JP4677897B2 - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関の点火時期制御装置に関し、詳しくは、ノックが発生する点火時期を予測して点火時期を制御する点火時期制御装置に関する。
内燃機関の点火時期制御においては、ノックが発生しないようにしながら点火時期を限界まで進角させてMBTに近付けることが行われている。ノックが発生する限界点火時期であるトレースノック点火時期は、吸入空気温度、機関温度、機関回転数、負荷等の運転条件に依存する。このため、従来は、実験等によってトレースノック点火時期を運転条件毎に求め、それをマップ化したものを用いて点火時期制御が行われていた。
しかし、マップの作成には膨大な工数を要する適合作業が必要となる。正確な点火時期制御のためには運転条件を示す多くのパラメータが必要となるが、パラメータの数が多いほど必要なマップデータが膨大になって適合作業の必要工数も増大する。このような問題に関し、特許文献1には、内燃機関の運転条件に基づいて圧縮上死点後の基準クランク角における筒内圧力と未燃ガス温度とを推定し、その推定結果からノックの起こり易さを判定するための指標値を算出する技術が提案されている。この従来技術では、具体的にはノックの指標値として素反応の自己着火時間を算出している。そして、算出した自己着火時間に基づいてMBTからの遅角量を決定し、その遅角量だけMBTから遅角した点火時期をトレースノック点火時期として求めている。
特開2004−245173号公報 特開2005−36754号公報
ところで、実験によれば、筒内圧力の最大値とノックが発生するクランク角との間には一定の関係があることが確認された。本出願にかかる発明者は、この関係に着目し、膨大なマップデータを必要とすることなく、上記の従来技術とは異なる方法によってトレースノック点火時期を正確に予測する方法について創案した。
つまり、本発明は、膨大なマップデータを必要とすることなくトレースノック点火時期を正確に予測し、その予測に基づいて点火時期制御を行えるようにした内燃機関の点火時期制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の点火時期制御装置において、
前記内燃機関の運転条件に関する情報を取得する情報取得手段と、
筒内圧力の最大値とノックが発生するクランク角との関係を運転条件毎に記憶した記憶手段と、
点火時期と筒内圧力最大値との関係を運転条件に基づいて予測する予測手段と、
筒内の燃料の燃焼割合が所定値となるクランク角を運転条件に基づいて予測する予測手段と、
現在の運転条件における筒内圧力最大値とノック発生クランク角との関係、及び現在の運転条件の下で予測される点火時期と筒内圧力最大値との関係、並びに現在の運転条件の下で燃焼割合が所定値となるクランク角から、現在の運転条件の下でノック発生時の燃焼割合が所定値になる点火時期を演算する演算手段と、
前記演算結果に基づいて点火時期を制御する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記内燃機関で発生するノック信号を検出するノック信号検出手段と、
ノック信号が検出されたときのクランク角と、そのときの設定点火時期及び運転条件から予測される筒内圧力最大値とに基づき、前記記憶手段に記憶されている筒内圧力最大値とノック発生クランク角との関係を補正する補正手段と、
をさらに備えることを特徴としている。
また、第3の発明は、第1の発明において、
筒内圧力を測定する筒内圧力測定手段と、
筒内圧力の変化からノックの発生を検知するノック検知手段と、
ノックの発生が検知されたときのクランク角と、ノックが発生したサイクルにおいて測定された筒内圧力最大値とに基づき、前記記憶手段に記憶されている筒内圧力最大値とノック発生クランク角との関係を補正する補正手段と、
をさらに備えることを特徴としている。
第1の発明では、内燃機関の現在の運転条件から点火時期と筒内圧力最大値との関係、及び、筒内の燃料の燃焼割合が所定値となるクランク角が予測される。そして、それら予測結果と、予め記憶されている筒内圧力最大値とノック発生クランク角との関係に基づいて、現在の運転条件の下でノック発生時の燃焼割合が所定値になる点火時期が演算される。ノックの大きさ及び発生の有無は燃焼割合によって左右される。したがって、前記の所定値を微弱なノックが発生する燃焼割合値に設定することで、前記の演算によってトレースノック点火時期を求めることができる。つまり、第1の発明によれば、現在の運転条件の下でのトレースノック点火時期を正確に予測し、予測したトレースノック点火時期に基づいて点火時期を制御することができる。しかも、予め必要とされるデータは、運転条件毎の筒内圧力の最大値とノックが発生するクランク角との関係に関するデータのみでよく、膨大なマップデータは必要としない。
また、第2の発明によれば、実際にノック信号が検出されたときのクランク角と、そのときの設定点火時期及び運転条件から予測される筒内圧力最大値とに基づき、筒内圧力最大値とノック発生クランク角との関係を学習することができる。これにより、内燃機関の個体差や経年変化等、モデルや数式では考慮できない原因によって内燃機関のノック特性が変化した場合でも、トレースノック点火時期を正確に予測することが可能になる。
また、第3の発明によれば、実際に測定された筒内圧力最大値とノック発生クランク角とに基づいて、筒内圧力最大値とノック発生クランク角との関係を学習することができる。これにより、内燃機関の個体差や経年変化等、モデルや数式では考慮できない原因によって内燃機関のノック特性が変化した場合でも、トレースノック点火時期を正確に予測することが可能になる。
実施の形態1.
