JP4678132B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、水素と酸素との電気化学反応によって発電する燃料電池システムに関する。
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電する燃料電池の一例としては、固体高分子型燃料電池がある。この固体高分子型燃料電池は、複数のセルを積層することで構成されたスタックを備えている。スタックを構成するセルは、アノード(燃料極)とカソード(空気極)とを備えており、これらのアノードとカソードとの間には、イオン交換基としてスルフォン酸基を有する固体高分子電解質膜が介在している。
アノードには燃料ガス(水素ガス又は炭化水素を改質して水素リッチにした改質水素)を含む燃料ガスが供給され、カソードには酸化剤として酸素を含むガス、一例として空気が供給される。アノードに燃料ガスが供給されることで、燃料ガスに含まれる水素がアノードを構成する触媒層の触媒と反応し、これによって水素イオンが発生される。発生した水素イオンは固体高分子電解質膜を通過して、カソードで酸素と電気化学反応を起す。この電気化学反応により発電される構成となっている。
ところで、固体高分子電解質膜の機能としては、良好に水素イオンを通過させることである。したがって、導電率は極力高いことが望まれる。このように、固体高分子電解質膜の導電率を向上させるため、供給するガスを加湿して固体高分子電解質膜に水分を含ませ、固体高分子電解質膜の乾燥を防止している。
一方で、アノードやカソード等の電極は、触媒層とガス拡散層とにより構成されている。さらに、触媒層は白金(プラチナ:Pt)等の触媒を担持した触媒担持炭素と電解質とが適度に混ざり合ったマトリックスになっており、炭素に担持された触媒と電解質の界面との間で電気化学反応が行なわれる。
したがって、触媒と電解質の界面との間に反応ガスを供給するための供給路、すなわち、ガスチャンネルを確保しなくてはならない。ところで、燃料電池は水素と酸素との電気化学反応で発電する構造であるため、この電気化学反応では水が生成される。ここで、このように電気化学反応(すなわち、発電)に伴う生成水の生成量が過剰であると、ガスチャンネルであるところの触媒層中の空隙が生成水で埋まってしまい、反応ガスの流通が妨げられると言う問題がある。
このように、固体高分子電解質膜に含水させるためには加湿を行なわなければならないが、その一方で、ガスチャンネルを確保するためには生成水の排水を行なわなければならない。このため、燃料電池システムのスタック内の水分量を高い精度で検出しなくてはならない。
このような燃料電池システムのスタック内の水分量の検出するため、例えば、下記特許文献1では、スタックに供給する空気の水分量と、スタックから排出される空気の水分量と、及びスタックにおいて発電量に基づく生成水量と、から算出している。
ここで、この特許文献1に開示されている技術では、スタック内に供給される空気の水分量を、湿度センサによる空気の湿度の検出結果に基づいて算出している。湿度センサは水分が凝固している場合、この凝固した水分に関しては湿度センサで検出することができない。
このため、湿度センサでの検出結果に基づく水分変化量の計算結果は信頼性が低く、スタック内の水分変化量を正確に算出することができない。
一方、下記特許文献2では、スタックから排出された空気の温度、圧力、及び流量から、スタックから排出された空気の飽和蒸気圧を算出し、スタックでの発電量に基づき算出された生成水分量と飽和蒸気圧との比率を水量制御比として算出している。さらに、特許文献2では、上記のようにして算出された水量制御比が所定の範囲にとなるように燃料電池システムを運転することで、空気の加湿を廃することができるとしている。
すなわち、上記の水量制御比は、電気化学反応により生成された生成水の量に対して、排出された水蒸気の量がどれだけであるかを示すものである。しかしながら、特許文献2では算出される水蒸気量は、あくまでも飽和水蒸気量である。このため、水蒸気量が飽和していないと、算出した水蒸気量と実際の水蒸気量との間に大きな誤差が生じる。このため、このような特許文献2に開示された技術に基づいて算出したスタック内の水分変化量は信頼性が低く、スタック内の水分変化量を正確に算出することができない。
特開2003−17104公報 特開2001−256988公報
本発明は、上記事実を考慮して、燃料電池スタック内の水分量を精度良く正確に得ることができる燃料電池システムを得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る燃料電池システムは、固体高分子を含めて構成された電解質膜を介してアノード及びカソードが対向配置され、アノード側スタック入口から水素を含む燃料ガスを前記アノード側に供給すると共に、カソード側スタック入口から酸素を含む酸化ガスを前記カソード側に供給することにより電気化学反応で発電する燃料電池スタックを含めて構成した燃料電池システムであって、前記燃料電池スタックにおける水素イオンと電子と酸素との電気化学反応により生成された生成水の量が、前記燃料電池スタックで発電した電気の電流量に比例する関係にあることから、前記生成水量を前記電流量に基づき推定すると共に、前記燃料電池スタックに供給された前記酸化ガスのうち前記電気化学反応で消費された酸素の量である消費酸素量が、前記燃料電池スタックで発電した電気の電流量に比例する関係にあることから、前記消費酸素量を前記電流量に基づいて推定し、前記生成水のうち前記酸化ガスと共に前記燃料電池スタックから水蒸気として排出されるカソード側の排出水蒸気の量を、前記燃料電池スタックからの前記酸化ガスの排出量と前記消費酸素量とを加えた値と前記燃料電池スタックに供給された前記酸化ガスの供給量との差異から推定し、前記生成水の量と前記カソード側の排出水蒸気量との差異を前記燃料電池スタック内に残留した水分量として前記燃料電池スタック内における水分の変化量を推定する水分変化量推定手段を備える、ことを特徴としている。
請求項1に記載の本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池スタックのアノード側に水素を含む燃料ガスが供給され、燃料電池スタックのカソード側に酸素を含む酸化ガス(酸化剤)が供給される。アノード側では電気化学反応により水素分子が水素イオンと電子が分解され、水素イオンは電解質膜を透過してカソード側へ移動する。一方、電子は外部回路を介して負荷へ向かう。
カソード側では、カソードに供給された酸化ガス中の酸素分子と、電解質膜を透過した水素イオンと、負荷からの電子とで電気化学反応が生じて水が生成される(以下、この水を「生成水」と称する)。このように、アノード側とカソード側とで生じる電気化学反応で電子が負荷へと向かうことにより電流が生じ、これにより、発電がなされる。
ところで、上記のように水素イオンと電子と酸化ガス中の酸素との電気化学反応により水(生成水)が生成されることから、基本的に生成水の量は発電量(電流値)に比例しており、このため発電量(電流値)に基づいて生成水量を算出できる。
また、燃料電池スタックから排出された酸化ガスに含まれる水蒸気の量は、燃料電池スタックから排出される酸化ガスの量燃料電池スタック内にて消費された酸素(すなわち、上記の電気化学反応に供された酸素)の量を加えた値と、燃料電池スタックに供給される酸化ガスの量との差異として算出できる。
上記の生成水が全て水蒸気となって酸化ガスと共に燃料電池スタックから排出されるのであれば、生成水量と排出水蒸気量とは一致する筈である。したがって、排出水蒸気量と生成水量との差異は、燃料電池スタック内に残留した水分量と考えることができる。
