JP5742787B2 - 内燃機関の異常燃焼検出装置 - Google Patents

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Description

この発明は内燃機関の異常燃焼検出装置に関する。更に具体的には、内燃機関の気筒内の圧力を検出するための筒内圧センサを有する内燃機関に適用される異常燃焼検出装置に関するものである。
特許文献1には、内燃機関の各気筒の圧力の進行を表す物理モデルから予測される筒内圧に応じた第1の値と、複数の気筒ごとに設置された筒内圧センサの出力に基づく第2の値とを比較し、両者の差が所定値以上の場合に内燃機関の異常燃焼と判定するシステムが開示されている。
特許文献2には、内燃機関の異常燃焼の検出に関し、筒内圧センサの出力に応じて各気筒の燃焼状態量を求め、異常燃焼を検出し、異常燃焼を規制することが開示されている。
特開2010−071284号公報 特開2007−231948号公報 特開2008−524489号公報 特開2005−330904号公報
上記特許文献1では、物理モデルから算出される値に対する、筒内圧センサの出力に基づくパラメータのズレを基準として、異常燃焼の有無が判定される。このように筒内圧センサの出力に基づき異常燃焼を検出するシステムは、筒内圧センサが出力ドリフト又は感度異常を起こしている場合には、異常燃焼について誤った判定をすることがある。
また、特許文献2のように、燃焼状態量に基づき異常燃焼の有無の判定をするシステムは、筒内圧センサが出力ドリフトを起こしている場合に、燃焼状態量を正しく把握することができず、誤判定を生じる恐れがある。
この発明は上記課題を解決することを目的とし、筒内圧センサが出力ドリフト及び/又は感度異常を起こしている場合の異常燃焼の誤判定を抑制しつつ、内燃機関の異常燃焼を高い精度で検出できるよう改良した内燃機関の異常燃焼検出装置を提供するものである。
本発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の異常燃焼検出装置であって、内燃機関の燃焼室内の圧力に応じた出力を発する筒内圧センサを有する内燃機関に適用される。この内燃機関の異常燃焼検出装置は、筒内圧センサの出力に応じて、該筒内圧センサの出力ドリフト量を取得する手段と、出力ドリフト量と筒内圧センサの出力とに応じて、特定の燃焼質量割合に到達するクランク角を推定する手段と、推定されたクランク角に応じて、異常燃焼を検出する手段とを有する。クランク角を推定する手段は、筒内圧センサの出力に応じて、特定の燃焼質量割合に到達するクランク角の演算値を演算する手段と、出力ドリフト量に応じて、特定の燃焼質量割合に到達する、実際のクランク角に対する、クランク角の演算値の角度ずれを推定する手段と、を有する。更に、クランク角を推定する手段は、クランク角の演算値を、角度ずれに応じて補正する手段を備え、この補正された該演算値を、特定の燃焼質量割合に到達するクランク角とする。
また、本発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の異常燃焼検出装置であって、内燃機関の燃焼室内の圧力に応じた出力を発する筒内圧センサを有する内燃機関に適用される。この内燃機関の異常燃焼検出装置は、筒内圧センサの出力に応じて、該筒内圧センサの出力ドリフト量を取得する手段と、出力ドリフト量と筒内圧センサの出力とに応じて、特定の燃焼質量割合に到達するクランク角を推定する手段と、推定されたクランク角に応じて、異常燃焼を検出する手段とを有する。異常燃焼を検出する手段は、特定の燃焼質量割合に到達するクランク角と、気筒の点火時期との角度差に応じて、異常燃焼を検出する。
本発明は、燃焼質量割合50%を、特定の燃焼質量割合としたものであってもよい。
本発明において出力ドリフト量を取得する手段は、気筒の吸気弁閉弁時期以前に検出された筒内圧センサの出力と、気筒の排気弁開弁時期以後に検出された筒内圧センサの出力との差に応じて、出力ドリフト量を算出するものとしてもよい。
特定の燃焼質量割合に到達するクランク角は、筒内圧センサの出力を用いて算出することができる。しかし、筒内圧センサに出力ドリフトが生じている場合、算出される特定の燃焼質量割合に到達するクランク角の値は、実際の値とは異なるものとなる。本発明では、この角度のずれが、筒内圧センサの出力ドリフト量に応じたものとなることから、出力ドリフト量と筒内圧センサの出力との両者に応じて、特定の燃焼質量割合に到達するクランク角が求められ、求められたクランク角に応じて異常燃焼の有無が判定される。従って、筒内圧センサに出力ドリフトが生じている場合にも、高い精度で、異常燃焼の有無を判定することができる。
