JP2013215548A - 液体循環装置および医療機器 - Google Patents

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和見 内田
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Abstract

【課題】液体循環装置において循環効率を安定して確保することのできる技術を提供する。
【解決手段】液体を大気と非接触で循環させる液体循環装置であって、容積変更手段によって容積が変化するポンプ室と、該ポンプ室への液体の流入路である入口流路ポンプ室から入口流路へ向かう液体の流れを抑制または抑止する液体抵抗要素と、ポンプ室からの液体の流出口である出口流路と、出口流路から入口流路へ液体が循環する長さLの循環流路と、容積変更手段の非動作時に、体積Vbの液体を収容するとともに、容積変更手段の動作時に、収容している液体を循環している液体の一部として供給する圧力調整機構とを備え、循環流路のコンプライアンスをCsとし、出口流路から長さxの位置の循環流路における容積変更手段の動作時の液体の圧力をP(x)とした場合に、体積Vbは、所定の関係を満たす。
【選択図】図5

Description

本発明は、液体循環装置に関するものである。
従来、物体の温度を調整するための技術として、液体循環装置を用いた技術が知られている(例えば特許文献1)。この技術は、温度を調整しようとする対象(以下、温度調整対象とも記載する)に、液体が循環する循環流路を接触させ、循環する液体の温度によって、温度調整対象の温度を調整する。しかし、従来の液体循環装置は、動作時の循環流路の内部の圧力を考慮して構成されていないため、動作条件によっては、例えば流路断面積が小さくなり、液体の循環効率が低下するとの問題が指摘されていた。
特開平8−242463号公報
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、循環効率を安定して確保することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
[適用例1]
適用例1として、液体を大気と非接触で循環させる液体循環装置であって、容積変更手段によって容積が変化するポンプ室と、該ポンプ室への液体の流入路である入口流路と、前記ポンプ室から前記入口流路へ向かう前記液体の流れを抑制または抑止する液体抵抗要素と、前記ポンプ室からの液体の流出口である出口流路と、前記出口流路から前記入口流路へ前記液体が循環する長さLの循環流路と、前記容積変更手段の非動作時に、体積Vbの前記液体を収容するとともに、前記容積変更手段の動作時に、前記収容している前記液体を前記循環している液体の一部として供給する圧力調整機構とを備え、前記循環流路のコンプライアンスをCsとし、前記出口流路から長さxの位置の前記循環流路における前記容積変更手段の動作時の前記液体の圧力をP(x)とした場合に、前記体積Vbは、式(3)の関係を満たすことを要旨としている。
Figure 2013215548
この液体循環装置によると、容積変更手段の動作時に、圧力調整機構が、収容している体積Vbの液体を、循環流路を循環する液体の一部として供給する。従って、容積変更手段の動作時の循環流路の内部の圧力が大きく低下するのを抑制することができる。また、γを1以上に設定して圧力調整機構に体積Vbの液体を収容した場合には、容積変更手段の動作時の循環流路の内部の圧力P(x)の値が、容積変更手段の非動作時の循環流路の内部の圧力以下になることを抑制することができる。従って、循環効率を安定して確保することができる。
[適用例2]
適用例1に記載の液体循環装置において、前記出口流路から前記循環流路へ流出する前記液体の圧力をPsとした場合に前記体積Vbは、式(4)の関係を満たすものとしてもよい。
Figure 2013215548
この液体循環装置によると、容積変更手段の動作時に、圧力調整機構が、収容している体積Vbの液体を、循環流路を循環する液体の一部として供給する。従って、容積変更手段の動作時の循環流路の内部の圧力が大きく低下するのを抑制することができる。特にγを1以上に設定し圧力調整機構に体積Vbの液体を収容すれば、容積変更手段の動作時の循環流路の内部の圧力を、容積変更手段の非動作時の循環流路の内部の圧力以下になることをより確実に抑制することができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の液体循環装置において、前記圧力調整機構は、前記供給に用いる前記液体を収容する液体収容室を含み、前記内部に収容されている前記液体の量に応じて変形可能としてもよい。
この液体循環装置によると、圧力調整機構として、内部に収容されている液体の量に応じて変形可能な液体収容室を用いるので、内部に収容される液体の量が変化しても、内部の圧力を所定の範囲に保つことができる。
[適用例4]
適用例3に記載の液体循環装置において、前記液体収容室は、フィルムを袋状に封止することによって形成されたパックとしてもよい。
この液体循環装置によると、圧力調整機構としてパックを用いるので、容易に液体を供給可能な構成とすることができる。
[適用例5]
適用例4に記載の液体循環装置において、前記液体収容室は、前記液体循環装置から着脱可能であるとしてもよい。
この液体循環装置によると、液体収容室は脱着可能なので、液体収容室のみを取り替えることができる。
[適用例6]
適用例1から適用例5のいずれか一項に記載の液体循環装置において、前記圧力調整機構は、前記循環流路から分岐した分岐流路を含むものとしてもよい。
この液体循環装置によると、圧力調整機構として分岐流路を用いるので、容易に液体を供給可能とすることができる。
[適用例7]