ここで、本発明に係る燃料電池システムは水分変化量推定手段を備えており、水分変化量推定手段では、燃料電池スタックでの発電量に基づき生成水量が算出される。さらに、燃料電池スタック内での消費酸素量は、電気化学反応に供された酸素量であるため、水分変化量推定手段では燃料電池スタックでの発電量に比例しており、このため発電量(電流値)に基づいて消費酸素量が算出される。このようにして算出された生成水量と消費酸素量、更に、燃料電池スタックに供給された酸化ガスの量と燃料電池スタックから排出された酸化ガスの量とに基づいて水分変化量推定手段では、燃料電池スタック内における水分量の変化が推定される。
このようにして得られた水分変化量は外気の湿度や水分凝固の影響を受けないため、酸化ガス中の湿度を検出する湿度センサでの検出結果に基づく水分変化量に比べて精度が高い。このため、このような水分変化量の推定値に基づいて燃料電池システムを制御することで、アノードやカソードを構成する触媒層やガス拡散層のガスチャンネルが水分に埋められることや、電解質膜の乾燥と言った不具合の発生を効果的に防止又は抑制でき、本燃料電池システムの発電効率や信頼性を向上できる。
請求項2に記載の本発明に係る燃料電池システムは、請求項1に記載の本発明において、前記水分変化量推定手段は、前記生成水量をWp、前記消費酸素量をOe、前記燃料電池スタックに供給された酸化ガス量をAs、及び前記燃料電池スタックから排出された酸化ガス量をGsとした場合、前記燃料電池スタック内の水分の変化量Wcを、Wc=As−Gs+Wp−Oeの式に基づいて計算する、ことを特徴としている。
請求項2に記載の本発明に係る燃料電池システムによれば、水分変化量推定手段において燃料電池スタックで発電した電気の電流量に基づき電気化学反応にて生じた生成水量と、電気化学反応にて消費された酸化ガス中の酸素量(以下、この酸素量を、便宜上、「消費酸素量」と称する)が算出される。
さらに、水分変化量推定手段では、生成水量をWp、消費酸素量をOe、燃料電池スタックに供給される酸化ガス量をAs、燃料電池スタックから排出された酸化ガス量をGsとした場合、燃料電池スタック内の水分変化量Wcが、
Wc=As−Gs+Wp−Oe
の式に基づいて算出される。
このように、本発明に係る燃料電池システムでは、燃料電池スタック内の水分変化量を外気の湿度や水分凝固の影響を受けることなく、発電により生じた電流値と、燃料電池スタックに供給された酸化ガスの量と、燃料電池スタックから排出された酸化ガスの量とに基づき、燃料電池スタック内の水分変化量を求めることができる。
請求項3に記載の本発明に係る燃料電池システムは、請求項1に記載の本発明において、前記燃料電池スタックに供給された前記燃料ガスのうち前記電気化学反応で消費された水素の量である消費水素量が、前記燃料電池スタックで発電した電気の電流量に比例する関係にあることから、前記消費水素量を前記電流量に基づいて推定し、前記生成水のうち前記燃料ガスと共に前記燃料電池スタックから水蒸気として排出されるアノード側の排出水蒸気の量を、前記燃料電池スタックからの前記燃料ガスの排出量と前記消費水素量とを加えた値と前記燃料電池スタックに供給された前記燃料ガスの供給量との差異から推定し、前記生成水量と前記カソード側の排出水蒸気の量と前記アノード側の排出水蒸気の量とから前記水分変化量推定手段が前記燃料電池スタック内における水分の変化量を推定する、ことを特徴としている。
請求項3に記載の本発明に係る燃料電池システムでは、上記のように水素イオンと電子と酸化ガス中の酸素との電気化学反応にて燃料ガスの水素が消費されることから、基本的に消費水素量は発電量(電流値)に比例しており、このため発電量(電流値)に基づいて消費水素量算出できる。
一方で、燃料電池スタックから排出された燃料ガスに生成水の水蒸気が含まれているとすれば、この燃料ガスに含まれる水蒸気の量は、燃料電池スタックから排出された燃料ガスの量に燃料電池スタック内にて消費された水素(すなわち、上記の電気化学反応に供された水素)の量を加えた値から燃料電池スタックに供給される燃料ガスの量を差異を差し引くことで算出できる。
ここで、本発明に係る燃料電池システムの水分変化量推定手段では、生成水量、消費酸素量に加えて消費水素量が算出される。さらに、水分変化量推定手段では、算出した生成水量、消費酸素量、消費水素量、更に、燃料電池スタックに供給された酸化ガス及び燃料ガスの量と燃料電池スタックから排出された酸化ガス及び燃料ガスの量とに基づいて燃料電池スタック内における水分量の変化が推定される。
このように、本発明に係る燃料電池システムでは、酸化ガスが供給される燃料電池スタックのカソード側のみならず燃料電池スタックのアノード側における水素の消費量や燃料ガスの供給、排出量を加味して水分変化量が推定される。このため、仮に、生成水が全て水蒸気となっても、その全てが酸化ガスと共に燃料電池スタックから排出されず、一部が燃料ガスと共に排出されるような条件下であっても、推定した燃料電池スタック内における水分量の変化の信頼性を高めることできる。
請求項4に記載の本発明に係る燃料電池システムは、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記燃料電池スタックに供給する酸化ガスの流路である供給路と前記燃料電池スタックから排出された酸化ガスの流路である排気路とを接続し、前記燃料電池スタックから排出された酸化ガスを前記供給路に供給可能にすると共に、前記供給路の前記排気路との接続部分よりも前記燃料電池スタック側に前記供給路の酸化ガスを前記燃料電池スタックに供給する酸化ガス供給手段を備え、更に、前記酸化ガス供給手段の駆動力の大きさから前記水分変化量推定手段が前記燃料電池スタックへの前記酸化ガスの供給量を算出する、ことを特徴としている。
請求項4に記載の本発明に係る燃料電池システムでは、酸化ガスを燃料電池スタックに供給する流路である供給路と、燃料電池スタックから排出された酸化ガスが通過する流路である排気路とが接続される。したがって、燃料電池スタックから排出された酸化ガスが供給路に流れ込むことで、供給路には新たに吸入した酸化ガスと燃料電池スタックから排出された酸化ガスとの混合気が通過し、この混合気が燃料電池スタックに供給される。
燃料電池スタックから排出された酸化ガスには、燃料電池スタック内での電気化学反応で生じた生成水が含まれため、供給路にて新たに吸入した酸化ガスに比べて水分の含有率が高い。このため、混合気は新たに吸入した酸化ガスよりも湿度が高くなり、この混合気を燃料電池スタックに供給することで、特別な制御を必要とする加湿器等を用いなくても電解質膜の乾燥が効果的に防止又は抑制される。
一方で、本発明に係る燃料電池システムでは、酸化ガス供給手段が設けられており、この酸化ガス供給手段が作動することで、燃料電池スタックに酸化ガスが供給される。 また、本発明に係る燃料電池システムでは、酸化ガス供給手段は上記の供給路の排気路との接続部分よりも供給路の燃料電池スタック側に設けられる。このため、酸化ガス供給手段は、新たに吸入した酸化ガスのみならず、燃料電池スタックから排出されて供給路に流れ込んだ酸化ガスも燃料電池スタックに供給する。
ここで、本発明に係る燃料電池システムでは、酸化ガス供給手段がモータ等の駆動手段の駆動力により作動しているのであれば駆動力の大きさに基づいて燃料電池スタックに供給される酸化ガスの量が算出される。上記のように、酸化ガス供給手段により燃料電池スタックに供給される酸化ガスは、新たに吸入した酸化ガスと、燃料電池スタックから排出されて供給路に流れ込んだ酸化ガスとの混合気である。このため、燃料電池スタックから排出されて供給路に流れ込んだ酸化ガスに含まれる水分量に影響されず、精度良く燃料電池スタック内の水分量を算出できる。
以上説明したように、本発明に係る燃料電池システムでは、燃料電池スタック内の水分の変化量を精度良く正確に得ることができる。
<第1の実施の形態の構成>
図1には本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池システム10の全体構成の概略がブロック図により示されている。
