。
また、出口流路の弁に代えてイナータンス値の大きい流路構造とすることで、流体慣性力を利用し、高負荷圧力と高周波駆動に対応した高出力で信頼性が高い本発明者らの発明によるポンプがある。この構造のポンプにおいても、入口側流路の脈動により、ポンプの吸入効率が低下することを防止する目的で、入口側流路に変形可能な構造が用いられている(例えば、特許文献2参照)。
また、PZTのような圧電素子で駆動されるダイアフラムと、そのダイアフラムにより容積変化可能なポンプ室と、ポンプ室へ流体が流入する穴とポンプ室から流体が流出する穴とを持ち、それぞれの穴に逆止弁を備えた容積形ポンプが提案されている(例えば、特許文献3)。
特開2000−265963号公報 特開2002−322986号公報 特開昭61−171891号公報
しかしながら特許文献1の構成では、入口流路及び出口流路ともに、流体抵抗要素である逆止弁が必要であり、流体が2個所の逆止弁を通過すると圧力損失が大きく、高負荷圧力や高周波駆動に対応できないという問題がある他、ポンプ室に気泡が滞留した場合には、ポンプ室の容積を減少させる工程においてポンプ室内部の液体の圧力が充分に上昇しなくなり、所定の吐出量が得られないという問題がある。
また、特許文献2及び特許文献3の構成のポンプは、ダイアフラムの変形によるポンプ室の容積の変化が少ないため、ポンプ室内部に気泡が滞留すると、ポンプ室の体積を減少させる行程においてポンプ室内部の液体の圧力が十分に上昇しなくなる。その結果、ポンプの流量特性が大きく劣化し、最悪の場合、液体の吐出が不可能になるということが考えられる。
本発明の目的は、ポンプ室内部に気泡が滞留しても、その気泡を排出し、吐出性能を維持することができるポンプを提供することである。
本発明のポンプは、ピストンまたは可動壁を駆動することによって容積が変更可能なポンプ室と、該ポンプ室に作動流体を流入する入口流路と、前記ポンプ室から作動流体を流出する出口流路と、少なくとも前記入口流路を開閉する流体抵抗要素と、が備えられ、前記入口流路側の合成イナータンス値は、前記出口流路側のイナータンス値よりも小さく設定され、前記ポンプ室内部に滞留する気泡を排除する気泡排出手段が、さらに備えられていることを特徴とする。
ここで、可動壁としては、例えば、圧電素子等のアクチュエータで駆動されるダイアフラムを採用することができる。また、流体抵抗要素としては、逆止弁等を採用することができる。
また、気泡排出手段としては、詳しくは後述するが、例えば、ポンプ室に圧力を加えるための副ポンプ室、加圧機構、加熱部等を採用することができる。
この発明によれば、このポンプは、気泡排出手段を備えているので、ポンプ室内に気泡が滞留した状態、即ち、ポンプ室内に作動流体が充填されていない状態のときにおいても、ポンプを起動することができる。また、ポンプ室内に気泡が滞留している場合、ポンプ室内の圧力が充分に上がらないことが考えられるが、前述の気泡排出手段を備えていることによって、ポンプ駆動時においても滞留する気泡を排出することができるため、ポンプの性能、特に作動流体の吐出量を維持することができる。
また、前述の構成によれば、前記ポンプ室が、前記出口流路に連通し、ピストンまたは可動壁を駆動することによって容積が変更可能な主ポンプ室と、前記入口流路に連通し、可動壁を駆動することによって容積が変更可能な前記気泡排出手段としての副ポンプ室と、から構成されることが好ましい。
このような構成によれば、気泡排出手段として、入口流路側に副ポンプ室を備えているため、副ポンプ室を駆動することによって、入口流路から作動流体を主ポンプ室内に送り込み、主ポンプ室内の圧力を高め、主ポンプ室内の気泡を排出することができる。
また、前述の構成では、前記主ポンプ室に作動流体を流入する主ポンプ室入口流路と前記主ポンプ室から作動流体を流出する主ポンプ出口流路と、前記副ポンプ室に作動流体を流入する副ポンプ室入口流路と、前記副ポンプ室から作動流体を流出する副ポンプ室出口流路と、を備え、前記主ポンプ室入口流路が、前記副ポンプ室出口流路であることが好ましい。
この構成では、主ポンプ室入口流路が、副ポンプ室出口流路と兼用されているため、作動流体の流路が短くなり、ポンプの小型化ができると共に、そのことによって、流路の流体抵抗を減ずることができる。
また、本発明のポンプは、前記主ポンプ室入口流路を開閉する流体抵抗要素と、前記副ポンプ室入口流路を開閉する流体抵抗要素と、前記副ポンプ室出口流路を開閉する流体抵抗要素と、を備え、前記主ポンプ室入口流路を開閉する流体抵抗要素が、前記副ポンプ室出口流路を開閉する流体抵抗要素であることが好ましい。
このようにすれば、例えば、副ポンプ室の可動壁を駆動する際、副ポンプ室入口流路の流体抵抗要素としての逆止弁を閉鎖し、副ポンプ室内で圧力が高められた作動流体が主ポンプ室に流動する。また、主ポンプ室から作動流体を吐出する際には、主ポンプ室入口流路の流体抵抗要素としての逆止弁を閉鎖する。このようにすることによって主ポンプ室内の圧力を高めることができるので、両ポンプ室内に滞留する気泡を圧縮してポンプ室外に排出することができる。
また、主ポンプ室入口流路を開閉する流体抵抗要素が、前記副ポンプ室出口流路を開閉する流体抵抗要素であるため、二つのポンプ室を有していても流体抵抗要素としての逆止弁は二つで機能するため、ポンプの構造を簡素化することができ、部品数を低減し低コストを実現できる。また、流体抵抗を減ずるという効果もある。
また、前述の構成のポンプによれば、前記副ポンプ室に備えられた可動壁は、少なくとも片面に圧電素子が貼付されたダイアフラムであり、前記副ポンプ室と前記ダイアフラムとでユニモルフポンプもしくはバイモルフポンプが構成されていることが好ましい。
この構成によれば、従来の流路の脈動低減手段のひとつとして用いられていたダイアフラムに、圧電素子を貼付するという簡単な手段で副ポンプ室を構成することができる。また、ユニモルフポンプ及びバイモルフポンプは、小さい圧力でもダイアフラムの変位量が多いため、脈動吸収手段と、前述した気泡排出手段としての副ポンプ室の機能と、を合わせ持つことができる。
また、前述した構成のポンプは、前記副ポンプ室と、前記主ポンプ室と、の駆動を切り換えるための駆動切り換え制御部が備えられていることが好ましい。
主ポンプ室と副ポンプ室は、駆動切り換え制御部によって、例えば、ポンプ駆動開始の際には、まず副ポンプ室を駆動し、次に主ポンプ室を駆動して内部の気泡を排出してから主ポンプ室の駆動を継続したり、交互に駆動を繰り返すこともでき、ポンプ駆動中において、安定した作動流体の吐出量を得ることができる。
また、前記圧電素子には、駆動電極と、検出電極と、が形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、副ポンプ室の状態を検出することができ、特に副ポンプ室内の圧力の変動を圧電素子の変位で検出し、前述した駆動切り換え制御部によって、圧力の変動に対応した主ポンプ室及び副ポンプ室の制御を行うことができる。
また、本発明のポンプは、前記主ポンプ室の内部圧力を検出する圧力検出部が備えられていることが好ましい。
このような構成にすることによって、主ポンプ室内の状態を検出することができ、主ポンプ室内の状態に対応したポンプの効率的な駆動を行うことができる。
さらには、前述した副ポンプ室の検出電極による副ポンプ室内の状態検出と組み合わせることにより。両ポンプ室内の状態に対応したより効率的なポンプの駆動を行うことができる。
また、前述した本発明のポンプは、前記ポンプ室の内部に存在する作動流体の圧力を上昇させた状態で維持する前記気泡排出手段としての加圧機構が備えられていることを特徴とする。
このような構成によれば、ポンプ室内に気泡が滞留することでポンプ室内の圧力が低下し、作動流体の吐出が不可能になった場合、加圧機構によってポンプ室内に存在する作動流体の圧力を上昇させた状態で維持することができる。その結果、気泡体積が小さくなり、ピストンあるいはダイアフラム等の可動壁を駆動によりポンプ室の容積を圧縮し、ポンプ室内の気泡を排出することができる。
また、前述の構成では、前記加圧機構は、容積変化可能な部屋と、該容積変化可能な部屋とを前記出口流路に連通する流路と、を備えていることが好ましい。
このようにすれば、加圧機構は、容積変化可能な部屋を加圧することによって、容積変化可能な部屋は出口流路まで連通しているので、出口流路と連通しているポンプ室内において、簡単に高い圧力を発生することができる。
また、前述の構成では、前記容積変化可能な部屋は、弾性体により形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、容積変化可能な部屋を弾性体により構成したことにより、体積変化可能な部屋への作動流体の流入による圧力上昇を緩やかにし、圧力によるポンプを構成する部品の損傷を防止することができる。また、体積変化可能な部屋に、出口流路内の圧力脈動を減衰する機能を兼ねさせることができる。その結果、出口流路に接続される外部配管の影響によるポンプ性能の変化を防止できる。
さらに、前述の構成では、前記加圧機構には、前記容積変化可能な部屋の容積を変更するために圧力を加える容積変更機構を備えていることが好ましい。
ここで、容積変更機構としては、アクチュエータ等が採用できる。
このような構成によれば、容積変化可能な部屋の容積を変化する容積変更機構を設けているので、ポンプ室内の状態に応じて容積変化可能な部屋の容積を制御することができる。
また、本発明では、前記加圧機構には、前記ポンプ室から流出した作動流体を前記容積変化可能な部屋に導く第一の状態と、前記ポンプ室から流出した作動流体を前記容積変化可能な部屋と遮断する第二の状態と、を切り換える流路切り換え部が備えられていることが好ましい。