適用例6に記載の液体循環装置において、前記分岐流路の内部には、前記収容された前記液体を封止するとともに、前記分岐流路内の前記液体の圧力と大気圧との圧力差に応じて移動する封止材が配置されているものとすることができる。
この液体循環装置によると、分岐流路に封止材が配置されているので、分岐流路から液体が外部に流出するのを防止することができる。封止材は分岐流路内の液体の圧力と大気圧との圧力差に応じて移動するため、内部の圧力を所定の範囲に保つことができる。
[適用例8]
適用例7に記載の液体循環装置において、前記液体は、第1の液体であり、前記分岐流路の内部のうち、前記第1の液体と前記封止材との間には、前記第1の液体と相分離可能な第2の液体が封止されており、前記第2の液体の気化熱は、前記第1の液体の気化熱よりも大きいとしてもよい。
この液体循環装置によると、分岐流路から第1の液体が気化するのを抑制することができる。
[適用例9]
適用例1から適用例8のいずれかに記載の液体循環装置において、前記容積変更手段は、電圧の変化によって動作する動作素子を用いるとしてもよい。
この液体噴射装置によると、ポンプ室の容積変化を電気的に制御することができる。
[適用例10]
また、適用例1から適用例9のいずれか一項に記載の液体循環装置を用いた医療機器としてもよい。
この医療機器によると、安定した循環効率を確保する液体循環装置を用いることができる。
[適用例11]
また、適用例1から適用例9のいずれか一項に記載の液体循環装置を用いた液体噴射装置としてもよい。
この液体噴射装置によると、安定した循環効率を確保する液体循環装置を用いることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、液体循環方法および装置、その他、液体循環システム、温度調整装置などの形態で実現することができる。
液体噴射システムの概略構成を示す説明図である。 液体循環装置の構成を概略的に示す模式図である。 循環ポンプの内部における液体の流れを示す説明図である。 フィルムパックの構成を示す説明図である。 内部圧力が適切に保たれた液体流路を説明する説明図である。 分岐流路の構成を説明する説明図である。 変形例6を説明する説明図である。
A.第1実施例:
(A1)システム構成:
本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例としての液体噴射システム10の概略構成を示す説明図である。液体噴射システム10は、液体噴射装置20と、液体噴射装置20を冷却する液体循環装置100とを備えている。液体噴射装置20は、皮膚等の生体組織に対してジェット水流を噴射し、その衝撃エネルギーによって生体組織を剥離、切開するウォータージェットメスである。特に、本実施例の液体噴射装置20は、ジェット水流を断続的に噴射するウォータージェットパルスメスである。
液体噴射装置20は、ジェット水流を噴射する脈動発生部30と、水を収容する液体容器40と、液体容器40に収容されている水を吸い上げて脈動発生部30に供給する供給ポンプ42と、液体容器40と供給ポンプ42とを接続する接続チューブ44と、供給ポンプ42と脈動発生部30とを接続する接続チューブ46とを備えている。
脈動発生部30は、接続チューブ46から供給された水を一時的に貯留する液体室32と、液体室32に貯留された水に対して脈動を与える圧電アクチュエータ34と、液体室32に連通し、圧電アクチュエータ34によって脈動を与えられた水が通過する液体噴射管36と、圧電アクチュエータ34を内部に収容する下ケース38と、液体室32を構成し、下ケース38に接続された上ケース39とを備えている。
圧電アクチュエータ34は、積層型圧電素子であり、圧電素子(ピエゾ素子)の圧電効果を利用してダイアフラムを変形させることによって、液体室32の容積を変化させる。液体室32の容積が小さくなると、液体室32に貯留された水は、液体噴射管36を通って、ジェット水流として外部に噴射される。また、液体室32の容積を変化させる別の手段としては、ピストンを駆動してピストンの変位によって液体室32の容積を変更しても良い。
液体循環装置100は、液体噴射装置20の圧電アクチュエータ34を冷却する装置であり、循環ポンプ110と、両端が循環ポンプ110に接続され循環流路である液体流路190とを備えている。液体流路190は、耐圧性及び柔軟性を有するチューブである。チューブとは、例えば、PTFEなどのフッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、PVC系の樹脂などの熱可塑性樹脂や、シリコーンゴムからなる、医療用チューブや一般工業用チューブが適用可能であるが、これに特に限定されない。圧電アクチュエータ34に巻き付けられている。このため、圧電アクチュエータ34に生じた熱は、液体流路190の内部を循環する液体(循環液体)に伝わり、圧電アクチュエータ34は冷却される。温度が上昇した循環液体は、液体流路190を循環中に空冷によって冷却される。その他、別途、ラジエータを用いて循環液体を冷却するとしてもよい。本実施例では、熱の交換効率を考慮し、循環液体は液体である。液体循環装置100においては液体として水や油など様々な液体を採用できる。例えば、揮発性の低い、特定の粘度を持ったシリコーンオイルを液体循環装置100に採用すれば、循環液体が蒸発しにくくなり、長期使用が可能な液体循環装置100を提供できる。
図2は、液体循環装置100の断面の構成を概略的に示す模式図である。本実施例では、液体循環装置100は、循環ポンプ110と液体流路190とによって密閉系の循環経路が構成されている。密閉系の循環流路とは、循環液体が外部(大気)と接する部分を有しない循環系の流路を言う。密閉系の循環流路を採用することにより、循環液体に気泡やその他の異物等が混入することを防ぐことができる。また、循環液体自体が揮発して量が減少することを防ぐことで循環する液体の流量を安定して確保することができ、安定した循環効率を維持することに寄与する。