また、筒内圧センサに感度異常が生じている場合、筒内圧センサの出力に基づく筒内圧の検出値は、全体に、実際よりも小さな値で検出される。しかし、感度異常により、筒内圧自体が小さくなっても、燃焼質量割合に対するクランク角の算出値に対する影響は小さい。本発明では、筒内圧センサの感度異常による影響が少ない特定の燃焼質量割合に到達するクランク角をパラメータとして用いることで、筒内圧センサに、更に感度異常が生じている場合にも、高い精度で燃焼異常の有無を判定することができる。
また、燃焼質量割合50%に到達するクランク角の算出値に対する、感度異常の出力影響は特に小さい。従って、燃焼質量割合50%のときのクランク角を求めて異常燃焼の検出をするものの場合、筒内圧センサに出力ドリフトと感度異常との両者が生じている場合であっても、更に高い精度で、異常燃焼の有無を判定することができる。
本発明の実施の形態におけるシステムの全体構成について説明するための模式図である。 本発明の実施の形態における筒内圧センサの出力に基づく筒内圧検出値の変化を表す図である。 本発明の実施の形態における筒内圧センサの出力に基づく筒内圧検出値の変化を表す図である。 本発明の実施の形態における筒内圧センサの出力に基づく筒内圧検出値の変化を表す図である。 本発明の実施の形態において算出される発熱量の変移量を説明するための図である。 本発明の実施の形態において算出される燃焼質量割合の変化を説明するための図である。 本発明の実施の形態における燃焼質量割合50%に達するクランク角の算出値と、筒内圧センサの出力ドリフト量との関係について説明するための図である。 本発明の実施の形態における燃焼質量割合50%に達するクランク角の算出値に対する補正について説明するための図である。 本発明の実施の形態において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1のシステムの全体構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、車両の動力源として用いられる火花点火式の内燃機関2を備えている。
内燃機関2は複数の気筒4を有しており、図1には、そのうちの一つの気筒の断面が示されている。各気筒4にはピストン6が配置されている。ピストン6は、クランク機構を介してクランクシャフトと接続されている。クランクシャフトの近傍には、クランク角センサ8が設けられている。クランク角センサ8は、クランクシャフトの回転角度に応じた出力を発するセンサである。
気筒4それぞれには、気筒4の燃焼室内の混合気に点火する点火プラグ14とCPS16(Combustion Pressure Sensor)が設けられている。CPS16は、燃焼室内の圧力(筒内圧)に応じた出力を発する筒内圧センサである。
本実施の形態1のシステムは、制御装置20を備えている。制御装置20の入力側には、クランク角センサ8、CPS16の他、水温センサ、エアフロメータ、スロットルポジションセンサ、空燃比センサ等の各種センサが接続されている。また、制御装置20の出力側には、前述の点火プラグ14の他、各種アクチュエータが接続されている。制御装置20は、各種センサからの入力情報に基づいて所定のプログラムを実行し、各種アクチュエータを作動させることにより、内燃機関2の運転状態を制御する。
[実施の形態における異常燃焼の検出]
本実施の形態1において制御装置20が実行する制御には、異常燃焼検出の制御が含まれ、制御装置20は内燃機関2の異常燃焼検出装置として機能する。
内燃機関の各気筒4内で生じる異常燃焼は燃焼室内での燃焼の進行状態に基づいて検出することができる。燃焼の進行状態は、特定の燃焼質量割合(以下、「MFB」とも称する)に到達した時期を検出することで予想される。MFBは、筒内に流入した燃料のうち、燃焼した燃料の割合を表す値である。
本実施の形態では、特定のMFBを50%とし、MFB50%に到達するクランク角(以下、「CA50」とも称する)を検出し、検出されたCA50と、点火時期に対応するクランク角との角度差を求める。内燃機関2の制御では、CA50が所定のクランク角となるように点火時期を制御するため、点火時期のクランク角とCA50との角度差は一定となる。これに対し、異常燃焼が生じている場合、CA50が早まりCA50との角度差が小さくなる。
従って、本実施の形態では算出された、CA50と点火時期との角度差(CA50−点火時期)が、第1基準値αより小さい場合には、異常燃焼が発生していると判断し、異常燃焼を検出する。尚、第1基準値αは、正常の燃焼の場合のCA50と点火時期のクランク角との角度差に応じ、適宜設定される。具体的な値は予め、実験やシミュレーション等により設定され、制御装置20に記憶される。
[実施の形態1の特徴的な制御]