以下、図1〜図6は参照して本発明の実施の形態1について説明する。
本発明の実施の形態1では、内燃機関(以下、エンジン)を総合的に制御するECU(Electronic Control Unit)の一機能として点火時期制御装置が実現される。ECUには、エンジンの運転条件に関する種々の情報を取得するための複数のセンサ(情報取得手段)が接続されているが、ここではその説明は省略する。
ECUによる点火時期制御では、エンジンの運転条件に基づいてトレースノック点火時期が決定され、決定したトレースノック点火時期に基づいて点火プラグを作動させるドライバが駆動される。ECUは、図1のフローチャートに示すルーチンによってトレースノック点火時期を決定する。なお、図1に示すルーチンはサイクル毎に実行される。
図1に示すルーチンの最初のステップS100では、ECUに接続された各種センサからの信号に基づき、現在のエンジンの運転条件に関する情報が取得される。運転条件情報には、エンジン回転数、エンジン負荷、バルブタイミング、空燃比、吸気温度、燃料のオクタン価等の情報が含まれる。
次のステップS102では、点火時期と筒内圧力の最大値Pmaxとの関係がエンジンモデルを用いて予測される。エンジンモデルとしては、例えば、Wiebeモデルを用いることができる。Wiebeモデルの各パラメータの値は運転条件に応じて予め設定され、マップに記憶されている。ステップS102では、ステップS100で取得した運転条件に対応するパラメータ値がマップから読み出され、そのパラメータ値を用いてWiebeモデルによる計算が行われる。図2は、ステップS102の計算結果の一例を示す図である。この図に示すように、Wiebeモデルによる筒内圧力最大値Pmaxの計算は、予め設定された複数の代表点火時期について行われる。
次のステップS104では、図3に示すマップを用いて計算が行われる。図3に示すマップは、筒内圧力最大値Pmaxとノック発生クランク角CAkcとの対応関係を示すマップ(以下、Pmax-CAkcマップ)である。このPmax-CAkcマップはエンジンの負荷毎に用意されている。
Pmax-CAkcマップは、エンジンの試験運転で得られたデータから作成される。エンジンを運転すると、筒内圧力はクランク角に対して図4に示すように変化し、サイクル毎に筒内圧力最大値Pmaxとノック発生クランク角CAkcとが決まる。なお、筒内圧力最大値Pmaxは図に示すようにノック振動の振幅を含んだ値としてもよく、フィルタを通してノック振動の振幅を除外した値としてもよい。筒内圧力の絶対値に比較してノック振動の振幅は微小であるため、ノック振動の振幅が筒内圧力最大値Pmaxに与える影響は誤差の範囲内であり無視することができる。筒内圧力最大値Pmaxとノック発生クランク角CAkcとをサイクル毎に取得し、エンジン負荷毎に用意されたグラフにプロットして得られたものがPmax-CAkcマップである。Pmax-CAkcマップに示すように、筒内圧力最大値Pmaxとノック発生クランク角CAkcとは比例関係になる。
ステップS104では、まず、ステップS100で取得された運転条件のうちエンジン負荷に応じたPmax-CAkcマップが選択される。そして、選択されたPmax-CAkcマップにステップS102で算出された代表点火時期毎の筒内圧力最大値Pmaxが照合され、各筒内圧力最大値Pmaxに対応するノック発生クランク角CAkcが算出される。
次のステップS106では、ステップS104で算出された各ノック発生クランク角CAkcでの燃焼割合Bkが算出される。燃焼割合は、供給燃料の総発熱量に対するそのクランク角までの総発熱量として定義される。クランク角と燃焼割合との関係はWiebeモデル等のエンジンモデル(熱発生モデル)を用いて求めることができる。Wiebeモデルの各パラメータの値は運転条件に応じて予め設定され、マップに記憶されている。ステップS106では、まず、ステップS100で取得した運転条件に対応するパラメータ値がマップから読み出され、そのパラメータ値を用いてWiebeモデルによる計算が行われる。図5は、計算で得られるクランク角と燃焼割合との関係を示す図である。この関係を用いることで、各ノック発生クランク角CAkcでの燃焼割合Bkを算出することができる。