この図に示されるように、本燃料電池システム10は、燃料電池スタック又は燃料電池本体としてのスタック12を備えている。図4に示されるように、スタック12はセル14を備えている。セル14は電解質膜16を備えている。
電解質膜16は、例えば、イオン交換基としてスルフォン酸基を有する固体高分子により薄膜状に形成されている。この電解質膜16の厚さ方向一方の側にはアノード18が設けられている。
アノード18は略板状のセパレータ20を備えている。セパレータ20には電解質膜16側へ向けて開口したガス流通溝22が形成されている。ガス流通溝22は一端がスタック12のアノード側入口24に接続されている。
図1に示されるように、アノード側入口24は燃料ガス供給路26を介して燃料ガスタンク28に接続されており、アノード側入口24からは水素を含む燃料ガスがスタック12内に供給されている。また、燃料ガス供給路26には流量計30が設けられており、単位時間当たりに燃料ガス供給路26中を流れてアノード側入口24に供給される燃料ガスの流量が計測されている。
図2に示されるように、流量計30は、本燃料電池システム10の水分変化量推定手段としての制御部32の入力ポートに接続されており、流量計30から出力された電流値に対応する電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「燃料ガス流量信号」と称する)が直接又はA/D変換器等を介して制御部32に入力される構成となっている。
アノード側入口24から供給された燃料ガスは上記のガス流通溝22を通過する。図2に示されるように、セパレータ20と電解質膜16との間にはガス拡散層34が設けられている。
ガス拡散層34は撥水化したカーボンペーパやカーボンクロスにより形成されており良好な導電性及び通気性を有している。ガス拡散層34と電解質膜16との間には触媒層36が設けられている。触媒層36は触媒としての白金や白金系合金を担持した炭素と、電解質とが適度に混ざり合ったマトリックスになっており、ガス流通溝22から供給されてガス拡散層34を通過した燃料ガスが触媒層36に送られる構造となっている。
一方、ガス流通溝22の他端はスタック12のアノード側出口38に接続されている。図1に示されるように、アノード側出口38には燃料ガス排気路40が接続されており、この燃料ガス排気路40を介して気液分離器42に接続されている。気液分離器42ではアノード側出口38から排出された燃料ガスの排気ガス(以下、この排気ガスを燃料ガスや後述のカソード排気ガスと区別するため、「アノード排気ガス」と称する)が供給されると、アノード排気ガスに含まれる水分が分離される。
さらに、気液分離器42の一対の出口の一方には排気路44が接続されており、排気路44を介して排気部46に接続され、排気路44を通過したアノード排気ガスのガス成分が排気部46から排気される構成となっている。また、この排気路44には流量計48が設けられており、単位時間当たりに排気路44を流れて排気部46から排気されるアノード排気ガスのガス成分の流量が計測されている。
図2に示されるように、流量計48は、本燃料電池システム10の制御部32の入力ポートに接続されており、流量計48から出力された電流値に対応する電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「アノード排気ガス流量信号」と称する)が直接又はA/D変換器等を介して制御部32に入力される構成となっている。
これに対して、図1に示されるように、気液分離器42の一対の出口の他方には排水路50が接続されており、排水路50を介して排水部52に接続され、排水路50を通過したアノード排気ガスに含まれていた水分が排水路50から排水される構成となっている。また、この排水路50には流量計54が設けられており、単位時間当たりに排水路50を流れて排水部52から排気される水分の流量が計測されている。
図2に示されるように、流量計54は、本燃料電池システム10の制御部32の入力ポートに接続されており、流量計54から出力された電流値に対応する電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「アノード水分流量信号」と称する)が直接又はA/D変換器等を介して制御部32に入力される構成となっている。
一方、図4に示されるように、上記の電解質膜16を介してアノード18の反対側にはカソード56が設けられている。カソード56もまたセパレータ20、ガス拡散層34、触媒層36を備えている。但し、アノード18とは異なり、カソード56のセパレータ20に形成されたガス流通溝22の一端はスタック12のカソード側入口58に接続されており、他端がスタック12のカソード側出口60に接続されている。
カソード側入口58からは酸素を含む酸化ガス又は酸化剤としての空気がスタック12内に供給され、カソード側入口58から供給された空気がカソード56を構成するセパレータ20のガス流通溝22を通過する。以上の構成のセル14は、その厚さ方向、すなわち、アノード18とカソード56との対向方向に複数積層されており、このように、セル14を複数積層することでスタック12が構成されている。
また、図1に示されるように、スタック12のアノード側及びカソード側にはそれぞれ端子62が取り付けられている。端子62は、コード等の電気的な接続部材を介して負荷64に接続されており、スタック12で発電された電気を負荷64に供給している。
さらに、アノード18側の端子に接続されたコード等の接続部材には電流計66が設けられており、負荷64に供給される電気の電流値を計測している。
図2に示されるように、電流計66は、本燃料電池システム10の水分変化量推定手段としての制御部32の入力ポートに接続されており、電流計66から出力された電流値に対応する電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「電流値信号」と称する)が直接又はA/D変換器等を介して制御部32に入力される構成となっている。
一方、図1に示されるように、スタック12のカソード側入口58は、供給路としての空気供給路68を介して空気吸入部70に接続されている。空気吸入部70よりもカソード側入口58側にはエアフィルタ72が設けられている。さらに、エアフィルタ72よりもカソード側入口58側には、酸化ガス供給手段(又は酸化剤供給手段)としてのエアコンプレッサ74が設けられている。
エアコンプレッサ74はモータ76を備えており、モータ76の駆動力によって空気吸入部70側に負圧を生じさせ、モータ76の回転数に対応した量の空気を外部から吸入する。エアコンプレッサ74により空気吸入部70から吸入された空気はエアフィルタ72を通過することで空気と共に吸入された微小な塵等が除去される構成となっている。
また、図3に示されるように、エアコンプレッサ74の駆動手段であるモータ76は、上記の制御部32に設けられたエアストイキ比制御器78の出力ポートに直接又はモータドライバ等を介して間接的に接続されており、エアストイキ比制御器78から出力された電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「コンプレッサ制御信号」と称する)に基づいてモータ76が駆動される構成となっている。また、図1に示されるように、エアフィルタ72とエアコンプレッサ74との間には流量計80が設けられており、エアフィルタ72とエアコンプレッサ74との間を単位時間当たりに流れる空気の流量が計測されている。
図2に示されるように、流量計80は制御部32の入力ポートに接続されており、流量計80から出力された空気の流量に対応する電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「供給流量信号」と称する)が直接又はA/D変換器等を介して制御部32に入力される構成となっている。