このような構成では、例えば、ポンプ室内に気泡が存在することを検出した場合には、ポンプ室から流出した作動流体を容積変化可能な部屋に導く第一の状態に切り換え、容積変化可能な部屋を構成する弾性体の弾性力で確実にポンプ室内の作動流体を加圧することができる。また、ポンプ室内に気泡が存在しない場合には、作動流体を容積変化可能な部屋には導入せずにポンプ外に吐出するように制御するため、ポンプを効率よく駆動することができる。
また、前述の構成では、前記容積変化可能な部屋の内部圧力を検出する圧力検出部が備えられていることが好ましい。
このように、体積変化可能な部屋の内部の圧力を検出する圧力検出手段を備えることにより、体積変化可能な部屋の内部の圧力を適正な圧力範囲に制御することができる。
また、前述のポンプは、前記ポンプ室に圧力検出手段を備えていることが好ましい。
こうすることで、ポンプ室内の圧力を検出し、ポンプ室に気泡が滞留しているか判断し、加圧機構及びポンプ室の駆動を好適に制御することができる。
また、前述の構成では、前記加圧機構により加えられる前記容積変化可能な部屋の内部圧力は、ゲージ圧で約1気圧から5気圧の範囲であることが好ましい。
こうすることで、圧力によりポンプを構成する部品を損傷することなく、ポンプ室内に滞留した気泡の体積を排出可能なまで十分に小さくすることが可能となる。
また、前記加圧機構は、前記容積変化可能な部屋と、前記出口流路に流通する流路と、前記流路を開閉する開閉部材と、を備え、前記加圧機構が、前記出口流路に対して着脱自在であり、前記出口流路に挿着することによって、前記容積変化可能な部屋と前記出口流路が流通されることが好ましい。
このように、加圧機構が着脱自在であり、出口流路に挿着したときには、出口流路と加圧機構とを連通して、容積変化可能な部屋の圧力を高めてポンプ室内の気泡を排出し、ポンプ室内に気泡が滞留していない場合には、加圧機構を取外した状態の小型軽量化されたポンプとすることができる。
また、本発明のポンプは、前記ポンプ室の内部に気泡排出手段としての発熱部を備えることを特徴とする。
この発明によれば、ポンプ室内に備えた発熱部により滞留気泡を加熱し、滞留気泡を大きくしてポンプ室内部の淀み点から移動させ、容易に気泡を排出することができる。
また、前記発熱部は、前記ポンプ室の壁内部に収納されているか、または隅部に配置されていることが好ましい。
ポンプ室内において、気泡は、ポンプ室の隅部やポンプ室の壁部の突出した場所に滞留しやすいことが知られている。従って、発熱部をポンプ室の壁内部に収納して突出部がない状態に配置するか、少なくともポンプ室の隅部に配置することによって。気泡を滞留しにくくすることや、気泡の滞留しやすいポンプ室の隅部から滞留気泡を排出できる。
さらに、前述の構成では、前記発熱部が、複数備えられていることが好ましい。
このように発熱手段が複数配置することで、発熱手段に供給する単位時間当たりのエネルギー量を減らし、また、ポンプが破壊されるのを防ぎながら滞留していた気泡を速く排出することができる。
また、前述したポンプは、前記ポンプ室の内部圧力を検出する圧力検出部が備えられていることが好ましい。
こうすることで、ポンプ室内の圧力を検出し、ポンプ室に気泡が滞留しているかを確実に判断し、ポンプの駆動を好適に制御することができる。
また、前記ピストンまたは可動壁を駆動するときに、前記発熱部に発熱信号を入力することが好ましい。
このようにすれば、ピストンあるいはダイアフラムを動作させながら、ポンプ室内の作動流体を発熱部によって加熱することで、ポンプ室内の圧力を高め、ポンプ室の内部に滞留した気泡を排出できる。
また、前述した構成では、前記発熱部にパルス状の発熱信号が入力され、前記ピストンまたは可動壁が、前記発熱信号に同期して駆動されることが好ましい。
また、前述のポンプは、発熱部の発熱をパルス状に行い、そのパルスと同期させてダイアフラムを動作させるため、発熱部で消費するエネルギーを削減しながら、効果的にポンプ室の内部に滞留した気泡を排出できる。
さらに、前述のポンプは、前記発熱部と接する作動流体が相変化するように前記発熱部による加熱を行うことが望ましい。
こうすることで、ポンプ室内に相変化による気泡を生成でき、ポンプ室内に出口流路へ流出する複雑で淀みのない流れを生み出せるので、ポンプ室の内部に滞留した気泡を容易に排出できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図17には本発明の実施形態のポンプが示されている。
図1〜図3は実施例1のポンプ10が示されている。
図1は、本実施例1に係るポンプ10の構造を示す縦断面図である。図1において、ポンプ10は、基本構成として、積層形圧電素子70が固着されたカップ状のケース50と、作動流体を流入する流入路21と、作動流体を流出する流出路28と副ポンプ室24と主ポンプ室27とを有するポンプ筐体20と、から構成されている。
ケース50の内側底部には、積層形圧電素子70の一方の端部が接着等の固着手段によって固着され、ケース50の縁部上面及び積層形圧電素子70の他方の端部上面の双方に亘って、主ポンプ室ダイアフラム60が密着固着されている。主ポンプ室ダイアフラム60の上面周縁部は、ポンプ筐体20が固定部の気密が保たれるように固定される。主ポンプ室ダイアフラム60とポンプ筐体20の下部に設けられた凹部の間の空間には、主ポンプ室27が形成される。
一方、ポンプ筐体20の上部にも凹部が設けられ、その凹部の縁部上面には副ポンプ室ダイアフラム45が気密を保つように固着され、副ポンプ室24が形成されている。副ポンプ室ダイアフラム45は、主ポンプ室ダイアフラム60に比較して、薄い板材が用いられ、副ポンプ室24の内圧によって変形可能となっている。副ポンプ室ダイアフラム45の上面には板状圧電素子71が固着されている。この副ポンプ室ダイアフラム45と板状圧電素子71の双方でユニモルフアクチュエータが構成されている。
副ポンプ室ダイアフラム45は、その両面に板状圧電素子71を貼付したバイモルフアクチュエータを構成することもできるが、この場合、作動流体と接する板状圧電素子71の密着に考慮する必要がある一方、より大きな変位のアクチュエータが構成できる。
次に、作動流体の流路に沿って構成を説明する。ポンプ筐体20に突出された入口側接続管30の内部には、流入路21が形成され、副ポンプ室入口側弁穴22、副ポンプ室入口側弁座穴23を経て、副ポンプ室24に連通している。なお、副ポンプ室入口側弁穴22を開閉できる流体抵抗要素としての副ポンプ室入口側逆止弁41が、副ポンプ室入口側弁座穴23の周縁に固定されている。副ポンプ室24と主ポンプ室27の間には、主ポンプ室入口側弁穴25及び主ポンプ室入口側弁座穴26が設けられている。主ポンプ室入口側弁座穴26の周縁には、主ポンプ室入口側弁穴25を開閉できる開閉部材を備えた流体抵抗要素としての主ポンプ室入口側逆止弁42が固定されている。
主ポンプ室27には、流出路28が連通している。流出路28は、主ポンプ室27と接続する細管部と、細管部途中から断面積が拡大された拡大部と、に連続して構成されている。なお、出口流路の外周部は出口側接続管31となっている。
また、図示しないが、入口側接続管30及び出口側接続管31には弾性を有するシリコンゴム製のチューブが接続される。
次に、流路のイナータンス値Lを定義する。流路の断面積をS、流路の長さをr、作動流体の密度をρとした場合に、L=ρ×r/Sで与えられる。流路の差圧をΔP、流路を流れる作動流体の流量をQとした場合に、イナータンス値Lを用いて流路内流体の運動方程式を変形することで、ΔP=L×dQ/dtという関係が導き出される。
つまり、イナータンス値Lとは、単位圧力が流量の時間変化に与える影響度合を示しており、イナータンス値Lが大きいほど流量の時間変化が小さく、イナータンス値Lが小さいほど流量の時間変化が大きくなる。
また、複数の流路の並列接続や、複数の形状が異なる流路の直列接続に関する合成イナータンス値は、個々の流路のイナータンス値を、電気回路におけるインダクタンスの並列接続、直列接続と同様に合成して算出すれば良い。例えば、イナータンス値がそれぞれL1,L2である2つの流路を直列接続した場合、合成イナータンス値はL1+L2で与えられる。
また、以下に説明する入口流路とは、主ポンプ室27内から主ポンプ室入口側弁穴25の流体流入側端面までの流路のことを言う。本実施例1においては、流路の途中に脈動吸収手段としての副ポンプ室ダイアフラム45を備えた副ポンプ室24が接続されているため、主ポンプ室27内から脈動吸収手段との接続部までの流路のことを言う。
従って、副ポンプ室ダイアフラム45が高剛性で脈動吸収効果が小さい場合には、主ポンプ室入口流路の合成イナータンスは、副ポンプ室24の上流の、例えばチューブ等の脈動吸収手段の位置まで計算する必要がある。
出口流路は、出口側接続管31に脈動吸収手段であるチューブが接続されるため、流出路28の出口端面までの流路のことをいう。
次に、逆止弁の開閉部材のイナータンス値を定義する。開閉部材のイナータンス値は開閉部材の質量と開閉部材が塞ぐ流路(弁穴)の断面積とによってほぼ関連付けられ、開閉部材のイナータンス値=開閉部材の質量/開閉部材が塞ぐ流路の断面積の2乗で与えられる。この開閉部材のイナータンス値は、開閉部材が流路を完全に塞いでいる状態から開き出して流量が少ない間は、流路のイナータンスと同様に、単位圧力が流量の時間変化に与える影響度合を示していると考えて良く、やはりイナータンス値が大きいほど流量の時間変化が小さく、イナータンス値が小さいほど流量の時間変化が大きくなる。
次に、実施例1に係るポンプを運転した時の内部状態について、図2に基づき説明する。図1も参照して説明する。