ところで、上記CA50は、CPS16の出力に応じた筒内圧を推定される。従って、CPS16に異常が生じ、筒内圧検出値と実際の検出値との間にズレが生じた場合、CA50の推定値にも影響する場合がある。これについて以下に説明する。尚、この実施の形態において「筒内圧検出値」と言った場合、とCPS16の出力に基づいて検出された筒内圧を意味するものとする。
<CPS16の感度異常について>
図2は、本実施の形態における筒内圧検出値の変化を表す図である。図2において横軸はクランク角[deg]、縦軸は筒内圧[MPa]を表している。図2において線(a)はCPS16が正常な場合の筒内圧検出値であり、線(b)はCPS16が感度異常を起こしている場合の筒内圧検出値である。
図2の線(b)に示されるように、CPS16に感度異常が生じている場合、出力が小さくなり、筒内圧検出値は、実際の筒内圧に比べて全体的に小さくなる。但し、筒内圧検出値は概ね一律の割合で小さくなり、例えば、最大の筒内圧を示すクランク角にずれは生じていない。
<CPS16の出力ドリフト量について>
また、CPS16に素子にクラック等が生じているような場合、出力が変動する出力ドリフトが生じ、筒内圧検出値が実際の筒内圧とは異なるものとなる場合がある。図3、図4は、本実施の形態におけるCPS16の出力に基づく筒内圧検出値の変化を表す図である。図3、図4において、横軸はクランク角[deg]、縦軸は筒内圧[MPa]を表している。また、図3において線(a)はCPS16が正常な場合の筒内圧検出値であり、線(b)はCPS16が出力ドリフトを起こしている場合の筒内圧検出値である。
図3に示されるように、CPS16が出力ドリフトを起こしている場合の筒内圧検出値と、CPS16が正常な場合の筒内圧検出値とのずれは、特に筒内圧が最大となる角度以降で大きく、正常な筒内圧検出値に対し、出力ドリフトを起こしている場合の筒内圧検出値は大幅に大きな値を示している。
ここで、CPS16が正常であれば、線(a)に示されるように、吸気弁閉弁時期(以下「IVC」とも称する)以前の筒内圧と排気弁開時期(以下「EVO」とも称する)以後の筒内圧とは、概ね同一になる。しかし、CPS16が出力ドリフトを起こしている場合、EVO以後の筒内圧は、IVC以前の筒内圧検出値と一致する値を示さず、IVC以前の筒内圧検出値と、EVO以後の筒内圧検出値との間にずれが生じる。従って、本実施の形態では、図4に示されるように、EVOにおける筒内圧検出値と、IVCにおける筒内圧検出値との差をCPS16の出力ドリフト量として求める。
<出力ドリフトが燃焼質量割合に与える影響について>
次に、CPS16に出力ドリフトが生じている場合に、筒内圧検出値のズレが算出されるCA50の値に与える影響について説明する。
まず、ある時点iにおけるMFBは、次式(1)により算出される。
Figure 0005742787

上記式(1)において、Qは燃焼開始からある時点iまでに生じた発熱量であり、Qivcは、IVCまでに生じた発熱量、Qmaxは今回の燃焼サイクルでの総発熱量である。
各気筒4の燃焼により生じた、ある時点iにおける発熱量Qは次式(2)に従って算出される。
Figure 0005742787

上記式(2)において、θはある時点iにおけるクランク角である。
更に、発熱量Qの変移(dQ/dθ)は、次式(3)により求められる。
Figure 0005742787

上記式(3)において、κは比熱比、Pは時点iにおける筒内圧検出値、Vは時点iにおける燃焼室容積である。発熱量Qの変移量(dQ/dθ)は、あるクランク角θで単位時間に発生した発熱量である。
図5は、本発明の実施の形態において算出される発熱量の変移量dQ/dθについて説明するための図である。図5において横軸はクランク角[deg]、縦軸は発熱量の変移量dQ/dθ[J]を表している。また線(a)はCPS16が出力ドリフトを起こしていない場合、線(b)はCPS16が出力ドリフトを起こしている場合を表している。
式(2)、(3)に示されるように、発熱量Q及びその変移量dQ/dθは筒内圧検出値Pを用いて算出される。CPS16に出力ドリフトが起きていない場合、線(a)に示されるように、発熱量の変移量dQ/dθは比較的早い段階で小さくなり最終的にゼロを示す。
一方、CPS16に出力ドリフトが生じている場合、筒内圧検出値Piの値は、最大筒内圧を示した後、実際の筒内圧よりも大きな値を示す。この影響により式(3)により算出される発熱量の変移量dQ/dθも大きくなり、実際には変移量がゼロ近傍となるクランク角に達しても、算出される発熱量の変移量は大きな値を示す。
このため、CPS16に出力ドリフトが生じている場合には、式(2)により算出される発熱量Qは上昇を続けることとなる。その結果、最大発熱量Qmaxを示す時期(クランク角)が大きく遅角側にずれて算出されることとなる。