循環ポンプ110は、積層型の圧電素子114と、圧電素子114を内部に収容する圧電素子ケース112と、内部に流路が形成された流路ケース140とを備えている。圧電素子114は、その底部が圧電素子ケース112とは固定されている。圧電素子114の上端には、円形の補強板116が取り付けられており、補強板116の上面には、金属薄板などで形成された円形のダイアフラム118が接着されている。補強板116は、ダイアフラム118の強度を補強している。補強板116の厚さは、ダイアフラム118の下面が圧電素子ケース112の上端面に接するように設定されている。
流路ケース140の下面側(圧電素子ケース112と向かい合う側)には、凹部140Cが形成されており、この凹部140Cには、環状の環状部材120が嵌め込まれている。環状部材120の内径は、ダイアフラム118の外径よりも小さくなっている。圧電素子ケース112と流路ケース140とを向かい合わせてネジ止め等で固定すると、ダイアフラム118は、環状部材120と圧電素子ケース112との間に挟まれ、流路ケース140とダイアフラム118との間の気密は、環状部材120によって確保された状態となる。この結果、ケース140の凹部140Cと、環状部材120の内周面と、ダイアフラム118とによって囲まれた空間であるポンプ室130が形成される。このポンプ室130の容積は、圧電素子114が伸長または収縮してダイアフラム118が変形することによって変化する。
流路ケース140には、さらに、ポンプ室130に液体を導く液室146と、液体流路190の一端に接続され、ポンプ室130内の液体を液体流路190へと導くポンプ吐出流路142と、液体流路190の他端に接続され液体流路190から供給される液体を液室146へと導くポンプ吸入流路144とが形成されている。
液室146は、一端が流路ケース140の上面側(圧電素子ケース112と向かい合う側とは反対側)に開口するとともに、他端がポンプ室130に連通しており、ポンプ室130側に向かって径が縮小するように(断面積が小さくなるように)形成されている。液室146の径が縮小している部分には、ポンプ吸入流路144が接続されている。液室146のポンプ室130側の端部には、逆止弁148が設けられている。逆止弁148は、液室146からポンプ室130への液体の流入を許容するとともに、ポンプ室130から液室146への液体の逆流を阻止する。
流路ケース140の上面側に形成された液室146の開口部には、接続部材162を介してフィルムパック160が気密に接続されている。フィルムパック160は、循環液体への気泡の混入を防止するために、ガスバリア性と耐熱性とを備えた柔軟なフィルムによって形成されている。なお、本実施例では、フィルムパック160は、流路ケース140に対して着脱可能となっており、フィルムパックの交換、フィルムパック内の気泡の排除、液体の補充が容易となっている。尚、循環液体によっては、フィルムはガスバリア性と耐熱性とを備える必要はなく、フィルムの材質は適宜選択される。また、本実施例においては、フィルムパック160は流路ケース140に対して着脱可能としたが、フィルムパック160が流路ケース140と一体として形成されているものとしてもよい。
以上のように構成された液体循環装置100は、循環ポンプ110の圧電素子114を駆動することによって、液体流路190内の液体を循環させる。次に、循環ポンプ110の動作の詳細について説明する。
(A2)循環ポンプ110の動作:
図3は、循環ポンプ110の内部における液体の流れを示す説明図である。図3(A)は、循環ポンプ110が動作していない状態(圧電素子114に駆動電圧が印加される前の状態)を示す説明図である。以下、循環ポンプ110が動作している状態を動作状態、循環ポンプ110が動作していない状態を停止状態とも記載する。停止状態では、ポンプ室130には液体が満たされている。また、停止状態では、フィルムパック160にも、予め、所定量の液体が収容されている。停止状態においては、ポンプ室130、フィルムパック160および液体流路190の内部の圧力は、ほぼ大気圧である。停止状態においてフィルムパック160内に収容されている液体(以下、圧力調整液体BFとも記載する)は、動作状態において、液体流路190の内部を適切な圧力に調整するために用いられる。圧力調整液体BFについては、後で詳細を説明する。
図3(B)は、圧電素子114に駆動電圧が印加された状態を示す説明図である。ポンプ室130に液体が満たされた状態で、圧電素子114に駆動電圧が印加されると、圧電素子114は、印加された駆動電圧によって伸長し、補強板116を介してダイアフラム118をポンプ室130の方向に押し上げる。ポンプ室130がダイアフラム118によって押されると、ポンプ室130の容積は減少し、ポンプ室130内の液体が加圧される。このとき、逆止弁148は閉状態となり、ポンプ室130から液室146への液体の逆流が阻止されるので、ポンプ室130の容積が減少した分の液体が、ポンプ吐出流路142を通って、液体流路190に向けて圧送される。
このようにして液体流路190に液体が送り込まれると、液体流路190内の液体が次々に下流側へ押し流されることになる。また、前述したように、本実施例の液体循環装置100では、液体流路190と循環ポンプ110とによって密閉系が構成されており、液体流路190から押出されて循環ポンプ110へ戻ってきた液体は、ポンプ吸入流路144を通ってフィルムパック160へと流入する。ここで、フィルムパック160は、柔軟なフィルムで形成されているとともに、液体が充填されて完全に張った状態ではなく、まだ膨らむ余裕を残した状態で取り付けられている。したがって、液体流路190から戻った液体がフィルムパック160に流入しても、フィルムパック160が膨らむことによって、フィルムパック160内や、フィルムパック160と連通する液室146内の圧力が高まることが抑制される。