図2は本発明に係るポンプ10の実施例1における、主ポンプ室27及び副ポンプ室24が液体(水)である作動流体で充填されている場合の、積層形圧電素子70の駆動電圧(V)および、主ポンプ室27の絶対圧表示による圧力(MPa)と、時間(ms)と、の関係の波形を示すグラフである。図2において、駆動電圧が増加した場合に積層形圧電素子70は伸長するため主ポンプ室ダイアフラム60は上昇し、主ポンプ室27の容積を圧縮する。図2から、駆動電圧の谷部過ぎから主ポンプ室27の圧縮による圧力上昇が開始し、駆動電圧の上昇勾配が最も大きい点を通過後、主ポンプ室27の内部圧力は急激に下降し、ほぼ絶対圧0気圧近傍にまで落ち込む事がわかる。
これを詳しく説明すると、まず、主ポンプ室入口側逆止弁42が閉鎖されている状態で、主ポンプ室27が圧縮されると流出路(出口流路)28の大きなイナータンスにより、主ポンプ室27内の圧力は大きく上昇する。この主ポンプ室27の内部圧力の上昇により、細管部内の作動流体は加速され、慣性効果を発生する運動エネルギーが蓄えられる。積層形圧電素子70の伸縮速度の勾配が小さくなると、それまでに蓄えられていた出口流路内の作動流体の運動エネルギーによる慣性効果で作動流体は流れ続けようとするため、主ポンプ室27の内部圧力は急激に降下し、やがて副ポンプ室24内の圧力より小さくなる。
この時点で圧力差により主ポンプ室入口側逆止弁42が開き、副ポンプ室24から主ポンプ室27へ作動流体が流入する。このとき、主ポンプ室27の入口流路の合成イナータンス値と開閉部材である主ポンプ室入口側逆止弁42のイナータンス値との和は先述した出口流路側イナータンス値よりも十分に小さいため、効率よく作動流体の流入が生じる。この、主ポンプ室27からの流出と流入が同時に生じている状態は、積層形圧電素子70が収縮して再び伸長に転じるときまで継続している。これが、図2における主ポンプ室27内における圧力の平坦部の状況である。
つまり、本実施例1のポンプ10は、吐出と吸入が継続している状況が長く続くため、大きな流量を流すことができ、また、ポンプ室内が極めて高圧になるため、高い負荷圧に対応できるのである。
このとき、副ポンプ室24では、副ポンプ室ダイアフラム45が副ポンプ室24の内部圧力によって変形し脈動を吸収している。その結果、大きなイナータンスを持つ流入路21からの副ポンプ室24への作動流体の流入は脈動が少ないほぼ定常流となり、副ポンプ室入口側逆止弁41は開放状態が継続する。このように、副ポンプ室ダイアフラム45は、その変形により主ポンプ室27の入口流路側のイナータンス値を小さく保ちながら、流入路21の脈動を押える効果がある。また、このとき副ポンプ室入口側逆止弁41は開放状態が継続するため、流体抵抗の発生や疲労破壊等の問題が発生しない。
次に、ポンプ10が動作を開始する場合の呼び水動作について、図1及び図3に基づき説明する。
図3は、本発明に係る実施例1の駆動回路系のブロック図である。呼び水動作とは、一般に、ポンプ内部に気体が入っている場合に、液体を自吸する能力のない主ポンプ室27の起動時に別のポンプで液体を充填する動作をいう。図3において、ポンプ10の駆動回路系は、主ポンプ室ダイアフラム60を駆動する積層形圧電素子70と、副ポンプ室ダイアフラム45を駆動する板状圧電素子71と、積層形圧電素子70と板状圧電素子71の駆動を切り換える駆動切り換え制御部としての切換え回路85と、ポンプ10の駆動を制御するポンプ駆動制御回路80と、から構成されている。
主ポンプ室27の内部に作動流体が充填されていない場合において、ポンプ駆動制御回路80が発生する駆動電圧はポンプ動作の初期段階では切換え回路85によって、副ポンプ室ダイアフラム45に貼付されている板状圧電素子71に印加される。駆動電圧は、例えば正弦波である。副ポンプ室ダイアフラム45は薄い板材で、かつ変位量が大きいユニモルフアクチュエータの構成となるため、副ポンプ室24は駆動電圧によって大きな容積変化を生じる。副ポンプ室24の入口側には副ポンプ室入口側逆止弁41が配され、一方、出口側には主ポンプ室入口側逆止弁42が配置されている。この主ポンプ室入口側逆止弁42は副ポンプ室24の出口側逆止弁として機能する。
その結果、副ポンプ室24は、入口側と出口側双方に逆止弁を備え体積変化量も大きいため、気体及び液体双方を送出可能なポンプとして機能し、副ポンプ室24及び主ポンプ室27の内部の気体を排出し、作動流体である液体を充填するため、主ポンプ室27の容積変化によってポンプ動作が可能な状態にできるのである。切換え回路85は、タイマー(図示しない)によって十分な時間が経過した後、積層形圧電素子70に駆動電圧を印加するように切り換えられ、高出力動作が自動的に可能になる。
また、主ポンプ室27の動作中は、板状圧電素子71の端子電圧を検出することにより、副ポンプ室ダイアフラム45の動作状態を測定できる。作動流体中の気泡等が主ポンプ室27内に滞留しポンプの性能が低下した場合、副ポンプ室ダイアフラム45の動作量が小さくなる。このときは、一旦、副ポンプ室ダイアフラム45を板状圧電素子71によって動作させて気泡を排出した後、再び主ポンプ室ダイアフラム60を積層形圧電素子70で駆動するように駆動電圧を切り換えることによってポンプ性能を復帰させることができるのである。
上述したような駆動制御を行うことによって、呼び水動作が行われる。
従って、前述した実施例1では、副ポンプ室24は、入口側と出口側双方に逆止弁41,42を備え体積変化量も大きいため、気体および液体双方を送出可能なポンプとして機能し、副ポンプ室24及び主ポンプ室27の内部の気体を排出し、作動流体である液体を充填するため、主ポンプ室27の体積変化によってポンプ動作が可能な状態にできるのである。
切換え回路85は、タイマーによって十分な時間が経過した後、主ポンプ室27の積層形圧電素子70に駆動電圧を印加するように切り換えられ、高出力動作が自動的に可能になる。
また、主ポンプ室27の動作中は、板状圧電素子71の端子電圧を検出することにより、副ポンプ室ダイアフラム45の動作状態を検出できる。作動流体中の気泡等が主ポンプ室27内に滞留しポンプの性能が低下した場合、副ポンプ室ダイアフラム45の動作量が小さくなる。このときは、一旦副ポンプ室ダイアフラム45を板状圧電素子71によって動作させて気泡を排出した後、再び主ポンプ室ダイアフラム60を積層形圧電素子70で駆動するように駆動電圧を切り替えることによってポンプ性能を復帰させることができる。
さらに、主ポンプ室入口流路が、副ポンプ室出口流路となっており、また、主ポンプ室入口流路を開閉する流体抵抗要素(逆止弁42)が、副ポンプ室出口流路を開閉する流体抵抗要素となっているため、作動流体の流路が短くなり、流路の流体抵抗を減ずることができる。また、このことにより、ポンプ10の構造を簡素化することができ、部品数を低減し低コストを実現できるという効果もある。
なお、前述の実施例1では、主ポンプ室27の容積変化を行う手段としてダイアフラム60を採用した場合について説明したが、ピストンを採用しても、本発明の目的を達成することができる。
次に本発明の実施例2について図4に基づき説明する。
実施例2のポンプは、基本構造は前述した実施例1と同様であるが、副ポンプ室24の板状圧電素子71に貼付された駆動電極52の一部を分離し、検出電極53を形成している点に特徴を有する。
図4は、本実施例2の副ポンプ室ダイアフラム方向から視認した平面図である。図4において、副ポンプ室ダイアフラム45の上面の貼付される板状圧電素子71に形成された電極52は、一部が分離されて検出電極53が形成されている。
次に、この検出電極の機能を説明する。ポンプ起動時等の呼び水動作中は、前述した実施例1では、板状圧電素子71に駆動電圧が印加されている。しかしながら実施例2では検出電極53が独立しているため、この呼び水動作中(板状圧電素子71に駆動電圧が印加されている)でも副ポンプ室ダイアフラム45の動きを検出することが可能となっている。副ポンプ室ダイアフラム45の動作により、副ポンプ室24内の気体が排出され、副ポンプ室24に液体が充填されると、その圧縮率の違いから副ポンプ室ダイアフラム45の動きが小さくなり、その直後に主ポンプ室27の内部も作動流体が充填される。従って、吸入側に長い管路が接続される場合などは、時間管理をする方法より正確に呼び水動作の完了時期を検出することができ、短時間で主ポンプ室ダイアフラム60に貼付された積層形圧電素子70に駆動電圧を切り換えできるのである。
また、主ポンプ室ダイアフラム60、副ポンプ室ダイアフラム45のそれぞれの圧電素子に独立に駆動回路を接続し、かつ検出電極53で常にモニターすることで、ポンプ動作中における気泡等の混入の動作不良時にも、回路の切り換え無しにすぐに呼び水動作に移行できる。
従って、前述した実施例2によれば、検出電極53が独立しているため、呼び水動作中でも副ポンプ室ダイアフラム45の動きを検出することが可能となり、正確に呼び水動作の完了時期を検出することができ、短時間で主ポンプ室ダイアフラム60の積層形圧電素子70に駆動電圧を切替えできる。
また、主ポンプ室ダイアフラム60、副ポンプ室ダイアフラム45のそれぞれの圧電素子に独立に駆動回路を接続し、かつ検出電極を常にモニターすることで、気泡等の混入の動作不良時にも、回路の切り換え無しにすぐに呼び水動作に移行できる。
次に本発明の実施例3について図5、図6に基づいて説明する。実施例3のポンプは、基本構造は前述した実施例1と同じであるが、主ポンプ室27の内部に圧力センサ90を備えていることを特徴としている。実施例1と共通部分の説明は省略する。
図5は、本実施例3に係るポンプの部分縦断面図、図6は、実施例3のポンプの駆動回路のブロック図である。図5において、主ポンプ室27の内部上面の壁には、2段構成の凹部35が形成されている。その凹部35の主ポンプ室27側の段には、前述した板状圧電素子71と同じ材質で形成される圧力センサ90が固着されている。圧力センサ90は、表面に図示しない電極が形成され、後述(図6、参照)するポンプ駆動制御回路80に接続されている。上述した凹部35は、圧力センサ90が撓んだときに壁と接触しない程度の間隙を有している。