次のステップS108では、ステップS102乃至ステップS106の計算結果を用い、ノック発生時の燃焼割合Bkが所定値Bkoになる点火時期Skが算出される。具体的には、ステップS102で算出された各代表点火時期における筒内圧力最大値Pmax、ステップS102で算出された各筒内圧力最大値Pmaxに対応するノック発生クランク角CAkc、及び、ステップS106で算出された各ノック発生クランク角CAkcでの燃焼割合Bkから、各代表点火時期に対応するノック発生時燃焼割合Bkが算出される。図6に示すように、代表点火時期とノック発生時燃焼割合Bkとの間には一定の関係、つまり、点火時期が進角するにつれノック発生時燃焼割合Bkが低下するという関係が見出される。したがって、この関係に基づき補間計算を行うことで、図中に示すように、ノック発生時燃焼割合Bkが所定値Bkoになる点火時期Skを算出することができる。
ノックの大きさ及びノックの発生の有無は燃焼割合によって左右される。具体的には、燃焼割合が高くなるほど燃焼室内の未燃燃料は減少していくため、燃焼割合があまりに高い状態では、もはや燃えるべき燃料が無いために急激な燃焼は起こらずノックは発生しない。つまり、燃焼割合にはノックが発生しうる上限値が存在する。上記所定値Bkoは、この上限値付近の値(例えば90%程度)に設定されている。これにより、ステップS108の演算により得られた点火時期Skは、現在の運転条件の下でのノックが発生する限界点火時期、つまり、トレースノック点火時期を意味することになる。次のステップS110では、ステップS108で算出された点火時期Skがトレースノック点火時期として決定される。
なお、エンジンの運転条件が変化すれば、ノックが発生しうる燃焼割合の上限値も変化する。したがって、ノックが発生しうる燃焼割合の上限値をエンジンの運転条件毎に実験や計算によって求め、上限値に応じた所定値Bkoをエンジンの運転条件毎に設定しておくのが好ましい。
以上説明したルーチンによれば、現在の運転条件の下でのトレースノック点火時期を正確に予測し、正確なトレースノック点火時期に基づいて点火時期を制御することができる。しかも、予め必要とされるデータはPmax-CAkcマップのマップデータのみでよく、膨大なマップデータは必要としない。
実施の形態2.
次に、図7及び図8を参照して本発明の実施の形態2について説明する。
本発明の実施の形態2としての点火時期制御装置は、ECUに、図1のフローチャートに示すルーチンに代えて図7のフローチャートに示すルーチンを実行させることにより実現することができる。図7に示すルーチンにおいて、図1に示すルーチンと同一内容の処理については同一のステップ番号を付している。以下では、実施の形態1において既に説明した処理についての重複する説明は省略し、本実施形態に特有の処理について説明するものとする。
図7に示すルーチンの最初のステップS100−2では、現在のエンジンの運転条件に関する情報が取得される。本実施形態で取得される運転条件情報には、実施の形態1で取得される各種情報に加え、前回サイクルにおいて実際にノックが発生したクランク角CAkcsも含まれる。本実施形態にかかるエンジンのシリンダブロックにはノックセンサが取り付けられている。ノックセンサは燃焼室内からシリンダブロックに伝わるノック振動(ノック信号)を検出している。ECUは、ノック信号の検出時にノックセンサから出力される信号(ノック検出信号)を受信し、そのときのクランク角をノック発生クランク角CAkcsとして取得している。