図3(C)は、圧電素子114に印加される駆動電圧が減少した状態を示す説明図である。駆動電圧が減少すると、圧電素子114は、収縮して元の長さに戻る。そうすると、ポンプ室130の容積が増加(元の容積に復元)する。このとき、ポンプ室130内は負圧になるので、逆止弁148が開放状態となって、液室146からポンプ室130に液体が吸い込まれる。なお、負圧とは、大気圧以下の圧力を意味する。
ポンプ室130内の負圧は、ポンプ吐出流路142にも作用する。しかし、ポンプ吐出流路142の流路抵抗は、液室146や逆止弁148の流路抵抗よりも大きく設定されている。従って、ポンプ吐出流路142と比べて、液室146からポンプ室130へ液体が流入しやすくなっている。また、液室146は、フィルムパック160と連通しており、フィルムパック160内の液体が滞ることなくポンプ室130に流入するので、液室146内は、負圧になりにくい。
このようにして容積が回復したポンプ室130が液室146からの液体により満たされた後、圧電素子114が駆動電圧の増加によって再び伸長すると、図3(B)に示すように、ポンプ室130内で加圧された液体が、ポンプ吐出流路142及び液体流路190に向けて圧送される。循環ポンプ110が以上のような動作を繰り返すことによって、液体循環装置100は、液体流路190内の液体を循環させる。
(A3)フィルムパックの構成:
図4は、フィルムパック160の構成を示す説明図である。図4(A)には、フィルムパック160の分解斜視図が示されている。フィルムパック160は、ガスバリア性と耐熱性とを備えた一対の柔軟なフィルム164と、連通穴162aを有しフィルムパック160を液室146と着脱可能に接続する接続部材162と、開閉可能な開放口が設けられた開放口部材166とから構成されている。一対のフィルム164は、略長方形状に形成されている。フィルムパック160は、一対のフィルム164の長手方向の一端側に接続部材162を挟み、他端側に開放口部材166を挟み、周囲を熱圧着などで気密に貼り合わせることによって形成される。
図4(B)には、一対のフィルム164を貼り合わせることによって形成されたフィルムパック160が示されている。尚、図4(B)では、熱圧着などによって貼り合わされたシール部がハッチングを付して表されている。図4(B)に示すように、フィルムパック160は、内部に液体を収容していない状態では、一対のフィルム164が互いに接した状態となる。
これに対して、接続部材162の連通穴162aを通ってフィルムパック160に液体が流入すると、図4(C)に示すように、一対のフィルム164が互いに離れることによってフィルムパック160が膨らむ(容積が増加する)ので、液体を収容することができる。また、フィルムパック160内の液体が接続部材162の連通穴162aを通って流出すると、一対のフィルム164が互いに接近してフィルムパック160が萎む(容積が減少する)。このようにフィルムパック160は、内部に収容する液体量に応じて容易に変形可能であるので、内部の液体の圧力を所定の範囲に保つことができる。
図4(D)には、フィルムパック160に用いられるフィルム164の構造が例示されている。図示したフィルム164は、多層構造になっており、アルミ箔(AL)の両面に耐液体性に優れたポリプロピレン(PP)を貼り合わせ、さらにその上から、両面に、耐衝撃性に優れたポリエチレンテレフタレート(PET)を貼り合わせた構造を採る。各層は接着剤によって張り合わされている。アルミ箔の中層を設けることによって、フィルムの強度を高めるとともに、ガスバリア性を高めることができる。このような構成のフィルムパック160は、耐熱性に優れ、高温(例えば、150℃)での取り扱いが可能であるとともに、柔軟性を有し、変形が容易である。フィルムパック160変形が容易であるため、循環ポンプ110を覆うケースがあったとしても、ケース内で変形することができる。その結果、ケースの形状に制約されにくいため、循環ポンプ110を覆うケースを小型にすることができる。また、フィルムパック160は、軽量化を実現できることに加えて、熱圧着で簡単に形成することができ、経済的である。さらに、フィルムパック160は液室146と着脱可能であるため、フィルムパック160を交換することが容易であって、経済的である。
フィルムパック160に用いられるフィルム164の構造は、図4(D)に示した構造に限られるわけではなく、例えば、中層としてアルミ箔に代えて、エチレンービニルアルコール共重合樹脂(EVOH)や、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等を用いてもよい。また、ポリアミド(ナイロン)の外層とポリプロピレン(PP)の内層とを、直接に接着剤で貼り合わせて透明なフィルムとしてもよい。フィルムパック160の一部または全てを透明にすることにより、フィルムパック160の内部(液体の量や、液体の流れ)を視認することが可能
となる。
(A4)圧力調整液体BF:
次に、圧力調整液体BFについて説明する。圧力調整液体BFは、循環ポンプ110が停止状態から動作状態となったときに、液体流路190の内部を適切な圧力に保つために、循環する液体の一部としてフィルムパック160から液室146に供給される。本実施例において、「液体流路190の内部を適切な圧力に保つ」とは、循環ポンプ110の動作状態において、液体流路190の内部の圧力(以下、内部圧力とも記載する)を大気圧以上に保つことを言う。液体流路190内部圧力が圧力調整液体BFによって大気圧以上の状態に保たれることにより、液体流路190が大気圧の力により内向きに変形し流路が狭くなることを回避する。結果として、循環ポンプ110は、圧力調整液体BFによって、循環する液体の循環効率の低下を回避することができる。