一方、図1に示されるように、スタック12のカソード側出口60は排気路としての空気排気路82が接続されており、この空気排気路82を介して気液分離器84に接続されている。気液分離器84ではカソード側出口60から排出された燃料ガスの排気ガス(以下、この排気ガスを燃料ガスや上記のアノード排気ガスと区別するため、「カソード排気ガス」と称する)が供給されると、カソード排気ガスに含まれる水分が分離される。
さらに、気液分離器84の一対の出口の一方には排気路86が接続されており、排気路86を介して排気部88に接続され、排気路86を通過したカソード排気ガスのガス成分が排気部88から排気される構成となっている。また、この排気路86には流量計90が設けられており、単位時間当たりに排気路86を流れて排気部88から排気されるカソード排気ガスのガス成分の流量が計測されている。
図2に示されるように、流量計90は制御部32の入力ポートに接続されており、流量計90から出力された電流値に対応する電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「カソード排気ガス流量信号」と称する)が直接又はA/D変換器等を介して制御部32に入力される構成となっている。
これに対して、図1に示されるように、気液分離器84の一対の出口の他方には排水路92が接続されており、排水路92を介して排水部94に接続され、排水路92を通過したカソード排気ガスに含まれていた水分が排水路92から排水される構成となっている。また、この排水路92には流量計96が設けられており、単位時間当たりに排水路92を流れて排水部94から排気される水分の流量が計測されている。
図2に示されるように、流量計96は制御部32の入力ポートに接続されており、流量計96から出力された電流値に対応する電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「カソード水分流量信号」と称する)が直接又はA/D変換器等を介して制御部32に入力される構成となっている。
また、図1及び図4における図示は省略するが、本燃料電池システム10は、温度センサ98(図2参照)を備えており、上記のスタック12内の温度が温度センサ98により検出されている。温度センサ98は制御部32の入力ポートに接続されており、温度センサ98から出力された電圧値に対応する電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「温度検出信号」と称する)が直接又はA/D変換器等を介して制御部32に入力される構成となっている。
さらに、図3に示されるように、制御部32には冷却水温度制御器100が設けられており、この冷却水温度制御器100の出力ポートには冷却水ポンプ102の駆動源(例えば、モータ)が接続されている。図1における図示は省略するが、冷却水ポンプ102には、スタック12の内側又は外側を通過する冷却水管が接続されており、冷却水温度制御器100から出力された電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「ポンプ制御信号」と称する)に基づいて冷却水ポンプ102が作動すると、冷却水ポンプ102の状態(例えば、冷却水ポンプ102の駆動源がモータであるならば、モータの回転数)に応じた速度で冷却水管内を冷却水が流れ、スタック12の内外の熱を吸収してスタック12の内外を冷却する構成となっている。
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本燃料電池システム10では、燃料ガスタンク28からスタック12に供給された燃料ガスは、セル14のアノード18側にてセパレータ20のガス流通溝22を通過する。ガス流通溝22を流れる燃料ガスは、通気性を有するガス拡散層34を通過して触媒層36に到達する。
一方、エアコンプレッサ74が作動することでスタック12に供給された空気は、セル14のカソード56側にてセパレータ20のガス流通溝22を通過する。ガス流通溝22を流れる空気は、通気性を有するガス拡散層34を通過して触媒層36に到達する。
このように、アノード18側の触媒層36に水素を含む燃料ガスが供給され、カソード56側の触媒層36に酸素を含む空気が供給されると、両触媒層36にて電気化学反応が生じる。アノード18側の触媒層36では、水素分子(H2)から水素イオン(H+)と電子(e-)が生じる。水素イオンは電解質膜16を透過してカソード56側の触媒層36に到達する。
一方、電子は外部回路を介して負荷64へ流れる電流となり、負荷64の動力として供される。カソード56側の触媒層36では、電解質膜16を透過した水素イオンと空気中の酸素分子(O2)、及び負荷64からの外部回路を介してカソード56側の触媒層36に到達した電子によって電気化学反応が生じ、その結果、水が生成される(このようにして生成された水を以下、「生成水」と称する)。生成水は電気化学反応終了後の空気であるカソード排気ガスと共にカソード側出口60から排出される。
ところで、本燃料電池システム10では、電気化学反応で生じて負荷64へ向かう電子、すなわち、本燃料電池システム10にて発電された電気の電流値が電流計66により検出される。電流計66では、検出した電流値に対応する電気信号、すなわち、電流値信号が出力される。この電流値信号は例えばA/D変換器等により変換されて制御部32に入力される。
ここで、本燃料電池システム10で発電された電気の電流値Iと、上記の電気化学反応により生成された水の量、すなわち、生成水量Wpとの間には、次の式(1)に示される関係がある。
Wp[mol/s]=I[A]×S[枚数]÷2e[e]÷F [C/mol]・・・(1)
また、電流値Iと、上記の電気化学反応にて消費された酸素の量、すなわち、消費酸素量Oeとの間には、次の式(2)に示される関係がある。
Oe[mol/s]=I[A]×S[枚数]÷4e[e]÷F [C/mol]・・・(2)
さらに、電流値Iと、上記の電気化学反応にて消費された水素の量、すなわち、消費水素量Heとの間には、次の式(3)に示される関係がある。
He[mol/s]=I[A]×S[枚数]÷2e[e]÷F [C/mol]・・・(3)
なお、上記の式(1)乃至式(3)において、Iは電流値信号に基づく電流計66が計測した電流値、Sはスタック12のセル14の枚数、eは電荷、Fはファラデー定数であり、基本的にI以外は既知の数値である。制御部32では、入力された電流値信号と、これらの式(1)乃至式(3)に基づいて生成水量Wp、消費酸素量Oe、及び消費水素量Heが計算される。
一方、上述したように、制御部32の入力ポートには、流量計30〜96が接続されており、これらの流量計30〜96での計測値に基づく各電気信号、すなわち、燃料ガス流量信号、アノード排気ガス流量信号、アノード水分流量信号、供給流量信号、カソード排気ガス流量信号、及びカソード水分流量信号が入力される。制御部32では、これらの流量信号のからアノード18側での排出水蒸気量AVeと、カソード56側での排出水蒸気量CVeと、が以下の式(4)及び式(5)に基づき計算される。
AVe[mol/s]=AGe[mol/s]−(AGs[mol/s]−He[mol/s])・・・(4)
CVe[mol/s]=CGe[mol/s]−(CGs[mol/s]−e[mol/s])・・・(5)
なお、上記の式(4)及び式(5)において、AGeはアノード排気ガス流量信号に基づく流量計48の計測値、AGsは燃料ガス流量信号に基づく流量計30の計測値、CGeはカソード排気ガス流量信号に基づく流量計90の計測値、CGsは供給流量信号に基づく流量計80の計測値である。
さらに、このようにして計算された排出水蒸気量AVe、CVe、生成水量Wp、そして、アノード水分流量信号及びカソード水分流量信号から本燃料電池システム10における水分の変化量である水分量収支Wcが以下の式(6)に基づき計算される。