図6において、ポンプ10の駆動回路系は、主ポンプ室ダイアフラム60を駆動する積層形圧電素子70と、副ポンプ室ダイアフラム45を駆動する板状圧電素子71と、主ポンプ室27の内部圧力を検出する圧力センサ90と、ポンプ10の駆動制御を行うポンプ駆動制御回路80と、から構成されている。
図5、図6において、主ポンプ室27内に気泡が滞留した場合、主ポンプ室27の内部圧力が低下する。この状態を圧力センサ90で検出し、ポンプ駆動制御回路80によって板状圧電素子71に駆動信号を出力して副ポンプ室ダイアフラム45を駆動して副ポンプ室24内の圧力を増加させる。このことにより、主ポンプ室27内に滞留する気泡をポンプ室外に排出する。つまり、主ポンプ室27内の圧力変化に同期させて副ポンプ室ダイアフラム45の板状圧電素子71を駆動する。
なお、前述の実施例1から実施例3では、主ポンプ室27の流出路28側に逆止弁を備えないポンプで構成したが、逆止弁があるポンプであっても、呼び水が必要なポンプにおいては同様の効果が得られる。
従って、前述の実施例3の構成によれば、主ポンプ室27内に圧力センサ90を備えることで、主ポンプ室27に気泡が入り動作不良になった場合等の検出を正確に行うことができる。さらに、本実施例3においては、主ポンプ室ダイアフラム60に同期させて副ポンプ室ダイアフラム45の板状圧電素子71を駆動することが可能であるため、主ポンプ室27の吸入効率を更に向上させることが可能になりより、高出力なポンプが提供できるという効果がある。
次に、本発明に係る実施例4のポンプについて図7、図8に基づき説明する。実施例4は、実施例1の技術思想を基本として、副ポンプ室24(図1、参照)を無くし、気泡排除装置として加圧機構150を備えたことに特徴がある。
図7には、本実施例4のポンプの縦断面図が示されている。図7において、ポンプ100は、基本構成として、積層形圧電素子70が固着されたカップ状のケース50と、作動流体を流入する流入路121と、作動流体を流出する流出路128と、ポンプ室127を備えるポンプ筐体120と、ポンプ室127内に圧力を加えるための加圧機構150(図中、破線で囲まれている)と、から構成されている。
カップ形状のケース50は、内側底部に積層形圧電素子70の一方の端部が固着され、ケース50の縁部及び積層形圧電素子70の他方の端部上面に亘って、ダイアフラム60が固着されている。ダイアフラム60の上面側は、気密が保たれるようにポンプ筐体120が固着され、ダイアフラム60とポンプ筐体120の下部との間の空間に、ポンプ室127が形成されている。
このポンプ室127へ向けて、流入路121と流出路128とが形成されている。そして、流入路121には、ポンプ室127との接続部に流入路121を開閉する流体抵抗要素としての逆止弁122が設けられている。流入路121を構成する筒部の外周の一部は、図示しない外部配管と接続するための入口接続管130となっている。また、流出路128は、ポンプ室127と接続する細管部と途中から断面積が拡大された拡大部とが連続して形成されている。流出路128を構成する筒部の外周は、図示していない外部配管と接続するための出口接続管131となっている。ここで、外部配管としては、例えば、シリコンゴム製のチューブが使用可能である。
また、ポンプ室127の内部上面の壁には、ポンプ室127の内部圧力を検出する圧力検出部としての圧力センサ90が固着されている。
このポンプ100には、図中、破線で囲って示した加圧機構150が設けられている。
加圧機構150には、弾性体である金属製のベローズ151と、ベローズ151の容積変更機構としての圧電素子等から構成されるアクチュエータ170と、流出路128における作動流体の流動を遮断する遮断弁140と、が備えられている。ベローズ151は、出口接続管131の側面に密着固定され、開口部152が流出路128に流通する流路132に接続されている。
ベローズ151の内部は、容積変化可能な部屋が形成されると共に、ベローズ151の内部圧力を検出する圧力検出部としての圧力センサ91が備えられており、ベローズ151はアクチュエータ170によって容積が変更される。
アクチュエータ170は、実施例4では、ベローズ151に対向した反対側の端部が、入口接続管130の側部に固着され、図示しない駆動部によって往復運動し、ベローズ151を圧縮する押圧部171から構成されポンプ駆動制御回路180(図8、参照)によって駆動される。
なお、ベローズ151が接続された場所の流出路128の拡大部断面積は、細管部の断面積の約2倍となっている。これは、ベローズ151が接続された流路132を通過する流体の流速を低下させ、通過時に生じる流体のエネルギー損失を少なくするためである。
本発明におけるポンプの駆動に重要なイナータンス値の関係は、実施例1で説明したため省略するが、本実施例4における入口流路及び出口流路について定義する。
ポンプ室127へ作動流体が流入する流路において、ポンプ室127への開口部から脈動吸収手段との接続部までの流路のことを入口流路という。ここで、脈動吸収手段とは流路内の圧力変動を十分に減衰させる手段である。そして、シリコンゴム等のゴム、その他の樹脂、薄い金属等、内部の圧力によって変形しやすい材質でできた流路や、流路に接続されたアキュムレータ、さらに、複数の異なる位相の圧力変動を合成する集合流路等が、脈動吸収手段に相当する。
実施例4においては、入口接続管130にシリコンゴムチューブの外部配管が接続されているため、流入路121においてポンプ室127への開口部からシリコンゴムチューブ接続側端面までの流路、つまり流入路121そのもののことを入口流路という。
また、出口流路の定義も入口流路と同様であり、ポンプ室127から作動流体が流出する流路において、ポンプ室127への開口部から脈動吸収手段との接続部までの流路のことを出口流路という。そして、本実施例4においては、流出路128の途中にあるベローズ151が後述する吐出モードで圧力脈動を吸収する効果をもつため、ポンプ室127への開口部からベローズ151の接続部までの流出路128のことを出口流路という。
次に、本実施例4のポンプ100を吐出モードで運転する場合について説明する。
吐出モードとは、流出路128の下流側へ作動流体を流出させる動作モードであり、ポンプ室127に作動流体が充填され気泡が滞留していない場合に行われる。このとき、遮断弁140は流出路128を遮断していない。そして、アクチュエータ170の押圧部171は図7で示したようにベローズ151から離れている。その結果、ベローズ151は内部の圧力により自由に弾性変形でき、ベローズ151が流出路128内の圧力脈動を減衰する機能を果たしている。その効果として、出口接続管131にどのような材質の外部配管を接続しても出口流路のイナータンス値には影響がなく、接続された外部配管によるポンプ性能の変化を防止できる。なお、ベローズ151以外でも体積変化可能な部屋が弾性体で構成されていればこのような効果を得ることができる。
次に、実施例4に係わるポンプ100を運転した時の内部状態について説明する。ポンプ100の内部状態は、前述した実施例1(図2、参照)と同じであるため省略するが、本実施例4の特徴を示す内容について詳しく説明を加える。
図2、図7を参照して説明する。図2において、ポンプ室127内の圧力が最大で約2MPaまで上昇しているように、本実施例4のポンプ100は、ポンプ室127内に高い圧力を生じさせて高出力を得ている。そのため、特にポンプ室127の内部に気泡が滞留した場合には、積層形圧電素子70が最も縮んだ状態から最も伸びた状態となるまでの間にダイアフラム60の変形によって生じるポンプ室127の容積の変化量(以降、排除容積と呼ぶ)は、気泡を圧縮するのに使われ、ポンプ室127内の圧力上昇に寄与しなくなり、ポンプ動作が不能になる。そのため、滞留した気泡は速やかに排除することが重要である。
続いて、実施例4に係わるポンプ100を気泡排出モードで運転する場合について、図7と図8とを用いて説明する。
図8は、本実施例4に係るポンプ100の駆動回路のブロック図である。ここで、気泡排出モードとは、ポンプ室127に気泡が滞留した場合に行う動作モードである。図8において、ポンプ100の駆動回路系は、ポンプ室127内の圧力を検出する圧力センサ90(図7、参照)、ベローズ151内の圧力を検出する圧力センサ91と、加圧機構150と、これらを制御するポンプ駆動制御回路180と、から構成される。
次に、気泡排出モードで運転する際に加圧機構150を動作して内在する気泡の排出について説明する。
圧力センサ90によって検出された最大ポンプ室内圧力が、その駆動条件におけるポンプ正常運転時の最大ポンプ室内圧力と比較して小さい場合、具体的には半分以下である場合に、ポンプ駆動制御回路180はポンプ室127の内部に気泡が滞留していると判断する。すると、ポンプ駆動制御回路180から加圧機構150に命令が送られる。その命令により、まず、遮断弁140は流出路128を遮断していない状態となる。次に、図7においてアクチュエータ170が左端の押圧部171を左側へ伸ばしベローズ151と接触させ、更に左方向へベローズ151を圧縮し、ベローズ151で構成される部屋の容積を大きく減少させる。これは、ベローズ151で構成される部屋に溜まっていた気泡を遮断弁140より下流へ流し出すためである。
次に、遮断弁140は流出路128を遮断し、アクチュエータ170は、押圧部171を縮ませベローズ151から分離される。ベローズ151は弾性体で形成されているので自身の弾性力で元に復帰する。このようにすることによって、ベローズ151の内部には作動流体が充填される。続いて、アクチュエータ170によって、再度、ベローズ151を圧縮する。その結果、ベローズ151の部屋内部からポンプ室127までに存在する作動流体の圧力を上昇させることができる。