図7に示すルーチンでは、ステップS102の処理後にステップS200の判定が行われる。ステップS200では、ノックセンサで検出されるノックの強度及び頻度から実際にノック(トレースノック)が発生しているか否か判定される。ノックが発生している場合には、ステップS100−2で取得される運転条件情報にノック発生クランク角CAkcsが含まれており、ノックが発生していない場合には、運転条件情報にノック発生クランク角CAkcsは含まれていない。判定の結果、ノックが発生していない場合にはステップS104に進み、実施の形態1と同様、ステップS104乃至ステップS110の処理が実行される。
ステップS200の判定の結果、ノックが発生している場合には、ステップS202の処理が実行される。ステップS202では、ステップS100−2で取得されたノック発生クランク角CAkcsを用い、Pmax-CAkcマップのマップデータが補正される。図8はPmax-CAkcマップの補正方法の一例について示す図である。図中に実線で示すように、Pmax-CAkcマップで定められているPmaxとCAkcとの関係をグラフに表すと一本の直線になる。ステップS202では、まず、このグラフ上にノック発生クランク角CAkcsと筒内圧力最大値Pmaxcとを座標とする点をプロットする。筒内圧力最大値Pmaxcは、現在の点火時期の下で前述のエンジンモデルを用いて予測される筒内圧力最大値である。そして、プロットした点(CAkcs、Pmaxc)を通るように、PmaxとCAkcとの関係を示す直線を図中に破線で示すように平行移動する。平行移動後の直線(破線)で示される筒内圧力最大値Pmaxとノック発生クランク角CAkcとの関係が、補正後のPmax-CAkcマップとして更新される。このとき、図8中に示すように、Y軸(Pmax)方向へのオフセット量がPmax-CAkcマップの補正量Cfとして取得される。
なお、上述の方法によるPmax-CAkcマップの補正は、ステップS100−2で取得されたエンジン負荷に対応するPmax-CAkcマップについて行われる。ただし、エンジン負荷毎に用意されている他のPmax-CAkcマップについて補正することもできる。その場合には、他のPmax-CAkcマップについても補正量CfだけPmaxとCAkcとの関係を示す直線をオフセットすればよい。また、上述の補正方法はあくまでも一例であり、他の方法によってPmax-CAkcマップのマップデータを補正してもよい。
次のステップS204では、補正量Cfが基準値Cbを超えているか否か判定される。補正量Cfが基準値Cb以内に収まっている場合にはステップS104に進み、補正されたPmax-CAkcマップにステップS102で算出された代表点火時期毎の筒内圧力最大値Pmaxが照合され、各筒内圧力最大値Pmaxに対応するノック発生クランク角CAkcが算出される。その後は実施の形態1と同様、ステップS106乃至ステップS110の処理が実行される。
ステップS204の判定の結果、補正量Cfが基準値Cbを超えている場合、つまり、Pmax-CAkcマップの補正が過大な場合には、ノックセンサ等の点火時期制御に関わるセンサに何らかの異常があると判断される(ステップS206)。この場合は、センサの異常を知らせる信号が出力されるとともに、本ルーチンによる制御は終了となる。
以上説明したルーチンによれば、実際にノックが発生したときのクランク角CAkcと、そのときの設定点火時期及び運転条件から予測される筒内圧力最大値Pmaxcとに基づき、Pmax-CAkcマップのマップデータを学習することができる。これにより、エンジンの個体差や経年変化等、モデルや数式では考慮できない原因によってエンジンのノック特性が変化した場合でも、トレースノック点火時期を正確に予測することが可能になる。
また、上記のルーチンによれば、マップデータの補正量Cfに正常補正範囲を規定する基準値Cbが設けられているので、マップデータの誤補正を防止しつつ、ノックセンサ等のセンサの異常を早期に発見することもできる。
実施の形態3.