Wc[mol/s]=Wp[mol/s]−Ve[mol/s]−We[mol/s]・・・(6)
但し、
Ve[mol/s]=CVe[mol/s]+AVe[mol/s] ・・・(7)
We[mol/s]=CWe[mol/s]+AWe[mol/s] ・・・(8)
なお、上記の式(8)におけるCWeはカソード水分流量信号に基づく流量計96の計測値で、AWeはアノード水分流量信号に基づく流量計54の計測値である。すなわち、Weはアノード18側及びカソード56側の双方の気液分離器42、84において分離された水分の総和である。
一方、制御部32には水分量マップが予め設定されており、上記のカソード56側での排出水蒸気量CVe、電流計66からの電流値信号、温度センサ98からの温度検出信号、及び流量計80での計測値に基づく供給流量信号の各々からカソード56側での水分量計測値が導き出される。
このようにして求められた水分量計測値と水分量収支Wcとは水分量推定オブザーバ104に入力される。水分量推定オブザーバ104では、水分量収支Wcの時間積分値である保有水分変化量Wd[mol]が計算される。さらに、この保有水分変化量Wd[mol]と、ある時刻での水分量計測値との和が保有水分量の推定値(以下、「水分量推定値」と称する)として計算される。
次に、図3に示されるように、制御部32にはROM106が設けられており、このROM106には適正保有水分量がマップ等の状態で予め記憶されている。制御部32では、ROM106から適正保有水分量を読み込み、更に、水分量推定オブザーバ104にて計算された水分量推定値と適正保有水分量との差が、保有水分量偏差として計算される。
このようにして計算された保有水分量偏差は、冷却水温度制御器100やエアストイキ比制御器78に入力される。
冷却水温度制御器100では、入力された保有水分量偏差に基づいてポンプ制御信号を生成して出力する。冷却水温度制御器100から出力されたポンプ制御信号は冷却水ポンプ102の駆動源(例えば、モータ)のドライバ等に入力され、これにより、冷却水ポンプ102の駆動源が出力する駆動力が増減される。
例えば、上記の保有水分量偏差が負となって水分が失われたと推定できる状態では、冷却水ポンプ102の動作速度を上昇させて冷却水の温度を低下させる。これにより、スタック12内の水分の排出が抑制され、電解質膜16の乾燥等が防止される。
また、上記の保有水分量偏差が正となって水分が過剰であると推定できる状態では、冷却水ポンプ102の動作速度を低下させて冷却水の温度を上昇させる。これにより、スタック12内の水分の蒸発が促され、水蒸気となった水分がカソード排気ガスやアノード排気ガスと共にスタック12の外部に効果的に排出される。これにより、過剰な水分がガス拡散層34や触媒層36におけるガスの流通部分(ガスチャンネル)を埋めてしまうことを防止できる。
一方、エアストイキ比制御器78では、入力された保有水分量偏差に基づいてコンプレッサ制御信号を生成して出力する。エアストイキ比制御器78から出力されたコンプレッサ制御信号はエアコンプレッサ74のモータ76を駆動制御するドライバ等に入力され、これにより、モータ76の回転数が増減される。このようにモータ76の回転数が増減されることでスタック12に供給される空気量が増減される。スタック12に供給される空気量が増減されることで、燃料ガスと空気との比率、すなわち、エアストイキ比が増減する。
例えば、上記の保有水分量偏差が負の状態では、エアストイキ比が小さくなるようにモータ76を駆動させる。これにより、スタック12内の水分の排出が抑制され、電解質膜16の乾燥等が防止される。
また、上記の水分量偏差が正の状態では、エアストイキ比が大きくなるようにモータ76を駆動させる。これにより、水分がカソード排気ガスと共にスタック12の外部に効果的に排出される。これにより、過剰な水分がガス拡散層34や触媒層36におけるガスの流通部分(ガスチャンネル)を埋めてしまうことを防止できる。
このように、本燃料電池システム10では、保有水分量偏差に基づいてスタック12内の水分量を調節しているため、上記のような電解質膜16の乾燥や、過剰な水分がガスチャンネルを埋めてしまうという不具合の発生を極めて効果的に防止できる。これにより、本燃料電池システム10の信頼性や効率を効果的に向上させることができる。
また、本燃料電池システム10では、基本的にスタック12での発電量(電流計66における計測結果)、各流量計30〜96での計測結果に基づいて水分量偏差を推定している。このため、湿度センサ等の水分量を直接検出する検出手段を用いる場合に比べ、水分凝固等に起因する誤差が極めて少ない。
これにより、得られる水分量偏差(又は、水分量収支)の信頼性が極めて高く、上記のようなスタック12内の水分量の調節を適切に行なうことができ、この意味でも、本燃料電池システム10の信頼性や効率を効果的に向上させることができる。
一方で、カソード56側から排出される水蒸気は、スタック12内の温度、発電量、及び空気の流量により変化するが、これら同じ状態であってもスタック12内の水分量が異なるとスタック12内における水分の拡散速度が異なるが故にカソード56側から排出される水蒸気量が変化する。
ここで、本実施の形態では、電流計66、温度センサ98、流量計80での各計測値をパラメータとして水分量計測値が制御部32に設定された水分量マップにより導き出される。このため、水分量計測値の精度が高く、これにより、スタック12内の水分量の調節を適切に行なうことができ、この意味でも、本燃料電池システム10の信頼性や効率を効果的に向上させることができる。
しかも、水分量マップを用いていることで空気を流しさえすれば水分量計測値を得ることが可能である。このため、燃料電池システム10の運転開始時や終了時を含め、基本的に燃料電池システム10で発電を行っていない状態でも水分量計測値を得ることが可能である。
したがって、このような燃料電池システム10で発電を行っていない状態では、水分量計測値に基づいてスタック12内の水分を検出できる。これにより、例えば、燃料電池システム10を運転開始前や運転終了後等にスタック12内の水分量を調節することが可能となる。このため、低温時のスタック12内の水分の凍結を防止でき、また、燃料電池システム10の運転開始直後における不要な乾燥や加湿等を行なうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、上記のように保有水分量偏差に基づいて、冷却水の循環速度や温度とエアストイキ比を調節する構成であったが、保有水分量偏差に基づいて、冷却水の循環速度や温度、エアストイキ比の双方を全て調節する構成に限定されるものではなく、何れか1つを調節する構成としてもよい。
また、本実施の形態では、保有水分量偏差に基づいて、冷却水の循環速度や温度やエアストイキ比を調節したが、これら以外にも例えば、保有水分量偏差に基づいてスタック12における発電量や空気の流速を調節する構成としてもよい。すなわち、例えば、保有水分量偏差が閾値を下回った場合には、燃料ガス及び空気の双方の流量を低減させてスタック12における発電量を抑制する。これにより、所謂「ドライアップ」を防止できる。また、保有水分量偏差が閾値を上回った場合には、空気の流量を増加させる。これにより、所謂「フラッディング」を防止できる。
<第2の実施の形態の構成>
次に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下の各実施の形態を説明するにあたり、前記第1の実施の形態を含めて説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と基本的に同一に構成に関しては、同一の符号を付与してその説明を省略する。
図5には本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池システム120の全体構成の概略がブロック図により示されている。