ポンプ室127に滞留していた気泡は、加圧されることで体積が小さくなり、排除体積より気泡体積を十分に小さくすることができる。そのとき、ベローズ151の部屋はゲージ圧で約1気圧以上、望ましくは約1気圧から5気圧の間の圧力にすることが必要である。そして、ベローズ151で構成される部屋の圧力を検出する圧力センサ91の検出値に基づいて、ポンプ駆動制御回路180がベローズ151を圧縮するアクチュエータ170を制御することで、ベローズ151の内部をこの適正な圧力に上昇させることができる。
続いて、積層形圧電素子70を駆動すると、吐出モードの時のように、ポンプ室127内部の圧力は十分に上昇し、ポンプ室127から流出路128へ作動流体が流出する。ポンプ室127に滞留していた気泡は、ポンプ室127内の作動流体の流れに乗り、ポンプ室127に滞留していた気泡はベローズ151の内部へ排出される。
遮断弁140が流出路128を遮断してから、積層形圧電素子70が駆動された時間をカウントするタイマー(図示しない)がポンプ駆動制御回路180に備えられており、ポンプ室127内に滞留した気泡が排出される充分な時間として事前に求めた時間をこのタイマーによってカウントした後、遮断弁140は流出路128の遮断を解除し、アクチュエータ170をベローズ151から分離する位置まで縮ませ、気泡排出モードを終了する。
この際、ポンプ室127から排出された作動流体によりベローズ151の内部圧力は上昇するが、圧力による変形が弾性変形許容範囲内に抑えられるように設計してある。このように、容積変化可能な部屋を弾性体で構成することで、作動流体の流入による圧力上昇を緩やかにし、ポンプ100を構成する部品が破壊されるのを防止することができる。
また、ベローズ151内に備えられた圧力センサ91の検出値を用いて、ポンプ駆動制御回路180がアクチュエータ170を制御し、ベローズ151内部の圧力上昇を確実に抑えても良い。
さらには、ベローズ151にリリーフ弁を取りつけ、ベローズ151の内部圧力が高まりすぎた場合にはリリーフ弁が開いて、ベローズ151の内部の圧力上昇を確実に抑えるよう構成しても良い。
従って、実施例4では、ポンプ室127の内部に存在する作動流体の圧力を上昇させた状態で維持する加圧機構150が備えられているために、ポンプ室127内に気泡が滞留することでポンプ室127内の圧力が低下し、作動流体の吐出が不可能になった場合、ポンプ室127内に存在する作動流体の圧力を上昇させた状態で維持することができる。その結果、気泡体積が小さくなり、ダイアフラム60の駆動によりポンプ室127の容積を圧縮し、ポンプ室内の気泡を排出することができる。
また、加圧機構150は、ベローズ151を加圧するが、ベローズ151の容積変化可能な部屋は流出路128まで連通しており、流出路128と連通しているポンプ室127内において、簡単に高い圧力を発生することができる。
さらに、容積変化可能な部屋を弾性体により構成したことにより、体積変化可能な部屋への作動流体の流入による圧力上昇を緩やかにし、圧力によるポンプを構成する部品の損傷を防止することができる。また、容積変化可能な部屋を弾性体により構成することで、出口流路内の圧力脈動を減衰する機能を兼ねさせることができる。その結果、出口流路に接続される外部配管の影響によるポンプ性能の変化を防止できる。
(実施例4の変形例1)
以上説明した実施例4の変形例として、例えば、ポンプ駆動制御回路180のタイマーでカウントする時間は任意に設定し、気泡排出モード終了後に吐出モードで運転しポンプ室127内の圧力センサ90の検出値をチェックしても良い。
こうすると、気泡が排出されるまで気泡排出モードの動作を繰り返し行い、確実に気泡を排出できる。
また、前述した実施例4では、ポンプ室127内の圧力センサ90を用いて気泡が滞留したと判断した場合に気泡排出モードの動作を行い、無駄に気泡排出モードの動作を行わないが、この他に、適当な時間が経過する毎に気泡排出モードの動作を行っても良い。
この場合は、圧力センサ90を省略することができ、構造を簡略化することができる。
さらに、流入路121と流出路128とが外部配管によって接続されている場合は、遮断弁140がなくてもベローズ151をアクチュエータ170で押すことでポンプ室127内の圧力を上昇させた状態で維持することができ、同様の効果をもたらす。また、ベローズ151を押すためにアクチュエータ170を設けたが、圧力センサ91の出力を人間が把握できる表示手段を設けて、その表示を見ながら人間が遮断弁140を操作しベローズ151を押しても、同様の効果を得ることができる。
(実施例4の変形例2)
また、実施例4では、ポンプ室圧力検出手段として、ポンプ室127内に圧力センサ90を備えたが、他の手段を用いることができる。
例えば、ダイアフラム60の歪を歪ゲージや変位センサで測定し、ポンプ室127内部の圧力を算出する方法がある。
また、ケース50の変形を歪ゲージで測定し、ポンプ室127の圧力を算出する方法もある。
また、逆止弁122が閉じている状態での開閉部材の変形を歪ゲージや変位センサで測定して、ポンプ室127の圧力を算出する方法もある。
また、積層形圧電素子70を駆動する電流を電流センサで測定して、ポンプ室127の圧力を算出する方法もある。さらに、積層形圧電素子70に歪ゲージが取りつけられていて、積層形圧電素子70への印可電圧と歪ゲージの測定値から、ポンプ室127の圧力を算出する方法がある。このとき、歪ゲージとしては、歪量を抵抗変化、静電容量変化、または、電圧変化で検出するもの等、どのタイプを使用しても構わない。また、ベローズ151内の圧力検出手段として、ベローズ151の変形を歪ゲージにて検出し圧力を算出する構造も採用することができる。
(実施例4の変形例3)
また、前述の実施例4では、アクチュエータ170としては圧電素子を採用したが、圧電素子の他に電磁タイプ、形状記憶合金タイプ、等を採用することができる。その内、形状記憶合金タイプのものは簡単な構造で大きな変位量を実現できるため好適である。
さらに、容積変化可能な部屋を構成する弾性体としては、ゴムや樹脂材質のもので構成しても良いが、特に、金属製にすると作動流体の蒸発を防ぐことができより好ましい。また、形状としては膜やダイアフラム形状にしても良いが、本実施例4で説明したようなベローズ形状とすると変位量を大きくでき、気泡排出モードで積層形圧電素子70を長い時間連続運転できるため、気泡を排出しやすい点で好ましい。
従って、前述した実施例4の変形例の構成においても、実施例4と同様な効果を得ることができる。
次に、本発明のポンプに係る実施例5を図9に基づき説明する。
実施例5の基本構造は実施例4(図7、参照)と同じであるが、ポンプ室127から流出した作動流体をベローズ151で構成された部屋へ導く第1の状態と、ポンプ室127から流出した作動流体の流れからベローズ151で構成された部屋を遮断する第2の状態と、を切換える構造であることに特徴があり、異なる点を中心に説明する。なお、同じ機能部材には、実施例4(図7、参照)と同じ符号を附与している。
図9は、実施例5のポンプ100の縦断面が示されている。図9において、破線で囲った加圧機構150が流出路128に設けられている。加圧機構150は、弾性体である金属製のベローズ151と、流路切換え手段である切換え弁190(図中、二点鎖線で囲まれる)と、から構成されている。切換え弁190は、ベローズ151で構成された部屋の開口部152から流出路128に連通する流路132を開閉する切換え弁182と、流出路128を開閉する切換え弁183とから構成されている。
切換え弁190の機能は、ポンプ室127から切換え弁182までの流出路128と、それより下流側の流出路128と、切換え弁183を開放して連通し、切換え弁182を閉鎖してベローズ151で構成された部屋と流出路128とは遮断した第1の接続状態と、ポンプ室127から切換え弁182までの流出路128とベローズ151で構成された部屋とを連通し、切換え弁183を閉鎖して、切換え弁183より下流側の流出路128は遮断した第2の接続状態と、を切替えることである。
流出路128において切換え弁183が配置された場所の流出路128の断面積は、流出路128におけるポンプ室127と接続している細い流路部分の流路断面積の約2倍となっている。この理由は実施例4で説明している。また、ベローズ151の内部には、ベローズ151で構成される部屋の圧力を検出するベローズ内圧力検出手段としての圧力センサ91が備えられている。
ここで、実施例5における入口流路及び出口流路の定義、イナータンス値の関係は,実施例4と同じである。
次に、本実例5のポンプ100を吐出モードで運転する場合について説明する。本実施例5において、吐出モードでは、切換え弁190が第1の接続状態になって流出路128の下流側へ作動流体を流出させる。このとき、積層形圧電素子70を駆動した場合のポンプ室127内の圧力波形は前述した実施例1(図2、参照)と同じである。そのため、実施例1と同様に、吐出と吸入が同時に生じている状況が存在し、大きな流量を流すことができ、また、ポンプ室内が極めて高圧になるため、高い負荷圧力に対応できる。一方、ポンプ室127内部に気泡が滞留した場合にポンプとして好適な動作をしなくなるのも実施例1で説明した。
次に、ポンプ室内に気泡が滞留した場合に行う気泡排出モードでの運転について説明する。なお、図示しないが、切替え弁制御系としては、ポンプ駆動制御回路は、ポンプ室127の内部に気泡が滞留していると判断すると、ポンプ駆動制御回路から切換え弁190に命令が送られ、切換え弁190は第1の接続状態から第2の接続状態に切替えられる。そのとき、ベローズ151の内部は事前にゲージ圧で約1気圧以上、望ましくは約1気圧から5気圧の間の圧力に加圧されているので、ポンプ室127は、ほぼこの圧力まで加圧される。このように、容積変化可能な部屋を弾性体で構成することで、弾性体の弾性力だけで加圧することが可能となっている。