図6は、本実施の形態において、式(1)に従って算出されるMFBの変化を表す図である。図6において横軸はクランク角[deg]、縦軸はMFB[%]を表している。上述したように出力ドリフトが生じている場合、総発熱量Qmaxの位置(クランク角)が遅角側に大きくずれて算出される。MFBは、総発熱量Qmaxに対する現在までの発熱量Qを示すものであり、従って、Qmaxを100[%]とした場合の現在の発熱量の割合を意味する。
CPS16に出力ドリフトが生じ、総発熱量Qmaxを示すクランク角が、実際に総発熱量Qmaxを示すクランク角よりも遅角側にずれて算出される場合、図6の線(b)に示されるように、例えば、発熱量Qが総発熱量Qmaxの50%となるCA50の算出値も、実際のCA50に比べて、大きく遅角側にずれたものとなる。
<CA50の補正について>
上記のように、本実施の形態では、異常燃焼の有無をCA50と点火時期のクランク角との角度差に基づいて判断する。従って、正しく異常燃焼の有無を判定するためには、算出されるCA50に対する出力ドリフトの影響を除去する必要がある。このため本実施の形態では、以下のように、CA50の算出値を補正する。
上述したように、燃焼質量割合MFBiに生じる遅角側へのずれ量は、出力ドリフトにより生じるものである。つまり、図6に示されるような、実際のMFBiの値(線(a))とMFBiの算出値(線(b)とのずれ量は、出力ドリフト量と相関を有する。従って、CA50の算出値の、実際のCA50とのズレ量(角度ずれ)は、出力ドリフト量と相関を有する。
図7は、CA50の算出値に含まれるズレ量と、出力ドリフト量との関係を説明するための図である。図7において、横軸は出力ドリフト量[MPa]、縦軸は、CA50のズレ量[deg]を表している。図7に示されるように、出力ドリフト量が大きくなるに連れて、CA50のズレ量も大きくなる。
また、図7に示されるような出力ドリフト量とCA50のズレ量との関係は、負荷などの内燃機関2の運転条件によっても影響され、その運転状態により出力ドリフト量の、CA50のズレ量に対する寄与度が異なるものとなる。
従って、本実施の形態では、図7に示されるような出力ドリフト量とCA50のズレ量との関係を、所定の運転条件ごとに、予め、実験、シミュレーション、演算等により求めておいて、マップ等として制御装置20に記憶しておく。
図8は、本発明の実施の形態におけるCA50に対する補正について説明するための図である。図8において、クランク角[deg]、縦軸は、MFB[%]を表している。また、図8において線(a)は、CPS16が出力ドリフトを起こしていない場合に算出されるMFBの値、線(b)は、CPS16が出力ドリフトを起こしている場合に算出されるMFBの値、線(c)は、CA50を補正する場合のMFBの値を表している。
実際の内燃機関2の運転中の制御では、出力ドリフト量を算出し、そのときの運転条件に応じたマップに従って、出力ドリフト量に応じたズレ量が求められる。図8の線(b)に示されるように、求められたズレ量を補正値とし、筒内圧検出値に基づき算出されたCA50から減算する(ズレ量分、進角させる)ことでCA50を補正する。これにより、CPS16の出力ドリフトによる影響が補償されたCA50が求められる。
制御装置20は、このように補正されたCA50を用いて、燃焼異常を判断する。従って、CPS16の出力ドリフトの影響による誤判定を抑制し、高い精度で異常燃焼の有無を判定することができる。
なお、図2において説明したように、CPS16に感度異常が生じている場合、筒内圧検出値が全体に概ね一律の割合で小さくなる。従って、発熱量が最大の発熱量Qmaxとなるクランク角の算出値に対する影響は小さく、従ってCA50の算出値に対する感度異常の影響も小さい。従って、本実施の形態では、出力ドリフトによる影響を補償すれば、CPS16に感度異常が生じていても、高い精度で異常燃焼を検出することができる。
図9は、本発明の実施の形態において制御装置20が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図9のルーチンは、内燃機関2の運転中、一定の演算周期で繰り返し実行されるルーチンである。
図9のルーチンが開始されると、まず、今回の燃焼サイクルについてのCA50が算出される(S100)。CA50は、制御装置20によりCPS16の出力が取得され、これに基づき検出される筒内圧検出値に応じて、所定の演算式により演算される。
次に、出力ドリフト量が算出される(S102)。出力ドリフト量はIVCにおける筒内圧検出値と、EVOにおける筒内圧検出値の差として求められる。