圧力調整液体BFが液室146に供給されることによって、液体流路190の内部圧力が適切に保たれる原理について説明する。図5は、内部圧力が適切に保たれた液体流路190における、内部圧力の分布と、形状とを模式的に説明する説明図である。
図5上段には、液体流路190における内部圧力を考察するための液体循環装置100のモデル(内部圧力考察モデル)を示した。図示するように、内部圧力考察モデルにおいては、考察を容易にするために液体流路190を直線上に示す。また、液体流路190における、ポンプ吐出流路142と接続されている端点を流路始点Sとし、ポンプ吸入流路144とされている端点を流路終点Eとする。さらに、液体流路190における流路始点Sから流路終点Eまでの長さをLとする。なお、図5においては、流路終点Eとポンプ吸入流路144とは分離したように示しているが、実際の液体循環装置100においては、流路終点Eとポンプ吸入流路144とは接続されている。図中に示した破線の矢印は、液体の流れる方向を示す。また、循環ポンプ110の動作状態における流路始点Sの内部圧力を圧力Pout、循環ポンプ110の動作状態における流路終点Eの内部圧力をPin
とする。
循環ポンプ110は、ポンプ吸入流路144からポンプ室130に流入した液体を加圧して、ポンプ吐出流路142から液体流路190に向けて圧送する。そして、循環ポンプ110による液体の圧送によって、液体流路190の内部圧力に圧力勾配が生じ、生じた圧力勾配によって液体が流れる。内部圧力考察モデルにおいては、内部圧力Pinでポンプ室130に流入してきた液体に対して、ポンプ室130が、圧電素子114の駆動によって、さらにΔPsの圧力を加える。従って、内部圧力考察モデルにおいては、Pin+ΔPs=Poutの関係が成り立つ。本実施例においては、液体流路190の内部圧力を、このような内部圧力考察モデルによって考察する。
図5中段には、内部圧力が適切な状態における液体流路190の内部圧力分布モデルを示した。内部圧力分布モデルにおいては、横軸を液体流路190における流路始点Sからの位置xとし、縦軸を位置xにおける内部圧力P(x)とする。上述したように、本実施例において、内部圧力が適切な状態とは、内部圧力が大気圧以上であることを言う。従って、本実施例における内部圧力分布モデルにおいては、内部圧力が最も低くなる流路終点E(x=L)における内部圧力Pinを大気圧とする。図5においては、圧力を相対気圧(大気圧を基準)によって示している。この場合、上述したPin+ΔPs=Poutの関係を考慮すると、流路始点Sにおける内部圧力はPout=Psとなる。
また、本実施例においては、液体流路190における圧力勾配は線形のモデルを採用する。従って、P(x)と位置xとの関係は下記の式(5)によって表すことができる。本実施例においては、このような内部圧力分布モデルを採用する。また本実施例においては、P(x)が線形であるとするが、P(x)が減衰曲線や二次曲線であるとしてもよい。
Figure 2013215548
図5下段には、内部圧力が適切な状態における、液体流路190の形状模式図を示した。つまり、内部圧力が図5中段に示したP(x)のように分布している場合の、液体流路190の形状を模式的に示している。図示するように、内部圧力が変化する前(停止状態)の液体流路190の形状を破線で示し、循環ポンプ110の動作による内部圧力の変化によって液体流路190の形状が変化した部分を斜線で示した。なお、停止状態における内部圧力は、ほぼ均一に大気圧である。上述のように、液体流路190は柔軟性を有するチューブである。この場合、内部圧力は大気圧以上であるので、圧力差による外向きの力によって液体流路190は外側に向かって歪む。すなわち、図5中段のように内部圧力が変化した場合には、液体流路190は膨張し、液体流路190の内部の容積は大きくなる。液体流路190を構成するチューブのヤング率が位置xに依存せず均一であるとすると、液体流路190の各位置xにおける液体流路190の外向きへの歪み量は、各位置xにおける内部圧力P(x)の大きさに応じた値となる。内部圧力は液体流路190の位置xに対して線形であるため、液体流路190の歪み量も位置xに対して線形となる。
ここで、内部圧力が、均一に大気圧である状態(循環ポンプ110の停止状態)から、図5に示す内部圧力分布の状態(循環ポンプ110の動作状態)に変化したときの、液体流路190の内部圧力P(x)と流路断面積の増加量との比率をSeとし、液体流路190の微小長さΔxあたりの容積変化量をΔVe(x)とすると、下記式(6)の関係が成り立つ。なお、Seは、液体流路190を構成するチューブの、ヤング率、ポアソン比、内径、外径によって定まる定数であり、流路の位置xによらず一定である。
Figure 2013215548
従って、液体流路190全体(長さL)における容積変化量をΔVsとすると、ΔVsは下記式(7)として表される。
Figure 2013215548
さらに、液体流路190のコンプライアンスをCsとすると、コンプライアンスCsは、液体流路190に均一に内部圧力がかかったときの、内部圧力と内容積の増加量との比率であるから、Seにチューブ長さLを乗じたもので表される。従って、下記式(8)の関係が成立するので、式(7)は下記式(9)のように表すことができる。
Figure 2013215548
Figure 2013215548
また、内部圧力P(x)として式(5)を適用すると、式(9)は、下記式(10)のように表わされる。
Figure 2013215548
すなわち、停止状態に比べて、さらにΔVs(=1/2・Cs・Ps)の液体を液体流路190に供給することにより、内部を適切な状態な圧力に保って循環ポンプ110を動作させることができる。本実施例においては、フィルムパック160に予め収容している圧力調整液体BFを、液体流路190の容積変化量ΔVsに対応する液体に用いる。具体的には、循環ポンプ110の停止状態において、フィルムパック160に圧力調整液体BFを収容しておき、循環ポンプ110の動作状態において、圧力調整液体BFを、液室146に供給する。