ポンプ室127に滞留していた気泡は、加圧されることで体積がポンプ室127の排除体積より小さくなるため、積層形圧電素子70の駆動により、実施例4での説明と同様にベローズ151の内部へ排出される。そして、切換え弁190が第2の接続状態に切替えられてから、積層形圧電素子70が駆動された時間をカウントするタイマー(図示しない)がポンプ駆動制御回路に備えられているため、ポンプ室127内に滞留した気泡が排出される充分な時間として事前に求めておいた時間をこのタイマーによってカウントした後、切換え弁190は第1の接続状態に切替えられ、気泡排出モードを終了する。
このとき、ポンプ室127から排出された作動流体によりベローズ151の内部圧力は上昇するが、圧力による変形が弾性変形許容範囲内に抑えられるように設計してある。また、ベローズ151に図示していないリリーフ弁をとりつけ、ベローズ151の内部圧力が高まりすぎた場合にはリリーフ弁を開いて、ベローズ151の内部の圧力上昇を抑え、ゲージ圧で約1気圧以上、望ましくは約1気圧から5気圧の間の一定値に内部圧力を保つ構成にしても良い。この気泡排出モードにより、滞留していた気泡が排除されて、ポンプ性能を正常に回復させることができる。
次に、ベローズ151内部の圧力をゲージ圧で約1気圧以上、望ましくは約1気圧から5気圧の間の値に常に保つために行うベローズ加圧モードについて図8を用いて説明する。
ベローズ151内に備えられた圧力センサ91によってベローズ151内の圧力は検出される。検出された圧力が、ゲージ圧で約1気圧より小さい場合、ポンプ駆動制御回路180から加圧機構150に命令が送られ、切換え弁190は第2の接続状態に切り換えられる。次に、積層形圧電素子70でダイアフラム60を駆動し、吐出モードの時と同様に、ポンプ室127から流出路128へ流体を流出させる。
すると、切換え弁182を経由してベローズ151の内部へ作動流体が流入し、ベローズ151で構成された部屋の内部が加圧される。そして、圧力センサ91の検出値により、ポンプ駆動制御回路180が、ベローズ151内の圧力がゲージ圧で約1気圧以上、望ましくは約1気圧から5気圧の間に到達したことを確認すると、ポンプ駆動制御回路180から加圧機構150に命令が送られ、切換え弁190は第1の接続状態に切り替えられ、ベローズ加圧モードは終了する。この動作モードを行うことで、切換え弁190等に漏れがある場合でも、ベローズ151の内部を常に設定した圧力に維持し、気泡吐出モードに備えることができる。
前述した実施例5では、切換え弁190は2つの弁で構成しているが、一体化された3方弁等を用いても構わない。また、ベローズ151には気密性良く塞ぐことのできる穴(図は、省略)が設けられており、ベローズ151内に気泡が溜まりすぎた場合には、この穴より気泡を排出することが可能となっている。
以上説明した実施例5の変形例として、時間とベローズ151からの漏れ量との関係が判明している場合には、ベローズ内に圧力センサ91を設けずに、所定の時間間隔毎にベローズ加圧モードを行っても良い。この場合、前回のベローズ加圧モードを終了してから今回のベローズ加圧モードを開始するまでの時間から漏れ量を換算し、その漏れ量と等しい体積の作動流体がポンプ室127からベローズ151の内部に流入するのに必要な時間だけ積層形圧電素子70を駆動することができる。
さらに、圧力センサ91を設けずに、ベローズ151で構成される部屋に図示しないリリーフ弁を設け、所定の時間間隔毎にベローズ加圧モードを行っても良い。こうすると、ベローズ加圧モードを行った際にリリーフ弁で設定した圧力以上にベローズ151の内部が加圧されると、リリーフ弁が開き作動流体を逃がすため、ベローズ151の内部を一定の圧力に維持できる。
以上の説明において、ポンプ室127内の圧力を検出するポンプ室127内の圧力センサ90、ベローズ151内の圧力センサ91は、実施例4で説明した圧力センサが同様に使用できる。
従って、本実施例5によれば、加圧機構150には、ポンプ室127から流出した作動流体をベローズ151の部屋へ導く第1の状態と、ポンプ室127から流出した作動流体の流れからベローズ151の部屋を遮断した第2の状態とを切替える流路切替手段を設けられている。こうすることで、容積変化可能な部屋を構成する弾性体の弾性力で確実にポンプ室127内の作動流体を加圧することができる。
さらに、容積変化可能な部屋の内部の圧力を検出する圧力センサ91を備えており、容積変化可能な部屋の内部の圧力を適正な圧力範囲に制御することができる。また、ポンプ室127にも圧力センサ90を備えているので、ポンプ室127に気泡が滞留しているか判断することが可能となる。
さらに、加圧機構150により加えられる圧力はゲージ圧で約1気圧から5気圧の間としたために、圧力によりポンプを構成する部品を損傷することなく、ポンプ室内に滞留した気泡の体積を排出可能なまで十分に小さくすることができる。
次に、本発明に係るポンプの実施例6について、図10及び図11を用いて説明する。本実施例6は、加圧機構以外のポンプの基本構造は前述した実施例4と同じであるので、異なる点について詳しく説明する。本実施例6は、流出路128に外部配管を接続しないで使用されるもので、実施例4及び実施例5において説明した切換え弁(図7、図9を参照)を必要としない構造であり、加圧機構150が、流出路128と着脱可能に備えられていることを特徴とする。
図10は、実施例6の加圧機構単体の縦断面図をしめしている。図10において、加圧機構150は、ベローズ151と、ベローズ151が固着され、バルブ156を格納するバルブケース153と、を備えている。
ベローズ151は、前述した実施例4で説明したように、作動流体を滞留する容積変化可能な部屋と開口部152が形成され、バルブケース153の端部に密着固着されている。
バルブケース153は、ベローズ151と流通する開口部152と、ポンプ100の出口接続管131が挿入される(図11、参照)差込口155と、開口部152と差込口155を連通し、バルブ156が装着されるバルブ装着孔154と、バルブ156のロッド159が挿通されるロッド挿通孔160と、が形成されている。差込口155の途中には、出口接続管131と差込口155との接続部から作動流体が漏洩することを防止するためのシール部材165が装着されている。
バルブ156は、ロッド挿通孔160を挟んでロッド159と、ロッド159を軸止する座金157とで接続されている。座金157には、作動流体が流通する貫通孔158が形成されている。また、座金157と差込口155の内側の壁との間には、バルブ156を、前述したロッド挿通孔160を封止するように付勢するコイルばね161と、から構成されている。
また、ベローズ151の容積変化可能な部屋は、ベローズ151の弾性力により、実施例4、実施例5と同様に、ゲージ圧で約1気圧〜5気圧の範囲に加圧されている。
図11は、前述した加圧機構150をポンプ100の出口接続管131に装着した状態を示す部分縦断面図である。図11において、出口接続管131に加圧機構150の差込口155が挿入されている。この際、出口接続管131の先端部が座金157と当接してコイルばね161を圧縮しバルブ156がロッド挿通孔160を開放する位置まで移動されている。このとき、流出路128とベローズ151で囲まれた部屋とは、貫通孔158を介して作動流体が流通できる状態である。
次に、本実施例6におけるポンプ100の気泡が滞留していない場合について説明する。図10、図11を参照して説明する。
実施例6のポンプ100は、気泡が滞留していない通常使用時は、流出路128と加圧機構150とを分離して用い、流出路128から作動流体を吐出させて使用するものである。この場合も流出路128へ作動流体を流出させる原理は、前述の実施例1で説明した通りである。従って、ポンプ室127の内部に気泡が滞留した場合には、ポンプ室内の圧力上昇が阻害されポンプ性能が大幅に低下するので、速やかに気泡を排除することが重要である。
次に、ポンプ室127内に気泡が滞留した場合について説明する。
気泡が滞留している場合、流出路128からの作動流体の流出量が大幅に減少する。そこで、流出路128からの流出量が減少したことを使用者が観察したときに、使用者が加圧機構150を出口接続管131を差し込む(図11に示す)。図11において、出口接続管131の端部で座金157をコイルばね159ばねの弾性力よりも強い力で押されることで、コイルばね161が縮み、バルブ156が開き、座金157に設けられた作動流体の貫通孔158と、開いたバルブ156とが連通され、流出路128はベローズ151の内部(部屋部)と接続される。
このようにして、ポンプ室127の内部が加圧されると、ポンプ室127の内部に滞留していた気泡の体積が小さくなるため、実施例4及び実施例5において説明したことと同様に、滞留していた気泡を流出路128からベローズ151の内部へ排出できる。このとき、この流出路128とベローズ151との接続が外れ難いようにするロック機構を設けると良い。
なお、本実施形態においても、ベローズ151にリリーフ弁を設けて、ベローズ内部の圧力上昇を抑えても良い。また、ベローズ151に気密性良く塞ぐことのできる穴を設け、ベローズ内に溜まった気泡を抜くように構成しても良い。
従って、前述した実施例6によれば、加圧機構が着脱自在であり、出口流路に挿着したときには、出口流路と加圧機構とを連通して、容積変化可能な部屋の圧力を高めてポンプ室内の気泡を排出し、ポンプ室内に気泡が滞留していない場合には、加圧機構を取外した状態の小型軽量化されたポンプとすることができる。