次に、算出された出力ドリフト量が第2基準値βより大きいか否かが判別される(S104)。ここで、第2基準値βは予め制御装置に記憶された判別の基準値であり、例えば、IVCとEVOとにおける筒内圧検出値の差に対しての許容範囲の、上限付近の値に設定される。この判別により、CPS16に補正が必要な出力ドリフトが生じているか否かが判別される。
ステップS104において、出力ドリフト量>βの成立が認められた場合、CPS16は出力ドリフトを生じていると判別される。この場合には、次に、CA50におけるズレ量が算出される(S106)。CA50におけるズレ量と出力ドリフト量との関係は、予め制御装置20にマップ又は演算式として記憶されている。従って、ここでは現在の運転状態に応じたマップに従って、ステップS102において求められた出力ドリフト量に応じて、ズレ量が算出される。
次に、ズレ量に応じてCA50のクランク角が補正される(S108)。具体的には、S100において、CPS16の出力に基づいて算出されたCA50のクランク角が、ステップS106において算出されたズレ量に応じて進角補正される。
ステップS108においてCA50のクランク角が補正された場合、又は、ステップS104において、出力ドリフト量>βの成立が認められない場合、次に、ステップS110の処理が行われる。即ち、点火時期のクランク角とCA50との角度差が算出される。ここで、点火時期のクランク角は、現在の運転状態に応じて、別ルーチンで適宜設定される角度である。CA50のクランク角は、ステップS108において補正された場合には、補正されたCA50のクランク角が用いられ、補正されていない場合(出力ドリフト量≦βであった場合)には、ステップS100において算出されたCA50のクランク角がそのまま用いられる。
次に、点火時期とCA50との角度差が、第1基準値αより小さいか否かが判別される(S112)。第1基準値αは、異常燃焼が生じているか否かを判別するための基準値となる値であり、予め制御装置20に記憶された値である。
ステップS112において、角度差<第1基準値αの成立が認められた場合には、異常燃焼が生じていると判断され、今回のルーチンは終了する。また異常燃焼と判断された場合には、今回異常燃焼を示す警告灯の表示、あるいは異常燃焼を解消する所定の制御等、別ルーチンで設定された必要な制御が実行される。
一方、ステップS112において、角度差<第1基準値αの成立が認められない場合、正常燃焼と判定され、今回の処理は終了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、CPS16に出力ドリフトが生じている場合にも、その影響を除去したCA50を求め、これにより異常燃焼の有無を判別することができる。従って、CPS16に出力ドリフトが生じている場合にも、異常燃焼の誤判定を抑制し、高い精度で異常燃焼を検出することができる。
また、本実施の形態においては、CPS16の感度異常を受けにくいCA50をパラメータとして異常燃焼を検出することができる。従ってCPS16に、出力ドリフトに加え、感度異常が生じているような場合であっても、感度異常による異常燃焼の誤判定を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、CA50をパラメータとし、異常燃焼の判定をする場合について説明した。しかし、本発明はこれに限るものではない。上述したように、ある特定のMFBに達するクランク角は、筒内圧検出値を用いて算出されるものであり、CPS16に出力ドリフトが生じている場合、出力ドリフトは、ある特定のMFBに達するクランク角の算出値に、実際のクランク角に対するズレを生じさせる。そして、このズレ量は、出力ドリフト量と相関を有する。従って、MFBが50[%]の場合に限らず、他のMFBに対するクランク角をパラメータとする場合にも、出力ドリフトと、そのMFBのクランク角に生じるズレ量との関係を予め求めておくことで、上記同様の制御を行うことができる。
また、本実施の形態では、出力ドリフト量をIVCとEVOとの夫々における筒内圧検出値の差として求める場合について説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、他の手法により出力ドリフト量を検出するものであってもよい。また、出力ドリフト量と相関を有する他のパラメータを出力ドリフト量に替えて用いることもできる。
また、本実施の形態では、CA50のクランク角と点火時期に対応するクランク角との角度差をパラメータとして異常燃焼を検出する場合について説明した。しかし、本発明は点火時期を基準とするものに限らず、特定のMFBに対するクランク角に応じて、異常燃焼を検出するものであればよい。