この図に示されるように、本燃料電池システム120は、気液分離器42及び流量計30〜54を備えていない。したがって、基本的にはアノード側入口24が燃料ガス供給路26を介して燃料ガスタンク28に直接接続され、アノード側出口38は燃料ガス排気路40を介して排気部122に接続されている。
また、本燃料電池システム120は、気液分離器84及び流量計90、96を備えておらず、代わりに、空気排気路82にはマフラ(消音器)124が設けられており、カソード側出口60はマフラ124を介して排気部126に接続されている。
さらに、マフラ124とカソード側出口60との間には圧力調整バルブ128が設けられており、圧力調整バルブ128を開閉すること、すなわち、圧力調整バルブ128の弁体を開閉移動させるための駆動源であるモータを駆動させることで、カソード側出口60から出るカソード排気ガスの圧力を調整できる。
また、図6に示されるように、圧力調整バルブ128には弁体の開度を検出する回転角センサ130が設けられている。回転角センサ130は、上記の制御部132の入力ポートに直接又は間接的に接続されており、圧力調整バルブ128の弁体の開度に対応した電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「バルブ開閉信号」と称する)が制御部132に入力される。
さらに、圧力調整バルブ128は制御部132に設けられたカソードガス圧力制御器134の出力ポートにも直接又は間接的に接続されており、カソードガス圧力制御器134から出力された電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「バルブ制御信号」と称する)に基づいて圧力調整バルブ128の弁体が開閉移動させられる。
また、図5に示されるように、圧力調整バルブ128とカソード側出口60との間には、圧力センサ136が設けられており、カソード側出口60から圧力調整バルブ128へ流れるカソード排気ガスの圧力が検出されている。また、圧力センサ136とカソード側出口60との間には、温度センサ138が設けられており、カソード側出口60から圧力調整バルブ128へ流れるカソード排気ガスの温度が検出されている。
図6に示されるように、圧力センサ136及び温度センサ138は制御部132の入力ポートに直接又は間接的に接続されている。圧力センサ136からは、圧力センサ136が検出したカソード排気ガスの圧力に対応した電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「圧力信号」と称する)が出力され、この圧力信号が制御部132に入力される。また、温度センサ138からは、温度センサ138が検出したカソード排気ガスの温度に対応した電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「ガス温度信号」と称する)が出力され、このガス温度信号が制御部132に入力される。
<第2の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本燃料電池システム120では、前記第1の実施の形態と同様に、本燃料電池システム120にて発電された電気の電流値が電流計66により検出される。電流計66では、検出した電流値に対応する電気信号、すなわち、電流値信号が出力される。この電流値信号は例えばA/D変換器等により変換されて制御部132に入力される。
ここで、前記第1の実施の形態では、式(1)に基づいて生成水量Wpを計算したが、一定の条件では式(1)の右辺に、電解質膜16の性質等により決まる生成水アノード非透過係数Rc(0<Rc<1)が掛け合わされ、すなわち、次の式(9)で生成水量Wpが求められる。
Wp[mol/s]=I[A]×S[枚数]÷2e[e]÷F [C/mol]×Rc・・・(9)
また、温度センサ138からのガス温度信号、圧力センサ136からの圧力信号、及び回転角センサ130からのバルブ開閉信号に基づいてカソード側出口60からのカソード排気ガスの流量であるカソード排気ガス流量CGsが演算される。さらに、制御部132では、流量計80からの供給流量信号に基づくカソード側入口58へ向かう空気の流量である供給空気流量AGsが演算される。
ここで、本燃料電池システム120においてスタック12内で酸素と水蒸気以外のガス成分が変化しないとした場合、カソード排気ガスに含まれる水蒸気量とスタック12内に供給される空気に含まれる水蒸気との差、すなわち、空気がスタック12内を通過してカソード排気ガスとなることで生じる水蒸気量であるカソード56側の排出水蒸気量CVeと、消費酸素量Oe、供給空気量AGs、及びカソード排気ガス流量CGsとの間には、次の式(10)に示される関係がある。
CVe[mol/s]=CGs[mol/s]−(AGs[mol/s]−Oe[mol/s])・・・(10)
制御部132では、上記の式(3)に基づいて排出水蒸気量CVeが計算され、更に、上記の生成水量Wpと排出水蒸気量CVeとの差である水分量収支Wc(すなわち、Wc=Wp−CVe)が計算される。
このようにして水分量収支Wcが計算されると、更に、この水分量収支Wcの時間積分値である保有水分変化量Wd[mol]が計算される。さらに、前記第1の実施の形態と同様に、保有水分変化量Wd[mol]と、ある時刻での水分量計測値との和が水分量推定値として計算され、更に、水分量推定値と、ROM106から読み込まれた適正保有水分量との差が、保有水分量偏差として計算される。
このようにして計算された保有水分量偏差は、前記第1の実施の形態と同様に、冷却水温度制御器100及びエアストイキ比制御器78に入力されると共に、更に、図7に示されるように、本実施の形態では、カソードガス圧力制御器134に保有水分量偏差が入力される。
カソードガス圧力制御器134では、保有水分量偏差に基づいてバルブ制御信号を生成して出力する。カソードガス圧力制御器134から出力されたバルブ制御信号は圧力調整バルブ128の弁体を駆動する駆動源(例えば、モータ)を駆動制御するドライバ等に入力され、これにより弁体の開度が増減される。このように弁体の開度が増減されることでカソード排気ガスの流量が増減され、この結果、カソード排気ガスの圧力が増減される。
例えば、上記の保有水分量偏差が負の状態では、圧力調整バルブ128の弁体の開度が大きくなるように調整され、これにより、カソード排気ガスの圧力が増加する。このようにカソード排気ガスの圧力が増加することで、スタック12内の水分の排出が抑制され、電解質膜16の乾燥等が防止される。
また、上記の保有水分量偏差が正の状態では、圧力調整バルブ128の弁体の開度が小さくなるように調整され、これにより、カソード排気ガスの圧力が低下する。このようにカソード排気ガスの圧力が低下することで、水分がカソード排気ガスと共にスタック12の外部に効果的に排出される。これにより、過剰な水分がガス拡散層34や触媒層36におけるガスの流通部分(ガスチャンネル)を埋めてしまうことを防止できる。
このように、本燃料電池システム120では、保有水分量偏差に基づいてスタック12内の水分量を調節しているため、上記のような電解質膜16の乾燥や、過剰な水分がガスチャンネルを埋めてしまうという不具合の発生を極めて効果的に防止できる。これにより、本燃料電池システム120の信頼性や効率を効果的に向上させることができる。
また、本燃料電池システム120では、スタック12での発電量(電流計66における計測結果)、スタック12内への空気の流量(流量計80での計測結果)、及びカソード排気ガスの流量(温度センサ138、圧力センサ136、及び圧力調整バルブ128の弁体の開度)に基づいて保有水分量偏差を推定している。このため、湿度センサ等の水分量を直接検出する検出手段を用いる場合に比べ、水分凝固等に起因する誤差が極めて少ない。