次に、本発明に係るポンプの実施例7について図12〜図14に基づき説明する。実施例7は、ポンプの基本構造及び作動流体の吐出動作は、前述の実施例1〜実施例6と同じであるが、ポンプ室内の気泡排除手段として、発熱部を備えることに特徴を有している。従って、この発熱部と気泡排除の関係について詳しく説明する。
図12は、本実施例7によるポンプ200の縦断面を示している。図12において、ポンプ200は、基本構成として、積層形圧電素子70が固着されたカップ状のケース50と、作動流体を流入する流入路221と、作動流体を流出する流出路228と、ポンプ室227を備えるポンプ筐体220と、ポンプ室227内にリング状のヒーター212と、を備えている。
ケース50は、内側底部に積層形圧電素子70の一方の端部が固着され、ケース50の縁部及び積層形圧電素子70の他方の端部の双方に、ダイアフラム60が固着されている。ダイアフラム60の上面側は、気密が保たれるようにポンプ筐体220が固着され、ダイアフラム60とポンプ筐体220の下部との間の空間に、ポンプ室227が形成されている。
このポンプ室227へ向けて、流入路221と流出路228とが形成されている。そして、流入路221には、ポンプ室127との接続部に流入路221を開閉する流体抵抗要素としての逆止弁222が設けられている。流入路221を構成する筒部の外周の一部は、図示していない外部配管と接続するための入口接続管230となっている。流出路228を構成する筒部の外周の一部は、図示していない外部配管と接続するための出口接続管231となっている。ここで、図示を省略した外部配管としては、例えば、シリコンゴム製のチューブが使用可能である。
ここで、入口流路は流入路221そのものであり、出口流路は、流出路228そのものである。また、イナータンス値の関係は、前述したように入口流路側の合成イナータンス値は、出口側のイナータンス値よりも小さく設定されている。
また、ポンプ室227の内部上面の壁の外周隅部には、リング状のヒーター212が固着されている。ヒーター212はポンプ室227の上面の壁の隅部に嵌め合わされて気密が保たれるように固定され、ポンプ室227の上面の壁の表面からポンプ室側へ突出しないように固定される。
図13は、図12で示したポンプ筐体220をポンプ室側から視認した平面図である。図13において、ヒーター212はポンプ室227の隅部の気泡が滞留しやすい位置に配置されている。このヒーター212はアルミナ等のセラミックス基板に抵抗体を固着して更に絶縁膜を被せたものである。抵抗体としては様々あるが、融点が高いものが好ましく、具体的には白金または白金系の合金が望ましい。また、図示を省略しているが、ヒーター212へ通電するためのリード線は、ポンプ筐体220を貫通してポンプ外部へ取り出されている。
なお、ポンプ室227内には、図示しない圧力センサ90が備えられている(図15、参照)。
また、実施例7におけるヒーター212の変形例について、図14を参照して説明する。
図14において、ヒーター212は、円盤状の薄板で形成されており、ポンプ室227の上面壁のうち流入路221及び流出路228の周縁部を除く広い範囲に亘って固定されている。このヒーター212は、ポンプ室227の上面壁の表面から突出しないように嵌め込まれている。
次に、本実施例7のポンプ200を作動流体の吐出モードで運転する場合について説明する。
この吐出モードにおけるポンプの運転は、ヒーター212への通電はせずに圧電素子70にのみ電圧を印加するモードである。この吐出モードは、前述した実施例1〜実施例6で説明しているため、ここでは説明を省略する。なお、この際、前述したように、ポンプ室227内に気泡が滞留した場合において、ポンプ室内の圧力が低下し、ポンプの性能が劣化するので、気泡排出モードに移行させる。
次に、実施例7のポンプ200を気泡排出モードで運転する場合について、図15(図12も参照)に基づき説明する。
図15は、ポンプ200の駆動回路系のブロック図である。図15において、ポンプ200の駆動回路系は、ポンプ室227内のポンプ室圧力検出手段としての圧力センサ90と、ヒーター212と、ヒーター212を制御する通電回路265と、ポンプ200を駆動制御するポンプ駆動制御回路280とから構成されている。
ポンプ200を吐出モードで運転している時に圧力センサ90によって検出された最大ポンプ室内圧力が、その駆動条件におけるポンプ正常運転時の最大ポンプ室内圧力と比較して小さい場合、具体的には50%以下である場合に、ポンプ駆動制御回路280はポンプ室227の内部に気泡が滞留していると判断し、吐出モードから気泡排出モードに運転モードを移行する。すると、ポンプ駆動制御回路280から通電回路265へ信号が送られ、その信号により、通電回路265はヒーター212へ通電を開始する。
ヒーター212は前に説明したように流れが淀み、気泡が滞留しやすい隅部に配置されているので、ヒーター212の発熱によって、その近傍に存在している滞留気泡を加熱し、その体積を膨張させることができる。このようにして滞留気泡の大きさが淀み領域に収まりきらなくなると、ダイアフラム60の駆動によるポンプ室227内の流れによって滞留気泡が動かされ、流出路128から排出することができる。そして、この気泡排出モードは予め適当に設定した時間が過ぎると終了するようになっている。
このとき、ヒーター212を複数個で構成すると、各ヒーターへの通電を時間によって順次切り替えるよう通電回路265を構成することで、通電されているヒーターの発熱量は変えずに通電電流を減少でき、通電回路265を小型化できる点で好ましい。
一方ここで、ヒーター212の表面に存在する作動流体が相変化する熱量を発生させ、ヒーター212表面の各所から相変化による気泡を発生させても良い。この方法では、発生した気泡体積分の作動流体が流出路228へ流出するため、ヒーター212への通電を停止し相変化が終了すると、流出した作動流体の体積に相当する量の作動流体が流入路221から逆止弁222を通過してポンプ室227内へ流入する。このとき、ヒーター212の表面の各所から相変化による気泡が発生するため、ポンプ室227の内部で生じる流れは複雑で淀みがなく、吐出モードの流れで淀み領域となるポンプ室の隅部等に溜まった滞留気泡を排出することができる。
さらに、通電回路265からの通電により、ヒーター212には表面に存在する作動流体が過熱状態に達する十分な熱量を発生させ、ヒーター212の表面全体に膜状の気泡が発生する膜沸騰を生じさせても良い。この方法は、相変化により発生する気泡の体積が大きくなり、一回の通電でポンプ室227から流出路228へ流出させる作動流体の体積が増加するため、滞留気泡を排出し易くなる点でより好ましい。
図16は、ヒーター212の変形例について示している。図16において、ヒーター212は、流入路221側に配置されるヒーター213と流出路228側に配置されるヒーター214の二つのヒーターから構成されている。
この際、通電回路265(図15、参照)によって、各ヒーターへの通電電流の位相をずらす。このことにより、一方のヒーター表面で膜沸騰により発生する気泡の内部圧力が最大値を過ぎてから、他方のヒーター表面で膜沸騰により発生する気泡の内部圧力が最大値を迎えることになる。
さらに、流出路228のポンプ室227への開口部に近いヒーター213と遠いヒーター214とを設け、遠いヒーター214を先に通電し、位相を遅らせてヒーター213に通電を開始するようにすると、ポンプ室227の隅部から流出路228に向う流れを生み出しやすい点で好ましい。もちろんヒーター212の数は2以上であってもまったく構わない。
なお、ヒーター212の表面の作動流体を相変化させる場合、ダイアフラム60は停止状態、駆動状態のどちらでも構わないが、ダイアフラム60を駆動しておいたほうが、ポンプ室内の流れがより複雑になり滞留気泡を排除しやすい点で好ましい。
また、実施例7において、ヒーター212への通電をパルス電流で行い、ヒーター212をパルス状に発熱させ、その発熱に同期してダイアフラム60をポンプ室227の容積減少方向に駆動するというように、ポンプ駆動制御回路280と通電回路265とを制御することもできる。
発熱部で消費するエネルギーを削減しながら、効果的にポンプ室の内部に滞留した気泡を排出できる。
また、1回の気泡排出モード中にヒーター212への通電開始と停止とを、複数回繰り返すようにすると、より複雑な流れがポンプ室内に生じ滞留気泡を排出しやすくなる点で好ましい。さらに、気泡排出モード終了後に吐出モードで運転し、圧力センサ91の検出値をチェックするよう構成すると、滞留気泡が確実に排出されるまで気泡排出モードの運転を繰り返し行うことができ好ましい。
従って、前述の実施例7によれば、ポンプ室227内にヒーター212を備え、加熱することによってポンプ室227内の圧力を高め、気泡体積を圧縮することで、ポンプ室227内の気泡を排出することができる。
さらに、ヒーター212をポンプ室227の壁から突出することがないように嵌め込み、また、少なくともポンプ室227の隅部に配置しているため、気泡が滞留しやすい突出部における気泡の滞留を防止すると共に、ポンプ室227の隅部から滞留気泡を排出することができる。
また、ヒーター212が複数配置された場合、ヒーター212に供給する単位時間当たりのエネルギー量を減らし、またポンプが破壊されるのを防ぎながら滞留していた気泡を速く排出したりできる。
また、ポンプ室227内に圧力センサ90を備えているので、ポンプ室227に気泡が滞留しているかを確実に判断し、前述したようにポンプ室227内の気泡を排出することができる。
また、ヒーター212の発熱をパルス状に行い、そのパルスと同期させてダイアフラム60を動作させているので、ヒーター212で消費するエネルギーを削減しながら、効果的にポンプ室227の内部に滞留した気泡を排出できる。