循環ポンプ110の停止状態においてフィルムパック160に収容する圧力調整液体BFの体積Vbとして、下記の式(11)を満たす値を適用する。なお、式(11)において、γは係数である。「γ≧0.8」としているのは、フィルムパック160に収容する圧力調整液体BFの体積Vbが、液体流路190の容積変化量ΔVsよりわずかに小さい場合であっても、循環ポンプ110が動作することを考慮したものである。
Figure 2013215548
フィルムパック160に収容された体積Vbの圧力調整液体BFは、循環ポンプ110が動作を開始すると、フィルムパック160にかかる大気圧によって、自動的にポンプ室130内に供給される。具体的には以下の原理による。
循環ポンプ110の動作が開始されると、液体流路190の内部圧力に圧力勾配が生じる。内部圧力の圧力勾配は、液体流路190を変形させる。その際、液体流路190における流路始点Sの内部圧力(Pout)は、循環ポンプ110によるΔPsの加圧によって高くなる方向に移動する。その結果、流路始点S近傍の液体流路190は膨張する。液体流路190の流路始点Sが膨張すると、膨張した体積分を液体が補う方向に働くため、流路終点E近傍の液体の体積は少なくなり、流路終点E近傍の内部圧力は低くなる方向に移動する。その際、流路終点Eの近傍とフィルムパック160内の圧力差により、圧力調整液体BFがフィルムパック160から液室146に供給される。そして、供給された体積Vbの圧力調整液体BFによって、液体流路190の容積変化量ΔVsが補われ、液体流路190の内部圧力は適切な状態に保たれる。また、フィルムパック160に収容する圧力調整液体BFの体積Vbが不足すると、大気圧による液体流路190の内部方向への流路変形が生じる。しかし、液体流路190の容積変化量ΔVsよりわずかに小さい範囲(0.8≦γ<1)においては、大気圧による液体流路190の内部方向への流路変形が多少生じても大きな抵抗要素とならないので、循環ポンプ110による液体の循環効率が大きく低下しない。
以上説明したように、液体循環装置100は、循環ポンプ110の停止状態において、予めフィルムパック160に圧力調整液体BFを収容している。そして、循環ポンプ110が動作した際に、フィルムパック160から圧力調整液体BFが液室146に供給され、圧力調整液体BFが液体流路190の容積変化量ΔVsを補う。従って、循環ポンプ110の動作時において、圧力調整液体BFは液体流路190の内部圧力が大気圧よりも大きく低下することを抑制し、大気圧による液体流路190の内部方向への流路変形は回避される。結果的に、液体循環装置100は、液体流路190における液体の流路断面積は十分に確保され、循環効率の低下を防止することができる。また、フィルムパック160に収容されている圧力調整液体BFは、流路終点E近傍の内部圧力とフィルムパック160にかかる大気圧との圧力差によって、自動的に液室146に供給されるので、別途、圧力センサー等を用いて圧力調整液体BFの供給を制御することを必要としない。
また、仮に、液体循環装置100がフィルムパック160を備えない場合には、動作状態で内部圧力を適切な状態を保つために、循環ポンプ110の停止状態において液体流路190に体積Vbの液体を追加的に補充し、停止状態において内部圧力が大気圧以上になるようにしておく方が良い。この場合、液体流路190は通常の形状より膨張した状態を停止状態における定常状態とすることになり、液体流路190に負荷が加えられた状態となるため、液体流路190全体(特に流路終点E近傍)の耐久性が低下する。本実施例における液体循環装置100は、循環ポンプ110の停止状態においては、圧力調整液体BFをフィルムパック160に収容しているので、循環ポンプ110の停止状態において液体流路190に内部圧力を大気圧で保つことができ、内部圧力による不要な負荷を液体流路190に加えることを回避することができるので、特に流路終点E近傍の耐久性が向
上する。
B.第2実施例:
次に本発明の第2実施例について説明する。第2実施例においては、液体循環装置として、液体循環装置100に代えて液体循環装置200を用いる。第1実施例における液体循環装置100は、圧力調整液体BFをフィルムパック160に収容するとしたが、第2実施例における液体循環装置200は、フィルムパック160に代えて、液体流路190に設けた分岐流路210に圧力調整液体BFを収容する。分岐流路210以外の構成は、第1実施例と同じであるので、分岐流路210以外の構成についての説明は省略する。なお、第1実施例と第2実施例とにおける同じ構成については、同じ符号を用いる。
図6は、本実施例における分岐流路210の構成を説明する説明図である。分岐流路210は、液体流路190におけるポンプ吸入流路144に近い位置に設けられている。分岐流路210は、ガスバリア性が高く、内部の液体が揮発しにくい材質で構成されている。分岐流路210内には、圧力調整液体BFを含め、循環ポンプ110の動作によって液体流路190を循環する液体が収容されている。以下、循環ポンプ110および液体流路190を循環する液体を第1液体Lq1とも記載する。
分岐流路210は、第1液体Lq1の液頭の位置が循環ポンプ110より高い位置となるように設置されている。分岐流路210内には、体積Vbの第1液体Lq1が収容されており、循環ポンプ110の動作状態において圧力調整液体BFとして機能する。