また、本実施の形態では、ステップS104において、出力ドリフト量が第2基準値βより大きい場合にのみ、出力ドリフトが生じているものとして、CA50を補正することとした。しかし、本発明は、これに限るものではなく、例えば、出力ドリフト量の大きさに係らず、出力ドリフト量に応じたズレ量を算出して、補正するものであってもよい。
また、本実施の形態では、まずCA50を算出した後、出力ドリフト量に応じた補正量(ズレ量)を求め、CA50を補正する場合について説明した。しかし、本発明において、特定のMFBに対するクランク角を推定する手法は、これに限るものではなく、CPS16の出力ドリフトを考慮したものであればよい。従って、例えば、出力ドリフト量と、筒内圧検出値とから、直接的に、特定のMFBに到達するクランク角を推定するものであってもよい。このように直接的にクランク角を推定する場合、例えば、予め、出力ドリフト量と、筒内圧検出値と、特定のMFBに到達するクランク角(例えばCA50)との関係を、運転条件ごとにシミュレーション等により求め、マップ等として制御装置20に記憶しておおく。このマップに従って、実際の制御においては、出力ドリフト量と筒内圧検出値に応じて、クランク角を推定することができる。
なお、本実施の形態においてステップS102の処理が実行されることで、本発明の「出力ドリフト量を取得する手段」が実現し、ステップS100、ステップS106及びS108の処理が実行されることで「クランク角を推定する手段」が実現し、ステップS112〜S116の処理が実行されることで「異常燃焼を検出する手段」が実現される。また、ステップS100の処理が実行されることで、本発明の「クランク角の演算値を演算する手段」が実現し、ステップS106の処理が実行されることで「角度ずれを推定する手段」が実現し、ステップS108の処理が実行されることで「補正する手段」が実現する。即ち、本発明において制御装置20は、出力ドリフト量を推定する手段、クランク角を推定する手段(クランク角の演算値を演算する手段、角度ずれを推定する手段、補正する手段を含む)及び、異常燃焼を検出する手段を、その機能の一部として含むものである。
なお、以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、この実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
2 内燃機関
4 気筒
16 CPS(筒内圧センサ)
20 制御装置

Claims (4)

  1. 内燃機関の気筒内の圧力に応じた出力を発する筒内圧センサの出力に応じて、該筒内圧センサの出力ドリフト量を取得する手段と、
    前記出力ドリフト量と前記筒内圧センサの出力とに応じて、特定の燃焼質量割合に到達するクランク角を推定する手段と、
    前記推定する手段により推定されたクランク角に応じて、異常燃焼を検出する手段と、を備え、
    前記クランク角を推定する手段は、
    前記筒内圧センサの出力に応じて、前記特定の燃焼質量割合に到達するクランク角の演算値を演算する手段と、
    前記出力ドリフト量に応じて、前記特定の燃焼質量割合に到達する、実際のクランク角に対する、前記クランク角の演算値の角度ずれを推定する手段と、
    前記クランク角の演算値を、前記角度ずれに応じて補正する手段と、を備え、
    前記補正する手段により補正された該演算値を、前記特定の燃焼質量割合に到達するクランク角とすることを特徴とする内燃機関の異常燃焼検出装置。
  2. 内燃機関の気筒内の圧力に応じた出力を発する筒内圧センサの出力に応じて、該筒内圧センサの出力ドリフト量を取得する手段と、
    前記出力ドリフト量と前記筒内圧センサの出力とに応じて、特定の燃焼質量割合に到達するクランク角を推定する手段と、
    前記推定する手段により推定されたクランク角に応じて、異常燃焼を検出する手段と、を備え、
    前記異常燃焼を検出する手段は、前記クランク角を推定する手段により推定されたクランク角と、前記気筒の点火時期との角度差に応じて、前記異常燃焼を検出することを特徴とする内燃機関の異常燃焼検出装置。
  3. 燃焼質量割合50%を、前記特定の燃焼質量割合とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の異常燃焼検出装置。
  4. 前記出力ドリフト量を取得する手段は、前記気筒の吸気弁閉弁時期以前に検出された前記筒内圧センサの出力と、前記気筒の排気弁開弁時期以後に検出された筒内圧センサの出力との差に応じて、前記出力ドリフト量を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の内燃機関の異常燃焼検出装置。
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