これにより、得られる保有水分量偏差の信頼性が極めて高く、上記のようなスタック12内の水分量の調節を適切に行なうことができ、この意味でも、本燃料電池システム120の信頼性や効率を効果的に向上させることができる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図8及び図9には、本実施の形態に係る燃料電池システム150の水分変化量推定手段としての制御部152における演算工程(各種計算手順)が前記第2の実施の形態を説明する図6及び図7に対応したブロック図により示されている。
本燃料電池システム150は、その構成が基本的に前記第2の実施の形態に係る燃料電池システム120と同じである。但し、燃料電池システム120とは異なり本燃料電池システム150はスタック12における内部抵抗を検出する内部抵抗検出器154を備えている。内部抵抗検出器154は制御部152の入力ポートに接続されており、スタック12における内部抵抗に対応した電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「内部抵抗信号」と称する)。
本燃料電池システム150の制御部152では、上記の内部抵抗検出器154からの内部抵抗信号に基づいてスタック12内の保有水分量が計測され、この保有水分量計測値が所謂「プラント観測信号」として水分量測定オブザーバ156に入力される。また、前記第2の実施の形態と同様に計算された水分量収支Wcは所謂「プラント入力信号」として水分量測定オブザーバ156に入力される。
水分量測定オブザーバ156では、この保有水分量計測値と水分量収支Wcとに基づき水分量推定値が計算され、更に、ROM106から読み込まれた適正保有水分量との差が、保有水分量偏差として計算される。
ここで、水分量推定値に代わって保有水分量計測値とROM106から読み込んだ適正保有水分量との差を保有水分量偏差として計算しても構わない。しかしながら、このようにして計算された保有水分量偏差は、ノイズや計測誤差の影響が大きい。
一方、水分量収支Wcを得るにあたっても当然ノイズや計測誤差の影響がある。しかしながら、水分量収支Wcと保有水分量計測値とから水分量推定値を求める構成として所謂「プラント動特性」を織り込むことにより、単純に保有水分量計測値だけを用いる場合に比べて高い信頼性を得ることができる。
このように、本実施の形態では、前記第2の実施の形態とは異なり水分量収支Wcを時間積分せずに、保有水分量計測値、水分量収支Wc、及び適正保有水分量から保有水分量偏差が計算される。しかしながら、上記のように、保有水分量偏差の信頼性が高いため、上記のようなスタック12内の水分量の調節を適切に行なうことができ、この意味でも、本燃料電池システム150の信頼性や効率を効果的に向上させることができる。
しかも、湿度センサ等の水分量を直接検出する検出手段を用いる場合に比べ、水分凝固等に起因する誤差が極めて少ない。したがって、得られる水分量偏差(又は、水分量収支)の信頼性が極めて高く、上記のようなスタック12内の水分量の調節を適切に行なうことができ、この意味でも、本燃料電池システム150の信頼性や効率を効果的に向上させることができる。
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図10には、本実施の形態に係る燃料電池システム170の全体構成の概略が示されており、図11には本燃料電池システム170の水分変化量推定手段としての制御部172における演算工程(各種計算手順)が前記第1の実施の形態を説明する図2に対応したブロック図により示されている。
図10に示されるように、本燃料電池システム170は前記第2の実施の形態に係る燃料電池システム120とは異なり、温度センサ138及び圧力センサ136を備えておらず、代わりに、圧力調整バルブ128とマフラ124との間に流量計174が設けられている。流量計174は流量計80と基本的に同じ構成で、圧力調整バルブ128を通過してマフラ124へ向かうカソード排気ガスの流量を計測している。
図11に示されるように、流量計174は制御部172に接続されており、流量計174から出力されたカソード排気ガスの流量に対応する電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「排気流量信号」と称する)が直接又はA/D変換器等を介して制御部172に入力される構成となっている。
また、本燃料電池システム170では、圧力調整バルブ128と流量計174との間に加湿手段としての加湿装置176が設けられており、圧力調整バルブ128から流量計174に向かうカソード排気ガスが通過する。
また、加湿装置176はエアコンプレッサ74からカソード側入口58へ向かう空気が通過し、カソード排気ガスに含まれる水分の一部又は全部が加湿装置176により吸収される。さらに、カソード排気ガスから吸収した水分又は加湿装置176に設けられた図示しない貯水部に予め溜められた水がエアコンプレッサ74からカソード側入口58へ向かう空気に湿気として付与される。
本燃料電池システム170の制御部172では、流量計174によってカソード排気ガスの流量が計測され、流量計174からの排気流量信号に基づいて制御部172ではカソード排気ガス出口流量が計算される。このカソード排気ガス出口流量計算結果は、前記第2の実施の形態と同様に、水分量収支Wcの計算に供される。
さらに、本燃料電池システム170では、流量計174からの排気流量信号に基づくカソード排気ガス出口流量の計算結果と、流量計80からの供給流量信号に基づく空気流入量の計算結果との差が計算される。すなわち、流量計174の計測結果は、スタック12内で生じた水分を含むカソード排気ガスの流量であるのに対し、流量計80の計測結果は空気がスタック12に供給される前の状態での流量である。したがって、その差はカソード排気ガスに含まれるスタック12内で生じた水分の量、すなわち、前記第2の実施の形態でスタック12の内部抵抗に基づき計算された保有水分量に他ならない。
このように、本燃料電池システム170では、その検出のための手段が異なるものの現状の保有水分量と適正保有水分量、及び水分量収支Wcからエアコンプレッサ74及び流量計174よりもスタック12側における保有水分量偏差が計算されることになる。
したがって、この保有水分量偏差に基づいて、冷却水温度制御器100、エアストイキ比制御器78、及びカソードガス圧力制御器134等を制御することで、特別に加湿装置176を制御しなくても電解質膜16の乾燥や、過剰な水分がガスチャンネルを埋めてしまうという不具合の発生を極めて効果的に防止できる。これにより、本燃料電池システム170の信頼性や効率を効果的に向上させることができる。
<第5の実施の形態>
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
図12には、本実施の形態に係る燃料電池システム190の全体構成の概略が示されている。
この図に示されるように、本燃料電池システム190は基本的に前記第2の実施の形態に係る燃料電池システム120と同じ構成である。但し、図12に示されるように、本燃料電池システム190では、流量計80とエアコンプレッサ74との間と、圧力調整バルブ128とマフラ124との間が繋がっている。このため、本燃料電池システム190では、カソード側出口60から排気されて圧力調整バルブを通過したカソード排気ガスの一部又は全部を、流量計80とエアコンプレッサ74との間に供給できる構成となっている。
また、本燃料電池システム190は、循環バルブ192を備えており、循環バルブ192の弁体の開度に応じて圧力調整バルブ128を通過したカソード排気ガスの、流量計80とエアコンプレッサ74との間への供給量を調節できる構成となっている。
一方、図13に示されるように、本燃料電池システム190の水分変化量推定手段としての制御部194は、基本的に前記第2の実施の形態に係る燃料電池システム120の制御部132と同じである。但し、制御部132とは異なり制御部194では、流量計80が制御部194に接続されていない。