図示するように、分岐流路210は、その内部に可動部216を備える。分岐流路210は、空気流通路としての通気孔218を有し、可動部216が外気と接するように構成されている。可動部216は、第2液体Lq2と、高粘度ゲル状液体214とから構成される。第2液体Lq2は、第1液体Lq1の液頭と接して位置している。第1液体Lq1の液頭の位置が移動すると、可動部216は、第1液体Lq1の液頭に接した状態で分岐流路210の高さ方向に移動する。分岐流路210の内壁面は、可動部216の移動が円滑になされるように、滑らかな表面を有する。また、液体循環装置200は、分岐流路210の近傍に、可動部216の移動量を測定可能なセンサー230を備えており、可動部216の移動量を測定可能である。
可動部216の構成要素である高粘度ゲル状液体214は、分岐流路210からの第1液体Lq1の漏れ防止、および蒸発防止のための封止材として封入されている。高粘度ゲル状液体214は、平均分子量630のポリブテンを基材とし、粘弾性と透明性を有する。高粘度ゲル状液体214として、平均分子量300〜3700のポリブテンやαオレフィンなどを用いることができる。
また、高粘度ゲル状液体214は、実質的に第1液体Lq1と相溶しないものであることが望ましい。第1液体Lq1に油性媒体を使用する場合には、水を媒体とした水性系の高粘度ゲルを使用することができる。水性系の高粘度ゲル状液体214を使用する場合において、高粘度ゲル状液体214の気体透過性が高い場合や、乾燥しやすい場合には、高粘度ゲル状液体214の上にさらに有機溶剤を溶媒とした油性系の層を形成し、透過及び乾燥の防止を行うとしてもよい。
第2液体Lq2は、高粘度ゲル状液体214が第1液体Lq1に溶解するのを防止するために分岐流路210に収容されている。第2液体Lq2は、第1液体Lq1より気化熱が大きい液体であり、かつ、第1液体Lq1と相分離可能な液体である。また、第2液体Lq2は第1液体Lq1より密度が小さい。本実施例においては、第2液体Lq2として流動パラフィンを用いる。その他、第2液体Lq2としてアルギン酸カルシウムを用いることもできる。可動部216が上記構成を有することにより、第1液体Lq1は、直接大気に接触しない。
上記説明した構成の液体循環装置200において、循環ポンプ110が動作すると、第1実施例において説明したように、液体流路190の内部圧力に圧力勾配が生じる。そして、液体流路190の容積変化により、液体流路190の流路終点E近傍の圧力は低くなる方向に移動する。その際、流路終点E近傍の内部圧力と分岐流路210にかかる大気圧との圧力差により、分岐流路210内の第1液体Lq1(圧力調整液体BFに相当)が液体流路190に供給される。結果的に、液体流路190の内部圧力は大気圧以上を維持し、循環ポンプ110は内部圧力を適切な状態にして動作することができる。
以上説明したように、液体循環装置200は、圧力調整液体BFとしての第1液体Lq1を収納する分岐流路210を備えるので、第1実施例と同様に、循環ポンプ110の動作状態において、液体流路190の内部圧力を大気圧よりも大きく低下することを抑制し、適切な状態で動作することができる。また、分岐流路210には可動部216が備えられているので、第1液体Lq1が分岐流路から外部に漏れることを防止し、さらに、第1液体Lq1が気散するのを防止することができる。
また、液体循環装置200は、センサー230を備えるので、循環ポンプ110が停止状態から動作状態に変化したときの、可動部216の移動量を測定することができる。そして、測定した可動部216の移動量に基づいて、第1液体Lq1が圧力調整液体BFとして液体流路190に供給された量を取得することができる。圧力調整液体BFの供給量は液体流路190の容積変化量に等しいことから、結果として、動作状態における液体流路190の内部圧力の状態をリアルタイムに取得することができる。
C.変形例:
この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(C1)変形例1:
上記実施例では、液体循環装置100は、液体噴射装置20(ウォータージェットメス)の圧電アクチュエータ34を冷却するために利用されている。しかし、液体循環装置100は、ウォータージェットメス以外の他の医療機器の温度を調整するために利用されてもよい。例えば、液体循環装置100は、医療用ドリルのモーター部や、超音波によって歯石を除去する超音波スケーラーの超音波発生部等の温度を調整するために利用されてもよく、薬液を生体に噴射する噴射装置でも良い。また、液体循環装置100は、発熱部を冷却するために用いる場合に限らず、物体を加熱する場合に用いるとしてもよい。例えば、人体の一部を加熱または保温する場合に用いることができる。この場合には、上記液体循環装置100に、別途、循環液体を加熱する加熱部を備えることにより実現することができる。特に安全性を重視する医療機器においては、液体循環装置100は安定した循環効率を確保するため、医療機器に適用することが可能である。
(C2)変形例2:
上記実施例においては、液体循環装置100を循環する液体として液体、特に水を採用したが、それに限ることなく、種々の液体を採用することができる。例えば、気体として窒素や二酸化炭素を採用するとしてもよい。また、液体として、水の他に、油を用いるとしてもよく、熱交換可能であれば水や油に限定されない。
(C3)変形例3:
上記実施例においては、液体収容室として、フィルムパックを採用したが、それに限ることなく、例えば、ダイアフラムを有する筐体からなる液体収容室を採用するとしてもよい。その他、弾性の袋状のゴムパックや、ベローズなど、収容される液体の量に応じて変形可能な液体収容室を採用するとしてもよい。このような液体収容室を採用しても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
(C4)変形例4:
第2実施例においては、分岐流路210は可動部216を備えるとしたが、可動部を備えない分岐流路を採用するとしてもよい。このようにすることで、分岐流路の構成を簡易なものとすることができる。
(C5)変形例5:
上記実施例においては、動作素子として圧電素子を採用したが、それに限らず種々の素子を採用するとしてもよい。例えば、電歪素子、電磁アクチュエータ、静電アクチュエータ、誘電型ポリアクチュエータなどの駆動素子を用いることができる。これら駆動素子を採用しても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。また、上記実施例においては、圧電素子として、積層型のものを採用したが、他に、結晶単体の圧電素子や、モノモルフ型や、バイモルフ型の圧電素子を採用するとしてもよい。
(C6)変形例6:
上記実施例においては、上記実施例においては、液体抵抗要素として逆止弁148を採用したが、それに限らず、種々の液体抵抗要素を採用することができる。図7は、採用可能な液体抵抗要素を示した説明図である。図示した液体抵抗要素(A)は、第1実施例とはことなる位置に設置された逆止弁である。液体抵抗要素(B)は、逆止弁を用いずにポンプ室130から液室146への液体の流れを抑制する。液体抵抗要素(C)は、上記実施例において逆止弁148を設置しない構成である。液体抵抗要素(C)であっても、その形状によって、ポンプ室130から液室146への液体の流れを抑制することができる。また、液体抵抗要素(B)、および液体抵抗要素(C)は、逆止弁148のような可動部が無いので、耐久性を向上させることができる。
10…液体噴射システム
20…液体噴射装置
30…脈動発生部
32…液体室
34…圧電アクチュエータ
36…液体噴射管
38…下ケース
39…上ケース
40…液体容器
42…供給ポンプ
44…接続チューブ
46…接続チューブ
100…液体循環装置
110…循環ポンプ
112…圧電素子ケース
114…圧電素子
116…補強板
118…ダイアフラム
120…環状部材
130…ポンプ室
140…流路ケース
140C…凹部
142…ポンプ吐出流路
144…ポンプ吸入流路
146…液室
148…逆止弁
160…フィルムパック
162…接続部材
162a…連通穴
164…フィルム
166…開放口部材
190…液体流路
200…液体循環装置
210…分岐流路
214…高粘度ゲル状液体
216…可動部
218…通気孔
230…センサー
S…流路始点
E…流路終点
BF…圧力調整液体
Pout…始点Sの内部圧力
Pin…終点Eの内部圧力
Lq1…第1の液体
Lq2…第2の液体

Claims (11)

  1. 液体を大気と非接触で循環させる液体循環装置であって、
    容積変更手段によって容積が変化するポンプ室と、
    該ポンプ室への液体の流入路である入口流路と、
    前記ポンプ室から前記入口流路へ向かう前記液体の流れを抑制または抑止する液体抵抗要素と、
    前記ポンプ室からの液体の流出口である出口流路と、
    前記出口流路から前記入口流路へ前記液体が循環する長さLの循環流路と、
    前記容積変更手段の非動作時に、体積Vbの前記液体を収容するとともに、前記容積変更手段の動作時に、前記収容している前記液体を前記循環している液体の一部として供給する圧力調整機構と
    を備え、
    前記循環流路のコンプライアンスをCsとし、
    前記出口流路から長さxの位置の前記循環流路における前記容積変更手段の動作時の前記液体の圧力をP(x)とした場合に、
    前記体積Vbは、式(1)の関係を満たす
    液体循環装置。
    Figure 2013215548
  2. 請求項1に記載の液体循環装置であって、
    前記出口流路から前記循環流路へ流入する前記液体の圧力をPsとした場合に
    前記体積Vbは、式(2)の関係を満たす
    液体循環装置。
    Figure 2013215548
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体循環装置であって、
    前記圧力調整機構は、前記供給に用いる前記液体を収容する液体収容室を含み、前記内部に収容されている前記液体の量に応じて変形可能である
    液体循環装置。
  4. 請求項3に記載の液体循環装置であって、
    前記液体収容室は、フィルムを袋状に封止することによって形成されたパックである
    液体循環装置。
  5. 請求項4に記載の液体循環装置であって、
    前記液体収容室は、前記液体循環装置から着脱可能である液体循環装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の液体循環装置であって、
    前記圧力調整機構は、前記循環流路から分岐した分岐流路を含む
    液体循環装置。
  7. 請求項6に記載の液体循環装置であって、
    前記分岐流路の内部には、前記収容された前記液体を封止するとともに、前記分岐流路内の前記液体の圧力と大気圧との圧力差に応じて移動する封止材が配置されている
    液体循環装置。
  8. 請求項7に記載の液体循環装置であって、
    前記液体は、第1の液体であり、
    前記分岐流路の内部のうち、前記第1の液体と前記封止材との間には、前記第1の液体と相分離可能な第2の液体が封止されており、
    前記第2の液体の気化熱は、前記第1の液体の気化熱よりも大きい
    液体循環装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の液体循環装置であって、
    前記容積変更手段は、電圧の変化によって動作する動作素子を用いることを特徴とする
    液体循環装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の液体循環装置を用いた医療機器。
  11. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の液体循環装置を用いた液体噴射装置。
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