また、ヒーター212と接する作動流体が相変化する発熱量となるように加熱を行う駆動制御を行うことで、ポンプ室227内に相変化による気泡を生成でき、ポンプ室227内に流出路228へ流出する複雑で淀みのない流れを生み出せるので、ポンプ室227の内部に滞留した気泡を排出できるという効果がある。
さらに、以上の説明においては、圧力センサ91を用いて気泡が滞留したと判断した場合に気泡排出モードを行い、無駄に気泡排出モードを行わないが、この他に、適当な時間が経過する毎に気泡排出モードの動作を行うよう構成しても良い。この場合は、圧力センサ91を省略でき簡便に実施できる。
さらに、以上の説明において、ポンプ室圧力検出手段としては、ポンプ室227内に圧力センサを設ける構成を説明したが、他の方法を用いても構わない。他の方法としては、例えば、ダイアフラム60の歪を歪ゲージや変位センサで測定し、ポンプ室227内部の圧力を算出する方法がある。また、逆止弁222が閉じている状態での弁板の変形を歪ゲージや変位センサで測定して、ポンプ室227の圧力を算出する方法もある。また、圧電素子70を駆動する電流を電流センサで測定して、ポンプ室227の圧力を算出する方法もある。さらに、圧電素子70に歪ゲージが取りつけられていて、圧電素子70への印可電圧と歪ゲージの測定値からポンプ室227の圧力を算出する方法がある。このとき、歪ゲージとしては、歪量を抵抗変化、静電容量変化、または、電圧変化で検出するもの等、どのタイプを使用しても構わない。
また、ダイアフラム60の形状は円形に限定するものではない。また、逆止弁222は、流体の圧力差によって開閉する受動弁だけではなく、それ以外の力で開閉を制御することができる能動弁タイプのものを使用しても構わない。
なお、本発明は前述の実施例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述の実施例7では、入口流路側の合成イナータンス値が出口流路側の合成イナータンス値よりも小さく、このことによる作動流体の慣性効果による小型、高圧力ポンプに気泡排出手段としてヒーター212を採用していたが、このような気泡排出手段は、例えば、図17に示すようなユニモルフ型ダイアフラムを用いるポンプにも採用することができる。
図17は、ユニモルフ型ダイアフラムを採用したポンプの縦断面図である。図17において、実施例7と異なる個所について詳しく説明する。ポンプ200は、ダイアフラムとしてユニモルフ型のダイアフラム260と、流入路221及び流出路228の両方に流体抵抗要素としての逆止弁222,242と、を備えている。図17において、カップ形状のケース250の縁部にダイアフラム260が気密に固着され、ダイアフラム260のケース250側の面には板状圧電素子71が固着されている。そして、ダイアフラム260の上部には、ポンプ筐体220が気密を保つようにして固定され、ダイアフラム260とポンプ筐体220下部との間には、ポンプ室227が形成されている。
このポンプ室227へ向けて、流入路221と流出路228とが連通され、流入路221には流体抵抗要素である逆止弁222が配置され、流出路228には流体抵抗要素である逆止弁242が配置されている。また、ポンプ筐体220のポンプ室227を構成する上部壁面には発熱部である面状のヒーター212が配置されている。そして、ヒーター212はポンプ筐体220に嵌め合わされて気密が保たれるように固定され、ポンプ筐体220からポンプ室側へ突出しないようになっている。
ヒーター212の形状、材質、ポンプ筐体220への装着位置等は、実施例7及び実施例7の変形例と同じに構成することができるため、説明は省略する。
このポンプの吐出モードを説明する。
板状圧電素子71に電圧を印加すると、板状圧電素子71の径方向への変形によりダイアフラム260はポンプ室227側に凸となる形状に変形し、電圧の印加を停止すると弾性によりもとの形状に戻る。本ポンプはこのダイアフラム226の変形を利用し、逆止弁222及び242が流路を閉鎖している時に、ポンプ室227の体積が減少する方向にダイアフラム260を変形させることで、ポンプ室227内部の液体を加圧する。ポンプ室227内部の圧力が逆止弁242より下流側の圧力よりも上昇すると、逆止弁222が開き、液体が流出路228へ流出する。
次に、ポンプ室227の体積が増加する方向にダイアフラム260を変形させることで、ポンプ室227内部の圧力を減少させる。すると、まず逆止弁242が閉じ、ポンプ室227内部の圧力が逆止弁222より上流側の圧力よりも減少すると、逆止弁222が開き、流入路221からポンプ室227内へ液体が流入する。以上の動作を繰り返して作動流体を移送する。
上述したような構造のポンプであっても、気泡排出手段としてヒーター212を備えることで、ポンプ室内の気泡をポンプ室外に排出することができ、ポンプ室内の圧力を好適に維持することができ、作動流体の吐出量を確保することができる。
また、前述の実施例では、ダイアフラム60,45の形状は円形で図示したが、円形に限定されるものではない。また、逆止弁41,42は、流体の圧力差によって開閉する受動弁だけではなく、それ以外の力で開閉を制御することができる能動弁タイプのものを使用しても構わない。さらに、ダイアフラム60を動かす圧電素子には伸縮するものであれば何を使用しても良いが、本ポンプ構造は、圧電素子とダイアフラムとが変位拡大機構を介さずに接続され、ダイアフラムを高い周波数で運転可能なため、本実施形態のように応答周波数が高い圧電素子を使用することで、高周波駆動による流量増加が実現でき、小型高出力なポンプが実現できる。同様に高い周波数特性を有する超磁歪素子を使用しても良い。また、作動流体としては水の他、油等、他の液体を用いても構わない。
従って、前述の実施例1〜実施例7によれば、気泡排出手段を備えることにより、ポンプ室内部に気泡が滞留しても、その気泡を排出し、吐出性能を維持することができるポンプを提供することができる。
本発明のポンプは、小型の液体移送用ポンプを使用する各種産業で利用できる。
本発明の実施例1に係るポンプを示す縦断面図。 本発明の実施例1に係るポンプの内部状態を示すグラフ。 本発明の実施例1に係るポンプの駆動回路を示すブロック図。 本発明の実施例2に係るポンプの副ポンプ室ダイアフラムを示す平面図。 本発明の実施例3に係るポンプを示す部分縦断面図。 本発明の実施例3に係るポンプの駆動回路を示すブロック図。 本発明の実施例4に係るポンプを示す縦断面図。 本発明の実施例4に係るポンプの駆動回路を示すブロック図。 本発明の実施例5に係るポンプを示す縦断面図。 本発明の実施例6に係る加圧機構を示す縦断面図。 本発明の実施例6に係るポンプを示す部分縦断面図。 本発明の実施例7に係るポンプを示す部分縦断面図。 本発明の実施例7に係るヒーターを示す平面図。 本発明の実施例7に係るヒーターの変形例を示す平面図。 本発明の実施例7に係るポンプの駆動回路を示すブロック図。 本発明の実施例7に係るヒーターの他の変形例を示す平面図。 本発明の他の実施例に係るポンプを示す縦断面図。
符号の説明
10,100,200…ポンプ、20…ポンプ筐体、21…流入路、24…副ポンプ室、27…主ポンプ室、28…流出路、30…入口側接続管、31…出口側接続管、41,42…逆止弁、50…ケース、45,60…ダイアフラム、70…圧電素子、71…板状圧電素子。

Claims (7)

  1. ピストンまたは可動壁を駆動することによって容積が変更可能なポンプ室と、
    該ポンプ室に液体を流入する入口流路と、
    前記ポンプ室から液体を流出する出口流路と、
    少なくとも前記入口流路を開閉する液体抵抗要素と、
    前記ポンプ室の内部に存在する液体の圧力を上昇させ維持する加圧機構と、が備えられ、
    前記入口流路側の合成イナータンス値は、前記出口流路側の合成イナータンス値よりも小さく設定され、
    前記加圧機構は、容積変化可能な部屋と、該容積変化可能な部屋と前記出口流路とを連通する流路とを備え、前記容積変化可能な部屋から前記ポンプ室までの液体の内部に存在する気泡を小さくし、前記ポンプ室からの液体の流れに乗せて前記出口流路より気泡を排出することを特徴とするポンプ。
  2. 請求項に記載のポンプにおいて、
    前記容積変化可能な部屋は、弾性体により形成されていることを特徴とするポンプ。
  3. 請求項に記載のポンプにおいて、
    前記加圧機構には、前記容積変化可能な部屋の容積を変更するために圧力を加える容積変更機構を備えていることを特徴とするポンプ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のポンプにおいて、
    前記出口流路を遮断する遮断手段を更に備えていることを特徴とするポンプ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のポンプにおいて、
    前記加圧機構の内部圧力が所定の圧力に達したとき、内部圧力の上昇を抑制する手段を更に備えていることを特徴とするポンプ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のポンプにおいて、
    前記容積変化可能な部屋の内部圧力を検出する圧力検出部が備えられていることを特徴とするポンプ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のポンプにおいて、
    前記加圧機構により加えられる前記容積変化可能な部屋の内部圧力は、ゲージ圧で約1気圧から5気圧の範囲であることを特徴とするポンプ。
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