代わりに、本燃料電池システム190の制御部194の入力ポートには、速度検出器196が制御部194に接続されている。速度検出器196は、エアコンプレッサ74のモータ76の回転速度を検出しており、モータ76の回転速度に応じた電気信号(以下、この電気信号を他の電気信号と区別するため、便宜上、「速度検出信号」と称する)を出力する。速度検出器196から出力された速度検出信号に基づいてカソード側入口58に供給される空気の量が計算される。
本燃料電池システム190では、上記のようにスタック12内で生じた水分を含むカソード排気ガスが、カソード側入口58へ向かう空気に供給されることで、スタック12内で生じてカソード排気ガスと共に排出された水分がカソード側入口58へ向かう空気に付与され、これにより、空気の湿度が上昇する。このように、本燃料電池システム190では、加湿装置176を設けなくても、カソード側入口58に向かう空気に水分を付与できるため、装置構成を簡素化できる。
また、前記第2の実施の形態と同様に保有水分量偏差が計算されるため、保有水分量偏差に基づいて、冷却水温度制御器100、エアストイキ比制御器78、及びカソードガス圧力制御器134等を制御することで、圧力調整バルブ128を通過したカソード排気ガスに含まれる水分量を適切に調節でき、この結果、エアコンプレッサ74からカソード側入口58に向かう空気に含まれる水分量を適切に調節できる。
これにより、電解質膜16の乾燥や、過剰な水分がガスチャンネルを埋めてしまうという不具合の発生を極めて効果的に防止でき、本燃料電池システム190の信頼性や効率を効果的に向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池システムの全体構成の概略を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池システムの制御部の入力ポート側での概略を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池システムの制御部の出力ポート側での概略を示す図である。 セルの構成の概略を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池システムの全体構成の概略を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池システムの制御部の入力ポート側での概略を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池システムの制御部の出力ポート側での概略を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る燃料電池システムの制御部の入力ポート側での概略を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る燃料電池システムの制御部の出力ポート側での概略を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る燃料電池システムの全体構成の概略を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る燃料電池システムの制御部の入力ポート側での概略を示す図である。 本発明の第5の実施の形態に係る燃料電池システムの全体構成の概略を示す図である。 本発明の第5の実施の形態に係る燃料電池システムの制御部の入力ポート側での概略を示す図である。
符号の説明
10 燃料電池システム
12 スタック(燃料電池)
16 電解質膜
18 アノード
32 制御部(水分変化量推定手段)
56 カソード
68 空気供給路(供給路)
82 空気排気路(排気路)
120 燃料電池システム
132 制御部(水分変化量推定手段)
150 燃料電池システム
152 制御部(水分変化量推定手段)
170 燃料電池システム
172 制御部(水分変化量推定手段)
190 燃料電池システム
194 制御部(水分変化量推定手段)

Claims (4)

  1. 固体高分子を含めて構成された電解質膜を介してアノード及びカソードが対向配置され、アノード側スタック入口から水素を含む燃料ガスを前記アノード側に供給すると共に、カソード側スタック入口から酸素を含む酸化ガスを前記カソード側に供給することにより電気化学反応で発電する燃料電池スタックを含めて構成した燃料電池システムであって、
    前記燃料電池スタックにおける水素イオンと電子と酸素との電気化学反応により生成された生成水の量が、前記燃料電池スタックで発電した電気の電流量に比例する関係にあることから、前記生成水量を前記電流量に基づき推定すると共に、前記燃料電池スタックに供給された前記酸化ガスのうち前記電気化学反応で消費された酸素の量である消費酸素量が、前記燃料電池スタックで発電した電気の電流量に比例する関係にあることから、前記消費酸素量を前記電流量に基づいて推定し、
    前記生成水のうち前記酸化ガスと共に前記燃料電池スタックから水蒸気として排出されるカソード側の排出水蒸気の量を、前記燃料電池スタックからの前記酸化ガスの排出量と前記消費酸素量とを加えた値と前記燃料電池スタックに供給された前記酸化ガスの供給量との差異から推定し、
    前記生成水の量と前記カソード側の排出水蒸気量との差異を前記燃料電池スタック内に残留した水分量として前記燃料電池スタック内における水分の変化量を推定する水分変化量推定手段を備える、
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記水分変化量推定手段は、
    記生成水量をWp、前記消費酸素量をOe、前記燃料電池スタックに供給された酸化ガス量をAs、及び前記燃料電池スタックから排出された酸化ガス量をGsとした場合、前記燃料電池スタック内の水分の変化量Wcを、
    Wc=As−Gs+Wp−Oe
    の式に基づいて計算する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池スタックに供給された前記燃料ガスのうち前記電気化学反応で消費された水素の量である消費水素量が、前記燃料電池スタックで発電した電気の電流量に比例する関係にあることから、前記消費水素量を前記電流量に基づいて推定し、
    前記生成水のうち前記燃料ガスと共に前記燃料電池スタックから水蒸気として排出されるアノード側の排出水蒸気の量を、前記燃料電池スタックからの前記燃料ガスの排出量と前記消費水素量とを加えた値と前記燃料電池スタックに供給された前記燃料ガスの供給量との差異から推定し、
    前記生成水量と前記カソード側の排出水蒸気の量と前記アノード側の排出水蒸気の量とから前記水分変化量推定手段が前記燃料電池スタック内における水分の変化量を推定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池スタックに供給する酸化ガスの流路である供給路と前記燃料電池スタックから排出された酸化ガスの流路である排気路とを接続し、前記燃料電池スタックから排出された酸化ガスを前記供給路に供給可能にすると共に、前記供給路の前記排気路との接続部分よりも前記燃料電池スタック側に前記供給路の酸化ガスを前記燃料電池スタックに供給する酸化ガス供給手段を備え、
    更に、前記酸化ガス供給手段の駆動力の大きさから前記水分変化量推定手段が前記燃料電池スタックへの前記酸化ガスの供給量を算出する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の燃料電池システム。
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