次に、図9及び図10を参照して本発明の実施の形態3について説明する。
本発明の実施の形態3としての点火時期制御装置は、ECUに、図1のフローチャートに示すルーチンに代えて図9のフローチャートに示すルーチンを実行させることにより実現することができる。図9に示すルーチンにおいて、図1に示すルーチンと同一内容の処理については同一のステップ番号を付している。以下では、実施の形態1において既に説明した処理についての重複する説明は省略し、本実施形態に特有の処理について説明するものとする。
図9に示すルーチンの最初のステップS100−3では、現在のエンジンの運転条件に関する情報が取得される。本実施形態で取得される運転条件情報には、実施の形態1で取得される各種情報に加え、前回サイクルにおける実際の筒内圧力最大値Pmaxsと実際にノックが発生したクランク角CAkcsも含まれる。本実施形態にかかるエンジンのシリンダヘッドには筒内圧センサが取り付けられている。筒内圧センサは燃焼室内の圧力に応じた信号(筒内圧信号)を出力している。ECUは、筒内圧信号から筒内圧力最大値Pmaxsを計測するとともに、筒内圧信号の変動からノックの発生を検出し、そのときのクランク角をノック発生クランク角CAkcsとして取得している。
図9に示すルーチンでは、続いてステップS300の判定が行われる。ステップS300では、筒内圧信号の変動から実際にノック(トレースノック)が発生しているノック発生サイクルが存在するか否か判定される。ノックが発生している場合には、ステップS100−3で取得される運転条件情報にノック発生クランク角CAkcsが含まれており、ノックが発生していない場合には、運転条件情報にノック発生クランク角CAkcsは含まれていない。判定の結果、ノックが発生していない場合にはステップS102に進む。
ステップS102では、実施の形態1と同じく、各代表点火時期における筒内圧力最大値Pmaxがエンジンモデルを用いて予測される。その際、ステップS100−3で取得された実際の筒内圧力最大値Pmaxsと現在の点火時期に基づいて、各代表点火時期における筒内圧力最大値Pmaxの補正が行われる。その後は実施の形態1と同様、ステップS104乃至ステップS110の処理が実行される。
ステップS300の判定の結果、ノックが発生している場合には、ステップS302の処理が実行される。ステップS202では、ステップS100−3で取得された筒内圧力最大値Pmaxs及びノック発生クランク角CAkcsを用い、Pmax-CAkcマップのマップデータが補正される。図10はPmax-CAkcマップの補正方法の一例について示す図である。図中に実線で示すように、Pmax-CAkcマップで定められているPmaxとCAkcとの関係をグラフに表すと一本の直線になる。ステップS302では、まず、このグラフ上にノック発生クランク角CAkcsと筒内圧力最大値Pmaxsとを座標とする点をプロットする。そして、プロットした点(CAkcs、Pmaxs)を通るように、PmaxとCAkcとの関係を示す直線を図中に破線で示すように平行移動する。平行移動後の直線(破線)で示される筒内圧力最大値Pmaxとノック発生クランク角CAkcとの関係が、補正後のPmax-CAkcマップとして更新される。このとき、図10中に示すように、Y軸(Pmax)方向へのオフセット量がPmax-CAkcマップの補正量Cfとして取得される。
上述の方法によるPmax-CAkcマップの補正は、ステップS100−3で取得されたエンジン負荷に対応するPmax-CAkcマップについて行われる。ただし、エンジン負荷毎に用意されている他のPmax-CAkcマップについて補正することもできる。その場合には、他のPmax-CAkcマップについても補正量CfだけPmaxとCAkcとの関係を示す直線をオフセットすればよい。また、上述の補正方法はあくまでも一例であり、他の方法によってPmax-CAkcマップのマップデータを補正してもよい。
次のステップS304では、補正量Cfが基準値Cbを超えているか否か判定される。補正量Cfが基準値Cb以内に収まっている場合にはステップS102に進む。ステップS102では、前述のように、各代表点火時期における筒内圧力最大値Pmaxがエンジンモデルを用いて予測され、その際、実際の筒内圧力最大値Pmaxsと現在の点火時期に基づいて、各代表点火時期における筒内圧力最大値Pmaxの補正が行われる。また、次のステップS104では、ステップS302で補正されたPmax-CAkcマップにステップS102で算出された代表点火時期毎の筒内圧力最大値Pmaxが照合され、各筒内圧力最大値Pmaxに対応するノック発生クランク角CAkcが算出される。その後は実施の形態1と同様、ステップS106乃至ステップS110の処理が実行される。
ステップS304の判定の結果、補正量Cfが基準値Cbを超えている場合、つまり、Pmax-CAkcマップの補正が過大な場合には、筒内圧センサ等の点火時期制御に関わるセンサに何らかの異常があると判断される(ステップS306)。この場合は、センサの異常を知らせる信号が出力されるとともに、本ルーチンによる制御は終了となる。
以上説明したルーチンによれば、実際に測定された筒内圧力最大値Pmaxsと実際にノックが発生したときのクランク角CAkcとに基づき、Pmax-CAkcマップのマップデータを学習することができる。これにより、エンジンの個体差や経年変化等、モデルや数式では考慮できない原因によってエンジンのノック特性が変化した場合でも、トレースノック点火時期を正確に予測することが可能になる。
また、上記のルーチンによれば、ノイズを拾いやすいノックセンサを用いることなくノックの発生を検出することできるので、トレースノック点火時期の正確な予測が可能となる。さらに、実際に測定された筒内圧力最大値Pmaxsを用いてマップデータを補正するので、推定した筒内圧力最大値Pmaxcを用いてマップデータを補正する実施の形態2に比較し、推定に伴う誤差が排除できる分、より正確なトレースノック点火時期の予測が可能になる。
また、上記のルーチンによれば、実施の形態2と同様、マップデータの補正量Cfに正常補正範囲を規定する基準値Cbが設けられているので、マップデータの誤補正を防止しつつ、筒内圧センサ等のセンサの異常を早期に発見することもできる。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
各実施の形態のステップS104では、Pmax-CAkcマップをエンジン負荷毎に用意しているが、よりマップデータの精度を高めるために、エンジン負荷毎及びエンジン回転数毎にPmax-CAkcマップを用意してもよい。また、筒内圧力最大値Pmaxとノック発生クランク角CAkcとは比例関係にあることから、マップの代わりに近似式(Pmax-CAkcの一次式)を用いてもよい。この場合もエンジン負荷毎、より好ましくはエンジン負荷毎及びエンジン回転数毎にPmax-CAkcの式を用意しておく。近似式を用いる場合には、ECUのメモリを節約することができる。
各実施の形態のステップS106において、各ノック発生クランク角CAkcでの燃焼割合Bkを算出する代わりに、燃焼割合が所定値Bkoになるクランク角CAbkを算出してもよい。クランク角CAbkは、Wiebeモデル等のエンジンモデルを用いて毎回算出することもでき、運転条件毎に予め作成したマップから読み出すこともできる。この場合、次のステップS108では、ステップS102及びステップS104の計算結果から得られる各代表点火時期とノック発生クランク角CAkcとの関係から、補間計算によってクランク角CAbkに対応する点火時期を算出する。これにより、ノック発生時燃焼割合Bkが所定値Bkoになる点火時期Sk、つまり、トレースノック点火時期を求めることができる。
本発明の実施の形態1において実行されるトレースノック点火時期の決定のためのルーチンのフローチャートである。 モデルを用いた計算で得られる各代表点火時期と筒内圧力最大値Pmaxとの関係を示す図である。 Pmax-CAkcマップにおける筒内圧力最大値Pmaxとノック発生クランク角CAkcとの対応関係を示す図である。 クランク角に対する筒内圧力の変化を示す図である。 モデルを用いた計算で得られるクランク角と燃焼割合との関係を示す図である。 代表点火時期とノック発生時燃焼割合Bkとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態2において実行されるトレースノック点火時期の決定のためのルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2にかかるPmax-CAkcマップの補正方法の一例について示す図である。 本発明の実施の形態3において実行されるトレースノック点火時期の決定のためのルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3にかかるPmax-CAkcマップの補正方法の一例について示す図である。

Claims (3)

  1. 内燃機関の運転条件に関する情報を取得する情報取得手段と、
    筒内圧力の最大値とノックが発生するクランク角との関係を運転条件毎に記憶した記憶手段と、
    点火時期と筒内圧力最大値との関係を運転条件に基づいて予測する予測手段と、
    筒内の燃料の燃焼割合が所定値に達するクランク角を運転条件に基づいて予測する予測手段と、
    現在の運転条件における筒内圧力最大値とノック発生クランク角との関係、及び現在の運転条件の下で予測される点火時期と筒内圧力最大値との関係、並びに現在の運転条件の下で燃焼割合が所定値に達するクランク角から、現在の運転条件の下でノック発生時の燃焼割合が所定値になる点火時期を演算する演算手段と、
    前記演算結果に基づいて点火時期を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  2. 前記内燃機関で発生するノック信号を検出するノック信号検出手段と、
    ノック信号が検出されたときのクランク角と、そのときの設定点火時期及び運転条件から予測される筒内圧力最大値とに基づき、前記記憶手段に記憶されている筒内圧力最大値とノック発生クランク角との関係を補正する補正手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  3. 筒内圧力を測定する筒内圧力測定手段と、
    筒内圧力の変化からノックの発生を検知するノック検知手段と、
    ノックの発生が検知されたときのクランク角と、ノックが発生したサイクルにおいて測定された筒内圧力最大値とに基づき、前記記憶手段に記憶されている筒内圧力最大値とノック発生クランク角との関係を補正する補正手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の点火時期制御装置。
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